JP2002114997A - シート状洗濯用品の製造方法 - Google Patents

シート状洗濯用品の製造方法

Info

Publication number
JP2002114997A
JP2002114997A JP2000306598A JP2000306598A JP2002114997A JP 2002114997 A JP2002114997 A JP 2002114997A JP 2000306598 A JP2000306598 A JP 2000306598A JP 2000306598 A JP2000306598 A JP 2000306598A JP 2002114997 A JP2002114997 A JP 2002114997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
dough
laundry article
composition
laundry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000306598A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Sakamoto
雅基 坂本
Masayasu Sato
雅安 佐藤
Katsuhiko Kasai
克彦 笠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2000306598A priority Critical patent/JP2002114997A/ja
Publication of JP2002114997A publication Critical patent/JP2002114997A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺り切り時の抵抗を低下させて、安定して摺
り切りを行い得る、ドウ状洗濯用品組成物からなるシー
ト状洗濯用品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 剪断速度0.02s-1における粘度が
1.0×105 mPa・s〜1.0×107 mPa・s
で且つ剪断速度5s-1における粘度が5.0×10 4
Pa・s〜2.0×106 mPa・sになるように調製
されたドウ状洗濯用品組成物を、摺り切り面を有する浅
底のシート型33内に充填し、剪断速度0.02s-1
5s-1の条件下で、摺り切り部材34によって前記摺り
切り面を擦り切ることで、前記ドウ状洗濯用品組成物を
シート状に形成するシート状洗濯用品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺り切りによっ
て、ドウ状洗濯用品組成物からシート状洗濯用品を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】洗剤組
成物の飛散や漏れの無いシート状洗濯用品として、特開
平10−204499号公報において、進入硬度が特定
の範囲内にあるドウ状洗剤組成物からなる薄層と、該薄
層の両側に配置されたシート状水溶性基体とを有するシ
ート状洗濯用品が提案されている。
【0003】前記シート状洗濯用品によれば、粉末洗剤
と異なり、洗濯機への洗剤の投入時に粉末の飛散が起こ
らず、取り扱い性に優れるという利点がある。しかし、
ドウ状洗剤組成物は流動性が必ずしも高くないので、該
ドウ状洗剤組成物からなる薄層を、塗布によって均一な
厚さ及び幅で且つ使用時に優れた溶解性が発現するよう
に形成することが必要である。塗布以外の方法、例えば
摺り切りによって該薄層を形成しようとすると摺り切り
の際の抵抗が大きく、またドウ状洗剤組成物が摺り切り
部材に付着し易く、安定した摺り切りを行い難い。
【0004】ドウ状洗剤組成物からなる薄層を形成する
にあたって塗布手段を用いることについては、特開平1
0−72599号公報の第9欄14〜17行及び特開平
10−204499号公報の第14欄10〜13行にそ
の記載があるが、量産等工業的に実施するにあたっての
条件等は、前記出願の発明に直接かかわらないため具体
的に記載されていない。
【0005】ドウ状洗剤組成物だけでなく、ドウ状柔軟
剤組成物等の他のドウ状洗濯用品組成物を用いてシート
状洗濯用品を製造する場合も同様の問題がある。
【0006】従って、本発明は、摺り切り時の抵抗を低
下させて、安定して摺り切りを行い得る、ドウ状洗剤組
成物等のドウ状洗濯用品組成物からなるシート状洗濯用
品の製造方法を提供することを目的とする。また、本発
明は、摺り切りの際にドウ状洗剤組成物等のドウ状洗濯
用品組成物が摺り切り部材に付着し難く、安定して摺り
切りを行い得る、ドウ状洗濯用品組成物からなるシート
状洗濯用品の製造方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、使用時の優れた溶解性を保持して、摺り
切りを行い得る、ドウ状洗剤組成物等のドウ状洗濯用品
組成物からなるシート状洗濯用品の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、剪断速度0.
02s-1における粘度が1.0×105 mPa・s〜
1.0×107 mPa・sで且つ剪断速度5s-1におけ
る粘度が5.0×104mPa・s〜2.0×106
Pa・sになるように調製されたドウ状洗濯用品組成物
を、摺り切り面を有する浅底のシート型内に充填し、剪
断速度0.02s -1〜5s-1の条件下で、摺り切り部材
によって前記摺り切り面を擦り切ることで、前記ドウ状
洗濯用品組成物をシート状に形成するシート状洗濯用品
の製造方法を提供することにより前記目的を達成したも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1(a)
及び(b)には、本発明に好ましく用いられる製造装置
10の平面図及び側面図がそれぞれ示されている。製造
装置10はベースプレート11を有しており、該ベース
プレート11上に、大別してドウ状洗濯用品組成物の供
給収容部20、ドウ状洗濯用品組成物の摺り切り部3
0、及び摺り切りにより得られたシート状洗濯用品の排
出部40を備えている。
【0009】供給収容部20は、上下が開口した直方体
状の空間から構成された収容部21を有している。ドウ
状洗濯用品組成物は、この収容部21の上部開口から収
容部21内に供給される。収容部21の上部にはエアシ
リンダからなる加圧部22が配されている。加圧部22
は、収容部21内に収容されたドウ状洗濯用品組成物に
一定の荷重を加えるために用いられる。これにより均一
な厚みのシート状洗濯用品を得ることができる。
【0010】加圧部22の下部の左右両側部には、垂下
した略L字型の一対の脚部23が連設されている。脚部
23は、ベースプレート11の両側面から水平方向にそ
れぞれ延出した支持軸24,24によって正逆回動自在
に支持されている。これにより、加圧部22は、図1
(b)に示すように、直立状態及び傾斜状態の二つの状
態をとる。直立状態は、収容部21内に収容されたドウ
状洗濯用品組成物に一定の荷重を加えて摺り切るときの
状態である。一方、傾斜状態は、収容部21内にドウ状
洗濯用品組成物を供給するときの状態である。尚、傾斜
状態のときには、脚部23の傾斜が、ベースプレート1
1の両側面から水平方向にそれぞれ延出した規制軸25
によって規制されて、加圧部22の傾斜状態が保持され
る。
【0011】摺り切り部30は、スライド板31を備え
ている。スライド板31は、ベースプレート11の上部
両側部にそれぞれ配されたガイド32,32に案内され
て、収容部21の下端部及びベースプレート11の上面
部に当接しながら矢印Aで示される水平方向に摺動す
る。スライド板31の収容部対向面(即ちスライド板3
1の上面)には、浅底のシート型33が凹設されてい
る。シート型33は平面視して矩形をなしており、この
形状が得られるシート状洗濯用品の形状と対応してい
る。またシート型33の深さは、得られるシート状洗濯
用品の厚みと対応している。そして、後述するように、
シート型33内にドウ状洗濯用品組成物を充填し、摺り
切り面であるスライド板31の上面を所定の摺り切り部
材によって摺り切ることによって、目的物であるシート
状洗濯用品が、シート型33内に充填された形態で製造
される。
【0012】図1(a)及び(b)に示すスライド板3
1の状態は、スライド板31が引き出された状態であ
る。収容部21にドウ状洗濯用品組成物が供給されると
きには、スライド板31は、そのシート型33が収容部
21の下部開口の直下に位置するまで押し込まれる。ド
ウ状洗濯用品組成物の摺り切り時には、スライド板31
は更に奥まで押し込まれる。更に、製造されたシート状
洗濯用品の取り出し時には、スライド板31は最も奥ま
で押し込まれ、シート型33内に形成されたシート状洗
濯用品が、後述する取出板41の下面に対向する位置に
来る。
【0013】排出部40は、シート型33内に充填され
た形態で製造されたシート状洗濯用品を、該シート型3
3から離型させ且つ保持する取出板41、及び取出板4
1に保持されたシート状洗濯用品が受け渡される排出板
42を備えている。
【0014】取出板41はスライド板31の摺動方向上
に配されている。取出板41には、その厚さ方向に多数
の貫通孔(図示せず)が穿設されている。また、取出板
41は、排出部40の内部に形成されたチャンバー43
の下部に配されている。チャンバー43は、接続管44
を介して加圧手段(図示せず)に接続されている。これ
によって、シート型33内に充填された形態で製造され
たシート状洗濯用品のシート型33内からの離型が可能
となっている。
【0015】排出板42は、その下面に二本の突条(図
示せず)を有している。この突条は、ベースプレート1
1の上面に凹設された二本の溝45と嵌合可能になされ
ている。これにより、排出板42は、スライド板31と
同方向、即ち図1中、矢印Aで示される方向に摺動す
る。排出板42が最も押し込まれた状態〔図1(a)及
び(b)に示す状態〕では、排出板42の上面が、取出
板41の下面と対向し、シート状洗濯用品が取出板41
により加圧されシート型33より離型したときに、該シ
ート状洗濯用品の受け渡しが可能になっている。一方、
排出板42が最も引き出された状態では、排出板42の
上面全域が外部に露出し、取出板41から受け渡された
シート状洗濯用品の排出が可能となる。
【0016】以上の構成から明らかなように、本実施形
態のシート状洗濯用品の製造装置10は、上下が開口し
た空間から構成されたドウ状洗濯用品組成物の収容部2
1と、収容部21の下端部に当接しながら水平方向に摺
動自在になされており且つ収容部対向面に浅底のシート
型33が凹設されているスライド板31と、スライド板
31の摺動方向上に配され且つシート型33内に充填さ
れた形態で製造されたシート状洗濯用品のシート型33
内からの離型を可能とする取出板41と、シート状洗濯
用品が取出板41により加圧されシート型33より離型
したときに該シート状洗濯用品の受け渡しが可能な位置
に配され且つ所定方向に摺動可能な排出板42とを備え
ている。
【0017】以上の構成を有する製造装置10を用いて
シート状洗濯用品を製造する方法について説明すると、
先ず、加圧部22を傾斜させて、収容部21を露出させ
る。また、スライド板31を押し込んで、シート型33
を収容部21の下部開口の直下に位置させる。この状態
下に、収容部21の上部開口からドウ状洗濯用品組成物
を供給・充填する。その上に収容部21の横断面形状と
同一形状の押さえ板26(後述する図2参照)を載せ、
該押さえ板26を押し下げて、ドウ状洗濯用品組成物を
シート型33及び収容部21の隅々に行き渡せる。次い
で傾斜していた加圧部22を直立させ、更に加圧部22
を動作させて、押さえ板26を介してドウ状洗濯用品組
成物に一定の荷重を加える。これにより、シート型33
内にドウ状洗濯用品組成物が充填される。
【0018】次いで、スライド板31を所定の一定速度
で押し込み、摺り切りを開始する。この状態を図2に模
式的に示す。摺り切りは、収容部21を構成する一部材
を兼ねた摺り切り部材34によって行われる。
【0019】摺り切り部材34は板状であり、その幅方
向が、スライド板31の押し込み方向、即ち摺り切りの
方向(図2中、矢印Bで示される方向)と直交する方向
と一致するように、直立状態で配されている。摺り切り
部材34の上端にはバネからなる押圧部材35が配され
ており、この押圧部材35によって、摺り切り部材34
は、一定圧力で下方に押圧された状態が保たれる。これ
によって、摺り切り時における厚みのばらつきの発生が
効果的に防止される。
【0020】摺り切り部材34の下端面は、摺り切りの
方向に対して角度θ(図2参照)で傾斜している。これ
によって、摺り切り抵抗が小さくなり、また摺り切り時
にドウ状洗濯用品組成物が摺り切り部材34に付着しに
くくなる。角度θは、5°〜30°、特に10°〜25
°であることが、これらの効果が発現し易くなる点から
好ましい。
【0021】摺り切り部材34の下端の先端は、摺り切
り面であるスライド板31の上面31aと当接してい
る。そして、スライド板31が図2中、矢印Bで示され
る方向に押し込まれることで、摺り切り部材34によっ
てスライド板31の上面31aが摺り切られる。この摺
り切りによって、シート状に形成されたドウ状洗濯用品
組成物からなるシート状洗濯用品が、シート型33内に
充填された形態で製造される。
【0022】摺り切り後、シート型33内に充填された
シート状洗濯用品が、取出板41に対向する位置に来る
までスライド板31は引き続き押し込まれる。シート状
洗濯用品が取出板41に対向したところでスライド板3
1の押し込みを停止する。
【0023】スライド板31が停止した状態では、シー
ト状洗濯用品と排出板42とが対向している。この状態
下に、チャンバー43に接続された加圧手段(図示せ
ず)を動作させてチャンバー43内を加圧する。この加
圧によって、シート型33に保持されているシート状洗
濯用品が落下し、シート状洗濯用品は排出板42上に載
置される。次いで、排出板42を引き出し、その上に載
置されている目的物であるシート状洗濯用品を取り出
す。
【0024】ドウ状洗濯用品組成物は粉末組成物と液体
界面活性剤等の流動性を有する物質との捏和物であるこ
とから、該ドウ状洗濯用品組成物は湿潤粉体とスラリー
の中間的な性質を有する複雑な流動特性を示す。従っ
て、ドウ状洗濯用品組成物のレオロジー特性を通常の流
体と同一視することはできない。このような特殊なレオ
ロジー特性を有するドウ状洗濯用品組成物から摺り切り
によって均一な厚みのシート状洗濯用品を形成する手段
について本発明者らは種々検討した結果、前記ドウ状洗
濯用品組成物の塗工時の剪断速度と擬塑性とが大きく影
響することを見出した。即ち、前記ドウ状洗濯用品組成
物は、シート型への供給・充填時には流動し易いことが
好ましく、吸引・加圧による離型の際のためには変形し
難く一定の形状を保つことが望ましい。そこで、その相
反する要求を同時に満たすために種々検討を行った結
果、擬塑性を利用すると良いことが判明した。即ち、高
剪断速度では易流動性を満たすために粘度は低いことが
望ましく、低剪断速度では難流動性を達成するために粘
度が高い方が望ましい。更に検討を推し進めたところ、
ドウ状洗濯用品組成物を、その剪断速度0.02s-1
おける粘度が1.0×105 mPa・s〜1.0×10
7 mPa・s、剪断速度5s-1における粘度が5.0×
104 mPa・s〜2.0×106 mPa・sになるよ
うに調製することで、次段において均一な厚みの薄層形
成が容易となることが判明した。詳細には、ドウ状洗濯
用品組成物の剪断速度0.02s-1及び5s-1における
粘度がそれぞれ1.0×105 mPa・s未満及び5.
0×104 mPa・s未満となると、摺り切り後の離型
の際にその形状を保持できなくなり、摺り切り装置内で
圧力が十分高められなくなる。従って、ドウ状洗濯用品
組成物の剪断速度0.02s -1及び5s-1における粘度
をそれぞれ1.0×105 mPa・s以上及び5.0×
104 mPa・s以上にすることで、摺り切り後、吸引
・加圧によるシート状洗濯用品の離型の際に薄層状態と
しての保形性が良好となり、摺り切り装置内で圧力を高
められることから、幅方向にドウを均一に摺り切ること
が可能となる。さらに洗剤粒子と洗剤粒子間に保持され
る液体成分の間の液架橋力を高められることから、液体
成分の耐浸みだし性を向上させることができる。一方剪
断速度0.02s-1及び5s-1における粘度がそれぞれ
1.0×107 mPa・s超及び2.0×106 mPa
・s超となると、シート型33へのドウの供給・充填が
困難にとなり、且つ摺り切り時の摺り切り抵抗が大きく
なってしまい、摺り切りによって安定的に薄層を形成す
ることができなくなる。従って、剪断速度0.02s-1
及び5s-1における粘度をそれぞれ1.0×107 mP
a・s以下及び2.0×106 mPa・s以下にするこ
とで、シート型33への供給・充填をスムーズに行うこ
とができ、且つ摺り切り抵抗を小さくすることができ
る。さらに洗剤粒子同士の付着力を一定以下とすること
により圧密・粒子崩壊が生じにくいような状態とするこ
とができることから、シート状洗濯用品の溶解性を高く
することができる。特に、剪断速度0.02s-1におけ
る粘度を200,000mPa・s〜5,000,00
0mPa・s、とりわけ300,000mPa・s〜
2,000,000mPa・sにし、剪断速度5s-1
おける粘度を、70,000mPa・s〜1,000,
000mPa・s、とりわけ80,000mPa・s〜
800,000mPa・sにすることが、摺り切り後、
吸引・加圧によってシート状洗濯用品が離型する際の保
形性が一層向上し、またドウ状洗濯用品組成物のシート
型33への供給・充填が一層スムーズに行える点から好
ましい。
【0025】また本発明者らは前記ドウ状洗濯用品組成
物を摺り切りして均一な薄層を形成する手段について、
更に詳細な検討を実施した結果、前記ドウ状洗濯用品組
成物の流動曲線が以下の式(1)で表されるCasson方程
式に従うことを見出し、その係数C0、C1が大きく影響
することを見出した。即ち、その係数C0 及びC1 がそ
れぞれ5<C0 <30且つ5<C1 <25となるように
前記ドウ状洗濯用品組成物を調製することが、十分な供
給・充填性及び保形性を得ることができ、また得られる
シート状洗濯用品の溶解性が十分となり、その液体成分
の浸み出しも防止できる点から好ましい。
【0026】
【数2】
【0027】更に詳細には、前記式(1)における係数
0を5以下とすると、吸引加圧によってシート型から
離型する際に薄層が変形して寸法が保持できなくなり、
30以上とするとシート型33への供給・充填が困難に
なってしまう。従って、前記式(1)における係数C0
を5<C0<30とすることで、摺り切り直後の前記ド
ウ状洗濯用品組成物に塑性的な性質を付与できることか
ら、摺り切り後の前記ドウ状洗濯用品組成物の保形性を
高めることができ、吸引加圧によってシート型から離型
する際に、薄層の形状・寸法を保つことができる。また
前記ドウ状洗濯用品組成物の洗剤粒子と洗剤粒子間に保
持される液体成分の間の液架橋力を高めることができ、
得られるシート状洗濯用品からの液体成分の浸み出しを
防止できる。更に、薄層形成時に前記ドウ状洗濯用品組
成物にある程度の連続性を持たせられることから前記ド
ウ状洗濯用品組成物をシート型へ供給・充填する際に完
全に充填でき、シート型の形状を薄層に完全に転写する
事により安定的に薄層を形成することができる。その
上、洗剤粒子同士の付着力を一定以下とすることにより
供給・充填時に圧密・粒子崩壊が生じないような状態と
することができることから、シート状洗濯用品の溶解性
を高くすることができる。
【0028】一方、前記式(1)におけるC1を5以下
とすると摺り切り部材への付着が多くなってしまい、2
5以上とすると摺り切り後の薄層上面にアバタ状の凹凸
が生じやすくなり薄層の外観を損ねてしまう。従って、
前記式(1)における係数を5<C1<25とすること
で、ドウ状洗濯用品組成物のチキソ性による比較的剪断
速度が低い領域における増粘効果によって、摺り切り時
の前記ドウ状洗濯用品組成物の摺り切り部材への付着を
少なくすることができ、摺り切り部材の下端面で決定さ
れる摺り切り形状を一定に保つことができる。また、ド
ウ状洗濯用品組成物のチキソ性による比較的剪断速度が
高い領域における減粘効果によって、摺り切り後の薄層
の表面状態を平滑にすることができる。
【0029】以上の効果を一層顕著なものとするため
に、前記式(1)における係数C0 は、6<C0 <2
8、特に7<C0 <24であることが更に好ましく、係
数C1 は、6<C1 <23、特に8<C1 <21である
ことが更に好ましい。
【0030】係数C0 及びC1 の測定方法は以下の通り
である。例えばReometrics社製RDA-IIに内径25mm、
外径27mm、全長32mmの二重円筒型テストフィク
スチュアを装着し、テストフィクスチュアの温度を80
℃に調温した状態で、ドウ状洗濯用品組成物をテストフ
ィクスチュアに装填し、剪断速度を100s-1まで上昇
下降させる間に数点の異なる剪断速度で剪断応力を測定
し、剪断応力γに対するτの関係を表すドウ状洗濯用品
組成物の流動曲線を得る。そして得られたτとγの平方
根により得られる曲線を一次の最小二乗法にて近似し、
切片bを係数C0、傾きaを係数C1として得る。剪断応
力τを測定する際に与える剪断速度γは、測定の再現性
を確保する為に最低限必要な安定時間、測定時間、測定
点数を考慮して、且つ実際の塗布装置において供給源か
ら塗布されるまでにドウ状洗濯用品組成物に与える剪断
履歴を代表するように与えるのが望ましく、例えばγを
変化させるのに要する時間6s、γを維持する時間10
sの条件下で、1s-1→3.2s-1→10s-1→32s
-1→100s-1→32s-1→10s-1→3.2s-1→1
-1と順次変化させた。
【0031】ドウ状洗濯用品組成物を摺り切るときに
は、その摺り切りの条件として、ドウ状洗濯用品組成物
の剪断速度が0.02s-1〜5s-1となるように、摺り
切りの速度、シート型33の長さ並びにドウ状洗濯用品
組成物の粘度及び密度を調整する。ドウ状洗濯用品組成
物を摺り切る場合の剪断速度は以下の式(2)で表され
る。
【0032】
【数3】
【0033】ドウ状洗濯用品組成物を摺り切る場合の剪
断速度が0.02s-1未満であると、ドウ状洗濯用品組
成物が摺り切り部材34に付着しやすく、摺り切り部材
34の下端面で決定される摺り切り形状を一定に保つこ
とが困難となるため、摺り切りを連続的に行うことが困
難となる。5s-1超となると、ドウ状洗濯用品組成物と
スライド板31の上面31aとの摩擦力、及び摺り切り
部材34の下端面での摺り切り力の和である摺り切り抵
抗が大きくなるため、安定的に摺り切りを行うことが困
難となる。前記剪断速度を0.05s-1〜4.2s-1
特に0.1s-1〜3s-1に調整した条件下にドウ状洗濯
用品組成物を摺り切ると、摺り切り形状を一層安定化で
き、かつ摺り切り抵抗を一層低下させることができるこ
とから好ましい。
【0034】摺り切りの速度Uは、0.6m/min〜
30m/min、特に3.0m/min〜25m/mi
nであることが、摺り切り部材への付着防止と摺り切り
抵抗の低減による摺り切りの安定性と生産性の両立の点
から好ましい。また、シート型33の深さ、即ちシート
状洗濯用品の厚みは、0.5mm〜10mm、特に1.
0mm〜4.5mmであることが、シート状洗濯用品の
溶解性と洗浄性の両立の点から好ましい。
【0035】ドウ状洗濯用品組成物を摺り切るときに
は、剪断速度を前記範囲内にすることに加えて該ドウ状
洗濯用品組成物を15〜40℃、特に20〜30℃に調
温しておくことが好ましい。これにより、温度変化に起
因するドウ状洗濯用品組成物の大きな粘度変化を避ける
ことができ、安定的に摺り切りを行うことができるよう
になる。また熱による洗剤粒子の軟化を抑制することが
できることから、摺り切り時の圧力・剪断応力に起因す
ると考えられる洗剤粒子の壊れが最小限にとどめられ、
使用時の優れたシート溶解性が得られる。ドウ状洗濯用
品組成物を前記温度に調温するためには、例えば収容部
21に温調ヒータ等を取り付けドウ状洗濯用品組成物の
温度を調温すると共に、製造装置10を温調された環境
に設置するようにすればよい。
【0036】以上のようにして得られたシート状洗濯用
品には、その片面又は両面に可撓性支持体を重ね合わせ
てもよい。可撓性支持体を重ね合わせる場合には、該可
撓性支持体として、該可撓性支持体がシート状洗濯用品
の両側縁部及び前後端部から外方に延出するような大き
さのものを用い、延出した可撓性支持体を所定手段によ
って接合してシート状洗濯用品の脱落を防止してもよ
い。
【0037】ドウ状洗濯用品組成物のレオロジー特性は
前述の通りであり、また、その配合組成は以下の通りで
ある。即ち、ドウ状洗濯用品組成物は、界面活性剤、ア
ルカリ剤及び金属イオン捕捉剤をそれぞれ少なくとも一
種含んでいる。
【0038】前記界面活性剤としては非イオン界面活性
剤及び陰イオン界面活性剤が好ましい。非イオン界面活
性剤の例としては、特開平10−204499号公報の
第5欄6〜31行に記載のもの等が挙げられ、特に炭素
数10〜18の直鎖又は分岐鎖の1級又は2級のアルコ
ールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのア
ルキレンオキシドを付加し、HLB値(グリフィン法で
算出)が10.5〜15.0、特に11.0〜14.5
になるようにしたポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ルが好ましい。また、陰イオン界面活性剤の例として
は、特開平10−204499号公報の第5欄39〜4
9行に記載のもの等が挙げられ、特に炭素数12〜18
のアルキル硫酸塩、アルキル鎖の炭素数が10〜14の
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、対イオ
ンとしてはアルカリ金属類、特にナトリウムやカリウム
が好ましい。界面活性剤の含有量は、洗浄力の点でドウ
状洗濯用品組成物中に好ましくは5〜80重量%、より
好ましくは20〜60重量%である。また、非イオン界
面活性剤と陰イオン界面活性剤の併用も好ましく、その
場合、両者の合計が界面活性剤中に50〜100重量
%、特に70〜100重量%であるのが洗浄性の点で好
ましい。また、非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性
剤の重量比は、溶解性の点で、非イオン界面活性剤/陰
イオン界面活性剤=100/0〜10/90、特に90
/10〜50/50が好ましい。
【0039】前記アルカリ剤としては、特開平10−2
04499号公報の第5欄末行〜第6欄9行に記載のも
の等が挙げられ、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
非晶質珪酸塩及び結晶性珪酸塩が好ましい。
【0040】前記金属イオン捕捉剤としては、特開平1
0−204499号公報の第8欄41〜47行に記載の
もの等が挙げられ、特に結晶性アルミノ珪酸塩(ゼオラ
イト)、非晶質アルミノ珪酸塩、有機キレート剤及びポ
リカルボン酸ポリマー、特にポリアクリル酸ナトリウ
ム、アクリル酸マレイン酸コポリマーが好ましい。
【0041】ドウ状洗濯用品組成物は、前記界面活性剤
を5〜50重量%、特に10〜30重量%含有し、前記
アルカリ剤を5〜60重量%、特に10〜50重量%含
有し、前記金属イオン捕捉剤を5〜60重量%、特に1
0〜50重量%含有することが好ましい。
【0042】ドウ状洗濯用品組成物の流動性を維持する
点、及びシート状洗濯用品に前記可撓性支持体を重ね合
わせた場合には、該可撓性支持体を通じてドウ状洗濯用
品組成物中の洗浄活性物質が遺漏することを防止する点
から、ドウ状洗濯用品組成物に含まれる有機化合物と無
機化合物との混合比率を調整することが好ましい。有機
化合物と無機化合物との好ましい混合比率は、有機化合
物/無機化合物=80/20〜10/90、特に70/
30〜15/85(重量比)である。
【0043】必要に応じて用いられる前記可撓性支持体
としては、可撓性を有するシートやウエブ、例えば合成
樹脂製のフィルム並びに織布及び不織布等の繊維シート
等が用いられる。可撓性支持体は水溶性又は水分散性で
あることが好ましい。可撓性支持体が水溶性である場
合、可撓性支持体を構成する材料としては、例えば特開
平10−204499号公報の第12欄16〜33行に
記載の水溶性フィルム、水溶性高分子繊維からなる
不織布もしくは織布、又は、水溶性フィルムと水溶性
高分子繊維からなる不織布もしくは織布の積層シートが
好ましい。これらの可撓性支持体は、水溶性高分子によ
り構成される。具体的には、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、プルラン、ポリアクリルアミド、
ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチレンエーテル、
キサンタンガム、ガーガム、コラーゲン、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒ
ドロキシエチルセルロース等や、ポリアクリル酸または
その塩、ポリメタクリル酸またはその塩、ポリイタコン
酸またはその塩等のカルボキシル基及び/又はスルホン
酸基を有する有機ポリマー及び/又はその塩が例示さ
れ、特にポリビニルアルコール或いはマレイン酸やイタ
コン酸で変性されたポリビニルアルコールが好ましい。
【0044】本発明は前記実施形態に制限されない。例
えば、前記実施形態においては、摺り切り部材34を固
定し、シート型33を移動させて摺り切りを行ったが、
これに代えてシート型を固定し、摺り切り部材を移動さ
せて摺り切りを行ってもよい。また、図4に示されてい
るように、ドウ状洗濯用品組成物の供給・充填手段とし
てギヤを用いても良く、摺り切り部材として摺り切りロ
ールを用いても良い。摺り切りロールはシート型の移動
方向に回転し、その直径はシート厚みの0.1倍〜20
倍、特に0.2倍〜10倍とすることが好ましい。これ
により、摺り切り面が常に更新されて、連続運転におい
て一層安定的に摺り切りを行うことができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。尚、特に断らない限り、「%」及び「部」はそれ
ぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。実施例に先
立ち、ドウ状洗濯用品組成物の調製方法(調製例1及び
調製例2)を説明する。
【0046】〔ドウ状洗濯用品組成物の調製方法〕 調製例1(実施例1、3及び4並びに比較例2及び4の
組成のもの) ゼオライト、炭酸ソーダ、芒硝、亜硫酸ソーダ、ポリア
クリル酸ソーダ及び蛍光染料を表1中の比率で含有する
水分50%のスラリーを、噴霧乾燥法により乾燥させ、
下記の乾燥粒子1(平均粒径約250μm)を得た。
尚、表1における各成分の詳細は表2に示す通りであ
る。
【0047】〔乾燥粒子1組成〕 ・ゼオライト 26.7部 ・炭酸ソーダ 7.2部 ・芒硝 3.6部 ・亜硫酸ソーダ 0.4部 ・ポリアクリル酸ソーダ 3.6部 ・蛍光染料 0.3部 ・残留水分 2.5部 合 計 44.3部
【0048】非イオン界面活性剤(a)8.98kg、
PEG0.18kgを50リットル容バッチニーダ〔佐
竹化学機械工業(株)製、1600−65CVJA−
3.7型〕に入れ、65℃加温下、PEGが溶融し均一
になるまで混合した。次いでデンス灰3.3kgを加え
た後、LAS−Na1.68kg及び48%NaOHaq
0.44kgを、撹拌を続けながら同時に徐々に加え、
更に10分間撹拌を続けることで中和反応を充分に行っ
た。反応終了後、AS−Na粉末を1.80kg及び乾
燥粒子1を3.41kg加え、均質になるまで約5分間
混合し、更に酵素0.22kg及び香料0.15kgを
添加して更に2分間混合した。混合終了後脱気操作を経
て、実施例1に示すドウ状洗濯用品組成物を得た。
【0049】調製例2(実施例2並びに比較例1及び3
の組成のもの) 非イオン界面活性剤(b)8.41kg、PEG0.1
7kgを50リットル容バッチニーダ〔佐竹化学機械工
業(株)製、1600−65CVJA−3.7型〕に入
れ、65℃加温下、PEGが溶融し均一になるまで混合
した。次いでデンス灰3.30kgを加え混合し、更に
LAS−Na1.57kg及び48%NaOHaq0.4
1kgを、撹拌を続けながら同時に徐々に加え、更に1
0分間撹拌を続けることで中和反応を充分に行った。反
応終了後、AS−Na粉末2.52kg、ゼオライト
7.92kg、炭酸ソーダ粉末2.09kg、無水芒硝
粉末1.07kg、亜硫酸ソーダ粉末0.10kg、A
A/MA粉末1.07kg、蛍光染料0.10kg、酵
素0.26kg及び香料0.15kgを加え、均質にな
るまで約15分間混合した。混合終了後脱気操作を経
て、実施例2に示すドウ状洗濯用品組成物を得た。
【0050】〔粘度の測定方法〕各調製例で得られた各
ドウ状洗濯用品組成物について、以下の方法で粘度を測
定し、また前述の方法でCasson方程式の係数C0 及びC
1 を測定した。その結果を表1に示す。レオメトリック
ス社のレオメータRDA−IIを用い、テストフィクスチ
ュアには内径25mm、外径27mm、全長32mmの
クェットを使用し、テストフィクスチュアに挿填して4
0℃に保ったドウ状洗濯用品組成物に剪断速度0.02
-1、5s-1をそれぞれ与えたときの粘度をそれぞれ測
定した。
【0051】〔実施例1〜4及び比較例1〜4〕各調製
例で得られた各ドウ状洗濯用品組成物を用い、表1に示
す剪断速度及び温度の条件下で、図1に示す製造装置を
用いてドウ状洗濯用品組成物を摺り切り成形した。次い
で、特開平8−3848号公報の実施例2に準じて調製
された目付(坪量)20g/m2 の水溶性不織布と日本
合成化学工業(株)製「ハイセロン」(水溶性フィル
ム)とを積層した積層シートにおける水溶性フィルム上
に、摺り切り成形して得られた薄層状のドウ状洗濯用品
組成物を載置し、その上に水溶性不織布が最外層になる
ように積層シートを重ね合わせた。次いで、積層シート
の周囲をFUJI IMPULSE AUTO SEALER(FA-600-5)でヒート
シールしてシート状洗濯用品を得た。
【0052】〔性能評価〕各実施例で得られたシート状
洗濯用品について、以下の方法で保形性、供給・充填
性、溶解性及び液体成分の耐浸み出し性を評価した。そ
の結果を表1に示す。
【0053】〔保形性の評価方法〕図1に示す製造装置
を用いて、剪断速度0.02〜5s-1となる種々の摺り
切り条件で、それぞれドウ状洗濯用品組成物を摺り切り
成形し、得られた薄層の状態を下記基準で観察した。 ○;吸引・加圧による離型後もシート形状を維持してい
る。 △;吸引・加圧による離型後に、シート形状にやや変形
が認められる。 ×;吸引・加圧による離型後に、シート形状を保持する
ことができない。
【0054】〔供給・充填性の評価方法〕図1に示す製
造装置を用いて、剪断速度0.02〜5s-1となる種々
の摺り切り条件で、それぞれドウ状洗濯用品組成物を連
続的に摺り切り成形し、得られた薄層の状態を下記基準
で観察した。 ○;未充填部分は見られず、シート形状はシート型形状
から完全に転写されている。 △;未充填部分が僅かに見られ、シート形状はシート型
形状からほぼ転写されている。 ×;未充填部分が多く見られ、シート形状はシート型形
状からの転写が不十分である。
【0055】〔溶解性の評価方法〕得られたシート状洗
濯用品を1辺10cmの正方形に切り取り、5℃、30
Lの水道水を入れた洗濯機〔東芝(株)製、銀河3.6
(VH360S1型)〕に投入した。即座に「強回転」
で撹拌をはじめ、撹拌開始3分後および15分後に、先
端に東洋濾紙(株)製ディスポーザブルメンブランフィ
ルターユニット25AS020AN(孔径0.20ミク
ロン)を装着した10ml容シリンジを用いて洗濯水を
速やかにろ別およびろ液のサンプリングを行った。評価
に使用した水道水、3分後および15分後のろ液それぞ
れを、よく室温に戻した後、東亜電波工業(株)製電気
伝導度計(CM−60V型)を用いて各液の電気伝導度
を測定した。以下の式(3)により溶解率を算出し下記
基準に従って判定した。
【0056】
【数4】
【0057】 ○:溶解率80%以上 △:溶解率70%以上80%未満 ×:溶解率70%未満
【0058】〔液体成分の耐浸み出し性の評価方法〕内
径が28mm、肉厚3mmのステンレスパイプを、長さ
40mmに切断後、切断箇所を面取りした円筒形セルを
用意した。セル内部に塗布装置から吐出された各組成物
を充填し、開口部を上下方向に配し、次いでセル全体を
硬質平面に強打することによって内容組成物の底部に相
当する面を整え、評価片とした。評価片の下に200メ
ッシュの金網および濾紙5枚〔東洋濾紙(株)製No.
2(75mm×90mm)〕を、濾紙5枚を下にして敷
き、50℃で48時間静置した。組成物からの浸み出し
による濾紙の重量増加(5枚分トータル)(g)を秤量
し、浸み出し量とし、下記基準に従って耐浸み出し性を
評価した。 ○:浸み出し量が0.5g以下 △:浸み出し量が0.5g〜1.0g ×:浸み出し量が1.0g以上
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1〜4の条件で摺り切り成形したところ、ドウ状洗濯
用品組成物の供給・充填を安定的に行うことができ、ま
たシート状洗濯用品の薄層状態としての形を維持するこ
とができた。また、ドウ状洗濯用品組成物の摺り切り部
材への付着もほとんど見られず、摺り切り抵抗も小さい
ことから安定的に摺り切りを行うことができた。更に溶
解性の評価においても、洗剤組成物の残留物がほとんど
認められず、良好な溶解性を示した。
【0062】また、実施例1〜4のいずれの場合におい
ても、摺り切り時の剪断速度の条件が0.02〜5s-1
の範囲を満たしていれば、ドウ状洗濯用品組成物の摺り
切り部材への付着及び摺り切り抵抗の増大が防止され
て、摺り切りを安定的に行うことができることが判っ
た。
【0063】
【発明の効果】本発明のシート状洗濯用品の製造方法に
よれば、摺り切り時の抵抗が低下して安定して摺り切り
が行える。また、本発明のシート状洗濯用品の製造方法
によれば、摺り切りの際にドウ状洗濯用品組成物が摺り
切り部材に付着し難く、安定して摺り切りが行える。ま
た、本発明のシート状洗濯用品の製造方法によれば、使
用時の優れた溶解性を保持しつつ、摺り切りを行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)及び(b)はそれぞれ、本発明のシ
ート状洗濯用品の製造方法に好ましく用いられる製造装
置の平面図及び側面図である。
【図2】ドウ状洗濯用品組成物の摺り切り状態を示す模
式図である。
【符号の説明】
10 製造装置 20 供給収容部 21 収容部 22 加圧部 30 摺り切り部 31 スライド板 33 シート型 34 摺り切り部材 40 排出部 41 取出板 42 排出板 43 チャンバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠井 克彦 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 Fターム(参考) 4H003 AB19 AB27 AC08 AC09 BA19 CA11 DA01 EA12 EA16 EA28 EB22 EB30 EB32 EB36 EC01 EC02 EC03 ED02 FA32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剪断速度0.02s-1における粘度が
    1.0×105 mPa・s〜1.0×107 mPa・s
    で且つ剪断速度5s-1における粘度が5.0×104
    Pa・s〜2.0×106 mPa・sになるように調製
    されたドウ状洗濯用品組成物を、摺り切り面を有する浅
    底のシート型内に充填し、剪断速度0.02s-1〜5s
    -1の条件下で、摺り切り部材によって前記摺り切り面を
    擦り切ることで、前記ドウ状洗濯用品組成物をシート状
    に形成するシート状洗濯用品の製造方法。
  2. 【請求項2】 以下の式(1)で表されるCasson方程式
    における係数C0 及びC1 がそれぞれ5<C0 <30且
    つ5<C1 <25となるように調製された前記ドウ状洗
    濯用品組成物を用いる請求項1記載のシート状洗濯用品
    の製造方法。 【数1】
  3. 【請求項3】 前記ドウ状洗濯用品組成物に一定の荷重
    を加えた条件下に前記摺り切りを行う請求項1又は2記
    載のシート状洗濯用品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記摺り切り部材の下端面が、前記摺り
    切りの方向に対して5°〜30°の角度をなして傾斜し
    ている請求項1〜3の何れかに記載のシート状洗濯用品
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 シート状に形成された前記ドウ状洗濯用
    品組成物の厚みが0.5mm〜10mmである請求項1
    〜4の何れかに記載のシート状洗濯用品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記摺り切り後に、シート状に形成され
    た前記ドウ状洗濯用品組成物の片面又は両面に可撓性支
    持体を重ね合わせる請求項1〜5の何れかに記載のシー
    ト状洗濯用品の製造方法。
JP2000306598A 2000-10-05 2000-10-05 シート状洗濯用品の製造方法 Pending JP2002114997A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000306598A JP2002114997A (ja) 2000-10-05 2000-10-05 シート状洗濯用品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000306598A JP2002114997A (ja) 2000-10-05 2000-10-05 シート状洗濯用品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002114997A true JP2002114997A (ja) 2002-04-16

Family

ID=18787259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000306598A Pending JP2002114997A (ja) 2000-10-05 2000-10-05 シート状洗濯用品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002114997A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1229106B1 (en) Method for producing sheetlike detergent
US9464264B2 (en) Method and apparatus for making a laundry detergent sheet
JPH0255044B2 (ja)
KR101259425B1 (ko) 시트형 세제, 세제 조성물 및 그 제조 방법
US20130178407A1 (en) Washing- or cleaning-agent delivery system
CN109137606A (zh) 涂布有官能性聚烯烃膜的纸
MX2014014259A (es) Limpiador concentrado en bolsa disoluble en agua.
JP2020506992A (ja) マイクロカプセルを有する洗濯洗剤シート
CN103889594A (zh) 含易氧化性金属的涂布物的制造方法
JP3202660B2 (ja) シート状洗剤
JP2002114997A (ja) シート状洗濯用品の製造方法
JPH1072593A (ja) シート状洗濯用製品
JP2008290066A (ja) 粉体の製造方法
KR101703709B1 (ko) 봉투형 세제
JP2001200296A (ja) シート状洗濯用品の製造方法
JP2002114996A (ja) シート状洗濯用品の製造方法
KR101472533B1 (ko) 연속면과 불연속면이 형성된 세탁용 시트 및, 그 제조방법
CN1522279A (zh) 用于滚涂式浆糊制品的粘合剂组合物
TWI791641B (zh) 用於製備水性熱封塗料組合物之方法
JP3734416B2 (ja) シート状洗濯用品の製造方法
JPH1072600A (ja) シート状洗濯用製品
JP2002114998A (ja) シート状洗濯用品の製造方法
JP4907199B2 (ja) 食器洗浄機用粉体洗浄剤組成物の製造方法
US11267997B2 (en) Friction-activated adhesive formulations and application devices
JP2005054056A (ja) 界面活性剤担持用顆粒群