JP2002108020A - 改善された摩擦落ち特性を有するトナー樹脂 - Google Patents

改善された摩擦落ち特性を有するトナー樹脂

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JP2002108020A JP2001291258A JP2001291258A JP2002108020A JP 2002108020 A JP2002108020 A JP 2002108020A JP 2001291258 A JP2001291258 A JP 2001291258A JP 2001291258 A JP2001291258 A JP 2001291258A JP 2002108020 A JP2002108020 A JP 2002108020A
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toner resin
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Jr Gordon Edward Hardy
ゴードン・エドワード・ハーディ,ジュニア
Gary Lee Burroway
ゲーリー・リー・バローウェイ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な電荷安定性、対紙接着性および摩擦落
ち特性を示すトナー樹脂、その製造方法およびその樹脂
から製造されたトナーを提供する。 【解決手段】 本発明のトナー樹脂は、ビニル芳香族単
量体、アクリル系単量体およびアクリロニトリルから誘
導される繰返単位を含む。これらの樹脂はアクリル酸に
由来する繰返単位を含んでいない。本発明のトナー樹脂
は、また、12,000より大きい数平均分子量、3
6,000より大きい重量平均分子量および約45〜約
80℃の範囲内のガラス転移温度を有する。本発明のト
ナー樹脂は、典型的には、改善された対紙接着性、改善
された電荷安定性および高レベルの耐湿性と水分吸着抵
抗性(吸着水分は電荷を中和することが知られている)
を達成するために、二酸脂環式乳化剤を用いる乳化重合
で製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化重合で合成さ
れる、良好な電荷安定性、対紙接着性および摩擦落ち特
性を示すトナー樹脂、このような樹脂の製造方法および
このような樹脂から製造されるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】静電潜像のトナー粒子による現像は周知
である。静電潜像現像系の分野で達成された精巧さのレ
ベルには、何年間にもわたって顕著なものがあった。例
えば、1950年代の後期に商業化された、遅く、骨の
折れる手動式システムは、1秒当たり3枚もの多数のコ
ピーを作る精密な高速現像システムに発展した。その結
果、トナーの性能標準規格は静電複写法の発展の間にだ
んだんと厳しくなった。初期の手動式現像システムで
は、トナー粒子およびキャリア粒子は、静電潜像を持っ
ている画像形成表面の全面で、それら画像形成表面とト
ナーおよびキャリア粒子を含んでいるトレーを手で傾け
て単に動かされていた。しかし、近年、トナー粒子は極
めて高速度で動いている画像形成表面全面で何千回も自
動的に再循環されている。かくして、耐久性トナー材料
には激しい長期連続使用の物理的痛撃に耐えることが必
要とされる。さらに、画像形状で付着したトナー粒子
は、今度は、極めて短時間に融着されなければならな
い。
【0003】静電複写機および同印刷機には寸法制限が
あるために、融着路は相対的に短くなければならない。
限られた融着路という制約内で融着させる目的のために
付着トナー画像に適用される熱エネルギーを増して、十
分な定着をより高速で達成しようとすると、トナー画像
を持つ基材の炭化温度または燃焼温度に近づくことにな
る。フラッシュ定着技術を用いることにより融着路を短
くしようとする試みは、その結果として、ある種のトナ
ーでは、その成分の分解のために有害な煙霧を生成させ
ることが多い。さらに、静電複写画像形成システムを作
動させるエネルギーのコストと入手性が、高まってきて
いるユーザーの関心事である。加えて、トナー材料は静
電潜像の現像に適正な摩擦帯電性を有していなければな
らないが、一方貯蔵および輸送中に凝集してはならな
い。かくして、高速静電複写機および同印刷機の過酷な
環境に耐えることができ、そして、また、より少ないエ
ネルギーを用いてより低い温度で融着させることができ
る、安定な電気的および物理的性質を有する改善された
トナーの大きな必要が存在する。
【0004】静電潜像をトナー樹脂と顔料粒子との溶融
ブレンドから成るトナー組成物により現像できることは
周知である。このようなシステムでは、負に帯電したト
ナー粒子が正に帯電した静電潜像の現像に一般に選ばれ
る。しかし、近年、トナー樹脂の粒子に正電荷を付与す
る目的から電荷増強添加剤を含んでいる正に帯電したト
ナー組成物の使用がより好まれるようになった。これら
の正に帯電したトナー組成物は、層状の有機受光画像形
成部材上に形成された負に帯電した静電潜像の現像を引
き起こすのに特に有用である。負に帯電した静電潜像の
現像を引き起こすのに有用な正に帯電したトナー組成物
の例は、米国特許第4,298,672号、同第4,3
38,390号および同第4,469,770号明細書
に開示されている。
【0005】正に帯電したトナー組成物の厳しい諸要件
を満たしているスチレンとブタジエンとのある種特定の
共重合体が開発された。このようなスチレン−ブタジエ
ン共重合体はいろいろな技術で製造できるが、乳化重合
が最も一般的である。しかし、安定な電荷を形成するよ
うに設計されたトナーを製造する際に使用されるこのよ
うなトナー樹脂の製造には、乳化重合を利用することに
関連した、従来から認められている多数の欠点がある。
例えば、乳化重合で製造されたトナー樹脂には、典型的
には、望ましくない残留汚染物が存在する。多くの場
合、これらの残留汚染物はトナー樹脂の性能特性に非常
に有害な影響を及ぼす。
【0006】乳化重合でトナー樹脂を製造する際には、
一般に、ロジン酸(rosin acids)および脂肪酸が乳化
剤として使用される。トナー樹脂中における残留ロジン
酸および残留脂肪酸の存在は、安定な電荷を形成するそ
れらトナー樹脂の能力を制限する。このようなトナー樹
脂中には、一般に、水性エマルジョンから樹脂を回収す
る際に用いられた凝固剤も残留汚染物として存在する。
ある樹脂の残留灰分含有量の測定(樹脂を燃焼させるこ
とにより測定される)は、その樹脂中の総残留汚染物の
1つの指標である。凝固剤由来のこのような残留汚染物
の存在も、このような樹脂を用いて造られたトナーの安
定な電荷を形成する能力を制限するのである。これらの
理由から、乳化重合は、一般に、このようなトナー樹脂
を合成するための溶液重合技術および懸濁重合技術より
も劣ると考えられてきた。
【0007】米国特許第5,247,034号明細書
は、トナー樹脂の合成におけるアミノ酸石鹸の使用を開
示し、そしてロジン酸石鹸または脂肪酸石鹸を利用する
ことに関連した諸問題の一部を回避している。このよう
なエマルジョンは塩を使用しなくてもそれを凝固させる
ことができるという事実によって、この米国特許第5,
247,034号明細書に開示される方法で製造された
樹脂は低残留汚染物レベルを示す。これは、汚染物の存
在は実現され得る電荷レベルを低下させるという点で有
利である。汚染物のレベルが低いことの結果として、ア
ミノ酸石鹸を用いて製造されたトナー樹脂は、水分の感
受性および吸着に対して卓越した抵抗性を示す。この特
長は、吸着水分は電荷を中和することが知られているか
ら、これらの樹脂から製造されたトナーに、他の石鹸か
ら製造された樹脂に比べて、より良好な電荷安定性を与
える。しかし、この米国特許第5,247,034号明
細書の技術を使用して合成された樹脂を用いて造られた
トナーは、対紙接着特性が低い。
【0008】米国特許第5,852,151号明細書
は、(1)ビニル芳香族単量体、並びに共役ジエン単量
体およびアルキルアクリレート単量体とアルキルメタク
リレート単量体とから成る群から選ばれるアクリレート
系単量体より成る群から選ばれる第二単量体を、二酸脂
環式乳化剤の存在下で乳化共重合して重合体を生成さ
せ、そして(2)生成重合体を水性エマルジョンから回
収する工程を含む、トナー樹脂として特に有用な重合体
を製造する方法を開示している。この米国特許第5,8
52,151号明細書に開示される乳化重合法で製造さ
れたトナー樹脂は、接着特性を弱めることなく非常に安
定な電荷を形成する能力を有する。
【0009】米国特許第5,683,848号および同
第5,804,349号明細書は、 (i)イオン性界面活性剤および任意成分としての非イ
オン性界面活性剤の存在下で、約55〜約80重量パー
セントのスチレン、約1〜約25重量パーセントのアク
リレート、約1〜約20重量パーセントのアクリロニト
リルおよび約0.5〜約5重量パーセントのアクリル酸
より成る混合物の乳化重合により生成されるラテックス
エマルジョンを製造し;(ii)そのラテックスエマル
ジョンを、高剪断ブレンド法により、顔料、および上記
ラテックスエマルジョン中のイオン性界面活性剤とは反
対の電荷極性を持つイオン性界面活性剤より成る水性顔
料分散液と混合し;(iii)得られた凝集性混合物を
そのラテックス樹脂のガラス転移温度(Tg)より約3
0℃低い温度からそのガラス転移温度より約10℃高い
温度までのある温度において加熱して、トナーの大きさ
となった静電結合凝集体を形成し;(iv)続いてその
凝集体懸濁液を上記ラテックス樹脂のガラス転移温度よ
り約10〜約50℃高いある温度において加熱し;そし
て、場合によっては、(v)そのトナーを洗浄し、乾燥
し、そして表面添加剤と乾式ブレンドすることから本質
的に成るトナーの製造方法を開示している。これらの米
国特許第5,683,848号および同第5,804,
349号明細書に記載される方法で製造されたトナー樹
脂は、扱い易くかつ経済的な黒色のおよび着色された強
固な、異なる紙基材に卓越した画像定着特性と光沢特性
とを与えるトナー組成物を提供すると報告されている。
これらの米国特許第5,683,848号および同第
5,804,349号明細書に記載されるトナー樹脂
は、約55〜約80重量パーセントのスチレン、約5〜
約25重量パーセントのアクリレート、約1〜約20重
量パーセントのアクリロニトリルおよび約0.5〜約5
重量パーセントのアクリル酸を含み、そして約18,0
00〜約35,000の重量平均分子量(Mw)および
約5,000〜約10,000の数平均分子量(Mn)
を有する。
【0010】米国特許第5,910,387号明細書
は、着色剤、並びにスチレン、ブタジエン、アクリロニ
トリルおよびアクリル酸の付加重合体樹脂から成り、そ
の樹脂が、スチレン標準に対して、約15,000〜約
35,000の重量平均分子量(Mw)および約3,0
00〜約12,000の数平均分子量(Mn)を有する
るトナー組成物を開示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従って、良
好な電荷安定性、対紙接着性および摩擦落ち特性を有す
るトナー樹脂、その製造方法およびその樹脂から製造さ
れる高レベルの摩擦落ち抵抗性を示すトナーを提供する
ことを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明の概要 背面斑痕形成(back marking)としても知られている摩
擦落ちは、トナーの一部分が融着画像シートからその画
像シートの上に重なっている他のシートの背面に、それ
ら2枚のシートが擦り合わされるときに移されると起こ
る。摩擦落ちのひどさは、その影響を受けた画像領域全
面の反射光強度をディジタル化し、そして明るさの分布
を求めることによって測定される。この分布曲線の標準
偏差を測定することにより、摩擦落ちの小さな相違を最
もよく求めることができる。この方法によれば、きれい
な紙の表面は<0.2の摩擦落ち値を有するだろう。摩
擦落ち値3は許容できる品質であると見なされ、一方摩
擦落ち値6は問題がある品質と見なされる。摩擦落ち値
9は全く許容できない品質であると見なされる。
【0013】本発明は、良好な電荷安定性、対紙接着性
および摩擦落ち特性を示す、乳化重合で合成されるトナ
ー樹脂に関する。本発明のトナー樹脂はビニル芳香族単
量体、アクリル系単量体およびアクリロニトリルから誘
導される繰返単位を含む。これらの樹脂はアクリル酸に
由来する繰返単位を含んでいない。本発明のトナー樹脂
は、また、12,000より大きい数平均分子量、3
6,000より大きい重量平均分子量および約45〜約
80℃の範囲内のガラス転移温度も有する。本発明のト
ナー樹脂は、典型的には、改善された対紙接着性、改善
された電荷安定性、高水準の耐湿性と水分吸着抵抗性
(吸着水分は電荷を中和することが知られている)を達
成するために、二酸脂環式乳化剤を用いる乳化重合によ
り製造される。
【0014】トナー樹脂を合成する際に二酸脂環式乳化
剤を使用する場合、ロジン酸石鹸または脂肪酸石鹸を使
用することに関連がある問題の一部が除かれる。このよ
うなエマルジョンは塩を使用しなくてもそれを凝固させ
ることができるという事実によって、このような方法で
製造された樹脂は低残留汚染物レベルを示す。これは、
汚染物の存在は実現され得る電荷レベルを低下させると
いう点で有利である。汚染物のレベルが低いことの結果
として、上記二酸脂環式乳化剤を用いて製造されたトナ
ー樹脂は水分の感受性と吸着とに対して卓越した抵抗性
を示す。この特長は、吸着水分は電荷を中和することが
知られているから、これらの樹脂から製造されたトナー
に、標準的な石鹸から製造された樹脂に比べて、より良
好な電荷安定性を与える。
【0015】二酸脂環式乳化剤を使用して合成された樹
脂を用いて製造されたトナーは、また、著しく改善され
た対紙接着性も示す。これは、印刷機および複写機がエ
ネルギーの節約をもたらすことになるより低い融着温度
で作動するのを可能にするから、極めて望ましい性質で
ある。より良好な接着特性は、普通、印刷機および複写
機をより高速で運転することも可能にする。
【0016】本発明の方法を用いることによって、非常
に高品質のトナー樹脂を製造することができる。これら
のトナー樹脂は接着特性を弱めることなく非常に安定な
電荷を形成する能力を有し、しかも高水準の摩擦落ち抵
抗性を有するトナーを製造する際に使用することができ
る。
【0017】本発明は、さらに具体的に述べると、
(a)ビニル芳香族単量体、(b)アルキルアクリレー
ト単量体およびアルキルメタクリレート単量体より成る
群から選ばれるアクリレート系単量体および(c)アク
リロニトリルから誘導される繰返単位を含む重合体であ
って、アクリル酸に由来する繰返単位を含んでいないそ
のような重合体を含むトナー樹脂を明らかにするもので
ある。これらのトナー樹脂は、典型的には、二酸脂環式
乳化剤をある残留量で含み、12,000より大きい数
平均分子量を有し、そして36,000より大きい重量
平均分子量を有する。
【0018】本発明は、さらに、(a)(i)ビニル芳
香族単量体、(ii)アルキルアクリレート単量体およ
びアルキルメタクリレート単量体より成る群から選ばれ
るアクリレート系単量体および(iii)アクリロニト
リルから誘導される繰返単位を含む重合体にして、アク
リル酸に由来する繰返単位を含んでいないそのような重
合体、(b)残留量の二酸脂環式乳化剤および(c)顔
料を含むトナーを開示する。
【0019】本発明は、また、(1)(a)ビニル芳香
族単量体、(b)アルキルアクリレート単量体およびア
ルキルメタクリレート単量体より成る群から選ばれるア
クリレート系単量体および(c)アクリロニトリルを、
二酸脂環式乳化剤の存在下で乳化共重合して重合体を生
成させ;そして(2)生成重合体を水性エマルジョンか
ら回収する工程を含む、トナー樹脂として特に有用な重
合体を製造する方法も明らかにする。
【0020】発明の詳しい説明 本発明の方法を用いることにより製造されるトナー樹脂
は、(a)ビニル芳香族単量体、(b)アルキルアクリ
レート単量体およびアルキルメタクリレート単量体より
成る群から選ばれるアクリレート系単量体および(c)
アクリロニトリルから誘導される繰返単位を含む。場合
によっては、1,3−ブタジエンまたはイソプレンのよ
うな共役ジオレフィン単量体もこのトナー樹脂に含める
ことができる。いずれにしても、これらのトナー樹脂は
上記のビニル芳香族単量体、アクリレート系単量体およ
びアクリロニトリルの三元共重合により製造される。
【0021】一般的にいえば、遊離ラジカル系で重合す
ることが知られているいずれのビニル芳香族単量体も使
用できる。このようなビニル芳香族単量体は、典型的に
は、8〜20個の炭素原子を含んでいる。通常、このビ
ニル芳香族単量体は8〜14個の炭素原子を含んでい
る。使用できるビニル芳香族単量体の幾つかの代表的な
例を挙げると、スチレン、1−ビニルナフタレン、2−
ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピル
スチレン、t−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルス
チレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベン
ジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、ジビ
ニルベンゼン等がある。スチレンが一般に最も好ましい
ビニル芳香族単量体である。
【0022】使用できるアルキルアクリレート単量体
は、一般に、次の構造式:
【0023】
【化1】
【0024】(式中、Rは1〜10個の炭素原子を含ん
でいるアルキル基を表す。)を有するものである。この
ようなアルキルアクリレート単量体中のアルキル基は、
2〜8個の炭素原子を含んでいるのが好ましく、4個の
炭素原子を含んでいるアルキル基が最も好ましい。従っ
て、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアク
リレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが好ま
しいアルキルアクリレート単量体であり、ブチルアクリ
レートが最も好ましい。このようなアルキルアクリレー
ト単量体中のアルキル基は直鎖状であることもできる
し、或いは分枝鎖状であることもできる。かくして、n
−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、
n−ブチルアクリレートまたはt−ブチルアクリレート
が用い得る。n−ブチルアクリレートが特に好ましい単
量体である。
【0025】使用できるアルキルメタクリレート単量体
は、普通、1〜約20個の炭素原子を含んでいるアルキ
ル基を有する。このアルキルメタクリレート単量体は2
〜12個の炭素原子を含んでいるアルキル基を有してい
るのが好ましい。使用できるアルキルメタクリレート単
量体の幾つかの代表的な例として、メチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられる。
【0026】場合によって使用することができる共役ジ
エン単量体は、典型的には、4〜約10個の炭素原子を
含んでいる。一般に、共役ジエン単量体は4〜約6個の
炭素原子を含んでいる。イソプレンおよび1,3−ブタ
ジエンが、本発明の方法でトナー樹脂を製造する際の使
用に極めて好ましい共役ジエン単量体である。
【0027】本発明のトナー樹脂は、所望とされる摩擦
落ち抵抗性を達成するために、少なくとも約15重量パ
ーセントのアクリロニトリルを含んでいることが決定的
に重要なことである。ほとんどの場合、トナー樹脂は約
15〜約30重量パーセントのアクリロニトリル(アク
リロニトリルから誘導される繰返単位)を含んでいる。
トナー樹脂は約17〜約25重量パーセントのアクリロ
ニトリルを含んでいるのが普通は好ましい。トナー樹脂
は約18〜約22重量パーセントのアクリロニトリルを
含んでいるのが普通は最も好ましい。
【0028】重合体中のアクリロニトリルのレベルが増
加されるにつれて、重合体のガラス転移温度を所望とさ
れる範囲内に保持するために重合体中のアクリレートレ
ベルを高めることもまた必要である。いずれにしても、
本発明のトナー樹脂は約15〜約30重量パーセントの
アクリレート系単量体から誘導される。本発明のトナー
樹脂は約17〜約25重量パーセントのアクリレート系
単量体を含んでいるのが一般に好ましい。本発明のトナ
ー樹脂は約18〜約22重量パーセントのアクリレート
系単量体を含んでいるのが一般にさらに好ましい。
【0029】トナー樹脂の残りは、ビニル芳香族単量
体、そして、場合によっては共役ジオレフィン単量体か
ら誘導される。従って、トナー樹脂中のビニル芳香族単
量体と共役ジオレフィン単量体との総量は、典型的に
は、約40〜約70重量パーセントの範囲内にある。共
役ジオレフィン単量体を用いる場合、それは、典型的に
は、約2〜約20重量パーセントの範囲内のレベルで存
在する。共役ジオレフィン単量体を用いる場合、それ
は、さらに典型的には、約5〜約15重量パーセントの
範囲内のレベルで存在する。
【0030】典型的なトナー樹脂は、約40〜約70重
量パーセントのスチレン、約15〜約30重量パーセン
トのn−ブチルアクリレートおよび約15〜約30重量
パーセントのアクリロニトリルを含む。1つの好ましい
トナー樹脂は、約50〜約66重量パーセントのスチレ
ン、約17〜約25重量パーセントのn−ブチルアクリ
レートおよび約17〜約25重量パーセントのアクリロ
ニトリルを含む。1つのさらに好ましいトナー樹脂は、
約56〜約64重量パーセントのスチレン、約18〜約
22重量パーセントのn−ブチルアクリレートおよび約
18〜約22重量パーセントのアクリロニトリルを含
む。
【0031】本発明のトナー樹脂は、典型的には、約4
5〜約80℃の範囲内のガラス転移温度を有する。この
重合体は、普通、約55〜約70℃の範囲内のガラス転
移温度を有するのが好ましく、60〜65℃の範囲内の
ガラス転移温度を有するのが最も好ましい。一般に、ビ
ニル芳香族単量体のレベルの高い方がより高いガラス転
移温度をもたらす。他方、ビニル芳香族単量体のレベル
の低い方では、より低いガラス転移温度を有する重合体
がもたらされる。一般に、この重合体のガラス転移温度
は約40℃以下となるべきではない。より低いガラス転
移温度は、トナー樹脂用途での使用には軟らか過ぎる重
合体であることを示すからである。トナーの脆さは、ト
ナー樹脂のガラス転移温度が約70℃以上であるなら
ば、妥協できるものとなる。
【0032】本発明の方法を実施する際には、遊離ラジ
カル乳化重合技術が用いられる。このような遊離ラジカ
ル乳化重合を開始するのに、本質的にいかなるタイプの
遊離ラジカル生成手段も用いることができる。例えば、
遊離ラジカルを生成する化合物、紫外線または放射線を
用いることができる。満足できる重合速度、均質性およ
び制御可能な重合を保証するために、化学的な遊離ラジ
カル生成剤が一般に用いられる。一般に使用される遊離
ラジカル開始剤の幾つかの代表的な例を挙げると、過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、
過酸化水素、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペ
ルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、デカノイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、
クメンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオ
キシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、アセチルアセ
トンペルオキシド、ジセチルペルオキシジカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペル
オキシマレイン酸、t−ブチルペルオキシベンゾエー
ト、アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオキシド等
のような各種過酸素化合物;2−t−ブチルアゾ−2−
シアノプロパン、ジメチルアゾジイソブチレート、アゾ
ジイソブチロニトリル、2−t−ブチルアゾ−1−シア
ノシクロヘキサン、1−t−アミルアゾ−1−シアノシ
クロヘキサン等のような各種アゾ化合物;および2,2
−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、エチル 3,
3−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブチレート、1,1
−ジ−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等のよ
うな各種アルキルペルケタールがある。過硫酸カリウム
および過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩系開始剤が
このような水性乳化重合において特に有用である。過酸
化水素も本発明の方法で用いることができる極めて好ま
しい遊離ラジカル開始剤である。
【0033】一般的にいえば、約0.1〜約1.0ph
m(単量体100部当たりの部数)の開始剤が、本発明
の共重合を開始するのに用いられる。ほとんどの場合、
約0.2〜約0.7phmの遊離ラジカル開始剤が用い
られる。約0.3〜約0.5phmの遊離ラジカル開始
剤を用いるのが好ましい。
【0034】重合体の分子量を下げるために、乳化重合
を1種または2種以上の連鎖移動剤の存在下で行うこと
ができる。連鎖移動剤は、典型的には、0.005〜約
6phmの範囲内のレベルで用いられる。アルキルメル
カプタンは連鎖移動剤としての使用に特に好ましい。t
−ドデシルメルカプタンおよびn−ドデシルメルカプタ
ンが極めて好ましく、n−ドデシルメルカプタンが最も
高度に好ましい。分子量がより小さいアルキル基を有す
るメルカプタンの方が、分子量に劇的な低下を引き起こ
す。しかし、このような低分子量メルカプタンの使用は
臭気問題をもたらす。例えば、このような低分子量メル
カプタンを使用して製造された樹脂を用いて製造したト
ナーは、そのトナー樹脂を最終的に複写機で用いたとき
に非常に不快な臭いを出す可能性があるのである。より
高い分子量のメルカプタンは、一般的には、臭気問題を
引き起こさない。しかし、それらは遊離ラジカル乳化重
合で製造される重合体の分子量を低下させる際にあまり
有効ではない。典型的には、連鎖移動剤は重合全体を通
じて所定量ずつ増分添加することが有利である。
【0035】乳化重合でトナー樹脂を合成するに当たっ
ては、広範囲の乳化剤を用いることができる。例えば、
ロジン酸および脂肪酸がトナー樹脂を製造する際に乳化
剤として使用することができる。しかし、本発明の三元
共重合は二酸脂環式乳化剤の存在下で行われるのが好ま
しい。これらの二酸脂環式石鹸は、典型的には、カルボ
キシル基および脂肪酸基を結合して含んでいるシクロア
ルケン類およびシクロアルカン類であり、ここでその脂
肪酸基は1〜約25個の炭素原子を含む。普通は、二酸
脂環式乳化剤は次の構造式:
【0036】
【化2】
【0037】を有するものであるのが好ましい。但し、
上記の式において、nは1〜約35の整数であり、mは
0〜25の整数であり、そしてR1、R2およびR3は水
素原子、および1〜約25個の炭素原子を含んでいるア
ルキル基より成る群から選ばれる。次の構造式:
【0038】
【化3】
【0039】を有するカルボキシ−4−ヘキシル−2−
シクロヘキセン−1−オクタン酸が極めて好ましい二酸
脂環式乳化剤である。二酸脂環式乳化剤は、また、次の
構造式:
【0040】
【化4】
【0041】を有するシクロヘキサンであることもでき
る。但し、上記の式において、nは1〜約35の整数で
あり、mは0〜25の整数であり、そしてR1、R2およ
びR3は水素原子、および1〜約25個の炭素原子を含
んでいるアルキル基より成る群から選ばれる。
【0042】使用される二酸脂環式乳化剤は、また、塩
の形をしていることもできる。塩は二酸脂環式乳化剤を
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウ
ム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンまたは
トリエタノールアミンのような適切な塩基と反応させる
ことにより容易に形成することができる。一般に、ナト
リウム塩が好ましい。
【0043】一般的には、水性重合媒体を調製する際に
約0.5〜約6phmの二酸脂環式乳化剤が使用され
る。約0.5phmより少ない二酸脂環式石鹸の使用は
ラテックスを不安定なものに至らしめる。他方、約6p
hmより多い二酸脂環式乳化剤の使用は単離問題を引き
起こす。ほとんどの場合、1〜3phmの二酸脂環式石
鹸を用いるのが好ましい。最良の結果を達成するために
必要とされる二酸脂環式乳化剤の精密な量は、勿論、重
合される単量体により変わる。しかし、この技術分野の
当業者であれば、最良の結果を達成するために必要とさ
れる乳化剤の特定の量を容易に確認することができるだ
ろう。ある場合には、二酸脂環式乳化剤を重合が進むに
つれて所定量ずつ増分添加するのが有益なこともある。
【0044】遊離ラジカル重合は、典型的には、約10
0゜F(39℃)〜約200゜F(93℃)の範囲内の
温度で行われる。重合は約115゜F(46℃)〜約1
75゜F(74℃)の範囲内の温度で行われるのが一般
に好ましい。転化レベルを上げるためには、重合が進行
するにつれて温度を上げるのが一般に有利である。例え
ば、重合温度を重合開始時に約125゜F(52℃)に
保持し、そして重合の終点における約175゜F(74
℃)の最終温度まで上昇させることができる。
【0045】このような遊離ラジカル乳化重合を行うた
めに必要とされる重合時間は、一般に、約3〜約12時
間の範囲である。ほとんどの場合、この重合反応を約4
〜約8時間で完了させることができる。重合はバッチ法
として行うことができる。しかし、一般的には、単量体
を約2〜約6時間にわたって装填する半連続法を用いる
のが有利である。典型的には、単量体を約3〜約5時間
にわたり装填するのが最も好ましい。
【0046】重合が完了せしめられた後、そのトナー樹
脂は凝固によってそのエマルジョンから回収することが
できる。カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、
亜鉛塩等のような二価の塩がその凝集において使用する
ことができる。アルミニウム塩のような三価の塩が一般
により良好である。このラテックスは、これを、明礬
(硫酸アルミニウム・カリウム)、または硫酸、塩酸、
硝酸若しくは酢酸のような酸で凝固させることができ
る。ラテックスを硫酸で凝固させるのが極めて好まし
い。このような凝固法においては、塩またはアミンを用
いることは必要でない。実際に、この凝固を塩またはア
ミンの非存在下で行うのが極めて好ましい。これは、こ
のような化合物の残留量がトナー樹脂の最終的な性質に
とって有害であるからである。塩酸を使用できるが、そ
れは腐食性に過ぎ、HClガスを放出する可能性があるた
め、一般的には好ましくない。硝酸も腐食性に過ぎ、亜
酸化窒素を放出する可能性がある。酢酸の使用は臭気問
題をもたらす可能性がある。これらの理由から、硫酸が
上記凝固を行う際の使用に極めて好ましいのである。
【0047】次に、凝固により回収された樹脂のケーキ
は、典型的には、濾過され、そして水で洗浄される。こ
れを、次に、シネレシスとして知られる、米国特許第
2,615,206号明細書に記載される方法で脱水さ
せることができる。この米国特許第2,615,206
号明細書の教示全体が、これをここで参照することによ
り本明細書に含まれるものである。本発明の方法で製造
された樹脂はこのような脱水法を受けることができる。
このシネレシス法では、樹脂のケーキはこれを収縮させ
る(縮ませる)ある高められた温度まで単に加熱され、
それによってそのケーキから水を絞り出す。このシネレ
シス法は、典型的には、この樹脂の含水量を約70パー
セントから約30パーセントまで低下させる。樹脂は次
いでエプロンドライヤーでさらに乾燥することができ
る。
【0048】トナーは、本発明のトナー樹脂を使用し、
標準的な方法を用いて製造することができる。このよう
なトナー樹脂は、このトナー樹脂、およびカーボンブラ
ックまたは酸化鉄のような少なくとも1種の顔料から成
る。顔料としてカーボンブラックを用いる場合、それ
は、普通、約2〜約10重量パーセントの範囲内の量で
トナー組成物中に存在する。典型的には、カーボンブラ
ックは約5〜約7重量パーセントの範囲内の量で存在す
るのが好ましい。顔料として酸化鉄を用いる場合、それ
は、普通、約10〜約60重量パーセントの範囲内の量
でトナー組成物中に存在する。
【0049】トナー組成物は、場合によっては、電荷制
御剤および/またはワックスを含んでいることができ
る。電荷制御剤を用いる場合、それは、普通、約0.5
〜約3重量パーセントの範囲内の量で存在する。トナー
にワックスを含める場合、それは、典型的には、約1〜
約10重量パーセントの範囲内の量で存在する。
【0050】本発明は、例示の目的から単に与えられる
次の実施例により例証されるが、それを以て本発明の範
囲または本発明を実施し得る方法が限定されるものとは
見なされるべきでない。特に指摘されない限りは、部数
および百分率は全て重量で与えられるものとする。
【0051】実施例1 この実験においては、本発明の乳化重合技術を用いてト
ナー樹脂を合成した。使用した手順において、水17,
490グラム、カルボキシ−4−ヘキシル−2−シクロ
ヘキセン−1−オクタン酸乳化剤であるジアッシド(Di
acid:登録商標)1550の10パーセント水溶液3,
180グラム、水酸化ナトリウム31.8グラム、硫酸
ナトリウム63.6グラム、t−ドデシルメルカプタン
(連鎖移動剤)1.3グラムおよび過硫酸アンモニウム
55.65グラムを10ガロン(37.85リットル)
の反応器に仕込んだ。次いで、単量体を上記反応器に
8.9ポンド(4.0kg)/時の速度で4時間にわた
って連続的に仕込んだ。この4時間の期間中に、スチレ
ン9,540グラム、n−ブチルアクリレート3,18
0グラム、アクリロニトリル3,180グラムおよびt
−ドデシルメルカプタン159グラムをその重合反応器
に水溶液として仕込んだ。この単量体仕込み物はスチレ
ンを60重量パーセント、n−ブチルアクリレートを2
0重量パーセントおよびアクリロニトリルを20重量パ
ーセント含んでいた。
【0052】重合温度を、生成ラテックスの固形分含有
量をモニターしながら約125゜F(52℃)に保持し
た。約5時間の重合時間後で、約40パーセントの固形
分含有量が達成されたとき、その重合温度を約172゜
F(78℃)に上げ、そして重合をさらに3時間続け
た。全8時間の重合時間後に約45パーセントという最
終固形分含有量が達成された。
【0053】このラテックスを、次に、その5.5ポン
ド(2.5kg)を、25グラムの硫酸を含んでいる2
5ポンド(11kg)の水に、150゜F(66℃)に
おいて注加することによって凝固させた。その樹脂を水
から濾別し、2回洗浄し、そして140゜F(60℃)
において最終水分率が約0.1パーセントになるまで乾
燥した。この実験で回収された樹脂の重量は2.36ポ
ンド(1kg)であった。
【0054】実施例2 この実験では、実施例1で合成されたトナー樹脂を用い
てトナーを製造した。このトナーは、実施例1で合成さ
れた樹脂92部をカボット社(Cabot Corporation)か
らのレーガル(Regal:登録商標)330カーボンブラ
ックの6部およびウィトコ社(Witco Corporation)か
らのアロサーフ(Arosurf:登録商標)TA−101
1−オクタデカンアミニウム,N,N−ジメチル−N−
オクタデシル−クロリド電荷制御剤の2部と押出機中で
溶融混合することによって製造された。この混合物を冷
却し、約1mmの顆粒になるまで機械的に粉砕し、次い
でジェットミルで約10ミクロンの中容積粒径まで微粉
砕してトナーとした。
【0055】このトナーの摩擦落ち特性を、このトナー
から形成された圧縮ペレットを紙の表面に擦りつけ、そ
してその紙に移ったトナーにより作られた斑痕(mark)
の光学濃度を測定することによって定量的に求めた。上
記ペレットは、トナーの0.5グラム試料を、1cmの
直径を有するダイに、5000ポンドの荷重下、周囲温
度(約20℃)において少なくとも1分間入れて置くこ
とによって作られた。このペレットを、次に、紙の表面
に対して1.9kgの荷重下で擦りつけて画像縞模様を
作った。
【0056】次に、これら画像の摩擦落ち特性を、その
影響を受けた画像領域全面の反射光強度をディジタル化
し、そして明度分布を測定することによって求めた。こ
の画像の摩擦落ち値は、許容できると見なされる3.3
であることが確認された。
【0057】比較例1〜3 この一連の実験においては、スチレン/n−ブチルアク
リレート/アクリロニトリルトナー樹脂が、実施例1で
用いられたのと同じ一般的手順を用いて合成された。但
し、その単量体仕込み組成物は、表1に示される組成を
有する樹脂を合成するように調整された。次に、トナー
を実施例2に記載した手順を用いて造るときにこれらの
樹脂を用いた。これらのトナーについて、次に、それら
の摩擦落ち抵抗性を評価し、確認した。この評価結果も
表1に報告される。
【0058】
【表1】
【0059】本発明(実施例2)に従って製造されたト
ナー樹脂は、3.3の摩擦落ち値を有していた。3とい
う摩擦落ち値は許容できる品質であると見なされるもの
である。しかし、約6という摩擦落ち値は問題があると
見なされる。かくして、比較例2および3で製造された
トナー樹脂は、それらの摩擦落ち特性の観点からは非常
に良好であるとは考えられない。9より大きい摩擦落ち
値は全く許容できないと見なされる。かくして、比較例
1で製造されたトナーは、その摩擦落ち特性の観点から
は完全な不合格であると見なされた。
【0060】以上本発明を例示説明する目的のためにあ
る特定の代表的態様と細部を示したが、この技術分野の
当業者には、本発明にはその範囲を逸脱することなくい
ろいろな変更および修正をなし得ることは明白であろ
う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 590002976 1144 East Market Stre et,Akron,Ohio 44316− 0001,U.S.A. (72)発明者 ゴードン・エドワード・ハーディ,ジュニ ア アメリカ合衆国オハイオ州44236,ハドソ ン,パークサイド・ドライブ 2735 (72)発明者 ゲーリー・リー・バローウェイ アメリカ合衆国オハイオ州44230,ドイル ズタウン,ウォール・ロード 298 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AB06 CA06 CA14 CA30 DA01 EA03 EA06 EA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ビニル芳香族単量体、(b)アル
    キルアクリレート単量体およびアルキルメタクリレート
    単量体より成る群から選ばれるアクリレート系単量体お
    よび(c)アクリロニトリルから誘導される繰返単位を
    含む重合体、並びに(d)残留量の二酸脂環式乳化剤を
    含むトナー樹脂であって、該重合体はアクリル酸に由来
    する繰返単位を含まず、該重合体は12,000より大
    きい数平均分子量を有し、該重合体は36,000より
    大きい重量平均分子量を有し、そして該重合体は約45
    〜約80℃の範囲内のガラス転移温度を有する、上記の
    トナー樹脂。
  2. 【請求項2】 (a)(i)ビニル芳香族単量体、(i
    i)アルキルアクリレート単量体およびアルキルメタク
    リレート単量体より成る群から選ばれるアクリレート系
    単量体および(iii)アクリロニトリルから誘導され
    る繰返単位を含む重合体にして、アクリル酸に由来する
    繰返単位を含んでいないそのような重合体、(b)残留
    量の二酸脂環式乳化剤、(c)顔料、(d)電荷制御剤
    および(e)ワックスを含むトナー。
  3. 【請求項3】 (1)(a)ビニル芳香族単量体、
    (b)アルキルアクリレート単量体およびアルキルメタ
    クリレート単量体より成る群から選ばれるアクリレート
    系単量体および(c)アクリロニトリルを、約0.5〜
    約6phmの二酸脂環式乳化剤の存在下で乳化共重合し
    て重合体を生成させ;そして(2)該重合体を水性エマ
    ルジョンから回収する工程を含む、トナー樹脂として特
    に有用な重合体の製造方法。
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