JP2002112351A - 無線通信システム - Google Patents

無線通信システム

Info

Publication number
JP2002112351A
JP2002112351A JP2001230494A JP2001230494A JP2002112351A JP 2002112351 A JP2002112351 A JP 2002112351A JP 2001230494 A JP2001230494 A JP 2001230494A JP 2001230494 A JP2001230494 A JP 2001230494A JP 2002112351 A JP2002112351 A JP 2002112351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base station
wireless
radio
information
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001230494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3699914B2 (ja
Inventor
Mutsumi Serizawa
澤 睦 芹
Koji Ogura
倉 浩 嗣 小
Manabu Mukai
井 学 向
Takashi Wakutsu
隆 司 和久津
Minoru Namekata
方 稔 行
Nobuyasu Nakajima
島 暢 康 中
Eiji Kamagata
形 映 二 鎌
Katsuya Noujin
人 克 也 農
Kiyoshi Toshimitsu
光 清 利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001230494A priority Critical patent/JP3699914B2/ja
Publication of JP2002112351A publication Critical patent/JP2002112351A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3699914B2 publication Critical patent/JP3699914B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダウンリンク伝送速度をアップリンクより相
対的に速くし、ダウンリンクの伝送情報を高速・大容量
で送信でき、周波数利用効率を高める。 【解決手段】 無線端末と、この端末との間で電波を用
いて無線通信する複数の無線基地局からなり、無線端末
は、第1の周波数帯域の電波を使用する第1の無線伝送
帯域を用いて、基地局の何れか1つ以上と、第1の無線
通信をする第1の送信手段と、第1の周波数帯域よりも
高い第2の周波数帯域の電波を使用して第1の無線伝送
帯域よりも高速な第2の無線伝送帯域を用い、無線基地
局の何れか1つ以上と第2の無線通信をする第1の受信
手段とを備え、無線基地局のいずれか1つは第1の無線
伝送帯域を用いて無線端末との間で第1の無線通信をす
る第2の受信手段を備え、該無線基地局の何れか1つ
は、第2の無線伝送帯域を用いて、無線端末との間で第
2の無線通信を行なう第2の送信手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無線通信システムに係
り、特に、端末から基地局への無線伝送路であるアップ
リンクの伝送速度に比べて基地局から端末への無線伝送
路であるダウンリンクの伝送速度が相対的に高速である
超高速ダウンリンク(Super high speedDown Link―以
下、SDLという―)伝送を行なうための無線通信シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信・情報処理技術の進歩に伴い
個人用携帯電話機システム(PersonalHandyphone Syste
m−以下、PHSという−)や前記SDLシステム等の
無線通信システムについて種々の方式が提案されてい
る。
【0003】PHSや無線によるローカルエリアネット
ワーク(Local Area Network−LAN−)等の無線通信
システムは、種々の情報メディアの発達によりますます
その需要が増大しており、これに伴い様々なネットワー
クを介して無線通信を行なわなくてはならない必要性も
増加してきている。このような必要性に鑑みて無線通信
システムの分野においても有線通信システムのような伝
送波周波数の広帯域化が望まれている。また、従来の無
線通信システムにおいては、端末から基地局へ無線信号
を送信する回線であるアップリンクと、基地局から端末
へ無線信号を送信する回線であるダウンリンク回線と、
の伝送速度を一致させて双方向の無線通信を行なうよう
にしていた。しかしながら、ユーザが要求してきたユー
ザ情報を端末に対して送信するダウンリンクの伝送量
は、制御情報等のみを送るアップリンクの伝送量に比べ
て相当大容量となっているのが現状である。
【0004】これは移動通信だけでなく、無線LANや
その他の様々な無線サービスで共通の問題である。しか
しながら、無線では周波数資源が限られているため、現
行でサービスされている周波数帯域での広帯域化は困難
であり、より高い未利用周波数(準ミリ波・ミリ波帯)
の開拓が望まれている。
【0005】従来の周波数配置例を図67に示す。日本
のディジタル方式自動車電話システムRCRSTD−2
7B(Research Center of Radio System STanDard 27B
−電波システム研究センター標準27B−)を例にと
る。このシステムではダウンリンク及びアップリンク共
に同一の伝送速度であり、無線周波数帯としては800
MHz帯と1.5GHz帯のシステムがある。どちらの
周波数帯においてもアップリンクとダウンリンクは同一
の周波数帯で構成される。800MHz帯では810M
Hz〜826MHzにダウンリンクが、940MHz〜
956MHzにアップリンクが配置されている。従来の
システムでは同一の伝送速度のダウンリンク及びアップ
リンクを想定しているため、同一の周波数帯で送受を行
なっているが、SDLシステムヘの適用を考えた場合に
は問題点が発生する。
【0006】SDLシステムでは広帯域のダウンリンク
を想定しているため、800MHz帯などの低い周波数
帯では、その広い帯域幅の確保や周波数有効利用の点か
ら実現が困難である。例えば100MHz程度の伝送を
試みようとした場合、1ユーザーで800MHz帯で1
00MHzの帯域を確保することは不可能と言っても良
い。このため、数GHz程度の準ミリ波帯から数十GH
z程度のミリ波帯での伝送が必要となってくる。
【0007】一方、異なる伝送方式をあわせ持つ無線通
信方式の従来例として、アメリカにおける自動車電話が
挙げられる。これは、アナログからデジタルヘの移行期
に、自動車電話用のハンドセットを、アナログ機(アナ
ログ自動車電話)とデジタル機(デジタル自動車電話)
を共存させ、双方のエリアにおいて送受信可能としたも
のである。このシステムでは、アナログとデジタルとい
う全く異なる通信方式を用いており、送受信機は、共通
な回路部分が少なく、アナログ自動車電話とデジタル自
動車電話を各々1台合わせ持った構成となっている。そ
のため、回路規模が大きくなってしまうという問題点を
有している。
【0008】つぎに、基準となる信号源に同期する方法
についての従来例を図68を用いて説明する。図68
は、基準発振器の発振周波数xのn/m倍の周波数を得
るためのフェーズ・ロックド・ループ(Phase Locked L
oop−PLL−)680の構成を示している。発振周波
数xの信号を、分周器681により周波数を1/mし、
位相比較器に入力する。また、電圧制御可変周波数発振
器(発振周波数y)の信号は、分周器682により周波
数を1/nし、位相比較器683に入力する。位相比較
器683では、両者の位相差に対応した電圧値を出力す
る。位相比較器の出力は、PLL680の周波数追従特
性を決定するループフィルタ684に入力される。ルー
プフィルタ684の出力は、電圧制御可変周波数発振器
(VCO)685に入力される。PLL680は、位相
比較器683の入力における2つの信号の位相差が零に
なるように制御される。従って次式(1)が成り立つ。
【0009】x/m=y/n (1) よって、電圧制御可変周波数発振器の出力yは y=xn/m (2) となる。以上から、分周器681、分周器682によっ
て、基準発振器の出力に同期し、発振周波数がn/m倍
となる。このようにPLL680を用いれば、基準信号
源に同期し、周波数がn/m倍の信号を得ることができ
る。しかしながら、PLLを用いる方法では、VCO
(電圧制御可変周波数発振器)685が必要なため、別
個の構成として発振器を備えている必要がある。上記従
来の無線通信システムは、制御データとユーザデータを
同一無線周波数で伝送しているが、両データの容量は同
一ではなくデータの量は制御データ量に比べてはるかに
大容量であり、ユーザデータと制御データとはそれぞれ
別個の伝送手段により送受信されている。また、大容量
データは太い伝送路でないと送れないが、小容量データ
を太い伝送路で送るのは効率が悪く不経済であった。太
い伝送路は高い周波数を用いないと形成できないが、高
い周波数で細い伝送路を形成しようとすると高周波に起
因するジッタ等の影響で伝送路の形成が困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにPHSや
無線LANのように広般かつ大容量の情報の伝送に対応
するには、端末から基地局へのアップリンクの伝送速度
と基地局から端末へのダウンリンクの伝送速度とが同等
であっては、無線回線を有効に利用することができなか
った。
【0011】また、60GHz帯のようなミリ波では、
その周波数の高さから電波伝搬損が非常に大きくなる。
そのため、ある程度の距離で通信を行なう場合には送信
のパワーを大きくしなければならない。SDLシステム
で用いられる携帯端末は人体の近辺で使用されるが、端
末で大電力による送信を行なうことは安全衛生上からも
好ましいこととはいえない。また、携帯端末は般的にバ
ッテリーにより駆動されているが、大電力で送信すると
いうことはバッテリーを連続使用できる時間が短くなる
という問題点があり、また、バッテリーの充電や交換の
頻度が増えて煩雑であるという問題もある。
【0012】さらに、ミリ波帯のデバイスは非常に高価
であり、端末でミリ波帯の送信デバイスが必要となるこ
とは低価格化の要求に応えることを困難にしていた。容
積の面からもミリ波帯の送信デバイスを備えるというこ
とで小型化が困難となっていた。
【0013】伝送に用いる信号の変調方式は、伝送を行
なう帯域幅(伝送速度)、周波数帯、送受信回路の規
模、デバイスの選択、周波数利用効率のどの事項を重視
するかにより、どの方式が最適なものとなるかは変わ
る。例えば、自動車電話などの狭帯域通信で周波数利用
効率が重要視される場合、π/4DQPSK方式やQA
M方式などの線形変調が採用される。しかし、広帯域で
無線通信を行なう場合、このような線形変調は非常に広
帯域にわたって線形に動作する無線部品が必要となり、
小型化、低消費電力化が困難であった。
【0014】ダウンリンクとアップリンクで伝送速度が
明らかに異なるSDLシステムでは従来のように同一変
調方式又はその性質が似通っている変調方式を採用した
場合、どちらかに整合をとった方式を選択するか、ある
いは性能は低下するにしてもダウンリンク・アップリン
クの両方でそこそこの方式を選択するしかなかった。
【0015】さらに、従来の無線通信システムでは、異
なる伝送方式である無線通信方式をあわせ持つことによ
り多様な品質の情報伝送を実現している。つまり、異な
る伝送方式の送受信機2台を1つの匡体に収容すること
によって、伝送品質の多様化を実現している。このため
に、送受信機の構成が大きくなるという欠点を有してい
た。
【0016】本発明は、アップリンクに比べてダウンリ
ンクの伝送速度を相対的に速くすることにより、ダウン
リンクを介して伝送される情報を高速で端末に送信する
ことができ、かつ、周波数利用効率の高い無線通信シス
テムを提供することを目的としている。
【0017】また、無線通信システムで用いられる伝送
波の周波数帯域を有線通信システム並みに広帯域化する
ことのできる無線通信システムを提供することをも目的
としでいる。
【0018】さらに、必要となる信号伝送速度の基準発
振器の構成を簡素化し、マルチメディアサービスにおけ
る携帯電子装置の構成を簡素化できる無線通信システム
を提供することをも目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の基本構成に係る
無線通信システムは、無線端末と、前記無線端末との間
で電波を用いて無線通信を行なう少なくとも1つ以上の
無線基地局とからなる無線通信システムにおいて、前記
無線端末は、第1の周波数帯域の電波を使用する第1の
無線伝送帯域を用いて、前記基地局の何れか1つ以上
と、第1の無線通信を行なう第1の送信手段と、前記第
1の周波数帯域よりも高い第2の周波数帯域の電波を使
用すると共に前記第1の無線伝送帯域よりも高速な第2
の無線伝送帯域を用いて、前記無線基地局の何れか1つ
以上と、第2の無線通信を行なう第1の受信手段と、を
具備し、前記無線基地局のいずれか1つは、前記第1の
無線伝送帯域を用いて、前記無線端末との間で前記第1
の無線通信を行なう第2の受信手段を具備し、該無線基
地局の何れか1つは、前記第2の無線伝送帯域を用い
て、前記無線端末との間で前記第2の無線通信を行なう
第2の送信手段を具備することを特徴としている。
【0020】また、本発明に係る無線通信システムは、
前記基本構成に係る無線通信システムにおいて、前記第
2の受信手段と前記第2の送信手段は、同一の前記無線
基地局内に設けられることを特徴としても良い。
【0021】また、本発明に係る無線通信システムは、
前記基本構成に係る無線通信システムにおいて、前記第
1の無線通信と第2の無線通信は、それぞれ異なる変調
方式を用いることを特徴としても良い。
【0022】さらに、本発明に係る無線通信システム
は、前記基本構成に係る無線通信システムにおいて、前
記第2の送信手段を具備する前記無線基地局は、前記第
2の送信手段を用いて、自無線基地局を識別するための
無線基地局識別信号を、前記無線端末宛てに送信し、前
記無線端末は、前記第1の受信手段を用いて、前記無線
基地局識別信号を受信し、該無線基地局識別信号に基づ
いて、接続に適している無線基地局を決定する無線基地
局選定手段をさらに具備し、前記無線基地局選定手段に
よって選定した無線基地局に関する情報を、前記第1の
送信手段を用いて送信することを特徴としても良い。
【0023】また、本発明に係る無線通信システムは、
前記基本構成に係る無線通信システムにおいて、前記第
2の送信手段を具備する前記無線基地局は、前記第2の
送信手段を用いて、自無線基地局を識別するための無線
基地局識別信号を、前記無線端末に送信し、前記無線端
末は、前記第1の受信手段を用いて、前記無線基地局識
別信号を受信し、該無線基地局識別信号に基づいて、接
続に適している前記無線基地局を決定する無線基地局選
定手段をさらに具備し、前記無線基地局選定手段が現在
接続中の無線基地局以外の他の無線基地局の方が接続に
適しているものと決定した場合、この無線基地局選定手
段により選定した無線基地局に関する情報を、前記第1
の送信手段を用いて送信することを特徴としても良い。
【0024】さらに、上記無線通信システムにおいて、
前記第1の低速送信手段は、小容量の制御情報を相対的
に低周波数帯に属する無線信号により、前記端末から前
記アップリンクを介して前記基地局へと送信し、前記第
2の低速送信手段は、情報量の少ない制御信号及び音声
信号を相対的に低周波数帯に属する無線信号により、前
記基地局から前記第1のダウンリンクを介して前記端末
へと送信し、前記高速送信手段は、大容量のユーザ情報
を相対的に高周波数帯に属する無線信号により、前記基
地局から前記第2のダウンリンクを介して前記端末へと
送信する、ことを特徴としても良い。
【0025】さらにまた、本発明は、前記無線移動局
が、前記広帯域無線基地局から無線回線を介して報知さ
れる前記広帯域無線基地局を識別するための信号を受信
し、該受信信号から接続に適している広帯域無線基地局
を解釈する接続最適局解釈手段と、前記無線移動局が、
接続に適している前記特定の広帯域無線基地局を、前記
狭帯域無線基地局を介して前記サーバーに伝える最適基
地局通知手段と、前記サーバーが、前記無線移動局に対
して、接続が適していると判定されている前記特定の広
帯域無線基地局を介して前記所定サービスを開始するサ
ービス開始手段とを備えていても良い。
【0026】また、ハンドオーバーを行なう必要がある
場合には、本発明に係る無線通信システムは、上記各手
段に加えて、前記無線移動局が、接続が適している前記
特定の広帯域無線基地局を介して前記所定のサービスを
受けている時に、前記特定の広帯域無線基地局とは別の
前記広帯域無線基地局から無線回線を介して報知される
前記広帯域無線基地局を識別するための信号を受信し、
該受信信号から接続の切替え先として適している広帯域
無線基地局を解釈する手段と、前記無線移動局が、接続
の切替え先として適している前記特定の広帯域無線基地
局を、前記狭帯域無線基地局を介して前記サーバーに伝
える手段と、前記サーバーは、前記無線移動局に対し
て、接続の切替え先として適していると判定されている
前記特定の広帯域無線基地局を介するように接続を切替
えて前記所定サービスを接続して提供する手段とを備え
ていても良い。
【0027】
【作用】上記のように構成された、本発明に係る無線通
信システムは端末のアップリンクの伝送容量が基地局の
ダウリンクの伝送容量よりも小さい方が合理的であると
いう前述した課題に基づいて提案されている。即ち、端
末が利用者に伝送する情報の伝送速度は端末から基地局
側に伝送される情達の伝送速度よりもはるかに大きいの
で、この伝送容量の著しい差異に鑑みてアップリンクと
ダウンリンクとの伝送容量をそれぞれが必要としている
伝送容量に見合ったものにできるようにそれぞれの送受
信手段を構成している。個人用携帯電子機器の送信伝送
容量は受信伝送容量より低い方が合理的である。さらに
個人用携帯電子機器の利用者は、その出力を受けてそれ
に対する応答をその個人用携帯電子機器に送出する。し
たがって、個人用携帯電子機器は、個人用携帯電子機器
を持っている利用者に情報を伝送する時の情報伝送速度
よりも低い伝送速度で情報を基地局に送信できれば良
い。
【0028】すなわち、個人用携帯電子機器は、個人用
携帯電子機器を持っている利用者に情報を伝送する時の
情報伝送速度よりも高い速度で基地局装置より情報を受
信し、個人用携帯電子機器は、受信速度以下の速度で情
報を送信するのが合理的である。
【0029】このことは、個人用携帯電子機器の電池容
量が限られていることからも強く要求される。すなわ
ち、個人用携帯電子機器の送信電力は蓄電池容量により
制御され、送信帯域はその送信電力によって上限が厳し
く制御されている。したがって、個人用携帯電子機器
は、その限られた蓄電池容量から広帯域伝送を行わない
ようにすることが要求されている。
【0030】
【実施例】本発明に係る無線通信システムの幾つかの好
適な実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説
明する。
【0031】実施例を説明するに先立って本発明の基本
概念を図1のブロック図を用いて説明する。
【0032】この発明に係る無線通信システムは、それ
ぞれが所定のサービスエリアを分担する複数の基地局
と、前記所定のサービスエリア内を移動可能な複数の端
末と、を備えており、図1に示すように、個々の端末1
と個々の基地局5との間に設定され端末1から基地局5
に対して所定の情報を無線伝送するためのアップリンク
回線4と、個々の端末1と個々の基地局5との間に設定
され基地局5から端末1に対して所定の情報を無線伝送
するためのダウンリンク回線8とを有している。
【0033】前記端末1は、前記アップリンク回線4を
介して前記基地局5に対し相対的に低速の伝送速度で無
線信号を送信する低速送信手段2と、前記ダウンリンク
回線8を介して前記基地局5から相対的に高速の伝送速
度で送られてきた無線信号を受信する高速受信手段3
と、を備えている。
【0034】前記基地局5は、前記ダウンリンク回線4
を介して前記端末1から相対的に低速の伝送速度で送信
されてきた無線信号を受信する低速受信手段6と、前記
ダウンリンク回線8を介して前記端末1に対し相対的に
高速の伝送速度で無線信号を送信する高速送信手段7
と、を備えている。なお、符号9は低速送信手段2と高
速受信手段3とを含む端末側送受信部である。
【0035】次に、個別の実施例を順次説明する。ま
ず、図2に示すように、第1実施例は端末(個人の所持
する個人用携帯電子装置)1との通信において、(中
継)基地局5から電子装置1へのダウンリンク8に広帯
域信号を伝送し、電子装置1から中継基地局5へのアッ
プリンク4には狭帯域の信号を伝送するような通信形態
に用いられる。ダウンリンク8に広帯域を用いるのは画
像を含む通信や、音声、ファイル編集、情報配布・広
報、放送等であり、その場合のアップリンク4に用いる
のはダウンリンク8を制御する情報や、チャネルの選
択、マルチメディアの場合はメディアの選択の制御信
号、音声等である。
【0036】図2において、個人用携帯電子装置(端
末)1は、回線4及び8を介して基地局5との間でデー
タの送受信を行なうものであり、その構成は、送受信部
9と、この送受信部9との間で受信されたデータ及び送
信すべき制御信号を処理する信号処理部10と、送信用
制御信号を入力する入力部13と、伝送されてきたデー
タを出力する出力部16と、を備えている。信号処理部
10は、送信すべきデータについてA−D変換及び符号
化等を行ない受信されたデータについてD−A変換及び
復号化処理等を行なうプロセッサ11と、処理すべきデ
ータを一時的に記憶しておくメモリ12と、より構成さ
れている。入力部13は制御情報を入力するための例え
ば10キー等のキーボード14と、音声を入力するマイ
ク15と、を備え、出力部16は、伝送されてきたデー
タに関する音声を出力するスピーカ17と文字等の情報
を表示するディスプレイ18とを備えている。
【0037】第2実施例に係る無線通信システムは、図
3に示すように、放送と通信とが融合した例えば同報通
信の分野に適用される。その場合、個人が所有する電子
装置でも放送信号が受信可能となろう。その様な場合に
は、電子装置のユーザの要求に応じて中継基地局5は、
複数の放送信号の内の一つを選んで電子装置1に送信す
る。ところで、今後の電子装置1は、放送で受け取った
情報を自分の好きなように加工・利用する。この時、電
子装置の要求に応じてその情報を中継基地局に記憶し、
それを後述するように加工してもよい。図3は第2実施
例の一例を示すものである。
【0038】上記のような無線通信システムにおける中
継基地局5は、図3に示されるように、回線4及び8を
介して電子機器1との間でデータの送受信を行なう送受
信部20と、放送等により受信されたデータを加工・利
用のために信号処理する信号処理部25と、CATV又
は加入者光ケーブル又はATM網等の有線網を介して伝
送されてきた情報信号を受入れる有線網終端装置28
と、を備えている。送受信部20は、電子装置1からア
ップリンク4を介して送られてきた制御信号を受入れて
伝送すべきデータをアンテナを介して電子装置1側へ出
力する共用器21と、受信された無線周波数(RF)信
号を所定の周波数信号に変換する受信部(Rx)22
と、伝送すべきデータをRF信号に変換する送信部(T
x)23と、を含んでいる。信号処理部25は、チャン
ネルのデータのうちから有線網終端装置28を介して入
力された種々の電子装置1のユーザの要求に応じてチャ
ンネルを選択して所望のデータを電子装置1に伝送する
ための信号処理を行なうプロセッサ26と、前記ユーザ
の要求に応じて所望のデータを記憶しておくメモリ27
と、を備えている。
【0039】なお、第2実施例においては、電子装置は
個人用でなくてもよい。即ち、家庭用のように何人かの
人で共用しても構わない。特に図4に示すように、中継
基地局5は電柱などに取り付けられたもので、そこには
光ケーブルや同軸ケーブル等で情報が伝送されてくる。
家庭や車に取り付けられた電子装置1には、家庭用で用
いるコードレス電話の基地局やテレビセット、VTR、
家庭用ワークステーション等が接続されていてもよい。
この場合、これらの宅内機器の要求に従って、電子装置
1は中継基地局5に、伝送を要求する情報とそれを蓄積
するか否かといった情報を伝送する。それに従って中継
基地局5は情報を選択し、場合によっては蓄積しつつ電
子装置1に伝送する。
【0040】第3実施例は人間が発生させる情報量が見
掛上大きく見えるときに受信した情報に加工を加えてそ
れをさらに再送信する場合に適用される。この第3実施
例の一つを図5に示す。中継基地局5、情報量増大サー
バ30、通信相手のサーバ31、情報発信源データベー
ス32などは、LANやMAN或いはATM網といった
ネットワーク33で相互接続されている。情報発信源デ
ータベース32は情報Aを中継基地局5によりダウンリ
ンク8を介して電子装置1に伝送する。それと共に情報
Aは情報量増大サーバ30にも伝送されている。電子装
置1はその情報Aを加工する加工演算子α(x)と追加
情報βを発生させる。ここで、電子装置1は加工演算子
α(x)と追加情報βとをアップリンク4を介し中継基
地局5経由で情報量増大サーバ30へ伝送する。この演
算子や追加情報の持つ情報量は電子装置1のユーザであ
る人間の発生する情報であり、この容量は少ない。情報
量増大サーバ30では情報Aを加工演算子α(x)と追
加情報βで加工し、α(A)+βを作成し、それをサー
バ31に伝送する。情報量増大サーバ30は加工して得
られた情報α(A)+βを中継基地局5Aを介して電子
装置1Aに送り、電子装置1Aのディスプレー18(図
2参照)に表示してもよく、また電子装置内1でα
(A)+βを作りディスプレー18に表示してもよい。
【0041】上記第3実施例で説明したように、人間が
発生させる情報量は見掛上大きく見えることがある。こ
れは受信した情報に加工を加えてそれをさらに再送信す
る場合である。すなわち、携帯電子装置側でAという元
情報を受信し、それを加工して、あるいはそれに追加し
て、α(A)+(B)という形に変換して再送信する場
合である。この場合α(A)+βは一見大容量の情報に
見えることがある。この元情報Aが極めて大容量である
場合は多い。しかしながら、人間の発生した情報量はα
(X)という変換演算と、βという追加情報である。
(X)という変換演算を表わすのに必要な情報量も、ま
た、βという追加情報も人間が発生させた情報であり、
その発生速度は人間の脳や体が発生させ得る情報量を越
えないので、一定の速度に満たないため人間が受信でき
る情報の情報量に比べて低くなる。このようなときに
は、α(A)+βを伝送する代わりにα(X)という変
換演算とβという情報のみを伝送し、それを用いて受信
側でα(A)+βを作っても結果的には同様である。
【0042】このように中継基地局5は電子装置1に情
報Aを送り、それと共に、中継基地局5では情報Aを記
憶する。そして電子装置1ではユーザが情報Aを見つつ
α(X)という変換演算とβという情報のみを中継基地
局に伝送する。それと同時に電子装置1ではα(A)+
βを作って表示し、また中継基地局でもα(A)+βを
作って通信相手に送信する。以上により、必要以上の周
波数資源を用いずに、なおかつ小型少容量の蓄電池を用
いて、大容量のデータの伝送を必要とするサービスに実
現できる。
【0043】したがって、Aというファイルを受信し、
それを加工して、あるいはそれに追加して、α(A)+
βという形に変換して再送信する場合である。この場合
α(A)+βは一見大容量の情報に見えることがある。
しかしながら、人間の発生した情報量はα(X)という
変換演算と、βという追加情報である。α(X)という
変換演算を表わすのに必要な情報量も、また、βという
追加情報も人間が発生させた情報であり、その発生速度
は人間の脳や体が発生させ得る情報量を越えず、また、
前述のように一定の速度にないため人間が受信できる情
報の情報量に比べ低い。この様なときには、α(A)+
βを伝送する変わりにα(X)という変換演算とβとい
う情報のみを伝送し、それを用いて基地局でα(A)+
βを作って相手に伝送する。
【0044】ファイルのエディット等の操作は、すべて
この様な操作で実現可能である。即ち、元ファイルを広
帯域のダウンリンクで携帯端末に伝送し、ユーザはそれ
を見つつ編集を行う。個々の端末により編集しながらユ
ーザの見る画面は編集内容に従って更新される。それと
共に、編集内容を基地局に伝送し、そこでも同様に編集
内容に従って元ファイルをも更新しておく。この様にす
ると携帯端末から基地局へは極めて少容量の伝送で編集
が可能となる。
【0045】以上のような操作により無線送信帯域を削
減し、無線送信電力を削減し、さらに蓄電池での効率的
情報伝送を可能とする。
【0046】このような処理は以上に述べたファイル操
作以外の例にも適用できる。即ちAを個人用携帯電子機
器のユーザの顔や声のデータとし、基地局或いは中継局
でこれらの情報を格納しておく。そして個人携帯電子装
置は、話した内容や普段とのイントネーションの違いの
パラメータのみを基地局に伝送する。或いはユーザの顔
の表情の普段とは大幅に異なる点や、喜怒哀楽の表現パ
ラメータのみを無線伝送する。基地局ではそれを合成し
て元音声や元画面伝送を再合成して伝送する。それによ
り、無線送信帯域を削減し、無線送信電力を削減し、さ
らに蓄電池での効率的情報伝送を可能とする。
【0047】さらに、このα(A)+βといった加工を
行なう中継基地局5は、無線送受信装置と同一の位置に
在ってもよいが、電子装置のユーザが保有する計算機内
等の通信ネットワークで接続された遠隔地にあっても良
く、また、通信相手の機器内に内蔵されていても良い。
【0048】なお、以上に示した中継基地局または基地
局から電子装置または個人用携帯電子装置へのダウンリ
ンクに広帯域信号を用い、電子装置から中継基地局への
アップリンクには狭帯域の信号を用いるような通信形態
は図6に示される第4実施例の通信システムのように行
なわれる。
【0049】第4および第5実施例は個人の所持する電
子装置との通信では、中継基地局から電子装置へのダウ
ンリンク8に広帯域信号を伝送し、電子装置から中継基
地局へのアップリンク4には狭帯域の信号を伝送するよ
うな通信形態と、双方とも狭帯域の信号を伝送するよう
な通信形態の2っの形態に適用される。ダウンリンク8
に広帯域を用いるのは画像を含む通信や、ファイル編
集、情報配布・広報、放送等であり、その場合のアップ
リンク4に用いるのは制御信号や上記変換演算子等であ
る。一方の双方とも狭帯域の信号を伝送するような通信
形態では、双方向とも音声や低速データ伝送を行う時な
どに用いられる。例えば図7においては、アップリンク
4には狭帯域の一つのリンク、ダウンリンクとしては狭
帯域と広帯域の2本のリンク8,34を備えることが極
めて望ましい。この第5実施例を図7に示す。図7にお
いて、符号34は、低周波数を用いる狭帯域のダウンリ
ンク回線である。さらに、この2つのうちのいづれのリ
ンクを用いるかは、電子装置の要求に応じて決めるもの
である事が望まれる。すなわち電子装置から発呼する場
合、音声通話であれば狭帯域のダウンリンク34を、ま
た画像伝送要求であれば広帯域のダウンリンク8を要求
する。
【0050】この第5実施例に係る無線通信システムの
基本構成を図8に示す。図8に示される構成が、図1の
構成と異なる点は、基地局5に設けられる低速送信手段
35と、端末1に設けられる低速受信手段36と、これ
ら低速送信手段35及び受信手段36間の前記ダウンリ
ンク回線34と、である。
【0051】端末1(電子装置)から通信を開始する場
合には、まず狭帯域のアップリンク4を用いてどの様な
通信を行うのか、基地局5或いは中継基地局に伝送し、
その伝送信号に基づいてダウンリンクとして2本の内の
いづれを選択するか設定し、双方向リンクを開くのが合
理的である。また、電子装置1宛ての通信が中継基地局
5に達した時、狭帯域と広帯域の2本のダウンリンクが
備えられている場合にはまず、狭帯域リンクを用いて電
子装置1あて着呼が在った旨を電子装置1に伝送し、そ
れに応じて電子装置1が基地局にその呼とのリンクを用
いて受けるか伝送し、対応するリンクの割り当てを受け
る。
【0052】この場合、狭帯域リンク4及び34はそれ
自体で独立して動作する狭帯域双方向伝送手段であって
もよい。例えばTDMA/TDD(Time DMsion Multip
le Access /Time Division Duplex)方式を用いた伝送
方式であってもよい。
【0053】第6実施例はアップリンクとダウンリンク
の帯域が大幅に異なると周波数配置上の問題点が生ずる
場合に適用される。すなわち、これをFDMA/FDD
(Frequency Division Multiple Access/Frequency Div
ision Duplex )で実現しようとする場合、端末の共用
器の仕様を全ての端末で同一にするならば、アップリン
ク周波数とダウンリンク周波数の周波数間隔を同一にす
ることが望ましい。その時、狭帯域のアップリンクで
は、隣接チャネルとの周波数差がアップリンクの帯域幅
より遥かに広くなり、多くの周波数帯が未利用のままと
なり、極めて不都合である。従って、アップリンクを疑
似ランダム信号系列で帯域拡散し、ダウンリンクとほぼ
同じ帯域幅に直して伝送する。拡散比が大きければ、こ
のアップリンク用の周波数は他のシステムと共有するこ
とができる。
【0054】第7および第8実施例は高速のダウンリン
クはマルチパスの影響を受けやすいので遠距離の伝送が
できない場合に適用される。ここで、帯域は狭くとも遠
方まで伝送したいという要求が並存することが在る。そ
の様な時には、遠方まで届かせたい信号には長い周期の
疑似ランダム系列で信号を拡散してから伝送し、また近
距離大容量のものでは、短い周期の疑似ランダム系列で
拡散してから伝送することで、双方の要求を満たすこと
ができる。さらに、電子機器の存在位置に応じて系列を
選ぶことで自由に伝送速度を選ぶことができるために、
様々な帯域の信号が混在するような場合に高い柔軟性を
もって通信を行うことが可能となる。あるいは、元々デ
ータレートが異なる無線回路が共存する場合、それぞれ
の回線を、拡散後の帯域が同程度となるような系列長の
疑似ランダム系列によって拡散することで柔軟であり周
波数帯域の有効利用のできる無線通信システムを提供す
ることができる。
【0055】さらに、このような帯域拡散方式を用いた
場合には、複数のリンクに同一の周波数帯を用いること
ができるため、基地局や中継基地局の設備ならびに個人
用携帯電子機器や電子機器を小型計量化することが容易
にできる。
【0056】第9実施例は、送受信タイミグを送信と受
信で変えてやり、双方が同時に行われないような通信方
式にすれば、アップリンクとダウンリンクの周波数を自
由に選択することが可能となり、周波数のよりいっそう
の有効利用が図れるようになる場合に適用される。
【0057】第10実施例は無線LANに対応するよう
に、アップリンクをランダムアクセスにすれば、ネット
ワークに接続されたサーバやデータベースヘのアクセス
が容易な手順で行われるようになり、多くの利点を生む
場合に適用される。
【0058】第11及び第12実施例を図9及び図10
に基づいて説明する。
【0059】図9は本発明が適用されたSDLシステム
の構成を示す第11実施例ブロック図である。図示の様
に情報提供局41と基地局5の間にメモリ42を設け、
通信回線43を通して得られた情報はこのメモリ中に蓄
えられる。携帯電子装置1は無線通信により基地局にア
クセスするが、多くの携帯電子装置が欲している情報は
ほぼメモリの中に蓄えられており、情報のやりとりの多
くは接続線44を介するだけで実行可能である。
【0060】無線通信ポストとメモリは対としても機能
するが、本発明の別の実施例として1つのメモリに対し
て複数の無線通信ポストを接続することも可能である。
【0061】図10は本発明の第11実施例のシステム
におけるメモリの状態を説明するための図である。メモ
リ内には情報提供局から得られた情報47,48を蓄え
ておく。この情報をアクセス頻度によってレベル分け
し、新たな情報のアクセスがあった場合アクセス頻度の
低い情報23から格納内容を廃棄し、新情報46をメモ
リ空間45に書き込む。
【0062】別の実施例として、メモリ空間が情報量に
対して充分大きい場合には、全情報を予めメモリ内に書
き込んでおくことも可能である。
【0063】さらに別の実施例として、新聞や週刊誌な
どのように情報に有効期限がある場合には、期限が来た
時点でメモリ内の情報を消去または新たな情報をオーバ
ーライトすることが可能である。
【0064】図11は第12実施例に係るSDLシステ
ムによる情報提供サービスの様子を示す図である。情報
提供局32は新聞、雑誌、画像、音声、交通情報あるい
は個人情報を提供する。この情報提供局は通信回線49
により基地局5に接続されている。基地局5は駅、建築
物や道路などに設置され、携帯電子装置1からの要求に
応じで情報を伝送する。あるいは基地局からは常に何ら
かの情報が伝送されている。
【0065】上述した第1ないし第12実施例に係る無
線通信システムは、図2の概念図に示されたSDLシス
テムに関するものであった。無線回線は基地局から個人
携帯端末子装置への広帯域のダウンリンクと、端末から
基地局への狭帯域のアップリンクで構成される。これら
の実施例ではアップリンクとダウンリンクの伝送速度の
非対称性のみかが提案されているに過ぎず、周波数配置
や変調方式にまでは言及されていなかった。
【0066】従来の周波数配置例は、図67に示されて
いる。日本のディジタル方式自動車電話システムRCR
STD−27Bを例とする。このシステムではダウン
リンク、アップリンク共に同一の伝送速度であり、無線
周波数帯域としては800MHz帯と1.5GHz帯の
システムがある。どちらの周波数帯においてもアップリ
ンクとダウンリンクは同一の周波数帯で構成される。8
00MHz帯では810MHz〜826MHzにダウン
リンクが、940MHz〜956MHzにアップリンク
が配置されている。従来システムでは同一の伝送速度の
ダウンリンク・アップリンクを想定しているため、同一
の周波数帯で送受を行っているが、SDLシステムヘの
適用を考えた場合には問題点が発生する。
【0067】SDLシステムでは広帯域のダウンリンク
を想定しているため、800MHz帯などの低い周波数
帯では、その広い帯域幅の確保や周波数有効利用の点か
ら実現が困難である。例えば100MHz程度の伝送を
試みようとした場合、1ユーザーで800MHz帯で1
00MHzの帯域を確保することは不可能と言っても良
い。このため、数GHz程度の準ミリ波帯から数十GH
z程度のミリ波帯での伝送が必要となってくる。
【0068】本発明に係る無線通信システムを60GH
z帯のSDLシステムにより構成した場合の周波数配置
の例を図12に示す。
【0069】一方、人間の発生させ得る情報の容量には
人間の能力から上限がある。それに対して人間の感知し
得る情報量は人間の発生させ得る情報量に比べて遥かに
大である。人間が発生し得る情報は、音声、ジェスチ
ャ、キーボードやマウスによる入力、顔の表情その他全
ての情報を加算しても限界がある。人間の音声の情報量
は64kbpsに遥かに満たない。キーボードやマウス
等の様々な人間機械間の情報伝送手段を用いても、それ
らは全ての個々の人間の脳や体の諸器官の発生させる情
報量を越える事は無い、人間の発生する情報量すべてを
合わせても平均100kbpsを越えることは無いと考
えられる。
【0070】それに対して人間の受信可能な情報量は極
めて大である。人間は音声や画像や雰囲気や触覚や嗅覚
などの複数のメディアから様々な情報を、個々に独自に
動き得る知覚器官で受け取る。さらに人間の脳や体の諸
器官は、様々な知覚器官から得られた情報から、脳や体
の諸器官で処理し得る容量の情報のみを個々の人間の履
歴と処理の優先度に応じて、得られた情報から抽出し、
処理する。また、日常生活を通じて個々の人間が発生さ
せる情報より遥かに大きな情報を受信している。そして
受信情報に従ってどの情報を受け取るか、といった情報
受信手段に帰還を掛けている。この帰還の掛け方は各々
の個人によって異なっており、従って多くの人間が同一
の情報を受け取ってもその処理の仕方は大きく異なって
いる。即ち、人間は個々の人間の脳や体の諸器官が処理
できる情報量に比べ遥かに大きな情報を受け取ることが
できる。
【0071】これは人間の脳の情報受信を司る部分と情
報の発信を司る部分との大きさの差によっても分かる。
脳の視聴覚野は極めて大きい。それに対して言語の発生
に関する部分はそれ程大きくない。体の隅々にまで神経
が張り巡らされており、様々な情報が脳や脊髄に集めら
れている。この情報量は極めて多いのに対し、脳が発生
する情報は音声とわずかなジェスチャに限られている。
体の中の情報伝送路である神経の太さにしても、最も太
いのは視覚情報の受信を司る視神経である。
【0072】この事は工学的応用からも理解できる。即
ち、人間が受信する画像情報を作る場合、人間が自然で
あると感ずるような画像情報を作り出すためには一般に
一秒間に数メガビット以上の情報を必要とする。それ以
下の情報で作られた動画は、人間が動きや形の不自然さ
を容易に見付ける事ができる。そして、人間は、それに
対応した量の画像情報を発生する事は出来ない。人間の
表情のもつ情報は、人間の目が一般に感知している画像
情報に比べると遥かに小さい。これは、人間の表情を加
味して画像の帯域圧縮を行なうと極め圧縮率が高いこと
からも類推される。この人間の表情を加味した画像の帯
域圧縮は東京大学の原島教授らによって詳しく研究され
ており、その極めて大きな圧縮率が知られている。人間
の表情の持つ情報は極めて小容量であり、音声にしても
ほぼ同様である。現在の帯域圧縮技術を用いると、音声
情報は一秒間に4キロビット程度にまで圧縮できるので
情報量は少ない。
【0073】音声ではなく楽器の演奏により情報を発生
させた場合も情報の量は限られている。ピアノの演奏で
発生する情報量を考えると、ピアノには88の鍵が設け
られており、その中の1つの鍵を弾くと7ビット弱の情
報が発生する。一秒間に早い人で10のキーを押すこと
ができ、指は10本、さらにその音のレベルが1000
段階(10ビット)に変わるものとすると、7*10*
10*10=7000となり一秒当たり高々7キロビッ
トであり、これはピアノの機種や音色によって変わるも
のでは無い。ピアノ演奏をレコーディングするときに一
般に必要とする情報速度は毎秒100キロビット程であ
るが、この中で、演奏者が発生させている情報量は上記
した毎秒1000ビットに過ぎない。楽器の演奏で一見
多くの情報量が発生されている様にも見えるが、楽器か
ら発生する情報は、楽器の音色や個性の持つ情報を人間
の発生させている情報で変調しているためにこの様に大
きな情報になっているように見えるに過ぎない。
【0074】一方情報を受信する場合には、人間は極め
て大容量の情報を受信し、処理することが可能である。
150人の演奏者が情報を発生するオーケストラで、た
った1人が演奏を誤っても、それは容易に聞き分けるこ
とができる。また、各々の楽器から発生される楽器固有
の情報は演奏者の発生する情報により変調されて極めて
大容量となった情報を聞分け、それらの特徴を認識・抽
出することは、人間は常に行っていることである。
【0075】5人の人間が互いに真剣に会議をしている
状況を考える。各々の人間は自分の意見主張を相手に伝
送すべくあらゆる努力を払っている他の4人からの情報
を受信している。他の4人からの情報はすべて受信した
人間の脳で処理されてはいないが、少なくとも、その人
間の知覚器官を通じて受信されている。会議の後になっ
ても、参加者は誰がなにをいったかを大体把握してい
る。これは4人の他者からの情報を受信し、そのうちの
必要な部分を脳で処理しているためにできることであ
る。一方、情報の発信については、他の4人が平均的に
発生させる情報の総和を越える情報を1人の人間が平均
的に発生させることは一般に不可能である。したがっ
て、人間が発生させる情報と受信できる情報の量には大
きな差り、人間が発生させる情報の量は人間が受信可能
な情報の量に比べて極めて小さい。
【0076】従来の個人用携帯電子機器の送信情報量は
この1人の人間が発生させることのできる情報量に比べ
て小さく、高々音声程度の伝送でしがなかった。したが
って、人間が本来発生し得る情報の量よりも明らかに低
い伝送容量しかなかった。しかしながら、より広帯域の
無線伝送が将来可能になってくると、人間の受信可能な
情報伝送速度よりも低く、人間の発生可能な情報発生速
度よりも高い送受信伝送速度での無線伝送が可能になっ
てくる。このとき、従来のように送受信速度を同一にす
ると周波数有効利用が図れない。
【0077】従来はダウンリンク・アップリンクとも同
一の変調方式を用いる場合が一般的であった。例えば日
米のTDMAを用いた狭帯域のディジタル自動車電話シ
ステムではダウンリンク・アップリンクともにπ/4D
QPSK方式が採用されている。変調方式をダウリンク
・アップリンクで違うものを採用しようという提案はC
DMAを用いた米国ディジタル自動車電話規格(IS−
95)になされている。上りがOQPSK(Offset Qua
drature Phase Shift Keyin −オフセット4位相偏移変
調−)であり、下りがQPSK(Quadvature Phase Shi
ft Keying −4位相偏移変調−)である。しかしなが
ら、情報伝送速度は同一であり、SDLシステムとは構
成が明らかに異なるものである。また、同じPSKを採
用しているため、その性質は非常に似通ったものであ
る。性質の全く異なる変調方式を伝送速度の全く異なる
ダウンリンク・アップリンクのシステムで採用した例は
ない。
【0078】本発明の第13の実施例を図13に示す。
有線網に接続されている無線通信端末101と携帯無線
端末102の間での通信が行われる。この通信での無線
周波数帯と伝送速度の関係を図14に示した。
【0079】無線通信端末101から携帯端末102へ
の無線回線(ダウンリンク)では60GHz帯の無線周
波数f1で伝送速度R1の伝送を行う。本実施例では変
調方式としては2値の変調であるBSPKを用いている
ため、伝送速度と使用帯域幅を同一として記載してい
る。R1は100Mbpsの伝送速度であり、60GH
z帯で行うことにより100MHzの帯域を確保するこ
とが可能となり広帯域の伝送が実現される。
【0080】携帯端末102から無線通信端末101へ
の無線回線(アップリンク)は800MHz帯の周波数
f2を用いてR1よりも低い伝送速度R1での伝送を行
う。携帯端末102で発生する情報はキーによる入力や
音声による入力信号が主であると考えられるので、数1
0kbps程度の伝送速度があれば十分に情報伝送が行
える。本実施例では30kbpsとする。30kbps
の伝送であるならば800MHz帯でも帯域幅が十分確
保できるのでこの帯域での伝送が可能である。
【0081】また、端末での無線周波数帯が低いため、
空間での電波伝搬損が少なく、それほど強い電力で送信
しなくても良い。また、伝送する帯域幅が小さいため、
トータルの電力も小さくて済む。そのため、低消費電力
化が可能となり、バッテリーの再充電や交換することな
しに連続通話のできる時間を長くすることができる。
【0082】さらに、800MHz帯のデバイスは自動
車電話などに広く用いられており、安価なデバイスが広
く普及しており、デバイスの小型化も進んでいる・アッ
プリンクを800MHz帯とすることで、端末の低価格
化・小型化が可能となる。
【0083】本発明の第14の実施例を図15に示す。
【0084】有線網に接続された無線通信端末301と
携帯無線端末302の間での通信が行われる。このとき
の無線周波数配置と伝送速度の関係を図16に示す。
【0085】無線通信端末301から携帯端末302へ
の無線回線(ダウンリンク)は60GHz帯の無線周波
数f1を用いてR1の伝送速度で行われる。R1は例え
ば100Mbpsの高速な回線である。それと共に80
0MHz帯のf2’でR2(例え:30kbps)の伝
送速度でもう1回線のダウンリンクが張られる。携帯端
末302から無線通信端末301への無線回線(アップ
リンク)は800MHz帯の無線周波数f2でR2の伝
送速度で行われる。
【0086】第13実施例との相異はf2・R2でもう
1つのダウンリンクが張られることである。60GHz
帯のダウンリンクは、その周波数帯の特性から遮蔽物の
影響を受けやすい。遮蔽物によるシャドウイングにより
通信回線の切断が発生する。本実施例ではダウンリンク
にもう1つのf2’でのリンクを設置することで、ダウ
ンリンクの全面的な切断を防ぐことが可能となる。80
0MHz帯の無線周波数f2’は60GHz帯の無線周
波数f1と比較した場合、伝搬損失が少なく、シャドウ
イングの影響が受けにくいため、回線切断の可能性が少
なくなる。例えば、このf2’・R2のダウンリンクに
制御チャネルを割り当てておくことで、f1・R1のダ
ウンリンクが遮断されてしまった場合においても完全な
切断が行われず、終了時のプロトコル・上状態保持のプ
ロトコル・中断のプロトコルなどを制御チャネルを通じ
て実行することで無線端末301と携帯端末302のリ
ンクが保持される。この場合、携帯無線端末302では
f2’・R2の受信装置を新たに持つことになるが、6
0GHz帯の受信装置に比較すれば、追加部分は消費電
流・容積・価格とも無視できるほど小さくて低い。本実
施例の無線周波数帯・伝送速度システム構成をとること
で、高機能の携帯端末が小形・低消費電力・安価で実現
できる。
【0087】本発明の第15実施例を図17に示す。有
線網に接続された無線基地局501と複数の携帯無線端
末502の間での通信を行う。本実施例の無線周波数帯
と伝送速度の関係を図18に示す。無線基地局501か
ら各携帯端末502へは(ダウンリンク)60GHz帯
のf1、f1’、f1”という周波数で、R1の伝送速
度で伝送される。各携帯端末502から無線基地局50
1へは(アップリンク)2.4GHz帯のf2、f
2’、f2”という周波数で、R2の伝送速度で伝送さ
れる。R1は100MHz、R2は2MHzである。こ
こでは、1基地局と複数の端末間でダウンリンクにミリ
波での広帯域の伝送を行い、アップリンクでは2.4G
Hz帯での比較的狭帯域の伝送を行っている。各端末で
の周波数配置は、図18に示すようにf1にf2が、f
1’にf2’が順番に対応するよう構成されている。
【0088】本実施例では、アップリンク・ダウンリン
クともに周波数多重方式を用いて多重されているが、時
分割多重方式、符号分割多重方式、アロハ方式などのア
クセス方式により多重することも可能である。本第15
実施例ではアップリンクの伝送速度を2MHzと比較的
高速とするため、2.4GHz帯を用いる。2.4GH
z帯では800MHz帯に比べると伝搬損失は大きい
が、60GHz帯に比べればその伝搬損失は非常に少な
く、同じ60GHz帯でアップリンク・ダウンリンクを
構成した場合に比べ、端末の送信パワーも小さく抑える
ことが可能となる。端末の人体へ与える影響は少なく、
低消費電流・小形・安価な端末を構成することが出来
る。
【0089】本発明の第16実施例を図19に示す。有
線網に接続されている無線基地局701と複数の携帯端
末702間での通信が行われる。本第17実施例の無線
周波数配置と伝送速度の関係を図20に示す。ダウンリ
ンクは19GHz帯の周波数f1・広帯域の伝送速度R
1で行われる。ここでR1は50Mbpsである。もう
1つのダウンリンクを400MHz帯の周波数f3で狭
帯域の伝送速度R2(例:2kbps)で構成する。ア
ップリンクは400MHz帯の周波数f2で狭帯域の伝
送速度R2で構成する。周波数の配置は図20に示すよ
うに、端末1が用いる周波数はf1,f2,f3、端末
2が用いる周波数はf1!,f2’,f3’と順番にな
るようにする。このような配置をすると、400MHz
帯の狭帯域のアップリンクとダウンリンクの無線周波数
の間隔を一定とすることが出来、端末での周波数の同期
をとることが容易となる。19GHz帯にダウンリンク
を配置することで、下り回線の広帯域化が実現し、40
0MHz帯に狭帯域のアップリンクとダウンリンクを配
置することで、完全なる切断の確率が低く抑えられ、安
定した制御が可能となる。400MHz帯のダウンリン
ク用の受信機は非常に簡易に構成することが出来るた
め、端末トータルの規模にはさほど影響を与えることな
く実現できる。アップリンクを400MHz帯と低い周
波数で低伝送速度で構成することで、簡易な携帯無線端
末を提供することが可能となる。
【0090】本発明の第17実施例を図21に示す。本
第17実施例は第13および第15実施例の無線通信シ
ステムに適用する携帯無線端末の無線部(無線装置)に
関するものである。第17実施例の無線装置はf1,R
1の無線信号を受信するためのアンテナ901、受信装
置、f2,R2の無線信号を送信するためのアンテナ9
03、送信装置と携帯端末のその他の部分とのインター
フェース906と制御装置905より構成される。ここ
でf1は高い周波数帯(例:60GHz帯)であり、R
1は広帯域(例:100Mbps)であり、f2は低い
周波数帯(例:800MHz帯)であり、R2は狭帯域
(例:30kbps)である。受信・送信は周波数帯・
帯域幅とも異なるため、独立のアンテナを持ち、送信・
受信を行う。受信装置には無線のRF帯の周波数の信号
からディジタル信号への復調を行うための周波数変換装
置や復調装置を含んでいる。送信装置にはディジタル信
号を無線周波RF(Radio Frequency )信号へ変換する
ディジタル変調装置や周波数変換装置を含んでいる。制
御装置は送信および受信の周波数・伝送速度の同期の送
受信のタイミングをとる機能を備える。このような構成
の無線装置を携帯端末に備えることで、第13及び第1
5実施例の無線通信システムに適用可能な携帯端末を構
成することが可能である。
【0091】本発明の第18実施例を図22に示す。本
第18実施例は第12・第14の実施例の無線通信シス
テムに適用する携帯無線端末の無線部(無線装置)に関
するものである。図15の実施例と違う部分は低い周波
数帯の周波数f2(例:800MHz帯)で狭帯域
(例:30kbps)信号を受信する受信装置1004
と、f2の送信信号と受信信号を1つのアンテナに収容
する送受共用器(デュプレクサー)1006を備えると
ころである。800MHz帯の送信1005および受信
装置1004は60GHz帯の受信装置に比べ安価であ
り、小型化が容易である。また、送信が低い周波数・狭
帯域で行えるため、送信のパワーが小さくて済む。人体
への影響の少ない携帯無線端末を構成することが可能で
ある。このような構成の無線装置を携帯端末に備えるこ
とで、第12及び第14実施例の無線通信システムに適
用可能な携帯端末を構成することが可能である。
【0092】本発明の第19実施例を図23に示す。本
第19実施例は第13・第15の実施例の無線通信シス
テムに適用する無線装置および無線基地局に関するもの
である。本実施例では無線基地局を例にとり説明する。
基地局は第1の周波数帯であるミリ波帯(例:60GH
z帯)の無線周波数f1で伝送速度R1(例:100M
bps)の送信を行う送信装置1101と、f1よりも
低い周波数帯(例:800MHz帯)の無線周波数f2
でR1よりも低い伝送速度R2(例:30kbps)の
受信を行う受信装置1102を備える。この他に制御部
や有線系との接続を行う信号処理部やインターフェース
部を備える。
【0093】周波数帯と伝送速度の異なる送信装置およ
び受信装置を備えることで、実施例1および3の無線通
信システムに適用可能な無線装置および無線基地局を構
成することが可能である。
【0094】本発明の第20実施例を図24に示す。本
実施例は第14、第16の実施例の無線通信システムに
適用する無線装置および無線基地局に関するものであ
る。本実施例の無線装置は第1のミリ波帯の周波数f1
で高速の伝送速度R1の送信装置1201とf1よりも
低い周波数帯の無線周波数f2で低速の伝送速度R2で
送信を行う送信装置1202とf2,R2で受信を行う
受信装置1203を備える。
【0095】周波数帯と伝送速度の異なる送信装置およ
び受信装置を備えることで、第14及び第16の実施例
に係る無線通信システムに適用可能な無線装置および無
線基地局を構成することが可能である。
【0096】本発明の第21実施例を図25に示す。本
第21実施例は基地局1301と端末1302により構
成される無線通信システムである。基地局は赤外線で伝
送速度R1の送信を行う送信機1303と無線周波数f
2で伝送速度R2の受信を行う受信機1304とその他
の制御を有線系とのインターフェースを行う信号処理部
から構成される。端末は赤外線の受信機1305と無線
の送信機1306とその他の部分とのインターフェース
や制御を行う信号処理部により構成される。基地局から
端末への送信(ダウンリンク)は赤外線を用いて伝送速
度R1で行われる。端末から基地局への送信(アップリ
ンク)は無線を用いてR1よりも低い伝送速度R2で行
われる。
【0097】下り回線を電波による無線回線とする場
合、伝送速度に対応する帯域を確保しなければならな
い。高速の伝送を行なう場合には広い帯域を確保しなけ
ればならず、ミリ波帯などの未利用の高い周波数帯を開
拓する必要があった。しかし、本実施例では広い帯域を
必要とするダウンリンクを赤外線とすることで、無線周
波数帯域幅の確保という制約無しにシステムを構成する
ことが可能となる。また、ミリ波帯などを用いるデバイ
スは高価であり、容積も大きいが、赤外線デバイスは安
価・小容積であり、端末、基地局ともに小型・低価格の
ものを実現することが可能である。
【0098】本発明の第22実施例を図26に示す。基
地局の無線装置1401は第1の無線周波数帯(例:6
0GHz)の周波数f1で高速な伝送速度R1(100
Mbps)の送信を行なう送信装置と、f1よりも低い
無線周波数帯(例:800MHz)の周波数f2でR1
よりも低速な伝送速度R2(例:30kbps)の信号
の受信を行なう受信装置からなる。端末の無線装置部は
f1,R1の信号の受信を行う受信装置とf2,R2の
信号の送信を行う送信装置からなる。
【0099】ここで、f1,R1の送信とf2,R2の
送信は異なる変調方式で行なわれている。f1がミリ波
帯であり、R1が100Mbps程度であるとすると、
ミリ波帯でこれだけの広い帯域にわたって線形なデバイ
スを得ることは困難である。したがってダウンリンクで
は非線形な変調方式が望まれる。ミリ波帯ではその電波
伝搬特性から伝搬損失が大きく、電波の到達距離が短い
ことからゾーン設計による周波数利用効率の改善が有効
である。またミリ波帯は比較的帯域に余裕があるため、
周波数軸上での利用効率は従来のマイクロ波ほど厳しく
はない。そのため、伝送速度に比較して帯域幅を有する
程度大きくとる変調方式が許される。この2つの理由に
より変調方式は非線形変調であり、帯域幅をある程度必
要とする変調指数0.5以上のFSKが最も実施に適し
ている。
【0100】一方、アップリンクで用いられる信号の周
波数f2の周波数帯はマイクロ波であり、伝送速度も数
10kbps程度であるので、線形の低価格・小形の部
品が得られやすく、線形性の問題は無くなる。しかし、
この周波数帯では割り当てられる周波数の帯域幅が小さ
いことから周波数の有効利用が周波数軸上ではかられな
ければならない。そのため、周波数利用効率の優れた変
調方式が望まれる。線形変調ではあるが、周波数利用効
率の優れたπ/4DQPSKやオフセットQPSKなど
が、また、やや効率では劣るもののGMSKなどが実施
に適している。
【0101】また、別の観点では高速のダウンリンクで
はその伝送速度の速さから、1シンボルで多数の情報が
送れるQAMが最適である。アップリンクでは伝送速度
は遅いが、その情報は制御情報などの重要な情報が主で
あるため、QAM(Quadrature Amplitude Modulation
−4位相増幅変調)などに比べて誤りに強いBPSKな
どが最も実施に適している。
【0102】以上のようにSDLシステムでは、アップ
リンク・ダウンリンクの伝送速度や送信周波数帯が異な
るため、それぞれの変調方式を異なるものとすることで
それぞれに品質の良い回線を得ることが可能となる。
【0103】本発明の第23実施例を図27に示す。本
実施例に示した基地局・端末はそれぞれ図26に示した
ものである。基地局1501から各端末1502へのダ
ウンリンクは60GHz帯の周波数f1で伝送速度R1
(100Mbps)、変調方式1(符号多重変調:CD
M)で送信され、各端末から基地局へのアップリンクは
800MHz帯の周波数f2で伝送速度R2(8kbp
s)、変調方式2(GMSK)で送信される。アップリ
ンク、ダウンリンクを伝送速度、周波数帯、変調方式を
変えることがそれぞれに品質の良い回線を得ると共に端
末の小型化、低消費電力化をはかることが可能となる。
【0104】本発明の第24実施例を図28に示す。基
地局1601は準ミリ波帯(19GHz)の無線周波数
f1で伝送速度R1の送信装置1603を用いて伝送を
行なう。伝送速度R1は固定ではなく、1Mbps〜1
5Mbpsの可変伝送速度である。変調方式1は4値F
SKである。端末では同様の周波数f1、伝送速度R
1、変調方式1の受信装置1606を備え受信を行う。
この広帯域のダウンリンクでは主に画像などの広帯域を
必要とするデータ伝送を行う。基地局、端末ではこのダ
ウンリンクとは別に周波数f2(1.9GHz)、伝送
速度R2(384kbps)、π/4DQPSKの送受
信器を備える。f2の周波数での伝送では時分割多元接
続/時分割多重(TDMA/TDD)方式をとっている
ため同一の周波数としている。図29は図28の基地
局、端末を用いたシステム構成を示した概念図である。
基地局1701は各端末1702へのダウンリンクに変
調方式1、f1,R1のダウンリンクを持つと供に、変
調方式1、f2,R2のアップリンク、ダウンリンクを
持つ。このような構成をとることで、それぞれに品質の
良い回線を得ると供に、シャドウイングによる瞬断の少
ないシステムを構成することが可能となる。
【0105】本第24実施例ではf2でのアップリン
ク、ダウンリンク共に同一の伝送速度R2を用いてい
る。ここで、アップリンクでは伝送速度R2、ダウンリ
ンクでは伝送速度R2’とすることも考えられる。f2
でのアップリンク、ダウンリンクでは主に制御情報の伝
送が行われるのであるが、アップリンクでは単なる制御
情報の他にf1でのダウンリンクデータが誤っていた場
合の再送制御やアップリンクでのデータ伝送が行われ
る。ダウンリンクのデータ伝送はf1の高速ダウンリン
クで行われるため、f2でのダウンリンクは制御データ
のみが伝送されることになる。従って、f2でのアップ
リンク、ダウンリンクにおいても情報量の非対称性が生
じる。従来の無線通信システムは情報の非対称性を考慮
しておらず、アップリンク、ダウンリンクで同一の帯域
を割り当てていた。主に制御情報を伝送するf2の回線
において、アップリンクとダウンリンクで異なった伝送
速度を与えることで、より効率的な周波数利用を図るこ
とが可能となる。
【0106】以下、図面を参照しながら本発明における
第25実施例を説明する。まず、この発明の第25実施
例に関するデジタル無線通信方式を図30に従い説明す
る。
【0107】基地局と複数の携帯電子装置から構成さ
れ、基地局から携帯電子装置に情報を伝送するダウンリ
ンク回線と携帯電子装置から基地局へ情報を伝送するア
ップリンク回線が具備されている。ダウンリンク回線及
びアップリンク回線としては、例えば、第1ないし第1
2実施例に示すSDL−Netが挙げれる。SDL−N
etでは、高速なダウンリンク回線のカバーするエリア
を狭域とし、低速なアップリンク回線のカバーするエリ
アを広域とし、さらに、アップリンク回線の信号伝送速
度をダウンリンク回線の信号伝送速度よりも低速とする
ことによって、携帯電子装置の小型化を考慮している。
【0108】図31にSDL−Netで用いられる携帯
電子装置の構成例を示す。携帯電子装置から基地局に対
して伝送されるデジタル信号は、デジタル部で誤り訂正
符号化、波形整形および変調が行なわれ、D−Aコンバ
ータ(DAC)および補間フィルタ(LPF)によりア
ナログ信号に変換され、ミキサに入力される。ミキサで
は、DACから出力された信号を搬送波信号発生器(発
振周波数f1)から出力される信号と乗算し、周波数変
換を行なう、ミキサ出力は、帯域通過フィルタ(BP
F)によって乗算後のイメージが抑圧され、RFアンプ
によって増幅され、アンテナより出力される。一方、基
地局から伝送されるダウンリンク回線信号は、アンテナ
で受信され、帯域通過フィルタ(BPF)で帯域制限さ
れて、その後にLNA(ローノイズアンプ)で増幅され
る。LNA出力は、ミキサに入力され、搬送波信号発生
器(発振周波数f2)から出力される信号と乗算され、
周波数変換される。ミキサ出力は、LPFによって乗算
後のイメージが抑圧され、その後に、A−Dコンバータ
(ADC)によってデジタル信号に変換される。ADC
出力(デジタル信号)は、デジタル部で復調される。
【0109】SDL−Netでは、アップリンクの信号
伝送速度とダウンリンクの信号伝送速度が異なっている
(ダウンリンクの信号伝送速度がアップリンクのそれに
比べて高速)、つまり、タイミングクロックがアップリ
ンクとダウンリンクで異なっている。本発明によれば、
アップリンクのデジタル部に供給するクロックは、ダウ
ンリンクで用いるクロックを1/nの分周装置を介して
接続することで済み、回路構成を簡素化することができ
る。
【0110】図31に示す分周装置(1/n)は、図3
2に示すようなn進カウンタと移相器によって構成され
る。これにより、アップリンクとダウンリンクで信号伝
送速度が異なり、ダウンリンクの信号伝送速度よりもア
ップリンクの信号伝送速度がシステムにおいて、システ
ムのクロック発生器を共通化することが出来、回路構成
を簡素化することが可能となる。また、図32の回路構
成をとることで、任意の位相タイミングでアップリンク
回線のクロックを生成することができる。この動作を図
33により説明すると、ダウンリンク回線のクロックは
n進カウンタにより分周され、移相器により任意の位相
タイミングに移相される。以上の構成をとることで、ア
ップリンクとダウンリンクの伝送信号を同期させること
ができる。
【0111】次に、この発明の第26実施例に係るデジ
タル無線通信システムを図34に従い説明する。第26
実施例にかかる無線通信方式は、PHS回線と高速なダ
ウンリンク回線が存在し、有線ネットワークに接続され
た情報サービス基地局と前記情報サービス基地局に接続
されたPHS基地局と高速ダウンリンク回線基地局から
構成される。情報サービス基地局から携帯電子装置に対
して伝送される信号は、PHS回線もしくは高速なダウ
ンリンク回線によって伝送される。携帯電子装置から情
報サービス基地局に対して伝送される信号は、PHS回
線によって伝送される。
【0112】図35に図34の無線通信システムで使用
される携帯電子装置の無線部及びモデム部の構成を示
す。1種類のアップリンク回線と2種類のダウンリンク
回線に接続するため、それぞれの送信部、受信部を一体
化した構成となっている。受信した無線信号は、無線部
及びモデム部で復調され、制御部及びメモリに転送され
る。また、制御部及びメモリから出力されるデジタル信
号は無線部及びモデム部に転送され、無線信号として送
出される。
【0113】無線信号を復調する場合には、受信した信
号からキャリア(搬送波)及びタイミングクロックを再
生しなければならない。図36は、キャリア再生及びタ
イミング再生を行う際の、受信機の構成を示している。
アンテナで受信した無線信号は、RFアンプで増幅され
る(以下、RFアンプ出力をRF信号とする)。キャリ
ア再生回路は、RF信号から基準キャリアを再生し、再
生された基準キャリアは乗算器に入力される。同時にミ
キサにはRF信号が入力され、周波数変換がなされる。
乗算器の出力は、周波数変換によるイメージ信号を除去
するためにLPFに入力される(以下、LPF出力をベ
ースバンド信号とする)。タイミング再生回路では、ベ
ースバンド信号から、タイミングクロックを再生する。
従って、図34に示した無線通信システムで用いる携帯
電子装置では、2種類の異なる信号伝送速度の無線信号
を受信するために、図36のようなタイミング再生回路
が2つ必要となる(図37)。つまり、図37に示すよ
うに、ベースバンド信号1からタイミングクロックを再
生するタイミング再生回路1、及びベースバンド信号2
からタイミングクロックを再生するタイミング再生回路
2が必要となる。
【0114】本発明によれば、2つのタイミング再生回
路の内の低速な方を図32に示した分周器および移相器
で置き換えることが可能となり、回路構成を簡素化する
ことができる。さらに、高速なダウンリンク回線とPH
S回線の伝送タイミングを同期させることが可能とな
る。
【0115】なお、第26実施例では、信号伝送速度が
等しい無線通信システムの例としてPHSを挙げている
が、これは、自動車電話などの他の無線通信システムで
も構わない。
【0116】次に、この発明の第27実施例にかかるデ
ジタル無線通信方式を説明する。図37に示した携帯電
子装置の構成では、2種類のキャリア再生回路とクロッ
ク再生回路が必要である。これを簡単に表現すると図3
8のようになる。RF信号1及びRF信号2、ベースバ
ンド信号1及びベースバンド信号2を用いて、それぞれ
キャリア再生及びタイミング再生を行なう。図31に示
すように本発明によれば、他方のクロック発生源を分周
器及び移相器で置き換えることにより、回路構成を簡素
化することが可能である。さらに、本発明は、クロック
再生回路だけでなく、キャリア再生回路にも適用可能で
ある。本発明をキャリア再生回路に適用した場合の例を
図39に示す。
【0117】図39に示す基準信号発生回路は、RF信
号1及びRF信号2、ベースバンド信号1及びベースバ
ンド信号2入力に対して、これらの入力信号からキャリ
ア及びタイミングクロックを生成し出力する6キャリア
再生回路もしくはタイミングクロック再生回路では、入
力信号からPLLなどの高選択度(高いQ)のフィルタ
により、キャリア成分もしくはクロック成分を抽出する
ことにより、キャリア再生もしくはタイミングクロック
を再生する。つまり、入力される信号の誤差成分をフィ
ルタにより取り除くことによってキャリア再生もしくは
タイミングクロック再生がなされる。
【0118】図38に示したキャリア再生回路及びクロ
ック再生回路では、それぞれ単一の入力信号からキャリ
アもしくはタイミングクロックを再生するが、図39に
示す基準信号発生回路では、複数の入力信号からキャリ
アもしくはタイミングクロックを再生するため、複数の
誤差情報を得ることができる。そのため、再生されるキ
ャリアもしくはタイミングクロックの周波数精度を向上
させることが可能となる。
【0119】次に、この発明の第28実施例にかかるデ
ジタル無線通信システムを説明する。図30もしくは図
34に示した無線通信方式において、基地局から携帯電
子装置もしくは携帯電子装置から基地局へ情報を伝送す
る際には、連続する複数のビット信号によってフレーム
を構成し、フレーム単位で伝送を行なう。伝送信号をフ
レーム単位で扱うことで、誤り訂正やARQなどを容易
に適用することができる。図40は、復調されたビット
データ列からフレームタイミングクロック再生するフレ
ームタイミング検出回路のブロックを示している。ここ
では、図2に示す受信機の構成を想定している。前記デ
ィジタル部において復調されたビッドデータ列は、ビッ
トタイミングクロックとともに相関器に入力される。相
関器は、従属接続されたD型フリップフロップ(シフト
レジスタ)と比較器か構成される。比較器には、ビット
タイミングクロックにより遅延されたシフトレジスタ出
力とフレーム検出のために予め伝送信号に装入されてい
る既知信号が入力され、両者の比較結果が出力される。
相関器出力は、PLLに入力され、フレームタイミング
クロックが生成される。異なる信号伝送速度、フレーム
周期を持つ通信系を2種類以上備える無線通信方式で
は、図40に示したフレームタイミング検出回路が2つ
以上必要となる。
【0120】前述したように本発明によれば、発振源
は、分周器及び移相器に置き換えることが可能である。
従って、1種類のPLLで2種類以上のフレーム同期回
路を代替することができ、回路構成を簡素化することが
可能である。分収器及び移相器によりフレームタイミン
グ検出回路を構成することが可能である。分周器及び移
相器によりフレームタイミング検出回路を構成する例を
図41に示す。
【0121】図41において、復調ビット列1およびビ
ットタイミングクロック1は、相関器1に入力され、フ
レームタイミングのトリガ信号が検出される。相関器1
の出力は、位相比較器、ループフィルタ、電圧制御可変
周波数発振器、m進カウンタから構成されるPLLに入
力される。電圧制御可変周波数発信器の出力の一方は、
図32に示す分周装置に入力される。移相器の移相量
は、相関器2の出力により制御する。
【0122】さらに、フレームタイミングは、ビットタ
イミングクロックを分周して生成することができるた
め、バットタイミングクロック再生回路とフレームタイ
ミング再生回路を共用化することができる。図42は、
クロック信号生成回路を示したものである。RF信号や
ベースバンド信号などの複数の入力(入力信号数i)か
ら誤差信号を検出して電圧制御可変周波数発信器を制御
し、nk進カウンタ,移相器によって希望のクロック
(出力信号数k)を得る。以上の構成とすることで回路
構成を簡素化することが可能である。
【0123】次に、この発明の第29実施例に係る無線
通信システムを図43に従い説明する。図43は、PH
S基地局と有線ネットワーク、SDL−Net基地局か
ら構成される。SDL−Netは、PHSに比べて高速
のダウンリンク回線を用いて主にデータ伝送を行い、P
HS回線を用いて位置登録を行なう。
【0124】前述したように、異なる伝送方式が2種類
以上混在するシステムでは、一方のクロック再生回路を
分周装置及び移相器に置き換えることで回路構成を簡素
化することができる。しかしながら、そのためには、異
なる伝送方式のクロック同士が同期している必要があ
る。図43は、その例として、ネットワークを介して、
PHS回線とSDL−Net回線とを同期させる方法を
示している。ネットワーク側には、基準信号発信器が備
えられる。PHS基地局では、ネットワーク側の基準信
号に同期した信号を同期回路で生成する。携帯電子装置
と通信を行なう際には、この同期信号を元に信号を伝送
する。同様にして、SDL−Net基地局でもネットワ
ーク側の基準信号に同期した信号を同期回路で生成し、
この同期信号をもとにして携帯電子装置に情報を伝送す
る。同期回路は、PLLなどのクロック再生回路で構成
されるが、前述したように、分周器と移相器で構成する
ことも可能である。
【0125】次に、この発明の第30実施例に係る無線
通信システムを説明する。前述の図43の様に、PHS
基地局、有線ネットワーク、SDL−Net基地局から
構成される無線通信システムでは、PHSのサービスエ
リアとSDL−Netのサービスエリアが一致しない場
合が想定される。つまり、図44に示すようにPHSの
サービスエリアの中にSDL−Netのサービスエリア
が包含される。SDL−Netのサービスエリアが複数
存在することが考えられる。
【0126】以上説明したSDLシテムには、狭帯域の
上り無線チャネル(アップリンク)と広帯域の下り無線
チャネル(ダウンリンク)を有するシステムと、狭帯域
の上下の無線チャネル(アップリンク,ダウンリンク)
と広帯域の下り無線チャネル(ダウンリンク)を有する
システムが存在するが、本発明が対象とするシステムは
後者のシステムであるため、これ以降、後者のシステム
をSDLシステムと呼ぶことにする。SDLシステムで
は、下り無線チャネルにおいて高速伝送を実現するため
に、広帯域無線基地局は高い周波数を利用するが、高い
周波数は電波の減衰が激しいため、そのサービスエリア
を広くすることは困難である。また、帯域幅を広くすれ
ばするほど、符号間干渉による伝送歪みが増加すると共
に、熱雑音による影響も大きくなるため、広帯域無線基
地局のサービスエリアは、狭帯域無線基地局のサービス
エリアよりも狭くなる。そのため、狭帯域無線基地局の
サ一ビスエリアと広帯域無線基地局のサービスエリアは
異なるエリア構成となってしまう。
【0127】したがって、SDLシステムでは、無線移
動局の移動に伴い接続可能な狭帯域無線基地局は同じま
まで、接続可能な広帯域無線基地局が変わる場合がある
ため、無線移動局が接続可能な基地局として、狭帯域無
線基地局と広帯域無線基地局の双方を認識していなけれ
ばならない。無線移動局がどの狭帯域無線基地局のサー
ビスエリアに位置しているかを認識する方法に関して
は、狭帯域無線基地局と無線移動局との間は上下の無線
チャネルが用意されているため、従来の携帯電話サービ
スで用いられている方法と同様な手順を用いることがで
きる。携帯電話サービスで用いられている手順とは、無
線基地局が下りチャネルで自局を示す識別信号を報知
し、その信号を受信した無線移動局が、その無線基地局
に対し、上りチャネルを介して自局を示す識別信号を伝
送する。これにより、無線移動局がどの無線基地局のサ
ービスエリア内に位置しているのかを認識するものであ
る。
【0128】一方、無線移動局がどの広帯域無線基地局
のサービスエリアに位置しているかを認識する方法に関
して、上述の説明の中には具体的な手法は述べられてい
なかった。したがって、本発明が対象とするようなシス
テムでは、無線移動局がどの広帯域無線基地局のサービ
スエリアに位置しているかを認識する方法に関しては、
存在しなかったといえる。このように、通信サービスの
提供を開始するうえで必要不可欠の無線移動局がどの広
帯域無線基地局のサービスエリアに位置しているかを認
識する手法が存在しなかったため、その結果、SDLシ
ステムのような、広帯域の上り無線チャネルを持たない
無線移動局をその構成要素に含むシステムでは、サービ
スの提供を行なうための通信が開始できなかった。さら
に、サービスを提供している状況のもとで、無線移動局
が他の無線基地局のサービスエリアに移動する場合のサ
ービスの維持、すなわち、ハンドオーバーもできなかっ
た。
【0129】第31ないし第39実施例に係る無線通信
システムは、図45の概念図に示されるように、前記無
線移動局51が、前記広帯域無線基地局52から無線回
線を介して報知される前記広帯域無線基地局52を識別
するための信号を受信し、該受信信号から接続に適して
いる広帯域無線基地局52を解釈する接続最適局解釈手
段61と、前記無線移動局51が、接続に適している前
記特定の広帯域無線基地局52を、前記狭帯域無線基地
局53を介して前記サーバー56に伝える最適基地局通
知手段62と、前記サーバー56が、前記無線移動局に
対して、接続が適していると判定されている前記特定の
広帯域無線基地局52を介して前記所定サービスを開始
するサービス開始手段63と、を備えている。
【0130】また、ハンドオーバーを行なう必要がある
場合には、第31〜第39実施例に係る無線通信システ
ムは、上記各手段に加えて、前記無線移動局が、接続に
適している前記特定の広帯域無線基地局を介して前記所
定のサービスを受けている時に、前記特定の広帯域無線
基地局とは別の前記広帯域無線基地局から無線回線を介
して報知される前記広帯域無線基地局を識別するための
信号を受信し、該受信信号から接続の切替え先として適
している広帯域無線基地局を解釈する手段と、前記無線
移動局が、接続の切替え先として適している前記特定の
広帯域無線基地局を、前記狭帯域無線基地局を介して前
記サーバーに伝える手段と、前記サーバーは、前記無線
移動局に対して、接続の切替え先として適していると判
定されている前記特定の広帯域無線基地局を介するよう
に接続を切替えて前記所定サービスを継続して提供する
手段と、を備えている。
【0131】以上の構成によれば、広帯域無線基地局か
ら報知される広帯域無線基地局を識別するための信号を
受信した無線移動局は、その受信信号を解釈することに
より、接続が適している広帯域無線基地局を判定する。
無線移動局は、無線移動局から狭帯域無線基地局への上
り無線チャネルを用いて、自局がどの広帯域無線基地局
に接続しているかを狭帯域無線基地局に伝える。狭帯域
無線基地局とサーバーはネットワークを介して接続して
いるため、狭帯域無線基地局は、無線移動局がどの広帯
域無線基地局に接続が適しているかの情報をネットワー
クを介してサーバーに伝えることができる。このように
すると、無線移動局から広帯域無線基地局への上り無線
チャネルがなくても、無線移動局がどの広帯域無線基地
局に接続が適しているかをサーバーに認識させることが
できるので、サーバーは、無線移動局に対して、無線移
動局が接続に適していると判定されている広帯域無線基
地局を介して所定サービスを開始することが可能とな
る。
【0132】また、いづれかの広帯域無線基地局を介し
て所定サービスを提供している状況のもとで、無線移動
局が他の広帯域無線基地局のサービスエリアに移動する
場合のサービスの維持についても、本発明の第31〜第
39実施例によれば、広帯域無線基地局から無線回線を
介して報知される広帯域無線基地局を識別するための信
号を受信し、その受信信号を解釈することにより、接続
の切替え先として適している広帯域無線基地局を判定す
る。そして、無線移動局はどの広帯域無線基地局が接続
の切替え先として適しているかを狭帯域無線基地局を介
してサーバーに伝える。このようにすることにより、無
線移動局から広帯域の無線基地局への上り無線チャネル
がなくても、どの広帯域無線基地局が接続の切替え先と
して適しているかをサーバーに認識させることができる
ため、サーバーは無線移動局に対して、接続の切替え先
として適していると判定されている広帯域無線基地局を
介するように接続を切替えて所定サービスを継続して提
供することが可能となる。
【0133】まず、本発明の第31〜39実施例の対象
とする無線通信システムの構成を説明する。図46は本
発明に係るシステムの構成を示す概念図である。図46
において51は無線移動局、52及び53は無線基地
局、56はデータサーバー、57はネットワークであ
る。無線基地局52は、広帯域の情報伝送を行なうため
の送信手段を有する(以下、広帯域無線基地局52と呼
ぶ)。これに対し、無線基地局53は、狭帯域の情報伝
送を行なうための送受信手段を有する(以下、狭帯域無
線基地局53と呼ぶ)。無線移動局51は、この広帯域
無線基地局52または狭帯域無線基地局53との間で情
報伝送を行なう端末である。また、広帯域無線基地局5
2と無線移動局51との間の無線チャネルのことを広帯
域の無線チャネルと呼び、狭帯域無線基地局53と無線
移動局51との間の無線チャネルのことを狭帯域の無線
チャネルと呼ぶ。
【0134】なお、図46では、便宜上、広帯域無線基
地局52と狭帯域無線基地局53とを区別しているが、
図47で示すように、1つの無線基地局58が、狭帯域
の情報伝送のための送受信手段と広帯域の情報伝送のた
めの送信手段の双方を備えていても構わない。この場
合、無線基地局58のコストは高くなるものの、システ
ム全体の無線基地局の総数を削減できる。また、狭帯域
の情報伝送のための送受信手段と広帯域の情報伝送のた
めの送信手段との間で制御を行なう必要があった場合
に、その制御が容易となる。以下では、広帯域無線基地
局52と狭帯域無線基地局53を別の無線基地局とした
図46を用いて本発明の第31〜39実施例を説明す
る。
【0135】第31の実施例:本第31実施例は、無線
移動局51が図48(a)に示すエリアに位置する場
合、すなわち、無線移動局51が広帯域無線基地局52
と接続可能な場合に、無線通信を開始する手順を説明す
る。図49に本第31実施例に係る最も基本的なフロー
チャートを示す。ステップST1では、無線移動局51
がどの広帯域無線基地局52のサービスエリア内に位置
しているかを解釈する。ステップST2では、ステップ
ST1で解釈された情報を、狭帯域無線基地局53を介
してサーバー56に伝える。これにより、データサーバ
ー56は無線移動局51がどの広帯域無線基地局52の
サービスエリア内に位置しているかを認識できる。ステ
ップST3では、無線移動局51に対し、ステップST
1で解釈された広帯域無線基地局52を介したサービス
の提供を開始する。また、実際にサービスを開始する場
合、上述したフローチャートを基本とした様々な手順が
考えられ、図50にその一例を示す。ステップST11
では、無線移動局51がどの広帯域無線基地局52のサ
ービスエリア内に位置しているかを解釈する。ステップ
ST12では、ユーザからのサービス要求があるか否か
を判断する。ユーザからのサービス要求がある場合はス
テップST13に進み、要求がない場合はステップST
11を繰り返す。ステップST13では、広帯域の下り
無線チャネルを利用してサービスを受けるか否か選択す
る。広帯域の下り無線チャネルを利用してサービスを受
ける場合はステップST14に進み、受けない場合はス
テップST16に進む。ステップST14では、ステッ
プST11で解釈された情報を、狭帯域無線基地局53
を介してサーバー56に伝える。ステップST15で
は、無線移動局51に対し、ステップST11で解釈さ
れた広帯域無線基地局52を介したサービスの提供を開
始する。一方、ステップST13において、広帯域の下
り無線チャネルを利用したサービスを受けないことを選
択した場合、すなわち、狭帯域の下り無線チャネルを利
用したサービスを受けることを選択した場合、ステップ
ST16において、無線移動局51は下りチャネルとし
て狭帯域の下り無線チャネルを利用することをサーバー
56に伝える。ステップST17では、無線移動局51
に対し、狭帯域無線基地局53を介したサービスの提供
を開始する。
【0136】また、上記第31実施例では、ステップS
T13で広帯域の下り無線チャネルを利用したサービス
を受ける場合に、ステップST14を実施する例を示し
ているが、ステップST14はステップST11の後で
あれば、サービス要求の有無に関わらず実施しても構わ
ない。つまり、ユーザからのサービス要求が無くても、
ステップST11で解釈された情報を、狭帯域無線基地
局53を介してサーバー56に伝えても構わない。この
場合、ユーザからのサービス要求の有無に関わらず、サ
ーバー56は無線移動局51がどの広帯域無線基地局5
2のサービスエリア内に位置しているかを認識すること
ができる。また、ステップST12をステップST11
の前に実施する、すなわち、ユーザからのサービス要求
がある場合にのみステップST11以降を実施する手順
もある。この場合、ユーザからの要求がない場合、無線
移動局51は自局がどの広帯域無線基地局52のサービ
スエリア内に位置しているかを解釈しなくて良いため、
消費電力が軽減される。また、さらなる低消費電力化の
ため、広帯域の情報伝送のための受信手段の電源をオフ
にしておくことも可能である。
【0137】次に図51を用いて、第31実施例に係る
無線通信システムの通信開始手順のシーケンス図を説明
する。無線移動局51は、広帯域無線基地局52から報
知される無線基地局を識別するための信号511を受信
し、その受信信号から自局がどの広帯域の無線基地局5
2のサービスエリア内に位置しているかを判断すること
ができる。このような状況のもとでサービス要求が生じ
た場合、ユーザはサーバー固有の電話番号をダイヤルア
ップ510し、無線移動局51からサーバー56への狭
帯域無線基地局53を介した通信回線を獲得する。無線
移動局51からサーバー56への通信回線が獲得された
後に、無線移動局51はデータ伝送要求メッセージ20
2と自局が接続できる広帯域無線基地局52を識別する
ための信号513を、サーバー56に伝送する。サーバ
ー56はユーザから伝送されたデータ要求メッセージ5
12と信号513を解釈し、信号513で指定された広
帯域無線基地局52を介して、ユーザの要求する情報5
14を伝送する。
【0138】第32の実施例:本第32実施例は、無線
移動局51が図48(b)に示すエリアに位置する場
合、すなわち、広帯域無線基地局52と接続できない場
合に、無線通信を開始する手順を説明する。図52に本
実施例に係る最も基本的なフローチャートを示す。ステ
ップST21では、無線移動局51が広帯域無線基地局
52のサービスエリア内に位置していないこと、つま
り、広帯域無線基地局52に接続できないことを解釈す
る。ステップST22では、無線移動局51は下りチャ
ネルとして狭帯域の下り無線チャネルを利用することを
狭帯域無線基地局53を介してサーバー56に伝える。
ステップST23では、無線移動局51に対し、狭帯域
無線基地局53を介したサービスの提供を開始する。サ
ービスを開始する場合、上述したフローチャートを基本
とした様々な手順が考えられる。
【0139】図53に一例を示す。ステップST31で
は、無線移動局51が広帯域無線基地局52のサービス
エリア内に位置していないこと、つまり、広帯域無線基
地局52に接続できないことを解釈する。ステップST
32では、狭帯域の下り無線チャネルを利用したサービ
ス要求があるか否かを判断する。ユーザからのサービス
要求がある場合はステップST33に進み、サービス要
求がない場合はステップST31を繰り返す。ステップ
ST33では、無線移動局51は下りチャネルとして狭
帯域の下り無線チャネルを利用することを狭帯域無線基
地局53を介してサーバー56に伝える。ステップST
34では、無線移動局51に対し、狭帯域の無線基地局
53を介したサービスの提供を開始する。また、上記実
施例では、ステップST31で無線移動局51が広帯域
無線基地局52に接続できないことを解釈した後、すな
わち、広帯域無線基地局52に接続できるか否かを判定
した後に、ステップST32でユーザからのサービス要
求の有無を判定する例を示したが、第31の実施例で示
したように、ユーザからの要求の有無を判定してから、
ステップST31を実施しても構わない。
【0140】次に図54を用いて、第32実施例におけ
る通信開始手順のシーケンス図を説明する。無線移動局
51は、広帯域無線基地局52から報知される無線基地
局を識別するための信号541を受信することはできな
い。仮に受信できたとしても、サービスを提供されるた
めに必要十分な信号強度が得られない。従って、無線移
動局51は自局が広帯域無線基地局のサービスエリア外
に位置していることを解釈する。つまり、無線移動局5
1は狭帯域の下り無線チャネルを用いたサービスしか受
けられないことを認識する。このような場合、ユーザは
狭帯域の下り無線チャネルを用いたサービスを受けるか
否かの選択を行なう。狭帯域の下り無線チャネルを用い
たサービスを受ける場合、ユーザはサーバー固有の電話
番号をダイヤルアップ540し、無線移動局51からサ
ーバー56への狭帯域無線基地局53を介した通信回線
を獲得する。無線移動局51からサーバー56への通信
回線が獲得された後に、無線移動局51はデータ伝送要
求メッセージ542と自局が接続できる狭帯域無線基地
局53を識別するための信号543を、サーバーに伝送
する。通常、下り無線チャネルで利用される狭帯域無線
基地局53は、上り無線チャネルで利用される狭帯域の
無線基地局53と同一なので、信号543は広帯域の下
り無線チャネルを使えないことを、サーバー56に伝え
るだけの情報でもよい。サーバー56はユーザから伝送
されたデータ要求メッセージ542と信号543を解釈
し、信号543で指定された狭帯域無線基地局53、も
しくは、上り無線チャネルで利用している狭帯域無線基
地局53を介して、ユーザの要求する情報544を伝送
する。
【0141】次に、以下の第33〜第36の各実施例で
はハンドオーバーに関する手順を説明する。
【0142】これらの実施例で取り扱うハンドオーバー
とは、無線移動局51が、ある特定の狭帯域の無線基地
局53のサービスエリア内を移動する場合に生じるハン
ドオーバーに限定する。なぜなら、狭帯域無線基地局5
3は上下の無線チャネルを有するため、狭帯域の無線基
地局53間のハンドオーバーは従来のハンドオーバーの
手順でも十分に対応できるからである。通信を開始する
時の手順は、第31及び第32実施例で示したので、第
33〜第36実施例ではサービスを提供されている状態
以降におけるハンドオーバーの手順を説明する。
【0143】第33の実施例:本第33実施例は、無線
移動局51が図48(c)に示すような移動を行なった
場合、すなわち、無線移動局51が広帯域無線基地局5
2のサービスエリア内でサービスを受けている時に、他
の広帯域無線基地局52のサービスエリア内に移動した
場合のハンドオーバーの手順について説明する。
【0144】図55に本実施例に関わる最も基本的なフ
ローチャートを示す。ステップST41では、サービス
を提供している広帯域無線基地局52とは別の広帯域無
線基地局52から報知された信号を無線移動局51が受
信可能か否か判断する。受信可能な場合は、その信号の
受信電界強度と、現在サービスを提供している広帯域無
線基地局52から送信される信号の受信電界強度との比
較が行なわれ、比較した結果から、無線移動局51がハ
ンドオーバー先の広帯域無線基地局52を解釈する。従
って、現在サービスを提供している広帯域無線基地局5
2から送信される信号の受信電界強度が十分の場合は,
無線基地局の切替えを行なわずに、サービスが継続され
る。また、接続の切替えを行なうか否かの選択の尺度
は、提供しているサービスが要求する通信品質に応じて
異なる。例えば、音声通信サービスの場合、要求する通
信品質がそれほど高くないため、無線移動局51の移動
に伴い、通信品質が少々劣化した場合であっても、無線
基地局の切替えを行なわない。一方、データ通信サービ
スの場合、要求する通信品質は音声通信サービスよりも
高いため、少しでも通信品質が良くなるように無線基地
局の切替えを行なう。ステップST42では、ステップ
ST41で解釈された情報を、狭帯域無線基地局53を
介してサーバー56に伝える。これによりサーバー56
はハンドオーバー先の広帯域無線基地局52を認識でき
る。ステップST43では、ハンドオーバー先であると
判定されている広帯域無線基地局を介するように接続を
切替えるようにして、継続してサービスを提供する。
【0145】次に図56を用いて、第33実施例におけ
るハンドオーバーのシーケンス図を説明する。無線移動
局51が図48(c)に示すような移動を行なった場
合、広帯域無線基地局52から伝送されていた情報デー
タ565の受信時における信号強度は劣化するため、情
報を正しく受信できなくなる。一方、無線移動局51は
他の広帯域無線基地局52のサービスエリア内へと移動
しているため、他の広帯域無線基地局52から報知され
る無線基地局を識別するための信号566を受信できる
ようになり、その受信信号から自局がどの広帯域無線基
地局52のサービスエリア内へと移動しているかを判断
することができる。無線移動局51は情報信号565と
信号566の受信時の信号強度の関係から、ハンドオー
バーをすべきか否かの判断を行なう。ハンドオーバーを
行なう必要がなければ、そのまま情報データ565の受
信を継続する。
【0146】ハンドオーバーを行なう必要が生じた場合
は、無線移動局51はサーバー56に対し、ハンドオー
バー要求メッセージ567とハンドオーバー先の広帯域
無線基地局52を識別するための信号558を伝送す
る。サーバー56はハンドオーバー要求メッセージ56
7と信号568を解釈すると、通信中の広帯域無線基地
局52に対し回線切断要求メッセージ569を送る。回
線切断後、サーバーは信号568で指定された広帯域無
線基地局52を介して、情報データ570を伝送する。
これにより、ユーザは移動によるサービスエリアの変更
が生じた場合でも、提供されていたサービスを継続して
受けることが可能となる。
【0147】第34の実施例:本第34実施例は、無線
移動局51が図48(d)に示すような移動を行なった
場合、すなわち、無線移動局51が広帯域無線基地局5
2のサービスエリア内でサービスを受けている時に、広
帯域無線基地局52のサービスエリア外に移動した場合
のハンドオーバーの手順について図57を用いて説明す
る。無線移動局51は広帯域無線基地局52のサービス
エリア外へと移動しているため、現在サービスを提供し
ている広帯域無線基地局52から送信される信号の受信
電界強度が劣化する。また、サービスを提供している広
帯域無線基地局52とは別の広帯域無線基地局52から
報知された信号も受信できない。従って、ステップST
51において、無線移動局51は広帯域無線基地局52
と接続できないことを解釈する。ステップST52で
は、無線移動局51は自局が広帯域無線基地局52に接
続できないこと、つまり、下りチャネルの伝送として、
狭帯域無線基地局53を介した伝送を行なうことを狭帯
域無線基地局53を介してサーバー56に伝える。ステ
ップST53では、サーバー56は、狭帯域無線基地局
53を介するよう接続を切替え、継続してサービスの提
供を行なう。
【0148】また、上記実施例では、所定サービスを受
けている時に、無線移動局51が広帯域無線基地局52
と接続できなくなった場合、狭帯域無線基地局53を介
した接続に切替えることを前提とした例を示したが、ス
テップST51の次のステップとして、狭帯域の下り無
線チャネルを利用して提供されているサービスを継続す
るのか、もしくは、提供されているサービスを停止する
か、の選択を行なうステップを加えても良い。サービス
の継続を選択した場合は、ステップST52に進む。サ
ービスの停止を選択する場合については、第35の実施
例で詳しく説明する。
【0149】次に図58を用いて、第34実施例におけ
るハンドオーバーのシーケンス図を説明する。無線移動
局51が図48(d)に示すような移動を行なった場
合、広帯域無線基地局52から伝送されていた情報デー
タ585の受信時における信号強度は劣化するため、情
報を正しく受信できなくなる。一方で、無線移動局51
は広帯域無線基地局52のサービスエリア外へと移動し
ているため、他の広帯域無線基地局52から報知される
無線基地局を識別するための信号586を受信すること
ができない。仮に受信できたとしても、サービスを提供
されるために必要な十分な信号強度が得られない。従っ
て、無線移動局51は自局が広帯域無線基地局52のサ
ービスエリア外に位置していることを解釈する。つま
り、無線移動局51は狭帯域の下り無線チャネルを用い
たサービスしか受けられないことを認識する。そのた
め、以下の手順により、狭帯域の下り無線チャネルに接
続を切替え、提供されているサービスの継続を行なう。
無線移動局51はハンドオーバー要求メッセージ587
とハンドオーバー先の狭帯域無線基地局53を識別する
ための信号588を、サーバー56に伝送する。
【0150】通常、下り無線チャネルで利用される狭帯
域無線基地局53は、上り無線チャネルで利用される狭
帯域の無線基地局53と同一なので、信号588は広帯
域の下り無線チャネルを使えないことを、サーバー56
に伝えるだけの情報でもよい。サーバー56はハンドオ
ーバー要求メッセージ587と信号588を解釈する
と、通信中の広帯域無線基地局52に対し回線切断要求
メッセージ589を送る。回線切断後、サーバー56は
信号588で指定された狭帯域無線基地局53を介し
て、もしくは、上り無線チャネルで利用している狭帯域
無線基地局53を介して、ユーザの要求する情報590
を伝送する。これにより、ユーザは移動によるサービス
エリアの変更が生じた場合でも、提供されていたサービ
スを継続して受けることが可能となる。
【0151】第35の実施例:本第35実施例は、無線
移動局51が図48(d)に示すような移動を行なった
場合、すなわち、無線移動局51が広帯域無線基地局5
2のサービスエリア内でサービスを受けている時に、広
帯域無線基地局52のサービスエリア外に移動した場合
のサービスを停止する手順、つまり、回線切断の手順に
ついて図59を用いて説明する。
【0152】無線移動局51は広帯域無線基地局52の
サービスエリア外へと移動しているため、現在サービス
を提供している広帯域無線基地局52から送信される信
号の受信電界強度が劣化する。また、サービスを提供し
ている広帯域無線基地局52とは別の広帯域無線基地局
52から報知された信号も受信できない。従って、ステ
ップST61では、無線移動局51は広帯域無線基地局
52と接続できないことを解釈する。ステップST62
では、無線移動局51は自局が広帯域無線基地局52に
接続できないこと、つまり、無線移動局51は提供され
ているサービスを停止することを狭帯域無線基地局53
を介してサーバー56に伝える。ステップST63で、
サーバー56は、提供していたサービスの停止を行な
い、広帯域無線基地局52から無線移動局51への通信
回線を切断する。また、第34の実施例で述べたよう
に、狭帯域の下り無線チャネルを利用して提供されてい
るサービスを継続するのか、もしくは、提供されている
サービスを停止するか、の選択を行なうステップを加え
る場合、該ステップはステップST61の次に続き、該
ステップにて、提供されているサービスを停止すること
を選択した場合、ステップST62に進む。
【0153】次に図60を用いて、第35実施例におけ
るハンドオーバーのシーケンス図を説明する。無線移動
局51が図48(d)に示すような移動を行なった場
合、広帯域無線基地局52から伝送されていた情報デー
タ605の受信時における信号強度は劣化するため、情
報を正しく受信できなくなる。一方で、無線移動局51
は広帯域無線基地局52のサービスエリア外へと移動し
ているため、他の広帯域無線基地局52から報知される
無線基地局を識別するための信号606を受信すること
ができない。仮に受信できたとしても、サービスを提供
されるために必要な十分な信号強度が得られない。従っ
て、無線移動局51は自局が広帯域無線基地局52のサ
ービスエリア外に位置していることを解釈する。つま
り、無線移動局51は広帯域の下り無線チャネルを用い
たサービスを受けられないことを認識する。そのため、
提供されているサービスを停止する手順を実行する。無
線移動局51は通信切断要求メッセージ607をサーバ
ー56に伝送する。サーバー56は通信切断要求メッセ
ージ607を解釈すると、無線移動局51に対し、通信
中の広帯域無線基地局52を介して回線切断メッセージ
608を送る。これにより、無線移動局51の移動によ
りサービスエリアを離れた場合に、提供されていたサー
ビスをユーザの意志で速やかに停止することが可能とな
る。
【0154】第36の実施例:本実施例は、無線移動局
51が図48(e)に示すような移動を行なった場合、
すなわち、無線移動局51が広帯域無線基地局52のサ
ービスエリア外で、狭帯域の下り無線チャネルを利用し
てサービスを受けている時に、広帯域無線基地局52の
サービスエリア内に移動した場合のハンドオーバーの手
順について図61を用いて説明する。
【0155】無線移動局51は移動に伴って、広帯域の
無線基地局52から報知される無線基地局を識別するた
めの信号を受信できるようになる。そこで、ステップS
T71では、無線移動局51は自局がどの広帯域無線基
地局52のサービスエリア内へと移動しているかを解釈
する。ステップST72では、ステップST71で解釈
した情報を、狭帯域無線基地局53を介してサーバー5
6に伝える。これにより、サーバー56は無線移動局5
1がどの広帯域無線基地局52のサービスエリア内へと
移動しているかを認識できる。ステップST73では、
ステップST71で解釈された広帯域無線基地局52を
介するように接続を切替え、継続してサービスを提供す
る。ところで、このようなハンドオ一一を行なうために
は、無線移動局51は、狭帯域の無線チャネルを利用し
ている場合であっても、常に、広帯域無線基地局52が
報知する信号の受信待機状態でなければならない。なぜ
なら、広帯域無線基地局52のサービスエリア内に入っ
た時は、狭帯域無線基地局53を介した信号の受信状態
が良い場合であっても、ハンドオーバーを行なうことが
あるからである。
【0156】上記実施例では、ステップST71で無線
移動局51が広帯域無線基地局52のサービスエリア内
に移動したことを解釈できると、直ちに、ハンドオーバ
ーを実施する例を説明したが、ハンドオーバーを行なう
前に、ユーザがハンドオーバーを行なうか否かを選択す
るステップを加えても良い。なぜなら、先に述べたよう
に、狭帯域無線基地局53を介した信号の受信状態は、
必ずしも悪い状態ではなく、また、音声通信サービスの
ような高速伝送を必要としないサービスの場合、必ずし
もハンドオーバーの必要はないからである。該ステップ
の追加場所は3通りあり、それぞれ以下の特徴を持つ。
まず、該ステップをステップST72の次に加えた場
合、ハンドオーバーを行なうか否かに関わらず、サーバ
ー56は無線移動局51がどの広帯域無線基地局52の
サービスエリア内に位置しているかを認識できる。次
に、該ステップをステップST71の次に加えた場合、
ハンドオーバーを行なわない時は、無線移動局51がど
の広帯域無線基地局52のサービスエリア内に位置して
いるかをサーバーに伝えないため、無線移動局51とサ
ーバー56間のトラフィック量が削減される。最後に、
該ステップをステップST71の前に加えた場合、無線
移動局51は自局がどの広帯域無線基地局52のサービ
スエリア内に位置しているかを解釈しなくて良いため、
消費電力が軽減される。この場合、広帯域の情報伝送の
ための受信手段の電源をオフにしておくことにより、さ
らなる低消費電力化が可能となる。
【0157】次に図62を用いて、第6実施例のシステ
ムにおけるハンドオーバーのシーケンス図を説明する。
無線移動局51が図48(e)に示すような移動を行な
った場合、無線移動局51は広帯域無線基地局52から
報知される無線基地局を識別するための信号625を受
信できるようになり、その受信信号から自局がどの広帯
域無線基地局52のサービスエリア内へと移動している
かを判断することができる。この時、先に述べたよう
に、無線移動局51が受信している情報データ624の
信号強度は必ずしも悪いわけではない。従って、ハンド
オーバーを行なうか否かの選択はユーザの意志により行
なう。もしくは、あらかじめ、広帯域無線基地局52の
サービスエリア内に入った時にハンドオーバーを行なう
か否かを設定しておく。ハンドオーバーを行なわないよ
うに設定した場合は、無線移動局51は広帯域の情報伝
送のための受信機の電源をオフにしておいても良い。無
線移動局51が広帯域無線基地局52のサービスエリア
内に入った時にハンドオーバーを行なわない場合は、そ
のまま狭帯域無線基地局53を介して、情報データ62
4の受信を継続する。
【0158】ハンドオーバーを行なう場合は、無線移動
局51はサーバー56に対し、ハンドオーバー要求メッ
セージ626とハンドオーバー先の広帯域無線基地局5
2を識別するための信号627を伝送する。サーバー5
6はハンドオーバー要求メッセージ626と信号627
を解釈すると、通信中の狭帯域無線基地局53に対し下
り無線チャネルの回線切断メッセージ628を送る。回
線切断後、サーバー56は信号627で指定された広帯
域の無線基地局52を介して、情報データ629を伝送
する。これにより、ユーザは移動によるサービスエリア
の変更が生じた場合でも提供されていたサービスを継続
して受けることが可能となる。
【0159】第37の実施例:サーバー56に固有の論
理番号を割り当てる。ネットワーク上に複数のサーバー
が存在する場合の論理番号は全サーバー共通に1つとす
る。ユーザはサービスを受けたい時、サーバー56に対
して発呼する。発呼の方法は、ユーザが直接論理番号を
ダイヤルアップする方法(図63(a))と、ユーザが
無線移動局51に表示されているSDLサービスの項目
を選択する方法がある(図63(b))。ここで、SD
Lサービスとは、SDLシステムを用いて提供されるサ
ービスのことをいう。この方法の場合、SDLサービス
の項目と論理番号との対応づけがされており、ユーザが
SDLサービスの項目を選択すると、自動的にダイヤル
アップされる。いずれの方法であっても、サーバー56
に対して発呼すると、まず、無線移動局51から狭帯域
無線基地局53への通信回線が獲得される。
【0160】次に、狭帯域無線基地局53はサーバー5
6との接続を行なう。ネットワーク57上に1っのサー
バー56しかない場合は、狭帯域無線基地局53からサ
ーバー56への通信回線が獲得される。また、ネットワ
ーク57上に複数のサーバー56が存在する場合は、狭
帯域無線基地局53が接続するサーバー56の選択を行
なう。選択の方法は4通りある。
【0161】第1に各狭帯域無線基地局53があらかじ
め自局の接続すべきサーバー56を認識しており、常に
そのサーバー56を選択する方法がある。通常、接続さ
れるサーバー56は狭帯域無線基地局53に隣接したも
のである。第2にサーバー56の負荷が軽いサーバー5
6を選択する方法がある。この方法は、狭帯域の無線基
地局53がサーバー56の負荷を観測し、負荷の小さい
サーバー56を選択するものである。第3にネットワー
ク57の負荷が軽いサーバー56を選択する方法があ
る。この方法は、狭帯域無線基地局53とサーバー56
間の通信路として、トラヒックの少ないものを利用しよ
うとする方法である。また、第4の方法として、上記3
方法の中から、少なくとも2っ以上の方法を組み合わせ
た方法が挙げられる。この方法として、例えば、狭帯域
無線基地局53がサーバー56の負荷を観測し、負荷が
ある一定値よりも小さいサーバー56の中から、最も狭
帯域無線基地局53に隣接したサーバー56を選択する
方法などがある。以上のような選択方法を用いてサーバ
ー56の選択が行なわれた後、狭帯域無線基地局53か
らサーバー56への通信回線が獲得され、これにより、
無線移動局51からサーバー56への通信回線が獲得さ
れる。
【0162】第38の実施例:図63(c)に示すよう
に、サービス毎に特定の論理番号を割り当てておいて、
ユーザは受けたいサービスに対応する論理番号により発
呼する。発呼の方法は、ユーザが直接論理番号をダイヤ
ルアップする方法と、ユーザが無線移動局51に表示さ
れているサービスの項目を選択する方法がある。この方
法を第38実施例に係るシステムとして説明する。この
方法の場合、ユーザが一サービスを選択するとそれに対
応する論理番号に対し、自動的にダイヤルアップされ
る。いずれの方法であっても、サーバー56に対し発呼
されると、まず、無線移動局51から狭帯域無線基地局
53への通信回線が獲得される。
【0163】次に、狭帯域無線基地局53はサーバー5
6との接続を行なう。所望するサービスを提供するサー
バー56が、ネットワーク57上に1つしかない場合
は、狭帯域無線基地局53からそのサーバー56への通
信回線が獲得される。また、所望するサービスを提供す
るサーバー56が、ネットワーク57上に複数存在する
場合は、狭帯域無線基地局53が接続するサーバー56
の選択を行なう。選択の方法は次の第39の実施例と同
じなので、ここでは省略する。サーバー56の選択が行
なわれると、狭帯域無線基地局53からサーバー56へ
の通信回線が獲得され、これにより、無線移動局51か
らサーバー56への通信回線が獲得される。
【0164】第39の実施例:無線移動局51は無線基
地局と通信可能であるかを表示する。具体的には、自局
が狭帯域無線基地局53と通信可能であるか否か、と自
局が広帯域無線基地局52と通信可能であるか否か、の
双方を表示する。表示方法としては、それぞれの基地局
からの電波の信号強度を段階的に表示する方法(図64
(a))や通信可能か否かを2値的に表示する方法(図
64(b))などがある。また、上述した表示を行なう
ために、無線移動局51は、広帯域無線基地局52から
伝送される信号を受信した時の受信電界強度を測定し、
その測定結果を人間が認識できる表現方法で表示する手
段と、狭帯域無線基地局53から伝送される信号を受信
した時の受信電界強度を測定し、その測定結果を人間が
認識できる表現方法で表示する手段と、の双方を備えて
いる。
【0165】本39実施例により、ユーザは自分がどの
ようなサービスを受けられるかを認識することが可能と
なる。つまり、ユーザは狭帯域の下り無線チャネルを利
用したサービスを受けられるが、広帯域の下り無線チャ
ネルを利用したサービスを受けられない状態であること
を認識できたり、また、移動により、広帯域の下り無線
チャネルを利用したサービスを受けることが可能となっ
たこと等を認識できるようになる。従って、例えば、ユ
ーザが広帯域無線基地局52のサービスエリア外に位置
する場合に、現地点ではサービスを受けずに広帯域無線
基地局52のサービスエリア内に移動した後に広帯域の
下り無線チャネルを利用した高速無線伝送のサービスを
受ける、もしくは、現時点で狭帯域の下り無線チャネル
を利用した低速無線伝送のサービスを受ける、のどちか
らをユーザの意志で選択することが可能となる。また、
広帯域無線基地局52から伝送される信号に関する2ス
テップ(無線移動局51が広帯域無線基地局52から無
線回線を介して伝送される第1の信号を受信した時に、
前記第1の信号の受信電界強度を測定するステップと、
前記第1の信号の受信電界強度を人間が認識できる表現
方法で表示するステップ)と、狭帯域無線基地局53か
ら伝送される信号に関する以下の2ステップ(無線移動
局51が狭帯域無線基地局から無線回線を介して伝送さ
れる第2の信号を受信した時に、前記第2の信号の受信
電界強度を測定するステップと、前記第2の信号の受信
電界強度を人間が認識できる表現方法で表示するステッ
プ)とはそれぞれ独立したステップである。従って、ユ
ーザが、無線移動局51に対し、広帯域無線基地局52
を介した高速伝送サービスを受けないことを、あらかじ
め設定した場合には、広帯域無線基地局52から伝送さ
れる信号に関する2ステップを行なわない方法も考えら
れる。この場合、無線移動局51の消費電力を軽減させ
ることができる。以上説明したように、本発明の第31
ないし第39実施例により、SDLシステムのような広
帯域の上り無線チャネルを持たない無線移動局をその構
成要素に含むシステムであっても、サーバーが無線移動
局がどの広帯域無線基地局と接続可能であるかを認識す
ることができ、サービスの提供が可能となる。また、無
線移動局の移動に伴い・ハンドオーバーを行なう必要が
生じた場合であっても、サーバーがハンドオーバー先の
広帯域無線基地局を認識することができ、継続してサー
ビスを提供することが可能となる。
【0166】図65は、図43と同様に、PHS基地
局、有線ネットワーク、SDL−Net基地局から構成
される第40実施例の無線通信システムを示している。
図43とは、SDL−Net基地局にPHS受信器が具
備されていることと、ネットワーク側に基準発信器がな
い点が異なる。図44の様にSDL−Net基地局は、
PHSのサービスエリアの内部に存在する。そのため、
PHS受信器により受信した信号を同期回路に入力する
ことによってPHSとSDL−Netのクロックを同期
させることが可能である。
【0167】図66は、この発明に係る無線通信システ
ムが適用される全体構成としての第41実施例を示して
いる。ネットワークを介して所定の通信サービスエリア
を有する複数の基地局BSと、複数のデータベースと通
信衛星CSとが通信可能に接続されている。
【0168】
【発明の効果】以上詳細に説明したようにこの発明に係
る無線通信システムは、アップリング回線の無線信号の
伝送速度を相対的に低速とし、ダウンリンク回線に無線
の無線信号の伝送速度を相対的に高速としたので、大容
量のユーザ情報を基地局から端末へ高速で伝送すること
ができ、ユーザの要望に充分答えることができると共に
周波数を有勢こ利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本概念を示すブロック図。
【図2】本発明の第1実施例による無線通信システムを
示すブロック図。
【図3】本発明の第2実施例による無線通信システムを
示すブロック図。
【図4】本発明の第3実施例による無線通信システムを
示す説明図。
【図5】本発明の第4実施例による無線通信システムを
示すブロック図。
【図6】通信形態の一例を示す説明図。
【図7】通信形態の他の一例を示す説明図。
【図8】本発明の基本概念の他の構成例を示すブロック
図。
【図9】本発明の5実施例の構成を示すブロック図。
【図10】図7の実施例でのメモリ空間の利用状況を示
す一実施例を示す図。
【図11】本発明を適用しないSDLシステムの一例を
示すブロック図。
【図12】無線通信システムの周波数配置を示す図。
【図13】本発明の第13の実施例による無線通信シス
テムを示す概念図。
【図14】本発明の第13の実施例における周波数配置
を示す図。
【図15】本発明の第14の実施例による無線通信シス
テムを示す概念図。
【図16】本発明の第14の実施例における周波数配置
を示す図。
【図17】本発明の第15の実施例による無線通信シス
テムを示す概念図。
【図18】本発明の第15の実施例における周波数配置
を示す図。
【図19】本発明の第16の実施例による無線通信シス
テムを示す概念図。
【図20】本発明の第16の実施例における周波数配置
を示す図。
【図21】本発明の第17の実施例による無線通信シス
テムを示すブロック図。
【図22】本発明の第18の実施例による無線通信シス
テムを示すブロック図。
【図23】本発明の第19の実施例による無線通信シス
テムを示すブロック図。
【図24】本発明の第20の実施例による無線通信シス
テムを示すブロック図。
【図25】本発明の第21の実施例による無線通信シス
テムを示すブロック図。
【図26】本発明の第22の実施例による無線通信シス
テムを示すブロック図。
【図27】本発明の第23の実施例による無線通信シス
テムを示すブロック図。
【図28】本発明の第24の実施例による無線通信シス
テムを示すブロック図。
【図29】本発明の第24の実施例による無線通信シス
テムを示すブロック図。
【図30】本発明の第25実施例による無線通信システ
ムのサービスエリアを示した図。
【図31】本発明の第25実施例による無線通信システ
ムで用いる携帯電子装置の動作を示す図。
【図32】本発明の第25実施例における分周機の構成
を示す図。
【図33】本発明の第26実施例による無線通信システ
ムで用いられる携帯電子装置の構成を示す図。
【図34】本発明の第26実施例による無線通信システ
ムのサービスエリアを示す図。
【図35】タイミングクロック再生回路の構成する受信
器の構成を示す図。
【図36】本発明の第26実施例におけるタイミングク
ロック再生回路の構成するための受信器の構成を示す
図。
【図37】本発明の第27実施例におけるキャリア再生
及びタイミング再生回路の入出力信号を示す図。
【図38】本発明の第27実施例における基準信号発生
回路の入出力信号を示す図。
【図39】フレームタイミングクロック再生回路を構成
を示す図。
【図40】本発明の第28実施例におけるフレームタイ
ミングクロック再生回路の構成を示す図。
【図41】クロック再生回路の構成を示す図。
【図42】本発明の第29実施例におけるクロック同期
回路の構成を示す図。
【図43】第30実施例に係る無線通信システムの構成
を示す図。
【図44】本発明の第30実施例におけるクロック同期
回路の構成を示す図。
【図45】本発明の第31−39実施例に係る無線通信
システムの総括概念を示すブロック図。
【図46】本発明の第31−39実施例に係る無線通信
システムの全体構成を示す図。
【図47】本発明の第31−39実施例の無線通信シス
テムの他の全体構成を示す図。
【図48】本発明の第31−36実施例に係る無線通信
システムにおける無線移動局の移動の様子をそれぞれ示
す図。
【図49】本発明の第31実施例に係る無線通信システ
ムの処理ステツナを示すフローチャート。
【図50】本発明の第31実施例に係る無線通信システ
ムにおけるサービス開始の処理ステップを示すフローチ
ャート。
【図51】本発明の第31実施例に係る無線通信システ
ムの通信開始手順を示すシーケンス図。
【図52】本発明の第32実施例に係る無線通信システ
ムの処理ステップを示すフローチャート。
【図53】本発明の第32実施例に係る無線通信システ
ムにおけるサービス開始の処理ステップを示すフローチ
ャート。
【図54】本発明の第32実施例に係る無線通信システ
ムの通信開始手順を示すシーケンス図。
【図55】本発明の第33実施例に係る無線通信システ
ムの処理ステップを示すフローチャート。
【図56】本発明の第33実施例に係る無線通信システ
ムの通信開始手順を示すシーケンス図。
【図57】本発明の第34実施例に係る無線通信システ
ムの処理ステップを示すフローチャート。
【図58】本発明の第34実施例に係る無線通信システ
ムの通信開始手順を示すシーケンス図。
【図59】本発明の第35実施例に係る無線通信シ:ス
テムの処理ステップを示すフローチャート。
【図60】本発明の第35実施例に係る無線通信システ
ムの通信開始手順を示すシーケンス図。
【図61】本発明の第36実施例に係る無線通信システ
ムの処理ステップを示すフローチャート。
【図62】本発明の第36実施例に係る無線通信システ
ムの通信開始手順を示すシーケンス図。
【図63】(a)及び(b)は本発明の第37実施例に
係る無線通信システムに用いられる無線移動局をそれぞ
れ示す平面図、(c)は第38実施例に係るシステムに
用いられる無線移動局を示す平面図。
【図64】(a)及び(b)は本発明の第39実施例に
係る無線通信システムに用いられる無線移動局をそれぞ
れ示す平面図。
【図65】本発明の第40実施例に係る無線通信システ
ムの構成を示す図。
【図66】本発明の第41実施例に係る無線通信システ
ムの構成を示す図。
【図67】従来のPLLの構成を示した図。
【図68】従来の無線数審システムの周波数配置を示す
図。
【符号の説明】
1 端末 2 低速送信手段 3 高速受信手段 4 アップリンク回線 5 基地局 6 低速受信手段 7 高速送信手段 101,103 無線装置 501,701,1301,1401,1501,16
01,1701 無線基地局 102,302,502,702,1302,140
2,1502,1602,1702 無線端末 901,903 アンテナ 902,1002,1004,1102,1203,1
304,1605,1606,1608 受信装置 904,1005,1101,1201,1306、1
603,1604,1607 送信装置 1303 赤外線送信装置 1305 赤外線受信装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向 井 学 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 和久津 隆 司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 行 方 稔 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中 島 暢 康 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 鎌 形 映 二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 農 人 克 也 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 利 光 清 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5K067 AA11 AA21 BB02 BB21 DD13 DD19 DD34 DD36 DD51 EE02 EE10 EE16 HH05 HH11 HH22 HH31 JJ01 JJ11 JJ21 JJ31 JJ51 JJ61 JJ71 JJ76

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無線端末と、前記無線端末との間で電波を
    用いて無線通信を行なう少なくとも1つ以上の無線基地
    局とからなる無線通信システムにおいて、 前記無線端末は、 第1の周波数帯域の電波を使用する第1の無線伝送帯域
    を用いて、前記基地局の何れか1つ以上と、第1の無線
    通信を行なう第1の送信手段と、 前記第1の周波数帯域よりも高い第2の周波数帯域の電
    波を使用すると共に前記第1の無線伝送帯域よりも高速
    な第2の無線伝送帯域を用いて、前記無線基地局の何れ
    か1つ以上と、第2の無線通信を行なう第1の受信手段
    と、 を具備し、 前記無線基地局のいずれか1つは、前記第1の無線伝送
    帯域を用いて、前記無線端末との間で前記第1の無線通
    信を行なう第2の受信手段を具備し、 該無線基地局の何れか1つは、前記第2の無線伝送帯域
    を用いて、前記無線端末との間で前記第2の無線通信を
    行なう第2の送信手段を具備することを特徴とする無線
    通信システム。
  2. 【請求項2】前記第2の受信手段と前記第2の送信手段
    は、同一の前記無線基地局内に設けられることを特徴と
    する請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 【請求項3】前記第1の無線通信と第2の無線通信は、
    それぞれ異なる変調方式を用いることを特徴とする請求
    項1に記載の無線通信システム。
  4. 【請求項4】前記第2の送信手段を具備する前記無線基
    地局は、 前記第2の送信手段を用いて、自無線基地局を識別する
    ための無線基地局識別信号を、前記無線端末宛てに送信
    し、 前記無線端末は、 前記第1の受信手段を用いて、前記無線基地局識別信号
    を受信し、該無線基地局識別信号に基づいて、接続に適
    している無線基地局を決定する無線基地局選定手段をさ
    らに具備し、 前記無線基地局選定手段によって選定した無線基地局に
    関する情報を、前記第1の送信手段を用いて送信するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 【請求項5】前記第2の送信手段を具備する前記無線基
    地局は、 前記第2の送信手段を用いて、自無線基地局を識別する
    ための無線基地局識別信号を、前記無線端末に送信し、 前記無線端末は、 前記第1の受信手段を用いて、前記無線基地局識別信号
    を受信し、該無線基地局識別信号に基づいて、接続に適
    している前記無線基地局を決定する無線基地局選定手段
    をさらに具備し、 前記無線基地局選定手段が現在接続中の無線基地局以外
    の他の無線基地局の方が接続に適しているものと決定し
    た場合、この無線基地局選定手段により選定した無線基
    地局に関する情報を、前記第1の送信手段を用いて送信
    することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システ
    ム。
JP2001230494A 1994-06-20 2001-07-30 無線通信システム、無線通信基地局および無線端末 Expired - Lifetime JP3699914B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001230494A JP3699914B2 (ja) 1994-06-20 2001-07-30 無線通信システム、無線通信基地局および無線端末

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13762194 1994-06-20
JP6-137621 1995-03-31
JP10001095 1995-03-31
JP7-100010 1995-03-31
JP2001230494A JP3699914B2 (ja) 1994-06-20 2001-07-30 無線通信システム、無線通信基地局および無線端末

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17679195A Division JP3280830B2 (ja) 1994-06-20 1995-06-20 無線通信システムおよび無線通信基地局

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005179612A Division JP3793773B2 (ja) 1994-06-20 2005-06-20 無線通信方法、無線通信基地局および無線端末

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002112351A true JP2002112351A (ja) 2002-04-12
JP3699914B2 JP3699914B2 (ja) 2005-09-28

Family

ID=27309114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001230494A Expired - Lifetime JP3699914B2 (ja) 1994-06-20 2001-07-30 無線通信システム、無線通信基地局および無線端末

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3699914B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007517416A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 ノキア コーポレイション 非対称データリンクを備えた中継基地局を利用する通信システム
JP2010050977A (ja) * 2002-06-06 2010-03-04 Thomson Licensing 移動体端末
CN117375706A (zh) * 2023-12-04 2024-01-09 成都本原星通科技有限公司 一种面向接收端的低轨卫星星间干扰优化方法和系统

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010050977A (ja) * 2002-06-06 2010-03-04 Thomson Licensing 移動体端末
JP2007517416A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 ノキア コーポレイション 非対称データリンクを備えた中継基地局を利用する通信システム
US7990905B2 (en) 2003-12-30 2011-08-02 Nokia Corporation Communication system using relay base stations with asymmetric data links
CN117375706A (zh) * 2023-12-04 2024-01-09 成都本原星通科技有限公司 一种面向接收端的低轨卫星星间干扰优化方法和系统
CN117375706B (zh) * 2023-12-04 2024-03-12 成都本原星通科技有限公司 一种面向接收端的低轨卫星星间干扰优化方法和系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP3699914B2 (ja) 2005-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5754961A (en) Radio communication system including SDL having transmission rate of relatively high speed
JP3280830B2 (ja) 無線通信システムおよび無線通信基地局
JP3793773B2 (ja) 無線通信方法、無線通信基地局および無線端末
KR100735233B1 (ko) 개인방송 서비스 제공 시스템
US6111863A (en) Method and apparatus for the dynamic allocation of signal bandwidth between audio, video and data signals
US7916693B2 (en) System and method for selecting spectrum
Brown et al. A flexible modem structure for increased network capacity and multimedia transmission in GSM PCS
EP0571104A2 (en) Data transmission in a cellular telephone system
RO120520B1 (ro) Metodă de alocare ierarhică a intervalelor de timp de transmisie, într-un sistem de radiotelefonie
WO1999009680A1 (fr) Systeme de communication mobile
JP2000517495A (ja) 無線周波数信号伝送用catv網
Agrawal et al. Mobile computing in next generation wireless networks
US6075778A (en) Radio communication system, method of radio communication for information provision service, and mobile radio station
JP2003518849A (ja) スペクトル方式セルラー通信の方法および装置
JP3699914B2 (ja) 無線通信システム、無線通信基地局および無線端末
US20060019643A1 (en) Method of sending instruction to mobile phone by short message
KR100300156B1 (ko) 직교변조성분을효율적으로이용한음성메시징시스템및방법
KR0173898B1 (ko) 양방향 무선 주문대응형 비디오 서비스 시스템
WO2003081799A1 (fr) Systeme de communication variable
JP2003218781A (ja) 通信端末およびネットワーク制御装置
JP2002538728A (ja) 差動2相位相偏移変調を使用して電力線を通じて通信できるディジタル無線電話/モデムジャック
WO1994021072A1 (en) Method for increasing communication range in a two-way communication system
JP2002077325A (ja) 無線通信装置
JP2002016959A (ja) 通信システム
JP2000004477A (ja) 無線電話通信システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050711

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100715

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130715

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term