JP2002106423A - 液体遮断弁装置 - Google Patents

液体遮断弁装置

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JP2002106423A
JP2002106423A JP2000298370A JP2000298370A JP2002106423A JP 2002106423 A JP2002106423 A JP 2002106423A JP 2000298370 A JP2000298370 A JP 2000298370A JP 2000298370 A JP2000298370 A JP 2000298370A JP 2002106423 A JP2002106423 A JP 2002106423A
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welding
valve
float
wall
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JP2000298370A
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English (en)
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Masayuki Futakuchi
雅行 二口
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Publication date
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  • Self-Closing Valves And Venting Or Aerating Valves (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品精度を向上し、かつ溶着取り付けを容易
に可能とする信頼性に優れた液体遮断弁装置を提供す
る。 【解決手段】 溶着部材9だけ単体で、熱源である熱板
で熱付与して溶着部材9の溶着部9cを融解する。その
後、熱板で熱付与した溶着部材9をケース2に上方から
嵌め、溶着部材9がケース2のつば部2bを燃料タンク
201側へ押し付けると共に、融解した溶着部9cを燃
料タンク201の外壁に押し付けて溶着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両等の燃
料タンク等に備えられる液体遮断弁装置に関し、装置に
接続している排気経路から燃料蒸気等の気体は排出する
が、燃料等の液体は排気経路へと漏出させない機能を有
する液体遮断弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の液体遮断装置(フューエ
ルカットオフバルブ)として、例えば図7に示すような
車両の燃料タンク201に備えられるものがある。図7
に、従来の液体遮断弁装置の使用概略図を示す。
【0003】即ち、この液体遮断弁装置は燃料タンク2
01の上部に備えられ、通常は開弁状態となり、燃料タ
ンク201の内部で発生する燃料蒸気Gを排気経路20
3へと排気する。
【0004】排気経路203には排気された燃料蒸気G
を吸収するキャニスタ204等が必要に応じて備えられ
ており、キャニスタ204で燃料蒸気Gを液化すると共
に不図時のエンジンの吸気側へ供給することで、燃料蒸
気Gが給油口から直接大気中に放出されることを防止し
ている。
【0005】また、この液体遮断弁装置は、例えば、給
油により燃料Lの液面水位が上昇したり、走行中の車両
の揺れや加減速等により燃料Lの水位が一時的に上昇し
た場合や、車両が傾斜・転倒した場合に、燃料タンク2
01内の燃料Lが排気経路203に漏れ出すことを防止
する液体遮断機能も備えている。
【0006】従来の液体遮断弁装置について図8を参照
して詳しく説明する。図8は、液体遮断弁装置101の
基本的な構成を説明する断面構成説明図であり、図8左
側は液体遮断機能を発揮せず、燃料蒸気Gを排出可能と
している通常時の状態、図8右側は燃料Lの水位が上昇
し、液体遮断弁装置101が閉弁して液体遮断機能が働
いている状態である。
【0007】図8において、液体遮断弁装置101は、
内部にフロート103を収容するフロート室102aを
形成する下部ケース102と、下部ケース102の上側
で排気経路203に接続されるニップル108を備えた
上部ケース109と、を備えた構成となっている。
【0008】下部ケース102は、上底を有する円筒形
状であり、内部にフロート103を収容している。下部
ケース102の外周上方には、下部ケース102を外か
ら燃料タンク201の取付孔201aに差込んだ時に、
燃料タンク201の外壁に係止するつば部102bが設
けられている。
【0009】フロート室102aに収容されたフロート
103は、下部ケース102の下側の開口端部に取り付
けられるキャップ104の連通孔104aからフロート
室102a内部に流入する燃料Lにより浮力を発生し
て、この図の状態では上方へと移動する。また、フロー
ト103には、一端をキャップ104に固定されたフロ
ート103の浮力を調整するための付勢手段として機能
するスプリング105が設けられている。
【0010】フロート103上部には、弁体103aが
突出して形成されている。また、下部ケース102上壁
には、弁体103aの上方向位置に、上部ケース109
内部に連通するベント部106が形成されている。この
ベント部106の下側端が弁座としてのバルブシート部
106aとなっている。
【0011】バルブシート部106aは、弁体103a
が当接することによって閉弁可能であり、弁体103a
及びバルブシート部106aで開閉弁する弁部が構成さ
れている。そして、この弁部とフロート103とによっ
てフロートバルブ107が構成されている。
【0012】上部ケース109は、下部ケース102に
かぶさる蓋状であり、排気経路203に接続されるニッ
プル108を備えており、下部ケース102のバルブシ
ート部106aからニップル108へ通じる空間を内部
に形成している。
【0013】上部ケース109の外周端部109aは、
下部ケース102にかぶさりつつ拡径しながら下方へ延
び、下部ケース102のつば部102bよりもひとまわ
り外径側で燃料タンク201の外壁に当接する。この外
周端部109aの燃料タンク201の外壁に対向した位
置には、燃料タンク201の外壁に溶着する下方へ突出
した突起状の溶着部109bが設けられている。
【0014】また、上部ケース109の外周端部109
aと下部ケース102のつば部102bの間に、下部ケ
ース102と上部ケース109とを嵌合した部分からの
漏れを防止するシール部材110が配置されている。
【0015】以上の液体遮断弁装置101では、図8左
側のように液体遮断弁装置101が通常の正立状態であ
り、燃料Lの液面水位が低く、燃料タンク201の内部
圧力が上昇した場合には、燃料蒸気Gはフロート室10
2aの上部に開口するベント部106を通過し、フロー
ト103は自重によりフロート室102a下方に位置し
てフロートバルブ107が開弁して燃料タンク201内
の燃料蒸気Gを排気経路203へと排気可能としてい
る。
【0016】図8右側のように液面水位が上昇してフロ
ート室102aに燃料Lが流入し、フロート103が上
方に移動した場合には、フロートバルブ107が閉弁し
て排気経路203を遮断する。この図8右側の状態で
は、燃料タンク201内の燃料蒸気Gも排出されなくな
る。
【0017】なお、走行中の車両の揺れや加減速等によ
り燃料Lの水位が一時的に上昇した場合や、車両が傾斜
・転倒した場合にも、図8右側のように閉弁状態とな
る。
【0018】ところで、上記のような液体遮断弁装置1
01は、高密度ポリエチレン製である燃料タンク201
に取り付ける必要があった。
【0019】この燃料タンク201に用いられる高密度
ポリエチレンは、燃料タンクのような小径で大容量が必
要とされる形状を成形するのに適しており(例えば、ブ
ロー成形)、樹脂材料として耐ガソリン性に優れてい
る。
【0020】それに対し、従来の一般的な液体燃料用の
液体遮断弁装置は、ポリアセタール製であった。この液
体遮断弁装置に用いられるポリアセタールは、耐ガソリ
ン性及び成形性に優れており、強度が高いので、薄肉の
成形が可能となる材料である。このポリアセタールの優
れた成形性により、フロートや遮断弁の開閉機能を満足
させ、高い製品精度を確保していた。
【0021】しかし、材質が異なる同志の溶着では、結
合強度が十分でなかったり、また溶着自体ができなかっ
たりする。したがって、このようなポリアセタール製の
従来の一般的な液体遮断弁装置を、直接、高密度ポリエ
チレン製の燃料タンク201に溶着して取り付けること
はしていなかった。
【0022】そこで、液体遮断弁装置101では、あま
り精度を必要としない上部ケース109と、フロート1
03や遮断弁としての弁部の開閉機能を満足させるため
に優れた精度が必要な下部ケース102と、に外側を覆
うケースを異なる材料で2つに分けた構成としている。
【0023】そして、上部ケース109を高密度ポリエ
チレン製の燃料タンク201に溶着し、燃料タンク20
1に液体遮断弁装置101を取り付けていた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の液体遮断弁装置101の場合には、上部ケース10
9は、溶着可能であまり精度を必要としない材料で形成
されているので、成形性が悪く、上部ケース109に設
けられたニップル108の外径寸法の精度が低く、排気
経路203として接続されるホースが装着し難い場合が
あった。
【0025】また、液体遮断弁装置101は、下部ケー
ス102と上部ケース109とを嵌合した組み立て完成
状態で、溶着取り付けによって燃料タンク201に取り
付けられるため、組み立て完成状態で上部ケース109
の溶着部109bを熱板等の熱源に押し当てて溶着部1
09bに熱付与し、融解した溶着部109bを燃料タン
ク201の外壁に押し付けて溶着取り付けを行ってい
た。
【0026】このため、上部ケース109の溶着部10
9bを熱源に押し当てる際、液体遮断弁装置101は組
み立て完成状態であるために、下部ケース102やフロ
ート103も熱源に接近してしまう。
【0027】下部ケース102やフロート103が熱源
に接近した場合、下部ケース102やフロート103で
は高い製品精度を確保するために成形性の良い樹脂(例
えば、ポリアセタール)等の材質で成形していることが
多く、熱源溶着の際の樹脂を溶融するまで上昇させた温
度によって、下部ケース102の弁部やフロート103
は熱源の熱による影響で変形してしまい(即ち、溶融温
度が熱変形温度を上回り、熱変形が生じる)、取り付け
後に閉弁時の密封性を確保することや開弁時に設定して
いた排気流量を得ることができなくなるおそれがあっ
た。
【0028】この熱源の熱による影響での変形を防止す
るために、上部ケース109の外周端部109aを大き
くして、溶着部109bを下部ケース102から遠くに
離す構成が考えられる。
【0029】しかし、外周端部109aの外径を大きく
して下部ケース102への影響を低減したとしても、上
部ケース109を、直接、熱源に押し付けるので、上部
ケース109自体の外周面の変形(熱変形)を回避する
ことはできない。
【0030】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、製品
精度を向上し、かつ溶着取り付けを容易に可能とする信
頼性に優れた液体遮断弁装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、液体を収容する密封容器内の液
体による浮力で上下動するフロートと、該フロートの上
下動で開閉弁する弁部と、を有するフロートバルブを備
え、前記密封容器の外壁に溶着によって取り付けられる
液体遮断弁装置において、前記フロートバルブを収容す
るケースと、該ケースを前記密封容器に押し付ける押し
付け部、および熱付与によって融解して前記密封容器の
外壁に溶着する溶着部を有する溶着部材と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0032】したがって、溶着部材は燃料タンクと同材
質とすることが好ましく、ケースは溶着部材や燃料タン
ク等と異材質とすることが好ましく、そして、溶着部材
だけ単体で溶着するので、ケースは溶着できない材質で
もよく、ケースは成形性に優れた材質で形成することが
できる。このため、ケースを精度良く製造することがで
き、これに伴いケースに設けられるニップルの外径寸法
も精度が高く、排気経路として接続されるホースがニッ
プルに装着し易い。
【0033】また、溶着部材の溶着部を融解するための
熱付与時に、溶着部材単体を近づければよく、ケースも
一緒に熱源に近づけてしまう必要がない。このため、ケ
ース及びケース内に収容された弁部やフロートは熱源の
熱による影響で変形することはなく、閉弁時の密封性を
確保することや開弁時に設定していた排気流量を得るこ
とができ、溶着取り付け時の熱付与の影響で性能低下が
生じることが防止できる。
【0034】このように、ケースの精度がよく、ニップ
ル等の各構成の精度を高くして製品精度を向上でき、か
つ溶着による性能低下を防止しつつ密封容器への溶着取
り付けを容易に可能とすることができる。
【0035】前記溶着部材は、予め前記溶着部を熱付与
して融解させ、その後に、前記押し付け部で前記ケース
を前記密封容器に押し付けると共に融解した前記溶着部
で前記密封容器の外壁に溶着することが好適である。
【0036】これにより、ケースを熱源に近づけてしま
うことがなく、ケースは溶着できないが成形性に優れた
材料で高精度に形成することができる。
【0037】前記ケースは、前記密封容器の外壁に係止
する係止部を備え、前記溶着部材は、前記押し付け部で
前記係止部を前記密封容器の外壁に押し付けると共に前
記溶着部で前記密封容器の外壁に溶着することが好適で
ある。
【0038】これにより、係止部を密封容器の外壁に押
し付けてケースを位置決め固定することができる。
【0039】前記係止部と前記密封容器の外壁との間
に、シール部材を介在させたことが好適である。
【0040】これにより、ケース周りの密封性を確保す
ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0042】図1〜図7を用いて本発明の実施の形態に
係る液体遮断弁装置について説明する。
【0043】本発明の実施の形態に係る液体遮断弁装置
1は、図7に示されるように、従来技術で説明したもの
と同様な位置に配置され、密封容器として例えば自動車
等に備えられる燃料タンク201の上部に取り付けら
れ、通常状態である正立時には液体遮断弁装置に接続し
ている排気経路203から気体としての燃料蒸気G等は
排気するが、例えば走行中の車両の揺れや加減速等によ
り液体としての燃料Lの水位が一時的に上昇した場合
や、車両が傾斜・転倒した場合にも燃料Lを排気経路2
03へ漏れ出さないように機能するものである。
【0044】本実施の形態に係る液体遮断弁装置1につ
いて、図1〜図6を参照して詳しく説明する。図1は、
実施の形態に係る液体遮断弁装置の基本的な構成を説明
する断面構成説明図であり、図1左側は液体遮断機能を
発揮せず、燃料蒸気Gを排出可能としている通常時の状
態、図1右側は燃料Lの水位が上昇し、液体遮断弁装置
が閉弁して液体遮断機能が働いている状態である。ま
た、図2は、液体遮断弁装置の上視図及び概略構成図で
ある。図3は、ケースの上視図及び正面図である。図4
は、溶着部材の上視図及び断面図である。図5,図6
は、シール部材の上視図及び断面図である。
【0045】図において、液体遮断弁装置1は、内部に
フロート3を収容するフロート室2aが形成され、排気
経路203に接続されるニップル8を備えたケース2
と、ケース2を位置決め固定するために燃料タンク20
1の外壁に溶着する溶着部材9と、を備えた構成となっ
ている。
【0046】ケース2は、上底を有する円筒形状であ
り、内部にフロート3を収容している。このケース2
は、成形性に優れた材質(例えば、ポリアセタール等)
で形成されている。
【0047】ケース2の外周上側には、ケース2を外か
ら燃料タンク201の取付孔201aに差込んだ時に、
燃料タンク201の外壁に係止する係止部としてのつば
部2bが全円周をひとまわりして設けられている。
【0048】また、つば部2b根元の上面には、溶着部
材9の中心孔9aの内周壁面に当接して溶着部材9のケ
ース2に対する相対位置を決定するガイド部2cが4つ
設けられている(図3参照)。この溶着部材9には、燃
料タンク201と溶着が可能で、かつ耐ガソリン性およ
び耐衝撃性に優れた材質を用いる。溶着部材9の材質と
しては、例えば、高密度ポリエチレンが好ましい。
【0049】つば部2bと燃料タンク201の外壁との
間には、シール部材10を介在させている。
【0050】シール部材10は、ゴム状弾性体や樹脂製
であり、概略図5,図6に示すように、ケース2の全円
周をひとまわりした環状である。シール部材10には、
つば部2b及び燃料タンク201の外壁に当接するため
に、上下面に突出するビード10a,10bが設けられ
ている。なお、ビード10a,10bは、図示のように
上下面に各1個だけでなく、複数設けられていてもよ
い。
【0051】フロート室2aに収容されたフロート3
は、ケース2の下側の開口端部に取り付けられるキャッ
プ4の連通孔4aからフロート室2a内部に流入する燃
料Lにより浮力を発生して、この図の状態では上方へと
移動する。また、フロート3には、下端をキャップ4に
固定されたフロート3の浮力を調整するための付勢手段
として機能するスプリング5が設けられている。
【0052】フロート3の上部には、弁体3aが突出し
て形成されている。また、ケース2上壁には、弁体3a
の上方向位置に、下端を弁座としてのバルブシート部6
aとするベント部6がニップル8に接続されて設けられ
ている。
【0053】ベント部6はフロート室2aとケース2上
部に設けられたニップル8とを連通しており、このベン
ト部6を介してフロート室2aから排気経路203へ排
気可能となっている。
【0054】バルブシート部6aは、弁体3aが当接す
ることによって閉弁可能であり、弁体3a及びバルブシ
ート部6aで開閉弁する弁部が構成されている。そし
て、この弁部とフロート3とによってフロートバルブ7
が構成されている。
【0055】また、フロート室2a上部に溜まった燃料
Lの液抜きを行うためと、燃料Lの過給油時でも燃料タ
ンク201が密閉状態にならないように燃料蒸気Gをフ
ロート室2aに流入させてベント部6を介して排気経路
203で排気するために、通気孔2dがケース2の側壁
に設けられている。
【0056】一方、溶着部材9は、図4に示すように、
溶着可能な樹脂製で中心孔9aを有する円板状の部材で
ある。
【0057】中心孔9aは、ケース2上側部分が挿通可
能な形状(即ち、断面がケース2外周の円領域とニップ
ル8が突出する領域を含んだ領域をひとまわり大きくし
た形状)である。
【0058】また、溶着部材9の外周は、ケース2のつ
ば部2b外周よりもひとまわり大きな径である。外周端
部9bは、燃料タンク201の外壁に当接するため、下
方へ延びて肉厚が厚くなっている。この外周端部9b下
面には、燃料タンク201の外壁に溶着する下方へ突出
した突起状の溶着部9cが設けられている。また、外周
端部9b上面には、環状凹部9dが形成されている。
【0059】溶着部材9の中心孔9aと外周端部9bの
間には、放射状に延びる複数の押し付け部としての支持
部9eを残して空隙が形成されている。これは溶着部材
9の軽量化を図るため、余計な部分を削って空隙とした
ためである。
【0060】ここで、本実施の形態では、液体遮断弁装
置1の燃料タンク201への取り付けを以下の手順で行
っている。
【0061】まず、ケース2を外から燃料タンク201
の取付孔201aに差込み、燃料タンク201の外壁に
つば部2bを係止する。この時、つば部2bと燃料タン
ク201の外壁との間には、シール部材10を介在させ
る。シール部材10は、取り付け工程で装着忘れを防止
するため、ケース2の差込み前に、つば部2b下面にシ
ール部材10を接着しておく方法をとってもよい。
【0062】そして、予め溶着部材9だけ単体で、熱源
である熱板で熱付与して溶着部材9の溶着部9cを融解
する。その後、溶着部9cが融解した状態の溶着部材9
をケース2に上方から嵌め、溶着部材9がケース2のつ
ば部2bを燃料タンク201側へ押し付けると共に、融
解した溶着部9cを燃料タンク201の外壁に押し付け
て溶着する。
【0063】この溶着部材9によるケース2のつば部2
bの押し付けは、溶着部材9の支持部9e(押し付け
部)で行われている。
【0064】この溶着部9cの溶着によって、溶着部材
9の支持部9eがケース2のつば部2bを燃料タンク2
01側へ押し付けた状態に維持され、ケース2が燃料タ
ンク201に対して位置決め固定される。この時、つば
部2bの押し付けでシール部材10も圧縮され、シール
部材10はつば部2bと燃料タンク201の外壁との間
を密封する。シール部材10は、特にビード10a,1
0bが圧縮されて密封性を向上する。
【0065】以上の液体遮断弁装置1では、図1左側の
ように液体遮断弁装置1が通常の正立状態であり、燃料
Lの液面水位が低く、燃料タンク201の内部圧力が上
昇した場合には、燃料蒸気Gはフロート室2aの上部に
開口するベント部6を通過し、フロート3は自重により
フロート室2a下方に位置してフロートバルブ7が開弁
して燃料タンク201内の燃料蒸気Gを排気経路203
へと排気可能としている。
【0066】図1右側のように液面水位が上昇してフロ
ート室2aに燃料Lが流入し、フロート3が上方に移動
した場合には、フロートバルブ7が閉弁して排気経路2
03を遮断する。この図1右側の状態では、燃料タンク
201内の燃料蒸気Gも排出されなくなる。
【0067】なお、走行中の車両の揺れや加減速等によ
り燃料Lの水位が一時的に上昇した場合や、車両が傾斜
・転倒した場合にも、図1右側のように閉弁状態とな
る。
【0068】したがって、本実施の形態に係る液体遮断
弁装置1では、溶着部材9だけ単体で溶着するので、ケ
ース2は溶着できない材質でもよく、ケース2は成形性
に優れた材質(ポリアセタール等)で形成することがで
きる。このため、ケース2を精度良く製造することがで
き、これに伴いケース2に設けられるニップル8の外径
寸法も精度が高く、排気経路203として接続されるホ
ースがニップル8に装着し易い。
【0069】また、溶着部材9の溶着部9cを融解する
ための熱付与時に、溶着部材9単体を近づければよく、
ケース2も一緒に熱板に近づけてしまうことがなく、ケ
ース2内に収容された弁部やフロート3は熱板の熱によ
る影響で変形することはなく、閉弁時の密封性を確保す
ることや開弁時に設定していた排気流量を得ることがで
き、溶着取り付け時の熱付与の影響で性能低下が生じる
ことが防止できる。
【0070】このように、本実施の形態に係る液体遮断
弁装置1は、ニップル8等の各構成の精度を高くして製
品精度を向上し、かつ溶着による性能低下を防止しつつ
溶着部材9の溶着部9cの溶着によって高密度ポリエチ
レン製である燃料タンク201に取り付けることができ
る。
【0071】なお、本実施の形態では、ケース2を成形
性に優れた溶着できない材質としたが、これに限られ
ず、各構成の精度を高くして製品精度が向上できれば、
その他の溶着できる材質等であってもよい。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ロートバルブを収容するケースと、ケースを密封容器に
押し付ける押し付け部と、熱付与によって融解して密封
容器の外壁に溶着する溶着部と、を有する溶着部材と、
を備えたことで、溶着部材だけ単体で溶着するので、ケ
ースは溶着できない材質でもよく、ケースは成形性に優
れた材質で形成することができる。このため、ケースを
精度良く製造することができ、これに伴いケースに設け
られるニップルの外径寸法も精度が高く、排気経路とし
て接続されるホースがニップルに装着し易い。
【0073】また、溶着部材の溶着部を融解するための
熱付与時に、溶着部材単体を近づければよく、ケースも
一緒に熱源に近づけてしまう必要がない。このため、ケ
ース及びケース内に収容された弁部やフロートは熱源の
熱による影響で変形することはなく、閉弁時の密封性を
確保することや開弁時に設定していた排気流量を得るこ
とができ、溶着取り付け時の熱付与の影響で性能低下が
生じることが防止できる。
【0074】このように、ケースの精度がよく、ニップ
ル等の各構成の精度を高くして製品精度を向上でき、か
つ溶着による性能低下を防止しつつ密封容器への溶着取
り付けを容易に可能とすることができる。
【0075】溶着部材は、予め溶着部を熱付与して融解
させ、その後に、押し付け部でケースを密封容器に押し
付けると共に融解した溶着部で密封容器の外壁に溶着す
ることで、ケースを熱源に近づけてしまうことがなく、
ケースは溶着できないが成形性に優れた材料で高精度に
形成することができる。
【0076】ケースは、密封容器の外壁に係止する係止
部を備え、溶着部材は、押し付け部で係止部を密封容器
の外壁に押し付けると共に溶着部で密封容器の外壁に溶
着することで、係止部を密封容器の外壁に押し付けてケ
ースを位置決め固定することができる。
【0077】係止部と密封容器の外壁との間に、シール
部材を介在させたことで、ケース周りの密封性を確保す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る液体遮断弁装置を示す断面図
である。
【図2】実施の形態に係る液体遮断弁装置を示す上視図
及び概略構成図である。
【図3】実施の形態に係るケースを示す上視図及び正面
図である。
【図4】実施の形態に係る溶着部材を示す上視図及び断
面図である。
【図5】実施の形態に係るシール部材を示す上視図及び
断面図である。
【図6】実施の形態に係るシール部材を示す上視図及び
断面図である。
【図7】液体遮断弁装置の周辺構成を示す説明図であ
る。
【図8】従来技術の液体遮断弁装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 液体遮断弁装置 2 ケース 2a フロート室 2b つば部(係止部) 2c ガイド部 2d 通気孔 3 フロート 3a 弁体 4 キャップ 4a 連通孔 5 スプリング 6 ベント部 6a バルブシート部 7 フロートバルブ 8 ニップル 9 溶着部材 9a 中心孔 9b 外周端部 9c 溶着部 9d 環状凹部 9e 支持部 10 シール部材 201 燃料タンク 201a 取付孔 203 排気経路 204 キャニスタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体を収容する密封容器内の液体による浮
    力で上下動するフロートと、該フロートの上下動で開閉
    弁する弁部と、を有するフロートバルブを備え、 前記密封容器の外壁に溶着によって取り付けられる液体
    遮断弁装置において、 前記フロートバルブを収容するケースと、 該ケースを前記密封容器に押し付ける押し付け部、およ
    び熱付与によって融解して前記密封容器の外壁に溶着す
    る溶着部を有する溶着部材と、を備えたことを特徴とす
    る液体遮断弁装置。
  2. 【請求項2】前記溶着部材は、予め前記溶着部を熱付与
    して融解させ、その後に、前記押し付け部で前記ケース
    を前記密封容器に押し付けると共に融解した前記溶着部
    で前記密封容器の外壁に溶着することを特徴とする請求
    項1に記載の液体遮断弁装置。
  3. 【請求項3】前記ケースは、前記密封容器の外壁に係止
    する係止部を備え、 前記溶着部材は、前記押し付け部で前記係止部を前記密
    封容器の外壁に押し付けると共に前記溶着部で前記密封
    容器の外壁に溶着することを特徴とする請求項1又は2
    に記載の液体遮断弁装置。
  4. 【請求項4】前記係止部と前記密封容器の外壁との間
    に、シール部材を介在させたことを特徴とする請求項3
    に記載の液体遮断弁装置。
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