JP2002105612A - ベリリウム銅ワイヤ及びその製造方法 - Google Patents

ベリリウム銅ワイヤ及びその製造方法

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JP2002105612A JP2000305294A JP2000305294A JP2002105612A JP 2002105612 A JP2002105612 A JP 2002105612A JP 2000305294 A JP2000305294 A JP 2000305294A JP 2000305294 A JP2000305294 A JP 2000305294A JP 2002105612 A JP2002105612 A JP 2002105612A
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beryllium
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straightness
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Takao Murakami
孝夫 村上
Satoru Kawai
悟 河合
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NGK Insulators Ltd
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NGK METTEX CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な真直性、熱耐久性、引張り強さ、ばね
特性を有し、端面にバリのない、真直ばね用部材として
好適であるとともに、環境面にも配慮のなされたベリリ
ウム銅ワイヤ、並びにその製造方法を提供する。 【解決手段】 ベリリウムの含有率が0.2〜2.0w
t%であるベリリウム銅ワイヤの外周面に、銀めっき膜
が形成され、全長10〜30mmに対して50μm以下
の真直度を有することを特徴とするベリリウム銅ワイヤ
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明はベリリウム銅ワイ
ヤ及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、真直ばね
用として使用され、引張り強さと真直ばね性に優れたベ
リリウム銅ワイヤ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、情報機器メディアの中核とし
て、光でデータを読み書きする光ピックアップの需要が
高まっている。光ピックアップの対物レンズユニットを
懸架する1つの方法として、サスペンションワイヤを使
用する方法があり、これに用いるワイヤとしては、例え
ば0.1mm近辺の細線の真直ばね用銅合金ワイヤが用
いられている。このような電子部品に用いられる真直ば
ね用銅合金ワイヤに対しては、使用される電子製品の小
型化に伴い、低弾性係数、高強度、あるいは高電気伝導
性等の特性を有することが必要であり、例えばワイヤの
真直度に関しては、ワイヤの長さ10〜30mmに対し
て50μm以下のものが要求される。
【0003】 前記真直ばね用銅合金ワイヤの材質とし
ては、ベリリウム銅が非常に良好に用いられる。その理
由としては、Fe系の金属、例えばピアノ鋼線等に比し
て弾性係数が低く、しなやかにたわむことができるため
である。また、ベリリウム銅は時効硬化型ばね材料とし
ても優れており、かつ、電気伝導性にも優れていること
から、各種電子機器用部材としての需要が高い。
【0004】 従来、細線で高真直度を得る場合の直線
矯正方法は、静止または回転する矯正ダイにより、引張
りと圧縮の繰り返し応力を作用させてワイヤ表面の残留
応力を均一にし、直線矯正する機械式手段、あるいは熱
と引張力線材の残留応力を除去し直線矯正する、いわゆ
るテンションアニール手段(以下、アニール手段と略記
する)がとられていた。また、直線矯正後のワイヤは一
定の長さに切断され、短尺品として製品化されるのが一
般的であり、ワイヤ表面にはめっき処理がされていなか
った。
【0005】 なお、特開平10−306358号公報
においては、長尺、かつ表面めっき層を有するベリリウ
ム銅線の製造方法が開示されており、ベリリウム銅線母
材を原材料とした一連の製造工程が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 ベリリウム銅ワイヤ
を構成部材として組み込んだ電子機器の使用環境によっ
ては、例えば車載用電子機器類を想定した場合において
は、60℃以上の高温条件に晒されることも想定でき
る。このような条件下においても熱耐久性を有し、所定
の特性が保持され得ることが必要となるため、例えば、
75℃×72時間の熱負荷試験等を実施した後において
も所定の特性が保持されていることが必要とされる。前
述の特開平10−306358号公報において開示され
ている発明においては、ベリリウム銅ワイヤに対して繰
り返し曲げ伸ばし加工を施す、いわゆる機械式手段によ
る直線矯正工程を有している。しかし、ベリリウム銅ワ
イヤを始めとするワイヤに対して機械式手段による直線
矯正を施した場合、ワイヤに応力分布が生じてしまい、
熱負荷試験等の前後においてワイヤのばね特性や強度に
変化を生じ易いことが問題となっている。
【0007】 さらに、同公報において開示されている
発明においては、ベリリウム銅線の表面には、溶融はん
だめっきを施している。この溶融はんだには鉛が含有さ
れており、環境への影響により使用することは好ましく
ないといった問題がある。
【0008】 一方、製品として出荷する際のワイヤの
態様としては、所定の長さにカットされた状態(カット
ワイヤ)と、カットされていない状態(連続ワイヤ)を
挙げることができる。前者のカットワイヤの場合、電子
機器製造に使用することを考慮すると、カットワイヤに
おいては切断によって端面にバリが生じていないことが
必要である。さらに、切断精度が良好であり、かつ、切
断後にカットワイヤにゆがみの生じない等の諸条件をク
リアする切断方法が要求される。
【0009】 本発明は、このような従来技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、良好な真直性、熱耐久性、引張り強さ、ばね特
性を有し、端面にバリのない、真直ばね用部材として好
適であると共に、環境面にも配慮のなされたベリリウム
銅ワイヤ、並びにその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、ベリリウムの含有率が0.2〜2.0wt%である
ベリリウム銅ワイヤの外周面に、銀めっき膜が形成さ
れ、全長10〜30mmに対して50μm以下の真直度
を有することを特徴とするベリリウム銅ワイヤが提供さ
れる。さらに、当該ベリリウム銅ワイヤの径が60〜1
50μm、銀めっき膜厚さが0.1〜1.0μmである
ことが好ましい。
【0011】 また、本発明によれば、ベリリウムの含
有率が0.2〜2.0wt%であるベリリウム銅ワイヤ
母材を所定径のベリリウム銅ワイヤまで引き落とす引抜
き工程と、該引抜き工程後の該ベリリウム銅ワイヤに張
力を付加しながら還元性ガス雰囲気中で熱処理を施し、
該ベリリウム銅ワイヤの真直度を上げるテンションアニ
ール式直線矯正工程を有することにより、全長10〜3
0mmに対して50μm以下の真直度を有するベリリウ
ム銅ワイヤとすることを特徴とするベリリウム銅ワイヤ
の製造方法が提供される。
【0012】 本発明においては、引抜き工程の前に、
ベリリウム銅ワイヤ母材に銀めっき処理を施すめっき工
程を有することも好ましく、さらに、テンションアニー
ル式直線矯正工程の後に、ベリリウム銅ワイヤを所定の
長さにカットするせん断工程を有することも好ましい。
【0013】 また、本発明においては、せん断工程
が、両刃せん断、パイプ刃物せん断のいずれかの方法に
より行われることが好ましく、テンションアニール式直
線矯正工程を、連続炉温度を360〜460℃、連続炉
内張力を15〜120gの条件によって行うことが好ま
しい。
【0014】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当
業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良
等が加えられることが理解されるべきである。
【0015】 本発明に係るベリリウム銅ワイヤは、ベ
リリウムの含有率が0.2〜2.0wt%であって、当
該ワイヤの外周面に銀めっき膜が形成されている。従っ
て、良好なはんだ付け性と優れた耐久性が得られ、例え
ば0.1mm以下の細線とした場合でも良好な耐久性と
ばね特性が得られるようになる。また、銀メッキによっ
てはんだ付けを行う際、強力なフラックスを用いたり、
高温度ではんだ付けを行う必要がなくなり、真直ばね用
ワイヤとしてのばね性を損なう恐れもなくなる。
【0016】 また、ワイヤ外周に形成した銀めっき膜
には鉛が一切含有していないため、環境面に対しても配
慮がなされたワイヤである。さらに、その全長10〜3
0mmに対して50μm以下の真直度を有することを特
徴としているため、真直ばね用ワイヤとして特に好適に
採用することができる。
【0017】 また、本発明においては、ベリリウム銅
ワイヤの径が60〜150μmであることが好ましく、
65〜130μmであることがさらに好ましい。また、
銀めっき膜厚さが0.1〜1.0μmであることが好ま
しく、0.2〜0.8μmであることがさらに好まし
い。銀めっき膜の厚さが0.1μmより薄い場合には十
分なはんだ付け性を得ることができず、また、1.0μ
mよりも厚い場合にはワイヤのばね特性が低下するため
である。さらに、銀めっき膜厚さを0.1〜1.0μm
としたことにより、径が60〜150μmである当該ワ
イヤのばね性を損なうことがなく、良好なはんだ付け性
を得ることができる。
【0018】 本発明に係るベリリウム銅ワイヤの製造
方法では、ベリリウムの含有率が0.2〜2.0wt%
であるベリリウム銅ワイヤ母材を所定径のベリリウム銅
ワイヤまで引き落とす引抜き工程と、引抜き工程後のベ
リリウム銅ワイヤに張力を付加しながら還元性ガス雰囲
気中で熱処理を施し、ベリリウム銅ワイヤの真直度を上
げるテンションアニール式直線矯正工程を有し、全長1
0〜30mmに対して50μm以下の真直度を有するベ
リリウム銅ワイヤを製造する。特に本発明においては、
機械式手段による直線矯正工程を有しておらず、テンシ
ョンアニール式直線矯正工程によってのみ、ベリリウム
銅ワイヤの真直化を行っているために、当該ワイヤ上に
応力分布が生ずることはなく、熱負荷試験等の前後にお
いてワイヤのばね特性や強度に変化が生ずることがな
い。さらに、機械式手段による直線矯正工程を経由せず
に、ベリリウム銅ワイヤの製造を行う長所としては、従
来の製造工程を短縮することによる製造コストの低減を
挙げることができる。従って、従来のベリリウム銅ワイ
ヤに比して低コストであると共に、例えば、光ピックア
ップの対物レンズユニットを懸架するためのサスペンシ
ョンワイヤに要求される、全長10〜30mmに対して
50μm以下の真直度を有する高品質のベリリウム銅ワ
イヤを製造することが可能である。
【0019】 なお、本発明により製造したベリリウム
銅ワイヤの真直度は以下に示すように測定した。
【0020】[真直度]:検査対象であるワイヤの両端
を結んだ直線を理想直線とし、そこからの最大変位量を
工具顕微鏡等を用いて測定して真直度を算出した。
【0021】 さらに、本発明に係るベリリウム銅ワイ
ヤの製造方法においては、引抜き工程の前に、ベリリウ
ム銅ワイヤ母材に銀めっき処理を施すめっき工程を有す
ることが好ましい。即ち、引抜き工程の前にめっき工程
を有することにより、製品状態よりも径が太い状態のベ
リリウム銅ワイヤ母材に対してめっきを施している。こ
のことにより、めっき操作に関しては、引抜き後のワイ
ヤに対して行う場合に比して簡便であり、製造時間の短
縮に寄与するという効果を有する。また、めっき後のベ
リリウム銅ワイヤを引抜き工程によって伸延しているた
めに、めっき膜の厚さが均一となり、より均質なベリリ
ウム銅ワイヤを提供することができる。
【0022】 また、本発明に係るベリリウム銅ワイヤ
の製造方法においては、テンションアニール式直線矯正
工程の後、即ち、前述までの一連の工程に組み込むこと
が好ましく、従って、その後の運搬や加工等に便利な形
状を有するベリリウム銅ワイヤを提供することができ
る。
【0023】 なお、本発明では、前述のベリリウム銅
ワイヤの製造方法における切断工程が、両刃せん断、パ
イプ刃物せん断のいずれかの方法により行われることが
好ましい。図4は、本発明に係るベリリウム銅ワイヤの
切断方法を説明する模式図であり、(a)が両刃せん
断、(b)がパイプ刃物せん断による切断である。この
ように、ベリリウム銅ワイヤ3を刃物で双方向から挟
み、あるいはパイプ刃物(13)中に挿入しておき、図
4における上下方向に交差するようにベリリウム銅ワイ
ヤ3を切断することによって当該ワイヤの端面にバリが
生ずることはない。従って、端面にバリのないベリリウ
ム銅ワイヤは、例えば自動組立装置による電子部品・機
器等を製造する工程に好適に採用することができ、バリ
に起因する自動組立装置の停止等の不具合が生ずること
がなく、また、組み立てる製品の歩留まり向上をも見込
むことができる。
【0024】 本発明に係るベリリウム銅ワイヤの製造
方法においては、テンションアニール式直線矯正工程
を、連続炉温度を360〜650℃とすることが好まし
く、375〜490℃とすることがさらに好ましい。ま
た、連続炉内張力を1.6kg/mm2〜15kg/m
2とすることが好ましく、2.2kg/mm 2〜12k
g/mm2とすることがさらに好ましい。上記の条件下
において、ベリリウム銅ワイヤのテンションアニール式
直線矯正工程を行うことにより、真直性と引張り強度に
優れたベリリウム銅ワイヤを製造することが可能であ
り、さらには、従来のワイヤ製造方法において必要とさ
れていた機械式直線矯正が不必要となる。従って、工程
数の減少によりベリリウム銅ワイヤの製造コストの低減
が容易に達成できる。また同時に、機械式直線矯正に起
因するベリリウム銅ワイヤ上の応力分布発生がなく、熱
負荷試験等の前後においてワイヤのばね特性や強度に変
化を生ずることのない、安定で、かつ高品質のベリリウ
ム銅ワイヤを提供することができる。
【0025】 熱負荷試験等の前後においてワイヤのば
ね特性や強度に変化を生ずることがないといった特徴
は、本発明に係る製造方法により製造されたベリリウム
銅ワイヤが、比較的高温条件下において試用することが
予測される電子機器、例えば車載用電子機器等の部材と
して使用され、長期間に渡り安定した性能を維持するた
めに重要な要因である。
【0026】 次に、本発明に係るベリリウム銅ワイヤ
の製造方法を具体例を示しながら説明する。まず、めっ
き工程として電解メッキ等の方法により、外径0.25
〜0.40mmφのベリリウム銅ワイヤ母材に対して銀
めっき加工を施す。このときの銀めっき膜厚さは、後述
する引抜き工程を経由することによって薄くなることを
考慮し、1〜4μmの厚さとすることが好ましく、3〜
4μmの厚さとすることがさらに好ましい。なお、上記
めっき工程は、最終製品に使用する際の用途に応じて適
宜削除しても構わない。
【0027】 続いて、引抜き工程として、常法により
前記工程により作製したベリリウム銅ワイヤに対して引
抜き加工を施し、外径0.10mmφのベリリウム銅ワ
イヤとする。次に、テンションアニール式直線矯正工程
として、引抜き後のベリリウム銅ワイヤを、ヒーターに
より360〜460℃に保持された3m長の連続炉内に
導き、連続炉内張力(テンション)15〜120gをか
けて8m/minで走行させ、真直化したベリリウム銅
ワイヤとする。
【0028】 引き続き、切断工程として、前述の両刃
せん断、またはパイプ刃物せん断により所定の長さに切
断することにより、本発明に係る端面にバリのない、真
直化したベリリウム銅ワイヤを製造することができる。
なお、この切断工程は最終製品に使用する際の用途に応
じて適宜削除しても何ら問題はない。
【0029】
【実施例】 以下、本発明の具体的な実施結果を説明す
る。 (製造例)外径0.4mmφのベリリウム銅ワイヤ母材
に対して、電解メッキ法により、膜厚が3μmとなるよ
うに銀めっき加工を施した。続いて、引抜き加工によっ
て外径が70〜120μmφのベリリウム銅ワイヤ、1
2本を作製した後、表1に示す連続炉の温度、連続炉内
張力(テンション)によって、テンションアニール式直
線矯正を行った。このときの各試料(試料No.1〜1
2)の引張り強度、及びワイヤの全長16mmに対する
真直度を測定した結果を表1に示す。
【0030】 全ての試料において、全長16mmに対
する真直度は50μm以下であり、また十分な引張り強
度を有するベリリウム銅ワイヤを製造することができ
た。従って、本発明の優れた効果を確認することができ
た。
【0031】
【表1】
【0032】(熱負荷試験)本発明のベリリウム銅ワイ
ヤの製造方法により製造した、外径105μmφ、18
mm(長さ)のベリリウム銅ワイヤ(試料A、B、C、
D)、及び、比較例用のベリリウム銅ワイヤ(機械式直
線矯正有り、試料E、F、G、H)の各2本ずつを、図
5(a)に示すような支持部材1及び重り部材2からな
る装置に組み込んだ。その後、75℃の条件下における
熱負荷試験を行い、重り部材2の初期位置(点線部)か
らの下降位置を測定し、下降幅(δh)を算出した。ま
た、図5(b)に示すように、一試料につき2箇所の測
定点を設けて測定を行った。なお、測定装置にはTOP
CON TUM−200D Z測定用顕微鏡(東京光学
器械(株)製)を使用した。本発明のベリリウム銅ワイ
ヤの結果を図1、及び図3、比較例用のベリリウム銅ワ
イヤ(機械式直線矯正有り)の結果を図2に示す。
【0033】 試験開始後4時間において、本発明のベ
リリウム銅ワイヤの下降量は、比較例用のベリリウム銅
ワイヤの約1/2であることを確認することができた。
また、図3に示すように、本発明のベリリウム銅ワイヤ
は72時間経過後の下降量にも変化はなく、本発明のベ
リリウム銅ワイヤの優れた熱負荷特性を確認することが
できた。
【0034】(切断精度検定)製造例により製造した外
径120μmφのベリリウム銅ワイヤを、両刃せん断に
よって18mm(長さ)×30本、16mm(長さ)×
30本に切断してカットワイヤを作製した。このときの
各カットワイヤの長さを測定し、切断精度を算出した。
また、切断後の各カットワイヤの真直度を測定した。
【0035】 全てのカットワイヤの真直度は40μm
以下であり、端面にバリも発生しておらず、本発明の優
れた効果を確認することができた。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のベリリ
ウム銅ワイヤは、電子機器用部材等に供する真直なばね
用部材として必要な真直度、及び引張り強さを備えてお
り、特に高温条件下での使用が想定される車載用CD光
ピックアップ部品等の性能向上、安定化及び信頼性付与
が可能である。また、本発明のベリリウム銅ワイヤの製
造方法によれば、長尺のみならず、端面にバリのないカ
ットワイヤの製造も可能であることから、電子機器等の
自動生産化も可能となり、生産性の向上にも大きく貢献
するものである。従って、産業に寄与する効果は極めて
大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のベリリウム銅ワイヤの熱負荷特性の
一例を示すグラフである。
【図2】 比較例のベリリウム銅ワイヤの熱負荷特性の
一例を示すグラフである。
【図3】 本発明のベリリウム銅ワイヤの熱負荷特性の
他の例を示すグラフである。
【図4】 ベリリウム銅ワイヤの切断方法を説明する模
式図であり、(a)が両刃せん断、(b)がパイプ刃物
せん断による切断である。
【図5】 熱負荷試験の一実施態様を説明する模式図で
あり、(a)は全体図、(b)は一部拡大図である。
【符号の説明】
1…支持部材、2…重り部材、3…ベリリウム銅ワイ
ヤ、4…測定点1、5…測定点2、11…上刃、12…
下刃、13…パイプ刃物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22F 1/00 625 C22F 1/00 625 630 630A 630F 685 685Z 686 686A 691 691B 691Z H01B 5/02 H01B 5/02 A (72)発明者 河合 悟 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4K024 AA10 AB01 BA09 BB09 BC03 DB07 EA11 GA14 GA16 5G307 BA07 BB02 BC02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベリリウムの含有率が0.2〜2.0w
    t%であるベリリウム銅ワイヤの外周面に銀めっき膜が
    形成され、全長10〜30mmに対して50μm以下の
    真直度を有することを特徴とするベリリウム銅ワイヤ。
  2. 【請求項2】 該ベリリウム銅ワイヤの径が60〜15
    0μm、銀めっき膜厚さが0.1〜1.0μmである請
    求項1記載のベリリウム銅ワイヤ。
  3. 【請求項3】 ベリリウムの含有率が0.2〜2.0w
    t%であるベリリウム銅ワイヤ母材を所定径のベリリウ
    ム銅ワイヤまで引き落とす引抜き工程と、該引抜き工程
    後の該ベリリウム銅ワイヤに張力を付加しながら還元性
    ガス雰囲気中で熱処理を施し、該ベリリウム銅ワイヤの
    真直度を上げるテンションアニール式直線矯正工程を有
    することにより、全長10〜30mmに対して50μm
    以下の真直度を有するベリリウム銅ワイヤとすることを
    特徴とするベリリウム銅ワイヤの製造方法。
  4. 【請求項4】 引抜き工程の前に、ベリリウム銅ワイヤ
    母材に銀めっき処理を施すめっき工程を有する請求項3
    記載のベリリウム銅ワイヤの製造方法。
  5. 【請求項5】 テンションアニール式直線矯正工程の後
    に、ベリリウム銅ワイヤを所定の長さにカットする切断
    工程を有する請求項3または4記載のベリリウム銅ワイ
    ヤの製造方法。
  6. 【請求項6】 該切断工程が、両刃せん断、パイプ刃物
    せん断のいずれかの方法により行われる請求項5記載の
    ベリリウム銅ワイヤの製造方法。
  7. 【請求項7】 テンションアニール式直線矯正工程を、
    連続炉温度を360〜650℃、連続炉内張力を15〜
    120gの条件によって行う請求項3〜6のいずれか一
    項に記載のベリリウム銅ワイヤの製造方法。
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