JP2002110286A - イジェクト機構付きコネクタ - Google Patents

イジェクト機構付きコネクタ

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JP2002110286A
JP2002110286A JP2000299055A JP2000299055A JP2002110286A JP 2002110286 A JP2002110286 A JP 2002110286A JP 2000299055 A JP2000299055 A JP 2000299055A JP 2000299055 A JP2000299055 A JP 2000299055A JP 2002110286 A JP2002110286 A JP 2002110286A
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Akira Kimura
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  • Details Of Connecting Devices For Male And Female Coupling (AREA)
  • Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数が削減し、組立時のボタン部材の干
渉を防止すること。 【解決手段】 接続対象物20を離脱させるイジェクト
機構とを備えているイジェクト機構付きコネクタコネク
タにおいて、前記イジェクト機構は、カバー部材70
と、ボタン軸85を設けたボタン部材80と、前記ボタ
ン軸85を中心として前記ボタン部材を回動自在に前記
カバー部材に保持したカム部材60と、前記ボタン部材
に保持したイジェクトバー部材90とを備え、前記ボタ
ン部材80と前記イジェクトバー部材90とが摺動自在
に前記カバー部材70に保持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PCカード、CF
カード等の接続対象物に電気的に接続し、接続状態にあ
る接続対象物を離脱させるイジェクト機構を有するイジ
ェクト機構付きコネクタに属する。
【0002】
【従来の技術】従来技術1として、図10に示すイジェ
クト機構付きコネクタがある。以下に、図10を参照し
て、イジェクト機構付きコネクタの概略構成を説明す
る。
【0003】イジェクト機構付きコネクタ201は、P
Cカードのようなカード200に設けられている複数の
相手コンタクト(図示せず)に接続するための複数のコ
ンタクト220と、これらコンタクト220を整列して
固定しているインシュレータ230と、嵌合状態にある
カードを排出するためのイジェクト機構とを備えてい
る。
【0004】イジェクト機構は、プレート部材250、
カバー部材270、ボタン部材280などによって構成
されている。カード200をインシュレータ230のガ
イド部232の奥側にある空間部分233aへ挿入する
と、カード200の先端部分が、インシュレータ230
に設けられているプレート部材250のカード突当部2
51に突き当たる。このとき、プレート部材250はカ
ード200と共に押し込まれる。そして、コンタクト2
20と相手コンタクトとは接続する。
【0005】また、インシュレータ230に嵌合されて
いるカード200を排出するときには、ボタン部材28
0をカード挿入方向へ押し込むことによって、プレート
部材250がカード200を排出する離脱方向へ移動す
るので、カード突当部251によりカード200が排出
される。
【0006】イジェクト機構付きコネクタ201は、図
10に示したように、基板311上に実装される。基板
311上には、イジェクト機構付きコネクタ201を覆
うように、筐体315が設けられる。
【0007】筐体315には、カード200を空間部分
232aへ挿入できるように、カード挿入口316が形
成されている。また、筐体315には、ボタン部材28
0の先端部分が筐体315の外へ突き出されるように切
り欠き形状のボタン通過穴317が形成されている。
【0008】このイジェクト機構付きコネクタ201で
は、ボタン部材280の位置が、突出状態、収納状態、
及び押し込み状態の3箇所の位置をとっている。
【0009】従来技術2として特開平9−326274
号公報には、イジェクト装置を備えたコネクタが開示さ
れている。このイジェクト装置を備えたコネクタにおい
て、カードを排出する力は、操作部材、揺動部材の先
端、受け部材(連結アーム)、押し出し部材(回動レバ
ー)へと伝えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1におけるイジェクト機構付きコネクタ201では、
基板311上に実装した筐体315への組み込み時に、
筐体315を図示の矢印340の方向から組み込むが、
ボタン部材280の位置が押し込み状態においてもボタ
ン部材280における突出量の寸法L10であるため、
ボタン通過穴317の下側に強度を増すようにリブを形
成しようとしてもボタン部材280とリブとが干渉して
しまう。したがって、筐体315のボタン通過穴317
の下側にリブを形成することが出来ず、筐体315の剛
性が低いくなってしまうという問題がある。
【0011】また、従来技術2のイジェクト装置を備え
たコネクタでは、受け部材が必要となり、部品点数が増
加して、経済性に劣るという問題がある。
【0012】それ故に、本発明の課題は、部品点数を削
減できるイジェクト機構付きコネクタを提供することに
ある。
【0013】また、本発明の他の課題は、機器本体の筐
体への組立時にボタン部材の干渉を防止でき、筐体の強
度アップが可能になるイジェクト機構付きコネクタを提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、接続対
象物と接続するコネクタ部と、前記接続対象物を前記コ
ネクタ部に対して嵌合する嵌合方向及び前記接続対象物
を前記コネクタ部から離脱させる離脱方向へ前記接続対
象物を案内するガイド部と、嵌合状態にある前記接続対
象物を離脱させるためのイジェクト機構とを備えている
イジェクト機構付きコネクタにおいて、前記イジェクト
機構は、カバー部材と、ボタン軸を設けたボタン部材
と、前記ボタン軸を中心として前記ボタン部材を操作す
る前記嵌合方向と交差する第1の方向に回動自在に前記
カバー部材に保持したカム部材と、ボタン軸を中心とし
て前記ボタン部材を操作する前記嵌合方向と交差し、か
つ前記第1の方向Cと交差する第2の方向に所定角度で
回動自在に前記ボタン部材に保持したイジェクトバー部
材とを備えており、前記ボタン部材、前記カム部材、及
び前記イジェクトバー部材が前記カバー部材に収容され
ており、前記ボタン部材と前記イジェクトバー部材とが
摺動自在に前記カバー部材に保持されていることを特徴
とするイジェクト機構付きコネクタが得られる。
【0015】
【作用】本発明のイジェクト機構付きコネクタによれ
ば、ボタン部材とイジェクトバー部材とが互いにボタン
軸とバー軸穴によって揺動可能に組立てられ、スプリン
グにより突出方向に付勢されている。カバー部材内に
は、カム部材が揺動可能に固定され、ボタン部材とイジ
ェクトバー部材とは進退自在にカバー部材内に差し込ま
れている。
【0016】イジェクトバー部材に形成されたピンは、
カム部材のカム溝に入り、付勢されたボタン部材の位置
はカム部材のカム溝によって規制される。カードの挿抜
に関わらず、ボタン部材の先端位置は初期位置をとる
が、カードを排出する時にボタン部材を押し込み、その
力をゆるめるとボタン部材は突出状態に移動し、突出位
置に至る。
【0017】突出位置のボタン部材を押し込むとカード
は排出されるが、カム部材によって揺動するイジェクト
バー部材が、レバー部材を直接駆動する。また、カム溝
のうち、ボタン部材を押し込み位置から突出状態に変化
させる頂点のカム溝をボタン押し込み方向に延長するこ
とによってボタン部材をさらに押し込むことが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
イジェクト機構付きコネクタに係る一実施の形態例を説
明する。図1は、一実施の形態例におけるイジェクト機
構付きコネクタ、及びイジェクト機構付きコネクタに電
気的に接続するPCカード若しくはCFカード等のカー
ド(接続対象物)の外観を示している。図2は、イジェ
クタ付きコネクタを分解した状態を示している。
【0019】図1及び図2を参照して、この実施の形態
例におけるイジェクト機構付きコネクタ1は、カード1
0を嵌合させてカード10に設けられている複数の導電
性相手コンタクト(図示せず)に電気的に接続する複数
の導電性コンタクト20と、これらのコンタクト20を
固定しているインシュレータ30と、嵌合状態にあるカ
ード10を排出するためのイジェクト機構と、アース端
子100とを備えている。
【0020】なお、以下の説明において、インシュレー
タ30へカード10が挿入され、コンタクト20にカー
ド10に設けた相手コンタクトを嵌合させる方向を嵌合
方向Aと呼び、嵌合状態にあるカード10をコンタクト
20から離脱させる方向を離脱方向Bと呼ぶことにす
る。
【0021】インシュレータ30は、所定間隔をもって
互いに平行に配置されている一対のフレーム部30a,
30bと、一対のフレーム部30a,30bの一端側の
両端を相互に接続しているブリッジ部30cとを有して
いる。
【0022】なお、このインシュレータ30は、樹脂材
料によって作られている。ブリッジ部30cは、一対の
フレーム部30a,30bの一端側の両端、即ち、イン
シュレータ30において嵌合方向A側の奥部に設けられ
ている。そして、一対のフレーム部30a,30bの他
端側の両端、即ち、一対のフレーム部30a,30bの
離脱方向B側の両端間は、カード10を挿入できるよう
に開口部分となっている。コンタクト20とブリッジ部
30cとは、これらでコネクタ部を構成している。
【0023】イジェクト機構は、ブリッジ部30cの上
面に位置するレバー部材40と、ブリッジ部30cの上
面でレバー部材40上に位置する嵌合・離脱方向A,B
へ移動するプレート部材50と、カム部材60と、カバ
ー部材70と、嵌合・離脱方向A,Bへ移動するボタン
部材80と、スプリング89と、カム部材60によって
揺動するイジェクトバー部材90とを備えている。
【0024】このイジェクト機構では、カム部材60が
ボタン軸85を中心としてボタン部材80を操作する嵌
合方向Aと交差する第1の方向Cに回動自在にカバー部
材70に保持されている。イジェクトバー部材90は、
ボタン軸85を中心としてボタン部材80作する嵌合方
向Aと交差し、かつ第1の方向Cと交差する第2の方向
Fに所定角度で回動自在にボタン部材80に保持されて
いる。ボタン部材80、カム部材60、及びイジェクト
バー部材90は、カバー部材70に収容されている。
【0025】コンタクト20は、導電性の金属で作られ
ており、カード10と接触するための接触部21と、こ
の接触部21の一端側に接続されている保持部22と、
後述する基板の回路に接続するように保持部22の一端
側に接続されている端子部23とを有している。
【0026】インシュレータ30のブリッジ部30cに
は、コンタクト20の保持部22を圧入するによって保
持する保持穴31が形成されている。一対のフレーム部
30a,30bの互いに対向する面には、カード10を
コンタクト20へ案内するための凹形状のガイド部32
が形成されている。
【0027】一方のフレーム部30aの外側面には、ボ
タン部材80を固定するためのボタン固定アーム33が
形成されており、中間部の外側面にカバー部材70を固
定する第1のカバー固定部34及び第2のカバー固定部
35とが嵌合・離脱方向A,Bでずれた位置に形成され
ている。
【0028】さらに、インシュレータ30のブリッジ部
30cの上面には、レバー部材40を回動可能に軸支す
るための支軸36がインシュレータ30と一体に形成さ
れている。その他、ブリッジ部30c及び一対のフレー
ム部30a,30bの嵌合方向Aにおける一端側の側面
には、一対のフレーム部30a,30bの側面よりも低
い位置に段差部37が形成されている。段差部37の側
面には、断面半円形状に形成されている第1の溝37a
と第2の溝37bとが嵌合・離脱方向A,Bでずれた位
置に形成されている。これらの第1の溝37aと第2の
溝37bは、一対のフレーム部30a,30bにそれぞ
れ形成されている。
【0029】また、一対のフレーム部30a,30bの
離脱方向Bにおける他端側の外側面には、ボタン固定ア
ーム33の近傍にかつボタン固定アーム33よりも一端
側にアース端子100を固定するためのアース端子固定
部38が成形されている。
【0030】レバー部材40は、長板形状を呈してお
り、中央部に形成されている軸穴41と、長手方向の一
端部分に形成されているレバー突当部42と、長手方向
の他端部分の板面に形成されている連結穴43とを有し
ている。
【0031】軸穴41には、ブリッジ部30cの上面に
設けられている支軸36が入り込むことによって、この
支軸36を中心としてレバー部材40が、ブリッジ部3
0cの上面に対して平行な方向に回動可能に設けられて
いる。
【0032】プレート部材50は、長板形状に形成され
ているプレート主板部50aと、このプレート主板部5
0aの長手方向に平行な一辺で、かつプレート主板部5
0aの長手方向の両端部分における近傍でプレート主板
部50aに対してほぼ直角に折り曲げ形成されている一
対のカード突当部51と、このプレート主板部50aの
長手方向の両端部分でプレート主板部50aに対してほ
ぼ直角に折り曲げ形成されている一対のプレート側面部
52と、一対のプレート側面部52の先端から離脱方向
Bへ延びている板バネ部52aとを有している。
【0033】さらに、プレート部材50は、プレート主
板部50a及び一対のプレート側面部54の折り曲げ部
分にそれぞれ形成されている切込部54と、プレート主
板部50aの長手方向に平行な一辺で、かつプレート主
板部50aの長手方向の中央部に形成されているプレー
ト連結部53とを有している。
【0034】レバー部材40の連結穴43には、プレー
ト50のプレート連結部53が差し込まれ、切込部54
内にレバー部材40が入れられている。
【0035】今、図1の状態から、カード10に設けら
れている相手コネクタを前方として、嵌合方向Aでガイ
ド部32へカード10を挿入する。そして、インシュレ
ータ30の奥側に位置する空間部分32aまでカード1
0を挿入とすると、カード10の先端部分がカード突当
部51に突き当たる。ここで、プレート部材50は、カ
ード10がさらに嵌合方向Aへ押し込まれることによっ
てカード10と共に嵌合方向Aへ少し押し込まれる。こ
の時、プレート連結部53と共にレバー部材40の連結
穴43も押し込まれるため、レバー部材40は、図2の
紙面において支軸36を中心として梃子の作用によって
時計方向に回転する。カード10の嵌合が完了すると、
プレート部材50の板バネ部52aは、インシュレータ
30の第2の溝37bに入り込む。
【0036】以上のカード10がインシュレータ30へ
挿入されることによって、時計方向に回転したレバー部
材40を梃子の作用によって反時計方向に回転させる
と、連結穴43と共にプレート部材50がカード10を
排出する方向(離脱方向B)に移動するため、カード突
当部51によりカード10が排出される。この時、プレ
ート部材50の板バネ部52aは、インシュレータ30
の第1の溝37aに入り込む。
【0037】ここで、図2に示したイジェクト機構付き
コネクタの各部品を裏側から見た状態のイジェクト機構
付きコネクタにおける部品の構成例を図3に示す。この
図3に示したイジェクト機構付きコネクタの各部品をも
参照することで、各部品の形状が理解しやすくなるた
め、図3をも併用して以下の説明を行うことにする。
【0038】なお、図3に示すように、支軸36′がブ
リッジ部30cの上面に対する裏面上に設けられてい
る。この支軸36′は、イジェクト機構付きコネクタを
図3に示した状態で基板に実装して使用するときに採用
するものである。
【0039】カム部材60は、一方のフレーム部30a
の外側面に対向するカム部材60の内側面に形成されて
いるカム溝62と、上下の板厚面に設けられている一対
の回転軸63、及びカムストッパ64と、回転軸63側
の側面に設けたスプリング軸65とを有している。
【0040】カバー部材70は、金属板をプレス加工し
て作られており、所定間隔をもって互いに平行になって
いる上板72a及び下板72bの上下面にそれぞれに形
成されているカバー軸穴74と、上板72a及び下板7
2bの一端側から外側へ延びているカバーストッパ部7
6と、上板72a及び下板72bの長手方向に平行な一
辺から直交する方向へ延びている第1のカバー固定部7
7及び第2のカバー固定部78とを有している。
【0041】上板72a及び下板72bを他辺で接続し
ているカバー側面部71には、カバー板バネ部75が形
成されている。上板72a及び下板72b、カバー側面
部71の接続部分には、カバー軸穴74が形成されてい
る。カバー軸穴74には、カム部材60の回転軸63が
差し込まれる。カバー軸穴74と回転軸63とは、回転
可能に一体化される。カム部材60の外側面61は、カ
バー板バネ部75によって内側に押されるが、カムスト
ッパ64がカバーストッパ76に突き当たった状態で止
まる。
【0042】ボタン部材80は、図3にもっとも良く示
されているように、外側面に形成されているスプリング
軸82と、内側面に形成されているボタン固定溝83
と、一端側の内側面に形成されているボタン段差部84
と、ボタン段差部84の側面に形成されている第1のボ
タン軸85及び第2のボタン軸86とを有している。
【0043】イジエクトバー部材90は、外側面よりも
低く形成されているバー段差部91と、バー段差部91
に形成されているバー軸穴92と及び円弧状のバー長穴
93と、一端側の外側面に形成されている係止ピン94
と、一端面に形成されているバー溝95とを有してい
る。
【0044】ボタン部材80とイジェクトバー90と
は、摺動自在にカバー部材70に保持されている。ボタ
ン部材80のボタン段差部84とイジェクトバー部材9
0のバー段差部91とは互いに向き合う方向で、バー軸
穴92の中にボタン軸85が差し込まれる。この時、バ
ー長穴93にボタン部材80のボタン軸86が入り、バ
ー長穴93及びボタン軸86の回転角度を限定してい
る。
【0045】スプリング89の一方側の端部は、ボタン
部材80のスプリング軸82に差し込まれている。スプ
リング89の他方側の端部は、イジェクトバー部材90
を組み込んだボタン部材80が、カバー部材70に組み
込まれる時に、カム部材60のスプリング軸65に差し
込まれる。
【0046】この組立によりボタン部材80とイジェク
トバー部材90とは、ボタン部材80が突出する方向に
付勢されるが、カム部材60のカム溝62内に入ったピ
ン94によりボタン部材80の位置は規制される。
【0047】以上の組立によりカム部材60、カバー部
材70、ボタン部材80、スプリング89及びイジェク
トバー部材90は、一体化したイジェクトユニットとな
る。このイジェクトユニットのうち、カバー部材70の
カバー固定部77をインシュレータ30の第1のカバー
固定部34に、カバー70の第2のカバー固定部78を
インシュレータ30の第2のカバー固定部35に、ボタ
ン部材80のボタン固定溝83をボタン固定アーム33
に、それぞれ差し込むことによって、イジェクトユニッ
トは、インシュレータ30に固定される。
【0048】また、インシュレータ30の離脱方向Bに
おける他端側に設けられたアース端子固定部38には、
アース端子100が固定されている。アース端子100
は、アース固定部101とインシュレータ30のアース
端子固定部38とによりインシュレータ30に固定さ
れ、後述する基板に固定するためのフック部102とカ
ード10に帯電した静電気等の不要電流を機器外部に逃
がすためのアース端子部103とが一体で形成されてい
る。
【0049】図1に示したイジェクト機構付きコネクタ
は、カード10をインシュレータ30へ挿入する前の初
期状態を示しており、この時、ボタン部材80の先端8
1の位置は、カバー部材70の先端から寸法L突き
出している。
【0050】図4は、ボタン部材80の先端81がカバ
ー部材70の先端からL寸法の突出量で突出してい
る位置を示している(L>L)。図5は、ボタ
ン部材80の位置がカバー部材70の先端からL
法の突出量で突出している位置を示している(L
>L)。図6は、ボタン部材80の先端81
の位置が、カバー部材70の先端からL寸法だけの
突出量で突出している位置を示している(L>L
>L>L)。
【0051】以下に、図7乃至図9とともに、図1、図
4乃至図6をも参照しながら、イジェクト機構付きコネ
クタの動作を説明する。
【0052】図7は、カム部材60を内側面から見た状
態を示している。図7を参照して、カム部材60におけ
るカム溝62の各部の構成を説明する。
【0053】カム部材60は、図7にもっとも良く理解
できるように示されており、カム溝62の形状の全体が
略ハート形状を呈し、ボタン部材80の位置を規制する
循環型カムである。
【0054】次に、図7を参照しながら、カム溝60の
形状を説明すると、カム溝60は、カム部材60の長手
方向で、嵌合方向A側から離脱方向B側へ低くなるよう
に傾斜している傾斜溝62aと、この傾斜溝62aの嵌
合方向A側の一端に連接しかつ嵌合・離脱方向A,Bに
平行にかつカム部材60の離脱方向Aへ延びている上側
直線溝62cと、この上側直線溝62cに連接しカム部
材60の長手方向でかつ嵌合・離脱方向A,Bに平行に
延びている上側直線溝62d,62eとを有している。
【0055】さらに、カム溝60は、上側直線溝62e
から傾斜溝62aと同じ傾斜角度で下方へ延びている傾
斜溝62fと、この傾斜溝62fの嵌合方向A側の一端
に連接しかつ嵌合・離脱方向A,Bに平行にかつカム部
材60の嵌合方向Aへ延びている下側直線溝62g,6
2h,62i,62iと、この下側直線溝62iの嵌合
方向A側の一端に連接し嵌合方向A側から離脱方向B側
へ高くなるように傾斜して傾斜溝62aに連接している
傾斜溝62jとを有している。
【0056】さらに、また、カム溝60は、下側直線溝
62gの離脱方向B側からさらに離脱方向Bへ直線状に
延びている下側直線溝62p,62n,62mと、直線
溝62cから嵌合方向Aへ延長されている延長溝62x
とを有している。
【0057】上側直線溝62c,62d,62eと下側
直線溝62g,62h,62i,62pはこれらが上下
で平行な直線状の溝となっている。また、下側直線溝6
2pに連接している下側直線溝62n,62mは、他の
溝幅よりも上側へ拡大した大きな溝幅を有している。
【0058】カード10を挿入する方向である嵌合方向
Aにおいて、カム溝62のうち、上側直線溝62cの延
長部分である延長溝(図7におけるL−L寸法)6
2xの役目は、ボタン部材80の位置が押し込み状態か
ら突出状態に切り替わる頂点をカード10が嵌合する嵌
合方向Aに延長し、ボタン部材80の押し込み量を拡大
することにある。
【0059】ボタン部材80は、初期状態(図1に示す
寸法)、突出状態(図5に示すL寸法)、押
し込み状態(図4に示すL寸法)、及び押し込み量
拡大状態(図6に示すL寸法)の四つの位置をと
る。
【0060】図8は、カム溝62の溝深さをD1〜D5
で表現している。図8の溝深さD1〜D5は、数字が大
きくなるほど深さが深くなり、2つの数字の間に矢印が
ある部分は、斜面であることを示している。
【0061】イジェクトバー部材90のピン94は、図
1に示す初期状態において、溝深さD4の傾斜溝62a
に位置している。この時、図1に示した様に、ボタン部
材80の先端81の位置は、カバー部材70の先端から
寸法だけ突出している。
【0062】図4に示した様に、ボタン部材80の先端
81がカバー部材70の先端からL 寸法となる位置
まで押し込むと、イジェクトバー部材90もボタン部材
80と共に押し込まれる。このとき、イジェクトバー部
材90のピン94は、傾斜溝62aの溝壁62bに沿っ
て図7の右上方向に移動し、深さD5の上側直線溝62
cの部分に入る。
【0063】ボタン部材80を押し込む力をゆるめる
と、スプリング89の力によりボタン80とイジェクト
バー90とが押し戻され、ピン94は、上側直線溝62
c,62d,62e、傾斜溝62fと移動した後、溝深
さD5の下側直線溝62gに入る。この時、図5に示し
た様に、ボタン部材80の位置がカバー部材70の先端
からL寸法で突出した位置となる。この突出した位
置のボタン部材80を、その先端81がカバー部材70
の先端からL寸法となる位置まで押し込むと、ピン
94は、下側直線溝62h,62iを経て深さD2の傾
斜溝62jに入る。
【0064】ボタン部材80を押し込む力をゆるめる
と、ピン94は、傾斜溝62jの溝壁62kに沿って移
動して傾斜溝62aに至る。このときのボタン部材80
の位置は、図1に示す初期状態になる。以上に述べたピ
ン94の移動は、カム溝62の各部分の溝深さD1〜D
5により、常に一方向に移動する。
【0065】次に、図9(a)〜図9(g)を参照し
て、レバー部材40、カム部材60、ボタン部材80、
及びイジェクトバー部材90などの動きを説明する。図
9(a)は初期状態であり、ピン94は、傾斜溝62a
に位置している。ボタン部材80を押し込みピン94が
上側直線溝62cに入った時が図4及び図9(b)に示
す押し込み状態であり、イジェクトバー部材90は、レ
バー部材40から遠ざかる方向に回転する。
【0066】ボタン部材80を押し込む力をゆるめる
と、スプリング89の力によりボタン部材80とイジェ
クトバー90とが押し戻され、図9(c)に示すように
ピン94は上側直線溝62eに至る。
【0067】ボタン部材80とイジェクトバー90と
は、スプリング89の力によりさらに押し戻され、ピン
94は傾斜溝62fに沿って移動し、下側直線溝62g
に至る。そして、ボタン部材80は突出位置になる。こ
の時、イジェクトバー部材90は、レバー部材40に近
づく方向に回転する。この状態を図5及び図9(d)に
示す。
【0068】突出状態になったボタン部材80を再度押
し込むと、イジェクトバー部材90もボタン部材80と
共に押し込まれるが、この時、バー溝95内にレバー部
材40のレバー突当部42が入り込む。
【0069】なお、ボタン部材80及びイジエクトバー
90が押し込まれると共にレバー突当部42も押し込ま
れるが、この時、レバー部材40は、支軸36を中心と
する回転動作を行なうため、レバー連結穴43がボタン
部材80の押し込み方向とは逆向きに移動する。
【0070】さらに、レバー連結穴43には、プレート
部材50が差し込まれているため、プレート部材50も
ボタン部材80とは逆方向に移動する。この時、カード
突当部51がカード10を押し出すため、カード10は
排出される。この動作中にピン94は下側直線溝62
h,62iを通って傾斜溝62jに到達し、図9(e)
に示した状態になる。
【0071】カード10を排出するためにボタン部材8
0を押し込んでいた力をゆるめると、ピン94は傾斜溝
62aに戻り、ボタン部材80は初期状態になる。この
状態を図1及び図9(f)に示す。
【0072】インシュレータ30にカード10を再度挿
入すると、プレート部材50がカード10によって押し
込まれるためレバー部材40は、時計方向に回転する。
レバー部材40の回転によりレバー突当部42は、カー
ド10の挿入方向と反対方向に移動し、図1及び図9
(a)に示した状態に戻る。
【0073】以上に述べたようにイジェクト機構付きコ
ネクタでは、ボタン部材80が常に突出方向に付勢され
ているが、イジェクトバー90のピン94とカム部材6
0のカム溝62によってボタン部材80の位置は規制さ
れる。
【0074】その結果、カード10の挿抜に関わらずボ
タン部材80の位置は、初期状態に保たれ、カード10
の排出時にボタン部材80を押し込むとボタン部材80
は突出し、突出状態のボタン部材80を再度押し込むと
カード10の排出が可能となる。また、上記操作中の力
の伝達は、イジェクトバー部材90からレバー部材40
に直接伝える。
【0075】以下に、図9(b)にボタン部材の押し込
み状態を説明する。図1の状態から図4の状態では、ボ
タン部材80の先端面81は、カバー部材70先端から
寸法となる位置になる。ピン94はカム溝62のう
ち、上側直線溝62cに位置する。
【0076】本発明では、上側直線溝62cからカム溝
62をボタン押し込み方向に長さ(L−L)だ
け延長して62x部分を形成しているので、ボタン部材
80の押し込み量が拡大される。
【0077】ピン94が延長溝62xに位置する時、図
7及び図9(g)に示す様にボタン部材80の先端81
の位置は、カバー部材70の先端からL寸法で突出
している状態となり、図9(b)に示す押し込み状態よ
りも奥に押し込まれる。
【0078】なお、、図6に戻り、イジェクト機構付き
コネクタを基板111に実装し、機器本体の筐体115
に組み込んで使用する時、筐体115にはカード挿入口
116とボタン通過穴117が必要になる。
【0079】イジェクト機構付きコネクタを基板111
に実装して筐体115に組み込む時、ボタン部材80の
先端81がカバー部材70の先端からL寸法となる
まで押し込みながら組み立てる。筐体115が図6に示
した矢印114方向に組み込まれる際には、ボタン部材
80との干渉が防止できるため、ボタン通過穴117の
下側にはリブ117aが形成でき、筐体115の強度ア
ップが可能となる。
【0080】
【発明の効果】本発明によると、イジェクト機構の操作
力を、ボタン部材、イジェクトバー部材、及びレバー部
材と伝達するため、従来例で必要となっていた受け部材
(連結アーム)が不要となり部品点数が削減できる。
【0081】また、ボタン部材の先端の位置を、突出状
態・初期状態・押し込み状態の3状態以外に、筐体に組
込み用の位置を追加し、筐体に組込む時に、ボタン部材
を押し込み、突出量の寸法を変えることによって、筐体
のボタン通過穴の下側にリブを形成しても組立時の干渉
が防止できるようになる。その結果、筐体の剛性アップ
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイジェクト機構付きコネクタの一
実施の形態例をカードとともに示した斜視図である。
【図2】図1に示したイジェクト機構付きコネクタを分
解して示した斜視図である。
【図3】図2に示したイジェクト機構付きコネクタを裏
側から見た状態を示した斜視図である。
【図4】図1に示したイジェクト機構付きコネクタにお
いて、カードを嵌合した時のボタン部材の押し込み状態
における位置を示す斜視図である。
【図5】図1に示したイジェクト機構付きコネクタにお
いて、カードを嵌合した時のボタン部材の突出状態にお
ける位置を示す斜視図である。
【図6】図1に示したイジェクト機構付きコネクタにお
いて、カードを嵌合した時のボタン部材の押し込み状態
における位置を示す斜視図である。
【図7】図1に示したイジェクト機構付きコネクタにお
いて、カム部材のカム溝を説明するための説明図であ
る。
【図8】図7に示したカム溝の溝深さを説明するための
平面図である。
【図9】図1に示したイジェクト機構を説明する図であ
り、(a)〜(g)は、イジェクト部分の動作を説明し
た説明図である。
【図10】従来技術におけるイジェクト機構付きコネク
タを示し、筐体の組込み時の斜視図である。
【符号の説明】
10,200 カード 20,220 コンタクト 30,230 インシュレータ 33 ボタン固定アーム 36 支軸 37 段差部 40 レバー部材 42 レバー突当部 43 連結穴 50,250 プレート部材 51 カード突当部 52a 板バネ部 53 プレート連結部 60 カム部材 62 カム溝 63 回転軸 70,270 カバー部材 80,280 ボタン部材 83 ボタン固定溝 84 ボタン段差部 85 ボタン軸 92 ボタン軸穴 95 バー溝 93 バー長穴 89 スプリング 90 イジェクトバー部材 94 ピン 95 バー溝 111,311 基板 115 筐体 117 通過穴 117a リブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接続対象物と接続するコネクタ部と、前
    記接続対象物を前記コネクタ部に対して嵌合する嵌合方
    向及び前記接続対象物を前記コネクタ部から離脱させる
    離脱方向へ前記接続対象物を案内するガイド部と、嵌合
    状態にある前記接続対象物を離脱させるためのイジェク
    ト機構とを備えているイジェクト機構付きコネクタにお
    いて、 前記イジェクト機構は、カバー部材と、ボタン軸を設け
    たボタン部材と、前記ボタン軸を中心として前記ボタン
    部材を操作する前記嵌合方向と交差する第1の方向に回
    動自在に前記カバー部材に保持したカム部材と、ボタン
    軸を中心として前記ボタン部材を操作する前記嵌合方向
    と交差し、かつ前記第1の方向と交差する第2の方向に
    所定角度で回動自在に前記ボタン部材に保持したイジェ
    クトバー部材とを備えており、前記ボタン部材、前記カ
    ム部材、及び前記イジェクトバー部材が前記カバー部材
    に収容されており、前記ボタン部材と前記イジェクトバ
    ー部材とが摺動自在に前記カバー部材に保持されている
    ことを特徴とするイジェクト機構付きコネクタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のイジェクト機構付きコネ
    クタおいて、前記カム部材はカム溝を有し、該カム溝
    は、略ハート形状を呈しており、前記カム溝には、前記
    嵌合方向に延長部が形成されており、前記ボタン部材
    は、前記カバー部材の先端からの突出量が所定の寸法の
    初期状態、突出状態、押し込み状態、及び押し込み量拡
    大状態の四つの位置で突出状態が規定されていることを
    特徴とするイジェクト機構付きコネクタ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のイジェクト機構付きコネ
    クタにおいて、前記カム溝の前記延長部は、前記ボタン
    部材の押し込み量が拡大するよう前記ボタン部材の位置
    が押し込み状態から突出状態に切り替わる頂点を前記嵌
    合方向へ延長したものであることを特徴とするイジェク
    ト機構付きコネクタ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のイジェクト機構付きコネ
    クタにおいて、前記イジェクトバー部材が前記レバー部
    材を直接駆動することを特徴とするイジェクト機構付き
    コネクタ。
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