JP2002107990A - トナー、トナーの製造方法、画像形成方法及び装置ユニット - Google Patents

トナー、トナーの製造方法、画像形成方法及び装置ユニット

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JP2002107990A JP2000307430A JP2000307430A JP2002107990A JP 2002107990 A JP2002107990 A JP 2002107990A JP 2000307430 A JP2000307430 A JP 2000307430A JP 2000307430 A JP2000307430 A JP 2000307430A JP 2002107990 A JP2002107990 A JP 2002107990A
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Tadashi Michigami
正 道上
Yasuko Shibayama
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Satoshi Matsunaga
聡 松永
Tsuneo Nakanishi
恒雄 中西
Takeshi Naka
毅 中
Masaki Azuma
真佐己 東
Yusuke Hasegawa
雄介 長谷川
Takashige Kasuya
貴重 粕谷
Katsuhisa Yamazaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃トナーとなる転写残トナーを減少させて高
い転写効率で、現像性の良好なトナーを提供することに
ある。 【解決手段】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
るトナーが、(i)重量平均粒径が5乃至12μmであ
り、(ii)該トナーの3μm以上の粒子において、下
記式 円形度a=L0/L 〔L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長、Lは
粒子像の周囲長を示す。〕より求められる円形度aが
0.900以上の粒子を個数基準の累積値で90%以上
有し、(iii)カット率Zと該トナーの重量平均径X
との関係が下記式 カット率 Z≦5.3×X [カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数/μ
l)と、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/
μl)とから下記式 Z=(1−B/A)×100 を用いて算出される値である。]を満足し、(iv)円
形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Yとトナー
重量平均径Xとの関係が下記式 円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp
5.51×X-0.645[トナーの重量平均粒径X:5乃至
12μm] を満足することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法、又はトナージェット方式記録法の
如き画像形成方法に用いられるトナー、該トナーを用い
た画像形成方法及び装置ユニットに関するものであり、
また、本発明は、結着樹脂を有する小粒径のトナーを効
率的に得る為のトナー製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては、米国特許第229
7691号明細書、特公昭42−23910号公報及び
特公昭43−24748号公報に記載されている如く多
数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用
し、種々の手段により感光体上に静電荷潜像を形成し、
次いで潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙の
如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加
熱圧力或いは溶剤蒸気により定着し、トナー画像を得る
ものである。
【0003】近年においては、複写機及びプリンターの
多機能化、コピー画像の高画質化、更に高速化にともな
い、トナーに要求される性能も一段と厳しくなり、トナ
ーの粒子径としては微粒子化され、粒度分布としては、
粗大粒子を含有せず、且つ、超微粉の少ないシャープな
ものが要求される。
【0004】上記の工程中、感光体上よりトナー像を転
写材に転写した場合、感光体上には、転写残のトナーが
存在する。
【0005】連続した複写を速やかに行う為に、この感
光体上の残余トナーをクリーニングする必要がある。更
に回収された残余トナーは、本体内に設置した容器又は
回収箱へ入れられた後に廃棄されるか、再度現像器に戻
されて現像工程に用いられることでリサイクルされる。
【0006】環境問題への取り組みとしては、廃トナー
レスシステムとして本体内部にリサイクルシステムを設
けた本体設計が必要となる。
【0007】しかし、複写機及びプリンターの多機能
化、コピー画像の高画質化、更に高速化を達成する為に
は、かなり大掛かりなリサイクルシステムが本体内に必
要となり複写機及びプリンターの如き画像形成装置自体
が大きくなってしまい、省スペースの観点からの小型化
に対応できない。さらに、本体内に設置した容器又は回
収箱へ廃トナーを収納する方式や、感光体と上記の廃ト
ナーを回収する部分を一体化した方式においても同様で
ある。
【0008】これらに対応する為には、感光体上よりト
ナー像を転写材に転写するさいの転写率を向上させるこ
とで、廃トナーを減少させる事が必要である。
【0009】特開平9−26672号公報において、平
均粒子径が0.1〜3μmの転写効率向上剤とBET比
表面積50〜300m2/gの疎水性シリカ微粉体を含
有させることで、トナー体積抵抗を低減させ、感光体上
に転写効率向上剤が薄膜層を形成することにより転写効
率を向上させる方法が開示されている。しかし、粉砕法
で製造されたトナーには粒度分布が存在する為、全ての
粒子に均一に効果を出すことは難しく、更なる改善が必
要とされる。
【0010】転写効率を向上させる方法として、トナー
の形状を球形に近づけるものとして、噴霧造粒法、溶液
溶解法、重合法の如き製造方法によるトナーが特開平3
−84558号、特開平3−229268号、特開平4
−1766号、特開平4−102862号公報等により
開示されている。しかし、これらのトナー製造には大掛
かりな設備を必要とするばかりでなく、トナーが真球に
近づくのでクリーニング工程ですり抜けてしまう問題も
発生する為、転写性向上のみを目的とした場合には好ま
しい方法とは言えない。
【0011】一般にトナーの製造方法としては、被転写
材に定着させる為の結着樹脂、トナーとしての色味を出
させる各種着色剤、粒子に電荷を付与させる為の荷電制
御剤を原料とし、或いは特開昭54−42141号公報
及び特開昭55−18656号公報に示される様な所謂
一成分現像法においては、これらに加えてトナー自身に
搬送性を付与する為の各種磁性材料が用いられ、更に必
要に応じて、例えば、離型剤及び流動性付与剤の如き他
の添加剤を加えて乾式混合し、しかる後、ロールミル、
エクストルーダーの汎用混練装置にて溶融混練し、冷却
固化した後、混練物をジェット気流式粉砕機、機械衝突
式粉砕機等の各種粉砕装置により微細化し、得られた粗
粉砕物を各種風力分級機に導入して分級を行うことによ
り、トナーとして必要な粒径に揃えられた分級品を得、
更に、必要に応じて流動化剤や滑剤等を外添し乾式混合
して、画像形成に供するトナーとしている。二成分現像
方法に用いるトナーの場合には、各種磁性キャリアと上
記トナーとを混ぜ合わせた後、画像形成に供される。
【0012】上述の如く、微細粒子であるトナー粒子を
得るためには、従来、図10のフローチャートに示され
る方法が一般的に採用されている。
【0013】トナー粗砕物は、第1分級手段に連続的又
は逐次供給され、分級された規定粒度以上の粗粒子群を
主成分とする粗粉は粉砕手段に送って粉砕された後、再
度第1分級手段に循環される。
【0014】他の規定粒径範囲内の粒子及び規定粒径以
下の粒子を主成分とするトナー微粉砕品は第2分級手段
に送られ、規定粒度を有する粒子群を主成分とする中粉
体と、規定粒度以下の粒子群を主成分とする細粉体とに
分級される。しかし、トナーが微粒子化されることによ
り、粒子間の静電凝集が高まり、本来は第2分級手段に
送られるトナーが再度第1分級手段に循環されることに
より過粉砕となった微粉及び超微粉が発生する。
【0015】粉砕手段としては、各種粉砕装置が用いら
れるが、結着樹脂を主とするトナー粗砕物の粉砕には、
図13に示す如きジェット気流を用いたジェット気流式
粉砕機、特に衝突式気流粉砕機が用いられている。
【0016】ジェット気流の如き高圧気体を用いた衝突
式気流粉砕機は、ジェット気流で粉体原料を搬送し、加
速管の出口より噴射し、粉体原料を加速管の出口の開口
面に対向して設けた衝突部材の衝突面に衝突させて、そ
の衝撃力により粉体原料を粉砕している。
【0017】例えば、図13に示す衝突式気流粉砕機で
は、高圧気体供給ノズル161を接続した加速管162
の出口163に対向して衝突部材164を設け、加速管
162に供給した高圧気体により、加速管162の中途
に連通させた粉体原料供給口165から加速管162内
に粉体原料を吸引し、粉体原料を高圧気体とともに噴出
して衝突部材164の衝突面166に衝突させ、その衝
撃によって粉砕し、粉砕物を粉砕室168内から粉砕物
排出口167より排出させている。
【0018】しかしながら、上記の衝突式気流粉砕機
は、粉体原料を高圧気体とともに噴出して衝突部材の衝
突面に衝突させ、その衝撃によって粉砕するという構成
のため、粉砕されたトナーは、不定形で角張ったものと
なり、また、小粒径のトナーを生産するためには多量の
エアーを必要とする。そのため電力消費が極めて多く、
エネルギーコストという面において問題を抱えている。
【0019】特開平2−87157号公報では、粉砕法
で製造されたトナーを機械式衝撃(ハイブリタイザー)
により粒子の形状及び表面性を改質することで転写効率
を向上させる方法が開示されている。しかし、本方法で
は粉砕後に更に処理工程が入る為、トナー生産性及び処
理によりトナー表面が凹凸の無い状態に近づき、現像面
での改良等が必要となり好ましい方法とは言えない。
【0020】特に近年、環境問題への対応から、装置の
省エネルギー化が求められている。
【0021】分級手段において、例えば、重量平均粒径
が8μmであり、かつ4.00μm未満の粒子の体積%
が1%以下であるトナーを得る場合には、粗粉域を除去
するための分級機構を備えた衝突式気流式粉砕機の如き
粉砕手段で所定の平均粒径まで原料を粉砕して分級し、
粗粉体を除去した後の粉砕物を別の分級機にかけ微粉体
を除去して、所望の中粉体を得ている。
【0022】なお、ここでいう重量平均粒径は、後述す
るコールター社製のコールターカウンターTA−II型
あるいはコールターマルチサイザーII型で100μm
のアパーチャーを用いて測定したデータである。
【0023】このような従来の方法については、問題点
として、微粉体を除去する目的の第2分級手段には、あ
る規定粒度以上の粗粒子群を完全に除去した粒子群を送
らなければならないため、粉砕手段の負荷が大きくな
り、処理量が少なくなる。ある規定粒度以上の粗粒子群
を完全に除去するためにはどうしても過粉砕になりやす
く、その結果、次工程の微粉体を除去するための第2分
級手段においての収率低下の如き現象を引き起こし易い
という問題点がある。
【0024】微粉体を除去する目的の第2の分級手段に
ついては、極微粒子で構成される凝集物が生じることが
あり、凝集物を微粉体として除去することは困難であ
る。その場合、凝集物は最終製品に混入し、その結果精
緻な粒度分布の製品を得ることが難しくなる。更に、凝
集物はトナー中で解壊して極微粒子となって画像品質を
低下させる原因の一つとなる。
【0025】かかる微粉体を除去する目的の第2の分級
手段については、各種の気流式分級機及び方法が提案さ
れている。この中で、回転翼を用いる分級機と可動部分
を有しない分級機がある。このうち、可動部分のない分
級機として、固定壁遠心式分級機と慣性力分級機があ
る。かかる慣性力を利用する分級機が特公昭54−24
745号公報、特公昭55−6433号公報、特開昭6
3−101858号公報に提案されている。
【0026】これらの気流式分級機は、図8に示すよう
に、分級機室の分級域に開口部を有する供給ノズルから
高速で気流とともに粉体を分級域内へ噴出し、分級室内
にはコアンダブロック145に沿って流れる湾曲気流の
遠心力によって粗粉と、中粉と、微粉とに分離し、先端
の細くなったエッジ146、147により、粗粉と、中
粉と、微粉の分級を行なっている。
【0027】従来の分級装置57では、微粉砕原料が原
料供給ノズルから導入され、角錐筒148,149内部
を流動する粉粒体は管壁に平行にまっすぐに推進力をも
って流れる傾向を有する。しかし、該原料供給ノズル中
では原料を上部から導入するとき、おおまかに上部流れ
と下部流れに分れて、上部流れには軽い微粉が多く含有
し、下部流れには重い粗粉が多く含有しやすく、それぞ
れの粒子が独立して流れるため、分級機内への導入部位
によって、それぞれ異なった軌跡を描くことや、粗粉が
微粉の軌跡を撹乱するために、分級精度の向上に限界が
生じ、かつ、20μm以上の粗粒の多い粉体の分級では
精度が低下する傾向があった。
【0028】一般に、トナーには数多くの異なった性質
が要求され、かかる要求性質を得るためには、使用する
原材料は勿論のこと、製造方法によって決まることも多
い。トナーの分級工程においては、分級された粒子がシ
ャープな粒度分布を有することが要求される。また、低
コストで効率良く安定的に品質の良いトナーを作り出す
ことが望まれる。
【0029】更には、複写機やプリンターにおける画質
向上の為に、トナーの粒子径としては微粒子化され、粒
度分布としては、粗大粒子を含有せず、且つ、超微粉の
少ないシャープなものが要求される。一般に、物質は細
かくなるに従い粒子間力の働きが大きくなっていくが、
樹脂やトナーも同様で、微粉体サイズになると粒子同士
の凝集性が大きくなっていく。
【0030】特に重量平均径が12μm以下のシャープ
な粒度分布を有するトナーを得ようとする場合には、従
来の装置及び方法では分級収率の低下を引き起こす。更
に、重量平均径が8μm以下のシャープな粒度分布を有
するトナーを得ようとする場合には、特に従来の装置及
び方法では分級収率の低下を引き起こすだけでなく、超
微粉を多量に含有してしまう傾向がある。
【0031】従来方式の下で精緻な粒度分布を有する所
望の製品を得ることができたとしても工程が煩雑にな
り、分級収率の低下を引き起こし、生産効率が悪く、コ
スト高になる傾向がある。この傾向は、所定の粒度が小
さくなればなるほど、顕著になる。
【0032】特開昭63−101858号公報(対応米
国特許第4844349号)に、第1分級手段、粉砕手
段及び第2分級手段として多分割分級手段を使用したト
ナーの製造方法及び装置が提案されている。しかしなが
ら、重量平均粒径8μm以下のトナーをさらに安定且つ
効率的に製造するための方法及び装置システムが待望さ
れているものである。
【0033】更に、微粒子化したトナーでは相対的にト
ナーに含有される着色剤(磁性体)が多くなり、トナー
の低温定着性を維持するのは困難になり、現像性に関し
ても従来以上に厳しい制約を受けることになる。
【0034】つまり、トナー自体の生産性も含め、廃ト
ナーとなる、感光体上の転写残トナーを減少させる目的
で、転写効率を向上させた、定着性の良好な、高現像性
のトナーは実現しないのが現状である。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決したトナー、トナーの製造方法、該トナ
ーを用いた画像形成方法及び装置ユニットを提供するこ
とにある。
【0036】本発明の目的は、廃トナーの発生が少な
い、高転写効率のトナー、該トナーを用いた画像形成方
法及び装置ユニットを提供することにある。
【0037】本発明の目的は、低温定着性の良好なトナ
ー、該トナーを用いた画像形成方法及び装置ユニットを
提供することにある。
【0038】本発明の目的は、微粒子化に対しても良好
な現像性を維持できるトナー、該トナーを用いた画像形
成方法及び装置ユニットを提供することにある。
【0039】本発明の目的は、粉砕法によって安易に製
造可能な高生産性のトナー、該トナーを用いた画像形成
方法及び装置ユニットを提供することにある。
【0040】本発明の目的は、シンプルな装置構成に加
え電力消費が極めて少なく、エネルギーコストの低い粉
体の粉砕・分級システムを使用する効率の良いトナーの
製造方法を提供することにある。
【0041】本発明の目的は、精緻な粒度分布を有する
トナーを効率良く製造することのできるトナーの製造方
法を提供することにある。
【0042】本発明の目的は、重量平均径10μm以下
(更には、8μm以下)のシャープな粒度分布を有する
トナーを効率良く製造することのできるトナーの製造方
法を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂及び
着色剤を少なくとも含有するトナーにおいて、該トナー
は、(i)重量平均粒径が5乃至12μmであり、(i
i)該トナーの3μm以上の粒子において、下記式
(1) 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕より求められる
円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で
90%以上有し、(iii)カット率Zと該トナーの重
量平均径Xとの関係が下記式(2) カット率 Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、フロー式粒子像分析装置測定さ
れる全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)と、円相当
径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とから下
記式(3) Z=(1−B/A)×100 (3) を用いて算出される値である。]を満足し、(iv)円
形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Yとトナー
重量平均径Xとの関係が下記式(4) 円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナーの重量平均粒径X:5乃至12μm]を
満足することを特徴とするトナーに関する。
【0044】また、本発明は、結着樹脂及び着色剤を少
なくとも含有する混合物を、混練物を得るために溶融混
練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段
によって粗粉砕物を得るために粗粉砕し、得られた粗粉
砕物の粉体原料を、第1定量供給機に導入し、少なくと
も中心回転軸に取り付けられた回転体である回転子と、
該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置
されている固定子と、粉体原料を導入するための粉体導
入口と、粉砕した粉体を排出するための粉体排出口とを
具備し、且つ間隔を保持することによって形成される環
状空間が気密状態となるように構成されている機械式粉
砕機内に、上記第1定量供給機から所定量の粉体原料を
該機械式粉砕機の粉体導入口を介して導入し、該機械式
粉砕機の該回転子を高速回転させることによって、微粉
砕物を得るために粉体原料を微粉砕し、得られた微粉砕
物を該機械式粉砕機の粉体排出口から排出して第2定量
供給機に導入し、該第2定量供給機から所定量の微粉砕
物を、交差気流とコアンダ効果を利用して粉体を気流分
級するための多分割気流式分級機に導入し、該多分割気
流式分級機内で微粉砕物を少なくとも微粉体、中粉体及
び粗粉体に分級し、分級された粗粉体を該粉体原料に混
入し、該微粉砕工程での該機械式粉砕機に導入して微粉
砕し、分級された中粉体からトナーを生成することを特
徴とするトナーの製造方法に関する。
【0045】また、本発明は、潜像保持体を帯電する帯
電工程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形成する潜
像形成工程;該静電潜像をトナーにより現像してトナー
画像を形成する現像工程;現像されたトナー画像を、中
間転写体を介して、又は、介さずに記録材上に転写する
転写工程;及び記録材上に転写されているトナー画像を
定着手段によって該記録材に定着する定着工程;を有す
る画像形成方法において、該トナーは、少なくとも結着
樹脂及び着色剤を有しており、該トナーは、(i)重量
平均粒径が5乃至12μmであり、(ii)該トナーの
3μm以上の粒子において、下記式(1) 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕より求められる
円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で
90%以上有し、(iii)カット率Zと該トナーの重
量平均径Xとの関係が下記式(2) カット率 Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、フロー式粒子像分析装置測定さ
れる全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)と、円相当
径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とから下
記式(3) Z=(1−B/A)×100 (3) を用いて算出される値である。]を満足し、(iv)円
形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Yとトナー
重量平均径Xとの関係が下記式(4) 円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナーの重量平均粒径X:5乃至12μm]を
満足することを特徴とする画像形成方法に関する。
【0046】さらに、本発明は、画像形成装置本体に脱
離可能に装着される装置ユニットにおいて、該装置ユニ
ットは、静電潜像を現像するためのトナー;該トナーを
保有するためのトナー容器;該トナー容器に保有されて
いるトナーを担持し且つ搬送するためのトナー担持体;
及び該トナー担持体に担持されるトナーの層厚を規制す
るためのトナー層厚規制部材;を有しており、該トナー
は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有しており、該ト
ナーは、(i)重量平均粒径が5乃至12μmであり、
(ii)該トナーの3μm以上の粒子において、下記式
(1) 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕より求められる
円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で
90%以上有し、(iii)カット率Zと該トナーの重
量平均径Xとの関係が下記式(2) カット率 Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、フロー式粒子像分析装置測定さ
れる全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)と、円相当
径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とから下
記式(3) Z=(1−B/A)×100 (3) を用いて算出される値である。]を満足し、(iv)円
形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Yとトナー
重量平均径Xとの関係が下記式(4) 円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナーの重量平均粒径X:5乃至12μm]を
満足することを特徴とする装置ユニットに関する。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトナーの製造方法
の好ましい実施の形態を、添付図面を参照しながら具体
的に説明する。
【0048】図1及び図2は、本発明のトナーの製造方
法の概要を示すフローチャートの一例である。本発明の
製造方法は、フローチャートに示されている様に、粉砕
処理前の分級工程を必要とせず、粉砕工程及び分級工程
が1パスで行われることを特徴としている。
【0049】本発明のトナーの製造方法においては、結
着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混
練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段
によって粗粉砕して得られた粗粉砕物が粉体原料として
使用される。そして、先ず、所定量の粉砕原料を少なく
とも中心回転軸に取り付けられた回転体である回転子
と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に
配置されている固定子とを有し、且つ該間隔を保持する
ことによって形成される環状空間が気密状態となるよう
に構成されている機械式粉砕機に導入し、該機械式粉砕
機の上記回転子を高速回転させることによって粉体原料
を微粉砕する。次に、微粉砕された微粉砕物は分級工程
に導入され分級されて、規定粒度を有する粒子群からな
るトナー原料となる分級品が得られる。この際、分級工
程では、分級手段として、少なくとも粗粉領域、中粉領
域及び微粉領域を有する多分割気流式分級機が好ましく
用いられる。例えば、3分割気流式分級機を使用した場
合には、粉体原料は、少なくとも、微粉体、中粉体及び
粗粉体の3種類に分級される。この様な分級機を用いる
分級工程で、規定粒度よりも粒径の大きな粒子群からな
る粗粉体及び規定粒度未満の粒子群からなる超微粉体は
除かれ、中粉体がトナー製品としてそのまま使用される
か、又は、疎水性コロイダルシリカの如き外添剤と混合
された後、トナーとして使用される。
【0050】上記の分級工程で分級された規定粒度未満
の粒子群からなる超微粉体は、一般的には、粉砕工程に
導入されてくるトナー材料からなる粉体原料を生成する
為の溶融混練工程に供給されて再利用されるか、或いは
廃棄される。
【0051】図3及び図4に本発明のトナーの製造方法
を適用した装置システムの一例を示し、これに基づいて
本発明を更に具体的に説明する。この装置システムに導
入されるトナー原料である粉体原料には、結着樹脂及び
着色剤を少なくとも含有する着色樹脂粒子粉体が用いら
れるが、該粉体原料は、例えば、結着樹脂及び着色剤等
からなる混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却
し、更に冷却物を粉砕手段によって粗粉砕したものが用
いられる。その際に使用されるトナー材料等については
後述する。
【0052】この装置システムにおいて、トナー粉原料
となる粉砕原料は、先ず、粉砕手段である機械式粉砕機
301に第1定量供給機315を介して所定量導入され
る。導入された粉砕原料は、機械式粉砕機301で瞬間
的に粉砕され、補集サイクロン229(図3では53)
を介して第2定量供給機2(図3では54)に導入され
る。次いで振動フィーダー3(図3では55)を介し、
更に原料供給ノズル16(図3では148)を介して分
級手段である多分割気流式分級機1(図3では57)内
に供給される。
【0053】この装置システムにおいて、第1定量供給
機315から粉砕手段である機械式粉砕機301に導入
される所定量と、第2定量供給機2(図3では54)か
ら分級手段である多分割気流式分級機1(図3では5
7)に導入される所定量との関係を、第1定量供給機3
15から機械式粉砕機301に導入される所定量を1と
した場合、第2定量供給機2(図3では54)から多分
割気流式分級機1(図3では57)に導入される所定量
を好ましくは0.7〜1.7、より好ましくは、0.7
〜1.5、更に好ましくは、1.0〜1.2とすること
がトナー生産性及び生産効率という点から好ましい。
【0054】通常、本発明の気流式分級機は、相互の機
器をパイプのごとき連通手段で連結し、装置システムに
組み込まれて使用される。図3に示す一体装置システム
は、多分割分級装置57(図8に示される分級装置)、
第2定量供給機54、振動フィーダー55、捕集サイク
ロン59、捕集サイクロン60、捕集サイクロン61を
連通手段で連結してなるものである。図4に示す一体装
置システムは、多分割分級装置1(図9に示される分級
装置)、定量供給機2、振動フィーダー3、捕集サイク
ロン4、捕集サイクロン5、捕集サイクロン6を連通手
段で連結してなるものである。
【0055】この装置システムにおいて、粉体は、適宜
の手段により、定量供給機2に送り込まれ、ついで振動
フィーダー3を介し、原料供給ノズル16により3分割
分級装置1内に導入される。導入に際しては、10〜3
50m/秒の流速で3分割分級機1内に粉体を導入す
る。3分割分級機1の分級室を構成する大きさは通常
[10〜50cm]×[10〜50cm]なので、粉体
は0.1〜0.01秒以下の瞬時に3種類以上の粒子群
に分級し得る。そして、3分割分級機1により、大きい
粒子(粗粒子)、中間の粒子、小さい粒子に分級され
る。その後、大きい粒子は排出導管11aを逝って、補
集サイクロン6に送られ機械式粉砕機301に戻され
る。中間の粒子は排出導管12aを介して系外に排出さ
れ捕集サイクロン5で補集されトナーとなるべく回収さ
れる。小さい粒子は、排出導管13aを介して系外に排
出され捕集サイクロン4で捕集され、トナー材料からな
る粉体原料を生成する為の溶融混練工程に供給されて再
利用されるか、或いは廃棄される。捕集サイクロン4,
5,6は粉体を原料供給ノズル16を介して分級室に吸
引導入するための吸引減圧手段としての働きをすること
も可能である。この際分級される大きい粒子は、第1定
量供給機315に再導入し、粉体原料中に混入させて、
機械式粉砕機301にて再度粉砕することが好ましい。
【0056】図3に示すように、多分割気流式分級機5
7から第1定量供給機315に再導入される大きい粒子
(粗粒子)の再導入量は、第2定量供給機54から供給
される微粉砕品の重量を基準として、0乃至10.0質
量%、更には、0乃至5.0質量%とすることがトナー
生産性上好ましい。多分割気流式分級機57から第1定
量供給機315に再導入される大きい粒子(粗粒子)の
再導入量が10.0質量%を超えると、機械式粉砕機3
01内の粉塵濃度が増大し、装置自体の負荷が大きくな
るのと同時に、粉砕時に過粉砕され熱によるトナーの表
面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性とい
う点から好ましくない。
【0057】更に、図3に示すように、多分割気流式分
級機57で分級された大きい粒子(粗粒子)を第3定量
供給機331に導入し、第3定量供給機331から機械
式粉砕機301に導入することがよりトナー生産性上好
ましい。なおこの際、多分割気流式分級機57で分級さ
れた大きい粒子(粗粒子)の再導入量は、第2定量供給
機2から供給される微粉砕品の重量を基準として、0乃
至10.0質量%、更には、0乃至5.0質量%とする
ことがトナー生産性上好ましい。多分割気流式分級機5
7から第3定量供給機331に再導入される大きい粒子
(粗粒子)の再導入量が10.0質量%を超えると、機
械式粉砕機301内に導入される粗粒子の再導入量を多
くしなけらばならなくなり、その結果、機械式粉砕機3
01内の粉塵濃度が増大し、装置自体の負荷が大きくな
るのと同時に、粉砕時に過粉砕され熱によるトナーの表
面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性とい
う点から好ましくない。
【0058】この装置システムにおいて、粉体原料の粒
度は、18メッシュパス(ASTME−11−61)が
95乃至100質量%であり、100メッシュオン(A
STM E−11−61)が90乃至100質量%であ
ることが好ましい。
【0059】この装置システムにおいて、重量平均粒径
が12μm以下、好ましくは10μm以下、より好まし
くは8μm以下のシャープな粒度分布を有するトナーを
得るためには、機械式粉砕機で微粉砕された微粉砕物の
重量平均粒径が4乃至12μm、好ましくは4乃至10
μm、4.00μm未満が70個数%以下、更には65
個数%以下、10.08μm以上が25体積%以下、好
ましくは20体積%以下、更に好ましくは15体積%以
下であることが良い。分級された中粉体の粒度は、重量
平均粒径が5乃至12μm、好ましくは5乃至10μ
m、4.00μm未満が40個数%以下、更に好ましく
は35個数%以下、10.08μm以上が25体積%以
下、好ましくは20体積%以下、更に好ましくは15体
積%以下であることが良い。
【0060】本発明のトナーの製造方法を適用した上記
装置システムにおいては、粉砕処理前の第1分級工程を
必要とせず、粉砕工程及び分級工程を1パスで行なうこ
とができる。
【0061】本発明のトナーの製造方法において、トナ
ーの粒度分布は、後述するコールター社製のコールター
カウンターTA−II型又はコールターマルチサイザー
II型に100μmのアパーチャーを用いて測定する。
【0062】本発明のトナー製造方法に使用される粉砕
手段として好ましく用いられる機械式粉砕機について説
明する。機械式粉砕機としては、例えば、ホソカワミク
ロン(株)製粉砕機イノマイザー、川崎重工業(株)製
粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミルなどを挙
げることができ、これらの装置をそのまま、あるいは適
宜改良して使用することが好ましい。
【0063】本発明においては、これらの中でも図5、
図6及び図7に示したような機械式粉砕機を用いること
が、粉体原料の粉砕処理を容易に行うことが出来るので
効率向上が図られ、好ましい。
【0064】以下、図5、図6及び図7に示した機械式
粉砕機について説明する。図5は、本発明において使用
される機械式粉砕機の一例の概略断面図を示しており、
図6は図5におけるD−D’面での概略的断面図を示し
ており、図7は図5に示す回転子314の斜視図を示し
ている。該装置は、図5に示されている様に、ケーシン
グ313、ジャケット316、ディストリビュータ22
0、ケーシング313内にあって中心回転軸312に取
り付けられた回転体からなる高速回転する表面に多数の
溝が設けられている回転子314、回転子314の外周
に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が
設けられている固定子310、更に、被処理原料を導入
する為の原料投入口311、処理後の粉体を排出する為
の原料排出口302とから構成されている。
【0065】以上のように構成してなる機械式粉砕機で
の粉砕操作は、例えば次のようにして行なう。
【0066】即ち、図5に示した機械式粉砕機の粉体入
口311から、所定量の粉体原料が投入されると、粒子
は、粉砕処理室内に導入され、該粉砕処理室内で高速回
転する表面に多数の溝が設けられている回転子314
と、表面に多数の溝が設けられている固定子310との
間の発生する衝撃と、この背後に生じる多数の超高速渦
流、並びにこれによって発生する高周波の圧力振動によ
って瞬間的に粉砕される。その後、原料排出口302を
通り、排出される。トナー粒子を搬送しているエアー
(空気)は粉砕処理室を経由し、原料排出口302、パ
イプ219、補集サイクロン229、バグフィルター2
22、及び吸引フィルター224を通って装置システム
の系外に排出される。本発明においては、この様にし
て、粉体原料の粉砕が行われる為、微粉及び粗粉を増や
すことなく所望の粉砕処理を容易に行うことが出来る。
【0067】粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する際に、
冷風発生手段321により、粉体原科と共に、機械式粉
砕機内に冷風を送風することが好ましい。更に、その冷
風の温度は、0乃至−18℃であることが好ましい。更
に、機械式粉砕機本体の機内冷却手段として、機械式粉
砕機はジャケット構造316を有する構造とし、冷却水
(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通水す
ることが好ましい。更に、上記の冷風装置及びジャケッ
ト構造により、機械式粉砕機内の粉体導入口に連通する
渦巻室212内の室温T1を0℃以下、より好ましくは
−5〜−15℃、更に好ましくは−7〜−12℃とする
ことがトナー生産性という点から好ましい。粉砕機内の
渦巻室の室温T1を0℃以下、より好ましくは−5〜−
15℃、更に好ましくは−7〜−12℃とすることによ
り、熱によるトナーの表面変質を抑えることができ、効
率良く粉砕原料を粉砕することができる。粉砕機内の渦
巻室の室温T1が0℃を超える場合、粉砕時に熱による
トナーの表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー
生産性という点から好ましくない。粉砕機内の渦巻室の
室温T1を−15℃より低い温度で運転しようとする
と、上記冷風発生手段321で使用している冷媒(代替
フロン)をフロンに変更しなけらばならない。
【0068】現在、オゾン層保護の観点からフロンの撤
廃が進められている。上記冷風発生手段321の冷媒に
フロンを使用することは地球全体の環境問題という点か
ら好ましくない。
【0069】代替フロンとしては、R134A、R40
4A、R407C、R410A、R507A、R717
等が挙げられるが、この中で省エネルギー性や安全性と
いう点から、特にR404Aが好ましい。
【0070】冷却水(好ましくはエチレングリコール等
の不凍液)は、冷却水供給口317よりジャケット内部
に供給され、冷却水排出口318より排出される。
【0071】機械式粉砕機内で生成した微粉砕物は、機
械式粉砕機の後室320を経由して粉体排出口302か
ら機外へ排出される。その際、機械式粉砕機の後室32
0の室温T2が30乃至60℃であることがトナー生産
性という点から好ましい。機械式粉砕機の後室320の
室温T2を30乃至60℃とすることにより、熱による
トナーの表面変質を抑えることができ、効率良く粉砕原
料を粉砕することができる。機械式粉砕機の温度T2が
30℃より小さい場合、粉砕されずにショートパスを起
こしている可能性があり、トナー性能という点から好ま
しくない。また、60℃より大きい場合、粉砕時に過粉
砕されている可能性があり、熱によるトナーの表面変質
や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点か
ら好ましくない。
【0072】粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する際に、
機械式粉砕機の渦巻室212の室温T1と後室320の
室温T2の温度差ΔT(T2−T1)を40〜70℃と
することが好ましく、より好ましくは42〜67℃、更
に好ましくは45〜65℃とすることがトナー生産性と
いう点から好ましい。機械式粉砕機の温度T1と温度T
2との温度差ΔTを40〜70℃、より好ましくは42
〜67℃、更に好ましくは45〜65℃とすることによ
り、熱によるトナーの表面変質を抑えることができ、効
率良く粉砕原料を粉砕することができる。機械式粉砕機
の温度T1と温度T2との温度差ΔTが40℃より小さ
い場合、粉砕されずにショートパスを起こしている可能
性があり、トナー性能という点から好ましくない。温度
差ΔTが70℃より大きい場合、粉砕時に過粉砕されて
いる可能性があり、熱によるトナーの表面変質や機内融
着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好まし
くない。
【0073】粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する際に、
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、45乃至75℃、
更には、55乃至65℃が好ましい。また、機械式粉砕
機の渦巻室212の室温T1は、Tgに対して、0℃以
下であり且つTgよりも60乃至75℃低くすることが
トナー生産性という点から好ましい。機械式粉砕機の渦
巻室212の室温T1を0℃以下であり且つTgよりも
60乃至75℃低くすることにより、熱によるトナーの
表面変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕
することができる。機械式粉砕機の後室320の室温T
2は、Tgよりも5乃至30℃、更には、10乃至20
℃低いことが好ましい。機械式粉砕機の後室320の室
温T2をTgよりも5乃至30℃、より好ましくは10
乃至20℃低くすることにより、熱によるトナーの表面
変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕する
ことができる。
【0074】なお、本発明において、結着樹脂のガラス
転移点(Tg)は示差熱分析装置(DSC測定装置)、
DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い、下記の条
件で測定した。 試料:5〜20mg、好ましくは10mg 温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃
/min.) 降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/mi
n.) 昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/mi
n.) 昇温IIで測定されるTgを測定値とする。 測定法:試料をアルミパン中にいれ、リファレンスとし
て空のアルミパンを用いる。吸熱ピークが出る前と出た
後のべースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を
ガラス転移点Tgとした。
【0075】回転する回転子314の先端周速としては
80〜180m/secであることが好ましく、より好
ましくは90〜170m/sec、更に好ましくは10
0〜160m/secとすることがトナー生産性という
点から好ましい。回転する回転子314の周速を80〜
180m/sec、より好ましくは90〜170m/s
ec、更に好ましくは100〜160m/secとする
ことで、トナーの粉砕不足や過粉砕を抑えることがで
き、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。回転子
の周速が80m/secより遅い場合、粉砕されずにシ
ョートパスを起こしやすいのでトナー性能という点から
好ましくない。回転子314の周速が180m/sec
より速い場合、装置自体の負荷が大きくなるのと同時
に、粉砕時に過粉砕され熱によるトナーの表面変質や機
内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好
ましくない。
【0076】回転子314と固定子310との間の最小
間隔は0.5〜10.0mmであることが好ましく、よ
り好ましくは1.0〜5.0mm、更に好ましくは1.
0〜3.0mmとすることが好ましい。回転子314と
固定子310との間の間隔を0.5〜10.0mm、よ
り好ましくは1.0〜5.0mm、更に好ましくは1.
0〜3.0mmとすることで、トナーの粉砕不足や過粉
砕を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕するこ
とができる。回転子314と固定子310との間の間隔
が10.0mmより大きい場合、粉砕されずにショート
パスを起こしやすいのでトナー性能という点から好まし
くない。回転子314と固定子310との間の間隔が
0.5mmより小さい場合、装置自体の負荷が大きくな
るのと同時に、粉砕時に過粉砕され熱によるトナーの表
面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性とい
う点から好ましくない。
【0077】本発明の粉砕方法は、粉砕工程前の第1分
級を必要とせず、シンプルな構成に加え、粉砕原料を粉
砕するのに多量のエアーを必要としない構成のため、粉
砕工程で消費するトナー1kg当たりに消費する電力量
は、図13に示す従来の衝突式気流粉砕機で製造したと
きに比べ約1/3以下となり、エネルギーコストを低く
抑えることができる。
【0078】次に、本発明のトナー製造方法を構成して
いる分級手段として好ましく用いられる気流式分級機に
ついて説明する。
【0079】本発明に使用される好ましい多分割気流式
分級機の一例として、図9(断面図)に示す形式の装置
を一具体例として例示する。
【0080】図9において、側壁22及びGブロック2
3は分級室の一部を形成し、分級エッジブロック24及
び25は分級エッジ17及び18を具備している。Gブ
ロック23は左右に設置位置をスライドさせることが可
能である。分級エッジ17及び18は、軸17a及び1
8aを中心にして、回動可能であり、分級エッジを回動
して分級エッジ先端位置を変えることができる。各分級
エッジブロック24及び25は左右に設置位置をスライ
ドさせることが可能であり、それにともなってそれぞれ
のナイフエッジ型の分級エッジ17及び18も左右にス
ライドする。この分級エッジ17及び18により、分級
室32の分級域30は3分画されている。
【0081】原料粉体を導入するための原料供給口40
を原料供給ノズル16の最後端部に有し、該原料供給ノ
ズル16の後端部に高圧エアー供給ノズル41と原料粉
体導入ノズル42とを有し且つ分級室32に開口部を有
する原料供給ノズル16を側壁22の右側に設け、該原
料供給ノズル16の下部接線の延長方向に対して長楕円
弧を描く様にコアンダブロック26が設置されている。
分級室32の左部ブロック27は、分級室32の右側方
向にナイフエッジ型の入気エッジ19を具備し、更に分
級室32の左側には分級室32に開口する入気管14及
び15を設けてある。また、図4に示すように入気管1
4及び15には、ダンパーのごとき第1気体導入調節手
段20及び第2気体導入調節手段21と静圧計28及び
静圧計29を設けてある。
【0082】分級エッジ17,18、Gブロック23及
び入気エッジ19の位置は、被分級処理原料であるトナ
ーの種類及び所望の粒径により調整される。
【0083】分級室32の上面にはそれぞれの分画域に
対応させて、分級室内に開口する排出口11,12及び
13を有し、排出口11,12及び13にはパイプの如
き連通手段が接続されており、それぞれにバルブ手段の
ごとき開閉手段を設けてよい。
【0084】原料供給ノズル16は直角筒部と角錘筒部
とからなり、直角筒部の内径と角錘筒部の最も狭い箇所
の内径の比を20:1から1:1、好ましくは10:1
から2:1に設定すると、良好な導入速度が得られる。
【0085】以上のように構成してなる多分割分級域で
の分級操作は、例えば次のようにして行なう。即ち、排
出口11,12及び13の少なくとも1つを介して分級
室内を減圧し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズ
ル16中を該減圧によって流動する気流と高圧エアー供
給ノズル41から噴射される圧縮エアーのエゼクター効
果により、好ましくは流速10〜350m/secの速
度で粉体を原料供給ノズル16を介して分級室に噴出し
分散する。
【0086】分級室に導入された粉体中の粒子は、コア
ンダブロック26のコアンダ効果による作用と、その際
流入する空気のごとき気体の作用とにより湾曲線を描い
て移動し、それぞれの粒子の粒径及び慣性力の大小に応
じて、大きい粒子(粗粒子)は気流の外側、すなわち分
級エッジ18の外側の第1分画、中間の粒子は分級エッ
ジ18と17の間の第2分画、小さい粒子は分級エッジ
17の内側の第3分画に分級され、分級された大きい粒
子は排出口11より排出され、分級された中間の粒子は
排出口12より排出され、分級された小さい粒子は排出
口13よりそれぞれ排出される。
【0087】上記の粉体の分級において、分級点は、粉
体が分級室32内へ飛び出す位置であるコアンダブロッ
ク26の下端部分に対する分級エッジ17及び18のエ
ッジ先端位置によって主に決定される。さらに、分級点
は、分級気流の吸引流量あるいは原料供給ノズル16か
らの粉体の噴出速度等の影響を受ける。
【0088】本発明の気流式分級機は、特に電子写真法
による画像形成方法に用いられるトナー又はトナー用着
色樹脂粉体を分級する場合に有効である。
【0089】更に、図9に示す形式の多分割気流式分級
機では、原料供給ノズル、原料粉体導入ノズル及び高圧
エアー供給ノズルを多分割気流式分級機の上面部に具備
し、該分級エッジを具備する分級エッジブロックが、分
級域の形状を変更できるようにその位置を変更し得るよ
うにしたため、従来の気流式分級装置よりも分級精度を
飛躍的に向上させることができる。
【0090】これらのことから、本発明のトナーの製造
方法及び製造システムにおいては、粉砕及び分級条件を
コントロールすることにより、重量平均径が12μm以
下、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以
下である粒径のシャープな粒度分布を有するトナーを効
率良く生成することができる。
【0091】本発明のトナー製造方法は、静電荷像を現
像する為に使用されるトナー粒子の生成に好ましく使用
することが出来る。静電荷像現像用トナーを作製するに
は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混合物が
材料として用いられるが、その他、必要に応じて磁性
粉、荷電制御剤、及びその他の添加剤等が用いられる。
また、結着樹脂としては、ビニル系及び非ビニル系の熱
可塑性樹脂が好ましく用いられる。これらの材料をヘン
シェルミキサーまたはボールミルの如き混合機により十
分混合してから、ロール、ニーダー及びエクストルーダ
ーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び混練して樹脂
類を互いに相溶せしめた中に、顔料又は染料を分散又は
溶解せしめ、冷却固化後、粉砕及び分級を行ってトナー
を得ることが出来るが、本発明においては、この粉砕工
程及び分級工程に、上記で説明した構成の装置システム
を用いる。
【0092】以下、トナーの構成材料について説明す
る。トナーに使用される結着樹脂としては、オイル塗布
する装置を有する加熱加圧定着装置又は加熱加圧ローラ
ー定着装置を使用する場合には、下記トナー用結着樹脂
の使用が可能である。例えば、ポリスチレン、ポリ−p
−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及
びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレ
ン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチ
レン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル共重合体、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニ
ルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエ
ーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン
共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フ
ェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂
変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、
ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポ
キシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テル
ペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂が挙げら
れる。
【0093】オイルを殆ど塗布しないか又は全く塗布し
ない加熱加圧定着方式、又は加熱加圧ローラー定着方式
においては、トナー像支持体部材上のトナー像の一部が
ローラーに転移する所謂オフセット現象、及びトナー像
支持部材に対するトナーの密着性が重要な問題である。
より少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常保存
中若しくは現像器でブロッキング若しくはケーキングし
易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮しなけ
ればならない。これらの現象には、トナー中の結着樹脂
の物性が最も大きく関与しているが、本発明者等の研究
によれば、トナー中の磁性体の含有量を減らすと、定着
時にトナー像支持体に対するトナーの密着性はよくなる
が、オフセットが起こり易くなり、またブロッキング若
しくはケーキングも生じ易くなる。それゆえ、オイルを
殆ど塗布しない加熱加圧ローラー定着方式を用いる時に
は、結着樹脂の選択がより重要である。好ましい結着樹
脂としては、例えば、架橋されたスチレン系共重合体若
しくは架橋されたポリエステルが挙げられる。
【0094】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、ビニル系単量体が用いられ
る。ビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如き
二重結合を有するモノカルボン酸若しくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカ
ルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、安息芳酸ビニルの如きビニルエステル類;例え
ば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如き
ビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビ
ニルエーテル類;が挙げられ、これらは、単独若しくは
2つ以上用いられる。
【0095】ここで架橋剤としては主として2個以上の
重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香
族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を
2個有するカルボン酸エステル;例えば、ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニ
ル基を有する化合物;が単独若しくは混合物として用い
られる。
【0096】トナーには荷電制御剤をトナー粒子に配合
(内添)して用いることが好ましい。荷電制御剤によっ
て、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが
可能となり、特に本発明においては、粒度分布と荷電の
バランスを更に安定にしたものとすることが可能であ
り、荷電制御剤を用いることで先に述べた粒径範囲毎に
よる高画質化の為の機能分離及び相互補完性をより明確
にすることが出来る。
【0097】正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシ
ン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジル
アンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン
酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレー
トの如き四級アンモニウム塩;を単独で或いは2種類以
上組み合わせて用いることが出来る。これらの中でも、
ニグロシン系化合物及び四級アンモニウム塩の如き荷電
制御剤が、特に好ましく用いられる。さらに、下記一般
式(1)で表されるモノマーの単重合体、又は、前述し
た様なスチレン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸
エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性
制御剤として用いることができ、この場合、これらの荷
電制御剤は結着樹脂(の全部又は一部)としての作用を
も有する。
【0098】
【化1】 1:H、CH32,R3:置換または未置換のアルキル基(好ましくは
炭素数1〜4)
【0099】負荷電性制御剤としては、例えば、有機金
属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯
体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカ
ルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。
他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及
びポリカルボン酸及び金属塩、無水物、エステル類、ビ
スフェノール等のフェノール誘導体類等がある。
【0100】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。トナーに内添する際、この様な荷電制御剤は、結着
樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部(好まし
くは0.2〜10質量部)用いる。
【0101】トナーが磁性トナーの場合は、磁性トナー
中に含まれる磁性体としては、例えば、マグネタイト、
γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライトの如き酸
化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属或いはこれら
の金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウ
ム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、
カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、
タングステン、バナジウムの様な金属との合金及びその
混合物が挙げられる。これらの磁性体は、平均粒径が
0.1〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度の
ものが好ましく、磁性トナー中に含有させる量として
は、結着樹脂100質量部に対し60〜110質量部、
好ましくは65〜100質量部である。
【0102】トナーに使用される着色剤としては、従来
より知られている染料及び/又は顔料が使用可能であ
る。着色剤としては、例えば、カーボンブラック、フタ
ロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマネントレ
ッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハンザーイエ
ロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエローが挙
げられる。着色剤の含有量としては、結着樹脂100質
量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜
20質量部、更にトナー像を定着したOHPフィルムの
透過性をよくする為には12質量部以下が好ましく、更
に好ましくは0.5〜9質量部がよい。
【0103】次に本発明のトナーについて説明する。
【0104】本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂及
び着色剤を有しており、該トナーは、(i)重量平均粒
径が5乃至12μmであり、(ii)該トナーの3μm
以上の粒子において、下記式(1) 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕より求められる
円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で
90%以上有し、(iii)カット率Zと該トナーの重
量平均径Xとの関係が下記式(2) カット率 Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、フロー式粒子像分析装置測定さ
れる全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)と、円相当
径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とから下
記式(3) Z=(1−B/A)×100 (3) を用いて算出される値である。]を満足し、(iv)円
形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Yとトナー
重量平均径Xとの関係が下記式(4) 円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナーの重量平均粒径X:5乃至12μm]を
満足する。
【0105】従来より、トナー形状がトナーの諸特性に
影響を与えることが知られているが、本発明者らは、粉
砕法にて製造されるトナーの粒径及び形に関して検討を
進め、3μm以上の粒子における円形度と転写性及び現
像性(画質)、定着性には密接な関係があることを見出
した。
【0106】更に、粒子径の違うトナーにおいて、同一
の効果を発揮する為には、トナー重量平均径と3μm未
満の微粉含有量により3μm以上の粒子における円形度
を制御する必要がある。
【0107】即ち、トナー重量平均径と3μm未満の微
粉含有量により3μm以上の粒子における円形度を規定
することで、転写性及び現像性(画質)、定着性の優れ
たトナーを得ることが出来る。
【0108】更に、該トナーを最適に生産する粉砕・分
級システムを使用することで、従来にない簡便な方法で
これを達成した。
【0109】ここで、本発明のトナーを最適に生産でき
る粉砕・分級システムは、結着樹脂及び着色剤を少なく
とも含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷
却した後、冷却物を粉砕手段によって粗粉砕し、得られ
た粗粉砕物からなる粉体原料を、第1定量供給機に導入
し、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転体から
なる回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転
子の周囲に配置されている固定子とを具備し、且つ間隔
を保持することによって形成される環状空間が気密状態
となるように構成されている機械式粉砕機内に、上記第
1定量供給機から所定量の粉体原料を該機械式粉砕機の
粉体導入口を介して導入し、該機械式粉砕機の上記回転
子を高速回転させることによって粉体原料を微粉砕し
て、重量平均径が5乃至12μmであり、粒径4.00
μm未満の粒子が70個数%以下であり、粒径10.0
8μm以上の粒子が25体積%以下である微粉砕物を生
成し、該微粉砕された微粉砕物を機械式粉砕機の粉体排
出口から排出して第2定量供給機に導入し、第2定量供
給機から所定量の微粉砕物を、交差気流とコアンダ効果
を利用して粉体を気流分級する多分割気流式分級機に導
入し、該多分割気流式分級機内で微粉砕物を少なくとも
微粉体、中粉体及び粗粉体に分級し、分級された粗粉体
を粉体原料と混入し、上記機械式粉砕機に導入して粉砕
し、分級された中粉体からトナーを生成するシステムで
ある。
【0110】トナーが小粒径化されることによりトナー
粒子の比表面積は増大する。これによりトナーの凝集性
や付着性が大きくなる。この為、感光体上よりトナー像
を転写材に転写した場合、感光体とトナー間に働く付着
力が強くなり、転写効率を低下させる。特に、従来の粉
砕方法で製造されたトナーは不定形で角張ったものとな
り、この傾向は顕著となる。
【0111】つまり、小粒径であっても、通常粒径トナ
ーと同等或いはそれ以上の低い付着性を持たせることが
転写効率の向上となる。
【0112】トナーが比較的大きな粒子径となる場合に
は、トナー粒子の比表面積は小さくなる。この為、感光
体とトナー間に働く付着力は小粒径化されたトナーに比
較して弱いものとなる。つまり、粒子径の大きなトナー
に、小粒径トナーと同等の円形度分布を持たせた場合、
付着性の低減効果は更に増長され、転写効率向上は達成
されるが、現像性や画質の悪化と言った別の問題が生じ
る可能性がある。
【0113】更に、小粒径化されたトナーを使用した場
合、ドット再現性は良好となるが、カブリ、飛び散りに
関しては悪化する傾向がある。これは、粒子大の粗粉砕
されたトナーから微小粒子のトナーを製造する為に、微
粉及び超微粉といったトナーと目的とする粒子径の粒子
が多数混在することが原因と考えられる。つまり、粒子
径が違うトナーは帯電特性が異なり、個々の粒子との付
着性も違う。この為、小粒径化することにより、トナー
の帯電量分布は逆に広いものとなる。これらをコントロ
ールする為には、トナー粒子の3μm未満の微粉、超微
粉の存在量により、トナー粒子3μm以上の粒子の円形
度分布を制御することが重要となる。
【0114】粉砕されたトナーを繰り返し分級すること
で、シャープな粒度分布を得ることはできるが、実際の
トナー生産に対して、適応することは難しい。
【0115】つまり、本発明者らの検討によれば、粉砕
法で製造されたトナーにおいて、感光体上よりトナー像
を転写材に転写する際の転写率を向上させることで、廃
トナーの発生を抑制し、且つ、良好な低温定着性と高現
像性を達成する為には、トナーが、特定の粒度分布と円
形度を有することが重要であり、この特定の粒度分布及
び円形度を有するトナーは、上述したトナーの製造方法
で用いた特定の粉砕機と特定の分級機を組み合わせた製
造装置で製造し得ることを見い出した。
【0116】本発明の特定の円形度を有するトナーにお
いては、重量平均径が5乃至12μm、好ましくは5乃
至10μmであり、粒径4.00μm未満の粒子が40
個数%以下、好ましくは5乃至35個数%であり、粒径
10.08μm以上の粒子が好ましくは0乃至20体積
%、25体積%以下である粒度分布を有するトナーであ
ることが好ましい。
【0117】重量平均粒径が12μmを上回るトナー
は、ドット再現性が低下すると共に、重量平均径が12
μmを上回るトナーを得る場合には、粉砕機内での負荷
を極力減らすか、処理量を多くすることで粒径的には対
応可能であるが、形状は角張った物となり、所望の円形
度にすることは難しく、更に所望の円形度分布にするこ
とは難しくなる。
【0118】重量平均粒径が5μmを下回るトナーは、
画質において特にカブリを悪化させると共に、重量平均
径が5μmを下回るトナーを得る場合には、粉砕機内で
の負荷を増大させるか、処理量を極端に少なくすること
で対応は可能であるが、形状は球形に近似し所望の円形
度にすることは難しく、更に所望の円形度分布にするこ
とが難しくなるばかりでなく、微粉・超微粉の発生を押
さえ切れなくなる。4.00μm未満の粒子が40個数
%を超える場合には、重量平均径が5μmを下まわるト
ナーを得る場合と同様の理由で所望の円形度及び円形度
分布にすることが難しい。10.08μm以上の粒子が
25体積%を超える場合には、重量平均径が12μmを
上まわるトナーを得る場合と同様の理由で所望の円形度
及び円形度分布にすることが難しい。
【0119】従って、本発明の重量平均径5乃至12μ
mであり、粒径4.0μm以下の粒子が40個数%以下
であり、粒径10.08μm以上の粒子が25体積%以
下であるトナーにおいては、該トナーの3μm以上の粒
子において、下記式(1)より求められる円形度aが
0.900以上の粒子を個数基準の累積値で90%以上
有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕カット率Zとト
ナー重量平均径Xの関係が下記式(2)を満足し、 カット率 Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像
分析装置FPIA−1000で測定される全測定粒子の
粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定
粒子濃度B(個数/μl)とした時、下記式(3)で示
される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Yとトナ
ー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足することが
好ましい。 円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナーの重量平均粒径X:5乃至12μm]
【0120】このような円形度を有する場合、トナーの
帯電コントロールが容易で、帯電の均一化と耐久安定性
を得ることが出来る。更に、上記のような円形度を有す
る場合、転写効率が高くなることも判明した。これは、
上述されたような円形度を有するトナーの場合、トナー
粒子と感光体との接触面積が小さくなることで、トナー
と感光体間に働く付着力が低下するためである。更に、
従来の衝突式気流粉砕機により製造されたトナーと比較
して、トナー粒子の比表面積が低減されている為、トナ
ー粒子間の接触面積が減少し、トナー粉体のかさ密度は
密となり、定着時の熱伝導を良化することで、定着性向
上の効果も得ることができる。
【0121】該トナーの3μm以上の粒子における円形
度aが0.900以上の粒子の存在が個数基準の累積値
で90%未満となる場合には、トナー粒子と感光体との
接触面積が大きくなり、トナー粒子の感光体への付着力
が増大する為、十分な転写効率を得られず好ましくな
い。
【0122】該トナーの3μm以上の粒子における円形
度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、カ
ット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式 カット率Z≦5.3×X(好ましくは0<カット率Z≦
5.3×X) を満たし、個数基準累積値Y≧exp5.51×X
-0.645を満足しない場合、即ち、個数基準累積値Y<e
xp5.51×X-0.645を満足するような場合には、定
着部材等への付着を促進しやすくなり、十分な転写効率
が得られないだけでなく、トナーの流動性も悪化する場
合があり好ましくない。
【0123】カット率Z>5.3×Xの場合には、3μ
m以下の粒子数が多いことを示し、個数基準累積値Y≧
exp5.51×X-0.645を満足した場合でも、微小粒
子の存在により円形度的には不十分なものとなり、十分
な転写効率が得られない場合があり好ましくない。
【0124】このような各円形度を有する粒子のバラツ
キの一つの目安として、円形度標準偏差SDを用いるこ
ともできる。本発明においては円形度標準偏差SDが
0.030乃至0.045であることが好ましい。
【0125】本発明のトナーにおいては、トナーの粒度
分布は、後述するコールター社製のコールターカウンタ
ーTA−II型又はコールターマルチサイザーII型に
100μmアパーチャーを用いて測定したものであり、
トナーの平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する
簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医
用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−100
0」を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下
記式(1)により求め、さらに下記式(5)で示すよう
に測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した
値を平均円形度と定義する。
【0126】 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【0127】
【数1】
【0128】
【0129】
【数2】
【0130】本発明における円形度はトナー粒子の凹凸
の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.
00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな
値となる。本発明における円形度分布のSDは、ばらつ
きの指標であり、数値が小さいほどシャープな分布であ
ることを示す。
【0131】本発明で用いている測定装置である「FP
IA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円
形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、粒子を得ら
れた円形度によって、円形度0.4〜1.0を61分割
したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均
円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いて
いる。しかしながら、この算出法で算出される平均円形
度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形
度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及
び円形度標準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実
質的には無視できる程度であり、本発明においては、算
出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取
り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用い
る算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出
法を用いても良い。
【0132】具体的な測定方法としては、容器中の予め
不純物を除去した水100〜150ml中に分散剤とし
て界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン
酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1
〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波
分散機で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を
1.2〜2.0万個/μlとして、上記フロー式粒子像
測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未
満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
尚、分散液濃度を1.2〜2.0万個/μlとすること
で、カット率が大きくなった場合でも装置の精度が保て
るだけの粒子濃度を維持することができる。
【0133】測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行
のFPIA−1000のカタログ(1995年6月
版)、測定装置の操作マニアル及び特開平8−1364
39号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0134】試料分散液は、フラットで扁平な透明フロ
ーセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って
広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対し
て交差して通過する光路を形成するように、ストロボと
CCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に
位置するように装着される。試料分散液が流れている間
に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を
得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それ
ぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2
次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画
像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径
として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面
積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて
各粒子の円形度を算出する。
【0135】更に本発明においてその目的を達成するに
好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
【0136】本発明に用いられる結着樹脂としては、ビ
ニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂等が挙
げられる。中でもビニル系樹脂とポリエステル系樹脂が
帯電性や定着性でより好ましい。
【0137】ビニル系樹脂としては、例えばスチレン;
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−
n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、
p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレ
ン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン誘導体;
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き
エチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不
飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニル、沸化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニ
ルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボ
ン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル
酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエ
ーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、
ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの
如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニル
カルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロ
リドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;α,
β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類が挙
げられる。これらのビニル系モノマーが単独もしくは2
つ以上で用いられる。
【0138】これらの中でもスチレン系共重合体、スチ
レン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み
合わせが好ましい。
【0139】さらに、必要に応じて以下に例示する様な
架橋性モノマーで架橋された重合体又は共重合体であっ
てもよい。
【0140】芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビ
ニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキ
ル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、
エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアク
リレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エ
ーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート
化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレング
リコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコ
ールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートを
メタアクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及
びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合
物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレ
ート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上
の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの
が挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類として例
えば、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
【0141】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0142】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、
さらに好ましくは0.03〜5質量部用いることができ
る。
【0143】これらの架橋性モノマーのうち、トナー用
樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられ
るものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベ
ンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0144】本発明において、ビニル系モノマーの単重
合体または共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、エ
ポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジ
ン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環
族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を、必要に応じて
前述した結着樹脂に混合して用いることができる。
【0145】2種以上の樹脂を混合して、結着樹脂とし
て用いる場合、より好ましい形態としては分子量の異な
るものを適当な割合で混合するのが好ましい。
【0146】本発明に用いられる結着樹脂は、ガラス転
移温度が好ましくは45〜80℃、より好ましくは55
〜70℃であり、GPC測定による分子量分布におい
て、数平均分子量(Mn)は2,500〜50,00
0、重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,00
0,000であることが好ましい。
【0147】ビニル系重合体又は共重合体からなる結着
樹脂を合成する方法としては、塊状重合法、溶液重合
法、懸濁重合法、乳化重合法の如き重合法が利用でき
る。カルボン酸モノマー又は酸無水物モノマーを用いる
場合には、モノマーの性質上、塊状重合法または溶液重
合法を利用することが好ましい。
【0148】結着樹脂を合成する方法の一例としては、
次のような方法が挙げられる。ジカルボン酸、ジカルボ
ン酸無水物、ジカルボン酸モノエステルの如きモノマー
を用い、塊状重合法、溶液重合法によりビニル系共重合
体を得ることができる。溶液重合法においては、溶媒留
去時にジカルボン酸、ジカルボン酸モノエステル単位を
留去条件を工夫することにより一部無水化することがで
きる。更に、塊状重合法または溶液重合法によって得ら
れたビニル系共重合体を加熱処理することで更に無水化
を行うことができる。酸無水物をアルコールの如き化合
物により一部エステル化することもできる。
【0149】逆に、この様にして得られたビニル系共重
合体を加水分解処理で酸無水物基を閉環させ、一部ジカ
ルボン酸とすることができる。
【0150】一方、ジカルボン酸モノエステルモノマー
を用い、懸濁重合法、乳化重合法で得られたビニル系共
重合体を加熱処理による無水化及び加水分解処理による
開環により無水物からジカルボン酸を得ることができ
る。塊状重合法または溶液重合法で得られたビニル系共
重合体を、モノマー中に溶解し、次いで懸濁重合法また
は乳化重合法により、ビニル系重合体または共重合体を
得る方法を用いれば、酸無水物の一部は開環してジカル
ボン酸単位を得ることができる。重合時にモノマー中に
他の樹脂を混合してもよく、得られた樹脂を加熱処理に
よる酸無水物化、弱アルカリ水処理による酸無水物の開
環アルコール処理によりエステル化を行うことができ
る。
【0151】ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物モノマ
ーは交互重合性が強いので、無水物、ジカルボン酸の如
き官能基をランダムに分散させたビニル系共重合体を得
る為には以下の方法が好ましい方法の一つである。ジカ
ルボン酸モノエステルモノマーを用い溶液重合法によっ
てビニル系共重合体を得、このビニル系共重合体をモノ
マー中に溶解し、懸濁重合法によって結着樹脂を得る方
法である。この方法では溶液重合後の溶媒留去時に処理
条件により、全部またはジカルボン酸モノエステル部を
脱アルコール閉環無水化させることができ酸無水物を得
ることができる。懸濁重合時には酸無水物基が加水分解
開環し、ジカルボン酸が得られる。
【0152】ポリマーにおける酸無水物化は、カルボニ
ルの赤外吸収が酸またはエステルの時よりも高波数側に
シフトするので酸無水物の生成または消滅は確認でき
る。
【0153】この様にして得られる結着樹脂は、カルボ
キシル基、無水物基、ジカルボン酸基が結着樹脂中に均
一に分散されているので、トナーに良好な帯電性を与え
ることができる。
【0154】結着樹脂としては以下に示すポリエステル
樹脂も好ましい。
【0155】ポリエステル樹脂は、全成分中45〜55
mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%
が酸成分である。
【0156】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキ
サンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(B)式
で表わされるビスフェノール誘導体、下記(C)式で示
されるジオール類、グリセリン、ソルビット、ソルビタ
ン等の多価アルコール類が挙げられる。
【0157】
【化2】
【0158】全酸成分中50mol%以上を含む2価の
カルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又は
その無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水
物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケ
ニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマ
ル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不
飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられ、また、
3価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメ
リット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水
物等が挙げられる。
【0159】特に好ましいポリエステル樹脂のアルコー
ル成分としては前記(B)式で示されるビスフェノール
誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデ
セニルコハク酸又はその無水物、フマル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類;トリメリッ
ト酸又はその無水物のトリカルボン酸類が挙げられる。
【0160】これらの酸成分及びアルコール成分から得
られたポリエステル樹脂を結着樹脂として使用した熱ロ
ーラー定着用トナーとして定着性が良好で、耐オフセッ
ト性に優れているからである。
【0161】ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは90
mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/
g以下であり、ポリエステル樹脂のOH価は好ましくは
50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKO
H/g以下であることが良い。これは、分子鎖の末端基
数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大
きくなる為である。
【0162】ポリエステル樹脂のガラス転移温度(T
g)は好ましくは50〜75℃、より好ましくは55〜
65℃であることが良く、ポリエステル樹脂のGPC測
定による分子量分布において、数平均分子量(Mn)は
好ましくは1,500〜50,000、より好ましくは
2,000〜20,000であり、重量平均分子量(M
w)は好ましくは6,000〜100,000、より好
ましくは10,000〜90,000であることが良
い。
【0163】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いることが
できる。トナーにおける荷電制御剤の含有量は、結着樹
脂100質量部当り0.1〜10質量部、好ましくは
0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜5質量部で
あることが好ましい。
【0164】荷電制御剤としては、以下のものが挙げら
れる。
【0165】トナーを負荷電性に制御する負荷電性制御
剤として、例えば有機金属錯体又はキレート化合物が有
効である。モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙
げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳
香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水
物、又はそのエステル類、又は、ビスフェノールのフェ
ノール誘導体類が挙げられる。
【0166】トナーを正荷電性に制御する正荷電性制御
剤としては、ニグロシン、ニグロシン誘導体及び有機四
級アンモニウム塩が挙げられる。
【0167】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び
他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのよう
な金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,
Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0168】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、
酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウ
ム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)及びニッケル粉(Ni)が挙
げられる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の
組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄
又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0169】これらの強磁性体は平均粒径が0.05〜
2μmで、795.8kA/m印加での磁気特性が抗磁
力1.6〜12.0kA/m、飽和磁化50〜200A
2/kg(好ましくは50〜100Am2/kg)、残
留磁化2〜20Am2/kgのものが好ましい。
【0170】本発明のトナーにおいて、磁性体の含有量
は、結着樹脂100質量部に対して、磁性体10〜20
0質量部、好ましくは20〜150質量部であるのが良
い。
【0171】本発明のトナーに使用できる非磁性の着色
剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。
例えば顔料として、カーボンブラック、アニリンブラッ
ク、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザ
イエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベン
ガラ、フタロシアニンブルー及びインダンスレンブルー
が挙げられ、これらの含有量は結着樹脂100質量部に
対し0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部で
あることが良い。染料としては、例えば、アントラキノ
ン系染料、キサンテン系染料及びメチン系染料が挙げら
れ、これらの含有量は、結着樹脂100質量部に対し
0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部で
あることが良い。
【0172】本発明において、必要に応じて一種又は二
種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させることが好
ましい。離型剤としては次のものが挙げられる。
【0173】低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロ
ピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワ
ックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチ
レンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化
物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワッ
クス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス
の如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び
脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部ま
たは全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直
鎖脂肪酸類;プラシジン酸、エレオステアリン酸、バリ
ナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコー
ル、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カル
ナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアル
コールの如き飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコー
ル類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール
酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き
脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エ
チレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸
アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き
飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−
ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバ
シン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレ
ンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソ
フタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリ
ン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩
(一般に金属石けんといわれているもの)、脂肪族炭化
水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系
モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニ
ン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部
分エステル化物、植物性油脂の水素添加などによって得
られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が
挙げられる。
【0174】トナーにおける離型剤の含有量は、結着樹
脂100質量部あたり0.1〜20質量部、好ましくは
0.5〜10質量部が好ましい。
【0175】これらの離型剤は、通常、樹脂を溶剤に溶
解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する
方法や、混練時に混合する方法で結着樹脂に含有させる
ことができる。
【0176】本発明において、トナーの示差走査熱量計
(DSC)により測定されるDSC曲線において、昇温
時の吸熱メインピーク温度が好ましくは60〜140℃
の範囲、より好ましくは60〜120℃の範囲にあるこ
とが、上述した特定の粒度分布を有するトナーにおいて
特に好ましく、降温時の発熱メインピーク温度が好まし
くは60〜150℃の範囲、より好ましくは60〜13
0℃の範囲にあることが上述した特定の粒度分布を有す
るトナーにおいて特に好ましい。
【0177】本発明において、トナーに含有されるワッ
クスの示差走査熱量計(DSC)により測定されるDS
C曲線において、昇温時の吸熱メインピーク温度が好ま
しくは60〜140℃の範囲、より好ましくは60〜1
20℃の範囲にあることが、上述した特定の粒度分布を
有するトナーにおいて特に好ましく、降温時の発熱メイ
ンピーク温度が好ましくは60〜150℃の範囲、より
好ましくは60〜130の範囲にあることが上述した特
定の粒度分布を有するトナーにおいて特に好ましい。
【0178】本発明におけるDSC測定では、トナー及
びワックスの熱のやり取りを測定しその挙動を観測する
ので、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差
走査熱量計で測定する必要がある。例えば、パーキンエ
ルマー社製のDSC−7が利用できる。測定に用いるサ
ンプル量は、トナーサンプルの場合には、約10〜15
mgを用い、ワックスサンプルの場合には、約2〜5m
gを用いる。
【0179】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/min、
温度0〜200℃の範囲で降温、昇温させた時に測定さ
れるDSC曲線を用いる。
【0180】本発明のトナーに流動性向上剤を添加して
も良い。流動性向上剤は、トナー粒子に外添することに
より、流動性が添加前後を比較すると増加し得るもので
ある。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフ
ルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製
法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末
酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリ
ング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルによ
り表面処理を施した処理シリカ等がある。
【0181】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔
中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎とな
る反応式は次の様なものである。
【0182】 SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0183】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金
属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカ
としてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒
径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好
ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範
囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0184】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。
【0185】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0186】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0187】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理することによって付与される。好ましい方法として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0188】有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチル
ジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチル
トリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラ
ン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリ
ルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビ
ニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラ
メチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシ
ロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個
宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロ
キサン等がある。さらに、ジメチルシリコーンオイルの
如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種ある
いは2種以上の混合物で用いられる。本発明において
は、シリコーンオイル処理が特に好ましい。
【0189】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは5
0m2/g以上のものが良好な結果を与える。本発明の
トナーにおいて、流動性向上剤の外添量は、トナー10
0質量部に対して0.01〜8質量部、好ましくは0.
1〜4質量部であることが良い。
【0190】本発明のトナーは、前述した図3及び図4
に示す装置システムに図5、図6及び図7に示す機械式
粉砕機と図9に示す多分割分級機とを適用して、本発明
のトナーの製造方法によって製造することができる。
【0191】次に、本発明で用いられる各種物性データ
ーの測定方法に関して説明する。
【0192】(1)粒度分布の測定 粒度分布については、測定装置としてコールターカウン
ターTA−II型又はコールターマルチサイザーII型
(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出力
するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソ
ナルコンピューター(キヤノン製)を接続し、電解液は
特級または1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水
溶液を調製する。測定法として前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはア
ルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、
さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した
電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、
アパーチャーとして、トナー粒径を測定するときは10
0μmアパーチャーを用い、無機微粉末粒径を測定する
ときは13μmアパーチャーを用いて測定する。トナー
及び無機微粉末の体積,個数を測定して、体積分布と、
個数分布とを算出した。それから体積分布から求めた重
量基準の重量平均径、個数分布から求めた4.00μm
以下の粒子の個数%及び体積分布から求めた10.08
μm以上の粒子の体積%をそれぞれ求める。なお、チャ
ンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする。
【0193】トナーの粒度分布の測定には、以下のチャ
ンネルを用いる。
【0194】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜
4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.
04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未
満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜1
2.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;
16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.
40μm未満;25.40〜32.00μm未満;3
2.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用い
た。
【0195】(2)ポリエステル樹脂の酸価の測定方法 酸価とは、樹脂1g中に含まれるカルボキシル基を中和
するのに必要なカ性カリのミリグラム数として定義され
ている。したがって酸価は末端基の数を示していること
になる。測定の方法はつぎのとおりである。
【0196】サンプル2〜10gを200〜300ml
の三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=3
0:70の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。
溶解性が悪いようであれば少量のアセトンを加えてもよ
い。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッ
ドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10
カ性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液
の消費量からつぎの計算で酸価を求める。
【0197】酸価(mgKOH/g)=KOH(ml
数)×f×56.1/試料質量 (ただしfはN/10KOHのファクター)
【0198】(3)ポリエステル樹脂の水酸基価の測定
方法 JIS K 0070−1966に示される方法に準じ
て、下記の方法により測定する。
【0199】200mlの三角フラスコに試料2gを精
秤し、無水酢酸/ピリジン=1/4の混合液を5mlホ
ールピペットで加え、更に、ピリジン25mlをメスシ
リンダーで加える。三角フラスコ口に冷却器を取り付け
て、100℃のオイルバス中で90分反応させる。
【0200】蒸留水3mlを冷却器上部から加えて、よ
く振とうし10分間放置する。冷却器をつけたまま三角
フラスコをオイルバスから引き上げて放冷し、約30℃
になれば冷却器上部から少量のアセトン(10ml程
度)で冷却器及びフラスコ口を洗浄する。THF50m
lをメスシリンダーで加えフェノールフタレインのアル
コール溶液を指示薬としてN/2KOH−THF溶液で
50ml(目盛0.1ml)のビュレットを用いて中和
滴定する。中和終了直前に中性アルコール25ml(メ
タノール/アセトン=1/1)を加え溶液が微紅色を呈
するまで滴定を行う。同時に空試験も行う。
【0201】次いで、下記式に従って水酸基価を求め
る。
【0202】
【数3】 A:水酸基価(mgKOH/g) B:本試験に要したN/2KOH−THF溶液のml数 C:空試験に要したN/2KOH−THF溶液のml数 f:N/2KOH−THF溶液の力価 S:試料採取量(g) D:酸価またはアルカリ価(酸価はプラスし、アルカリ
価はマイナスする)
【0203】(4)ガラス転移温度(Tg)の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0204】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0205】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0206】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0207】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0208】(5)結着樹脂原料の分子量分布の測定 GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定
される。
【0209】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。
結着樹脂原料をロールミルに素通し(130℃,15
分)したものを用いる。試料濃度として0.05〜0.
6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜20
0μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたって
は、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチ
レン標準試料により作製された検量線の対数値とカウン
ト数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリス
チレン試料としては、例えば、Pressure Ch
emical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製
の分子量が6×102,2.1×103,4×103
1.75×104,5.1×104,1.1×105
3.9×105,8.6×105,2×106,4.48
×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポ
リスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはR
I(屈折率)検出器を用いる。
【0210】カラムとしては、103〜2×106の分子
量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲ
ルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Water
s社製のμ−styragel 500,103,1
4,105の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA−801,802,803,804,805,80
6,807の組合せが好ましい。
【0211】図16を参照しながら本発明の画像形成方
法を実施し得る画像形成装置の一例について説明する。
【0212】図中の506は、潜像保持体としての回転
ドラム型の感光体であり、該感光体506はアルミニウ
ムの如き導電性基層と、その外面に形成した光導電層と
を基本構成層とするものである。図16に例示した装置
では、感光体506は、図面上の時計方向に、例えば、
周速度200mm/sで回転駆動する。
【0213】512は、一次帯電手段としての接触帯電
部材である帯電ローラーであり、中心の芯金と、その外
周のカーボンブラックを含むエピクロルヒドリンゴムで
形成された導電性弾性層とを基本構成としている。帯電
ローラー512は、上記感光体506面に、例えば線圧
39.2N/m(40g/cm)の押圧力をもって圧接
されており、感光体506の回転に伴って従動回転す
る。
【0214】513は、上記帯電ローラー512に電圧
を印加するための帯電バイアス電源であり、この帯電ロ
ーラー512に、例えば−1.4kVの直流バイアスが
印加されることで感光体506の表面が、例えば約−7
00Vの極性・電位に帯電されている。
【0215】次いで、潜像形成手段としての画像露光5
14によって、感光体506上に静電潜像が形成され、
静電潜像が、現像装置のホッパー501に保持されてい
る現像剤によって現像されて、トナー画像として順次可
視化される。504は、接触転写部材としての転写ロー
ラーであり、中心の芯金と、その外周にカーボンブラッ
クを含むエチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体で
形成された導電性弾性層とを基本構成とする。
【0216】転写ローラー504は、感光体506の表
面に、例えば線圧19.6N/m(20g/cm)の押
圧力をもって圧接し、感光体506周速度と等速度で表
面移動方向が同一方向に回転するように構成されてい
る。
【0217】記録材507としては、例えば、A4サイ
ズの紙を用いる。該記録材507を、感光体506と転
写ローラー504との間に搬送すると同時に、上記転写
ローラー504に、トナーと逆極性の、例えば−5kV
の直流バイアスを転写バイアス電源505から印加する
ことによって、感光体506上に形成されているトナー
画像を記録材507の表面側に転写させる。従って、転
写ローラー504は、転写時には記録材507を介して
感光体506に圧接されることになる。
【0218】上記のようにしてトナー画像が転写された
記録材507は、次いで、ハロゲンヒータが内蔵されて
いる定着ローラー508aと、これに押圧力を持って圧
接された弾性体の加圧ローラー508bとを基本構成と
する定着手段としての定着器408へと搬送されて、上
記定着ローラー508aと加圧ローラー508bとの間
を通過し、これによってトナー画像が記録材507上に
定着されて、その後、画像形成物として排出される。
【0219】上記のようにしてトナー画像の転写が行な
われた後の感光体506の表面では、転写残りトナー等
の付着汚染物質を、感光体506にカウンター方向に、
例えば線圧24.5N/m(25g/cm)で圧接した
ポリウレタンゴムを基本材料とする弾性クリーニングブ
レード509を具備したクリーニング装置510よって
清浄面化することが行なわれ、更に除電露光装置511
によって除電された後、上記過程によって作像が繰り返
される。
【0220】上記の現像装置としては、例えば、図17
に示す磁性一成分系現像剤を用いた現像装置を用いるこ
とができる。
【0221】図17において、公知のプロセスにより形
成された静電潜像を保持するための潜像保持体、例え
ば、電子写真感光ドラム461は、矢印B方向に回転さ
れる。現像剤担持体としての現像スリーブ468は、金
属製円筒管(基体)466とその表面に形成される導電
性被膜層467から構成されている。図17のホッパー
463中には、磁性トナー464を撹拌するための撹拌
翼470が設けられている。ホッパー463から供給さ
れた一成分系磁性現像剤としての磁性トナー464を担
持して、矢印A方向に回転することにより、現像スリー
ブ468と感光ドラム461とが対向した現像部に磁性
トナー464を搬送する。現像スリーブ468内には、
磁性トナー464を現像スリーブ468上に磁気的に吸
引保持するために、マグネットローラー465が配置さ
れている。磁性トナー464は、現像スリーブ468と
の摩擦によって、感光ドラム461上の静電潜像を現像
可能な摩擦帯電電荷を得る。
【0222】現像部に搬送される磁性トナー464の層
厚を規制するために、強磁性金属からなる現像剤層厚規
制部材(規制ブレード)462が、現像スリーブ468
の表面から、例えば約200〜300μmのギャップ幅
を持って現像スリーブ468に臨むように、ホッパー4
63から垂下されている。そして、マグネットローラー
465の磁極N1からの磁力線がブレード462に集中
することにより、現像スリーブ468上に磁性トナー4
64の薄層が形成される。ブレード462としては、更
に規制力を強めたナイフエッジブレード、又は非磁性ブ
レードを使用することもできる。
【0223】本発明のトナーは、現像スリーブ468上
に形成される磁性トナー464の薄層の厚みが、現像部
における現像スリーブ468と感光ドラム461との間
の最小間隙Dよりも薄い非接触型現像装置に適用するこ
とが有効であるが、現像部においてトナー層の厚みが現
像スリーブ468と感光ドラム461との間の最小間隙
D以上の厚みである接触型現像装置に適用することもで
きる。説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、非接
触型現像装置を例に採って行う。
【0224】上記現像スリーブ468には、これに担持
された一成分系磁性現像剤である磁性トナー464を飛
翔させるために、電源469により現像バイアス電圧が
印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使
用するときは、静電潜像の画像部(磁性トナー464が
付着して可視化される領域)の電位と、背景部の電位と
の間の値の電圧が、現像スリーブ468に印加されるこ
とが好ましい。一方、現像画像の濃度を高め或いは階調
性を向上させるために、現像スリーブ468に交番バイ
アス電圧を印加して、現像部に向きが交互に反転する振
動電界を形成してもよい。この場合、上記画像部の電位
と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成分が重畳さ
れた交番バイアス電圧を現像スリーブ468に印加する
ことが好ましい。
【0225】高電位部と低電位部を有する静電潜像の高
電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現
像では、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使
用し、一方、静電潜像の低電位部にトナーを付着させて
可視化する、所謂、反転現像では、トナーは静電潜像の
極性と同極性に帯電するトナーを使用する。尚、高電位
と低電位というのは、絶対値による表現である。いずれ
にしても、磁性トナー464は、現像スリーブ468と
の摩擦によって静電潜像を現像するための極性が帯電さ
れる。
【0226】図18は、現像装置の他の実施例を示す構
成図、図19は現像装置の更に他の実施例を示す構成図
である。
【0227】図18及び図19の現像装置では、現像ス
リーブ468上の磁性トナー464の層厚を規制する部
材として、ウレタンゴムやシリコーンゴムの如きゴム弾
性を有する材料、或いはリン青銅、ステンレス鋼の如き
金属弾性を有する材料等の弾性板471を使用し、この
弾性板471を、図18に示した現像装置では現像スリ
ーブ468に回転方向と逆の姿勢で圧接させ、図19に
示した現像装置では現像スリーブ468に回転方向と同
方向の姿勢で圧接させていることが特徴である。このよ
うな現像装置では、いずれも現像スリーブ468上に更
に薄いトナー層を形成することができる。図18及び図
19の現像装置のその他の構成は、図17に示した現像
装置と基本的に同じであり、図18及び図19において
図17に付した符号と同一の符号は同一の部材を示す。
【0228】上記のようにして現像スリーブ468上に
トナー層を形成する方式の図18及び図19に示したよ
うな現像装置は、磁性トナーを主成分とする一成分系磁
性現像剤を使用する場合にも、非磁性トナーを主成分と
する一成分系非磁性現像剤を使用する場合にも適してい
る。
【0229】本発明の装置ユニットは、本発明の現像剤
担持体を有する図17に示したような構成の現像装置
を、画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービー
ムプリンター、ファクシミリ装置)に対して脱離可能に
装着したものである。
【0230】装置ユニットの形態としては、図17に示
す現像装置に加えて、図16に示したドラム状の潜像担
持体(感光ドラム)506、クリーニングブレード50
9を有するクリーニング手段510、及び一次帯電手段
としての接触(ローラー)帯電手段512からなる群か
ら選択される一種以上の構成部材を一体に有して構成さ
せることも可能である。このときに、上記装置本体の方
に、上記に挙げた構成部材の中で装置ユニットに選択し
なかった構成部材、例えば、帯電手段及び/又はクリー
ニング手段を伴って構成してもよい。
【0231】図20にそのような装置ユニットとしての
プロセスカートリッジの一具体例を示す。以下のプロセ
スカートリッジの説明において、図17に示す現像装置
以外は、図16を用いて説明した画像装置の構成部材と
同様の機能を有するものについては、図16と同じ符号
を用いて説明する。
【0232】図20に示したように、プロセスカートリ
ッジでは、少なくとも現像手段と潜像保持体とが一体的
に組み合わされてカートリッジ化されており、更に画像
形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリン
ター、ファクシミリ装置等)に着脱可能に構成されてい
る。
【0233】図20に示したプロセスカートリッジの実
施形態では、現像装置、ドラム状の潜像保持体(感光ド
ラム)506、クリーニングブレード509を有するク
リーニング手段510、一次帯電手段としての接触(ロ
ーラー)帯電手段512を一体とした装置ユニットとし
てのプロセスカートリッジ515が例示されている。
【0234】この実施形態では、現像装置は、現像ブレ
ード462と現像剤容器としてのホッパー463内に磁
性トナーを有する一成分系現像剤464を有して構成さ
れており、該現像剤464を用いて、現像時に、バイア
ス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラム5
06と現像スリーブ468との間に所定の電界が形成さ
れて、現像工程が実施される。尚、この現像工程を好適
に実施するためには、感光ドラム506と現像スリーブ
468との間の距離が非常に大切な要素となる。
【0235】上記では、現像装置、潜像保持体506、
クリーニング手段510及び一次帯電手段512の4つ
の構成部材を一体的にカートリッジ化した実施形態につ
いて説明したが、プロセスカートリッジとしては、先に
述べたように、現像装置が一体的にカートリッジ化され
たものであればよく、例えば、現像装置と潜像保持体と
の2つの構成部材;現像装置、潜像保持体及びクリーニ
ング手段の3つの構成部材;現像装置、潜像保持体及び
一次帯電手段の3つの構成部材;或いはこれらに、その
他の構成部材を加えて一体的にカートリッジ化すること
も可能である。
【0236】次に、上記で説明したような本発明の画像
形成方法を、ファクシミリのプリンターに適用する場合
について説明する。この場合には、図16に示した画像
露光514は、受信データをプリントするための露光に
なる。図21は、この場合における画像形成のプロセス
の一例をブロック図で示したものである。
【0237】コントローラー531は、画像読取部54
0とプリンター539とを制御する。コントローラー5
31の全体は、CPU537により制御されている。画
像読取部540からの読取データは、送信回路533を
通して相手局に送信される。相手局から受けたデータは
受信回路532を通してプリンター539に送られる。
画像メモリ536には所定の画像データが記憶される。
プリンターコントローラー538は、プリンター539
を制御している。534は電話である。
【0238】電話回線534から受信された画像(回線
を介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、
受信回路532で復調された後、CPU537によって
画像情報の複合処理が行われ、順次画像メモリ536に
格納される。そして、少なくとも1ぺージの画像がメモ
リ536に格納されると、そのぺージの画像記録を行
う。CPU537は、メモリ536より1ぺージ分の画
像情報を読み出し、プリンターコントローラー538に
複合化された1ページ分の画像情報を送出する。プリン
ターコントローラー538は、CPU537からの1ぺ
ージ分の画像情報を受け取ると、そのぺージの画像情報
記録を行うべくプリンター539を制御する。尚、CP
U537は、プリンター539による記録中に、次のぺ
ージの受信を行っている。
【0239】ファクシミリのプリンターにおいては、以
上のようにして画像の受信と記録が行われる。
【0240】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。
【0241】 [トナー粗砕物の製造例1] ・結着樹脂(ポリエステル樹脂) :100質量部 (Tg62℃、酸価18mgKOH/g、水酸基価26mgKOH/g、分子量 :Mp7500、Mn3200、Mw60000) ・磁性酸化鉄 :90質量部 (平均粒子径0.22μm、795.8kA/m磁場での特性Hc9.4kA/ m、σs82.5Am2/kg、σr11.5Am2/kg) ・モノアゾ金属錯体(負荷電制御剤) :2質量部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 :3質量部 (吸熱メインピーク温度:85.8℃,発熱メインピーク温度:86.3℃) 上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75
型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度
130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝
鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却
し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製
造用粉体原料である粉体原料A(粗粉砕物)を得た。
【0242】 [トナー粗砕物の製造例2] ・結着樹脂(スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共 重合体) :100質量部 (Tg60℃、分子量:Mp11000、Mn6200、Mw210000) ・磁性酸化鉄 :100質量部 (平均粒子径0.22μm、795.8kA/m磁場での特性Hc5.2kA/ m、σs83.8Am2/kg、σr5.0Am2/kg) ・モノアゾ金属錯体(負荷電制御剤) :2質量部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 :3質量部 (吸熱メインピーク温度:85.8℃,発熱メインピーク温度:86.3℃) 上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75
型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度
130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝
鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却
し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕しトナー製造
用粉体原料である粉体原料B(粗粉砕物)を得た。
【0243】 [トナー粗砕物の製造例3] ・結着樹脂(スチレン−アクリル酸ブチル共重合体) :100質量部 (Tg58℃、分子量:Mp15000、Mn10000、Mw300000) ・磁性酸化鉄 :90質量部 (平均粒子径0.23μm、795.8kA/m磁場での特性Hc9.0kA/ m、σs83.3Am2/kg、σr11.3Am2/kg) ・有機四級アンモニウム塩(正荷電制御剤) :3質量部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 :3質量部 (吸熱メインピーク温度:85.8℃,発熱メインピーク温度:86.3℃) 上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75
型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度
130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝
鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却
し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製
造用粉体原料である粉体原料C(粗粉砕物)を得た。
【0244】<実施例1>粉体原料Aを図4に示す装置
システムで粉砕及び分級を行った。機械式粉砕機301
には、ターボ工業社製ターボミルT−250型を用い、
図5に示す回転子314と固定子310の間隙を1.5
mmとし、回転子314の周速を115m/sで運転し
た。
【0245】本実施例では、テーブル式の第1定量供給
機315にて粗粉砕物からなる粉体原料を、20kg/
hの割合で機械式粉砕機301に供給し、粉砕した。機
械式粉砕機301で粉砕された粉体原料は、排気ファン
224からの吸引エアーに同伴されながらサイクロン2
29にて捕集され、第2定量供給機2へと導入される。
なお、このとき、機械式粉砕機内の入口温度は−10
℃、出口温度は47℃、入口温度と出口温度の温度差Δ
Tは57℃であった。この時に機械式粉砕機301で粉
砕されて得られた微粉砕品Aは、重量平均径が6.6μ
mであり、粒径4.00μm未満の粒子が53個数%、
且つ粒径10.08μm以上の粒子を5.4体積%含有
するシャープな粒度分布を有していた。
【0246】次に、上記の機械式粉砕機301で粉砕さ
れて得られた微粉砕品Aを、第2定量供給機2に導入
し、振動フィーダー3、原料供給ノズル16を介して2
2kg/hの割合で図9の構成を有する気流式分級機1
に導入した。該気流式分級機1では、コアンダ効果を利
用して、粗粉体、中粉体及び微粉体の3種の粒度に分級
される。気流式分級機1への導入に際しては、排出口1
1,12及び13の少なくとも1つを介して分級室内を
減圧し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズル16
中を該減圧によって流動する気流と、高圧エアー供給ノ
ズル41から噴射される圧縮エアーを利用した。導入さ
れた微粉砕品は、0.1秒以下の瞬時に、粗粉体G、中
粉体A−1及び微粉体の3種に分級された。分級された
もののうち、粗粉体Gは捕集サイクロン6で捕集した
後、先に説明した機械式粉砕機301に1.0kg/h
の割合で導入し、再度粉砕工程に導入した。
【0247】上記の分級工程で分級された中粉体A−1
(分級品)は、重量平均粒径が6.5μmであり、粒径
4.00μm未満の粒子を20.5個数%含有し、粒径
10.08μm以上の粒子を3.8体積%含有するシャ
ープな粒度分布となった。
【0248】この時、投入された粉体原料の全量に対す
る最終的に得られた中粉体の量の比率(即ち、分級収
率)は83%であった。
【0249】この中粉体A−1 100質量部に対し
て、ジメチルシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ
微粉体(BET300m2/g)1.2質量部をヘンシ
ェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(I−1)
とした。
【0250】このトナー(I−1)は、昇温時の吸熱メ
インピーク温度が85.7℃であり、降温時の発熱メイ
ンピーク温度が86.2℃であった。
【0251】このトナー(I−1)は、重量平均粒径が
6.5μmであり、粒径4.00μm未満の粒子を2
0.7個数%含有し、10.08μm以上の粒子を3.
8体積%含有する粒度分布を有していた。
【0252】このトナー(I−1)をFPIA−100
0にて測定した結果、円形度a=0.900以上の粒子
が96.4個数%、円形度a=0.950以上の粒子が
78.1個数%であった。
【0253】3μm未満の粒子をカット前(全粒子)粒
子濃度Aは14709.7個数/μlであり、3μm以
上の測定粒子濃度Bは12928.3個数/μlであっ
た。
【0254】図14に、FPIA−1000にて測定し
た粒度分布、円形度分布及び円相当径グラフを示す。
【0255】(評価−1)評価用トナー(I−1)を3
30gキヤノン製NP6350複写機用現像器に入れ、
常温常湿室(23℃/50%)に一晩(12時間以上)
放置する。現像器の質量を測定後、NP6350へ現像
器を設置し、現像スリーブを3分間回転させた。この
時、本体内のクリーナー部及び廃トナー回収部は事前に
一旦取り外し、質量を測定しておく。印字比率6%のテ
ストチャートを用いて、500枚画出しを行い転写率を
評価した。評価用トナー(I−1)の転写率は95%と
なった。
【0256】転写率は以下の計算式で算出した。
【0257】
【数4】
【0258】(評価−2)上記の転写率を測定した後、
複写機、現像器を常温低湿室(23℃/5%)へ移し、
12時間以上放置した後、NP6350へ現像器を設置
し、現像スリーブを3分間回転させた。印字比率6%の
テストチャートを用いて、1000枚画出しを行い、テ
ストチャート上の白部のカブリと文字周辺へのトナー飛
び散り具合にて画質評価した。評価レベルは以下に示
す。
【0259】カブリ測定用反射測定機REFLECTM
ETER(東京電色(株))にて、上記の画像の白部及
び未使用紙の反射率を測定し、両者の差をカブリとす
る。
【0260】未使用紙反射率−画像白部の反射率=カブ
リ% A:カブリ0.5%未満 B:カブリ0.5〜1.0% C:カブリ1.0〜1.5% D:カブリ1.5〜2.0% E:カブリ2.0%以上
【0261】文字周辺へのトナー飛び散り具合は画像上
の文字をルーペにて拡大して、目視にて判断した。 A:文字周辺に飛び散ったトナーが無い B:文字周辺に飛び散ったトナーが極僅か確認できる C:文字周辺に飛び散ったトナーが有るが、ラインはは
っきりしている D:文字周辺に飛び散ったトナーが多数存在する E:文字周辺に飛び散ったトナーが多数存在し、ライン
もはっきりしない
【0262】(評価−3)上記評価−2の画出し終了
後、未定着画像を作成し、キヤノン製NP6085複写
機の定着器を取り外し、外部駆動及び温度制御装置を設
置したものを用いて、150℃にて定着させ、画像濃度
を測定した後、画像を柔和な薄紙により摺擦し、画像濃
度を測定して、この前後における画像濃度差(画像濃度
低下率%)で評価した。 A:濃度低下率 0% B:濃度低下率 1%未満 C:濃度低下率 1%以上3%未満 D:濃度低下率 3%以上5%未満 E:濃度低下率 5%以上
【0263】以上の評価結果を表5に示す。
【0264】<実施例2>実施例1において、使用する
気流式分級機を図8のタイプに変更した以外は実施例1
と同様にして、中粉体A−2(分級品)を作製した。こ
の時、投入された粉体原料の全量に対する最終的に得ら
れた中粉体の量の比率(即ち、分級収率)は78%であ
った。
【0265】中粉体A−2の粒度は表2となった。
【0266】この中粉体A−2 100質量部に対し
て、ジメチルシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ
微粉体(BET300m2/g)1.2質量部をヘンシ
ェルミキサーにて外添して評価用トナー(I−2)とし
た。
【0267】このトナー(I−2)は、昇温時の吸熱メ
インピーク温度が85.7℃であり、降温時の発熱メイ
ンピーク温度が86.2℃であった。
【0268】このトナー(I−2)の粒度分布及びFP
IA−1000にて測定した円形度分布を表3に示す。
【0269】以下、実施例1と同様の評価を行ない表5
の結果を得た。
【0270】<実施例3〜6>粉体原料Aを、図4に示
す装置システムで粉砕及び分級の条件を変更した以外は
実施例1と同様にして、中粉体B−1、C−1、D−
1、E−1(分級品)を作製した。
【0271】微粉体B、C、D、E及び中粉体B−1、
C−1、D−1、E−1の粒度は表1及び2となった。
また、この時の装置運転条件は表4とした。
【0272】この中粉体B−1、C−1、D−1、E−
1 100質量部に対して、それぞれジメチルシリコー
ンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET300
2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外添
添加して評価用トナー(I−3)、(I−4)、(I−
5)、(I−6)とした。
【0273】このトナー(I−3)、(I−4)、(I
−5)、(I−6)は、いずれも昇温時の吸熱メインピ
ーク温度が85.7℃であり、降温時の発熱メインピー
ク温度が86.2℃であった。
【0274】上記トナー(I−3)、(I−4)、(I
−5)、(I−6)の粒度分布及びFPIA−1000
にて測定した円形度分布は表3となった。
【0275】以下、実施例1と同様の評価を行い、表5
の結果を得た。
【0276】<比較例1>粉体原料Aを、図11に示す
装置システムで粉砕及び分級を行った。但し、衝突式気
流粉砕機は図13に示した粉砕機を用い、第1分級手段
(図11中、52)は図12の構成のものを用い、第2
分級手段(図11中、57)は図8の構成のものを用い
た。
【0277】図12において、401は筒状の本体ケー
シングを示し、402は下部ケーシングを示し、その下
部に粗粉排出用のホッパー403が接続されている。本
体ケーシング401の内部は、分級室404が形成され
ており、この分級室404の上部に取り付けた環状の案
内室405と中央部が高くなる円錐状(傘状)の上部カ
バー406によって閉塞されている。
【0278】分級室404と案内室405の間の仕切壁
に円周方向に配列する複数のルーバー407を設け、案
内室405に送り込まれた粉体材料とエアーを各ルーバ
ー407の間より分級室404に旋回させて流入させ
る。
【0279】案内室405の上部は、円錐状の上部ケー
シング413と円錐状の上部カバー406の間の空間か
らなっている。
【0280】本体ケーシング401の下部には、円周方
向に配列する分級ルーバー409を設け、外部から分級
室404へ旋回流を起こす分級エアーを分級ルーバー4
09を介して取り入れている。
【0281】分級室404の底部に、中央部が高くなる
円錐状(傘状)の分級板410を設け、該分級板410
の外周囲に粗粉排出口411を形成する。分級板410
の中央部には微粉排出シュート412を接統し、該シュ
ート412の下端部をL字形に屈曲し、この屈曲端部を
下部ケーシング402の側壁より外部に位置させる。さ
らに該シュートは、サイクロンや集塵機のような微粉回
収手段を介して吸引ファンに接続しており、該吸引ファ
ンにより分級室404に吸引力を作用させ、該ルーバー
409間より分級室404に流入する吸引エアーによっ
て分級に要する旋回流を起こしている。
【0282】本比較例では、第1分級手段に上記の構造
からなる気流式分級機を用いたが、供給筒408より案
内室405内に、上記のトナー製造用の粗砕物を含むエ
アーを供給すると、この粗砕物を含むエアーは、案内室
405から各ルーバー407間を通過して分級室404
に旋回しながら均一の濃度で分散されながら流入する。
【0283】分級室404内に旋回しながら流入した粗
砕物は、微粉排出シュート412に接続した吸引ファン
により生起された、分級室下部の分級ルーバー409間
より流入する吸引エアー流にのって旋回を増し、各粒子
に作用する遠心力によって粗粉と微粉とに遠心分離さ
れ、分級室404内の外周部を旋回する粗粉は粗粉排出
口411より排出され、下部のホッパー403より排出
される。
【0284】また、分級板410の上部傾斜面に沿って
中央部へと移行する微粉は、微粉排出シュート412に
より排出される。
【0285】テーブル式の第1定量供給機121にて粉
砕原料を10.0kg/hの割合でインジェクションフ
ィーダー135にて、供給管408を介して図12に示
した気流分級機に供給し、粒子に働く遠心力による遠心
分離によって分級した。分級された粗粉は粗粉排出ホッ
パー403を介して、図13に示した衝突式気流粉砕機
の被粉砕物供給口165より供給され、圧力6.0kg
/cm2(G)、6.0Nm3/minの圧縮空気を用い
て、粉砕された後、原料導入部にて供給されているトナ
ー粉砕原料と混合されながら、再び該気流分級機に循環
し、閉回路粉砕を行った。一方、分級された細粉は排気
ファンからの吸引エアーに同伴されながら図11の第2
分級手段57に導入させ、サイクロン131にて捕集し
た。
【0286】なお、この時の微粉砕品Hは、重量平均径
が6.7μmであり、粒径4.00μm未満の粒子が6
2.2個数%、且つ粒径10.08μm以上の粒子を1
0.1体積%含有する粒度分布を有していた。
【0287】この得られた微粉砕品Hを第2定量供給機
124を介して、振動フィーダー125、及びノズル1
48及び149を介して13.0kg/hの割合でコア
ンダ効果を利用して粗粉体、中粉体H−1及び微粉体の
3種に分級する為に、図8に示す気流式分級装置に導入
した。導入に際しては排出口158、159及び160
に連通している捕集サイクロン129、130及び13
1の吸引減圧による系内の減圧から派生する吸引力を利
用した。分級されたもののうち、粗粉体は捕集サイクロ
ン129で捕集した後、先に説明した衝突式気流粉砕機
58に1.0kg/hの割合で導入し、再度粉砕工程に
導入した。
【0288】上記の分級工程で分級された中粉体H−1
(分級品)は、重量平均粒径が6.6μmの、粒径4.
00μm未満の粒子が22.2個数%、粒径10.08
μm以上の粒子が5.9体積%の粒度分布であった。
【0289】この時、投入された粉体原料の全量に対す
る最終的に得られた中粉体の量の比率(即ち、分級収
率)は70%であった。
【0290】この中粉体H−1 100質量部に対し
て、ジメチルシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ
微粉体(BET300m2/g)1.2質量部をヘンシ
ェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(I−9)
とした。
【0291】このトナー(I−9)は、重量平均粒径が
6.6μmであり、粒径4.00μm未満の粒子が2
2.4個数%であり、粒径10.08μm以上の粒子が
5.9体積%の粒度分布を有していた。
【0292】このトナーをFPIA−1000にて測定
した結果、円形度a=0.900以上の粒子が94.4
個数%、円形度a=0.950以上の粒子が67.9個
数%であった。図15に、FPIA−1000にて測定
した粒度分布、円形度分布及び円相当径グラフを示す。
【0293】以下、実施例1と同様の評価を行い、表5
の結果を得た。
【0294】<比較例2>粉体原料Aを用いて、図11
に示した装置システムで、微粉砕及び分級を行った。衝
突式気流粉砕機には図13に示す従来の構成のものを用
い、第1分級手段には、比較例1と同様に図12の構成
の気流分級機を用いた。この結果、粉体原料を8.0k
g/hの割合で供給して、重量平均粒径6.1μmであ
り、粒径4.00μm未満の粒子が70.3個数%、且
つ、粒径10.08μm以上の粒子が7.3体積%であ
る微粉砕品Iを得た。
【0295】次に、得られた微粉砕品を10.0kg/
hの割合で第2分級手段である図8に示した構成の気流
式分級装置に導入して分級を行った。分級されたものの
うち、粗粉体は捕集サイクロン129で捕集した後、先
に説明した衝突式気流粉砕機58に1.0kg/hの割
合で導入し、再度粉砕工程に導入した。
【0296】上記の分級工程で分級された中粉体I−1
は、重量平均粒径が6.1μm、粒径4.00μm未満
の粒子が32.1個数%、粒径10.08μm以上の粒
子が3.8体積%の粒度分布であった。
【0297】この時、投入された粉体原料の全量に対す
る最終的に得られた中粉体の量の比率(即ち、分級収
率)は65%であった。
【0298】この中粉体I−1 100質量部に対し
て、ジメチルシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ
微粉体(BET300m2/g)1.2質量部をヘンシ
ェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(I−1
0)とした。
【0299】このトナーの粒度分布及びFPIA−10
00にて測定した円形度分布を表3に示す。
【0300】以下、実施例1と同様の評価を行い、表5
の結果を得た。
【0301】<実施例7>粉体原料Bを、図4に示す装
置システムで粉砕及び分級の条件を変更した以外は実施
例1と同様にして、中粉体F−1(分級品)を作製し
た。
【0302】微粉体F及び中粉体F−1の粒度は表1及
び2となった。また、この時の装置運転条件は表4とし
た。
【0303】この時、投入された粉体原料の全量に対す
る最終的に得られた中粉体の量の比率(即ち、分級収
率)は81%であった。
【0304】この中粉体F−1 100質量部に対し
て、ジメチルシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ
微粉体(BET200m2/g)1.2質量部をヘンシ
ェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(I−7)
とした。
【0305】このトナー(I−7)は、昇温時の吸熱メ
インピーク温度が85.7℃であり、降温時の発熱メイ
ンピーク温度が86.2℃であった。
【0306】このトナー(I−7)の粒度分布及びFP
IA−1000にて測定した円形度分布を表3に示す。
【0307】(評価−4、5、6)評価用トナー(I−
7)に対して、評価用マシーンをキヤノン製LBP−9
30に変更して、実施例1と同様の評価を行い、表5の
結果を得た。
【0308】<比較例3>粉体原料Bを用いて、図11
に示した装置システムで、微粉砕及び分級を行った。衝
突式気流粉砕機には図13に示す従来の構成のものを用
い、第1分級手段には、比較例1と同様に図12の構成
の気流分級機を用いた。この結果、粉体原料を13.0
kg/hの割合で供給して、重量平均粒径7.6μmで
あり、粒径4.00μm未満の粒子が61.3個数%、
且つ、粒径10.08μm以上の粒子が12.1体積%
である微粉砕品Jを得た。
【0309】次に、得られた微粉砕品を15.0kg/
hの割合で第2分級手段である図8に示した構成の気流
式分級装置に導入して分級を行った。分級されたものの
うち、粗粉体は捕集サイクロン129で捕集した後、先
に説明した衝突式気流粉砕機58に0.6kg/hの割
合で導入し、再度粉砕工程に導入した。
【0310】上記の分級工程で分級された中粉体J−1
は、重量平均粒径が7.5μm、粒径4.00μm未満
の粒子が16.6個数%、粒径10.08μm以上の粒
子が9.7体積%の粒度分布となった。
【0311】この時、投入された粉体原料の全量に対す
る最終的に得られた中粉体の量の比率(即ち、分級収
率)は66%であった。
【0312】この中粉体J−1 100質量部に対し
て、ジメチルシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ
微粉体(BET200m2/g)1.2質量部をヘンシ
ェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(I−1
1)とした。
【0313】このトナーは重量平均粒径が7.5μmで
あり、粒径4.00μm未満の粒子が16.7個数%で
あり、粒径10.08μm以上の粒子が9.7体積%の
粒度分布を有していた。
【0314】このトナーの粒度分布及びFPIA−10
00にて測定した円形度分布を表3に示す。
【0315】以下、実施例7と同様の評価(評価−4、
5、6)を行い、表5の結果を得た。
【0316】<実施例8>粉体原料Cを、図4に示す装
置システムで粉砕及び分級の条件を変更した以外は実施
例1と同様にして、中粉体G−1(分級品)を作製し
た。
【0317】微粉体G及び中粉体G−1の粒度は表1及
び2となった。また、この時の装置運転条件は表4とし
た。
【0318】この時、投入された粉体原料の全量に対す
る最終的に得られた中粉体の量の比率(即ち、分級収
率)は81%であった。
【0319】この中粉体G−1 100質量部に対し
て、アミノ基を有するジメチルシリコーンオイルで処理
した疎水性シリカ微粉体(BET130m2/g)1.
0質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用
トナー(I−8)とした。
【0320】このトナー(I−8)は、昇温時の吸熱メ
インピーク温度が85.7℃であり、降温時の発熱メイ
ンピーク温度が86.2℃であった。
【0321】このトナー(I−8)の粒度分布及びFP
IA−1000にて測定した円形度分布を表3に示す。
【0322】(評価−7、8、9)評価用トナー(I−
8)に対して、評価用マシーンをキヤノン製NP−40
80に変更して、実施例1と同様の評価を行い、表5の
結果を得た。
【0323】
【表1】
【0324】
【表2】
【0325】
【表3】
【0326】
【表4】
【0327】
【表5】
【0328】 [トナー粗砕物の製造例4] ・結着樹脂(ポリエステル樹脂) :100質量部 (Tg59℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価30mgKOH/g、分子量 :Mp6800、Mn2900、Mw53000) ・磁性酸化鉄 :90質量部 (平均粒子径0.20μm、795.8kA/m磁場での特性Hc9.1kA/ m、σs82.1Am2/kg、σr11.4Am2/kg) ・モノアゾ金属錯体(負荷電制御剤) :2質量部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 :3質量部 (吸熱メインピーク温度:85.8℃,発熱メインピーク温度:86.3℃) 上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75
型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度
150℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝
鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却
し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製
造用粉体原料である粉体原料D(粗粉砕物)を得た。
【0329】 [トナー粗砕物の製造例5] ・結着樹脂(スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共 重合体) :100質量部 (Tg64℃、分子量:Mp13000、Mn6400、Mw240000) ・磁性酸化鉄 :90質量部 (平均粒子径0.22μm、795.8kA/m磁場での特性Hc5.1kA/ m、σs85.1Am2/kg、σr5.1Am2/kg) ・モノアゾ金属錯体(負荷電制御剤) :2質量部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 :3質量部 (吸熱メインピーク温度:85.8℃,発熱メインピーク温度:86.3℃) 上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75
型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度
150℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝
鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却
し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製
造用粉体原料である粉体原料E(粗粉砕物)を得た。
【0330】 [トナー粗砕物の製造例6] ・結着樹脂(スチレン−アクリル酸ブチル共重合体) :100質量部 (Tg58℃、分子量:Mp16000、Mn11000、Mw310000) ・磁性酸化鉄 :90質量部 (平均粒子径0.18μm、795.8kA/m磁場での特性Hc9.5kA/ m、σs83.1Am2/kg、σr11.4Am2/kg) ・有機四級アンモニウム塩(正荷電制御剤) :2質量部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 :3質量部 (吸熱メインピーク温度:85.8℃,発熱メインピーク温度:86.3℃) 上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75
型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度
150℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝
鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却
し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製
造用粉体原料である粉体原料F(粗粉砕物)を得た。
【0331】 [トナー粗砕物の製造例7] ・結着樹脂(ポリエステル樹脂) :100質量部 (Tg59℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価30mgKOH/g、分子量 :Mp6800、Mn2900、Mw53000) ・磁性酸化鉄 :90質量部 (平均粒子径0.20μm、795.8kA/m磁場での特性Hc9.1kA/ m、σs82.1Am2/kg、σr11.4Am2/kg) ・モノアゾ金属錯体(負荷電制御剤) :2質量部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 :3質量部 (吸熱メインピーク温度:85.8℃,発熱メインピーク温度:86.3℃) 上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75
型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度
150℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝
鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却
し、ハンマーミルにて粗粉砕し、トナー製造用粉体原料
である粉体原料D(粗粉砕物)を得た。なお、この際、
ハンマーミルの条件を変更し、12メッシュパス(AS
TM E−11−61)が95乃至100質量%であ
り、145メッシュオン(ASTME−11−61)が
90乃至100質量%であるのものを粉体原料Gとし
た。
【0332】<実施例9>粉体原料Dを図3に示す装置
システムで粉砕及び分級を行った。機械式粉砕機301
には、ターボ工業社製ターボミルT−250型を用い、
図5に示す回転子314と固定子310の間隙を1.5
mmとし、回転子314の周速を115m/sで運転し
た。
【0333】本実施例では、テーブル式の第1定量供給
機315にて粗粉砕物からなる粉体原料を、15kg/
hの割合で機械式粉砕機301に供給し、粉砕した。機
械式粉砕機301で粉砕された粉体原料は、排気ファン
224からの吸引エアーに同伴されながらサイクロン2
29にて捕集され、第2定量供給機54へと導入され
る。なお、この際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機
内の渦巻室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は4
1℃、T1とT2の温度差ΔTは51℃であり、Tg−
T1は74℃、Tg−T2は14℃であった。この時に
機械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品は、
重量平均径が7.4μmであり、粒径4.00μm未満
の粒子が45個数%、且つ粒径10.08μm以上の粒
子を10体積%含有するシャープな粒度分布を有してい
た。運転終了後機内点検をしたところ、融着は発生して
いなかった。また、この時、粉砕工程で消費するトナー
1kg当たりに消費する電力量は、図13に示す従来の
衝突式気流粉砕機で製造したときに比べ約1/3の0.
13kwh/kgとなった。
【0334】次に、上記の機械式粉砕機301で粉砕さ
れて得られた微粉砕品を、第2定量供給機54に導入
し、振動フィーダー55、原料供給ノズル149を介し
て18kg/hの割合で図8の構成を有する気流式分級
機57に導入した。該気流式分級機57では、コアンダ
効果を利用して、粗粉体、中粉体及び微粉体の3種の粒
度に分級される。気流式分級機57への導入に際して
は、排出口158,159及び160の少なくとも1つ
を介して分級室内を減圧し、分級室内に開口部を有する
原料供給ノズル149中を該減圧によって流動する気流
と、高圧エアー供給ノズルから噴射される圧縮エアーを
利用した。導入された微粉砕品は、0.1秒以下の瞬時
に、粗粉体、中粉体及び微粉体の3種に分級された。な
お、本実施例では分級された粗粉体を機械式粉砕機30
1には導入しなかった。
【0335】上記の分級工程で分級された中粉体(分級
品)は、重量平均粒径が7.3μmであり、粒径4.0
0μm未満の粒子を21個数%含有し、粒径10.08
μm以上の粒子を5体積%含有する粒度分布を有してい
た。この時、投入された粉体原料の全量に対する最終的
に得られた中粉体の量の比率(即ち、分級収率)は80
%であった。以下、表6に示す。
【0336】<実施例10>粉体原料として粉体原料E
を用いる他は、実施例9と同様に、表6に示す構成で粉
砕及び分級を行い、表6に示す結果を得た。
【0337】<実施例11>粉体原料として粉体原料F
を用いる他は、実施例9と同様に、表6に示す構成で粉
砕及び分級を行い、表6に示す結果を得た。
【0338】<実施例12>粉体原料として粉体原料G
を用いる他は、実施例9と同様に、表6に示す構成で粉
砕及び分級を行い、表6に示す結果を得た。
【0339】なお、本実施例では、テーブル式の第1定
量供給機315にて粗粉砕物からなる粉体原料を、10
kg/hの割合で機械式粉砕機301に供給し、粉砕し
た。本実施例で第1定量供給機空の供給量を10kg/
hとしたのは、今回使用した粉体原料Dでは、本来の供
給量では供給量が安定せず、トナーを安定的に得ること
ができなかったためである。その原因だが、今回使用し
た粉体原料Dは、ハンマーミルの条件を変更し、12メ
ッシュパス(ASTM E−11−61)が95乃至1
00質量%であり、145メッシュオン(ASTM E
−11−61)が90乃至100質量%としたため、第
1定量供給機上のホッパー内でトナーの偏析が起こって
いたためと考えられる。
【0340】ここで、偏析とは、限られた容器(ここで
はホッパー)内で一部に粒の粗いもの、他方に粒の細か
いものが集まる現象をいう。
【0341】
【表6】
【0342】<実施例13>粉体原料Dを図4に示す装
置システムで粉砕及び分級を行った。機械式粉砕機30
1には、ターボ工業社製ターボミルT−250型を用
い、図5に示す回転子314と固定子310の間隙を
1.5mmとし、回転子314の周速を115m/sで
運転した。
【0343】本実施例では、テーブル式の第1定量供給
機315にて粗粉砕物からなる粉体原料を、15kg/
hの割合で機械式粉砕機301に供給し、粉砕した。機
械式粉砕機301で粉砕された粉体原料は、排気ファン
224からの吸引エアーに同伴されながらサイクロン2
29にて捕集され、第2定量供給機2へと導入される。
なお、この際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機内の
渦巻室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は41
℃、T1とT2の温度差ΔTは51℃であり、Tg−T
1は69℃、Tg−T2は18℃であった。この時に機
械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品は、重
量平均径が7.4μmであり、粒径4.00μm未満の
粒子が45個数%、且つ粒径10.08μm以上の粒子
を10体積%含有する粒度分布を有していた。運転終了
後機内点検をしたところ、融着は発生していなかった。
この時、粉砕工程で消費するトナー1kg当たりに消費
する電力量は、図13に示す従来の衝突式気流粉砕機で
製造したときに比べ約1/3の0.13kwh/kgと
なった。
【0344】次に、上記の機械式粉砕機301で粉砕さ
れて得られた微粉砕品を、第2定量供給機2に導入し、
振動フィーダー3、原料供給ノズル16を介して18k
g/hの割合で図9の構成を有する気流式分級機1に導
入した。該気流式分級機1では、コアンダ効果を利用し
て、粗粉体、中粉体及び微粉体の3種の粒度に分級され
る。気流式分級機1への導入に際しては、排出口11,
12及び13の少なくとも1つを介して分級室内を減圧
し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズル16中を
該減圧によって流動する気流と、高圧エアー供給ノズル
41から噴射される圧縮エアーを利用した。導入された
微粉砕品は、0.1秒以下の瞬時に、粗粉体、中粉体及
び微粉体の3種に分級された。分級されたもののうち、
粗粉体は補集サイクロン6で補修した後、第2定量供給
機から供給される微粉砕物の重量を基準として5質量%
の割合で粗粉体を第3定量供給機に導入し、第3定量供
給機から、第2定量供給機から供給される微粉砕物の重
量を基準として5質量%の割合で、先に説明した機械式
粉砕機301に導入し、再度粉砕した。
【0345】上記の分級工程で分級された中粉体(分級
品)は、重量平均粒径が7.3μmであり、粒径4.0
0μm未満の粒子を15個数%含有し、粒径10.08
μm以上の粒子を5体積%含有するシャープな粒度分布
を有しており、トナー用の分級品として優れた性能を有
していた。この時、投入された粉体原料の全量に対する
最終的に得られた中粉体の量の比率(即ち、分級収率)
は88%であった。以下、表7に示す。
【0346】<実施例14及び15>粉砕工程の条件を
表7に示すように変えた他は、実施例13と同様に、粉
砕及び分級を行い、表7に示す結果を得た。
【0347】<実施例16〜18>粉体原料として粉体
原料Eを用いる他は、実施例13と同様に、表7に示す
構成で粉砕及び分級を行い、表7に示す結果を得た。
【0348】<実施例19〜21>粉体原料として粉体
原料Fを用いる他は、実施例13と同様に、表7に示す
構成で粉砕及び分級を行い、表7に示す結果を得た。
【0349】
【表7】
【0350】<比較例4>粉体原料Dを図11に示す装
置システムで粉砕及び分級を行った。但し、衝突式気流
粉砕機は図13に示した粉砕機を用い、第1分級手段
(図11中、100)及び第2分級手段(図11中、1
22)は図12の構成のものを用いた。
【0351】図12において、401は筒状の本体ケー
シングを示し、402は下部ケーシングを示し、その下
部に粗粉排出用のホッパー403が接続されている。本
体ケーシング401の内部は、分級室404が形成され
ており、この分級室404の上部に取り付けた環状の案
内室405と中央部が高くなる円錐状(傘状)の上部カ
バー406によって閉塞されている。
【0352】分級室404と案内室405の間の仕切壁
に円周方向に配列する複数のルーバー407を設け、案
内室405に送り込まれた粉体材料とエアーを各ルーバ
ー407の間より分級室404に旋回させて流入させ
る。
【0353】案内室405の上部は、円錐状の上部ケー
シング413と円錐状の上部カバー406の間の空間か
らなっている。
【0354】本体ケーシング401の下部には、円周方
向に配列する分級ルーバー409を設け、外部から分級
室404へ旋回流を起こす分級エアーを分級ルーバー4
09を介して取り入れている。
【0355】分級室404の底部に、中央部が高くなる
円錐状(傘状)の分級板410を設け、該分級板410
の外周囲に粗粉排出口411を形成する。また、分級板
410の中央部には微粉排出シュート412を接統し、
該シュート412の下端部をL字形に屈曲し、この屈曲
端部を下部ケーシング402の側壁より外部に位置させ
る。さらに該シュートは、サイクロンや集塵機のような
微粉回収手段を介して吸引ファンに接続しており、該吸
引ファンにより分級室404に吸引力を作用させ、該ル
ーバー409間より分級室404に流入する吸引エアー
によって分級に要する旋回流を起こしている。
【0356】気流分級機は上記の構造から成り、供給筒
408より案内室405内に上記のトナー製造用の粗砕
物を含むエアーを供給すると、この粗砕物を含むエアー
は、案内室405から各ルーバー407間を通過して分
級室404に旋回しながら均一の濃度で分散されながら
流入する。
【0357】分級室404内に旋回しながら流入した粗
砕物は、微粉排出シュート412に接続した吸引ファン
により生起された、分級室下部の分級ルーバー409間
より流入する吸引エアー流にのって旋回を増し、各粒子
に作用する遠心力によって粗粉と微粉とに遠心分離さ
れ、分級室404内の外周部を旋回する粗粉は粗粉排出
口411より排出され、下部のホッパー403より排出
される。
【0358】分級板410の上部傾斜面に沿って中央部
へと移行する微粉は、微粉排出シュート412により排
出される。
【0359】テーブル式の第1定量供給機121にて粉
砕原料を13.0kg/hの割合でインジェクションフ
ィーダー135にて、供給管408を介して図12に示
した気流分級機(図11中、100)に供給し、分級さ
れた粗粉は粗粉排出ホッパー403を介して、図13に
示した衝突式気流粉砕機(図11中、128)の被粉砕
物供給口165より供給され、圧力6.0kg/cm2
(G)、6.0Nm3/minの圧縮空気を用いて、粉
砕された後、原料導入部にて供給されているトナー粉砕
原料と混合されながら、再び該気流分級機(図11中、
122)に循環し、閉回路粉砕を行い、分級された細粉
は排気ファンからの吸引エアーに同伴されながら図12
の第2分級手段に導入させ、サイクロン131にて捕集
される。
【0360】その結果、重量平均径6.9μm(粒径
4.00μm未満の粒子を27個数%含有し、粒径1
0.08μm以上の粒子を2体積%含有する。)の中粉
体を分級収率62%で得た。このように、実施例9及び
13に比べて、粉砕効率、分級収率共に劣っていた。ま
た、この時、粉砕工程で消費するトナー1kg当たりに
消費する電力量は、図5に示す本発明の機械式粉砕機で
製造したときに比べ0.39kwh/kgと約3倍とな
った。以下、表8に示す。
【0361】<比較例5>粉体原料Eを用いて図11に
示す装置システムで粉砕及び分級を行った。但し、衝突
式気流粉砕機は図13に示す構成のものを用い、第1分
級手段及び第2分級手段は図12の構成のものを用いて
比較例4と同様の装置条件で粉砕を行った。
【0362】粉砕原料を10.0kg/hの割合で供給
し、重量平均径6.1μm(粒径4.00μm未満の粒
子を33個数%含有し、粒径10.08μm以上の粒子
を1体積%含有する)の中粉体を分級収率60%で得
た。このように、実施例2及び8に比べて、粉砕効率、
分級収率共に劣っていた。この時、粉砕工程で消費する
トナー1kg当たりに消費する電力量は、図5に示す本
発明の機械式粉砕機で製造したときに比べ0.35kw
h/kgと約3倍となった。以下、表8に示す。
【0363】<比較例6>粉体原料Fを用いて図11に
示す装置システムで粉砕及び分級を行った。但し、衝突
式気流粉砕機は図13に示した粉砕機を用い、第1分級
手段及び第2分級手段は図12の構成のものを用いた。
【0364】テーブル式の第1定量供給機21にて粉砕
原料を12.0kg/hの割合でインジェクションフィ
ーダー135にて、供給管408を介して図12に示し
た気流分級機に供給し、分級された粗粉は粗粉排出ホッ
パー403を介して、図13に示した衝突式気流粉砕機
の被粉砕物供給口165より供給され、圧力6.0kg
/cm2(G)、6.0Nm3/minの圧縮空気を用い
て、粉砕された後、原料導入部にて供給されているトナ
ー粉砕原料と混合されながら、再び該気流分級機に循環
し、閉回路粉砕を行い、分級された微粉は排気ファンか
らの吸引エアーに同伴されながら図12の第2分級手段
に導入され、サイクロン131にて捕集される。
【0365】その結果、重量平均径6.5μm(粒径
4.00μm未満の粒子を28個数%含有し、粒径1
0.08μm以上の粒子を1.6体積%含有する)の中
粉体を分級収率61%で得た。このように、実施例11
及び19に比べて、粉砕効率、分級収率共に劣ってい
た。この時、粉砕工程で消費するトナー1kg当たりに
消費する電力量は、図5に示す本発明の機械式粉砕機で
製造したときに比べ0.37kwh/kgと約3倍とな
った。以下、表8に示す。
【0366】
【表8】
【0367】(評価方法)上記の実施例19〜21及び
比較例4〜6で得られた中粉体である分級品100質量
部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET300m2
g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外添して評
価用トナー(II−1)〜(II−16)を得た。
【0368】このトナー(II−1)〜(II−16)
は、いずれも昇温時の吸熱メインピーク温度が85.7
℃であり、降温時の発熱メインピーク温度が86.2℃
であった。
【0369】なお、実施例11、19〜21及び比較例
6においては、疎水性シリカ微粉体としてアミノ基を有
するジメチルシリコーンオイルで処理したものを用い、
実施例9、10、12、13〜18、比較例4及び5に
おいては、疎水性シリカ微粉体としてジメチルシリコー
ンオイルで処理したものを用いた。
【0370】得られたトナー(II−1)〜(II−1
6)の粒度分布及びFPIA−1000を用いて測定し
た円形度分布を表9に示す。
【0371】得られたトナー(II−1)〜(II−1
6)を用いて、トナー(II−1),(II−4)〜
(II−7)及び(II−14)については、実施例1
と同様の評価マシーンを用いて実施例1と同様に評価を
行ない、トナー(II−2),(II−8)〜(II−
10)及び(II−15)については、実施例7と同様
の評価マシーンを用いて実施例1と同様に評価を行な
い、トナー(II−3),(II−11)〜(II−1
3)及び(II−16)については、実施例8と同様の
評価マシーンを用いて実施例1と同様に評価を行なっ
た。
【0372】評価結果を表10に示す。
【0373】
【表9】
【0374】
【表10】
【0375】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のトナー製造
方法によれば、シンプルな装置構成に加え電力消費が極
めて少なく、エネルギーコストの低い粉体の粉砕・分級
システムを提供することができる。
【0376】さらに、本発明のトナーの製造方法によれ
ば、シャープな粒度分布のトナーが、高い分級・粉砕処
理効率で高い分級収率で得られ、しかもトナー製造の分
級・粉砕工程におけるトナーの融着、粗粒化或いは凝集
といった問題の発生が有効に防止され、且つトナー成分
による装置に対する摩耗が有効に防止される結果、高品
質のトナーを連続して安定した生産を行うことができ
る。
【0377】さらに、本発明のトナーの製造方法によれ
ば、従来法に比べ、画像濃度が安定して高く、耐久性に
優れ、カブリ、クリーニング不良等の画像欠陥のない優
れた画像を得ることの出来るシャープな所定粒度を有す
る優れた静電荷像現像用トナーが低コストで得られる。
【0378】特に、本発明によれば、重量平均径が12
μm以下のシャープな粒度分布を有するトナーを効率良
く得ることが可能であり、更には、重量平均径が10μ
m以下のシャープな粒度分布を有するトナーを効率よく
得ることが可能である。
【0379】本発明のトナーによれば、廃トナーとなる
転写残トナーを減少させて高い転写効率で、低温定着性
の良好なトナーであり、高品質な画像を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの製造方法を説明する為のフロ
ーチャートである。
【図2】本発明のトナーの製造方法を説明する為のフロ
ーチャートである。
【図3】本発明のトナーの製造方法を実施する為の装置
システムの一具体例を示す概略図である。
【図4】本発明のトナーの製造方法を実施する為の装置
システムの一具体例を示す概略図である。
【図5】本発明のトナーの粉砕工程において使用される
一例の機械式粉砕機の概略断面図である。
【図6】図5におけるD−D’面での概略的断面図であ
る。
【図7】図5に示す回転子の斜視図である。
【図8】本発明のトナーの分級工程に用いられる多分割
気流式分級装置の概略断面図である。
【図9】本発明のトナーの分級工程に好ましく用いられ
る多分割気流式分級装置の概略断面図である。
【図10】従来の製造方法を説明する為のフローチャー
トである。
【図11】従来の製造方法を示すシステム図である。
【図12】従来の第1分級手段又は第2分級手段に用い
られる分級機の一例の概略断面図である。
【図13】従来の衝突式気流粉砕機の概略断面図であ
る。
【図14】中粉体A−1の粒度分布、円形度分布及び円
相当径をグラフ化した図である。
【図15】中粉体K−1の粒度分布、円形度分布及び円
相当径をグラフ化した図である。
【図16】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成
装置の模式図である。
【図17】本発明の画像形成方法に用いられる現像装置
の具体例を示す模式図である。
【図18】本発明の画像形成方法に用いられる現像装置
の他の例を示す模式図である。
【図19】本発明の画像形成方法に用いられる現像装置
のさらに他の例を示す模式図である。
【図20】本発明の装置ユニットの一例の概略断面図で
ある。
【図21】本発明の画像形成方法をファクシミリ装置の
プリンターに適用した場合のブロック図である。
【符号の説明】
1 多分割分級機 2 第2定量供給機 3 振動フィーダー 4,5,6,229 捕集サイクロン 11,12,13 排出口 11a,12a,13a 排出導管 14,15 入気管 16 原料供給ノズル 17,19,117,118 分級エッジ 19 入気エッジ 20 第1気体導入調節手段 21 第2気体導入調節手段 22,23 側壁 24,25 分級エッジブロック 26 コアンダブロック 27 左部ブロック 28,29 静圧計 30 分級域 32 分級室 40 原料供給口 41 高圧エアー供給ノズル 42 原料粉体導入ノズル 54 第2定量供給機 55 振動フィーダー 57 多分割分級機 53,59,60,61 捕集サイクロン 62,65 インジェクションフィーダー 63 中粉体(製品) 64 超微粉体 148,149 原料供給管 150 分級室上部壁 151 入気エッジ 152,153 入気管 154,155 気体導入調節手段 156,157 静圧計 158,159,160 排出口 212 渦巻室 219 パイプ 220 ディストリビュータ 222 バグフィルター 224 吸引フィルター 229 捕集サイクロン 301 機械式粉砕機 302 粉体排出口 310 固定子 311 粉体投入口 312 回転軸 313 ケーシング 314 回転子 315 第1定量供給機 316 ジャケット 317 冷却水供給口 318 冷却水排出口 320 後室 321 冷風発生手段 331 第3定量供給機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 67/00 C08L 67/00 101/00 101/00 G03G 9/083 G03G 9/08 101 9/087 331 9/09 361 (72)発明者 柴山 寧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松永 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中西 恒雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中 毅 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 東 真佐己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長谷川 雄介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 粕谷 貴重 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山崎 克久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA06 AA08 AA21 AB04 CA03 CA08 CA13 CA21 CA26 CB03 CB13 DA05 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 4J002 AA001 BA011 BB032 BB122 BB252 BC021 BC031 BD031 BD143 BD153 BF011 BG021 BK001 CD001 CE001 CF041 CK021 CL001 CP031 DA037 DA086 DC006 DE076 DE116 DE139 DE149 DJ019 EC028 EC068 EF048 EH038 EH058 EP018 EP028 EU027 FA083 FD096 FD097 FD162 FD168 FD203 FD206 FD209 GT00

Claims (56)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
    るトナーにおいて、 該トナーは、(i)重量平均粒径が5乃至12μmであ
    り、(ii)該トナーの3μm以上の粒子において、下
    記式(1) 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕より求められる
    円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で
    90%以上有し、(iii)カット率Zと該トナーの重
    量平均径Xとの関係が下記式(2) カット率 Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、フロー式粒子像分析装置測定さ
    れる全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)と、円相当
    径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とから下
    記式(3) Z=(1−B/A)×100 (3) を用いて算出される値である。]を満足し、(iv)円
    形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Yとトナー
    重量平均径Xとの関係が下記式(4) 円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナーの重量平均粒径X:5乃至12μm]を
    満足することを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 該トナーは、粒径4.00μm未満の粒
    子が40個数%以下であり、粒径10.08μm以上の
    粒子が25体積%以下である粒度分布を有することを特
    徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 該トナーは、重量平均粒径が5乃至10
    μmであり、粒径4.00μm未満の粒子が5乃至35
    個数%であり、粒径10.08μm以上の粒子が0乃至
    20体積%である粒度分布を有することを特徴とする請
    求項1に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 該トナーは、カット率Zと該トナーの重
    量平均径Xとの関係が下記式(2’) 0<カット率 Z≦5.3×X (2’) [但し、カット率Zは、フロー式粒子像分析装置測定さ
    れる全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)と、円相当
    径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とから下
    記式(3) Z =(1−B/A)×100 (3) を用いて算出される値である。]を満足することを特徴
    とする請求項1に記載のトナー。
  5. 【請求項5】 該トナーは、円形度標準偏差(SD)が
    0.030乃至0.045μmであることを特徴とする
    請求項1に記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該結着樹脂は、ガラス転移温度(Tg)
    が45乃至80℃であることを特徴とする請求項1に記
    載のトナー。
  7. 【請求項7】 該結着樹脂は、ゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィー(GPC)による分子量分布において
    数平均分子量(Mn)が2,500乃至50,000で
    あり、重量平均分子量(Mw)が10,000乃至1,
    000,000であることを特徴とする請求項1乃至6
    のいずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 該結着樹脂は、90mgKOH/g以下
    の酸価及び50mgKOH/g以下のOH価を有するポ
    リエステル樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6
    のいずれかに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 該結着樹脂は、ガラス転移温度(Tg)
    が50乃至75℃のポリエステル樹脂を有することを特
    徴とする請求項1乃至6又は8のいずれかに記載のトナ
    ー。
  10. 【請求項10】 該結着樹脂は、ゲルパーミエーション
    クロマトグラフィー(GPC)による分子量分布におい
    て数平均分子量(Mn)が1,500乃至50,000
    であり、重量平均分子量(Mw)が6,000乃至10
    0,000であるポリエステル樹脂を有することを特徴
    とする請求項1乃至6、8又は9のいずれかに記載のト
    ナー。
  11. 【請求項11】 該トナーは、着色剤として磁性体を含
    有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに
    記載のトナー。
  12. 【請求項12】 該トナーは、該磁性体を結着樹脂10
    0質量部に対して10〜200質量部含有することを特
    徴とする請求項11に記載のトナー。
  13. 【請求項13】 該トナーは、着色剤として染料又は顔
    料を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいず
    れかに記載のトナー。
  14. 【請求項14】 該トナーは、該染料又は顔料を結着樹
    脂100質量部に対して0.1〜20質量部含有するこ
    とを特徴とする請求項13に記載のトナー。
  15. 【請求項15】 該トナーは、離型剤を結着樹脂100
    質量部に対して0.1〜20質量部含有することを特徴
    とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  16. 【請求項16】 該トナーは、外添剤として流動性向上
    剤を有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれ
    かに記載のトナー。
  17. 【請求項17】 該トナーは、流動性向上剤として疎水
    性シリカ微粉体を有することを特徴とする請求項16に
    記載のトナー。
  18. 【請求項18】 該トナーは、溶融混練工程、微粉砕工
    程及び分級工程を経て生成されたものであり、 該結着樹脂及び該着色剤を少なくとも含有する混合物を
    溶融混練し、 得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によっ
    て粗粉砕し、 得られた粗粉砕物からなる粉体原料を、第1定量供給機
    に導入し、上記第1定量供給機から所定量の粉体原料
    を、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転体から
    なる回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転
    子の周囲に配置されている固定子とを具備し、且つ間隔
    を保持することによって形成される環状空間が気密状態
    となるように構成されている機械式粉砕機内に導入し、
    該機械式粉砕機の上記回転子を高速回転させることによ
    って粉体原料を微粉砕して、重量平均径が5乃至12μ
    mであり、粒径4.00μm未満の粒子が70個数%以
    下であり、粒径10.08μm以上の粒子が25体積%
    以下である微粉砕物を生成し、 該微粉砕物からトナーを生成する製造方法で製造された
    ものであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれ
    かに記載のトナー。
  19. 【請求項19】 該トナーは、該微粉砕された微粉砕物
    を該機械式粉砕機から排出して第2定量供給機に導入
    し、第2定量供給機から所定量の微粉砕物を、交差気流
    とコアンダ効果を利用して粉体を気流分級する多分割気
    流式分級機に導入し、 該多分割気流式分級機内で微粉砕物を少なくとも微粉
    体、中粉体及び粗粉体に分級し、 分級された粗粉体を粉体原料と混入し、上記機械式粉砕
    機に導入して粉砕し、且つ分級された中粉体からトナー
    を生成する製造方法で製造されたものであることを特徴
    とする請求項18に記載のトナー。
  20. 【請求項20】 該多分割気流式分級機は、原料供給ノ
    ズル,原料粉体導入ノズル及び高圧エアー供給ノズルを
    多分割気流式分級機の上面部に具備し、多分割気流式分
    級機内の分級エッジを具備する分級エッジブロックが、
    分級域の形状を変更できるようにその位置を変更し得る
    多分割気流式分級機であることを特徴とする請求項19
    に記載のトナー。
  21. 【請求項21】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有
    する混合物を、混練物を得るために溶融混練し、 得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によっ
    て粗粉砕物を得るために粗粉砕し、 得られた粗粉砕物の粉体原料を、第1定量供給機に導入
    し、 少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転体である回
    転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周
    囲に配置されている固定子と、粉体原料を導入するため
    の粉体導入口と、粉砕した粉体を排出するための粉体排
    出口とを具備し、且つ間隔を保持することによって形成
    される環状空間が気密状態となるように構成されている
    機械式粉砕機内に、上記第1定量供給機から所定量の粉
    体原料を該機械式粉砕機の粉体導入口を介して導入し、 該機械式粉砕機の該回転子を高速回転させることによっ
    て、微粉砕物を得るために粉体原料を微粉砕し、 得られた微粉砕物を該機械式粉砕機の粉体排出口から排
    出して第2定量供給機に導入し、 該第2定量供給機から所定量の微粉砕物を、交差気流と
    コアンダ効果を利用して粉体を気流分級するための多分
    割気流式分級機に導入し、 該多分割気流式分級機内で微粉砕物を少なくとも微粉
    体、中粉体及び粗粉体に分級し、 分級された粗粉体を該粉体原料に混入し、該微粉砕工程
    での該機械式粉砕機に導入して微粉砕し、 分級された中粉体からトナーを生成することを特徴とす
    るトナーの製造方法。
  22. 【請求項22】 該多分割気流式分級機は、原料供給ノ
    ズル,原料粉体導入ノズル及び高圧エアー供給ノズルを
    多分割気流式分級機の上面部に具備し、多分割気流式分
    級機内の分級エッジを具備する分級エッジブロックが、
    分級域の形状を変更できるようにその位置を変更し得る
    多分割気流式分級機であることを特徴とする請求項21
    に記載のトナーの製造方法。
  23. 【請求項23】 該粉体原料を冷風と共に機械式粉砕機
    内に導入することを特徴とする請求項21又は22に記
    載のトナーの製造方法。
  24. 【請求項24】 該冷風の温度が0乃至−18.0℃で
    あることを特徴とする請求項23に記載のトナーの製造
    方法。
  25. 【請求項25】 該機械式粉砕機は、機内冷却用の冷却
    手段を具備していることを特徴とする請求項21乃至2
    4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  26. 【請求項26】 該機械式粉砕機は、機内冷却用のジャ
    ケットを具備しており、ジャケット内に冷却水を通しな
    がら粉体原料を粉砕することを特徴とする請求項21乃
    至25のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  27. 【請求項27】 該機械式粉砕機は、粉体導入口及び該
    粉体導入口に連通して渦巻室を有し、該渦巻室の室温T
    1が0℃以下であることを特徴とする請求項21乃至2
    6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  28. 【請求項28】 該機械式粉砕機の渦巻室の室温T1が
    −5乃至−15℃であることを特徴とする請求項27に
    記載のトナーの製造方法。
  29. 【請求項29】 該機械式粉砕機の渦巻室の室温T1が
    −7乃至−12℃であることを特徴とする請求項27に
    記載のトナーの製造方法。
  30. 【請求項30】 該機械式粉砕機内で生成した微粉砕物
    は、機械式粉砕機の後室を経由して粉体排出口から機外
    へ排出され、該後室の室温T2が30乃至60℃である
    ことを特徴とする請求項21乃至29のいずれかに記載
    のトナーの製造方法。
  31. 【請求項31】 該室温T2と該室温T1との温度差Δ
    T(T2−T1)が30乃至80℃であることを特徴と
    する請求項27乃至30のいずれかに記載のトナーの製
    造方法。
  32. 【請求項32】 該室温T2と該室温T1との温度差Δ
    T(T2−T1)が35乃至75℃であることを特徴と
    する請求項27乃至30のいずれかに記載のトナーの製
    造方法。
  33. 【請求項33】 該室温T2と該室温T1との温度差Δ
    T(T2−T1)が37乃至72℃であることを特徴と
    する請求項27乃至30のいずれかに記載のトナーの製
    造方法。
  34. 【請求項34】 該粉体原料は、18メッシュパスが9
    5乃至100質量%であり、100メッシュオンが90
    乃至100質量%であることを特徴とする請求項21至
    33のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  35. 【請求項35】 該機械式粉砕機で粉体原料を微粉砕し
    て重量平均径が4乃至10μmであり、粒径4.00μ
    m未満の粒子が70個数%以下であり、粒径10.08
    μm以上の粒子が20体積%以下である微粉砕物を生成
    し、該微粉砕物から多分割気流式分級機により重量平均
    径が5乃至12μmであり、粒径4.00μm未満の粒
    子が40個数%以下であり、粒径10.08μm以上の
    粒子が25体積%以下の中粉体を生成することを特徴と
    する請求項21乃至34のいずれかに記載のトナーの製
    造方法。
  36. 【請求項36】 該機械式粉砕機で粉体原料を微粉砕し
    て重量平均径が4乃至10μmであり、粒径4.00μ
    m未満の粒子が70個数%以下であり、粒径10.08
    μm以上の粒子が20体積%以下である微粉砕物を生成
    し、該微粉砕物から多分割気流式分級機により重量平均
    径が5乃至10μmであり、粒径4.00μm未満の粒
    子が40個数%以下であり、粒径10.08μm以上の
    粒子が20体積%以下の中粉体を生成することを特徴と
    する請求項21乃至34のいずれかに記載のトナーの製
    造方法。
  37. 【請求項37】 該粗粉体の分級率が、第2定量供給機
    から供給される微粉砕物の質量を基準として0乃至1
    0.0質量%であり、0乃至10.0質量%の分級され
    た粗粉体を第1定量供給機に導入することを特徴とする
    請求項21乃至34のいずれかに記載のトナーの製造方
    法。
  38. 【請求項38】 該粗粉体の分級率が、第2定量供給機
    から供給される微粉砕物の質量を基準として0乃至1
    0.0質量%であり、0乃至10.0質量%の分級され
    た粗粉体を第3定量供給機に導入することを特徴とする
    請求項21乃至37のいずれかに記載のトナーの製造方
    法。
  39. 【請求項39】 該結着樹脂のガラス転移点(Tg)が
    45乃至75℃であり、機械式粉砕機の渦巻室の室温T
    1が0℃以下であり且つ該結着樹脂のTgよりも60乃
    至75℃低くなるよう温調することを特徴とする請求項
    21乃至38のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  40. 【請求項40】 該結着樹脂のガラス転移点(Tg)が
    45乃至75℃であり、機械式粉砕機の後室の室温T2
    が該結着樹脂のTgよりも5乃至30℃低くなるよう温
    調することを特徴とする請求項21乃至38のいずれか
    に記載のトナーの製造方法。
  41. 【請求項41】 該回転子の先端周速が80乃至180
    m/secであり、回転子と固定子との間の最小間隙が
    0.5乃至10.0mmであることを特徴とする請求項
    21乃至40のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  42. 【請求項42】 潜像保持体を帯電する帯電工程;帯電
    された潜像保持体に静電潜像を形成する潜像形成工程;
    該静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成す
    る現像工程;現像されたトナー画像を、中間転写体を介
    して、又は、介さずに記録材上に転写する転写工程;及
    び記録材上に転写されているトナー画像を定着手段によ
    って該記録材に定着する定着工程;を有する画像形成方
    法において、 該トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有してお
    り、 該トナーは、(i)重量平均粒径が5乃至12μmであ
    り、(ii)該トナーの3μm以上の粒子において、下
    記式(1) 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕より求められる
    円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で
    90%以上有し、(iii)カット率Zと該トナーの重
    量平均径Xとの関係が下記式(2) カット率 Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、フロー式粒子像分析装置測定さ
    れる全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)と、円相当
    径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とから下
    記式(3) Z=(1−B/A)×100 (3) を用いて算出される値である。]を満足し、(iv)円
    形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Yとトナー
    重量平均径Xとの関係が下記式(4) 円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナーの重量平均粒径X:5乃至12μm]を
    満足することを特徴とする画像形成方法。
  43. 【請求項43】 該潜像保持体は、電子写真用感光体で
    あることを特徴とする請求項42に記載の画像形成方
    法。
  44. 【請求項44】 該帯電工程において、該潜像保持体の
    表面にバイアス電圧が印加されている接触帯電部材を接
    触させて、該潜像保持体の表面を帯電することを特徴と
    する請求項42又は43に記載の画像形成方法。
  45. 【請求項45】 該転写工程において、該潜像保持体の
    表面、又は、該中間転写材の表面に、バイアス電圧が印
    加されている接触転写部材を記録材を介して接触させ
    て、該潜像保持体上、又は、該中間転写材上の該トナー
    画像を静電転写することを特徴とする請求項42乃至4
    4のいずれかに記載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 該現像工程において、該潜像保持体の
    表面に形成されている静電潜像をトナー担持体上に担持
    されているトナーによって現像することを特徴とする請
    求項42乃至45のいずれかに記載の画像形成方法。
  47. 【請求項47】 該現像工程において、該トナー担持体
    に直流電圧が重畳された交番バイアス電圧を印加して現
    像することを特徴とする請求項46に記載の画像形成方
    法。
  48. 【請求項48】 該トナーは、請求項2乃至20のいず
    れかに記載のトナーであることを特徴とする請求項42
    乃至47のいずれかに記載の画像形成方法。
  49. 【請求項49】 画像形成装置本体に脱離可能に装着さ
    れる装置ユニットにおいて、 該装置ユニットは、 静電潜像を現像するためのトナー;該トナーを保有する
    ためのトナー容器;該トナー容器に保有されているトナ
    ーを担持し且つ搬送するためのトナー担持体;及び該ト
    ナー担持体に担持されるトナーの層厚を規制するための
    トナー層厚規制部材;を有しており、 該トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有してお
    り、 該トナーは、(i)重量平均粒径が5乃至12μmであ
    り、(ii)該トナーの3μm以上の粒子において、下
    記式(1) 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕より求められる
    円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で
    90%以上有し、(iii)カット率Zと該トナーの重
    量平均径Xとの関係が下記式(2) カット率 Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、フロー式粒子像分析装置測定さ
    れる全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)と、円相当
    径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とから下
    記式(3) Z=(1−B/A)×100 (3) を用いて算出される値である。]を満足し、(iv)円
    形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Yとトナー
    重量平均径Xとの関係が下記式(4) 円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナーの重量平均粒径X:5乃至12μm]を
    満足することを特徴とする装置ユニット。
  50. 【請求項50】 該トナー担持体は、該静電潜像の現像
    時に直流電圧が重畳された交番バイアス電圧が印加され
    ることを特徴とする請求項49に記載の装置ユニット。
  51. 【請求項51】 該装置ユニットは、静電潜像を保持す
    るための潜像保持体を一体に有していることを特徴とす
    る請求項49又は50に記載の装置ユニット。
  52. 【請求項52】 該潜像保持体は、電子写真用感光体で
    あることを特徴とする請求項51に記載の装置ユニッ
    ト。
  53. 【請求項53】 該装置ユニットは、静電潜像を保持す
    るための潜像保持体及び該潜像保持体の表面に接触して
    該潜像保持体の表面を帯電するための、バイアス電圧が
    印加されている接触帯電部材を一体に有していることを
    特徴とする請求項51に記載の装置ユニット。
  54. 【請求項54】 該装置ユニットは、静電潜像を保持す
    るための潜像保持体及び該潜像保持体の表面に接触して
    該潜像保持体の表面をクリーニングするためのクリーニ
    ング部材を一体に有していることを特徴とする請求項5
    1に記載の装置ユニット。
  55. 【請求項55】 該装置ユニットは、静電潜像を保持す
    るための潜像保持体、該潜像保持体の表面に接触して該
    潜像保持体の表面を帯電するためのバイアス電圧が印加
    される接触帯電部材及び該潜像保持体の表面に接触して
    該潜像保持体の表面をクリーニングするためのクリーニ
    ング部材を一体に有していることを特徴とする請求項5
    1に記載の装置ユニット。
  56. 【請求項56】 該トナーは、請求項2乃至20のいず
    れかに記載のトナーであることを特徴とする請求項49
    乃至55のいずれかに記載の装置ユニット。
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JP2014215403A (ja) * 2013-04-24 2014-11-17 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナーの製造方法、及び静電潜像現像用トナー

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