JP2002105017A - 新規肝障害抑制剤 - Google Patents
新規肝障害抑制剤Info
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Abstract
成分として使用できる新規化合物を提供することを課題
とする。 【解決手段】下記の式1で表される不飽和脂肪酸誘導体
を、肝障害抑制剤の有効成分として配合する。 【化1】
Description
び、肝障害抑制剤の有効成分として使用できる新規化合
物に関するものである。
程度研究も進み種々の治療が行われているが、慢性肝障
害については原因等、不明な点が多く効果的な治療方法
は確立されていない。この慢性肝障害は免疫系を介する
肝障害であると考えられている。
用いた治療が行われている。この漢方療法においては、
大柴胡湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂姜湯、四逆散
等が用いられている(「一般用漢方処方(漢方210処
方)」日本製薬団体連合会漢方専門委員会(197
5)、「漢方概論」藤平健、小倉重成著、創元社(19
79)」)。これらの漢方薬に含まれている生薬の有効
成分については不明な点が多いが、例えば三七人参につ
いては、その成分に肝保護作用が認められている(特願
平8−46154)。また、これらの生薬は、副作用が
少ないというメリットが知られている。
存するものが多いため入手が困難であり、且つ野生のも
のを採取するものもあり作用が一定ではない(「生薬学
第4版」北川勲ら著(廣川書店)p.384−387
(1992))、「漢方薬の評価と開発技術」東京生薬
研究会編((株)シーエムシー)p.353−354
(1983))という問題がある。このため、漢方薬は
一般的に高価であり、日常的な摂取が困難であるという
デメリットがある。
する有効成分の抽出も試みられている。野菜では、ニン
ニク(Kagawa, K. et al. Japan. J. Pharmacol.,Vol. 4
2, p.19-26(1986), Nakagawa, S. et al. Hiroshima J.
Med. Sci., Vol. 34, p.303-309(1985))、人参(Bishay
ee, A. et al. J. Ethnopharmacl., Vol.47, p.69-74(1
995)、オオヒジキ(САРТИКОВ, А.С.et al. Kh
im. Farm. Zh., Vol.24, p.38-40(1990))が急性肝障害
抑制効果を示す事が知られているが、慢性肝障害抑制効
果を示すものは知られていなかった。
剤および、肝障害抑制剤の有効成分として使用できる新
規化合物を提供することを課題とする。
を解決するため精鋭探索したところ、アボガド植物中の
リノール酸誘導体及びオレイン酸誘導体に優れた肝障害
抑制作用があることを見出し、肝障害抑制作用を示す化
合物を単離、精製したところ、新規な化合物が含まれる
ことを同定し、本発明を完成するに至った。
る。 (1)下記の式1で表されるリノール酸誘導体。
しくは5で表されるリノール酸誘導体を有効成分として
含有する肝障害抑制剤。
制用医薬用組成物。 (6)前記(4)の肝障害抑制剤を含有する、肝障害抑
制用食品用組成物。
制剤の有効成分として使用できる新規化合物に関するも
のである。
用できる化合物には、式1または2で表される新規リノ
ール酸誘導体、式3で表される新規オレイン酸誘導体お
よび、式4または5で表されるリノール酸誘導体が含ま
れ、式1〜3の化合物を「新規不飽和脂肪酸誘導体」、
式1〜5の化合物を「不飽和脂肪酸誘導体」呼び、以下
説明する。
飽和脂肪酸誘導体について説明する。本発明の新規不飽
和脂肪酸誘導体は、上記の式1〜3の構造を有する化合
物である。すなわち、式1で表される化合物1(分子量
318:C21H 34O2)は、(2E,5E,12Z,1
5Z)−1−ヒドロキシヘンイコサ−2,5,12,1
5−テトラエン−4−オンであり、式2で表される化合
物2(分子量320:C21H36O2)は、(2E,12
Z,15Z)−1−ヒドロキシヘンイコサ−2,12,
15−トリエン−4−オンであり、式3で表される化合
物3(分子量380:C23H40O4)は、(5E,12
Z)−1−(アセチルオキシ)−2−ヒドロキシヘンイ
コサ−5,12−ジエン−4−オンである。式1〜3の
不飽和脂肪酸誘導体は、本発明により初めて単離精製、
同定された新規化合物であり、優れた肝障害抑制作用、
特に慢性肝障害抑制作用を有する。
で表される不飽和脂肪酸誘導体は、アボガドから単離さ
れた既知物質であるが、上記式1〜3で表される化合物
と一緒に、肝障害抑制作用を示す化合物として、単離精
製された。
産生抑制作用があることが報告がされている(BIO INDUS
TRY,Vol.15,No8,p.34-40(1998))。また、式5の化合物
5は、別名persinとも呼ばれ、NO,O2 -の産生
抑制作用の他、各種の成長阻害作用が認められ、その生
理的作用が研究されている(Journal of Natural Produc
ts,Vol.61,No.9,p.1168-1170(1998), Natural Toxins,
3,p.344-349(1995), BIO INDUSTRY,Vol.15,No8,p.34-40
(1998),WO 95/22696)。しかしながら、式4及び5の化
合物の肝障害抑制作用については報告はなく、本発明に
おいて初めて、これらの化合物が優れた肝障害抑制作
用、特に慢性肝障害抑制作用を有することが明らかにな
った。
和脂肪酸誘導体は、いずれも肝障害抑制作用が認められ
る分子量が300〜400の常温で無色油状の化合物で
あり、ヘキサンや酢酸エチル等の各種の溶媒に溶解する
ため、例えば、常温で液体の各種脂肪酸等の脂溶性の物
質と適宜混合して使用することができる。
アボガド植物から下記に示す方法により、溶媒抽出して
単離精製することにより得てもよいし、化学的に合成し
てもよい。
l Toxins,3,p.344-349(1995)に記載されているように、
アルデヒド誘導体とメチルケトンをアルドール縮合する
ことにより(Paterson I,Goodman JM, Lister MA, Schu
mann RC, McClure CK, Norcross RD,Tetrahedron 46,p.
4663-4684(1990))、また、適宜、公知の方法を組み合
わせることにより合成することができる。また、国際公
開WO95/22969に記載の方法又はその方法に適
宜変更を加えて合成してもよい。
1〜5の不飽和脂肪酸誘導体は、例えば、アボガド植物
から以下のような方法を経て、単離精製することができ
る。
ノキ科ワニナシ、アボガド属(M. shearei, Persea)に
属する植物である。ワニナシ、アボガド属としては、ア
メリカナ(P. americana)、メキシコ系(Mexican rac
e)、ガテマラ系(Guatemalanrace)、西インド諸島系
(Indian race)等が挙げられ、特にアメリカナ(P. am
ericana)が好ましい。
肪酸誘導体は、アボガド植物の果肉、果皮、種子、葉、
葉柄、枝等、並びにそれらを粉砕、乾燥、濃縮等を行っ
た処理物に含まれているが、特に該物質は果肉、果皮に
多く含まれているため、それら組織およびそれら組織の
処理物から抽出することが好ましい。
チ式等の方法で、常法により冷浸または温浸にて任意の
時間行う。例えば、アボガド植物の乾燥粉末を、細かく
粉砕し、抽出溶媒に、室温で1〜48時間、浸漬及び又
は振とうして行う。その後、抽出液から抽出残渣を除い
て、減圧または限外濾過を行い抽出物を濃縮する。さら
に、必要に応じて溶媒を留去する。
機溶媒が好ましく、より好ましくは無極性有機溶媒であ
り、具体的には、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、四塩化炭素等が挙げられ、中でもn−ヘキサンが
好ましい。
出例を以下に例示するが、本発明はこの抽出例に限定さ
れるものではない。まず、アボガド植物を凍結乾燥し、
この乾燥粉末に非水溶性の無極性有機溶媒であるn−ヘ
キサンを加え、この溶媒に可溶性の成分を抽出する。ア
ボガド植物に加える溶媒の量は、乾燥粉末1g当たり、
1〜200mlであるのが好ましく、5〜50mlであ
るのが更に好ましい。操作はアボガド植物にこの溶媒を
加えた後、スターラー等でよく攪拌し、無極性有機溶媒
に可溶性の画分を抽出する。この操作は、通常2回〜5
回繰り返すのが好ましい。この様にして得られた抽出画
分の溶媒を除去することにより油状の抽出物が得られ
る。溶媒の除去方法としては、常圧または減圧条件下で
溶媒を蒸発させる等の、通常に用いられる各種の除去方
法により行うことができる。
ラフィー、分配クロマトグラフィー等の各種クロマトグ
ラフィーを単独あるいは組み合わせて使用してクロマト
グラフ分画することによりさらに分離・精製を行い、か
かる分画により得られた肝障害抑制作用を有する物質を
含む分画物から、本発明の肝障害抑制剤に含有させる式
1〜5の不飽和脂肪酸誘導体を単離精製することが好ま
しい。ここで、肝障害抑制作用を有する物質を含む分画
物(すなわち、不飽和脂肪酸誘導体を含む画分)は、薄
層クロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60、展
開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=4/1)におけるRf
値が0.19〜0.25の範囲内の値であるといった特
徴を有しているため、これを指標として分画物の選別を
行うことができる。
ロマトグラフ分画の例を以下に例示するが、これらに限
定されるものではない。
解し、吸着クロマトグラフィーとしてシリカゲルカラム
に供する。溶出力を段階的に高くした溶出液で溶出さ
せ、経時的に溶出液を採取することにより分画して分離
・精製する。この分画した画分中の溶媒を除去し、肝障
害抑制作用を有する物質を含む分画物を得ることができ
る。溶媒の除去方法としては、常圧または減圧条件下で
溶媒を蒸発させる等の、通常に用いられる各種の除去方
法により行うことができる。また、分画物の選別は上述
した方法により行うことができる。
害抑制作用を有する物質が含まれているか否かを判断す
る方法としては、公知の肝障害作用を検定する方法を用
いることができる。例えば、マウス等のモデル動物に、
かかる抽出物または分画物を一定期間投与した群と、投
与しなかった群とを作製し、これら各群にD−ガラクト
サミン等の肝障害を誘発する物質を投与し、各群のモデ
ル動物におけるGTP、GOP等を測定する。かかる測
定値を肝障害の指標として効果の有無を判別し、肝障害
抑制作用を有する物質が含まれているか否かを判断する
ことができる。
む分画物を、例えば、溶出液の組成を適宜変更させた条
件で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によ
り、更に分画して、本願発明の新規化合物1〜3およ
び、肝障害抑制作用を有する化合物4及び5を得ること
ができる。分画により単離精製した化合物の同定は、1
H-NMR、13C-NMR、IRスペクトル、UVスペク
トル等の定法に従って測定した値により確認すればよ
い。
の化合物を肝障害を抑制する有効成分として含有するこ
とを特徴とするが、これらの式1〜5の化合物は単独で
配合しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用して
もよい。
障害抑制用医薬用組成物 本発明の医薬用組成物は、上記の肝障害抑制剤を、常法
にしたがって配合したものであり、肝障害抑制作用が期
待できるものであれば特に限定されるものではない。
れないが、一般に製剤上許容される1または2種類以上
の担体、賦形剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等と
共に混合して、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬、ドリ
ンク剤等の内服剤型とすることが好ましい。このような
製剤化は、通常、医薬の製造に用いられる方法にしたが
って製剤化することができる。
の種類、症状、患者の年齢、体重等に異なるが、成人1
日当たり、1〜100mgを、1回ないし数回に分けて
経口投与するのが好ましい。
障害抑制用食品用組成物 本発明の食品用組成物は、上記の肝障害抑制剤を、常法
にしたがって配合したものである。
障害抑制剤を含有するものであれば特に限定されるもの
ではないが、種々の食品に、食品として通常用いられて
いる任意成分とともに、食品原料に抽出物を所要量配合
することができる。この抽出物を配合する際に特に留意
するすることはなく、通常の製造方法により加工製造す
ることにより、健康食品、機能性食品を製造することが
できる。配合量は、食品の種類のより異なるが、食品の
味を損なわず、且つ十分な肝障害抑制効果を得るために
は、食品全量に対して、0.001〜1重量%の割合で
配合するのが好ましい。
明する。
>アボガドの果肉部分を凍結乾燥し、乾燥粉末を得た。
この乾燥粉末を、以下の図1に示す流れに従って分画
し、後の評価に使用した。
gに1Lのn−ヘキサンを加え十分に攪拌後、残渣を取
り除いた上清をヘキサン抽出液として得た。この操作を
更に2回繰り返し、計3回の操作により、3000ml
のヘキサン抽出液を得た。この抽出液をエバポレーター
を用いて濃縮させることにより、58.6gの油状濃縮
物がヘキサン画分から得られた。
Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を酢酸エ
チル抽出液として得た。この操作を更に2回繰り返し、
計3回の操作により、3000mlの酢酸エチル抽出液
を得た。この抽出液をエバポレーターを用いて濃縮乾固
させることにより、0.8gの固形物が酢酸エチル画分
から得られた。
ール1Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を
70%エタノール抽出液として得た。この操作を更に4
回繰り返し、計5回の操作により、5000mlの70
%エタノール抽出液を得た。この抽出液をエバポレータ
ーを用いて濃縮乾固させることにより16.0gの固形
物が70%エタノール画分から得られた。また、操作
(c)により、24.6gのエタノール残渣が得られ
た。
よる分画 次に上記の操作(c)による濃縮乾固物16.0gを5
00mlの蒸留水に溶解させた。そして、この溶液に5
00mlのn−ブタノールを加え十分に攪拌後、分液ロ
ートを用いた向流分配によりブタノール層を抽出した。
残った水層には、更に500mlのn−ブチルアルコー
ルを加え十分に攪拌後、n−ブチルアルコールによる抽
出を行った。この抽出を更に3回繰り返し、計5回の抽
出操作により、2500mlのブチルアルコール抽出液
を得た。このブチルアルコール抽出液をエバポレーター
を用いて濃縮乾固させることにより2.8gの固形物が
ブチルアルコール画分から得られた。
乾燥装置を用いて濃縮乾固させることにより13.2g
の固形物が水溶性画分から得られた。
画への分配率(重量%)を表1に示す。ここで、分配率
とは、各分画から得られた固形物の重量を、分画開始前
の重量(100g)で除した値に100を乗じて%表示
したものである。
よる分画 再び操作(a)と同様の操作を規模拡大して行い、ヘキ
サン画分の油状濃縮物を得た。得られた乾燥固形物10
0gを、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(5/1)50
0mlに再溶解し、シリカゲルカラム(メルク社製シリ
カゲル60、8×73cm)に供し、組成を変化させた
溶媒をにより溶出させた。ここで使用した溶出溶媒は、
ヘキサン/酢酸エチル(5/1)、ヘキサン/酢酸エチル(4/1)、ヘキサン/酢
酸エチル(3/2)、ヘキサン/酢酸エチル(2/3)、酢酸エチル、メタノ
ールであり、この順にカラムに供し、溶出液を経時的に
採取することにより分画した。これらの抽出物について
薄層クロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60、
展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を行い、紫
外吸収を有するバンドが確認できなくなった時点で、次
の溶出溶媒に変更した。これら分画された溶出液の分画
物について薄層クロマトグラフィー(メルク社製シリカ
ゲル60、展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を行い、こ
のRf値の結果を指標として、最終的に7画分に分け
た。それぞれの画分の収量は、画分は84.1g、画
分は1.2g、画分は1.8g、画分は7.1
g、画分は1.9g、画分は1.5g、画分は
2.4gであった。各画分の薄層クロマトグラフィーに
おけるRf値、分配率および溶出溶媒の組成は表2に示
す通りである。
合溶媒(98:2)に再溶解し、ODSカラム(Wakosi
l-II 5C18HG Prep,和光純薬工業(株)製)を用いた高
速液体クロマトグラフィー(アセトニトリル:水=9
8:2、UV/VIS検出器:220nm)に供し、5つの化合物を
得た。
りである。
始前の重量(ODSカラムへの供試重量:10.45
g)で除した値に100を乗じて%表示したものであ
る。そして、上記の化合物1〜5について、物質の同定
を行ったところ、それぞれ以下のような結果を得た。
-1 核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR,δ):0.87(3H,t,J=6.
9), 1.27(4H,m), 1.34(6H,m), 1.47(2H,m), 2.05(4H,
m), 2.23(2H,dt,J=7.0,6.4), 2.75(2H,dd,J=6.1,6.1),
4.38(2H,br,s), 5.30(2H,m), 5.34(2H,m), 6.29(1H,dt,
J=14.3,1.2), 6.62(1H,dt,J=15.4,2.1), 6.91(1H,m),
6.93(1H,m) 核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR,δ):14.0, 22.5, 2
5.6, 27.1, 27.2, 28.0,28.8, 29.3, 29.4, 31.5, 32.
7, 62.2, 126.3, 127.8, 128.3, 129.2, 129.8, 130.3,
144.8, 148.7, 189.2. 色および性状:無色油状 以上の分析結果から、化合物1は下記の式1の構造式を
有する新規リノール酸誘導体と同定した。
8), 1.27(14H,m), 1.57(2H,m), 2.02(4H,m), 2.51(2H,
t,J=7.5), 2.78(2H,t,J=6.6), 4.3(2H,m), 5.32(4H,m),
6.33(1H,ddd,J=15.9,3.1,2.1), 6.85(1H,dt,J=15.9,4.
0) 核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR,δ):13.9, 22.4, 2
4.0, 25.5, 27.0, 29.0,29.1, 29.2, 29.5, 31.4, 40.
0, 61.6, 127.76, 127.84, 127.9, 129.8, 130.0,145.
1, 201.0, 189,2 色および性状:無色油状 以上の分析結果から、化合物2は下記の式2の構造式を
有する新規リノール酸誘導体と同定した。
9), 1.22(16H,m), 1.43(2H,m), 2.00(4H,m), 2.06(3H,
s), 2.19(2H,m), 2.73(2H,d,J=6.1), 4.05(1H,dd,J=11.
3,6.1), 4.10(1H,dd,J=11.3,4.1), 4.30(1H,ddt,J=4.1,
6.1,6.1), 5.31(2H,m), 6.07(1H,d,J=15.9), 6.85(1H,d
t,J=15.9,7.0) 核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR,δ):14.0, 22.6, 2
7.1, 27.9, 29.1, 29.28,29.31, 29.4, 29.56, 29.58,
29.6, 31.9, 32.5, 42.3, 66.1, 67.3, 130.2, 149.5,
171.0, 199.6 色および性状:無色油状 以上の分析結果から、化合物3は下記の式3の構造式を
有する新規オレイン酸誘導体と同定した。
定したところ、下記の式4の構造式を有する、リノール
酸誘導体(分子量378(C23H38O4)、無色液状物
質、Bio Industry,15,8.p.34-40(1998)に記載)である
ことを確認した。
定したところ、下記の式4の構造式を有する、リノール
酸誘導体(分子量380(C23H40O4)、無色液状物
質、Natural Toxins,3,p.344-349(1995)に記載)である
ことを確認した。
する肝保護作用を、ラットを用いたD−ガラクトサミン
誘導性の肝障害モデルにより評価した。 <肝障害抑制効果の評価>四塩化炭素誘導性の肝障害モ
デルが急性毒性的な肝障害モデルであるのに対して、こ
のD−ガラクトサミン誘導性の肝障害モデルは、免疫系
を介しての肝障害作用が示唆される慢性肝炎のモデルと
されており、臨床試験での評価結果と相関性が高い。
トを用いた。10日間の予備飼育の後、各群の平均体重
がほぼ等しくなるように各群7匹として群分けを行っ
た。そして、上記の各化合物1〜5をアボガド油(アボ
ガド果肉部をヘキサンで抽出し、抽出物をシリカゲルク
ロマトグラフィーに供し、トリグリセライド画分を回収
したもの)に溶解させ(濃度:100mg/0.3m
l)、ラット体重1kgあたり100mgとなるよう
に、カテーテルを用いてラットの胃の中へ注入した。
は、アボガド油のみを、カテーテルを用いてラットの胃
の中へ注入した。
誘発するD−ガラクトサミンを、ラットの体重1kgあ
たり350mgとなるように腹膜内投与し、その22時
間後に採血を行った。なお、偽薬処理群では、生理食塩
水をを腹内投与した後、同様の条件で採血を行った。
の脱落により血中濃度が上昇することが知られている酵
素、すなわち、ALT:アラニン アミノトランスフェ
ラーゼ(GPT)活性と、AST:アスパラギン酸 ア
ミノトランスフェラーゼ(GOT)活性を市販の測定キ
ット(和光純薬工業(株)製)により測定した。そし
て、この酵素活性の増減を肝障害の指標とした。酵素活
性の増減の結果を図2および3にそれぞれ示す。
著に両酵素の活性値が上昇しており、肝細胞の壊死がお
きていることが示唆された。一方、化合物1〜5を投与
した群では、全ての群で明かな肝障害抑制作用が観察さ
れた。
(a,b,c,d)は、共通するアルファベットを有し
ていない群間で、危険率5%未満で、統計的に有意な差
があることを示す(分散分析後、事後検定法としてDu
ncan法で検定)。
た肝障害抑制効果を有するため、肝障害抑制剤の有効成
分として使用することができる。また、本発明の不飽和
脂肪酸誘導体を有効成分として含有する肝障害抑制剤
は、優れた肝障害抑制効果、特に慢性肝障害抑制効果を
有する。更に、本発明の肝障害抑制剤は植物由来である
ため安全であり、且つその抽出が容易であるため、処方
が容易な、該肝障害抑制剤を含む医薬用または食品用組
成物を提供することができる。
和脂肪酸誘導体を抽出する一例を示す図である。
及びAST(GOT)活性値を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記の式1で表されるリノール酸誘導
体。 【化1】 - 【請求項2】 下記の式2で表されるリノール酸誘導
体。 【化2】 - 【請求項3】 下記の式3で表されるオレイン酸誘導
体。 【化3】 - 【請求項4】 請求項1〜3の化合物または下記の式4
もしくは5で表されるリノール酸誘導体を有効成分とし
て含有する肝障害抑制剤。 【化4】 【化5】 - 【請求項5】 前記請求項4に記載の肝障害抑制剤を含
有する、肝障害抑制用医薬用組成物。 - 【請求項6】 前記請求項4に記載の肝障害抑制剤を含
有する、肝障害抑制用食品用組成物。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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