JP2002105407A - クーリング層形成体及び該形成体用組成物 - Google Patents
クーリング層形成体及び該形成体用組成物Info
- Publication number
- JP2002105407A JP2002105407A JP2001205613A JP2001205613A JP2002105407A JP 2002105407 A JP2002105407 A JP 2002105407A JP 2001205613 A JP2001205613 A JP 2001205613A JP 2001205613 A JP2001205613 A JP 2001205613A JP 2002105407 A JP2002105407 A JP 2002105407A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- cooling layer
- weight
- synthetic resin
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Building Environments (AREA)
- Panels For Use In Building Construction (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
も、クーリング効果が発揮され、夏期の冷房使用による
消費電力エネルギーを節約することができる形成体を提
供する。 【解決手段】水蒸気吸脱着性がヒステリシス特性を有す
るクーリング層形成体により解決する。該クーリング層
形成体は、被膜から形成されるものでもよいし、成形板
からなるものでもよい。このようなクーリング層形成体
を形成するための組成物としては、例えば、(a)合成
樹脂結合材、(b)多孔質無機粉体を含有する組成物が
用いられる。さらに、(c)吸放湿性合成樹脂微粒子、
(d)架橋剤を含有することが望ましい。
Description
とする部位、主として土木構造物や建築物の屋根や屋
上、外壁、内壁、天井などに適用することで、太陽光照
射時等の表面温度上昇時、特に夏期の日中においてもク
ーリング効果を発揮することができるクーリング層形成
体及びそのような形成体を得るための組成物に関するも
のである。
造物や冷房等から排出される人工放射熱などにより、都
市気候が作り出されている。特に夏期において都市部に
おける温度の上昇は著しく、そのため建物内の冷房使用
が頻繁になり、消費電力エネルギーが増加してしまう。
このような日射による蓄熱や、室内温度の上昇を抑制す
る方法の一つとして、水の蒸発潜熱を利用した方法が提
案されている。例えば、日射によって温度の上昇を生じ
た屋上や屋根に水を散水したり、さらにこれを持続させ
るために予めこれらの表面に吸水性物質等の保水体を被
覆しておいたりするものである。しかし、このような表
面の冷却方法は、人工的に保水体へ給水を行なうもの
で、新たに設備が必要となるためコストの面で大きな負
担となり、また、屋上や屋根の構造も変えるという煩雑
性を伴う問題があった。
点に鑑みなされたもので、水の散水や、人工的な水の供
給等を行わなくても、冷却効果(以下、「クーリング効
果」ともいう。)が発揮され、夏期の冷房使用による消
費電力エネルギーを節約することができる形成体を提供
することを目的とするものである。
果、大気中の水蒸気を自律的に吸湿し、太陽光等による
熱によってその水分が気化し、太陽光等による熱量を水
の蒸発潜熱に置換することでクーリング効果を発揮する
ことができる形成体に想到し、本発明を完成した。
のである。 1.水蒸気吸脱着性がヒステリシス特性を有することを
特徴とするクーリング層形成体。 2.水蒸気吸脱着性がヒステリシス特性を有する被膜か
ら形成されることを特徴とするクーリング層形成体。 3.水蒸気吸脱着性がヒステリシス特性を有する成形板
からなることを特徴とするクーリング層形成体。 4.1.〜3.のいずれかに記載のクーリング層形成体
を形成するための組成物であって、 (a)合成樹脂結合材を固形分で100重量部、 (b)多孔質無機粉体を10〜600重量部 含有することを特徴とするクーリング層形成体用組成
物。 5.さらに、(c)吸放湿性合成樹脂微粒子を2〜10
0重量部含有することを特徴とする4.に記載のクーリ
ング層形成体用組成物。 6.(a)が反応性官能基含有合成樹脂結合材、(c)
が反応性官能基含有吸放湿性合成樹脂微粒子、であり、
さらに、(d)該官能基と反応可能な官能基を有する架
橋剤を含有することを特徴とする5.に記載のクーリン
グ層形成体用組成物。 7.1.〜3.のいずれかに記載のクーリング層形成体
を形成するための組成物であって、 (e)水硬性無機結合材を固形分で100重量部、 (b)多孔質無機粉体を10〜600重量部 含有することを特徴とするクーリング層形成体用組成
物。 8.さらに、(c)吸放湿性合成樹脂微粒子を2〜10
0重量部含有することを特徴とする7.に記載のクーリ
ング層形成体用組成物。 9.さらに、(a)合成樹脂結合材を固形分で1〜10
0重量部含有することを特徴とする7.または8.に記
載のクーリング層形成体用組成物。 10.(a)が反応性官能基含有合成樹脂結合材、
(c)が反応性官能基含有吸放湿性合成樹脂微粒子、で
あり、さらに、(d)該官能基と反応可能な官能基を有
する架橋剤を含有することを特徴とする9.に記載のク
ーリング層形成体用組成物。 11.(b)が比表面積100m2/g以上の多孔質粉
体であることを特徴とする4.〜10.のいずれかに記
載のクーリング層形成体用組成物。
ともに詳細に説明する。
脱着性がヒステリシス特性を有するものである。
とは、図1に示すように、相対湿度を横軸に、水蒸気吸
脱着量を縦軸にとった場合の吸脱着等温線で、吸着曲線
より脱離曲線が上側になることを意味するものである。
なお、この吸脱着等温線は、温度を一定(25℃に設
定)として相対湿度を低い状態から高い状態へ順次上げ
た後、再び低い状態へ戻すことによって得られ、形成体
が単位重量当りに保持可能な水蒸気量を表すものであ
る。具体的には、まず温度25℃、相対湿度40%の恒
温恒湿器内に形成体の重量が平衡になるまで放置し、放
置後の重量を測定する。次に同温度で湿度のみを上昇さ
せた恒温恒湿器内で同様の操作を行い、順次段階的に湿
度のみを上げながら相対湿度90%まで測定を行う。そ
の後、同温度下で湿度のみを段階的に下げながら同様の
操作を繰り返し、重量を測定する。このような測定によ
り得られる各湿度における形成体の重量から水蒸気吸脱
着量を算出することにより、水蒸気吸脱着性を示す吸脱
着等温線を得ることができる。
有することにより、大気中の水蒸気を吸着した形成体が
温度の上昇とともに水蒸気を脱離し、その際、水蒸気の
蒸発潜熱により形成体から熱が奪われるため、温度の上
昇を抑えることができる。さらに、このヒステリシス特
性によって、夜間等の温度の低い状態において大気中の
水蒸気を吸着し、温度が高い昼の間に脱離による温度上
昇の抑制効果を発揮することができる。
成樹脂結合材を結合材とするクーリング層形成体用組成
物(以下「組成物(i)」という)、(ii)水硬性無
機結合材を結合材とするクーリング層形成体用組成物
(以下「組成物(ii)」という)、のいずれかにより
得ることができる。
分」という。)を用いることにより、可撓性を有する形
成体を得ることができる。また、可撓性の程度は、樹脂
のガラス転移温度等を調整することにより、自由に変え
ることができる。(a)成分としては、例えば、エチレ
ン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル
樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フ
ッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等の水系、溶剤系
の何れの樹脂も使用することができる。特に、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂から選
ばれる1種または2種以上の樹脂を用いると耐候性を高
めることができ好ましい。
結合材であることが望ましい。(a)成分の反応性官能
基としては、後述する架橋剤の官能基と反応可能である
ものが使用できる。このような官能基の組み合わせとし
ては、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキ
シル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ
基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基と
オキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニ
ル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、等があげ
られる。
て、特に、カルボキシル基が好適に用いられる。カルボ
キシル基含有合成樹脂結合材は、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸等、及びこ
れらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩
等のカルボキシル基含有モノマーを共重合することによ
り得られる。これらモノマーは1種または2種以上を使
用することができる。
分」という。)は、本発明形成体にヒステリシス特性を
付与するために有効にはたらく成分である。(b)成分
を含有することにより、水の気化潜熱による温度上昇抑
制効果を長時間保持することができる。(b)成分とし
ては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウ
ム、アルミナ、活性炭、アロフェン等の粘土鉱物の多孔
質粉体を使用することができる。(b)成分としてはシ
リカゲル、ゼオライト、活性炭、アロフェンから選ばれ
る1種以上が好ましく、この中でもシリカゲルが最も好
ましい。
上(好ましくは200m2/g以上、さらに好ましくは
300m2/g以上)であることが望ましく、このよう
な比表面積を有することにより高いクーリング効果を発
揮させることが可能となる。なお、比表面積は、BET
法により測定される値である。(b)成分の混合量は
(a)成分の固形分100重量部に対して、10〜60
0重量部である。(b)成分の混合量が10重量部より
小さい場合は、十分な吸脱着性能、ヒステリシス特性を
得ることができない。600重量部を超えると形成体が
脆くなりやすく、クラック発生のおそれが高くなる。
え、さらに (c)吸放湿性合成樹脂微粒子(以下「(c)成分」と
いう。)を含有することが望ましい。(c)成分を含有
することにより、水蒸気吸脱着量を増加させ、水蒸気吸
脱着速度を高めることができる。(c)成分は吸放湿性
を有するものであるが、具体的には、温度20℃、相対
湿度45%における吸湿率が10%以上(好ましくは2
0%以上、さらに好ましくは30%以上)である吸放湿
性合成樹脂微粒子を好適に用いることができる。なお、
温度20℃、相対湿度45%における吸湿率とは、試料
を120℃にて1時間乾燥した後、温度20℃、相対湿
度45%の恒温恒湿器にて24時間吸湿させたときの重
量変化を測定することにより得られる値であり、下記式
により求めることができる。 吸湿率(%)={(吸湿後の重量−乾燥後の重量)/乾
燥後の重量}×100
リル酸エステル類、アクリルアミド類、芳香族ビニル
類、ビニルエステル類、ハロゲン化ビニル類等の単量体
の1種または2種以上を公知の方法により共重合して得
られるものであるが、水蒸気吸脱着性向上の点から、架
橋構造を有することが望ましい。このような架橋構造
は、重合段階における架橋性単量体の導入、重合後にお
ける架橋性化合物の導入等の方法により形成することが
できる。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビ
スアクリルアミド等、また、架橋性化合物としては、ヒ
ドラジン系化合物等を好適に用いることができる。
成樹脂微粒子であることが望ましい。このような反応性
官能基としては、(a)成分と同様のものが使用できる
が、本発明では、特に、カルボキシル基が好適に用いら
れる。(c)成分にカルボキシル基を導入する方法とし
ては、特に限定されないが、例えば、カルボキシル基を
有する単量体の単独重合あるいは共重合可能な他の単量
体との共重合による方法、(メタ)アクリロニトリル等
のシアノ基含有単量体を共重合した重合体に加水分解処
理を施す方法、アルケン、ハロゲン化アルキル、アルコ
ール、アルデヒド等の酸化による方法、等があげられ
る。(c)成分のカルボキシル基含有量は、1mmol
/g以上であることが望ましい。
分100重量部に対して2〜100重量部、好ましくは
10〜40重量部である。この混合量が2重量部より小
さい場合は単位時間における水蒸気吸着性が低下する傾
向となる。100重量部を超えると形成体が脆くなりや
すく、クラック発生のおそれが高くなる。(c)成分の
粒径は、特に限定されないが、0.1〜100μm程度
のものを使用することができる。
反応性官能基含有合成樹脂結合材を使用し、(c)成分
として反応性官能基含有吸放湿性合成樹脂微粒子を使用
する場合には、(a)成分及び(c)成分の反応性官能
基と反応可能な官能基を有する架橋剤(以下「(d)成
分」という。)を使用することが望ましい。このような
(d)成分が含まれることにより、架橋構造が導入さ
れ、形成体の強度が向上し、さらには優れた水蒸気吸脱
着性を発揮することができる。(d)成分は、これらの
官能基を一分子中に二個以上含むことが望ましい。
(d)成分の官能基としては、(a)成分及び(c)成
分と反応可能なものである限り限定されないが、本発明
では特に、カルボキシル基と反応可能な官能基であるカ
ルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾ
リン基等から選ばれる1種以上が好適に用いられる。
ルボジイミド基を含む架橋剤として、特開平10−60
272号公報、特開平10−316930号公報、特開
平11−60667号公報等に記載のもの等、エポキシ
基を含む架橋剤として、ポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジ
ルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、
ソルビトールポリグリシジルエーテル等、アジリジン基
を含む架橋剤として、2,2−ビスヒドロキシメチルブ
タノ―ル―トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオ
ネート]、1,6−ヘキサメチレンジエチレンウレア、
ジフェニルメタン−ビス−4,4’−N,N’−ジエチ
レンウレア等、オキサゾリン基を含む架橋剤として、2
−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル
−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル
−2−オキサゾリン等の重合性オキサゾリン化合物を各
化合物と共重合可能な単量体と共重合した樹脂等があげ
られる。
各種の添加剤、例えば、顔料、骨材、繊維、増粘剤、レ
ベリング剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌
剤、造膜助剤、凍結防止剤、乾燥調整剤、分散剤、消泡
剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を混合す
ることもできる。
分」という。)を用いることにより、形成体の厚みを大
きくすることが可能となる。また高い水蒸気吸脱着性能
を確保することも可能となる。(e)成分としては、例
えば、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセ
メント、フライアッシュセメント、白色セメント、焼石
膏等があげられ、これらの1種または2種以上を使用す
ることができる。
を使用することができる。(b)成分の混合量は(e)
成分の固形分100重量部に対して、10〜600重量
部である。(b)成分の混合量が10重量部より小さい
場合は、十分な吸脱着性能、ヒステリシス特性を得るこ
とができない。600重量部を超えると形成体が脆くな
りやすく、クラック発生のおそれが高くなる。
加え、さらに、組成物(i)と同様、(c)成分を含有
することが望ましい。(c)成分を含有することによ
り、水蒸気吸脱着量を増加させ、水蒸気吸脱着速度を高
めることができる。(c)成分の混合量は、(e)成分
の固形分100重量部に対して2〜100重量部であ
る。この混合量が2重量部より小さい場合は単位時間に
おける水蒸気吸着性が低下する傾向となる。100重量
部を超えると形成体が脆くなりやすく、クラック発生の
おそれが高くなる。
材を結合材とするものであるが、さらに、(a)合成樹
脂結合材を含有することが望ましい。(a)成分を含む
ことにより、形成体の強度を向上させることができ、ま
た変形追従性を付与することもできる。(a)成分とし
ては、組成物(i)と同様のものを使用することができ
る。(a)成分の混合量は、(e)成分の固形分100
重量部に対して1〜100重量部であることが望まし
い。
合、組成物(i)と同様に、(a)成分は反応性官能基
含有合成樹脂結合材であることが望ましい。
て反応性官能基含有合成樹脂結合材を使用し、(c)成
分として反応性官能基含有吸放湿性合成樹脂微粒子を使
用する場合には、組成物(i)と同様に、(a)成分及
び(c)成分の反応性官能基と反応可能な官能基を有す
る架橋剤(d)を使用することが望ましい。このような
(d)成分が含まれることにより、架橋構造が導入さ
れ、形成体の強度が向上し、さらには優れた水蒸気吸脱
着性を発揮することができる。(d)成分は、組成物
(i)と同様のものを使用することができる。
他、各種の添加剤、例えば、顔料、骨材、繊維、増粘
剤、レベリング剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、
抗菌剤、造膜助剤、凍結防止剤、乾燥調整剤、分散剤、
消泡剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を混
合することもできる。また、水を適宜混合することもで
きる。
グ効果を必要とする部位である、土木構造物や建築物の
屋根や屋上、外壁、内壁、天井などに適用することがで
きる。
形成体用組成物を、クーリング性を必要とする基材表面
に塗付し、被膜を形成することにより得ることができ
る。また、形成体用組成物を予めシート状、ボード状等
の成形板に成形することもできる。この場合、得られた
成形板を、クーリング性を必要とする部位に取り付けれ
ばよい。
ば、コンクリート、モルタル、金属、プラスチック、あ
るいはスレート板、押出成形板、サイディングボード等
の各種ボード類等があげられる。このような各種基材に
対して上述の形成体用組成物を塗付する際には、基材に
直接塗付してもよいし、表面形状や密着性等を考慮して
何らかの表面処理(シーラー、サーフェーサー、フィラ
ー等による下地処理等)を施した後に塗付してもよい。
既に被膜が形成された基材に適用することも可能であ
る。塗付作業時には、例えば、圧送ポンプ、スプレー、
ローラー、刷毛、コテ等を用いることができる。形成体
用組成物の被膜を形成した後、透湿性を有する被膜を積
層したり、撥水剤を含浸させることもできる。
加圧成形、押出成形、鋳込み成形、加熱圧縮成形、流し
込み等の方法により製造することができる。この際、強
度向上等のためにスレート板、押出成形板、金属板、プ
ラスチック板、コンクリート板、サイディングボード等
の各種ボード類や、壁紙、織布、不織布、セラミックペ
ーパー、合成紙等の上に形成体用組成物を積層させるこ
とも可能である。また、ガラスメッシュ、金属メッシュ
等の各種メッシュ等を成形板の表裏面に積層したり、成
形板に埋め込んだりすることもできる。さらには、透湿
性を有する被膜、フィルム、製紙等を成形板の表面に積
層してもよいし、撥水剤を含浸させてもよい。成形板
を、クーリング性を必要とする部位に取り付ける際に
は、釘、鋲、その他の各種固定具を使用することができ
る。また、接着剤、粘着剤等を介して貼着することもで
きる。
いが、通常0.3mm以上である。結合材として水硬性
無機結合材を用いる場合は、1mm以上、さらには2m
m以上の厚みにすることが可能である。このように厚み
を大きくすると、形成体の水蒸気吸脱着性を高めること
ができる。
Kcal/m・h・℃以下であることが望ましい。この
ような性能を有することにより、クーリング性をより高
めることができる。
確にする。なお、形成体用組成物においては表1に示す
原料を使用した。
下の方法によるものである。
5℃、相対湿度40%の恒温恒湿器内に各形成体の重量
が平衡になるまで放置し、放置後の重量を測定した。次
に同温度で湿度のみを上昇させた恒温恒湿器内で同様の
操作を行い、順次段階的に湿度のみを上げながら相対湿
度90%まで測定を行った。その後、同温度下で湿度の
みを段階的に下げながら同様の操作を繰り返し、重量を
測定した。各湿度における形成体の重量から水蒸気吸脱
着量を算出することにより、水蒸気吸脱着性を示す吸脱
着等温線を得た。
湿度90%の恒温恒湿器内に各形成体の重量が平衡にな
るまで放置した。次に、250Wの赤外線ランプを用い
て、赤外線を形成体表面に360分間照射し、その裏面
温度を測定した。
体の試験例 試験例1〜6は、合成樹脂結合材を結合材とする形成体
の試験例である。
100重量部に対して、多孔質無機粉体1を50重量
部、吸放湿性合成樹脂微粒子を23重量部、架橋剤を
0.7重量部混合して、組成物1を作製した。厚さ0.
5mmのアルミ板上に、組成物1を乾燥膜厚が500μ
mとなるように塗付し、温度25℃相対湿度55%下で
14日間乾燥して、被膜を形成した。得られた形成体に
ついて、水蒸気吸脱着性試験、および遮熱性試験を行っ
た。
100重量部に対して、多孔質無機粉体1を50重量
部、吸放湿性合成樹脂微粒子を23重量部混合して、組
成物2を作製した。この組成物2を用いた以外は、試験
例1と同様にして形成体を作製し、試験を行った。
100重量部に対して、多孔質無機粉体2を50重量
部、吸放湿性合成樹脂微粒子を23重量部、架橋剤を
0.7重量部混合して、組成物3を作製した。この組成
物3を用いた以外は、試験例1と同様にして形成体を作
製し、試験を行った。
100重量部に対して、多孔質無機粉体2を50重量
部、吸放湿性合成樹脂微粒子を23重量部混合して、組
成物4を作製した。この組成物4を用いた以外は、試験
例1と同様にして形成体を作製し、試験を行った。
て組成物5とした。この組成物5を用いた以外は、試験
例1と同様にして形成体を作製し、試験を行った。
100重量部に対して、吸放湿性合成樹脂微粒子を23
重量部混合して、組成物6を作製した。この組成物6を
用いた以外は、試験例1と同様にして形成体を作製し、
試験を行った。
蒸気吸脱着性試験と遮熱試験を行った結果をそれぞれ図
2、図3に示す。水蒸気吸脱着性試験により、試験例1
〜4はヒステリシス特性を示し、試験例5〜6ではヒス
テリシス特性が認められなかった。また、遮熱性試験に
おいて、試験例1〜4は試験例5〜6に比べ温度上昇を
抑制することが認められた。これらの結果より、試験例
1〜4では、水の蒸発潜熱を利用したクーリング機能が
認められ、温度上昇を長時間抑制できることが明らかと
なった。
成体の試験例 (試験例7)表1に示した原料を使用して、表2に示し
た比率に従って各原料を混合し、組成物7を作製した。
作製した組成物7を型枠(L150.0mm×W50.
0mm×T2.0mm)に流しこみ、温度25℃相対湿
度55%下で14日間乾燥後脱型することにより成形体
を得た。
た以外は、試験例7と同様にして成形体を得た。 (実施例9)表2に示した配合例9を用いた以外は、試
験例7と同様にして成形体を得た。 (試験例10)表2に示した配合例10を用いた以外
は、試験例7と同様にして成形体を得た。 (試験例11)表2に示した配合例11を用いた以外
は、試験例7と同様にして成形体を得た。 (試験例12)表2に示した配合例12を用いた以外
は、試験例7と同様にして成形体を得た。 (試験例13)表2に示した配合例13を用いた以外
は、試験例7と同様にして成形体を得た。
用いた以外は、試験例7と同様にして成形体を得た。 (試験例15)表2に示した配合例15を用いた以外
は、試験例7と同様にして成形体を得た。
蒸気吸脱着性試験と遮熱試験を行った。その結果をそれ
ぞれ図4〜6、図7〜8に示す。試験例7〜13の成形
体は、ヒステリシス特性を有する高い水蒸気吸脱着性を
示し、クーリング性能を発揮することができた。この中
でも、特に試験例7〜11の成形体は、長時間にわたり
優れたクーリング性能を持続することができた。これに
対し、試験例14〜15の成形体はいずれも水蒸気吸脱
着性が低く、温度の上昇を抑制することが困難であっ
た。
屋根、屋上、壁、天井等に適用すると、これらが夏期に
おける太陽光等の熱線によって蓄熱することを防止し、
建築物内部の温度上昇を抑制することができる。従っ
て、本発明形成体は夏期の冷房使用頻度を減少させ、電
力消費を節約することが可能となる。また、本発明形成
体は既存の屋根、壁等に適用することができるため建築
物の構造を大きく変える必要がなく、比較的容易に施工
することができ、改修工事を兼ねることもできる。ま
た、本発明形成体は、それ自体の温度上昇を抑制するこ
ともできることから、温度上昇に起因する接着不良等を
防止することができる。シート状に成形した場合は、温
度上昇によるシートの波打ち現象等を防止することもで
きる。
フ
1〜6)
7〜10)
11〜13)
14〜15)
3)
5)
Claims (11)
- 【請求項1】水蒸気吸脱着性がヒステリシス特性を有す
ることを特徴とするクーリング層形成体。 - 【請求項2】水蒸気吸脱着性がヒステリシス特性を有す
る被膜から形成されることを特徴とするクーリング層形
成体。 - 【請求項3】水蒸気吸脱着性がヒステリシス特性を有す
る成形板からなることを特徴とするクーリング層形成
体。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のクーリン
グ層形成体を形成するための組成物であって、 (a)合成樹脂結合材を固形分で100重量部、 (b)多孔質無機粉体を10〜600重量部 含有することを特徴とするクーリング層形成体用組成
物。 - 【請求項5】さらに、(c)吸放湿性合成樹脂微粒子を
2〜100重量部含有することを特徴とする請求項4に
記載のクーリング層形成体用組成物。 - 【請求項6】(a)が反応性官能基含有合成樹脂結合
材、(c)が反応性官能基含有吸放湿性合成樹脂微粒
子、であり、さらに、(d)該官能基と反応可能な官能
基を有する架橋剤を含有することを特徴とする請求項5
に記載のクーリング層形成体用組成物。 - 【請求項7】請求項1〜3のいずれかに記載のクーリン
グ層形成体を形成するための組成物であって、 (e)水硬性無機結合材を固形分で100重量部、 (b)多孔質無機粉体を10〜600重量部 含有することを特徴とするクーリング層形成体用組成
物。 - 【請求項8】さらに、(c)吸放湿性合成樹脂微粒子を
2〜100重量部含有することを特徴とする請求項7に
記載のクーリング層形成体用組成物。 - 【請求項9】さらに、(a)合成樹脂結合材を固形分で
1〜100重量部含有することを特徴とする請求項7ま
たは請求項8に記載のクーリング層形成体用組成物。 - 【請求項10】(a)が反応性官能基含有合成樹脂結合
材、(c)が反応性官能基含有吸放湿性合成樹脂微粒
子、であり、さらに、(d)該官能基と反応可能な官能
基を有する架橋剤を含有することを特徴とする請求項9
に記載のクーリング層形成体用組成物。 - 【請求項11】(b)が比表面積100m2/g以上の
多孔質粉体であることを特徴とする請求項4〜10のい
ずれかに記載のクーリング層形成体用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001205613A JP4118033B2 (ja) | 2000-07-24 | 2001-07-06 | クーリング層形成体及び該形成体用組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000221628 | 2000-07-24 | ||
JP2000-221628 | 2000-07-24 | ||
JP2001205613A JP4118033B2 (ja) | 2000-07-24 | 2001-07-06 | クーリング層形成体及び該形成体用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002105407A true JP2002105407A (ja) | 2002-04-10 |
JP4118033B2 JP4118033B2 (ja) | 2008-07-16 |
Family
ID=26596496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001205613A Expired - Fee Related JP4118033B2 (ja) | 2000-07-24 | 2001-07-06 | クーリング層形成体及び該形成体用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4118033B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4656770B2 (ja) * | 2000-08-03 | 2011-03-23 | エスケー化研株式会社 | クーリング層積層構造及びその形成方法 |
JP4558245B2 (ja) * | 2001-08-31 | 2010-10-06 | エスケー化研株式会社 | クーリング層積層構造 |
JP4558244B2 (ja) * | 2001-08-31 | 2010-10-06 | エスケー化研株式会社 | クーリング層積層構造 |
-
2001
- 2001-07-06 JP JP2001205613A patent/JP4118033B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4118033B2 (ja) | 2008-07-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4213365B2 (ja) | 石膏ボード、石膏ボードの製造方法、建築物の内装構造、及び建築物の内装構造の改修方法 | |
CN108192392B (zh) | 一种健康功能型内墙无机硅藻泥涂料及其制备方法 | |
JP4465095B2 (ja) | クーリング性被膜積層構造 | |
JP2002105407A (ja) | クーリング層形成体及び該形成体用組成物 | |
KR101391350B1 (ko) | 도장방법 | |
JP4465096B2 (ja) | クーリング性被膜構造 | |
JP4856333B2 (ja) | クーリング性被膜 | |
JP4465094B2 (ja) | 低汚染型クーリング性被膜積層構造 | |
JP4656770B2 (ja) | クーリング層積層構造及びその形成方法 | |
JP4558245B2 (ja) | クーリング層積層構造 | |
JP4558244B2 (ja) | クーリング層積層構造 | |
JP4450498B2 (ja) | 低汚染型クーリング性被膜構造 | |
EA005507B1 (ru) | Композиция для покрытия | |
KR20150004656A (ko) | 표면 바탕조정용 조성물 | |
JP2003261831A (ja) | 内装用塗料組成物及びそれを用いた内装用ボード | |
JP2004224638A (ja) | 塗布材及びその製造方法 | |
JP3461774B2 (ja) | 結露防止機能を有する耐火被覆構造及び耐火被覆工法 | |
JP2019157124A (ja) | 水性被覆材 | |
JP2002080798A (ja) | 吸放湿性塗料組成物及び吸放湿性シート | |
KR20130104632A (ko) | 점착성이 우수한 외단열용 단열패드와 알루미늄 금속 패널의 접착용 접착제 조성물 | |
JP2003155786A (ja) | 吸放湿性防火建材 | |
JP2022139510A (ja) | 合成樹脂エマルション塗料及びその塗膜 | |
JP4484594B2 (ja) | 調湿性塗壁材 | |
JP2004308378A (ja) | 建築物の温度上昇抑制構造 | |
JP2003176937A (ja) | 建築物の温度上昇抑制構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060404 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080326 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080422 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140502 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |