JP2002105722A - 作業用手袋 - Google Patents

作業用手袋

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JP2002105722A
JP2002105722A JP2000290994A JP2000290994A JP2002105722A JP 2002105722 A JP2002105722 A JP 2002105722A JP 2000290994 A JP2000290994 A JP 2000290994A JP 2000290994 A JP2000290994 A JP 2000290994A JP 2002105722 A JP2002105722 A JP 2002105722A
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Atsuko Ochi
敦子 越智
Takefumi Nakashita
武文 中下
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸汗性に優れ、手袋内での蒸れや臭いの発生
が十分に抑制された作業用手袋10を提供する。 【解決手段】 横断面における外周部14に凸部15ま
たは凹部16を少なくとも1ヵ所備えた繊維構造を有す
る合成繊維(いわゆる異形断面繊維)13を用いて手袋
体11を形成し、当該手袋体11の表面にゴムまたは樹
脂製の被膜12を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作業用手袋に関し、
より詳しくは、吸汗性、防臭性および乾燥性に優れた作
業用手袋を提供することである。
【0002】
【従来の技術】作業用手袋は、一般に、縫製タイプまた
は編物(シームレス)タイプの手袋体を裏地として、当
該手袋体の表面にゴムまたは樹脂製の被膜を設けたもの
であって、主に、農林水産業における種々の作業、園芸
作業、運搬作業等において広く使用されている。従来の
作業用手袋における手袋体には、通常、綿や、ナイロン
系、アクリル系もしくはポリエステル系合成樹脂製の
糸、またはこれらの混紡が用いられている。
【0003】しかしながら、従来の作業用手袋を装着し
てかかる作業を行うと、汗をかくことによって手袋の内
部が蒸れてしまい、手指がべとつくという問題があっ
た。特開平11−172514号公報には、綿メリヤス
生地からなる縫製手袋と、合成繊維からなる編み手袋と
の積層体に、さらにゴム被膜を設けた作業用手袋が開示
されているが、綿メリヤス生地は、元来、乾燥性の低い
素材であって、当該生地からなる縫製手袋の表面に、合
成繊維からなる編み手袋およびゴム被膜が形成されてい
るため、汗による蒸れが生じやすく、加えて洗濯後の乾
燥に時間がかかるという問題がある。
【0004】さらに、従来の作業用手袋においては、長
期間に亘って汗が残存することによって手袋内に臭いが
生じるという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、特開平6−49
702号公報には、天然または合成繊維を抗菌防臭剤お
よび撥水撥油剤で処理してなる処理糸と、無処理糸とを
組み合わせて前記処理糸側が内面となるように編成し、
こうして得られた編み手袋を手袋体として使用したもの
が開示されている。しかしながら、上記の作業用手袋に
おける手袋体は、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョ
ンが過度に浸透するのを防止する目的で撥水撥油剤が施
されていることから、吸汗性が極めて低い。従って、作
業用手袋内にて臭いが発生する問題は前記抗菌防臭剤の
作用により抑制されているものの、手袋内部の蒸れによ
って手指がべとつくという問題を解消するには至ってい
ない。
【0006】そこで本発明の目的は、吸汗性、防臭性お
よび乾燥性に優れ、手袋内での蒸れや臭いの発生が十分
に抑制された作業用手袋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、作業用手袋を構成する手袋体を通常の合成繊維から
作製するのではなく、吸水性および拡散性に優れたいわ
ゆる異形断面繊維を用いて作製したときは、当該手袋体
の表面をゴムまたは樹脂被膜で覆っているにもかかわら
ず、しかも繊維自体に抗菌防臭剤等による処理を施して
いないにもかかわらず、意外にも、吸汗性に優れ、か
つ、手袋内での蒸れや臭いの発生を十分に抑制すること
のできる作業用手袋が得られるという全く新たな事実を
見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明に係る作業用手袋は、手
袋体と、その表面に設けられたゴムまたは樹脂製の被膜
とからなり、前記手袋体は、横断面における外周部に凸
部または凹部を少なくとも1ヵ所備えた繊維構造を有す
る合成繊維によって形成された編み手袋または縫製手袋
であることを特徴とする。上記作業用手袋の手袋体を構
成する合成繊維は、その横断面における外周部に凸部ま
たは凹部を少なくとも1ヵ所備えた繊維構造を有する、
いわゆる異形断面繊維である。
【0009】かかる合成繊維(異形断面繊維)は、その
横断面の外周に前記凸部または凹部からなる起伏を少な
くとも1ヵ所備えた繊維構造を有することから、繊度が
同程度であるものの断面が略円形である通常の合成繊維
に比べて隣接する繊維間の隙間が大きくなり、毛細管現
象によって水分が繊維表面を伝って汲み出される作用を
発揮する程度になる。従って、上記の繊維を用いて形成
された手袋体は、汗等の水分を十分に吸収し、かつ広範
囲に分散させることができる。
【0010】また、上記異形断面繊維は合成繊維に由来
するものであって、綿等の天然繊維とは異なり、繊維そ
のものの吸水率が低い。それゆえ、上記手袋体を使用し
た本発明の作業用手袋は、吸汗性が良好で、しかも汗や
洗浄水等によって濡れた場合でも手袋体を速やかに乾燥
させることができる。それゆえ、上記本発明の作業用手
袋によれば、使用時の蒸れが防止され、衛生性に優れて
おり、良好な使用感を得ることができる。
【0011】上記手袋体を構成する合成繊維(異形断面
繊維)は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリ
ル系、ポリプロピレン系またはアセテート系の繊維であ
るのが好ましい。これらの繊維はいずれも親水性が高い
素材であることから、手袋体の表面に設けられるゴムま
たは樹脂被膜との接着性が良好なものとなる。一方、親
油性が低い素材であることから、防臭、抗菌作用に優
れ、脂の付着を防止して、汗から発生する臭いの発生を
防止する作用をも示す。
【0012】また、上記例示の繊維は、手袋体の手触り
やフィット感を良好なものとする上でも好適である。上
記手袋体は、編み手袋または縫製手袋のいずれであって
もよいが、少なくとも作業用手袋の内面側にて上記の合
成繊維(異形断面繊維)が露出するように編まれたもの
であるのが好ましい。例えば、作業用手袋の内部におい
て直接手に触れる部分にのみ上記の合成繊維(異形断面
繊維)が露出するような編み手袋とし、その他の部分、
すなわちゴムまたは樹脂の膜を被覆する部分に綿、ナイ
ロン等の汎用繊維を用いることで、手袋の製造コストの
低減を図ることができる。
【0013】前記手袋体は、上記の合成繊維(異形断面
繊維)を50〜100%使用したものであればよい。上
記の合成繊維(異形断面繊維)の使用率が50%を下回
ると、前述の、本発明の効果が損なわれるおそれがあ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る作業用手袋に
ついて詳細に説明する。本発明の作業用手袋10は、例
えば図1に示すように、合成繊維13からなる手袋体1
1の表面にゴムまたは樹脂製の被膜12を設けたもので
あって、前記合成繊維13は、例えば図2(a) に示すよ
うに、その横断面における外周部14に凸部15または
凹部16を少なくとも1ヵ所備えた繊維構造を有する、
いわゆる異形断面繊維であることを特徴とする。
【0015】〔手袋体〕前記手袋体の作製に用いられる
合成繊維は、通常の合成繊維のように断面略円形の繊維
ではなく、いわゆる異形断面繊維であることを特徴とす
る。かかる異形断面繊維の横断面形状としては、例えば
図2(a) に示す形状のほかに、同図(b) の略T字形,同
図(c) の略Y字形,同図(d) の略π字形,同図(e)の略
十字形,同図(f) に示す形状,同図(g) の略U字形,同
図(h) の略H字形等が挙げられる。
【0016】図2(a) 〜(h) に示すような、横断面の外
周部に起伏を有する繊維を用いて手袋体を作製した場合
には、隣接する繊維間での隙間が、断面が略円形で繊度
が同程度である通常の合成繊維に比べて大きくなり、か
つ、毛細管現象によって水分が繊維表面を伝って汲み出
される作用を発揮するようになる。また、繊維の表面積
は、断面が略円形で繊度が同程度である通常の合成繊維
に比べて20%程度、一般に10〜30%広くなる。そ
れゆえ、吸水性が優れたものとなるだけでなく、拡散性
をも併せ持った繊維となり、吸汗性が良好である上、さ
らに乾き易いものとなる。
【0017】上記合成繊維(異形断面繊維)の比表面積
は特に限定されるものではないが、通常、14〜30m
2 /gであるのが好ましい。異形断面繊維の比表面積が
14m2 /g以上である場合は、その異形度が十分に高
いといえる。それゆえ、隣接する繊維間において、毛細
管現象による水分の汲み出し作用を十分に発揮するもの
となる。一方、比表面積が30m2 /gを超える異形断
面繊維については、その製造および入手が困難である。
【0018】前記手袋体の作製に用いられる合成繊維
は、上記の合成繊維(異形断面繊維)を単独で用いたフ
ィブリルやフィラメントに限定されるものではなく、ナ
イロンや綿との混紡であってもよい。この場合におい
て、上記合成繊維(異形断面繊維)の混紡率は、本発明
の効果を十分に発揮させるという観点から、50%以
上、好ましくは60%以上であることが求められる。前
記手袋体の作製に用いられる合成繊維の具体例として
は、これに限定されるものではないが、例えばデュポン
(株)製の登録商標「ダクロンQD」、「ダクロンQD
マックス」等が挙げられる。
【0019】〔被膜〕前記手袋体の表面に設けられる被
膜は、ゴムまたは樹脂からなるものであるほかは特に限
定されるものではなく、従来の作業用手袋に汎用されて
いる種々の被膜を採用することができる。被膜の形成方
法は特に限定されるものではないが、一般に、ゴムラテ
ックスまたは樹脂エマルジョンを用いた浸漬法によって
形成するのが、被膜形成の作業性や被膜の均一性等の観
点から好ましい。
【0020】前記被膜の形成に用いられるゴムラテック
スとしては、例えば天然ゴム(NR)ラテックス、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックス、
スチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、メタ
クリル酸エチルグラフト(MG)ラテックス等の、従来
公知の種々のゴムラテックスが挙げられる。中でも、N
RラテックスやMGラテックスが、皮膜の強度や作業用
手袋の柔軟性等を優れたものにする上で好適である。
【0021】上記天然ゴム(NR)ラテックスは、フィ
ールドラテックス、アンモニアラテックス等の従来公知
の、種々の天然ゴムラテックスのほかに、ラテックス中
の蛋白質を除去する処理が施されたいわゆる脱蛋白天然
ゴム(DPNR)ラテックスであってもよい。前記被膜
の形成に用いられる樹脂エマルジョンとしては、例えば
塩化ビニル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョ
ン等が挙げられる。
【0022】かかる被膜12は、通常、図1に示すよう
に手袋体11のほぼ表面全体に設けられるものである
が、本発明の作業用手袋ではこれに限定されるものでは
なく、例えば手袋体11の少なくとも掌と掌の指部との
表面にのみ設けられているのであってもよい。逆に、手
袋体11の手首部分にも被膜12が設けられていてもよ
い。なお、図1は、作業用手袋10の掌部分における表
面から被膜12を部分的に取り除いた状態を示してい
る。
【0023】上記ゴムラテックスには、加硫剤、加硫促
進剤、加硫促進助剤等が配合され、さらに必要に応じて
他の添加剤が配合される。加硫剤としては、例えば硫
黄;トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素
等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。加硫剤
の配合量は、前加硫の程度や加硫促進剤等の配合量と兼
ね合いによって決定されるものであるが、通常、ゴムラ
テックス中のゴム固形分100重量部に対して0.1〜
5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の範囲で設定さ
れる。加硫促進剤としては、例えばジエチルジチオカル
バミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜
鉛(BZ)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種
以上を混合して用いることができる。加硫促進剤の配合
量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対し
て0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。加硫
促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられる。加硫
促進助剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分10
0重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが
好ましい。
【0024】一方、上記樹脂エマルジョンには、樹脂の
架橋性を十分なものとし、かつ手袋の強度を向上させる
ために、架橋剤を含有するのが好ましい。樹脂エマルジ
ョンが自己架橋性を有する場合には架橋剤を配合しなく
ても成膜できるが、架橋剤を配合することによって手袋
の強度をより一層向上させることができる。上記架橋剤
としては、例えば亜鉛華、メラミン樹脂、エポキシ樹脂
等の、ポリマーの加工用に用いられる従来公知の種々の
架橋剤が挙げられる。架橋剤の配合量は特に限定されな
いが、樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対
して1〜10重量部、特に1〜5重量部であるのが好ま
しい。
【0025】〔作業用手袋の製造方法〕本発明の作業用
手袋は、手袋体の作製と、当該手袋体の表面への被膜形
成とを経ることによって製造される。手袋体は、前記の
合成繊維(異形断面繊維)を含む糸、すなわち前記合成
繊維からなるフィラメント糸、または前記合成繊維と
綿、ナイロン等との混紡糸(混繊糸)を用いて、編成も
しくは縫製により作製される。
【0026】ゴムまたは樹脂からなる被膜は、例えば前
述のように、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンを
用いた浸漬法によって形成される。すなわち、まず、手
袋の型に前記手袋体を被せて、次いで、必要に応じて加
硫剤、架橋剤等を配合したゴムラテックスまたは樹脂エ
マルジョン中に、前記手袋体を浸漬する。浸漬後、手袋
体の表面に形成された被膜を乾燥、加硫(架橋)させ、
さらに手袋の型から手袋体と被膜との積層物を取り外
す。こうして得られた積層物は、必要に応じてさらに加
熱による加硫(架橋)等の処理を施した上で、作業用手
袋として供給される。
【0027】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、本発明
の作業用手袋を説明する。 〔作業用手袋の製造〕下記の実施例において、異形断面
繊維にはデュポン(株)製のポリエステル系繊維〔登録
商標「ダクロンQD」(32番手)〕を使用した。この
繊維の横断面形状は、おおよそ、図2(a) に示す形状で
あった。
【0028】一方、前記異形断面繊維と混紡され、また
は単独で用いられる、横断面形状が略円形の繊維には、
綿〔パキスタン綿の32番手〕を使用した。また、被膜
の形成には、感熱凝固配合を行った天然ゴムラテックス
を用いた。かかるラテックスの調製方法は次のとおりで
ある。pHを8.0程度に調整した天然ゴムラテックス
〔NRラテックス,全固形分濃度(TSC)60重量
%〕のゴム固形分100重量部に対して、亜鉛華(Zn
O)1重量部、ジブチルカルバミン酸亜鉛(加硫促進
剤,BZ)1重量部、硫黄1重量部、および水酸化カリ
ウム1重量部を添加し、水で希釈して全固形分濃度(T
SC)を50重量%に調製した。次いで、十分に撹拌
し、50℃で5時間、前加硫を行った後、感熱凝固剤
(ルトナール)を1.5重量部添加し、手袋体用のラテ
ックスとした。
【0029】実施例1 前記異形断面繊維のみを紡績したフィラメントを用い
て、作業用手袋を編成した。編み手袋を編成する編み機
には、島精機(株)製の手袋編み機(13ゲージ品)を
使用し、前記32番手糸3本を合わせて、ニット編みに
よりシームレスの手袋を得た。次いで、上記手袋体を裏
返し、陶器製の手袋の型に装着して、100℃のオーブ
ンに入れ、30分程度予熱した。さらに、手袋体を前記
天然ゴムラテックス中に浸漬し、被膜を形成した後、1
10℃で40分程度加熱した。
【0030】こうして、被膜を加硫、乾燥させて、当該
被膜および手袋体を型から取り外すことによって、作業
用手袋を得た。 実施例2および3、比較例2 前記フィラメントを、前記異形断面繊維と綿との混紡に
代えたほかは、実施例1と同様にして、作業用手袋を得
た。前記異形断面繊維と綿との混紡率は表1に示すとお
りである。
【0031】比較例1 作業用手袋の編成に前記綿のみを用いたほかは、実施例
1と同様にして、作業用手袋を得た。 比較例3 作業用手袋の編成にポリエステル繊維〔東洋紡績社製の
商品名「東洋紡績ポリエステル」(32番手)〕のみを
用いたほかは、実施例1と同様にして、作業用手袋を得
た。前記ポリエステル繊維〔商品名「東洋紡績ポリエス
テル」〕の横断面形状はおおよそ円形であった。
【0032】〔評価試験〕 (浸透性試験)上記実施例および比較例で得られた作業
用手袋の指先に10gの水性インキを入れ、指先を下に
してぶら下げた状態で放置した。30分間放置した後、
指先から、インキが浸透した(吸い上げられた)上端ま
での距離(cm)を目視により測定した。
【0033】浸透距離が長いほど、吸水性に優れている
ことを示す。 (速乾性試験)上記実施例および比較例で得られた作業
用手袋内に50gの水を入れて、手袋全体に行き渡らせ
た後、50℃のオーブンで1時間乾燥させた。次いで、
乾燥後における手袋の残水量(g)を測定した。残水量
が少ないほど、速乾性(乾燥性)に優れていることを示
す。
【0034】(官能試験)上記実施例および比較例で得
られた作業用手袋を実際に被験者に装着させて、23
℃、湿度55%の室内にて荷物の上げ下ろし等の作業に
従事させた。その上で、1時間経過後の蒸れの状態およ
びにおいの状態を評価した。蒸れおよびにおいの評価基
準は次のとおりである。 (蒸れ) A:通気性が極めて高く、それゆえ蒸れを生じる事がな
かった。 B:十分な通気性を有しており、それゆえ蒸れを生じる
事がほとんどなく、蒸れによる不快感を生じることはな
かった。 C:手袋内が蒸れたため、不快感を生じた。 D:通気性が極めて低く、それゆえ手袋内での蒸れの発
生が顕著であった。
【0035】(におい) A:多量の発汗があったにもかかわらず、臭いが発生す
ることはなかった。 B:わずかに臭いが生じていたものの、実用上問題とは
ならない程度であった。 C:被験者の半数以上が多少、不快と感じる程度に臭い
が生じた。 D:被験者が極めて不快であると感じる程度に臭いが生
じた。
【0036】
【表1】
【0037】表1より明らかなように、横断面における
外周面に凸部または凹部を少なくとも1ヶ所有する合成
繊維(異形断面繊維)を用いて手袋体を形成した実施例
1や、前記異形断面繊維と綿との混紡糸であって、異形
断面繊維の混紡率が50%以上であるものを用いて手袋
体を形成した実施例2および3では、吸水性および速乾
性(乾燥性)のいずれも極めて良好であって、蒸れや臭
いの発生も十分に抑制されていることが分かった。
【0038】これに対し、綿のみを用いて手袋体を形成
した比較例1や、前記異形断面繊維と綿との混紡糸を用
いて手袋体を作製したものの、当該混紡糸における異形
断面繊維の含有率が50%を下回る比較例2では、吸水
性および速乾性(乾燥性)がいずれも不十分で、蒸れや
臭いの発生を抑制することができなかった。また、横断
面が略円形である(異型性の低い)ポリエステル繊維を
用いて手袋体を形成した比較例3では、速乾性(乾燥
性)が良好であるにも関わらず吸水性が極めて低いため
に、手袋装着時に生じた汗が手袋内に長時間残存してし
まった。それゆえ、比較例3では蒸れやにおいの発生を
抑制することができなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業用手袋の一実施形態を示す正
面図である。
【図2】(a) 〜(f) は、合成繊維の横断面形状を示す模
式図である。
【符号の説明】
10 作業用手袋 11 手袋体 12 被膜 13 合成繊維(異形断面繊維) 14 外周部 15 凸部 16 凹部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】手袋体と、その表面に設けられたゴムまた
    は樹脂製の被膜とからなり、 前記手袋体は、横断面における外周部に凸部または凹部
    を少なくとも1ヵ所備えた繊維構造を有する合成繊維に
    よって形成された編み手袋または縫製手袋であることを
    特徴とする作業用手袋。
  2. 【請求項2】前記合成繊維はポリエステル系、ポリアミ
    ド系、ポリアクリル系、ポリプロピレン系またはアセテ
    ート系の繊維である請求項1記載の作業用手袋。
  3. 【請求項3】前記手袋体は、少なくとも作業用手袋の内
    面側にて前記合成繊維が露出するよう編まれたものであ
    る請求項1または2記載の作業用手袋。
  4. 【請求項4】前記手袋体は、前記合成繊維を50〜10
    0%使用したものである請求項1〜3のいずれかに記載
    の作業用手袋。
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WO2019022092A1 (ja) * 2017-07-27 2019-01-31 日本ゼオン株式会社 積層体の製造方法

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