JP2002105948A - 超音波を利用した地盤改良工法、及び地盤改良撹拌機 - Google Patents
超音波を利用した地盤改良工法、及び地盤改良撹拌機Info
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Abstract
上させる地盤改良工法において、地盤の土砂と固化材ス
ラリーとを十分に混合して、安定した品質の改良柱体を
造設する手段を提供する。 【解決手段】 本発明の実施の形態に係る地盤改良工法
は、改良すべき地盤を所定の深さまで掘削する空掘工程
(S1)と、掘削された地盤の土砂と固化材スラリーと
を、超音波による振動を与えながら混合して改良土を作
製する改良土作製工程(S2)と、前記改良土を所定期
間放置して固化させる養生工程(S3)とからなるもの
である。
Description
造設して地盤の支持力を向上させる地盤改良工法、及び
該地盤改良工法に用いる地盤改良撹拌機に関するもので
ある。
場合には、図5(a)に示すように、地盤に改良柱体1を
複数造設して地盤の支持力を向上させる地盤改良工法が
施工される。また、前記改良柱体1の1本当たりの支持
力を向上させるために、図5(b)に示すように、改良柱
体1に複数の節部を設けた節付き改良柱体2を造設する
地盤改良工法もある。
の外径が拡大した節部を有するので、通常の改良柱体1
と比べて、地盤との摩擦力が増大する。このため、造設
すべき改良柱体の本数を少なくしたり、改良柱体の長さ
を短くすることができ、地盤改良工法を簡略化すること
ができる。
ントを用いて造設される。該プラントは、図に示すよう
に、地盤を掘削及び撹拌する掘削撹拌翼80を備えた地
盤改良撹拌機800が、建設機械3により固定された支
柱4に昇降自在かつ回転自在に設けられ、ミキサー5に
より、水とセメント等の固化材とを混錬した固化材スラ
リーが作製され、該固化材スラリーがポンプ6により、
前記地盤改良撹拌機800に圧送される構成となってお
り、適当な駆動源7により地盤改良撹拌機800の掘削
撹拌翼80を回転させて地盤に貫入することにより、改
良柱体1を造設すべき地盤を所定の深さまで空掘りした
後、固化材スラリーを吐出し、かつ掘削撹拌翼80を回
転させながら地盤改良撹拌機800を引き上げて、固化
材スラリーと土砂とを混合して改良土を作製し、該改良
土を所定期間放置して固化させることにより、改良柱体
1を造設する。なお、節付き改良柱体2を造設する場合
には、回転軸の回転方向の正反により回転外径が拡大又
は縮小する拡大翼を備えた地盤改良撹拌機を用いる。
強度等は土砂と固化材スラリーを混合してなる改良土に
依存したものとなるので、安定した品質の改良柱体を造
設するためには、土砂と固化材スラリーとを十分に混合
して良質な改良土を作製することが重要である。しか
し、地盤の土砂が粘土質である場合や繊維質の泥炭が含
まれる場合等には、地盤改良撹拌機800を用いて土砂
と固化材スラリーとを混合する際に、粘性の高い土砂や
泥炭が地盤改良撹拌機800の掘削撹拌翼80に付着し
て又は絡み付いて団子状の塊となり、該掘削撹拌翼80
と共に回転する現象、いわゆる共回り現象が生じる。該
共回り現象が生じると、地盤改良撹拌機800の混合効
率は著しく低下して、十分に混合されていない改良土が
塊のまま改良柱体中に残ることがあるので、改良柱体の
品質が不安定なものとなり、また、改良柱体の強度が著
しく劣り、所望の支持力を発揮できないおそれもある。
えた地盤改良撹拌機を用いた地盤改良工法や、前記地盤
改良撹拌機800を高速回転させる工法、又は固化材ス
ラリーを少量ずつ必要量に達するまで圧送しながら、長
時間に渡って地盤を撹拌する工法等が考案されている。
するための模式図であり、改良柱体を造設すべき地盤を
空掘りした後、土砂と固化材スラリーとを混合して改良
土を作製する工程における前記地盤改良撹拌機900を
示している。
回転しており、これに伴って掘削撹拌翼92H、92
M、92Lも時計回りに回転して、地盤を撹拌する。一
方、共回り防止翼93は、その先端部分が掘削されてい
ない地盤中に貫入して保持されているため、掘削撹拌翼
92H、92M、92Lの回転により、土砂及び固化材
スラリーが回転軸90を中心として時計回りに回転し、
共回り防止翼93の面に時計回りの方向の圧力を与えた
としても、共回り防止翼93は、土砂等と共に回転する
ことはなく静止状態を維持する。これにより、粘土質の
土砂等が掘削撹拌翼92H、92M、92Lと共に回転
し始めたとしても、共回り防止翼93により回転が抑止
されて、塊状の土砂等が強制的にせん断されるので、共
回り現象が起こることを防いで、土砂と固化材スラリー
とを確実に混合することができる。
防止翼を備えた地盤改良撹拌機900においては、地盤
中に岩石等の障害物がある場合に、共回り防止翼93の
先端部分が該障害物に当たって、地盤改良撹拌機9を地
盤中に押し込めないことが起こり得る。また、改良柱体
の周囲の地盤が軟らかい場合には、地盤が共回り防止翼
93を静止状態に維持することができず、共回り防止翼
93も土砂等と共に回転して共回り現象を防止すること
ができなくなり、また、改良柱体の周囲の地盤まで乱し
てしまうこととなる。
せる工法では、地盤改良撹拌機800を支持するための
建設機械3や回転力を与えるための駆動源7等を、高速
回転に対応させるために大型化する必要があるので、プ
ラント全体が高価なものとなり、さらに該プラントを地
盤改良すべき宅地に配送する費用も高額となるので、地
盤改良工法の施工コストが高くなる。また、プラントを
大型化すれば、狭小地では該プラントを使用することが
困難となるので、狭小地の地盤改良を行うことができな
い。
達するまで圧送しながら、地盤を長時間に渡って撹拌す
る工法では、地盤改良工法の施工期間が長期化するの
で、施工コストが高くなる。さらに、長時間に渡って地
盤の撹拌を行うと、一旦固化し始めた改良土をも再度撹
拌することとなり、却って改良土の品質を劣化させる場
合も生ずる。
のであり、地盤に改良柱体を造設して地盤の支持力を向
上させる地盤改良工法において、地盤の土砂と固化材ス
ラリーとを十分に混合して、安定した品質の改良柱体を
造設する手段を提供することを目的とする。
になされた本発明の請求項1に係る地盤改良工法は、改
良すべき地盤を所定の深さまで掘削する空掘工程と、掘
削された地盤の土砂と固化材スラリーとを、超音波によ
る振動を与えながら混合して改良土を作製する改良土作
製工程と、前記改良土を所定期間放置して固化させる養
生工程とを含むものである。
粒子間の結合を分解して土砂の塊を破壊させるととも
に、翼状体が土砂と固化材スラリーとを混合するので、
土砂と固化材スラリーとを均質かつ十分に混合されて、
良質な改良土が作製される。
載の超音波利用した地盤改良工法において、前記空堀工
程は、超音波による振動を与えながら地盤を掘削するも
のである。
拌機は、固化材スラリーを吐出するための吐出口が設け
られた中空状の回転軸と、前記回転軸の先端に設けられ
た削孔ヘッドと、前記回転軸から水平方向に突設され、
地盤を掘削又は撹拌の一方又は双方をする翼状体と、前
記翼状体又は翼状体の近傍に設けられた超音波発振器と
を具備してなるものである。
に基づき具体的に説明する。本発明の実施の形態に係る
地盤改良工法は、図1に示すように、改良すべき地盤を
所定の深さまで掘削する空掘工程(S1)と、掘削され
た地盤の土砂と固化材スラリーとを、超音波による振動
を与えながら混合して改良土を作製する改良土作製工程
(S2)と、前記改良土を所定期間放置して固化させる
養生工程(S3)とからなるものである。
良撹拌機の構成を説明するための正面図及び側面図であ
る。図に示すように、本地盤改良撹拌機100は、その
先端に吐出口10aが形成された中空状の回転軸10
と、その先端部分に掘削チップ110を有し、回転軸1
0の先端部分に前記吐出口10aを塞がないように設け
られた削孔ヘッド11と、回転軸10に一定の間隔で、
水平面に対して一定角度の傾斜を有するように相対向し
て設けられた一対の掘削撹拌翼(翼状体)12H、12
M、12Lと、掘削撹拌翼12Mに埋設された超音波発
振器13とを備えてなるものである。
00も、上述と同様に、建設機械3により固定された支
柱4に昇降自在に設けられ、ミキサー5により、水と固
化材とを混錬した固化材スラリーが作製され、該固化材
スラリーがポンプ6により、地盤改良撹拌機100に圧
送されるものとなっており、また、適当な駆動源7によ
り、回転軸10が回転されるものとなっている。
は、回転軸10から各々水平方向に突出して設けられて
おり、掘削撹拌翼12H、12Lが突出する方向と、掘
削撹拌翼12Mが突出する方向とは、互いに直交するも
のとなっている。また、掘削撹拌翼12Lの一辺縁側に
は、掘削チップ110が設けられている。
器13が各々埋設されている。図3は、図2(b)におけ
るA−A断面図であるが、図に示すように、掘削撹拌翼
12Mの両面には、超音波発振器13を埋め込むための
切欠きが各々設けられており、該切欠きに超音波発振器
13が各々嵌入され、さらに、該切欠きを封止する蓋3
0が設けられている。
圧電素子等の振動体32が吊着され、振動体32にパル
ス電圧を印可するための導線33が設けられてなるもの
であり、該導線33は、回転軸10に貫入されて回転軸
10の中空から地上に延設されており、地上において該
パルス電圧を制御することにより、超音波発振器13の
動作を制御できるものとなっている。
面は各々平滑に加工されており、蓋30とケース31と
は良好に密着している。これにより、超音波発振器13
にパルス電圧が印可されることにより発振される超音波
が、その振動が減衰することなく外部へ伝搬されるもの
となっている。
本実施の形態に係る地盤改良工法について図4を用いて
説明する。本地盤改良工法においては、まず最初に空掘
工程が行われる(図4(a))。改良柱体を造設すべき地
盤に地盤改良撹拌機100を位置せしめた後、図に示す
ように、地盤に回転軸10を回転しながら貫入して、削
孔ヘッド11及び掘削撹拌翼12Lにより地盤を空掘り
する。
に到達した後、改良土作製工程が行われる(図4
(b))。ポンプ6により固化材スラリーを地盤改良撹拌
機100の回転軸10内に圧送して、該固化材スラリー
を回転軸10の吐出口10aから吐出させながら、回転
軸10を回転させたままで、地盤改良撹拌機100を引
き上げ、さらに地盤改良撹拌機100を一往復昇降させ
る。これと同時に、超音波発振器13から超音波を発振
させる。
は、土砂に含まれる水分を振動させて、無数の真空の空
洞を生じさせる(キャビテーション現象)。これによ
り、土砂粒子間の結合が分解されて、塊状の土砂が粉砕
される。さらに、前記真空の空洞が消失する際に、該空
洞が存在していた空間に土砂及び固化材スラリーの粒子
が突入して互いに衝突し、土砂と固化材スラリーとが混
合されるとともに、該衝突により衝撃性の強い音響エネ
ルギーが液体中に放出され、該音響エネルギーも土砂の
結合を分解する。
削撹拌翼12H、12M、12Lの回転により、回転軸
10の吐出口10aから吐出された固化材スラリーと混
合される。このように、掘削撹拌翼12H、12M、1
2Lによる撹拌と超音波発振器13によるキャビテーシ
ョン現象とにより、塊状の土砂を粉砕するとともに土砂
と固化材スラリーとを混合する。
において地盤改良撹拌機100を一往復だけ昇降させる
ものとしたが、地盤の質や固化材スラリーとの混合比率
等を考慮して、該往復回数を増減することとしてもよ
い。
に養生工程が行われ(図4(c))、前記改良土が所定期
間放置されて固化することにより、改良柱体が造設され
る。これを繰り返して、改良すべき地盤に複数の改良柱
体を造設する。
工法によれば、前記地盤改良撹拌機100を用いて、掘
削された地盤の土砂と固化材スラリーとを、超音波によ
る振動を与えながら掘削撹拌翼12H、12M、12L
の回転により混合して改良土を作製するので、塊状の土
砂が粉砕されて共回り現象を防ぎ、かつ、土砂と固化材
スラリーとの混合効率が向上される。これにより、良質
な改良土が作製され、改良柱体の品質を安定的に確保す
ることができる。
は、改良土作成工程において超音波を発振するものとし
たが、空堀工程においても超音波を発振するものとして
もよい。空堀工程において超音波を発振することによ
り、土砂に前記キャビテーション現象が生じて、土砂粒
子間の結合が分解されて、塊状の土砂が粉砕される。
おいては、地盤中に円柱状の改良柱体1が造設されるも
のとしたが、本発明は、節部を有する節付き改良柱体2
が造設される場合においても同様の効果を得ることがで
きるのは当然である。該節付き改良柱体2を造設する場
合には、例えば、回転軸の回転方向により開閉して回転
半径が拡縮する拡大翼を地盤改良撹拌機の回転軸に設
け、さらに本実施の形態と同様に、該地盤改良撹拌機の
掘削撹拌翼に超音波発振器を設けたものを用いる。
100においては、超音波発振器13は、掘削撹拌翼1
2Mに埋設するものとしたが、必ずしも埋設する必要は
なく、掘削撹拌翼12Mの表面に固定するものとしても
よい。また、超音波発振器13を設けるべき位置や個数
は任意に設定することができ、例えば、その他の掘削撹
拌翼12H、12Lに、又は、掘削撹拌翼近傍の回転軸
10に埋設又は固定するものとしてもよい。さらに、本
実施の形態で示した超音波発振器13に代えて、従来よ
り周知な任意の超音波発振器を用いることも可能であ
る。
改良工法によれば、改良すべき地盤を所定の深さまで掘
削する空掘工程と、掘削された地盤の土砂と固化材スラ
リーとを、超音波による振動を与えながら混合して改良
土を作製する改良土作製工程と、前記改良土を所定期間
放置して固化させる養生工程とを含むので、超音波によ
る振動が土砂粒子間の結合を分解し、かつ、土砂の粒子
と固化材スラリーの粒子とが互いに衝突しながら混合さ
れる。これにより、共回り現象を防ぎ、かつ、改良土の
混合効率が向上されて、良質な改良土が安定的に作製す
ることができ、改良柱体の品質を安定したものとするこ
とができる。
超音波による振動を与えながら地盤を掘削するものとし
たので、土砂に前記キャビテーション現象が生じて、土
砂粒子間の結合が分解されて、塊状の土砂が粉砕され
る。これにより、固化材スラリーとの混合を促進するこ
とができる。
ば、固化材スラリーを吐出するための吐出口が設けられ
た中空状の回転軸と、前記回転軸の先端に設けられた削
孔ヘッドと、前記回転軸から水平方向に突設され、地盤
を掘削又は撹拌の一方又は双方をする翼状体と、前記翼
状体又は翼状体の近傍に設けられた超音波発振器とを具
備してなるので、土砂に超音波による振動を与えるとと
もに、翼状体の回転により土砂と固化材スラリーとを混
合する。これにより、前記と同様の効果を得ることがで
きる。
を示すフローチャートである。
0の構成を示す正面図及び側面図である。
説明するための模式図である。
付き改良柱体2を示す模式図である。
式図である。
するための模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 基礎が設けられるべき地盤を掘削し、該
地盤中の土砂と固化材スラリーとを混合することにより
地中に改良柱体を造設して、地盤の支持力を向上させる
地盤改良工法において、 改良すべき地盤を所定の深さまで掘削する空掘工程と、 掘削された地盤の土砂と固化材スラリーとを、超音波に
よる振動を与えながら混合して改良土を作製する改良土
作製工程と、 前記改良土を所定期間放置して固化させる養生工程とを
含むものであることを特徴とする超音波を利用した地盤
改良工法。 - 【請求項2】 前記空堀工程は、超音波による振動を与
えながら地盤を掘削するものであることを特徴とする請
求項1記載の超音波を利用した地盤改良工法。 - 【請求項3】 地盤を掘削し、該地盤中の土砂と固化材
スラリーとを混合することにより地中に改良柱体を造設
するための地盤改良撹拌機であって、 固化材スラリーを吐出するための吐出口が設けられた中
空状の回転軸と、 前記回転軸の先端に設けられた削孔ヘッドと、 前記回転軸から水平方向に突設され、地盤を掘削又は撹
拌の一方又は双方をする翼状体と、 前記翼状体又は翼状体の近傍に設けられた超音波発振器
とを具備してなるものであることを特徴とする地盤改良
撹拌機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000301640A JP3763513B2 (ja) | 2000-10-02 | 2000-10-02 | 超音波を利用した地盤改良工法、及び地盤改良撹拌機 |
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- 2000-10-02 JP JP2000301640A patent/JP3763513B2/ja not_active Expired - Fee Related
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