JP2002106634A - 磁気制御ゴム支承およびこれに支承された構造物 - Google Patents
磁気制御ゴム支承およびこれに支承された構造物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゴム板と鋼鈑を積層した積層ゴム支承におけ
る不十分な復元力を補完増強し、かつ、アクティブな制
震制御を可能にする磁気制御ゴム支承を提供する。 【解決手段】 ゴム板と鋼鈑を積層した積層体に空洞を
設け、該空洞内に一対の磁石を配置し、一方の磁石を下
部取り付け板に、他方の磁石を上部取り付け板に固定す
る。したがって、地震時に該取り付け板間で相対変位が
生じると、該磁石間の吸引力または反発力が復元力とな
り、制震効果を発揮する。さらに、磁石の一方を電磁石
にし、前記相対変位に応じて、該電磁石の極性ないし電
流の大きさを変更することにより、アクティブな制震制
御ができる。さらに、構造物の上部構造体を該磁気制御
ゴム支承により支承することにより、耐震信頼性が向上
し、また構造自体を簡素にすることができる。
る不十分な復元力を補完増強し、かつ、アクティブな制
震制御を可能にする磁気制御ゴム支承を提供する。 【解決手段】 ゴム板と鋼鈑を積層した積層体に空洞を
設け、該空洞内に一対の磁石を配置し、一方の磁石を下
部取り付け板に、他方の磁石を上部取り付け板に固定す
る。したがって、地震時に該取り付け板間で相対変位が
生じると、該磁石間の吸引力または反発力が復元力とな
り、制震効果を発揮する。さらに、磁石の一方を電磁石
にし、前記相対変位に応じて、該電磁石の極性ないし電
流の大きさを変更することにより、アクティブな制震制
御ができる。さらに、構造物の上部構造体を該磁気制御
ゴム支承により支承することにより、耐震信頼性が向上
し、また構造自体を簡素にすることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の制震手
段、特に、積層ゴムと磁石を利用した磁気制御ゴム支承
およびこれに支承された構造物に関する。
段、特に、積層ゴムと磁石を利用した磁気制御ゴム支承
およびこれに支承された構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、構造物の制震手段として、ゴ
ム板と鋼板を交互に積み重ねた積層体と、この積層体の
上下面にそれぞれ上部取り付け板および下部取り付け板
を設置したところの積層ゴム支承がある。この積層ゴム
支承は、下部取り付け板が基礎構造物に、上部取り付け
板が上部構造物にそれぞれ設置され、地震が発生した
際、上部と下部の取り付け板の間で相対変位が生じる
と、この相対変位に基づくゴム板のせん断変形抵抗が相
対変位を減少させる復元力として作用するものである。
ム板と鋼板を交互に積み重ねた積層体と、この積層体の
上下面にそれぞれ上部取り付け板および下部取り付け板
を設置したところの積層ゴム支承がある。この積層ゴム
支承は、下部取り付け板が基礎構造物に、上部取り付け
板が上部構造物にそれぞれ設置され、地震が発生した
際、上部と下部の取り付け板の間で相対変位が生じる
と、この相対変位に基づくゴム板のせん断変形抵抗が相
対変位を減少させる復元力として作用するものである。
【0003】また、両端が下部取り付け板および上部取
り付け板にそれぞれ固定された鉛柱を併設した積層ゴム
支承がある。この鉛柱を併設した積層ゴム支承は、地震
が発生した際、上下の取り付け板の間で相対変位が生じ
ると、この相対変位に基づくゴム板の弾性せん断変形抵
抗と鉛柱の弾性せん断変形抵抗が相対変位を減少させる
復元力として作用し、さらに、鉛柱の塑性せん断変形が
地震エネルギを吸収する減衰機能を発揮するものであ
る。
り付け板にそれぞれ固定された鉛柱を併設した積層ゴム
支承がある。この鉛柱を併設した積層ゴム支承は、地震
が発生した際、上下の取り付け板の間で相対変位が生じ
ると、この相対変位に基づくゴム板の弾性せん断変形抵
抗と鉛柱の弾性せん断変形抵抗が相対変位を減少させる
復元力として作用し、さらに、鉛柱の塑性せん断変形が
地震エネルギを吸収する減衰機能を発揮するものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の積層ゴム支承においては、地震が発生した際、下
部取り付け板と上部取り付け板の間で相対変位が生じる
と、この相対変位を減少させる復元力が、ゴム板の弾性
せん断変形抵抗に基づくものであるため、十分な復元力
を確保するために、積層体を大型化する必要があるとの
問題があり、構造物への配置が困難になることがあっ
た。
従来の積層ゴム支承においては、地震が発生した際、下
部取り付け板と上部取り付け板の間で相対変位が生じる
と、この相対変位を減少させる復元力が、ゴム板の弾性
せん断変形抵抗に基づくものであるため、十分な復元力
を確保するために、積層体を大型化する必要があるとの
問題があり、構造物への配置が困難になることがあっ
た。
【0005】しかも、相対変位が小さい範囲において
は、ゴム板の弾性せん断変形抵抗が相対変位に対して略
比例するため、この範囲においては復元力が期待できな
いとの問題があり、構造物の振動の減衰に長時間を要し
ていた。さらに、地震の状況ないし構造物の特性に応じ
たリアルタイムのアクティブな制震が不可能であるとい
う問題があり、有効な制震機能を発揮できないおそれが
あった。また、鉛柱を併設した場合でも、鉛柱が容易に
塑性変形するため、鉛柱の弾性せん断変形抵抗が期待で
きず、前記積層体の大型化を招くという問題があった。
は、ゴム板の弾性せん断変形抵抗が相対変位に対して略
比例するため、この範囲においては復元力が期待できな
いとの問題があり、構造物の振動の減衰に長時間を要し
ていた。さらに、地震の状況ないし構造物の特性に応じ
たリアルタイムのアクティブな制震が不可能であるとい
う問題があり、有効な制震機能を発揮できないおそれが
あった。また、鉛柱を併設した場合でも、鉛柱が容易に
塑性変形するため、鉛柱の弾性せん断変形抵抗が期待で
きず、前記積層体の大型化を招くという問題があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、磁石を配置することにより、積層体
の復元力の不足を補うことができ、さらに、地震の状況
ないし構造物の特性に応じたリアルタイムの制震制御が
できる磁気制御ゴム支承と、この磁気制御ゴム支承に支
承された構造物を提供することを目的とする。
てなされたもので、磁石を配置することにより、積層体
の復元力の不足を補うことができ、さらに、地震の状況
ないし構造物の特性に応じたリアルタイムの制震制御が
できる磁気制御ゴム支承と、この磁気制御ゴム支承に支
承された構造物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべく以下に掲げる構成とした。請求項1記載の発明の
要旨は、ゴム板と鋼板を交互に積み重ねて構成され、上
下方向に貫通する空洞を具備する積層体と、該積層体の
上面に接合された上部取り付け板と、該積層体の下面に
接合された下部取り付け板と、前記空洞内で前記上部取
り付け板に固定された上部磁石と、前記空洞内で前記下
部取り付け板に固定された下部磁石とを有し、該上部磁
石と該下部磁石が互いに吸引または反発することを特徴
とする磁気制御ゴム支承に存する。請求項2記載の発明
の要旨は、請求項1記載の発明の前記上部磁石または前
記下部磁石の一方が、磁石に代えて強磁性体から成る柱
体により構成され、該柱体と他方の上部磁石または下部
磁石が互いに吸引することを特徴とする磁気制御ゴム支
承に存する。請求項3記載の発明の要旨は、請求項1ま
たは2記載の発明の前記上部磁石または前記下部磁石の
すくなくとも一方が、電磁石である場合であって、該電
磁石が強磁性体から成る芯材を具備していることを特徴
とする磁気制御ゴム支承に存する。請求項4記載の発明
の要旨は、請求項1、2または3記載の発明の前記上部
磁石または前記下部磁石のすくなくとも一方が電磁石で
ある場合であって、前記上部取り付け板と前記下部取り
付け板との間の相対変位または前記上部取り付け板が設
置されるべき部位と前記下部取り付け板が設置されるべ
き部位との間の相対変位を測定する相対変位測定手段を
有し、該相対変位測定手段の測定結果に基づいて、前記
電磁石に流す電流の大きさおよび電流の向きの一方また
は両方を制御することを特徴とする磁気制御ゴム支承に
存する。請求項5記載の発明の要旨は、上部構造体と基
礎構造体とを有し、請求項1、2、3または4記載の発
明の上部取り付け板が上部構造体に設置され、該発明の
下部取り付け板が基礎構造体に設置されていることを特
徴とする、磁気制御ゴム支承に支承された構造物に存す
る。
すべく以下に掲げる構成とした。請求項1記載の発明の
要旨は、ゴム板と鋼板を交互に積み重ねて構成され、上
下方向に貫通する空洞を具備する積層体と、該積層体の
上面に接合された上部取り付け板と、該積層体の下面に
接合された下部取り付け板と、前記空洞内で前記上部取
り付け板に固定された上部磁石と、前記空洞内で前記下
部取り付け板に固定された下部磁石とを有し、該上部磁
石と該下部磁石が互いに吸引または反発することを特徴
とする磁気制御ゴム支承に存する。請求項2記載の発明
の要旨は、請求項1記載の発明の前記上部磁石または前
記下部磁石の一方が、磁石に代えて強磁性体から成る柱
体により構成され、該柱体と他方の上部磁石または下部
磁石が互いに吸引することを特徴とする磁気制御ゴム支
承に存する。請求項3記載の発明の要旨は、請求項1ま
たは2記載の発明の前記上部磁石または前記下部磁石の
すくなくとも一方が、電磁石である場合であって、該電
磁石が強磁性体から成る芯材を具備していることを特徴
とする磁気制御ゴム支承に存する。請求項4記載の発明
の要旨は、請求項1、2または3記載の発明の前記上部
磁石または前記下部磁石のすくなくとも一方が電磁石で
ある場合であって、前記上部取り付け板と前記下部取り
付け板との間の相対変位または前記上部取り付け板が設
置されるべき部位と前記下部取り付け板が設置されるべ
き部位との間の相対変位を測定する相対変位測定手段を
有し、該相対変位測定手段の測定結果に基づいて、前記
電磁石に流す電流の大きさおよび電流の向きの一方また
は両方を制御することを特徴とする磁気制御ゴム支承に
存する。請求項5記載の発明の要旨は、上部構造体と基
礎構造体とを有し、請求項1、2、3または4記載の発
明の上部取り付け板が上部構造体に設置され、該発明の
下部取り付け板が基礎構造体に設置されていることを特
徴とする、磁気制御ゴム支承に支承された構造物に存す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
磁気制御ゴム支承を図面に基づいて詳細に説明する。 [実施の形態1]図1および図2は、それぞれ請求項1記
載の発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承の各部
材の斜視図および磁気制御ゴム支承の縦断面図である。
図1および図2において、上部取り付け板1と下部取り
付け板2の間に、ゴム板3と鋼板4を交互に積み重ねた
積層体34が配置されている。ゴム板3と鋼板4にはそ
れぞれ略同じ位置に略同じ形状の貫通穴が設けられてい
るため、積層体34には空洞5が形成されている。
磁気制御ゴム支承を図面に基づいて詳細に説明する。 [実施の形態1]図1および図2は、それぞれ請求項1記
載の発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承の各部
材の斜視図および磁気制御ゴム支承の縦断面図である。
図1および図2において、上部取り付け板1と下部取り
付け板2の間に、ゴム板3と鋼板4を交互に積み重ねた
積層体34が配置されている。ゴム板3と鋼板4にはそ
れぞれ略同じ位置に略同じ形状の貫通穴が設けられてい
るため、積層体34には空洞5が形成されている。
【0009】そして、空洞5の内部で空洞5の内壁から
所定の隙間を確保して、上部取り付け板1には上部磁石
6Uが、下部取り付け板2には下部磁石6Lがそれぞれ
設置されている。上部磁石6Uと下部磁石6Lはそれぞ
れ異なった極性の極が近接して向かい合うように配置さ
れているため、互いに吸引している。したがって、地震
が発生した際、上部取り付け板1と下部取り付け板2と
の間で相対変位が生じると、ゴム板3のせん断変形抵抗
および、上部磁石6Uと下部磁石6L間の吸引力が、該
相対変位を元の位置に戻そうとする復元力となる。
所定の隙間を確保して、上部取り付け板1には上部磁石
6Uが、下部取り付け板2には下部磁石6Lがそれぞれ
設置されている。上部磁石6Uと下部磁石6Lはそれぞ
れ異なった極性の極が近接して向かい合うように配置さ
れているため、互いに吸引している。したがって、地震
が発生した際、上部取り付け板1と下部取り付け板2と
の間で相対変位が生じると、ゴム板3のせん断変形抵抗
および、上部磁石6Uと下部磁石6L間の吸引力が、該
相対変位を元の位置に戻そうとする復元力となる。
【0010】なお、本発明は、上部磁石6Uと下部磁石
6Lがいずれも永久磁石であることに限定するものでは
なく、上部磁石6Uおよび下部磁石6Lの一方または両
方が電磁石であってもよい。
6Lがいずれも永久磁石であることに限定するものでは
なく、上部磁石6Uおよび下部磁石6Lの一方または両
方が電磁石であってもよい。
【0011】さらに、本発明は、一対の磁石の向かい合
う極性が相互に異なるものに限定するものではなく、上
部磁石6Uと下部磁石6Lの向かい合う極性を同じに
し、それぞれ所定の距離だけ離隔して配置してもよい。
このとき、地震が発生した際、上部磁石6Uと下部磁石
6Lが近接する方向に相対変位が生じると、上部磁石6
Uと下部磁石6Lの間に反発力が発生し、該反発力とゴ
ム板3のせん断変形抵抗が相対変位を元に戻そうとする
復元力となる。この場合、上部または下部の一方の磁石
を円環状とし、他方の磁石を該円環の中央に配置してお
けば、いずれの方向の相対変位に対しても反発力を得る
ことができる。
う極性が相互に異なるものに限定するものではなく、上
部磁石6Uと下部磁石6Lの向かい合う極性を同じに
し、それぞれ所定の距離だけ離隔して配置してもよい。
このとき、地震が発生した際、上部磁石6Uと下部磁石
6Lが近接する方向に相対変位が生じると、上部磁石6
Uと下部磁石6Lの間に反発力が発生し、該反発力とゴ
ム板3のせん断変形抵抗が相対変位を元に戻そうとする
復元力となる。この場合、上部または下部の一方の磁石
を円環状とし、他方の磁石を該円環の中央に配置してお
けば、いずれの方向の相対変位に対しても反発力を得る
ことができる。
【0012】さらに、本発明は、円筒状の空洞を具備す
る矩形の積層体に限定するものではなく、積層体、空洞
および上部磁石と下部磁石の形状は、いずれも任意であ
って、設計事項である。さらに、本発明は、積層体が単
一の空洞を具備し該空洞に一対の磁石を配置したものに
限定するものではなく、空洞5の内部に、複数対の上部
磁石と下部磁石を配置してもよく、また、複数の空洞を
設け、それぞれの空洞に一対以上の上部磁石と下部磁石
を配置してもよい。
る矩形の積層体に限定するものではなく、積層体、空洞
および上部磁石と下部磁石の形状は、いずれも任意であ
って、設計事項である。さらに、本発明は、積層体が単
一の空洞を具備し該空洞に一対の磁石を配置したものに
限定するものではなく、空洞5の内部に、複数対の上部
磁石と下部磁石を配置してもよく、また、複数の空洞を
設け、それぞれの空洞に一対以上の上部磁石と下部磁石
を配置してもよい。
【0013】なお、前記空洞が外部空間と隔てられた閉
鎖空間に設置されるため、外部で発生した鉄粉等が永久
磁石や電磁石の表面に付着することによって生じる磁石
機能の劣化の心配がなく、特別の防護設備を必要としな
いメリットがある。また、該空洞に作動油ないし防錆油
等を封入することもできる。
鎖空間に設置されるため、外部で発生した鉄粉等が永久
磁石や電磁石の表面に付着することによって生じる磁石
機能の劣化の心配がなく、特別の防護設備を必要としな
いメリットがある。また、該空洞に作動油ないし防錆油
等を封入することもできる。
【0014】[実施の形態2]図3は、請求項2記載の
発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承の縦断面図
である。図3は、前記実施の形態1に示す図1および図
2に記載した下部磁石6Lを磁石に代えて、強磁性体か
ら成る柱体7に変更したものである。したがって、該柱
体7と上部磁石6Uの間で吸引力が生じるため、前記実
施の形態1に記載する作用効果を発揮するとともに、装
置を安価に製造することができる。
発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承の縦断面図
である。図3は、前記実施の形態1に示す図1および図
2に記載した下部磁石6Lを磁石に代えて、強磁性体か
ら成る柱体7に変更したものである。したがって、該柱
体7と上部磁石6Uの間で吸引力が生じるため、前記実
施の形態1に記載する作用効果を発揮するとともに、装
置を安価に製造することができる。
【0015】なお、強磁性体の材質は、磁石に吸引され
るものである限り、たとえば鉄系やニッケル系の金属等
いずれを選定してもよく、該選定は設計事項である。さ
らに、上部磁石6Uを磁石に代えて強磁性体から成る柱
体に変更し、下部磁石6Lを永久磁石または電磁石して
もよい。
るものである限り、たとえば鉄系やニッケル系の金属等
いずれを選定してもよく、該選定は設計事項である。さ
らに、上部磁石6Uを磁石に代えて強磁性体から成る柱
体に変更し、下部磁石6Lを永久磁石または電磁石して
もよい。
【0016】[実施の形態3]図4は、請求項3記載の
発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承の縦断面図
である。図4は、前記実施の形態1に示す図1および図
2に記載した、上部磁石6Uが永久磁石で下部磁石6L
が電磁石8である場合に、電磁石8のコイル8Cの中央
部に強磁性体から成る芯材8Pを配置し、これを下部取
り付け板2に固定したものである。コイル8Cへは、電
源9より電流10が供給されている。したがって、強磁
性体から成る芯材8Pを配置したことにより電磁石8の
吸引力が増強され、さらに、コイル8Cへの通電が停止
した場合であっても、強磁性体から成る芯材8Pが上部
磁石6Uに吸引されるから、地震発生時に停電しても、
前記吸引による復元力を確保することができ、いわゆる
フェールセーフ(フェールプルーフ)となる。
発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承の縦断面図
である。図4は、前記実施の形態1に示す図1および図
2に記載した、上部磁石6Uが永久磁石で下部磁石6L
が電磁石8である場合に、電磁石8のコイル8Cの中央
部に強磁性体から成る芯材8Pを配置し、これを下部取
り付け板2に固定したものである。コイル8Cへは、電
源9より電流10が供給されている。したがって、強磁
性体から成る芯材8Pを配置したことにより電磁石8の
吸引力が増強され、さらに、コイル8Cへの通電が停止
した場合であっても、強磁性体から成る芯材8Pが上部
磁石6Uに吸引されるから、地震発生時に停電しても、
前記吸引による復元力を確保することができ、いわゆる
フェールセーフ(フェールプルーフ)となる。
【0017】なお、本発明は、下部磁石6Lが電磁石で
あるものに限定するものではなく、上部磁石6Uが電磁
石であって、該電磁石のコイルの中央部に強磁性体から
成る芯材を配置し、これを上部取り付け板2に固定して
もよい。さらに、下部磁石6Lおよび上部磁石6Uの両
方が電磁石であって、その一方または両方に強磁性体か
ら成る芯材を配置し、これを当該一方または両方の取り
付け板に固定してもよい。
あるものに限定するものではなく、上部磁石6Uが電磁
石であって、該電磁石のコイルの中央部に強磁性体から
成る芯材を配置し、これを上部取り付け板2に固定して
もよい。さらに、下部磁石6Lおよび上部磁石6Uの両
方が電磁石であって、その一方または両方に強磁性体か
ら成る芯材を配置し、これを当該一方または両方の取り
付け板に固定してもよい。
【0018】[実施の形態4]図5は、請求項4記載の
発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承の縦断面図
である。図5は、前記実施の形態1に示す図1および図
2に記載した下部磁石6Lが電磁石8である場合に、上
部取り付け板1が設置されている上部構造体11と下部
取り付け板2が設置されている下部構造体12との間の
相対変位を測定する相対変位測定手段13と、該相対変
位測定手段13の測定結果に基づいて電磁石8に流す電
流の大きさおよび電流の向きの一方または両方を制御す
る制御手段14を追設したものである。相対変位測定手
段13は、上部構造体11に配置した変位側測定手段と
下部構造体12に配置した基準側測定手段とを有し、こ
れら測定手段の間の水平距離を、静電容量の変化に基づ
く非接触式方法で測定している。なお、本発明は、相対
変位測定手段13を非接触式に限定するものではなく、
リニアスケール等の接触式であってもよい。
発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承の縦断面図
である。図5は、前記実施の形態1に示す図1および図
2に記載した下部磁石6Lが電磁石8である場合に、上
部取り付け板1が設置されている上部構造体11と下部
取り付け板2が設置されている下部構造体12との間の
相対変位を測定する相対変位測定手段13と、該相対変
位測定手段13の測定結果に基づいて電磁石8に流す電
流の大きさおよび電流の向きの一方または両方を制御す
る制御手段14を追設したものである。相対変位測定手
段13は、上部構造体11に配置した変位側測定手段と
下部構造体12に配置した基準側測定手段とを有し、こ
れら測定手段の間の水平距離を、静電容量の変化に基づ
く非接触式方法で測定している。なお、本発明は、相対
変位測定手段13を非接触式に限定するものではなく、
リニアスケール等の接触式であってもよい。
【0019】図6〜図10は、前記制御手段の制御の様
子を模式的に示す説明図である。なお、図6〜図10に
おいて、白矢印(⇒)は上部取り付け板の変位速度を、
黒矢印(→)は磁石間に働く力を模式的に表示してい
る。 (a)平常時(相対変位無しとする)、上部の永久磁石
6Uの下端がS極であって、下部の電磁石8の上端がN
極であって、水平方向に釣り合っている(水平方向の吸
引力無し)。(図6参照)。
子を模式的に示す説明図である。なお、図6〜図10に
おいて、白矢印(⇒)は上部取り付け板の変位速度を、
黒矢印(→)は磁石間に働く力を模式的に表示してい
る。 (a)平常時(相対変位無しとする)、上部の永久磁石
6Uの下端がS極であって、下部の電磁石8の上端がN
極であって、水平方向に釣り合っている(水平方向の吸
引力無し)。(図6参照)。
【0020】(b)地震が発生した際、下部取り付け板
2を基準として、上部取り付け板1がプラス方向(図中
で右方向)に相対変位した場合、これらの磁石の間に水
平方向の吸引力が発生し、プラス方向の相対変位の増大
を抑制している。(図7参照)。 (c)やがて、相対変位がプラス方向で最大に達し、そ
の後、平常時の位置に向けて(図中で左方向に)戻りは
じめる。このとき、これら磁石は吸引したままである。
(図8参照)。
2を基準として、上部取り付け板1がプラス方向(図中
で右方向)に相対変位した場合、これらの磁石の間に水
平方向の吸引力が発生し、プラス方向の相対変位の増大
を抑制している。(図7参照)。 (c)やがて、相対変位がプラス方向で最大に達し、そ
の後、平常時の位置に向けて(図中で左方向に)戻りは
じめる。このとき、これら磁石は吸引したままである。
(図8参照)。
【0021】(d)しかしながら、これら磁石が吸引し
たままだと、慣性を付与された上部取り付け板1は、マ
イナス方向(図中で左方向)に変位する速度を増し、こ
のまま変位を続けるとマイナス方向(図中で平常時の位
置から左側)にオーバーシュートすることになる。した
がって、該戻り工程の所定の位置で、電磁石8の上端を
永久磁石6Uの下端と同じS極に切り替えることによ
り、これら磁石を反発せしめ、該反発力を減速させるた
めの制動力として、前記オーバーシュート量を減少させ
ている。(図9参照)。
たままだと、慣性を付与された上部取り付け板1は、マ
イナス方向(図中で左方向)に変位する速度を増し、こ
のまま変位を続けるとマイナス方向(図中で平常時の位
置から左側)にオーバーシュートすることになる。した
がって、該戻り工程の所定の位置で、電磁石8の上端を
永久磁石6Uの下端と同じS極に切り替えることによ
り、これら磁石を反発せしめ、該反発力を減速させるた
めの制動力として、前記オーバーシュート量を減少させ
ている。(図9参照)。
【0022】(e)さらに、オーバーシュートした後
は、再度、電磁石8の上端をN極に切り替えて、吸引力
を付与し、マイナス方向(図中で左方向)の変位が増大
するのを抑制している。すなわち、前記(b)における
変位方向をマイナス方向としたものに相当する。(図1
0参照)。そして、その後は、マイナスとプラスを交互
に読み替えて前記(c)〜(e)を繰り返すことによ
り、リアルタイムの制震制御が可能になるから、振動の
減衰を早めることができる。
は、再度、電磁石8の上端をN極に切り替えて、吸引力
を付与し、マイナス方向(図中で左方向)の変位が増大
するのを抑制している。すなわち、前記(b)における
変位方向をマイナス方向としたものに相当する。(図1
0参照)。そして、その後は、マイナスとプラスを交互
に読み替えて前記(c)〜(e)を繰り返すことによ
り、リアルタイムの制震制御が可能になるから、振動の
減衰を早めることができる。
【0023】なお、電磁石8の上端の極性を切り替える
タイミングは、地震外力や上部取り付け板が設置されて
いる構造物の剛性ないし重量等の特性に基づいて設定す
ればよい。たとえば、相対変位がその最大値(変位速度
ゼロ)または最小値(平常時の変位)に達したタイミン
グや、変位速度または変位加速度が所定の敷居値に達し
たタイミングなど適宜選定することができる。
タイミングは、地震外力や上部取り付け板が設置されて
いる構造物の剛性ないし重量等の特性に基づいて設定す
ればよい。たとえば、相対変位がその最大値(変位速度
ゼロ)または最小値(平常時の変位)に達したタイミン
グや、変位速度または変位加速度が所定の敷居値に達し
たタイミングなど適宜選定することができる。
【0024】さらに、後記する、極性を切り替えるタイ
ミングと、復元力が吸引力から反発力に切り替わるタイ
ミングとの時間遅れを考慮して、たとえば、図7で変位
が最大に達する前に、下方の電磁石8の上端をS極に切
り替え、そのままの極性で、図9の途中で復元力が吸引
力から反発力に自然に移行するようにしてもよい(後記
図12参照)。
ミングと、復元力が吸引力から反発力に切り替わるタイ
ミングとの時間遅れを考慮して、たとえば、図7で変位
が最大に達する前に、下方の電磁石8の上端をS極に切
り替え、そのままの極性で、図9の途中で復元力が吸引
力から反発力に自然に移行するようにしてもよい(後記
図12参照)。
【0025】さらに、前記電磁石の極性の切り替えに代
えて、前記制御の様子に準じて電磁石に流す電流の大き
さを変更してもよい。このとき、前記のような反発力は
付与されないものの、吸引力を増減することができるか
ら、前記オーバーシュート量を減少し、リアルタイムの
制震制御が可能になる。
えて、前記制御の様子に準じて電磁石に流す電流の大き
さを変更してもよい。このとき、前記のような反発力は
付与されないものの、吸引力を増減することができるか
ら、前記オーバーシュート量を減少し、リアルタイムの
制震制御が可能になる。
【0026】さらに、前記電磁石の極性の切り替えに前
後してあるいは並行して、電磁石に流す電流の大きさを
変更してもよい。さらに、本発明は、一方の電磁石に流
す電流の方向または大きさを変更するものに限定するも
のではなく、上部磁石および下部磁石の両方を電磁石に
して、両方の電磁石に流す電流の方向または大きさを変
更してもよい。たとえば、上部磁石の下端の極性/下部
磁石の上端の極性を順次S/N、S/S、N/S、N/
N、S/N…と切り替えてもよい。
後してあるいは並行して、電磁石に流す電流の大きさを
変更してもよい。さらに、本発明は、一方の電磁石に流
す電流の方向または大きさを変更するものに限定するも
のではなく、上部磁石および下部磁石の両方を電磁石に
して、両方の電磁石に流す電流の方向または大きさを変
更してもよい。たとえば、上部磁石の下端の極性/下部
磁石の上端の極性を順次S/N、S/S、N/S、N/
N、S/N…と切り替えてもよい。
【0027】次に、本発明の磁気制御ゴム支承に働く復
元力について説明する。図11および図12は、前記実
施の形態1に記載した磁気制御ゴム支承を例にして、一
対の磁石間の変位量と該磁石間に働く復元力の関係を示
す説明図であって、図11は磁気が吸引状態になってい
るとき(磁石の対峙する極性が異なる場合)、図12は
磁気が反発状態になっているとき(磁石の対峙する極性
が同じ場合)である。図11および図12において、横
軸は一対の磁石間の変位量を、縦軸は該磁石間に働く復
元力を示している。プラスの復元力は吸引状態であるこ
とを、一方マイナスの復元力は反発状態であることを示
している。
元力について説明する。図11および図12は、前記実
施の形態1に記載した磁気制御ゴム支承を例にして、一
対の磁石間の変位量と該磁石間に働く復元力の関係を示
す説明図であって、図11は磁気が吸引状態になってい
るとき(磁石の対峙する極性が異なる場合)、図12は
磁気が反発状態になっているとき(磁石の対峙する極性
が同じ場合)である。図11および図12において、横
軸は一対の磁石間の変位量を、縦軸は該磁石間に働く復
元力を示している。プラスの復元力は吸引状態であるこ
とを、一方マイナスの復元力は反発状態であることを示
している。
【0028】図11において、右上がりの曲線は積層
ゴム単独のものであって、変位量が少ない範囲では略比
例関係にあるものの、変位量が増大すると復元力の増加
が鈍化している。右下がりの曲線は磁気単独のもので
あって、変位量の二乗の逆数に比例している。また、下
方凸の曲線は積層ゴム単独と磁気単独を合計した合計
復元力であって、変位量の少ない範囲の合計復元力が主
に磁気に起因する吸引力で、一方、変位量の大きな範囲
の合計復元力が主に積層ゴムに起因する吸引力であるこ
とが説明される。なお、マイナス側の変位については、
縦軸に対し線対称の曲線によりそれぞれ表示されるもの
であるが、図中の記載を省略している。
ゴム単独のものであって、変位量が少ない範囲では略比
例関係にあるものの、変位量が増大すると復元力の増加
が鈍化している。右下がりの曲線は磁気単独のもので
あって、変位量の二乗の逆数に比例している。また、下
方凸の曲線は積層ゴム単独と磁気単独を合計した合計
復元力であって、変位量の少ない範囲の合計復元力が主
に磁気に起因する吸引力で、一方、変位量の大きな範囲
の合計復元力が主に積層ゴムに起因する吸引力であるこ
とが説明される。なお、マイナス側の変位については、
縦軸に対し線対称の曲線によりそれぞれ表示されるもの
であるが、図中の記載を省略している。
【0029】図12において、復元力がプラスである右
上がりの曲線は積層ゴム単独のものであって、変位量
が少ない範囲では略比例関係にあるものの、変位量が増
大すると復元力の増加が鈍化している。復元力がマイナ
スである右上がりの曲線は磁気単独のものであって、
変位量の二乗の逆数に比例した反発力を示している。ま
た、復元力がマイナスからプラスに渡る右上がりの曲線
は積層ゴム単独と磁気単独を合計した合計復元力であ
って、変位量の少ない範囲の合計復元力が主に磁気に起
因する反発力で、一方、変位量の大きな範囲の合計復元
力が主に積層ゴムに起因する吸引力であることが説明さ
れる。なお、マイナス側の変位については、縦軸に対し
線対称の曲線によりそれぞれ表示されるものであるが、
図中の記載を省略している。
上がりの曲線は積層ゴム単独のものであって、変位量
が少ない範囲では略比例関係にあるものの、変位量が増
大すると復元力の増加が鈍化している。復元力がマイナ
スである右上がりの曲線は磁気単独のものであって、
変位量の二乗の逆数に比例した反発力を示している。ま
た、復元力がマイナスからプラスに渡る右上がりの曲線
は積層ゴム単独と磁気単独を合計した合計復元力であ
って、変位量の少ない範囲の合計復元力が主に磁気に起
因する反発力で、一方、変位量の大きな範囲の合計復元
力が主に積層ゴムに起因する吸引力であることが説明さ
れる。なお、マイナス側の変位については、縦軸に対し
線対称の曲線によりそれぞれ表示されるものであるが、
図中の記載を省略している。
【0030】さらに、図11および図12より、変位量
が微小な範囲においても、主に磁気に起因する復元力が
十分発生していることから、本発明が、微小な変位量か
ら大きな変位量までの広い範囲に渡って復元力を付与す
ることができるという顕著な効果が説明される。また、
このような顕著な効果が、積層ゴム単独では発揮しえな
いことも図11および図12から説明される。
が微小な範囲においても、主に磁気に起因する復元力が
十分発生していることから、本発明が、微小な変位量か
ら大きな変位量までの広い範囲に渡って復元力を付与す
ることができるという顕著な効果が説明される。また、
このような顕著な効果が、積層ゴム単独では発揮しえな
いことも図11および図12から説明される。
【0031】さらに、図12より、反発する復元力は、
変位量が減少して積層ゴムの吸引力が減少した後、磁気
による反発力が優勢になって初めて発生するから、反発
する復元力は必ずしも極性の切り替えと同時に発生する
ものではないこと、すなわち、前記磁石の極性を切り替
える発明において、時間遅れがある場合があることが示
されている。そして、このような時間遅れは前記極性の
切り替えタイミングの設定に反映されるもので、たとえ
ば、図7において、変位が最大に達する前に、下方の電
磁石8の上端をS極(上方の永久磁石6Uの下端の極性
に同じ)に切り代えて磁気を反発状態にしながらも復元
力は吸引する状態のままとし、そのままの極性で、図8
においても吸引する復元力を得、そして、変位量が減少
した図9の途中において復元力が吸引力から反発力に自
然に移行するようにしてもよい。
変位量が減少して積層ゴムの吸引力が減少した後、磁気
による反発力が優勢になって初めて発生するから、反発
する復元力は必ずしも極性の切り替えと同時に発生する
ものではないこと、すなわち、前記磁石の極性を切り替
える発明において、時間遅れがある場合があることが示
されている。そして、このような時間遅れは前記極性の
切り替えタイミングの設定に反映されるもので、たとえ
ば、図7において、変位が最大に達する前に、下方の電
磁石8の上端をS極(上方の永久磁石6Uの下端の極性
に同じ)に切り代えて磁気を反発状態にしながらも復元
力は吸引する状態のままとし、そのままの極性で、図8
においても吸引する復元力を得、そして、変位量が減少
した図9の途中において復元力が吸引力から反発力に自
然に移行するようにしてもよい。
【0032】[実施の形態5]つぎに、本発明の実施の
形態に係る磁気制御ゴム支承に支承された構造物を図面
に基づいて詳細に説明する。図13は、請求項5記載の
発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承に支承され
た構造物の一部断面の側面図である。図13において、
構造物は、基礎杭21、フーチング22、上部構造体2
3を有している。基礎杭21に支持されたフーチング2
2の上面には、前記実施の形態1に記載した磁気制御ゴ
ム支承20の下部取り付け板が設置され、さらに、上部
構造体23の下面には、該磁気制御ゴム支承20の上部
取り付け板が設置され、上部構造体23が、該磁気制御
ゴム支承20により支承されている。
形態に係る磁気制御ゴム支承に支承された構造物を図面
に基づいて詳細に説明する。図13は、請求項5記載の
発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承に支承され
た構造物の一部断面の側面図である。図13において、
構造物は、基礎杭21、フーチング22、上部構造体2
3を有している。基礎杭21に支持されたフーチング2
2の上面には、前記実施の形態1に記載した磁気制御ゴ
ム支承20の下部取り付け板が設置され、さらに、上部
構造体23の下面には、該磁気制御ゴム支承20の上部
取り付け板が設置され、上部構造体23が、該磁気制御
ゴム支承20により支承されている。
【0033】したがって、地震が発生した際には、前記
実施の形態1に記載した磁気制御ゴム支承の作用効果に
より、上部構造体は所定の制震効果を享受することがで
きる。なお、本発明の磁気制御ゴム支承は前記実施の形
態1に記載したものに限定するものではなく、前記実施
の形態2、3または4に記載したいずれの磁気制御ゴム
支承であってもよい。
実施の形態1に記載した磁気制御ゴム支承の作用効果に
より、上部構造体は所定の制震効果を享受することがで
きる。なお、本発明の磁気制御ゴム支承は前記実施の形
態1に記載したものに限定するものではなく、前記実施
の形態2、3または4に記載したいずれの磁気制御ゴム
支承であってもよい。
【0034】また、前記実施の形態1、2、3または4
に記載した磁気制御ゴム支承を、一構造物の中に混在し
て配置してもよい。この場合、地震が発生した際、配置
したところの磁気制御ゴム支承のそれぞれの作用効果に
より、上部構造体は所定の制震効果を享受することがで
きる。
に記載した磁気制御ゴム支承を、一構造物の中に混在し
て配置してもよい。この場合、地震が発生した際、配置
したところの磁気制御ゴム支承のそれぞれの作用効果に
より、上部構造体は所定の制震効果を享受することがで
きる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一対の磁石の間の吸引力または反発力を、相対変位の復
元力に加味しているため、相対変位が小さな範囲であっ
ても、十分な復元力を得ることができる。さらに、一対
の磁石の少なくとも一方を電磁石にし、該電磁石に流す
電流の大きさまたは電流の向きを制御しているため、ア
クティブな制震制御ができる。さらに、構造物に十分な
復元力を付与することができ、さらに、アクティブな制
震制御が可能であるため、構造物の耐震信頼性が向上す
るとともに、その構造自体を簡素にすることが可能にな
る。
一対の磁石の間の吸引力または反発力を、相対変位の復
元力に加味しているため、相対変位が小さな範囲であっ
ても、十分な復元力を得ることができる。さらに、一対
の磁石の少なくとも一方を電磁石にし、該電磁石に流す
電流の大きさまたは電流の向きを制御しているため、ア
クティブな制震制御ができる。さらに、構造物に十分な
復元力を付与することができ、さらに、アクティブな制
震制御が可能であるため、構造物の耐震信頼性が向上す
るとともに、その構造自体を簡素にすることが可能にな
る。
【図1】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承
の各部材の斜視図である。
の各部材の斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承
の縦断面図である。
の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承
の縦断面図である。
の縦断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承
の縦断面図である。
の縦断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承
の縦断面図である。
の縦断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承
における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明図
であって、平常時の状態を示す。
における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明図
であって、平常時の状態を示す。
【図7】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承
における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明図
であって、最大変位に向けて変位している状態を示す。
における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明図
であって、最大変位に向けて変位している状態を示す。
【図8】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承
における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明図
であって、平常時の状態に向けて戻っている状態を示
す。
における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明図
であって、平常時の状態に向けて戻っている状態を示
す。
【図9】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支承
における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明図
であって、磁石が反発している状態を示す。
における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明図
であって、磁石が反発している状態を示す。
【図10】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支
承における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明
図であって、変位がオーバーシュートした状態を示す。
承における、制御手段の制御の様子を模式的に示す説明
図であって、変位がオーバーシュートした状態を示す。
【図11】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支
承における、一対の磁石間の変位量と該磁石間に働く復
元力の関係を示す説明図であって、該磁石の対峙する極
性が異なる場合である。
承における、一対の磁石間の変位量と該磁石間に働く復
元力の関係を示す説明図であって、該磁石の対峙する極
性が異なる場合である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支
承における、一対の磁石間の変位量と該磁石間に働く復
元力の関係を示す説明図であって、該磁石の対峙する極
性が同じ場合である。
承における、一対の磁石間の変位量と該磁石間に働く復
元力の関係を示す説明図であって、該磁石の対峙する極
性が同じ場合である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る磁気制御ゴム支
承に支承され構造物の一部断面の側面図である。
承に支承され構造物の一部断面の側面図である。
【符号の説明】 1 上部取り付け板 2 下部取り付け板 3 ゴム板 4 鋼板 5 空洞 6U 上部磁石 6L 下部磁石 7 強磁性体から成る柱体 8 電磁石 8C 電磁石のコイル 8P 電磁石の強磁性体から成る芯材 9 電源 10 電流 11 上部取り付け板が設置された上部構造体 12 下部取り付け板が設置された下部構造体 13 相対変位測定手段 14 制御手段 20 磁気制御ゴム支承 21 基礎杭 22 フーチング 23 上部構造体 34 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 1/40 F16F 1/40 A Fターム(参考) 2D059 AA37 GG01 3J048 AA02 AC08 BA08 BE08 DA01 EA38 3J059 BA43 GA42
Claims (5)
- 【請求項1】 ゴム板と鋼板を交互に積み重ねて構成さ
れ、上下方向に貫通する空洞を具備する積層体と、該積
層体の上面に接合された上部取り付け板と、該積層体の
下面に接合された下部取り付け板と、前記空洞内で前記
上部取り付け板に固定された上部磁石と、前記空洞内で
前記下部取り付け板に固定された下部磁石とを有し、該
上部磁石と該下部磁石が互いに吸引または反発すること
を特徴とする磁気制御ゴム支承。 - 【請求項2】 前記上部磁石または前記下部磁石の一方
が、磁石に代えて強磁性体から成る柱体により構成さ
れ、該柱体と他方の上部磁石または下部磁石が互いに吸
引することを特徴とする請求項1記載の磁気制御ゴム支
承。 - 【請求項3】 前記上部磁石または前記下部磁石のすく
なくとも一方が電磁石である場合であって、該電磁石が
強磁性体から成る芯材を具備していることを特徴とする
請求項1または2に記載の磁気制御ゴム支承。 - 【請求項4】 前記上部磁石または前記下部磁石のすく
なくとも一方が電磁石である場合であって、前記上部取
り付け板と前記下部取り付け板との間の相対変位または
前記上部取り付け板が設置されるべき部位と前記下部取
り付け板が設置されるべき部位との間の相対変位を測定
する相対変位測定手段を有し、該相対変位測定手段の測
定結果に基づいて、前記電磁石に流す電流の大きさおよ
び電流の向きの一方または両方を制御することを特徴と
する請求項1、2または3に記載の磁気制御ゴム支承。 - 【請求項5】 上部構造体と基礎構造体とを有し、請求
項1、2、3または4記載の磁気制御ゴム支承の上部取
り付け板が前記上部構造体に設置され、該磁気制御ゴム
支承の下部取り付け板が前記基礎構造体に設置されてい
ることを特徴とする、磁気制御ゴム支承に支承された構
造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000304400A JP2002106634A (ja) | 2000-10-04 | 2000-10-04 | 磁気制御ゴム支承およびこれに支承された構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000304400A JP2002106634A (ja) | 2000-10-04 | 2000-10-04 | 磁気制御ゴム支承およびこれに支承された構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002106634A true JP2002106634A (ja) | 2002-04-10 |
Family
ID=18785451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000304400A Pending JP2002106634A (ja) | 2000-10-04 | 2000-10-04 | 磁気制御ゴム支承およびこれに支承された構造物 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2002106634A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100731788B1 (ko) | 2006-09-19 | 2007-06-28 | (주) 국제이엔씨 | 자석 키를 가진 일체형 탄성받침 |
KR100891169B1 (ko) | 2008-05-30 | 2009-04-01 | 덕주건설(주) | 마그네틱을 이용한 내진교좌장치 |
CN102912725A (zh) * | 2012-11-12 | 2013-02-06 | 重庆交通大学 | 一种精确调节预制梁板预埋钢板纵向坡度的装置 |
CN106988212A (zh) * | 2017-05-18 | 2017-07-28 | 同济大学 | 复合阻尼橡胶减震支座 |
JP2018066436A (ja) * | 2016-10-19 | 2018-04-26 | 株式会社免制震ディバイス | 積層ゴム免震装置 |
JP2018096500A (ja) * | 2016-12-15 | 2018-06-21 | 学校法人君が淵学園 | 支承装置及び支承システム |
JP2018144830A (ja) * | 2017-03-02 | 2018-09-20 | 森松工業株式会社 | タンク |
CN108571550A (zh) * | 2018-06-11 | 2018-09-25 | 珠海格力电器股份有限公司 | 钢丝绳减震器及空调设备 |
JP2022040420A (ja) * | 2020-08-29 | 2022-03-11 | 株式会社免制震ディバイス | 免震装置 |
-
2000
- 2000-10-04 JP JP2000304400A patent/JP2002106634A/ja active Pending
Cited By (11)
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CN102912725B (zh) * | 2012-11-12 | 2016-02-24 | 重庆交通大学 | 一种精确调节预制梁板预埋钢板纵向坡度的装置 |
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JP2018096500A (ja) * | 2016-12-15 | 2018-06-21 | 学校法人君が淵学園 | 支承装置及び支承システム |
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