JP2002115577A - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP2002115577A
JP2002115577A JP2000308689A JP2000308689A JP2002115577A JP 2002115577 A JP2002115577 A JP 2002115577A JP 2000308689 A JP2000308689 A JP 2000308689A JP 2000308689 A JP2000308689 A JP 2000308689A JP 2002115577 A JP2002115577 A JP 2002115577A
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Japan
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vehicle
parking brake
driving force
acceleration
torque
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JP2000308689A
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English (en)
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Daisuke Yoshinoya
大輔 吉野谷
Akihiro Miyakoshi
昭弘 宮越
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動力の補正を行う車両においてもパーキン
グブレーキの解除忘れに気付き易くする。 【解決手段】 PCM111は、車両の加速度に基づき
重量勾配抵抗を推定する。そして、PCM111は推定
された重量勾配抵抗力に補正係数を掛けたものを通常目
標駆動力に加算することで駆動力の補正を行う。パーキ
ングブレーキ109の作動時には補正係数を小さな値と
することで、駆動力を低下させることで運転者にパーキ
ングブレーキの解除忘れに気付き易くさせることが出来
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】車両の駆動力や加速度を目標値と
なるように制御する車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両が発生する駆動力が、目標駆動力と
なるように車両を制御する際に、登坂路等における走行
性能を向上させるために、車両の加速度に基づき車両が
受ける走行抵抗を推定し、推定された走行抵抗に基づき
車両の駆動力を補正する制御を行う制御装置が知られて
いる。このような装置としては、例えば特開2000-16840
5号公報に記載されている装置がある。走行抵抗の主た
る要因は勾配抵抗であり、この制御は道路勾配が変化し
ても所望の加速が得られるよう自動的に制御するもので
ある。一般に、車両が発生する駆動力=加速抵抗+走行
抵抗、の関係が成立するので、加速度を用いて走行抵抗
を算出できる。道路勾配の変化による走行抵抗の増加が
有った場合には、それに応じて車両が発生する駆動力も
増加補正されるので、走行抵抗が変化しても実質的には
目標駆動力が得られる。(走行抵抗が変化しても車両を
加速させるために使える駆動力は同じになる。)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】手動レバーあるいは足
踏みペダルで操作されるパーキングブレーキは、運転者
による解除操作を行わない限り作動した状態となってい
るので、解除し忘れて作動したまま発進することが有り
得る。走行抵抗に基づく駆動力の補正を行わない一般の
車両では、パーキングブレーキが作動したまま発進すれ
ば、通常よりも加速が鈍るので即座に解除し忘れていた
ことに気付くことが出来る。
【0004】しかし上記従来技術を用いた車両では加速
度に基づき走行抵抗を算出して、その分の駆動力を補正
するので、パーキングブレーキの作動により加速度が鈍
っても即座にその分が走行抵抗として算出されて駆動力
が増加補正される。
【0005】従って、パーキングブレーキの作動の有無
に関わらず同等の加速度が得られてしまうので、運転者
がパーキングブレーキの解除を忘れたまま発進してしま
ったことに気付き難くなってしまう。
【0006】同様に、加速度が目標加速度となるように
フィードバック制御を行う車両においても、パーキング
ブレーキの作動の有無に関わらず同等の加速度が得られ
てしまうので、運転者がパーキングブレーキの解除を忘
れたまま発進してしまったことに気付き難くなってしま
う。
【0007】そこで本願はパーキングブレーキの作動を
検出して駆動力、加速度を低下させることで、運転者に
パーキングブレーキの解除忘れに早期に気付かせるもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、車両が発
生する駆動力が、目標駆動力となるように車両を制御す
る際に、車両の加速度に基づき走行抵抗を算出して、走
行抵抗に基づき駆動力を補正する制御装置において、パ
ーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ
作動検出手段を有し、パーキングブレーキ作動時は車両
が発生する駆動力が低下するように車両を制御すること
を特徴とするものである。
【0009】第2の発明は第1の発明において、パーキン
グブレーキ作動時の駆動力の低下は、走行抵抗に基づく
駆動力の補正を抑制することにより行うことを特徴とす
るものである。
【0010】第3の発明は第1の発明において、パーキン
グブレーキ作動時の駆動力の低下は、走行抵抗に基づく
駆動力の補正を中止することにより行うことを特徴とす
るものである。
【0011】第4の発明は、車両の加速度が、目標加速
度となるように車両をフィードバック制御する制御装置
において、パーキングブレーキの作動を検出するパーキ
ングブレーキ作動検出手段を有し、パーキングブレーキ
作動時は車両の加速度が低下するように車両を制御する
ことを特徴とするものである。
【0012】第5の発明は第4の発明において、パーキ
ングブレーキ作動時の加速度の低下はフィードバック制
御を中止することにより行うことを特徴とするものであ
る。
【0013】
【発明の効果】第1の発明では、車両が発生する駆動力
が、目標駆動力となるように車両を制御する際に、車両
の加速度に基づき走行抵抗を算出して、走行抵抗に基づ
き駆動力を補正する制御装置において、パーキングブレ
ーキの作動を検出するパーキングブレーキ作動検出手段
を有し、パーキングブレーキ作動時は車両が発生する駆
動力が低下するように車両を制御するので、パーキング
ブレーキ非作動時に比べて車両の加速が鈍るので運転者
にパーキングブレーキの解除忘れに早期に気付かせるこ
とができる。
【0014】第2の発明では、パーキングブレーキ作動
時の駆動力の低下は、走行抵抗に基づく駆動力の補正を
抑制することにより行うので、制御ロジック作成にあた
り、メインロジックは従来と変更することなく、駆動力
補正にかかるロジック部分の補正のみで実現できる。
【0015】第3の発明では、パーキングブレーキ作動
時の駆動力の低下は、走行抵抗に基づく駆動力の補正を
中止することにより行うので、パーキング作動時用の特
別な駆動力補正量等を設定することなく実現できる。
【0016】また、走行抵抗に基づく駆動力の補正を行
わない一般の車両におけるパーキングブレーキ解除忘れ
の時と同等の加速感となるので、運転者にパーキングブ
レーキの解除忘れに気付かせ易くなる。
【0017】第4の発明では、車両の加速度が、目標加
速度となるように車両をフィードバック制御する制御装
置において、パーキングブレーキの作動を検出するパー
キングブレーキ作動検出手段を有し、パーキングブレー
キ作動時は車両の加速度が低下するように車両を制御す
るので、パーキングブレーキ非作動時に比べて車両の加
速が鈍るので運転者にパーキングブレーキの解除忘れに
早期に気付かせることができる。
【0018】第5の発明では、パーキングブレーキ作動
時の加速度の低下はフィードバック制御を中止すること
により行うので、フィードバック制御を行わない一般の
車両におけるパーキングブレーキ解除忘れの時と同等の
加速感となるので、運転者にパーキングブレーキの解除
忘れに気付かせ易くなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき本発明の
請求項1〜3に対応する第1の実施の形態について説明
する。
【0020】図1は、この発明が適用される車両101
の概略構成を示す。この車両101の駆動システムは、
変速機としてトルクコンバータ104を内蔵したCVT
103と、プロペラシャフト105と、ファイナルギア
及びデファレンシャルギア106と、デファレンシャル
ギア106と駆動輪108とを連結するドライブシャフ
ト107と、を備え、エンジン102の出力がそれらを
介して駆動輪108に伝達される構成となっている。
【0021】さらに、運転者の手動操作により、作動、
解除を行われるパーキングブレーキ109を備えてい
る。
【0022】ここで本実施の形態では変速機として無段
変速機CVT103を用いた例で説明するが、有段変速
機を備えていてもよい。また、図1に示す車両101は
後輪駆動であるが、他の駆動方式であってもよい。
【0023】エンジン102には、出力軸であるクラン
クシャフトの回転数Neを検出するクランク角センサ1
21が設けられている。また、エンジン102の吸気通
路にはアクセルペダルの動きに応じて吸気通路を通る空
気量を調節するスロットルバルブが設けられており、ス
ロットルバルブの開度TVOはスロットル開度センサ1
22により検出される。
【0024】CVT103は、コントロールバルブ等か
らなる油圧制御回路とステップモータを備え、ステップ
モータの回転位置に応じて無段階に変速を行うことがで
きる。また、CVT103には、CVT入力軸回転数N
inを検出する入力軸回転数センサ123、前記油圧制
御回路内の油圧Plを検出する油圧センサ125、油温
Tmpを検出する油温センサ126が設けられている。
【0025】ファイナルギア及びデファレンシャルギア
106には、車速に比例する出力軸回転数を検出する車
速センサ124が設けられている。
【0026】上記エンジン102及びCVT103は制
御装置であるパワートレイン・コントロール・モジュー
ル(以下PCM)111により制御される。PCM11
1はCPU、ROM及びRAM等から構成され、PCM
111にはクランク角センサ121からのエンジン回転
数Ne、スロットル開度センサ122からのスロットル
開度TVO、油圧センサ125からの油圧Pl、油温セ
ンサ126からの油温Tmp、アクセルペダル踏み込み
量センサ128からのアクセルペダル踏み込み量AP
O、車速センサ124からの車速信号VSP、パーキン
グブレーキ作動検出センサ127からのパーキングブレ
ーキ作動検出信号P等の信号が入力される。PCM11
1はこれら各種信号に基づき、エンジン102の燃料供
給量や点火時期の制御、CVT103の変速比や油圧の
制御を行う。
【0027】以下、このPCM111の構成及びその機
能について詳しく説明する。
【0028】図2は、PCM111をブロック線図で表
したものである。PCM111は、通常目標駆動力設定
部161、重量勾配抵抗推定部154、駆動力補正量演
算部162、エンジントルク制御部169、目標入出力
回転数比演算部165、CVT入出力回転数比制御部1
67、加算部163及び乗算部168を備える。
【0029】通常目標駆動力設定部161は、所定のマ
ップ153を参照して、アクセルペダル踏み込み量セン
サ128で検出されたアクセルペダル踏み込み量APO
と、車速センサ124で検出された車速VSPに対応す
る通常目標駆動力tTd_n(平坦路における車両の駆
動力目標値)を設定する。
【0030】重量勾配抵抗推定部154は、車速VS
P、車速VSPから求まる加速度Acel、スロットル
開度TVOの他、各種信号に基づき、勾配抵抗を含む、
車両が受ける走行抵抗である重量勾配抵抗力RFORC
Eを推定する。重量勾配抵抗推定部154をブロック線
図で表すと図3に示すようになるが、これについては後
で説明する。
【0031】駆動力補正量演算部162は、パーキング
ブレーキ作動信号P、重量勾配抵抗力RFORCEに基
づき、駆動力補正量ΔRFORCEを演算する。駆動力
補正量演算部162をブロック線図で表すと図7に示す
ようになるが、これについては後で説明する。
【0032】加算部163は、通常目標駆動力設定部1
61で設定された通常目標駆動力tTd_nに駆動力補
正量演算部162で演算された駆動力補正量ΔRFOR
CEを加算し、目標駆動力tTdを演算する。
【0033】乗算部168は、目標駆動力tTdにCV
T103の入出力回転数比RATIOを乗じて目標とす
るエンジントルクtTeを演算する。
【0034】エンジントルク制御部169は、目標エン
ジントルクtTeを実現するためにエンジン102のス
ロットル開度、燃料噴射量、点火時期等を制御する。
【0035】目標入出力回転数比演算部165は、所定
のマップ171を参照して目標駆動力tTdと車速VS
Pに対応するCVT103の目標入出力回転数比tRA
TIOを演算する。なお、変速機の入出力回転数比制御
には入力軸回転数の目標値を用いることが多いため、い
ったんこの入力軸回転数の目標値を求めてから車速との
関係で目標入出力回転数比tRATIOを求めても良
い。
【0036】CVT入出力回転数比制御部167は、目
標入出力回転数比tRATIOが実現されるようにCV
T103を制御する。
【0037】次に、上記重量勾配抵抗推定部154の構
成について説明する。
【0038】重量勾配抵抗推定部154をブロック線図
で表すと図3のようになる。重量勾配抵抗推定部154
は、スロットル開度TVO、エンジン回転数Neの他、
各種入力信号に基づき有効車両駆動トルクToyを算出
する車両駆動トルク算出部1と、車速VSPに基づき平
坦路走行抵抗トルクTrlを算出する平坦路走行抵抗ト
ルク算出部2と、同じく車速VSPに基づき加速抵抗ト
ルクTrarを算出する加速抵抗トルク算出部4を備え
る。さらに、重量勾配抵抗推定部154は、減算部3、
6と、除算部7とを備える。
【0039】減算部3は有効車両駆動トルクToyから
平坦路走行抵抗トルクTrlを減じて理想車両推進トル
クTtrを算出する。そして、減算部6は理想車両推進
トルクTtrから加速抵抗トルクTrarを減じて重量
勾配抵抗トルクTrgを算出し、除算部7は重量勾配抵
抗トルクTrgを駆動輪半径rで除して重量勾配抵抗力
RFORCEを算出する。
【0040】これら車両駆動トルク算出部1、平坦路走
行抵抗トルク算出部2、及び加速抵抗トルク算出部4を
ブロック線図で表すと、それぞれ図4、図5、及び図6
に示すようになる。以下、それぞれの構成について詳し
く説明する。
【0041】まず、図4を参照しながら車両駆動トルク
算出部1について説明すると、この車両駆動トルク算出
部1は、スロットル開度TVO、エンジン回転数Ne、
CVT入力軸回転数Nin、変速比Ip及び油圧Plに
基づき車両駆動トルクToyを算出するものである。
【0042】車両駆動トルク算出部1は、理想車両駆動
トルク算出部10と、損失トルク算出部12と、減算部
35とを備える。理想車両駆動トルク算出部10は、エ
ンジン出力トルク算出部21と、エンジンイナーシャト
ルク算出部22と、トルク比算出部24と、減算部23
と、乗算部25、26、31とから構成される。
【0043】エンジン出力トルク算出部21は、所定の
エンジントルクマップ33を参照して、スロットル開度
TVO、エンジン回転数Neに対応するエンジン出力ト
ルクTeを求める。
【0044】エンジンイナーシャトルク算出部22は、
エンジン回転数Neを時間微分演算部27で微分してエ
ンジン回転数微分値dNe/dtを算出し、これにエン
ジンイナーシャ定数Iengを乗算部28で乗じてエン
ジンイナーシャトルクTeiを算出する。
【0045】減算部23は、エンジン出力トルクTei
からエンジンイナーシャトルクTeiを減じて実エンジ
ン出力トルクTe2を算出する。
【0046】トルク比算出部24はトルクコンバータ1
04のトルク比τを算出するもので、除算部29にてC
VT入力軸回転数Ninをエンジン回転数Neで除する
ことにより回転速度比eを求め、トルコントルク比マッ
プ34を参照して回転速度比eに対応するトルク比τを
算出する。
【0047】乗算部25は、実エンジン出力トルクTe
2にトルク比τを乗じてCVT103への入力トルクT
inを算出する。乗算部26は、入力トルクTinに変
速比Ipを乗じてCVT103の出力トルクTsecを
算出する。乗算部31は、CVT103の出力トルクT
secにファイナルギア比Finalを乗じて理想車両
駆動トルクTorを算出する。
【0048】損失トルク算出部12は、損失トルクマッ
プ32を参照してCVT103の油圧Plに対応する駆
動系損失トルクTlosを算出する。損失トルクマップ
32では駆動系損失トルクTlosと油圧Plの関係は
二次曲線で表される。なお、駆動系損失トルクTlos
は油圧Pl以外にもエンジン回転数Ne、変速比Ip、
油温Tmpにも影響を受けるため、エンジン回転数N
e、変速比Ip、油温Tmpのいずれか一つに基づいて
損失トルクを算出するようにしても良い。
【0049】減算部35は、理想車両駆動トルクTor
から損失トルクTlosを減じて有効車両駆動トルクT
oyを算出する。
【0050】以上のような構成により、車両駆動トルク
算出部1は、スロットル開度TVO、エンジン回転数N
e、CVT入力軸回転数Nin、変速比Ipに基づきエ
ンジン出力トルクTe、エンジンイナーシャトルクTe
i、トルク比τをそれぞれ算出し、これらに基づき理想
車両駆動トルクTorを算出する。さらに、油圧Plに
基づき算出した駆動系損失トルクTlosを理想車両駆
動トルクTorから減じて有効車両駆動トルクToyを
算出する。
【0051】次に、図5を参照しながら平坦路走行抵抗
トルク算出部2について説明する。
【0052】平坦路走行抵抗トルク算出部2は、車両が
平坦路を走行しているときに受ける抵抗(ころがり摩擦
抵抗、空気抵抗等)をトルクに換算して算出するもので
ある。具体的には、平坦路走行抵抗トルクマップ20を
参照して車速VSPに対応する平坦路走行抵抗トルクT
rlを算出する。
【0053】次に、図6を参照しながら加速抵抗トルク
算出部4について説明する。
【0054】加速抵抗トルク算出部4は、車両が加速す
るときに受ける抵抗(慣性力)をトルクに換算して算出
するもので、車速センサ124からの車速VSPに基づ
き加速抵抗トルクTraを算出する。
【0055】具体的には、時間微分演算部41、乗算部
43、45を備え、車速VSPを時間微分演算部41に
て微分して加速度Acelを算出し、この加速度Ace
lに車両重量Ivと駆動輪半径rを乗算部43、45に
てそれぞれ乗じることで理想加速抵抗Trarを算出す
る。
【0056】したがって、理想加速抵抗トルクTrar
は、 Trar=(dVSP/dt)・Iv・r (2) で表される。
【0057】次に、本発明の特徴部分である駆動力補正
量演算部162の構成について説明する。
【0058】駆動力補正量演算部162をブロック線図
で表すと図7のようになる。パーキングブレーキ作動信
号Pに応じて重量勾配抵抗力RFORCEよりも小さな
駆動力補正量ΔRFORCEを演算する。駆動力補正量
ΔRFORCEを演算するには、所定の補正係数αをパ
ーキングブレーキ作動信号Pに応じて予め設定してお
き、 ΔRFORCE=α×RFORCE (1) により演算する。
【0059】ここで、補正係数αは例えばパーキングブ
レーキ作動信号P=1(パーキングブレーキ作動時)の
時は0に、パーキングブレーキ作動信号P=0(パーキ
ングブレーキ非作動時)の時は0.7といったように、
パーキングブレーキ作動時の方がパーキングブレーキ非
作動時よりも小さな値となるように設定しておく。
【0060】したがって、通常目標駆動力tTd_nに
勾配等の走行抵抗に応じた駆動力補正量ΔRFORCE
が加算されることにより補正された値が目標駆動力tT
dとなり、車両が発生する駆動力が目標駆動力tTdと
なるようにエンジン102及びCVT103が制御され
ることになる。
【0061】なお、駆動力補正量演算部162におい
て、パーキングブレーキ非作動時に補正係数αを1より
も小さな値として、重量勾配抵抗力RFORCEに補正
係数αを掛けて求めた駆動力補正量ΔRFORCEを出
力するようになっているのは、通常目標駆動力tTd_
nに重量勾配抵抗力RFORCEをそのまま加算した値
に基づき駆動力制御を行うと、登坂路でも平坦路と同じ
ように車が加速してしまい、運転者に違和感を与えてし
まうのを防止するためである。そこで、パーキングブレ
ーキ非作動時には補正係数αは好ましくは0.3〜0.
7の間の値に設定される。
【0062】さらに、パーキングブレーキ作動時には補
正係数αをより小さい値とすることで駆動力補正量ΔR
FORCEが小さな値となり、走行抵抗に基づく駆動力
の補正が抑制されることになり(α=0とした場合には
走行抵抗に基づく駆動力の補正が中止されることにな
り)、車両が発生する駆動力が低下する。
【0063】図8は本発明の第1の実施の形態による作
用効果を示すタイミングチャートである。
【0064】これは車両が平坦路で運転者がアクセルペ
ダルを踏み込んで発進加速した場合の駆動力補正量ΔR
FORCE、目標駆動力tTd及び車速VSPの変化の
様子を示し、(a)がパーキングブレーキの作動に関わ
らず駆動力補正を行う従来装置の場合、(b)が本発明
による装置の場合を示し、各々実線がパーキングブレー
キ比作動時、破線がパーキングブレーキ作動時を示す。
【0065】従来の装置では、(a)に示すように運転
者がアクセルペダルを踏み込んで発進加速すると、パー
キングブレーキ作動時にはその直後に駆動力補正量ΔR
FORCEが増加し、目標駆動力tTdがパーキングブ
レーキ非作動時よりも大きくなる。したがって、パーキ
ングブレーキが作動しているにもかかわらず、パーキン
グブレーキ非作動時にそれほど遜色なく車速VSPも増
加するので、運転者はパーキングブレーキを解除し忘れ
たことに気付き難くなってしまう。
【0066】これに対し、本発明による装置では、
(b)に示すように、パーキングブレーキが作動してい
ても駆動力補正量ΔRFORCEは増加せず、目標駆動
力tTdはパーキングブレーキ非作動時と同等となる。
したがって、パーキングブレーキが作動している分だけ
車速VSPの増加が鈍るため、運転者はパーキングブレ
ーキを解除し忘れたことに気付き易くなる。
【0067】また、駆動力補正量演算部162におい
て、補正係数α=0として走行抵抗に基づく駆動力の補
正を中止した場合には、走行抵抗に基づく駆動力の補正
を行わない一般の車両におけるパーキングブレーキ解除
忘れの時と同等の加速感となるので、運転者はパーキン
グブレーキを解除し忘れたことにより気付き易くなる。
【0068】以上、本発明の第1の実施の形態について
説明したが、本発明の範囲は上記実施形態に限定される
ものではない。
【0069】例えば、上記実施形態では補正係数αをパ
ーキングブレーキ作動信号Pに応じて設定しておくこと
でパーキングブレーキ作動時に駆動力を低下させる構成
としたが、パーキングブレーキ作動信号Pに応じて通常
目標駆動力tTd_nを補正する構成としてもよい。
【0070】また、上記実施形態ではエンジン出力トル
クTeをエンジン回転数Neとスロットル開度TVOか
らエンジントルクマップ33を検索して求めているが、
エンジン102の燃料噴射量TPとエンジン回転数Ne
に対するエンジン出力トルクTeの関係を規定するマッ
プを用意しておき、燃料噴射量TPとエンジン回転数N
eからそのマップを検索することによりエンジン出力ト
ルクTeを求めるようにしてもよい。
【0071】また、ここではエンジン102、CVT1
03両方を制御し、目標駆動力を実現する構成となって
いるが、どちらか一方を制御することにより目標駆動力
を実現する構成であっても良い。
【0072】以下、添付図面に基づき本発明の請求項
4、請求項5に対応する第2の実施の形態について説明
する。なお、第1の実施例と重複する部分の説明は省略
する。
【0073】図9は、PCM111をブロック線図で表
したものである。PCM111は、目標加速度設定部2
01、基準スロットル開度設定部203、エンジン制御
部205、加速度演算部209、フィードバック補正量
設定部213、フィードバック切替部215、加算部2
07、減算部211を備える。
【0074】目標加速度設定部201は、所定のマップ
を参照して、アクセルペダル踏み込み量センサ128で
検出されたアクセルペダル踏み込み量APOと、車速セ
ンサ124で検出された車速VSPに対応する目標加速
度tAcelを設定する。
【0075】基準スロットル開度設定部203は、車速
VSP、及び変速比RATIOに基づき、平坦路の路面
を走行する際に車両の加速度Acelが目標加速度tA
celとなるためのスロットル開度を予め求めておいた
マップを参照して基準スロットル開度tTVO_nを設
定する。
【0076】フィードバック補正量設定部213では、
車速VSPをもとに加速度演算部209で求められた加
速度Acelと目標加速度tAcelとの偏差を減算部
211で算出し、これに基づき予め求めておいたマップ
を参照してフィードバック補正量ΔtTVOを設定す
る。
【0077】フィードバック切替部215では、パーキ
ングブレーキ作動信号Pに応じて、フィードバック補正
量ΔtTVOを加算部207に出力するか否かを切替え
る。
【0078】ここで、パーキングブレーキ作動信号P=
1(パーキングブレーキ作動時)の時はフィードバック
補正量ΔtTVOを加算部207に出力せず、パーキン
グブレーキ作動信号P=0(パーキングブレーキ非作動
時)の時はフィードバック補正量ΔtTVOを加算部2
07に出力するように切替える。
【0079】加算部207は、基準スロットル開度設定
部203で設定された基準スロットル開度tTVO_n
にフィードバック切替部215からの出力を加算し、目
標スロットル開度tTVOを演算する。
【0080】エンジン制御部205は、目標スロットル
開度tTVOを実現するためにエンジン102のスロッ
トルを制御する。
【0081】したがって、登坂路等で、加速が鈍りやす
い状況においては、基準スロットル動力tTVO_nに
目標加速度tAcelと加速度Acelとの偏差に応じ
たフィードバック補正量ΔtTVOが加算された値が目
標スロットル開度tTVOとなり、この目標スロットル
開度tTVOを実現するようにエンジン102が制御さ
れることになる。
【0082】フィードバック切替部215において、パ
ーキングブレーキ作動時にはフィードバック補正量Δt
TVOを出力しない構成としたので、パーキングブレー
キの作用による加速度の低下が発生してもパーキングブ
レーキ作動時にはフィードバックが中止されることにな
り、目標加速度tAcelが達成されなくなる。
【0083】図10は本発明の第2の実施形態による作
用効果を示すタイミングチャートである。
【0084】これは車両が平坦路で運転者がアクセルペ
ダルを踏み込んで発進加速した場合の目標加速度tAc
el、加速度Acel、目標スロットル開度tTVO、
車速VSPの変化の様子を示し、(a)がパーキングブ
レーキの作動状態に関わらずフィードバック制御を行う
装置の場合、(b)が本発明による装置の場合を示し、
各々実線がパーキングブレーキ比作動時、破線がパーキ
ングブレーキ作動時を示す。
【0085】従来の装置では、(a)に示すように運転
者がアクセルペダルを踏み込んで発進加速すると、パー
キングブレーキ作動時には目標スロットル開度tTVO
がパーキングブレーキ非作動時よりも大きくなる。した
がって、パーキングブレーキが作動しているにもかかわ
らず、パーキングブレーキ非作動時にそれほど遜色なく
車速VSPも増加して加速度Acelが目標加速度tA
celに追従してしまうので、運転者はパーキングブレ
ーキを解除し忘れたことに気付き難くなってしまう。
【0086】これに対し、本発明による装置では、
(b)に示すように、パーキングブレーキ作動時にはフ
ィードバック制御が中止されるので目標スロットル開度
tTVOがパーキングブレーキ非作動時と同等となる。
したがって、パーキングブレーキが作動している分だ
け、車速VSPの増加が鈍り加速度Acelが目標加速
度tAcelよりも小さくなるので、運転者はパーキン
グブレーキを解除し忘れたことに気付き易くなる。
【0087】なお、ここではエンジン102のみを制御
し、目標加速度を実現する構成となっているが、これに
加えCVT103も制御して目標加速度を実現する構成
であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される車両の概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態におけるPCMのブロック線図
である。
【図3】重量勾配抵抗推定部のブロック線図である。
【図4】車両駆動トルク算出部のブロック線図である。
【図5】平坦路走行抵抗トルク算出部のブロック線図で
ある。
【図6】加速抵抗トルク算出部のブロック線図である。
【図7】駆動力補正量演算部のブロック線図である。
【図8】本発明の作用効果を示すタイミングチャートで
ある。
【図9】第2の実施の形態におけるPCMのブロック線
図である。
【図10】本発明の作用効果を示すタイミングチャート
である。
【符号の説明】
1 車両駆動トルク算出部 2 平坦路走行抵抗トルク算出部 4 加速抵抗トルク算出部 10 理想車両駆動トルク算出部 12 損失トルク算出部 21 エンジン出力トルク算出部 22 エンジンイナーシャトルク算出部 101 車両 102 エンジン 103 CVT 109 パーキングブレーキ 111 PCM 124 車速センサ 127 パーキングブレーキ作動検出センサ 154 重量勾配抵抗推定部 161 通常目標駆動力設定部 162 駆動力補正量演算部 169 エンジントルク制御部 201 目標加速度設定部 203 基準スロットル開度設定部 205 エンジン制御部 209 加速度演算部 213 フィードバック補正量設定部 215 フィードバック切替部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 BA01 BA05 BA13 BA17 DA01 DA13 DA28 EB09 EB12 EB16 FA05 FA06 FA10 FA33 3G093 AA06 BA13 BA18 CB05 DA01 DA06 DB01 DB05 DB11 DB15 EA01 EA05 EA09 EA13 FA06 FA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両が発生する駆動力が、目標駆動力と
    なるように車両を制御する際に、 車両の加速度に基づき走行抵抗を算出して、走行抵抗に
    基づき駆動力を補正する制御装置において、 パーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレー
    キ作動検出手段を有し、パーキングブレーキ作動時は車
    両が発生する駆動力が低下するように車両を制御するこ
    とを特徴とする車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 パーキングブレーキ作動時の駆動力の低下は、 走行抵抗に基づく駆動力の補正を抑制することにより行
    うことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 パーキングブレーキ作動時の駆動力の低下は、 走行抵抗に基づく駆動力の補正を中止することにより行
    うことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 車両の加速度が、目標加速度となるよう
    に車両をフィードバック制御する制御装置において、パ
    ーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ
    作動検出手段を有し、パーキングブレーキ作動時は車両
    の加速度が低下するように車両を制御することを特徴と
    する制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 パーキングブレーキ作動時の加速度の低下はフィードバ
    ック制御を中止することにより行うことを特徴とする車
    両の制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013061569A1 (ja) * 2011-10-24 2013-05-02 アイシン・エーアイ株式会社 車両駆動装置
CN103889799B (zh) * 2011-10-24 2016-11-30 爱信Ai株式会社 车辆驱动装置

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CN103889799A (zh) * 2011-10-24 2014-06-25 爱信Ai株式会社 车辆驱动装置
CN103889799B (zh) * 2011-10-24 2016-11-30 爱信Ai株式会社 车辆驱动装置

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