JP2002116176A - ガスセンサ及び該ガスセンサを構成する筒状挿入部材の製造方法 - Google Patents
ガスセンサ及び該ガスセンサを構成する筒状挿入部材の製造方法Info
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Abstract
部材に固定するタイプのガスセンサにおいて、そのシー
ル性及び通気性を保証できるガスセンサを提供する。 【解決手段】 酸素センサ1においては、筒状挿入部材
30が、その大気側端部にて軸方向中央に向かって折り
込まれた構成を有するため、この折り込まれた部分の先
端に形成された大気側開口部と、この大気側端部を覆う
通気フィルタ50の表面との間に所定の空間が形成され
ている。このため、筒状挿入部材30が従来からの手法
で製造され、その大気側開口部の周縁部からバリが突出
していたとしても、このバリにより通気フィルタ50の
表面が傷つけられることもなく、通気フィルタ50の通
気性及び防水性、ひいては酸素センサ1のシール性を保
持することができる。
Description
を形成する管に取り付けられ、基準ガスとしての大気を
外部から導入して被測定ガス成分を検出するガスセンサ
に関する。
分の濃度を検出するガスセンサとして、HCセンサやN
Oxセンサ等種々のものが知られている。この種のガス
センサとしては、例えば先行する特許出願(特願平11
−346362号、特願平12−18576号)に示さ
れるように、外気を導入する通気孔を、ガスセンサの上
部に設けられたシール部材の中央を軸方向に貫通するよ
うに形成し、ガスセンサ下部に設置されたヒータ(熱
源)から遠ざけることにより、当該通気孔を閉塞する通
気フィルタの熱劣化を防止する構成を有するものがあ
る。当該ガスセンサでは、シート状の通気フィルタを、
筒状挿入部材に被せた状態で、通気孔に挿入し、これら
筒状挿入部材の外周面と通気孔の内周面との間に挟持す
る態様で前記通気孔内に固定することにより通気孔を閉
塞し、その通気性と防水性を保持している。
入部材の製造においては、金属製の板材をプレス成形し
て有底筒状体に形成した後、その底部をポンチにて外方
に打ち抜くことにより通気用の開口部を形成するのが一
般的である。このため、このポンチによる打ち抜きの際
に、有底筒状体の底部に外方に突出するバリが発生し、
このバリにより通気フィルタが損傷してシール性を低下
させてしまうといった問題があった。
のであり、通気フィルタを筒状挿入部材を介してシール
部材に固定するタイプのガスセンサにおいて、そのシー
ル性及び通気性を共に保証できるガスセンサを提供する
ことを目的とする。
に鑑み、請求項1記載のガスセンサは、そのケースと共
に基準ガス空間を形成するシール部材を備え、このシー
ル部材を大気側から基準ガス空間側に貫通する貫通孔に
は、シート状の通気フィルタが被せられた筒状挿入部材
が挿入されている。このため、筒状挿入部材の大気側開
口部はこの通気フィルタにより閉塞され、通気フィルタ
はシール部材の貫通孔の内面と筒状挿入部材の外面との
間に挟持された状態で固定されている。そして、通気フ
ィルタを通過した外気は、筒状挿入部材の内部に形成さ
れ、その大気側開口部と基準側開口部をつなぐ通気経路
を介して基準ガス空間に導入されるようになっている。
端部にて軸方向中央に向かって折り込まれている。従っ
て、この筒状挿入部材の折り込まれた部分の先端に形成
された大気側開口部と、この大気側端部を覆う通気フィ
ルタの表面との間には、所定の空間が形成されている。
このため、筒状挿入部材が従来からの手法で製造され、
その大気側開口部の周縁部からバリが突出していたとし
ても、このバリにより通気フィルタの表面が傷つけられ
ることもなく、通気フィルタの通気性及び防水性、ひい
てはガスセンサのシール性を保持することができる。
材の折り込みの態様によっては、その折り込まれた部分
と通気フィルタとの接触部分が大きくなり、通気フィル
タの通気領域が小さくなってしまう。一方、基準ガス空
間と大気との間で適切なガス交換を行うためには所定の
通気量を確保する必要があり、そのためには、通気フィ
ルタの通気領域を大きくとるのがよい。
筒状挿入部材の折り込み角度が90度以上になるように
構成されているのであるが、この折り込み角度が大きく
なるほど通気フィルタの有効面積(筒状挿入部材の大気
側端縁部と通気フィルタとが接触する部分により囲まれ
る通気フィルタの面積)が大きくなり、通気フィルタの
通気性を効果的に機能させることができる。
気量が確保されたとしても、その後に外気が通過する大
気側開口部の面積が小さくては、基準ガス室に導入され
るべき通気量を確保することが困難となる。そこで、筒
状挿入部材の大気側端部が軸方向中央に向かって完全に
折り込まれ、その大気側開口部の周縁部が筒状挿入部材
の内面に接する程度に構成することがより好ましい。こ
のように構成することで、大気側開口部の大きさを最も
大きくとることができ、通気フィルタを通過した外気を
ほぼそのまま基準ガス室に導入することができるからで
ある。
的強度を維持できる程度にその厚みをできる限り薄く構
成することが好ましく、具体的には、請求項3に記載の
ように、その厚みが0.1〜0.5mm程度、さらに好
ましくは0.1〜0.3mm程度に構成するのがよい。
しては種々考えられるが、例えば請求項4に記載のよう
に、従来のように板材をプレス成形することにより先端
に基準側開口部を有し後端に底部を有する筒状部材を形
成すると共に、先端側から後端側に向かって打ち抜くこ
とにより、その底部に大気側開口部を形成し、その後、
その大気側開口部周辺の底部を後端側から先端側に押し
込むことにより筒状部材の後端部を径方向中央に向かっ
て折り込むことにより形成することが考えられる。
と通気フィルタとの間に空間部を形成する工程を、従来
のプレス成形の最終工程に一工程加えるだけで、特に製
造コストの増加を伴うことなく本発明の筒状挿入部材の
形状を得ることができる。また、このように筒状部材の
底部を折り込む際に大気側に突出していたバリを押しつ
ぶすこともできるため、上記所定の空間を小さく形成す
ることもできる。このため、当該所定の空間の形成の際
に、筒状挿入部材に対して過度な負荷をかけることを回
避することができ、筒状挿入部材の成形の際の形状の安
定性を確保することができる。
面と共に説明する。本実施例は、本発明のガスセンサを
酸素センサとして構成したものであり、図1は当該酸素
センサの全体構成を示す断面図である。
O2を主成分とする固体電解質体により先端が閉じた中
空軸状に形成された検出素子2、検出素子2内に配置さ
れた軸状のセラミックヒータ3、検出素子2を収容する
ケース10等から構成されている。
取付部に固定すると共に、セラミックホルダ6,7及び
セラミック粉末8を内部に収容し、検出素子2の閉じた
先端部を排気管等の内部に突出させる主体金具9と、主
体金具9の上部に延設され、上方から検出素子2の内面
に大気を導入するための外筒13とから構成されてい
る。
出したフランジ部9aの先端縁により円形の上部開口部
が形成されており、このフランジ部9aがリング5を介
してセラミックホルダ6,7及びセラミック粉末8を上
方から固定している。そして、その上部開口部を覆う態
様で外筒13の下端開口端部が嵌合装着されている。
ス10と共に基準ガス空間を形成する円柱状のシールユ
ニット14が嵌挿され、その中央を貫通する通気経路に
配設された通気フィルタ50を介して基準ガス空間に外
気(酸素)が導入されるようになっている。
する複数の挿通孔が形成されており、検出素子2及びセ
ラミックヒータ3に接続されるリード線20,21がこ
れを挿通している。次に、シールユニット14の詳細構
造について、図2及び図3に基づいて説明する。尚、図
2はシールユニット14の分解斜視図、図3はシールユ
ニットを構成する筒状挿入部材30の断面図である。
は、ゴム製の弾性体からなる円柱状のシール部材15
と、このシール部材15の中央を軸方向に貫通する貫通
孔15aに嵌挿可能な筒状挿入部材30と、この筒状挿
入部材30の上端部(大気側端部)を覆うと共に、これ
らシール部材15の貫通孔15aの内周面と筒状挿入部
材30の外周面との間に挟持されて固定されるシート状
の通気フィルタ50とから構成されている。
る所定のピッチ円上には、上述したリード線20,21
等を挿通するために同本体を軸方向に貫通する4つの挿
通孔15bが等間隔で形成されている。筒状挿入部材3
0は、その両端が開口し、貫通孔15aに嵌合可能な筒
状に形成されている。そして、筒状挿入部材30の両開
口部の内、大気側開口部30aと反対側の基準側開口部
30bの端縁には、鍔部30cが形成されている。
うに、筒状挿入部材30は、その大気側端部にて軸方向
中央に向かって折り込まれており、この折り込まれた部
分の先端に大気側開口部30aが形成されている。その
結果、その大気側端部にはR形状の端縁30dが形成さ
れると共に、この大気側端部を覆う通気フィルタ50の
表面と大気側開口部30aとの間に、高さhの所定の空
間30eが形成されるようになっている。
に、金型を用いて板厚0.1〜0.3mmの金属製の板
材31をプレス成形することにより形成される。尚、こ
のプレス成形は二工程で行われ、図中上段に示す工程が
第1工程を、図中下段に示す工程が第2工程をそれぞれ
示している。
円筒状の挿通孔61aを有する第1雌型61と、この挿
通孔61aに上方から部分的に挿通される段付円柱状の
第2雌型62と、挿通孔61aに下方から導入される段
付円柱状の第1雄型71とが使用される。
状挿入部材30の外径にほぼ等しくなっており、挿通孔
61aに挿入される第2雌型62の小径部62aの外径
が、挿通孔61aの内径にほぼ等しくなっている。そし
て、第2雌型62の大径部62bが第1雌型61の上面
に当接することにより、第2雌型62が第1雌型61に
対して係止され固定されるようになっている。
向に貫通する貫通孔62cが設けられており、小径部6
2aの下面には窪み部62dが設けられている。この窪
み部62dの周端縁はR形状となっており、挿通孔61
aの内面に滑らかに接続されるように形成されている。
の内径にほぼ等しい外径を有する大径部71aと、大径
部71aに同軸状に連設され、筒状挿入部材30の大気
側開口部30aの径にほぼ等しい外径を有する小径部7
1bと、大径部71aの小径部71bとは反対側に同軸
状に連設され、筒状挿入部材30の鍔部30cの外径よ
りも大きな外径を有するベース部71cとから構成され
る。
2雌型62とを組み付けた状態で、板材31の中央部を
第1雌型61の挿通孔61aの下端に当接させ、下方か
ら第1雄型71を挿通孔61aに加圧導入する。このと
き、板材31は第1雄型71と第1雌型61に挟持され
つつ、有底筒状に成形されながら挿通孔61a内を上方
に押し込まれる。そして、その上端面が第2雌型の窪み
部62dに当接すると、この窪み部62dの形状に沿っ
て成形され、その上端縁に上述したR形状が施される。
また、このとき同時にその上端部中央が第1雄型71の
小径部71bにより打ち抜かれ、大気側開口部30aに
相当する孔が形成される。そして、さらに第1雄型71
が挿通孔61a内に押し込まれると、板材31の周縁部
が第1雌型61の下面と第1雄型71のベース部71c
との間に挟まれ、鍔部30cが形成される。
30の半製品(筒状部材)が形成されると、第1雌型6
1から第2雌型62及び第1雄型71が取り外され、第
2工程に移行する。第2工程では、まず、前述した第1
雄型71の代わりに、これと類似した形状を有する第2
雄型72が下方から導入され、筒状挿入部材30の半製
品を第1雌型61と共に挟持する態様で保持する。この
第2雄型72は、第1雄型71の小径部71bがなく、
第1雄型71の大径部71aよりも高さが小さい大径部
72aを有する。従って、この状態において、半製品の
上端部と大径部72aの上端面との間には所定の空間が
存在することになる。
3を第1雌型61の挿通孔61aに加圧導入する。この
第3雄型73は、挿通孔61aの内径にほぼ等しい外径
を有する大径部73aと、この大径部73aの下方に連
設され、これよりも小さい外径を有する小径部73bと
から構成され、小径部73bの先端にテーパ部73cを
有する。
品の上端面に押し付けられる態様で、半製品の上端部が
軸方向中央に向かって折り込まれる。このようにして筒
状挿入部材30が完成する。また、通気フィルタ50
は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の
未焼成成形体を、PTFEの融点よりも低い加熱温度で
一軸方向に延伸することにより得られる多孔質繊維構造
体(例えば、商品名:ゴアテックス(ジャパンゴアテッ
クス(株)))により、水滴等の水を主体とする液体の
透過は阻止し、かつ気体(空気、水蒸気等)の透過は許
容する通気フィルタとして構成されている。また、さら
に撥油コートした多孔質繊維構造体(商品名:オレオベ
ントフィルタ(ジャパンゴアテックス(株))を用いる
こともできる。これを用いることにより、付着した油分
が気化して内部に侵入する危険性を低下させることがで
きる。
部材15、通気フィルタ50及び筒状挿入部材30の組
付けの際には、通気フィルタ50が筒状挿入部材30の
大気側端部とその外周面とを覆うように筒状挿入部材3
0に被せられ、この状態で筒状挿入部材30と共に貫通
孔15aに挿入される。このようにして、通気フィルタ
50は、筒状挿入部材30の外周面と貫通孔15aの内
周面との間に挟まれ、通気経路を塞いだ状態で固定され
る。このとき、筒状挿入部材30が貫通孔15aの下方
から挿入されると、鍔部30cは通気孔15a下側の開
口縁部にて係止され、その結果、貫通孔15a内におけ
る筒状挿入部材30および通気フィルタ50の位置決め
がなされる。
が、外筒13の開口端部13aの内側に配置され、外筒
13を介して径方向に加締められる。こうして、外筒1
3及びシール部材15が密着し、そのシール性がより確
実なものとされる。そして、この通気フィルタ50によ
り通気性及び防水性を保持しつつ、大気側から筒状挿入
部材30の内部に形成された通気経路を介して基準ガス
空間に空気が導入される。
おいては、筒状挿入部材30が、その大気側端部にて軸
方向中央に向かって折り込まれた構成を有するため、こ
の折り込まれた部分の先端に形成された大気側開口部3
0aと、この大気側端部を覆う通気フィルタ50の表面
との間に所定の空間30eが形成されている。
手法で製造され、その大気側開口部30aの周縁部から
バリが突出していたとしても、このバリにより通気フィ
ルタ50の表面が傷つけられることもなく、通気フィル
タ50の通気性及び防水性、ひいては酸素センサ1のシ
ール性を保持することができる。
が、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定され
ることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形
態をとり得ることはいうまでもない。例えば、上記実施
例においては、図3に示すように、筒状挿入部材30の
大気側端部を所定量折り込んだ態様を示したが、基準ガ
ス空間への通気性を良くするためには、通気フィルタ5
0の通気領域W1と、大気側開口部30aの通気領域W
2を、共に大きく形成することが好ましい。
30の大気側端部が軸方向中央に向かって完全に折り込
まれるように構成してもよい。このように構成すれば、
通気領域W1、W2共に最も大きくとることができる。
を示す断面図である。
トの構成を示す説明図である。
部材の断面図である。
図である。
る。
主体金具、10・・・ケース、 14・・・シールユニ
ット、15・・・シール部材、 15a・・・貫通孔、
30・・・筒状挿入部材、 30a・・・大気側開口
部、50・・・通気フィルタ
Claims (4)
- 【請求項1】 被測定ガス成分を検出する軸状の検出素
子と、 該検出素子の軸方向先端を被測定ガスに晒すように保持
すると共に、該検出素子の軸方向後端側に基準ガス空間
を形成するケースと、 該ケースと共に前記基準ガス空間を形成すると共に、大
気側から前記基準ガス空間側に貫通する貫通孔が形成さ
れたシール部材と、 該シール部材の貫通孔に挿通され、大気側に大気側開口
部を有し、基準ガス空間側に基準側開口部を形成した筒
状挿入部材と、 前記シール部材の貫通孔の内面と前記筒状挿入部材の外
面との間に狭持され、該筒状挿入部材の大気側開口部を
覆うシート状の通気フィルタと、 を備えたガスセンサであって、 前記筒状挿入部材は、前記大気側端部にて径方向中央に
向かって折り込まれていること、 を特徴とするガスセンサ。 - 【請求項2】 前記筒状挿入部材の折り込み角度が90
度以上であること、 を特徴とする請求項1記載のガスセンサ。 - 【請求項3】 前記筒状挿入部材の厚みが0.1〜0.
5mmであること、 を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスセン
サ。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の筒状挿
入部材の製造方法であって、 板材をプレス成形する事により先端に前記基準側開口部
を有し後端に底部を有する筒状部材を形成すると共に、
先端側から後端側に向かって打ち抜くことにより、前記
底部に前記大気側開口部を形成する工程と、 その後、前記大気側開口部周辺の前記底部を後端側から
先端側に押し込むことにより前記筒状部材の後端部を径
方向中央に向かって折り込む工程と、 を備えたことを特徴とする筒状挿入部材の製造方法。
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Cited By (4)
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JP2002286686A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-10-03 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 通気構造を有するセンサ |
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JP2012154716A (ja) * | 2011-01-25 | 2012-08-16 | Denso Corp | ガスセンサ |
-
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