JP2002105739A - 合成繊維の製造方法及び装置 - Google Patents

合成繊維の製造方法及び装置

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JP2002105739A
JP2002105739A JP2000295542A JP2000295542A JP2002105739A JP 2002105739 A JP2002105739 A JP 2002105739A JP 2000295542 A JP2000295542 A JP 2000295542A JP 2000295542 A JP2000295542 A JP 2000295542A JP 2002105739 A JP2002105739 A JP 2002105739A
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spinneret
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Seiji Kiryu
誠司 桐生
Takao Sano
高男 佐野
Hironori Furuta
裕基 古田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4000m/分より速い紡糸速度で配向度の
低いPOYを製糸する場合でも、紡糸口金汚れに起因し
て発生する糸太さのバラツキや断糸を抑制して生産性向
上を可能にする合成繊維の製造方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 吐出孔5を設けた口金母材2の下側に、
加熱気体流路6を形成し、かつ吐出孔5と対応する部分
に噴射口7を形成した流路形成用口金3を組み付けて紡
糸口金4を構成し、加熱気体流路6から加圧した加熱気
体を吐出孔の縁に直接当てるように供給しながら、噴射
口7から該吐出孔5から吐出する溶融状態の糸条Yと共
に噴出した後、糸条Yを冷却して巻取手段60に巻き取
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成繊維の製造方法
及び装置に関し、さらに詳しくは、延伸仮撚加工用原糸
に適した部分配向未延伸糸(以下POYと略称する)
を、口金汚れに起因する糸太さのバラツキや断糸を抑制
するようにしながら超高速紡糸で生産可能にする製造方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の合
成繊維に膨らみ感等の風合いを与える方法として捲縮加
工法があり、この捲縮加工法を高い生産性で実施する手
段として延伸と仮撚加工とを同時に行う延伸仮撚加工法
がある。この延伸仮撚加工法に使用する原糸としては、
部分的に適度に配向が進んだPOYが適している。
【0003】すなわち、一般にポリエステルPOYの製
造方法では、2000〜4000m/分の紡糸速度から
得られたPOYが適しているとされている。4000m
/分よりも高速の紡糸速度から得られたPOYは、配向
が進みすぎているため、延伸仮撚加工の際に毛羽や断糸
を発生しやすく、糸品質が悪くなり、操業が安定しなく
なるためである。
【0004】しかし、合成繊維の製造において、400
0m/分よりも高速の紡糸速度が採用できないことは、
生産性向上のためには極めて大きなマイナスである。そ
の打開策として、紡糸速度を4000m/分を超える超
高速にしても、2000〜4000m/分の紡糸速度か
ら得られる配向度をもつPOYが得られるようにする方
法の探索が課題になっている。
【0005】上記打開策として、例えば特許第2918
332号明細書に記載されるように、吐出孔から吐出直
後の糸に加熱気体を平行に接触させ、糸のドラフト域に
おける急冷を抑制することにより配向の進行を抑制する
ようにすることができる。しかし、特許第291833
2号において使用される紡糸口金は、吐出孔の吐出縁と
吐出縁を囲む加熱気体の噴射口(ギャップ)とが同一面
になっているため、吐出孔縁に蓄積したポリマーやモノ
マーを定期的に口金面を払拭して清掃するとき、そのポ
リマーやモノマーの蓄積物が噴射口ギャップの中に入り
込み、詰まりを生じやすくなる傾向がある。そのため、
加熱気体の噴射口からの噴き出し状態にバラツキを生
じ、糸の太さのバツラキや断糸を発生するという問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、40
00m/分より速い紡糸速度で配向度の低いPOYを製
糸する場合でも、紡糸口金汚れに起因して発生する糸太
さのバラツキや断糸を抑制して生産性向上を可能にする
合成繊維の製造方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は合成繊維の製造方法として、次の及び
を提供する。
【0008】 吐出孔を設けた口金母材の下流側に、
該口金母材との間に加熱気体流路を形成し、かつ前記吐
出孔と対応する部分に噴射口を形成した流路形成用口金
を組み付けて紡糸口金を構成し、前記加熱気体流路から
加圧した加熱気体を前記吐出孔の縁に直接当てるように
供給しながら、該吐出孔から吐出する溶融状態の糸条と
共に前記噴射口から噴出させ、前記糸条を冷却して巻取
手段に巻き取る合成繊維の製造方法。
【0009】 吐出孔を設けた口金母材の下流側に、
該口金母材との間に加熱気体流路を形成すると共に、前
記吐出孔と対応する部分に噴射口を形成した流路形成用
口金を組み付け、かつ前記吐出口の縁を前記噴射口より
も下側に突出させるように紡糸口金を構成し、前記加熱
気体流路から加圧した加熱気体を供給し、前記吐出孔か
ら吐出する溶融状態の糸条と共に前記噴射口から噴出さ
せた後、前記糸条を冷却して巻取手段に巻き取る合成繊
維の製造方法。
【0010】また、上記目的を達成するため、本発明は
合成繊維の製造装置として、次の及びを提供する。
【0011】 吐出孔を設けた口金母材の下側に、該
口金母材との間に加圧した加熱気体を前記吐出孔の縁に
直接当たるように供給する加熱気体流路を形成し、かつ
前記吐出孔と対応する部分に噴射口を形成した流路形成
用口金を組み付けて紡糸口金を構成し、かつ該紡糸口金
の下流側に前記糸条の冷却手段と巻取手段を設けた合成
繊維の製造装置。
【0012】 吐出孔を設けた口金母材の下流側に、
該口金母材との間に加圧した加熱気体を供給する加熱気
体流路を形成すると共に、前記吐出孔と対応する部分に
噴射口を形成した流路形成用口金を組み付け、かつ前記
吐出口の縁を前記噴射口よりも下流側に突出させるよう
に紡糸口金を構成し、かつ該紡糸口金の下方に前記糸条
の冷却手段と巻取手段を設けた合成繊維の製造装置。
【0013】上記の製造方法及びの製造装置では、
口金母材の吐出孔から吐出直後の溶融状態の糸条に加熱
気体を合流し、変形しやすい溶融状態に維持しながらド
ラフトする。この際、溶融状態の糸条は、変形に伴い一
旦配向が進む。しかしながら、溶融状態であるためこの
配向は速やかに緩和される。従って、紡糸速度を400
0m/分よりも高速にしても実質的に配向を進めること
なく細化することができる。また、溶融ポリマーが吐出
する吐出孔の縁に、加圧した加熱気体を直接当てるた
め、溶融ポリマー吐出時のバラス効果や断糸時の反動等
から生じる吐出孔周りへのポリマー付着汚れやモノマー
昇華物の汚れを抑制することができる。
【0014】また、上記の製造方法及びの製造装置
では、及びの場合と同様の理由から、紡糸速度を4
000m/分より高速にしても実質的に配向を進めない
ように細化することができる。また、吐出孔の縁を加熱
気体の噴射口よりも下側に突出させるようにしているの
で、口金清掃時に吐出孔の縁に付着したポリマーやモノ
マーの蓄積物を拭き取っても、その蓄積物が吐出口縁と
噴射口との間のギャップには詰まりにくく、そのため加
熱気体の噴射口からの噴き出し状態にもバラツキを生じ
にくくなり、糸太さのバツラキや断糸を発生するのを抑
制することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図に示す実施形
態を参照して説明する。
【0016】図1は本発明の合成繊維の製造方法を実施
する装置の一例を例示し、図2はその要部を拡大したも
のである。
【0017】図1及び図2において、1は溶融紡糸機に
おけるスピンブロックであり、加熱手段(図示せず)に
より加熱されている。このスピンブロック1に、口金母
材2と流路形成用口金3とが組み付けられた紡糸口金4
が紡糸パック(図示せず)と一体になって装着されてい
る。口金母材2は溶融ポリマーを糸条Yとして吐出する
吐出孔5を有し、また流路形成用口金3は口金母材2の
下面との間に加熱気体流路6を形成するように積層し、
かつ吐出孔5と対応する部分に噴射口7を形成してい
る。
【0018】上記紡糸口金4の下方には、糸条Yを吸引
力を利用してドラフトを掛けるようにする吸引手段10
が配置されている。さらに、この吸引手段10の下方に
糸条を冷却固化する冷却手段20、糸条に油剤を付与す
る給油手段30、糸条のフィラメント間に交絡を与える
交絡手段40、糸条の走行速度や張力を調整するゴデー
ローラ等の引取手段50、糸条をボビンにパッケージ6
1として巻き取る巻取手段60が順に設けられている。
【0019】上述した装置において、上記紡糸口金4で
は、吐出孔5から吐出直後の溶融ポリマー状態の糸条Y
に加熱気体流路6から加熱気体が合流して接触するよう
になっているので、吐出後の糸条Yはポリマーが溶融状
態のまま変形しやすい状態に維持される。このような変
形しやすい溶融状態の糸条Yに対して、噴射口7から平
行に噴射した加熱気体が随伴力でドラフトを掛ける。こ
の際、糸条は一旦配向が進むものの、溶融状態であるが
故に配向が緩和する。このため、糸条Yを配向を進める
ことなく細化させることができる。すなわち、紡糸速度
を4000m/分よりも高くした場合でも、上記のよう
に糸条Yが変形しやすい溶融状態で細化されるため、実
質的に配向が進まないようになっている。また、噴射口
7から噴射する加熱気体の随伴力に加えて、下方の吸引
手段10の吸引作用も加わることにより、上記ドラフト
は一層促進され細化されるが、配向は実質的に進むこと
はない。
【0020】また、上記紡糸口金4では、加圧した加熱
気体が加熱気体流路6から吐出孔5の縁に直接当たるよ
うになっている。このように加熱気体の外力が吐出孔5
の縁に常時作用するため、溶融ポリマーのバラス効果や
断糸時の反動等により生じる吐出孔周りのポリマー付着
汚れやモノマー等の昇華物汚れが抑制されることにな
り、口金汚れに起因する糸の太さ斑や断糸を抑制するこ
とができる。
【0021】本発明において、口金母材2に設けられる
吐出孔5の数は、糸条Yのフィラメント数に応じて設定
すればよい。また、各吐出孔近傍の温度は加熱気体によ
り均一に維持されるため、温度バラツキに起因するポリ
マーの吐出バラツキが抑制可能になる。1糸条当たりの
フィラメント数が、1個の紡糸口金4だけでは満たすこ
とができないときは、複数の紡糸口金4を使用し、この
複数の紡糸口金4から吐出した糸条を1糸条に合糸する
ようにすればよい。このとき所定フィラメント数から構
成される糸条を複数本同時に紡糸し、巻取手段60に巻
き取るようにしてもよい。
【0022】口金母材2に複数個の吐出孔5を設けると
きの配列は特に限定されるものではないが、好ましく
は、図2のX−X矢視図として例示した図3、図4又は
図5に示すように、それら複数個の吐出孔5を直線状に
配列するのがよい。また、口金母材2や流路形成用口金
3の平面形状は、図3、図5のように矩形であってもよ
く、図4のように円形であってもよい。
【0023】また、上記のように複数個の吐出孔5を直
線状に列状に配列した場合には、流路形成用口金3の噴
射口7はスリット状に形成することが好ましい。噴射口
7をスリット状にすることにより、複数の吐出孔5から
吐出された糸条列に、加熱気体が両側から対称に吹き付
けられるようになるため糸揺れが低減し、糸条Yに太さ
斑を生じさせないようにドラフトすることができる。ま
た、スリットの幅としては、加熱気体噴射時の圧力、流
量に合わせて変更することが好ましく、吐出孔5の直下
で細化された糸条Yが通過できるように、少なくとも吐
出孔5の直径以上の幅であることが好ましい。
【0024】スリット状にした噴射口7は、図示のよう
に連続状にするほか断続的な配置にしてもよい。また、
噴射口7は、上述したスリット状にするほか、図5に示
すように吐出孔5の直径以上の円形孔にし、吐出孔5と
同心に配置するようにしたものであってもよい。孔にし
た噴射口7は、円形のほか矩形状であってもよい。
【0025】加熱気体流路6は、上述したように吐出孔
5の縁に加熱気体を直接当てるような構造になっている
ことが必要があるが、図1や図2に示す実施形態のよう
に、吐出孔5の吐出方向に対し直角に当たるようにする
ほか、図6のように斜めに当たるようにしたものであっ
てもよい。
【0026】加熱気体流路6に供給する加熱気体の種類
は特に限定されるものではないが、好ましくは空気を使
用するのがよい。必要により不活性気体、過熱蒸気、糸
条表面を変性する特性をもつ気体等を使用するようにし
てもよい。また、加熱気体の温度としては、吐出孔5か
ら吐出直後の糸条を粘度の低い溶融状態に維持するた
め、溶融ポリマーの温度T−10℃以上で、溶融ポリマ
ーが熱分解や熱劣化しない温度の範囲内に制御すること
が好ましい。また、溶融状態にある糸条Yが断糸しない
ように加熱気体の圧力を制御することが好ましい。
【0027】噴射口7から噴出した加熱気体を糸条Yに
沿わせて流すようにするため、紡糸口金4と吸引手段1
0との間に整流筒8を設けるようにしてもよい。紡糸口
金4の下方に配置する吸引手段10は、糸条Yを気体を
利用して非接触で搬送するようにしたものが好ましい。
図2には、その一例が示され、上下に貫通する糸条走行
路11の両側に搬送用気体を供給するマニホールド1
2,12が設けられ、このマニホールド12,12に供
給した搬送用気体を噴射孔13,13から糸条走行路1
1に斜めに噴射するようにしている。糸条走行路11に
導入された糸条Yは、搬送用気体のエジェクタ作用によ
って吸引走行する。
【0028】吸引手段10は加熱気体流路6から加熱気
体を供給しない場合に、紡糸速度に応じて糸条Yが細化
し固化するまでの間に設ければよい。紡糸速度4000
m/分以上では、通常ネッキングと称される細化点があ
り、この点より上流側でドラフトできる位置に設けるこ
とが好ましい。
【0029】ここで使用される搬送用気体としては、吸
引力や糸条Yの温度を所定の範囲内に制御するように、
水蒸気、空気などが用いられるが、取扱性を考慮すると
圧縮空気が好ましい。搬送用気体として冷却気体を供給
し、糸条冷却を兼ねるようにしてもよく、また加熱気体
を供給して糸条Yの高温状態を維持し細化させるように
してもよい。
【0030】また、糸条走行路11は、糸条の配列ピッ
チや走行範囲に応じて旋回流などを発生しないようにし
た断面形状であることが望ましい。前述したように複数
個の吐出孔が直線状に配列された場合には、矩形断面に
することが好ましい。冷却手段20の整流、冷却性能を
損なわないよう搬送用気体を排気装置(図示せず)に接
続された排気口14から排出させることが好ましい。
【0031】冷却手段20は、従来公知のものがいずれ
も適用可能である。冷却用気体として温度や露点などを
制御した空気が好ましく使用される。図2に例示した冷
却手段20は、上下に貫通する冷却通路21の周囲を金
網等の整流部22で囲み、その外側に冷却用気体を供給
するチャンバー23を設けるようにしている。チャンバ
ー23から冷却用気体は整流部22を通して冷却通路2
1へ吹き込まれ、その冷却通路21を通過する糸条Yを
冷却固化する。
【0032】冷却用気体の吹き付け方向は、全周から吹
き付けるものに限定されるものではなく、片側からの吹
き付け、両側からの吹き付けであってもよい。全周から
の吹き付けや両側からの吹き付けの場合は、冷却用気体
を速やかに排出して乱れを抑制するため、糸条に対して
斜めに吹き付けることが好ましい。
【0033】給油手段30、交絡手段40、巻取手段6
0は、従来公知のものがいずれも使用可能である。例え
ば、給油手段30には、給油ガイド式、オイリングロー
ラ式のもの、交絡手段40には、圧縮空気を供給するノ
ズル方式のもの、巻取手段60には、スピンドル駆動方
式で、かつターレット切替方式のものなどを例示するこ
とができる。
【0034】図7は、本発明の他の実施形態を例示す
る。
【0035】この合成繊維の製造装置は、口金母材2の
吐出孔5の縁が、流路形成用口金3の噴射口7の出口よ
りも下側へ突出するようになっている点が、前述した図
1及び図2の実施形態と異なっており、その他の構成は
実質的に同一である。また、図8に示すように、加熱気
体流路6を吐出孔5の吐出方向に対して斜めにできるこ
とも、図1及び図2の実施形態と同様である。
【0036】この実施形態では、図1及び図2の実施形
態のように、加熱気体流路6から供給される加圧した加
熱気体が吐出孔5の縁に直接当たるようになっていない
ため、吐出孔周りに蓄積するポリマー付着汚れやモノマ
ー昇華物汚れ等を加熱気体が抑制する効果は小さい。し
かし、吐出孔5の縁が噴射口7の出口から下方へずれて
いるため、その吐出孔5の縁に付着したポリマーやモノ
マー等の蓄積物を払拭清掃する時、吐出口5と噴射口7
との間のギャップには入りにくくなっている。したがっ
て、ギャップが部分的詰まりによって加熱気体の噴き出
し状態のバラツキを起こすことは少なく、糸太さのバツ
ラキや断糸を抑制することができる。
【0037】吐出孔5から吐出した溶融状態の糸条Yに
加熱気体が合流することによって、糸条を変形しやすい
溶融状態に維持しつつ細化することは、図1及び図2の
場合と同じである。したがって、この溶融状態の糸条Y
を紡糸速度4000m/分よりも速い速度でドラフトし
ても、実質的に配向が進まないように細化させることが
できる効果が得られることは同様である。
【0038】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、口金母
材の吐出孔から吐出直後の溶融状態の糸条に加熱気体糸
を合流し、変形しやすい溶融状態に維持しながらドラフ
トするため、紡糸速度を4000m/分よりも高速にし
ても実質的に配向を進めることなく細化することができ
る。また、溶融ポリマーが吐出する吐出孔の縁に、加圧
した加熱気体を直接当てるため、溶融ポリマー吐出時の
バラス効果や断糸時の反動等から生じる吐出孔周りへの
ポリマー付着汚れやモノマー昇華物の汚れを抑制するこ
とができる。
【0039】また、他の製造方法及び装置では、吐出孔
の縁を加熱気体の噴射口よりも下側に突出させているの
で、口金清掃時に吐出孔の縁に付着したポリマーやモノ
マーの蓄積物を拭き取っても、その蓄積物が吐出口縁と
噴射口との間のギャップには詰まりにくく、そのため加
熱気体の噴射口からの噴き出し状態にもバラツキを生じ
にくくなり、糸太さのバツラキや断糸を発生するのを抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成繊維の製造方法を実施する装置を
例示した説明図である。
【図2】図1の装置の要部のみ拡大して示す縦断面図で
ある。
【図3】図2のX−X矢視を示す図である。
【図4】図2のX−X矢視を示した他の例を示す図であ
る。
【図5】図2のX−X矢視を示した更に他の例を示す図
である。
【図6】本発明に使用される紡糸口金の他の例を示す縦
断面図である。
【図7】本発明の合成繊維の製造方法を実施する装置の
他の実施形態を例示した説明図である。
【図8】本発明に使用される紡糸口金の更に他の例を示
す縦断面図である。
【符号の説明】
2 口金母材 3 流路形成用口金 4 紡糸口金 5 吐出孔 6 加熱気体流路 7 噴射口 10 吸引手段 20 冷却手段 60 巻取手段
フロントページの続き (72)発明者 古田 裕基 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4L045 AA05 BA03 CB16 CB21 CB31 CB33 DA08 DA17 DA23 DA28 DC03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出孔を設けた口金母材の下流側に、該
    口金母材との間に加熱気体流路を形成し、かつ前記吐出
    孔と対応する部分に噴射口を形成した流路形成用口金を
    組み付けて紡糸口金を構成し、前記加熱気体流路から加
    圧した加熱気体を前記吐出孔の縁に直接当てるように供
    給しながら、該吐出孔から吐出する溶融状態の糸条と共
    に前記噴射口から噴出させ、前記糸条を冷却して巻取手
    段に巻き取る合成繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 吐出孔を設けた口金母材の下流側に、該
    口金母材との間に加熱気体流路を形成すると共に、前記
    吐出孔と対応する部分に噴射口を形成した流路形成用口
    金を組み付け、かつ前記吐出口の縁を前記噴射口よりも
    下側に突出させるように紡糸口金を構成し、前記加熱気
    体流路から加圧した加熱気体を供給し、前記吐出孔から
    吐出する溶融状態の糸条と共に前記噴射口から噴出させ
    た後、前記糸条を冷却して巻取手段に巻き取る合成繊維
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 紡糸速度を4,000m/分より高速に
    する請求項1又は2に記載の合成繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記紡糸口金から吐出する溶融状態の糸
    条に加熱気体を供給すると共に、該紡糸口金の下流側か
    ら吸引する請求項1,2又は3に記載の合成繊維の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記吐出孔を複数個設け、これらの吐出
    孔を列状に配列すると共に、該吐出孔の配列に対応して
    前記噴射口をスリット状に形成し、該複数個の吐出孔か
    ら吐出する糸条列の両側から加熱気体を対称に合流させ
    る請求項1〜4のいずれかかに記載の合成繊維の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 吐出孔を設けた口金母材の下側に、該口
    金母材との間に加圧した加熱気体を前記吐出孔の縁に直
    接当たるように供給する加熱気体流路を形成し、かつ前
    記吐出孔と対応する部分に噴射口を形成した流路形成用
    口金を組み付けて紡糸口金を構成し、かつ該紡糸口金の
    下流側に前記糸条の冷却手段と巻取手段を設けた合成繊
    維の製造装置。
  7. 【請求項7】 吐出孔を設けた口金母材の下流側に、該
    口金母材との間に加圧した加熱気体を供給する加熱気体
    流路を形成すると共に、前記吐出孔と対応する部分に噴
    射口を形成した流路形成用口金を組み付け、かつ前記吐
    出口の縁を前記噴射口よりも下流側に突出させるように
    紡糸口金を構成し、かつ該紡糸口金の下方に前記糸条の
    冷却手段と巻取手段を設けた合成繊維の製造装置。
  8. 【請求項8】 4,000m/分より高速の紡糸速度で
    紡糸を行うようにした請求項6又は7に記載の合成繊維
    の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記紡糸口金の下流側に前記吐出孔から
    吐出する溶融状態の糸条にドラフトを与える吸引手段を
    配置した請求項6,7又は8に記載の合成繊維の製造装
    置。
  10. 【請求項10】 前記吐出孔を複数個設け、これらの吐
    出孔を列状に配列すると共に、該吐出孔の配列に対応し
    て前記噴射口をスリット状に形成した請求項6〜9のい
    ずれかに記載の合成繊維の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI396592B (ja) * 2010-03-03 2013-05-21
JP2015028228A (ja) * 2012-10-22 2015-02-12 株式会社リメディオ 乾式紡糸装置、不織布製造装置、および紡糸方法

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