JP2002113361A - 脱硫用吸収剤および脱硫剤の製造方法 - Google Patents
脱硫用吸収剤および脱硫剤の製造方法Info
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Abstract
剤の製造方法の提供 【構成】 比較的大粒径の球状のキャリヤー粒子、Ca
O及びH2Oを、H2O/(キャリヤー粒子+Ca(O
H)2)の重量比が0.2以上で1以下になるように室
温下で混合後、乾燥することによって、前記キャリヤー
粒子表面を微粒子のCa(OH)2で被覆することによ
って得られたことを特徴とするSO2の吸着脱硫剤。
Description
m以上のキャリヤー粒子、特にフライアッシュ(石炭
灰)から成る粒子の表面を、該キャリヤー粒子の粒径の
1/5(10μm)以下のCa(OH)2の微粒子で覆
う形状に構成された新規な脱硫剤およびその製造法に関
する。
aOおよびH2Oを、H2O/(キャリヤー粒子+Ca(O
H)2)の重量比が0.2以上で1以下となるように混
合した後、乾燥することによって、大粒径のキャリヤー
粒子、特にフライアッシュから成る粒子の表面を、前記
キャリヤー粒子の平均粒径の1/5以下のCa(OH)
2の微粒子で被覆する形状にされた新規な脱硫剤に関す
る。該脱硫剤の構成により、SO2吸収剤であるCa
(OH)2がSO2を高効率で吸収してCaSO4(石
膏)を高カルシウム利用率で生成し、且つ生成したCa
SO4を容易に回収できる、という顕著な作用効果がも
たらされる。また、水分量を前記のように少なくするこ
とにより、脱硫処理装置に直結して該脱硫剤の製造工程
を設けることができるという効果ももたらされる。本発
明は、前記脱硫剤を形成する際のCaOとH2Oとの比
が、Ca(OH)2生成の化学量論量とだけではなく、
石膏であるCaSO4を高カルシウム利用率で生成する
状態でキャリヤー粒子表面にCa(OH)2が形成させ
ることと密接な関連があることを発見することによりな
されたものである。該効率的で高カルシウム利用率の作
用効果は、脱硫系に比較的粒径の大きなキャリヤー粒子
を共存させることが、微粒子のCa(OH)2が脱硫系
に効果的に留まっていることと関連するであろうことが
推測される。
がある物質であり、石炭の燃焼プロセスなどから発生す
るSO2は大きな社会問題である。そのために、従来か
ら、SO2を吸収除去するシステムが研究されている。
その一つにCaOを用いた吸収除去方法がある。該Ca
Oを用いたSO2の吸収除去は、SO2の拡散と、固体反
応によるCaSO4/CaSO3の形成の過程を経て行わ
れる。従って、CaOの粒子特性、すなわち、表面積、
孔径、孔容積等が前記吸着反応に大きな影響がある。と
ころが、市販のCaOはSO2の吸収除去特性の観点か
らは、カルシウム利用率が良いとは言えない。
al.)は、フライアッシュと消石灰との混合スラリーを
用いるとSO2の吸収除去特性が改善されることを報告
している(Sanders et al.,Ind.Eng.Chem.Res.1995,34
(4),302-307)。その報告の中で、SO2の吸収除去特性
の改善は、カルシウムと珪酸アルミナとの水和反応によ
り生成する珪酸カルシウム水和物の存在にあり、反応性
の違いは珪酸カルシウム水和物の構造にあると説明して
いる。他に、γ−アルミナ−CaO吸着剤(Svoboda et
al.)、CaO、硫酸カルシウム、及びフライアッシュ
からのスラリーを約100℃で熟成した後、乾燥して得た
吸着剤(Hiroaki et al.)(エトリンゲイトが形成され
ていると考えられている。特公平3−59737号公報
にも類似の技術が開示されている。)等が提案されてい
る。しかし、これらの吸着剤の調製方法には水の使用量
が非常に多く、水利の良くない地域においての利用性が
悪いこと、水を取り除くのに長時間および/または多く
のエネルギーが必要であること、および生成物の化学組
成の制御の観点から、SO2吸着剤の調製時における工
程の管理が難しいなどの実用化を困難にする種々の不都
合があった。
ライアッシュとを水中混合して吸着剤を調製するプロセ
スにおける水和のプロセスのメカニズムを知ることによ
り、前記原料からより実用プロセスとなり得るような活
性なSO2吸着特性を示す脱硫剤を製造する研究を鋭意
進めて来た(Energy & Fuels,Vol.13,No5,1015-1020,19
99.文献A)。このことをより詳細に説明する。実験の
ために用いたフライアッシュは、平均粒径が137μ
m、BETが126m2/gでありその組成は以下の表
1のとおりである。
アッシュ(キャリヤー粒子に相当する)とを水中で、H
2O/(キャリヤー粒子+Ca(OH)2)の重量比が1.
5となるような条件で、室温で混合し、次いで混合物を
一定温度85℃で30分間乾燥する、とう方法を基本と
し、以下のような実験をしている。 1.水の活性化に対する効果を調べるための、CaOを
水のみで処理したもの。 2.CaO/フライアッシュ/CaSO4/H2Oの混合
物から調製したもの。3.CaO/フライアッシュ/H
2Oの混合物から、1回の混合により調製したもの。 4.CaO/フライアッシュ/H2Oの混合物から、8
時間の混合を1回行って調製したもの。 5.CaO/フライアッシュ/H2Oの混合物から、1
6時間の混合を1回行って調製したもの。 6.CaO/前記3.の脱硫剤を450℃に加熱してCa
(OH)2をCaOに分解したフライアッシュ/H2Oの
混合物から調製した脱硫剤(脱硫に用いたものの再処理
したものの脱硫特性を調べるためのもの。)。 7.6.再処理の工程を2回行った脱硫剤(再々処理し
たものの脱硫特性を調べるためのもの。)。6.及び
7.は脱硫剤のリサイクル特性を見るものである。
CaO/フライアッシュ/H2Oの混合物を単に撹拌、
特に室温において撹拌し、得られた混合物を定温におい
て乾燥するという管理の容易な方法により高カルシウム
利用率のSO2吸着脱硫剤を提供できることを提案して
いる。しかし、ここでは該脱硫剤の調製時に使用する水
の量(重量比)は、H2O/(キャリヤー粒子+Ca(O
H)2)の重量比が1.5と比較的多いものであった。
このような水の使用量では、水資源の少ない地域におい
ては脱硫方法としての利用に困難を来すということがあ
った。同時にその際、廃棄物をできるだけ少なくするた
めに、物の利用性の向上と、添加する脱硫剤の利用効率
の改善が重要なことである。また、CaOを利用する脱
硫法においては、副生石膏の高効率生成のために、高カ
ルシウム利用率と副生石膏の分離回収が容易な吸収剤を
開発することが重要である。本発明者等は、前記したよ
うに乾式脱硫プロセスを、実用レベルで設計できる脱硫
剤の研究を、フライアッシュとCaOとを用いて行って
きたが、更なる、水の使用量の低減化等の解決すべき問
題がある。
実用的脱硫方法に適するように改良された脱硫剤をより
少ない水使用量において、従って水との混合および乾燥
におけるエネルギー使用量が少なく、且つ脱硫プラント
に併設した設備において容易に製造できる脱硫剤および
その製造方法を提供することである。そこで、前記本発
明者等が行ってきた高カルシウム利用率の脱硫剤を得る
メカニズムの検討を、更に水の配合比の条件を変えるこ
とにより検討した。驚くべきことに、H2O/(キャリヤ
ー粒子+Ca(OH)2)の重量比を1以下としても、該
重量比が0.2以上ならばカルシウム利用率が良いし、
スラリー1gあたりのCa利用効率に関しては該重量比
が0.2において最も良い値を示すという結果を発見
し、前記本発明の課題を解決した。
大粒径のキャリヤー粒子、CaOおよびH2Oを、H2O
/(キャリヤー粒子+Ca(OH)2)の重量比が0.2
以上で1以下になるように室温下で混合後、乾燥するこ
とによって、前記キャリヤー粒子表面を微粒子のCa
(OH)2で被覆することによって得られたことを特徴
とするSO2の吸着脱硫剤である。好ましくは、前記混
合及び乾燥処理を複数回繰り返すことにより得られたも
のであることことを特徴とする前記吸着脱硫剤、より好
ましくは、キャリヤー粒子は主成分が、アルミナおよび
/またはSiO2からなる平均粒径が50μm以上の粒
子であり、該キャリヤー粒子表面を被覆するCa(O
H)2微粒子は平均粒径が前記キャリヤーの平均粒径の
1/5以下であることを特徴とする前記吸着脱硫剤であ
り、更に好ましくは、アルミナおよび/またはSiO2
を主成分とするものがフライアッシュであることを特徴
とする前記SO2の吸着脱硫剤である。
ー粒子、CaOおよびH2Oを、H2O/(キャリヤー粒
子+Ca(OH)2)の重量比が.2以上で1以下となる
ように室温下に混合後、乾燥することによって、前記キ
ャリヤー粒子表面を微粒子のCa(OH)2で被覆する
ことを特徴とする吸着脱硫剤の製造方法であり、好まし
くは、キャリヤー粒子は主成分がアルミナおよび/また
はSiO2からなる平均粒径が50μm以上で粒子であ
り、該キャリヤー粒子表面を被覆するCa(OH)2微
粒子の平均粒径が前記キャリヤーの平均粒径の1/5以
下であることを特徴とする前記吸着脱硫剤の製造方法で
あり、より好ましくは、アルミナおよび/またはSiO
2を主成分とするものがフライアッシュであることを特
徴とする前記吸着脱硫剤の製造方法である。
子を製造するための原料としては、脱硫系における大粒
径の粒子の存在そのものが、微粒子のCa(OH)2の
効率的で高カルシウム利用率の作用効果をもたらすこと
の推測からすると、脱硫工程において、機械的、物理的
強度および化学的安定性が維持できるものであれば良
い。しかしながら、好ましいものとしては、アルミナお
よび/またはSiO2を主成分とするものを挙げること
ができ、より好ましいものとしては、資源の有効利用の
観点からフライアッシュを挙げることができる。形状と
しては、水の存在中での混合中に表面に微粒子のCa
(OH)2が還流流動層(Circulating Fluidized Bed:
CFB)中での脱硫工程に安定に供給できるように付着
し、好ましくは、吸着したSO2と、熱酸化により該表
面に形成されたCaSO4(石膏)が表面から脱離する
特性を持つものが好ましい。利用性からは、球形のもの
が好ましい。粒径は、比較的大きく、サイクロン型分離
装置において、気流中で反応生成物の石膏と分離できる
程度の重量と大きさを有していることが好ましい。例え
ば平均粒径が50μm以上のもの、より好ましくは平均
粒径100±50μmのものが使用される。
と還流流動層(CFB)を形成する工程で使用され、該
工程に接続された、キャリヤー粒子と該粒子の表面から
脱離するCaSO4(石膏)とを分離する工程を構成す
る装置、例えば2段のサイクロン型分離装置(後段をバ
グフィルターとすることができる。)とを組み合わせた
脱硫方法で使用される。 前記脱硫工程は、SO2の吸
着・脱硫効率(CaO利用効率)及びCaSO4(石
膏)への変換効率を考えて200℃〜600℃、できる
限り低い温度の、好ましくは400℃以下で行う。脱硫
後の脱硫剤状態を、脱硫剤のCa利用率の測定のための
熱天秤(真空理工社製 9600)を用いて行った。
積(BET)1.26m2/gのフライアッシュを用い
た。 該フライアッシュの組成は、前記表1に示した。 2.測定に用いる、前記フライアッシュ粒子、CaOお
よびH2Oから調製した組成物(スラリー重量、No.
1は、フライアッシュ粒子を用いない比較例である。)
の重量、フライアッシュ、Ca(OH)2、H2O、およ
びH2O/(キャリヤー粒子+Ca(OH)2)の重量比、
すなわち水分比を変えたものを、室温にて3分撹拌し、
得られた混合物を80℃に一定に保持された加熱炉中で
乾燥して8種の脱硫剤を得た。それらを表2に示す。C
aOとしては、和光社製のものを用いた。
スラリー1gあたりのCa利用率を表3に示す。
微鏡)像を図1に示す。 4.前記8種類の脱硫剤を用いて脱硫した場合の、Ca
利用率(%)を図2(各水分比におけるCa利用率)
に、そしてスラリー(各水分量)重量あたりのCa利用
率を図3に示す。図2および3における▲は、本発明者
等の前記文献に記載された脱硫剤の組成と各特性を示
す。
(キャリヤー粒子+Ca(OH)2)の重量比の条件を採
用することにより、水の使用量が改善された新規な脱硫
剤を提供でき、脱硫装置における利用性が良く、かつ、
使用する水の量が少ないので、脱硫剤の製造工程を脱硫
装置に直結して配置することができるという優れた作用
・効果がもたらされる。
(OH)2が付着した構造の脱硫剤のSEM像
のCa利用率(%)そしてスラリー重量あたりのCa利
用率
のスラリー重量あたりのCa利用率
Claims (7)
- 【請求項1】 比較的大粒径の球状のキャリヤー粒子、
CaOおよびH2Oを、H2O/(キャリヤー粒子+Ca
(OH)2)の重量比が0.2以上で1以下になるよう
に室温下で混合後、乾燥することによって、前記キャリ
ヤー粒子表面を微粒子のCa(OH)2で被覆すること
によって得られたことを特徴とするSO2の吸着脱硫
剤。 - 【請求項2】 混合及び乾燥処理を複数回繰り返すこと
により得られたものであること特徴とする請求項1に記
載のSO2の吸着脱硫剤。 - 【請求項3】 キャリヤー粒子は主成分が、アルミナお
よび/またはSiO 2からなる平均粒径が50μm以上
の粒子であり、該キャリヤー粒子表面を被覆するCa
(OH)2微粒子は平均粒径が前記キャリヤーの平均粒
径の1/5以下であることを特徴とする請求項1または
2に記載のSO2の吸着脱硫剤。 - 【請求項4】 アルミナおよび/またはSiO2を主成
分とするものがフライアッシュであることを特徴とする
請求項3に記載のSO2の吸着脱硫剤。 - 【請求項5】 比較的大粒径のキャリヤー粒子、CaO
およびH2Oを、H2O/(キャリヤー粒子+Ca(OH)
2)の重量比が.2以上で1以下となるように室温下に
混合後、乾燥することによって、前記キャリヤー粒子表
面を微粒子のCa(OH)2で被覆することを特徴とす
る吸着脱硫剤の製造方法。 - 【請求項6】 キャリヤー粒子は主成分がアルミナおよ
び/またはSiO2からなる平均粒径が50μm以上で
粒子であり、該キャリヤー粒子表面を被覆するCa(O
H)2微粒子の平均粒径が前記キャリヤーの平均粒径の
1/5以下であることを特徴とする請求項4に記載の吸
着脱硫剤の製造方法。 - 【請求項7】 アルミナおよび/またはSiO2を主成
分とするものがフライアッシュであることを特徴とする
請求項6に記載の吸着脱硫剤の製造方法。
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WO2005028083A1 (ja) * | 2003-09-18 | 2005-03-31 | Japan Science And Technology Agency | 乾式脱硫プロセス用新規脱硫剤 |
US10052871B2 (en) | 2014-07-30 | 2018-08-21 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Inkjet head having a plurality of lid members connected to nozzles and an inkjet apparatus having the inkjet head |
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CN113082957A (zh) * | 2021-03-29 | 2021-07-09 | 内蒙古工业大学 | 一种工业烟气二氧化硫脱除剂及制备方法 |
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