JP2002103837A - 平版印刷方法 - Google Patents

平版印刷方法

Info

Publication number
JP2002103837A
JP2002103837A JP2000306090A JP2000306090A JP2002103837A JP 2002103837 A JP2002103837 A JP 2002103837A JP 2000306090 A JP2000306090 A JP 2000306090A JP 2000306090 A JP2000306090 A JP 2000306090A JP 2002103837 A JP2002103837 A JP 2002103837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
heat
hydrophilic
acid
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000306090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4132628B2 (ja
Inventor
Noribumi Inno
紀文 因埜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000306090A priority Critical patent/JP4132628B2/ja
Publication of JP2002103837A publication Critical patent/JP2002103837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4132628B2 publication Critical patent/JP4132628B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な印刷機上処理により容易に製版可能で
あり、赤外線レーザによる記録可能な感熱性平版印刷版
原版に適用して、湿し水を用いることなく、簡易に、安
定した印刷物を多数枚得ることができる平版印刷方法を
提供する。 【解決手段】 親水性表面を有する支持体上に、エマル
ジョンインクにより除去可能であり、好ましくは熱反応
性官能基を有する化合物からなる微粒子ポリマーを含有
する感熱層を設けた平版印刷版原版に、画像記録を行っ
た後、油性インク成分と水及び/又は多価アルコールを
主成分とする親水性成分とを含有するエマルジョンイン
クを用いて印刷することを特徴とする。感熱層上には、
さらに、エマルジョンインクにより除去可能なオーバー
コート層を有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイレクト感熱性
平版印刷版を用いた印刷方法に関するものである。より
詳しくは、ディジタル信号に基づいた走査露光による画
像記録が可能であり、簡易な印刷機上処理により製版可
能な平版印刷版原版を、湿し水を用いることなく印刷で
き、さらに、安定した印刷が可能な平版印刷方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版は、印刷過程でイン
クを受容する親油性の画像部と湿し水を受容する親水性
の非画像部とからなる。このような平版印刷版として
は、従来から、親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層
を設けたPS版が広く用いられている。その製版方法と
して、通常は、リスフイルムなどの原画を通して露光を
行った後、非画像部を現像液によって溶解除去する方法
であり、この方法により所望の印刷版を得ている。
【0003】従来のPS版に於ける製版工程は、露光の
後、非画像部を溶解除去する操作が必要であり、このよ
うな付加的な湿式の処理を不要化又は簡易化すること
が、従来技術に対して改善が望まれてきた一つの課題で
ある。特に近年は、地球環境への配慮から湿式処理に伴
って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事
となっているので、この面での改善の要請は一層強くな
っている。
【0004】この要望に応じた簡易な製版方法の一つと
して、印刷版原版の非画像部の除去を通常の印刷過程の
中で行えるような画像記録層を用い、露光後、印刷機上
で現像し、最終的な印刷版を得る方法が提案されてい
る。このような方法による平版印刷版の製版方式は機上
現像方式と呼ばれる。具体的方法としては、例えば、湿
し水やインク溶剤に可溶な画像記録層の使用、印刷機中
の圧胴やブランケット胴との接触による力学的除去を行
う方法等が挙げられる。しかしながら、従来の紫外線や
可視光を利用した画像記録方式の機上現像法は、露光後
も、画像記録層が定着されないため、例えば、印刷機に
装着するまでの間、原版を完全に遮光状態又は恒温条件
で保存する、といった手間のかかる方法をとる必要があ
った。
【0005】一方、近年のこの分野のもう一つの動向と
しては、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処
理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く普及して
きており、このような、ディジタル化技術に対応した、
新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきて
いる。これに伴い、レーザ光のような高収斂性の輻射線
にディジタル化された画像情報を担持してこの光で原版
を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接印
刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート技術が注
目されている。それに伴ってこの目的に適応した印刷版
用原版を得ることが重要な技術課題となっている。した
がって、製版作業の簡素化、乾式化、無処理化は、上記
した環境面と、ディジタル化への適合化の両面から、従
来にも増して、強く望まれるようになっている。
【0006】デジタル化技術に組み込みやすい走査露光
による印刷版の製造方法として、最近、半導体レーザ、
YAGレーザ等の固体レーザで高出力のものが安価に入
手できるようになってきたことから、特に、これらのレ
ーザを画像記録手段として用いる製版方法が有望視され
るようになっている。従来方式の製版方法では、感光性
原版に低〜中照度の像様露光を与えて光化学反応による
原版面の像様の物性変化によって画像記録を行っている
が、高出力レーザを用いた高パワー密度の露光を用いる
方法では、露光領域に瞬間的な露光時間の間に大量の光
エネルギーが集中照射して、光エネルギーを効率的に熱
エネルギーに変換し、その熱により化学変化、相変化、
形態や構造の変化などの熱変化を起こさせ、その変化を
画像記録に利用する。つまり、画像情報はレーザー光な
どの光エネルギーによって入力されるが、画像記録は熱
エネルギーによる反応によって記録される。通常、この
ような高パワー密度露光による発熱を利用した記録方式
はヒートモード記録と呼び、光エネルギーを熱エネルギ
ーに変えることを光熱変換と呼んでいる。
【0007】ヒートモード記録手段を用いる製版方法の
大きな長所は、室内照明のような通常の照度レベルの光
では感光せず、また高照度露光によって記録された画像
は定着が必須ではないことにある。つまり、画像記録に
ヒートモード感材を利用すると、露光前には、室内光に
対して安定であり、露光後にも画像の定着は必須ではな
い。従って、例えば、ヒートモード露光により不溶化若
しくは可溶化する画像記録層を用い、露光した画像記録
層を像様に除去して印刷版とする製版工程を機上現像方
式で行えば、現像(非画像部の除去)は、画像露光後あ
る時間、たとえ室内の環境光に暴露されても、画像が影
響を受けないような印刷システムが可能となる。従って
ヒートモード記録を利用すれば、機上現像方式に望まし
い平版印刷版用原版を得ることも可能となると期待され
る。
【0008】このような機上現像方式の平版印刷版原版
として有望な方法の一つは、親水性バインダーポリマー
中に疎水性熱可塑性ポリマー粒子を分散した親水層を画
像形成感熱層とする感熱性平版印刷版原版である。感熱
層に熱を加えると疎水性熱可塑性ポリマー粒子が融着
し、親水性感熱層表面が親油性画像部に変換することを
利用した方法である。
【0009】例えば、特許第2938397号公報に
は、親水性バインダーポリマー中に熱可塑性疎水性重合
体の微粒子を分散させた感熱層を親水性支持体上に設け
た平版印刷版原版が開示されている。この公報には、該
平版印刷版原版において、赤外線レーザー露光して熱可
塑性疎水性重合体の微粒子を熱により合体させて画像形
成した後、印刷機シリンダー上に版を取付け、湿し水及
び/又はインクを供給することにより機上現像できるこ
とが記載されている。
【0010】また、特開平9−127683号公報およ
びWO99−10186号公報にも熱可塑性微粒子を熱
による合体後、機上現像により印刷版を作製することが
記載されている。
【0011】しかしながら、このような熱による微粒子
の合体で画像を作る方法では、微粒子を含有する非画像
部分の感熱層を、湿し水又は油性インクによる機上現像
により、充分に除去することは困難であり、非画像部に
感熱層成分が残存し、印刷において汚れを生じるという
問題があった。
【0012】一方、湿し水を用いない簡易な平版印刷の
方式として、特公昭49−26844号公報、特公昭4
9−27124号公報、特公昭49−27125号公
報、特開昭53−36307号公報、特開昭53−36
308号公報、特公昭61−52867号公報、特開昭
58−2114844号公報、特開昭53−27803
号公報、特開昭53−29807号公報、特開昭54−
146110号公報、特開昭57−212274号公
報、特開昭58−37069号公報、特開昭54−10
6305号公報などには、エマルジョンインクを用いた
平版印刷が提案されている。これら、エマルジョンイン
クは、含水インクのエマルジョンであり、版面上で水と
インクが分離されるため、インクの側から水が供給で
き、したがって、印刷機から湿し水を供給する必要のな
いことが特徴である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のレーザー露光を用いるヒートモードの製版方法の欠点
を解決し、簡易な印刷機上処理により容易に製版可能で
あり、感熱性平版印刷版原版に適用して、湿し水を用い
ることなく、簡易に、安定した印刷物を多数枚得ること
が可能な平版印刷方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
に対して、エマルジョンインクにより除去可能な微粒子
ポリマーを含有する感熱層を平版印刷版に適用し、さら
に、印刷においてエマルジョンインクを適用することに
より、非画像部の感熱層の除去が印刷機上で効率的に可
能となることを見いだし、この発明を完成するに至っ
た。
【0015】すなわち、本発明の平版印刷方法は、親水
性表面を有する支持体上に、エマルジョンインクにより
除去可能な微粒子ポリマーを含有する感熱層を設けた平
版印刷版原版に、画像記録を行った後、油性インク成分
と水及び/又は多価アルコールを主成分とする親水性成
分とを含有するエマルジョンインクを用いて印刷するこ
とを特徴とする。この方法に用いられる平版印刷版原版
は、前記感熱層上に、さらに、エマルジョンインクによ
り除去可能なオーバーコート層を有していてもよい。ま
た、本発明の平版印刷方法においては、平版印刷版原版
をレーザー光によって画像露光し、画像露光後の平版印
刷版原版をそのまま印刷機に取り付けて印刷する工程、
又は、前記平版印刷版原版を印刷機に取り付けた後に、
印刷機上でレーザー光によって画像露光し、そのまま印
刷する工程のいずれかを含むことが好ましい態様であ
る。
【0016】本発明によれば、親水性表面を有する微粒
子であって、好ましくは分子内に熱反応性官能基を有す
る化合物を含む、言い換えれば、加熱により硬化反応し
て疎水性領域を形成する化合物を含むエマルジョンイン
クにより除去可能な微粒子が感熱層中に分散されるた
め、露光部では赤外線レーザなどの熱により速やかに微
粒子同士が融着し、或いは、微粒子を構成する化合物同
士が重合或いは架橋反応により結着し、硬化するととも
に、未露光部では、親水性の表面を有する微粒子の形態
を保持するため、親水性の成分により容易に除去され
る。このため、非画像部に残膜などが生じにくく、特段
の現像処理を行なうことなく印刷機上での処理により製
版が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。まず、本発明の平版印刷方法に用い
るエマルジョンインクについて説明する。
【0018】[エマルジョンインク]本発明に用いるエ
マルジョンインクは、油性インク成分に、親水性成分を
加え、乳化したエマルジョンインクであり、W/O(wa
ter in oil)型であっても、O/W(oil in wate
r)型であっても良い。また、本発明に用いるエマルジ
ョンインクは、インク缶内での保存状態及び印刷に適用
した時の印刷機のインク壺内では、安定な乳化状態を保
持し、印刷時、剪断力を受けながらインキングシステム
を転移し、インク付けローラーに達した時点では、乳化
が破壊され親水性成分が分離し、版面上に供給される。
版面においては、非画像部領域に親水性成分が付着し、
液膜を形成し、油性インク成分の付着が防止され、一
方、画像部領域には、油性インク成分が付着する。この
ような機能を有するエマルジョンインクであれば、特に
限定されることなく本発明に使用することができる。ま
た、本発明のエマルジョンインクが上記機能を発現する
ために、インキングシステムに冷却機構の付いた印刷機
を用いることがより好ましい。
【0019】本発明のエマルジョンインクの油性インク
成分と親水性成分の割合は、油性インク成分100重量
部に対し、親水性成分5〜150重量部であり、好まし
くは、10〜120重量部、さらに好ましくは、20〜
100重量部である。本発明のエマルジョンインクの油
性インク成分としては、植物油、合成樹脂ワニスまた
は、天然樹脂ワニス、あるいは、それらの合成ワニス、
高沸点石油系溶剤、顔料、その他添加剤(耐摩擦向上
剤、インクドライヤー、乾燥抑制剤など)からなる通常
の油性インクを用いることができる。本発明のエマルジ
ョンインクの親水性成分としては、水及び/又は多価ア
ルコール類を用いることができる。多価アルコール類と
しては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、ソルビトール、ブタンジオール、ペンタンジオール
等が挙げられる。なかでも、グリセリン、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコールが好ましく使用できる。多
価アルコールは、1種単独で用いても、2種以上を混合
して用いても良く、さらに、水と混合して用いても良
い。本発明の親水性成分中の多価アルコール類の好まし
い含有量は、30〜100重量%であり、より好ましく
は、50〜100重量%である。本発明の親水性成分と
して、上記以外に、乳化安定性の向上、流動特性の改
良、親水性の向上、親水性成分の蒸発の抑制等を目的と
して、親水性の添加剤を使用することができる。例え
ば、メタノール、エタノール等の1価のアルコール類、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノ
アルコール類、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、
ベタイン系の公知の界面活性剤、グリコール酸、乳酸、
クエン酸等のオキシカルボン酸類、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、アラビアガム、カルボキシメチル
セルロース等の親水性高分子類、リン酸、ケイ酸、硝
酸、及びそれらの塩等の無機酸及び無機塩類等が挙げら
れる。
【0020】[感熱性平版印刷版原版]次に、本発明の
方法に適用される平版印刷版原版の構成について説明す
る。本発明に係る平版印刷版原版は、親水性表面を有す
る支持体上に感熱層を有するものである。 [1.親水性表面を有する支持体]本発明に使用される
親水性表面を有する支持体には、支持体自身が親水性で
あるもの、支持体の表面を親水化処理したもの、あるい
は、支持体上に親水性層を備えたものを含む。
【0021】(1−a.支持体基板)本発明の平版印刷
版原版に使用される支持体基板としては、寸度的に安定
な板状物が挙げられ、例えば、紙、プラスチック(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)
がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウ
ム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二
酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セル
ロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セ
ルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール
等)、顔料が分散された上記プラスチックフィルム、空
洞を有する上記プラスチックフィルム、上記のごとき金
属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラ
スチックフィルム等が含まれる。
【0022】(1−a−1.アルミニウム支持体)本発
明の平版印刷版原版に用いられる支持体としては、ポリ
エステルフィルム又はアルミニウム板が好ましい。その
中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウ
ム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アル
ミニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異
元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネー
トもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。
アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、
マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマ
ス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含
有量は高々10重量%以下である。本発明において特に
好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全
に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるの
で、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように
本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定
されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミ
ニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用い
られるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.
6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特
に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0023】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。また、電気化学的な粗面化法として
は塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う
方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開
示されているように両者を組み合わせた方法も利用する
ことができる。
【0024】上記の如き方法による粗面化は、アルミニ
ウム板の表面の中心線表面粗さ(HA)が0.3〜1.
0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。粗
面化されたアルミニウム板は必要に応じて水酸化カリウ
ムや水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いてアルカリエ
ッチング処理がされ、さらに中和処理された後、所望に
より耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質とし
ては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が
可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるい
はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は
電解質の種類によって適宜決められる。
【0025】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は、1.0〜5.0g/m2、特に1.5〜4.0
g/m2であることが好ましく、1.0g/m2より少な
いと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部
に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインクが付
着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。陽極酸化処
理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化
処理が施される。本発明に使用される親水化処理として
は、米国特許第2,714,066号、同第3,18
1,461号、第3,280,734号および第3,9
02,734号に開示されているようなアルカリ金属シ
リケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。
この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液
で浸漬処理されるか、または電解処理される。他に特公
昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジル
コン酸カリウムおよび米国特許第3,276,868
号、同第4,153,461号、同第4,689,27
2号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処
理する方法などが用いられる。
【0026】(1−a−2.非導電性支持体)また、本
発明の支持体にポリエステルフィルム等の非導電性のも
のを用いる場合、支持体の感熱層側または反対側、ある
いは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防
止層を支持体と後述の親水性層との間に設けた場合に
は、親水性層の密着性向上にも寄与する。帯電防止層と
しては、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマ
ー層が使用できる。
【0027】帯電防止層に用いられる金属酸化物粒子の
材料としては、SiO2、ZnO、TiO2、SnO2
Al23、In23、MgO、BaO、MoO3、V2
5及びこれらの複合酸化物、及び/又はこれらの金属酸
化物に更に異種原子を含む金属酸化物を挙げることがで
きる。これらは単独で用いてもよく、混合して用いても
よい。金属酸化物としては、SiO2、ZnO、Sn
2、Al23、TiO2、In23、MgOが好まし
い。異種原子を少量含む例としては、ZnOに対してA
lあるいはIn、SnO2に対してSb、Nbあるいは
ハロゲン元素、In23に対してSnなどの異種原子を
30モル%以下、好ましくは10モル%以下の量をドー
プしたものを挙げることができる。金属酸化物粒子は、
帯電防止層中に10〜90重量%の範囲で含まれている
ことが好ましい。金属酸化物粒子の粒子径は、平均粒子
径が0.001〜0.5μmの範囲が好ましい。ここで
いう平均粒子径とは、金属酸化物粒子の一次粒子径だけ
でなく高次構造の粒子径も含んだ値である。
【0028】帯電防止層に用いることができるマット剤
としては、、好ましくは平均粒径が0.5〜20μm、
より好ましくは平均粒径が1.0〜15μmの粒径を持
つ無機又は有機の粒子が挙げられる。無機粒子として
は、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタン、酸
化亜鉛等の金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の金
属塩等が挙げられる。有機粒子としては、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスチレン、ポリオレフィン及びそれ
らの共重合体の架橋粒子が挙げられる。マット剤は、帯
電防止層中に1〜30重量%の範囲で含まれていること
が好ましい。
【0029】帯電防止層に用いることができるポリマー
としては、例えば、ゼラチン、カゼイン等のタンパク
質、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、アセチルセルロース、ジアセチルセルロー
ス、トリアセチルセルロース等のセルロース化合物、デ
キストラン、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の
糖類、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリス
チレン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸等の合成ポリマー等が挙げられる。ポリマ
ーは、帯電防止層中に10〜90重量%の範囲で含まれ
ていることが好ましい。帯電防止層の厚みは、0.01
〜1μmであることが好ましい。
【0030】(1−b.支持体の親水性層)支持体の表
面を親水性にするために、本発明の支持体上に設けるこ
とが可能な親水性層としては、例えば、有機親水性ポリ
マーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有
機親水性マトリックスや、ポリアルコキシシラン、チタ
ネート、ジルコネート又はアルミネートの加水分解、縮
合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水
性マトリックスを有する層、あるいは、金属酸化物を含
有する表面を有する無機薄膜が挙げられるが、ゾル−ゲ
ル変換により得られる無機親水性マトリックスあるいは
金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜が好まし
い。
【0031】(1−b−1.有機親水性マトリックス)
本発明の親水性層の有機親水性マトリックス形成に使用
する架橋反応としては、熱または光による共有結合形
成、又は、多価金属塩によるイオン結合形成が可能であ
る。本発明に用いる有機親水性ポリマーとしては、架橋
反応に用いることが可能な官能基を有するポリマーが好
ましい。好ましい官能基としては、例えば、−OH、−
SH、−NH2、−NH−、−CO−NH2、−CO−N
H−、−O−CO−NH−、−NH−CO−NH−、−
CO−OH、−CO−O−、−CO−O-、−CS−O
H、−CO−SH、−CS−SH、−SO3H、−SO2
(O-)、−PO32、−PO(O-2、−SO2−NH
2、−SO2−NH−、−CH=CH2、−CH=CH
−、−CO−C(CH3)=CH2、−CO−CH=CH
2、−CO−CH2−CO−、−CO−O−CO−、及び
以下に示す官能基等が挙げられる。
【0032】
【化1】
【0033】これらの官能基のなかでも、特に、水酸
基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基が好まし
い。
【0034】このような本発明の有機親水性ポリマーと
しては、公知の水溶性バインダーを用いることが可能で
あり、例えば、ポリビニルアルコール(ケン化度60%
以上のポリビニルアセテート)、カルボキシ変性ポリビ
ニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、澱粉お
よびその誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそ
の塩、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース
誘導体、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニ
ルピロリドン、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体及びそ
の塩、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、ポリ
アクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、
ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリビ
ニルホスホン酸及びその塩、ポリスチレンスルホン酸及
びその塩、ポリ(メタクリロイロキシプロパンスルホン
酸)及びその塩、ポリビニルスルホン酸及びその塩、ポ
リ(メタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、
ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリアクリルアミ
ド等が挙げられる。 これらのポリマーは、親水性を損
なわない限りにおいて、コポリマーであっても良く、1
種単独で用いても、2種以上を併用して用いても良い。
その使用量は親水性層の総固形分重量に対して、20重
量%〜99重量%、好ましくは25重量%〜95重量
%、より好ましくは30重量%〜90重量%である。
【0035】本発明においては、有機親水性ポリマーの
架橋を公知の架橋剤により行うことが可能である。公知
の架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物、多官
能エポキシ化合物、多官能アミン化合物、ポリオール化
合物、多官能カルボキシル化合物、アルデヒド化合物、
多官能(メタ)アクリル化合物、多官能ビニル化合物、
多官能メルカプト化合物、多価金属塩化合物、ポリアル
コキシシラン化合物およびその加水分解物、ポリアルコ
キシチタン化合物およびその加水分解物、ポリアルコキ
シアルミニウム化合物およびその加水分解物、ポリメチ
ロール化合物、ポリアルコキシメチル化合物等が挙げら
れ、公知の反応触媒を添加し、反応を促進することも可
能である。その使用量は親水性層の塗布液中の総固形分
重量に対して、1重量%〜50重量%、好ましくは3重
量%〜40重量%、より好ましくは5重量%〜35重量
%である。
【0036】(1−b−2.無機親水性マトリックス)
本発明の親水性層の無機親水性マトリックス形成に使用
することができるゾル−ゲル変換が可能な系は、多価元
素から出ている結合基が酸素原子を介して網目状構造を
形成し、同時に多価金属は未結合の水酸基やアルコキシ
基も有していて、これらが混在した樹脂状構造となって
いる高分子体であって、アルコキシ基や水酸基が多い段
階ではゾル状態であり、エーテル結合化が進行するのに
伴って網目状の樹脂構造が強固となる。また、水酸基の
一部が固体微粒子に結合することによって固体微粒子の
表面を修飾し、親水性度を変化させる働きをも併せ持っ
ている。ゾル−ゲル変換を行う水酸基やアルコキシ基を
有する化合物の多価結合元素は、アルミニウム、珪素、
チタン及びジルコニウムなどであり、これらはいずれも
本発明に用いることができるが、以下はもっとも好まし
く用いることのできるシロキサン結合によるゾル−ゲル
変換系について説明する。アルミニウム、チタン及びジ
ルコニウムを用いるゾル−ゲル変換は、下記の説明の珪
素をそれぞれの元素に置き換えて実施することができ
る。
【0037】すなわち、特に好ましく用いられるのは、
ゾル−ゲル変換が可能な、少なくとも1個のシラノール
基を有するシラン化合物を含んた系である。以下に、ゾ
ル−ゲル変換を利用する系についてさらに説明する。ゾ
ル−ゲル変換によって形成される無機親水性マトリック
スは、好ましくはシロキサン結合およびシラノール基を
有する樹脂であり、少なくとも1個のシラノール基を有
するシラン化合物を含んだゾルの系である塗布液を、塗
布、乾燥、経時する間に、シラノール基の加水分解縮合
が進んでシロキサン骨格の構造が形成され、ゲル化が進
行することにより形成される。また、このゲル構造のマ
トリックスのなかには、膜強度、柔軟性等の物理的性能
向上や、塗布性の改良、親水性の調整等を目的として、
上記の有機親水性ポリマーや架橋剤などを添加すること
も可能である。ゲル構造を形成するシロキサン樹脂は、
下記一般式(I)で示され、また少なくとも1個のシラ
ノール基を有するシラン化合物は、下記一般式(II)で
示されるシラン化合物の加水分解により得られ、必ずし
も一般式(II)のシラン化合物の部分加水分解物単独で
ある必要はなく、一般には、シラン化合物が部分加水重
合したオリゴマーからなっていてもよく、あるいは、シ
ラン化合物とそのオリゴマーの混合組成であってもよ
い。
【0038】
【化2】
【0039】上記一般式(I)のシロキサン系樹脂は、
下記一般式(II)で示されるシラン化合物の少なくとも
1種の化合物のゾル−ゲル変換によって形成され、一般
式(I)中のR01〜R03の少なくとも一つは水酸基を表
し、他は下記一般式(II)中の記号のR0及びYから選
ばれる有機残基を表す。
【0040】一般式(II) (R0nSi(Y)4-n
【0041】一般式(II)中、R0は、水酸基、炭化水
素基又はヘテロ環基を表す。Yは水素原子、ハロゲン原
子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を
表す)、−OR1、−OCOR2又は、−N(R3
(R4)を表す(R1、R2は、各々炭化水素基を表し、
3、R4は同じでも異なってもよく、水素原子又は炭化
水素基を表す)、nは0,1,2又は3を表す。
【0042】一般式(II)中、R0は、水酸基、炭化水
素基又はヘテロ環基を表す。Yは水素原子、ハロゲン原
子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を
表す)、−OR1、−OCOR2又は、−N(R3
(R4)を表す(R1、R2は、各々炭化水素基を表し、
3、R4は同じでも異なってもよく、水素原子又は炭化
水素基を表す)、nは0,1,2又は3を表す。
【0043】一般式(II)中のR0の炭化水素基又はヘ
テロ環基とは、例えば、炭素数1〜12の置換されても
よい直鎖状もしくは分岐状のアルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシ
ル基、ドデシル基等;これらの基に置換される基として
は、ハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子、臭素原
子)、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシ基、スル
ホ基、シアノ基、エポキシ基、−OR' 基(R' は、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、プロペニル
基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、3−クロロプロピル基、2−シアノ
エチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、1−ブロ
モエチル基、2−(2−メトキシエチル)オキシエチル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、3−カルボキシ
プロピル基、ベンジル基等を示す)、−OCOR''基
(R''は、前記R' と同一の内容を表す)、−COO
R''基、−COR''基、−N(R''' )(R''' )基
(R''' は、水素原子又は前記R' と同一の内容を表わ
し、各々同じでも異なってもよい)、−NHCONH
R''基、−NHCOOR''基−Si(R'')3基、−C
ONHR''' 基、−NHCOR''基等が挙げられる。こ
れらの置換基はアルキル基中に複数置換されてもよ
い)、
【0044】炭素数2〜12の置換されてもよい直鎖状
又は分岐状のアルケニル基(例えば、ビニル基、プロペ
ニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オ
クテニル基、デセニル基、ドデセニル基等、これらの基
に置換される基としては、前記アルキル基に置換される
基と同一の内容のものが挙げられる)、炭素数7〜14
の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル
基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチル
メチル基、2−ナフチルエチル基等;これらの基に置換
される基としては、前記アルキル基に置換される基と同
一の内容のものが挙げられ、又複数置換されてもよ
い)、
【0045】炭素数5〜10の置換されてもよい脂環式
基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2
−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル
基、ノルボニル基、アダマンチル基等、これらの基に置
換される基としては、前記アルキル基の置換基と同一の
内容のものが挙げられ、又複数置換されてもよい)、炭
素数6〜12の置換されてもよいアリール基(例えば、
フェニル基、ナフチル基で、置換基としては前記アルキ
ル基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ、又
複数置換されてもよい)、又は、窒素原子、酸素原子、
イオウ原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含有す
る縮環してもよいヘテロ環基(例えば、該ヘテロ環とし
ては、ピラン環、フラン環、チオフェン環、モルホリン
環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリ
ジン環、ピペリジン環、ピロリドン環、ベンゾチアゾー
ル環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、テトラヒド
ロフラン環等で、置換基を含有してもよい。置換基とし
ては、前記アルキル基に置換される基と同一の内容のも
のが挙げられ、又複数置換されてもよい)を表す。
【0046】一般式(II)中のYの−OR1基、−OC
OR2基又は−N(R3)(R4)基の置換基としては、
例えば、以下の置換基を表す。−OR1基において、R1
は炭素数1〜10の置換されてもよい脂肪族基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプ
チル基、ヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル
基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メ
トキシエチル基、2−(メトキシエチルオキソ)エチル
基、1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル基、2−メ
トキシプロピル基、2−シアノエチル基、3−メチルオ
キサプロピル基、2−クロロエチル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、クロロシク
ロヘキシル基、メトキシシクロヘキシル基、ベンジル
基、フェネチル基、ジメトキシベンジル基、メチルベン
ジル基、ブロモベンジル基等が挙げられる)を表す。
【0047】−OCOR2基において、R2は、R1と同
一の内容の脂肪族基又は炭素数6〜12の置換されても
よい芳香族基(芳香族基としては、前記R中のアリール
基で例示したと同様のものが挙げられる)を表す。又、
−N(R3)(R4)基において、R3、R4は、互いに同
じでも異なってもよく、各々、水素原子又は炭素数1〜
10の置換されてもよい脂肪族基(例えば、前記の−O
R1 基のR1と同様の内容のものが挙げられる)を表
す。より好ましくは、R3とR4の炭素数の総和が16個
以内である。一般式(II)で示されるシラン化合物の具
体例としては、以下のものが挙げられるが、これに限定
されるものではない。
【0048】テトラクロルシラン、テトラブロムシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トライソプロポキシシラン、テトラn−プロピルシラ
ン、テトラt−ブトキシシラン、テトラn−ブトキシシ
ラン、ジメトキシジエトキシシラン、メチルトリクロル
シラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプ
ロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチ
ルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシ
シラン、n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピル
トリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、
n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイ
ソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシ
ラン、n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルト
リブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n
−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソ
プロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラ
ン、n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロ
ムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシル
トリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシ
ラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン、n−オクタ
デシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロム
シラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリ
イソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブト
キシシラン、フェニルトリクロルシラン、フェニルトリ
ブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラ
ン、フェニルトリt−ブトキシシラン、ジメチルジクロ
ルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジク
ロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニ
ルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラ
ン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチル
ジエトキシシラン、
【0049】トリエトキシヒドロシラン、トリブロムヒ
ドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、イソプロポキ
シヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン、ビニ
ルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシ
シラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリ
フルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロ
ピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエ
トキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキ
シシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0050】本発明の親水性層の無機親水性マトリック
ス形成に用いる一般式(II)で示されるシラン化合物と
ともに、Ti,Zn,Sn,Zr,Al等のゾル−ゲル
変換の際に樹脂に結合して成膜可能な金属化合物を併用
することができる。用いられる金属化合物として、例え
ば、Ti(OR54(R5はメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、Ti
Cl4、Ti(CH3COCHCOCH32(OR52
Zn(OR52、Zn(CH3COCHCOCH32
Sn(OR54、Sn(CH3COCHCOCH34
Sn(OCOR54、SnCl4、Zr(OR54、Z
r(CH3COCHCOCH34、Al(OR53、A
l(CH3COCHCOCH33等が挙げられる。
【0051】更に一般式(II)で示されるシラン化合
物、更には併用する前記の金属化合物の加水分解及び重
縮合反応を促進するために、酸性触媒又は塩基性触媒を
併用することが好ましい。触媒は、酸あるいは塩基性化
合物をそのままか、あるいは水またはアルコールなどの
溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触
媒、塩基性触媒という)を用いる。そのときの濃度につ
いては特に限定しないが、濃度が高い場合は加水分解・
重縮合速度が速くなる傾向がある。但し、濃度の高い塩
基性触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する場
合があるため、塩基性触媒の程度は1N(水溶液での濃
度換算)以下が望ましい。
【0052】酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に
限定されないが、具体的には、酸性触媒としては、塩酸
などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水
素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカ
ルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元
素または置換基によって置換した置換カルボン酸、ベン
ゼンスルホン酸などのスルホン酸など、塩基性触媒とし
ては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルア
ミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。
【0053】上記のゾル−ゲル法のさらに詳細は、作花
済夫「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社(刊)
(1988年)、平島碩「最新ゾル−ゲル法による機能
性薄膜作成技術」総合技術センター(刊)(1992
年)等の成書等に詳細に記述されている。
【0054】(1−b−3.有機又は無機親水性マトリ
ックスの添加剤)本発明の上記有機又は無機親水性マト
リックスの親水性層中には、上記以外にも、親水性の程
度の制御、親水性層の物理的強度の向上、層を構成する
組成物相互の分散性の向上、塗布性の向上印刷適性の向
上などの種々の目的の化合物を添加することができる。
例えば、可塑剤、顔料、色素、界面活性剤、親水性の粒
子等が挙げられる。
【0055】親水性の粒子としては、特に限定されない
が、好ましくはシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム
等が挙げられる。これらは、親水性を助長したり、皮膜
の強化などに用いることができる。より好ましくは、シ
リカ、アルミナ、酸化チタン又はこれらの混合物であ
る。本発明の上記有機又は無機親水性マトリックスの親
水性層においては、特に、シリカ、アルミナ、酸化チタ
ン等の金属酸化物粒子を含有することが好ましい態様で
ある。
【0056】シリカは、表面に多くの水酸基を持ち、内
部はシロキサン結合(−Si−O−Si−)を構成して
いる。本発明において、好ましく用いることができるシ
リカとしては、コロイダルシリカとも称される、水もし
くは、極性溶媒中に分散した粒子径1〜100nmのシ
リカ超微粒子である。具体的には、加賀美敏郎、林瑛監
修「高純度シリカの応用技術」第3巻、(株)シーエム
シー(1991年)に記載されている。
【0057】又好ましく用いることができるアルミナと
しては、5〜200nmのコロイドの大きさをもつアル
ミナ水和物(ベーマイト系)で、水中の陰イオン(例え
ば、フッ素イオン、塩素イオン等のハロゲン原子イオ
ン、酢酸イオン等のカルボン酸アニオン等)を安定剤と
して分散されたものである。又好ましく用いることがで
きる酸化チタンとしては、平均一次粒径が50〜500
nmのアナターゼ型あるいはルチル型の酸化チタンを、
必要に応じ、分散剤を用い、水もしくは、極性溶媒中に
分散したものである。
【0058】本発明において、好ましく用いることがで
きる親水性の粒子の平均一次粒径は、1〜5000nm
であり、より好ましくは、10〜1000nmである。
本発明の親水性層中において、これらの親水性の粒子
は、1種単独で用いても、2種以上を併用して用いても
良い。その使用量は親水性層の総固形分重量に対して、
5重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜70重
量%、より好ましくは20重量%〜60重量%である。
【0059】本発明に用いる上記の有機または無機親水
性マトリックスの親水性層は、例えば、水や、メタノー
ル、エタノール等の極性溶剤等の適当な溶剤の単独又は
これらの混合溶媒に溶解あるいは分散して、支持体上に
塗布、乾燥、硬化される。その塗布重量は乾燥後の重量
で、0.1〜5g/m2が適当であり、好ましくは0.
3〜3g/m2、さらに好ましくは0.5〜2g/m2
ある。親水性層の乾燥後の塗布重量は、0.1g/m2
より低すぎると、エマルジョンインクの親水性成分の保
持性の低下や、膜強度の低下など好ましくない結果を与
え、高すぎると、膜が脆くなり、耐刷性の低下などの好
ましくない結果を与える。
【0060】(1−c.親水性表面を有する金属又は金
属化合物の薄膜)本発明の親水性層に用いる金属酸化物
を含有する表面を有する無機薄膜は、薄膜の表面が親水
性の金属酸化物により構成されておれば特に限定され
ず、親水性の金属酸化物を表面に有する金属又は金属化
合物の薄膜を含む。本発明の親水性層に使用できる金属
又は金属化合物としては、d−ブロック(遷移)金属、
f−ブロック(ランタノイド)金属、アルミニウム、イ
ンジウム、鉛、スズ、又は珪素および合金やそれぞれの
金属に対応する金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、
金属ホウ化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物が挙げら
れ、これらは、混合(均一な混合膜、不均一な混合膜及
び積層膜を含む)して用いることもできる。なかでも、
金属酸化物薄膜そのものが特に好ましく、金属酸化物の
薄膜としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タング
ステン、酸化マンガン、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化ジルコニウム等の薄膜および混合し
た薄膜が、本発明の親水性層として好適に用いることが
できる。金属及び金属化合物の薄膜表面は、実質上、大
気中において、高酸化の状態にあり、表面は、金属酸化
物により構成されており、本発明において使用可能であ
るが、本発明においては、親水性層の親水性を確保する
ために、親水性層である無機薄膜の表面は、金属酸化物
より構成されることが必須である。このため、薄膜を形
成した後、表面の酸化を促進するために、加熱処理や加
湿処理、グロー放電処理等の処理を施しても良い。さら
には、金属酸化物を薄膜表面上に積層しても良い。
【0061】本発明の親水性層に用いる金属又は金属化
合物の薄膜形成には、真空蒸着法、スパッタ法、イオン
プレーティング法などのPVD法(物理蒸着法)あるい
はCVD法(化学蒸着法)などが適宜用いられる。例え
ば真空蒸着法においては、加熱方式としては、抵抗加
熱、高周誘導加熱、電子ビーム加熱等を用いることがで
きる。また、反応性ガスとして、酸素や窒素等を導入し
たり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反
応性蒸着を用いても良い。
【0062】スパッタ法を用いる場合は、ターゲット材
料として純金属または目的とする金属化合物を用いるこ
とができ、純金属を用いる時は反応性ガスとして酸素や
窒素等を導入する。スパッタ電源としては、直流電源、
パルス型直流電源、高周波電源を用いることができる。
【0063】上記の方法による薄膜形成に先だって、下
層との密着性を向上させるため、基体加熱等による基体
脱ガスや下層表面への真空グロー処理を施してもよい。
例えば、真空グロー処理においては、1〜10mtor
r程度の圧力下で基体に高周波を印加しグロー放電を形
成させ、発生したプラズマによる基板処理を行うことが
できる。また、印加電圧を上げたり、酸素や窒素などの
反応性ガスを導入することにより効果を向上させること
も可能である。
【0064】本発明の親水性層に用いる親水性表面を有
する金属又は金属化合物の薄膜の厚みは、10nm〜3
000nmが好ましい。さらに好ましくは20〜150
0nmである。薄すぎると、湿し水の保持性の低下や、
膜強度の低下など好ましくない結果を与え、厚すぎる
と、薄膜形成に時間を要するため製造適性上好ましくな
い。
【0065】本発明の支持体上に上記の親水性層を設け
る場合には、支持体の親水性層側の表面は、親水性層の
表面積の向上や上層との密着向上の観点から、サンドブ
ラスト処理等による粗面化処理やコロナ処理等による表
面改質処理が施されても良い。
【0066】本発明で使用する支持体は、ブロッキング
を防止する観点から、支持体の裏面の最大粗さ深度(R
t)が少なくとも、1.2μm以上であることが好まし
く、さらに、支持体の裏面(即ち、本発明の平版印刷版
原版の裏面)が本発明の平版印刷版原版の表面上を滑る
時の動摩擦係数(μk)が2.6以下であることが好ま
しい。
【0067】本発明で用いられる上記の支持体の厚みは
およそ0.05mm〜0.6mm程度、好ましくは0.
1mm〜0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜
0.3mmである
【0068】(1−d.下塗り層)本発明の平版印刷版
原版は、支持体の親水性表面上に本発明の感熱層を設け
たものであるが、必要に応じてその間に、例えばホウ酸
亜鉛等の水溶性金属塩のような無機下塗層、又は有機下
塗層を設けることができる。有機下塗層成分としては種
々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチル
セルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノ
エチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸
類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチ
ルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン
酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸
などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニル
リン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセ
ロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェ
ニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホ
スフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホス
フィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、
およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ
基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上
混合して用いてもよい。
【0069】この下塗層は次のような方法で設けること
ができる。即ち、水またはメタノール、エタノール、メ
チルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合
溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液を支持体の親
水性表面上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメ
タノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機
溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶
解させた溶液に、支持体を浸漬して上記化合物をその親
水性表面に吸着させ、その後、水などによって洗浄、乾
燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法で
は、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度
の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法で
は、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは
0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、
好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜
20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶
液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウム
などの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によ
りpH1〜12の範囲に調整することもできる。下塗層
の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ま
しくは5〜100mg/m2である。
【0070】(2.感熱層)以下に、本発明に係る平版
印刷版原版の感熱層を構成する成分について述べる。こ
の感熱層は、エマルジョンインクにより除去可能な平均
粒径が20μm以下程度の微粒子状のポリマー(以下、
微粒子ポリマーと称する)を含有する。 (2−a.微粒子ポリマー)本発明において使用できる
微粒子ポリマーは、微粒子ポリマー同志が熱により溶融
合体するものが好ましく、その表面は親水性で、エマル
ジョンインクの親水性成分に分散するものが特に好まし
く、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリル酸メ
チル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)ア
クリル酸ブチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニ
ルや、それらの共重合体のラテックス等が好ましいもの
として挙げられる。このような親水性表面を有する微粒
子ポリマーとしては、微粒子を構成するポリマー自体が
親水性であるもの、ポリマーの主鎖或いは側鎖に親水性
基を導入して親水性を付与したものなど、ポリマー自体
が表面親水性であるものや、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレングリコールなどの親水性ポリマーまたはオリ
ゴマー、または親水性低分子化合物を微粒子ポリマー表
面に吸着させて表面を親水化したものを包含するが、こ
れらに限定されるものではない。
【0071】また、微粒子ポリマーのみを塗布し、凝固
温度よりも低い温度で乾燥して作製した時の皮膜の接触
角(空中水滴)が、凝固温度よりも高い温度で乾燥して
作製した時の皮膜の接触角(空中水滴)よりも低くなる
ことが好ましい。即ち、露光及びそれに伴う光熱変換剤
の発熱により微粒子ポリマー同士が融着、或いは化学的
な反応により互いに表面が結合して全体が凝固(硬化)
する温度よりも高い温度で加熱、乾燥することで形成さ
れた画像部領域の表面エネルギーが低くなり、優れた疎
水性(親インク性)を発現することが好ましい。感熱層
に含まれる微粒子ポリマーの凝固温度は、70℃以上が
好ましいが、経時安定性を考えると100℃以上がさら
に好ましい。
【0072】本発明に係る感熱層中の微粒子ポリマーの
他の好ましい特性として、画像部の膜強度を向上させる
という観点から、微粒子ポリマーが熱反応性官能基を有
するポリマーにより構成されることが挙げられる。熱反
応性官能基を有するポリマーとしては、他の微粒子状ポ
リマー中に存在する官能基もしくは感熱層中の他成分中
に存在する官能基と反応しうる官能基を有するものであ
れば特に限定されないが、これらの官能基を含有するラ
テックスなどを挙げることができる。
【0073】これらの微粒子状ポリマーは官能基を介し
て微粒子同士で反応してもよいし、感熱層内に他の添加
物として後述の親水性樹脂、または低分子化合物を含有
する場合には、それらと反応してもよい。また2種類以
上の微粒子状ポリマーに互いに熱反応する異種の官能基
を持たせて微粒子状ポリマー同士を反応させてもよい。
【0074】上記の熱反応性官能基としては、重合反応
を行うエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、
メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など)、付加反
応を行うイソシアナート基又はそのブロック体、その反
応相手である活性水素原子を有する官能基(例えば、ア
ミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基など)、同じ
く付加反応を行うエポキシ基、その反応相手であるアミ
ノ基、カルボキシル基又はヒドロキシル基、縮合反応を
行うカルボキシル基とヒドロキシル基もしくはアミノ
基、開環付加反応を行う酸無水物とアミノ基もしくはヒ
ドロキシル基などを挙げることができる。しかし、加熱
により化学結合が形成される機能を有するものであれ
ば、どのような反応を行う官能基でも良い。
【0075】本発明の感熱層に用いる、熱反応性官能基
を有する微粒子ポリマーとしては、アクリロイル基、メ
タクリルロイル基、ビニル基、アリル基、エポキシ基、
アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシア
ネート基、酸無水物およびそれらを保護した基を有する
ものを挙げることができる。これらの官能基のポリマー
微粒子への導入は、重合時に行ってもよいし、重合後に
高分子反応を利用して行ってもよい。
【0076】重合時に導入する場合は、これらの官能基
を有するモノマーを乳化重合もしくは懸濁重合すること
が好ましい。そのような官能基を有するモノマーの具体
例として、アリルメタクリレートアリルアクリレート、
ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、グリシジルアクリレート、2−イソ
シアネートエチルメタクリレート、そのアルコールなど
によるブロックイソシアナート、2−イソシアネートエ
チルアクリレート、そのアルコールなどによるブロック
イソシアナート、2−アミノエチルメタクリレート、2
−アミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2官能アク
リレート、2官能メタクリレートなどを挙げることがで
きるが、これらに限定されない。
【0077】本発明の微粒子ポリマーの調製にあたり、
これらの官能基を有するモノマーと共重合可能な、熱反
応性官能基をもたないモノマーを併用することができ
る。熱反応性官能基を持たないモノマーとしては、例え
ば、スチレン、アルキルアクリレート、アルキルメタク
リレート、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを挙げる
ことができるが、熱反応性官能基をもたないモノマーで
あれば、これらに限定されない。熱反応性官能基の導入
を重合後に行う場合に用いる高分子反応としては、例え
ば、WO96−34316号公報に記載されている高分
子反応を挙げることができる。
【0078】上記の熱反応性官能基を有する微粒子ポリ
マーの中で、微粒子ポリマー同志が熱により溶融合体す
るものが好ましいが、熱により化学反応を起こし、微粒
子ポリマー間あるいは微粒子ポリマーと添加された親水
性樹脂、又は、添加された低分子化合物との間で化学結
合を形成し、強固な膜が形成できれば、微粒子ポリマー
が熱で溶融合体することは画像形成上好ましいことであ
るが、必須ではない。
【0079】本発明の微粒子ポリマーの平均粒径は、
0.01〜20μmが好ましいが、その中でも0.05
〜2.0μmがより好ましく、特に0.1〜1.0μm
が好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が
得られる。
【0080】また、微粒子ポリマーの添加量は、感熱層
固形分の50重量%以上が好ましく、60重量%〜95
重量%の範囲であることがさらに好ましい。
【0081】本発明の感熱層に、上記のような熱反応性
官能基を有する微粒子ポリマーを用いる場合、必要に応
じてこれらの反応を開始又は促進する化合物を添加して
もよい。反応を開始又は促進する化合物としては、熱に
よりラジカル又はカチオンを発生するような化合物を挙
げることができ、例えば、ロフィンダイマー、トリハロ
メチル化合物、過酸化物、アゾ化合物、ジアゾニウム塩
又はジフェニルヨードニウム塩などを含んだオニウム
塩、アシルホスフィン、イミドスルホナートなどが挙げ
られる。これらの化合物は、感熱層固形分の1〜20重
量%の範囲で添加することができる。好ましくは3〜1
0重量%の範囲である。この範囲内で、機上現像性を損
なわず、良好な反応開始又は促進効果が得られる。
【0082】(2−b.親水性樹脂)本発明の感熱層に
は親水性樹脂を添加しても良い。親水性樹脂を添加する
ことにより機上現像性が良好となるばかりか、感熱層自
体の皮膜強度も向上する。親水性樹脂としては、例えば
ヒドロキシル、カルボキシル、ヒドロキシエチル、ヒド
ロキシプロピル、アミノ、アミノエチル、アミノプロピ
ル、カルボキシメチルなどの親水基を有するものが好ま
しい。
【0083】親水性樹脂の具体例として、アラビアゴ
ム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチ
ルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセ
テート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン
酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、
ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸
類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレート
のホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルア
クリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキ
シプロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリ
マー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマー
およびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートの
ホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアク
リレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレ
ングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポ
リビニルアルコール類、ならびに加水分解度が少なくと
も60重量%、好ましくは少なくとも80重量%の加水
分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリル
アミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルア
ミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールア
クリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー等を挙げ
ることができる。
【0084】親水性樹脂の感熱層への添加量は、感熱層
固形分の5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%
がさらに好ましい。この範囲内で、良好な機上現像性と
皮膜強度が得られる。
【0085】(2−c.光熱変換剤)本発明の平版印刷
版原版は、感熱層あるいは、それに隣接する層(親水性
層、下塗層または後述のオーバーコート層)内に、光熱
変換剤を含有させることにより、レーザー光照射等によ
る画像記録が可能となる。かかる光熱変換剤としては、
レーザー光源の波長を吸収して発熱する物質であればよ
く、種々の顔料、染料および金属微粒子を用いることが
できる。特に、700〜1200nmの少なくとも一部
に吸収帯を有する光吸収物質であることが好ましい。
【0086】顔料の種類としては、黒色顔料、褐色顔
料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔
料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられ
る。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮
合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔
料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系
顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロ
ン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔
料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カー
ボンブラック等が使用できる。
【0087】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法に
は親水性樹脂や親油性樹脂を表面コートする方法、界面
活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シリカ
ゾル、アルミナゾル、シランカップリング剤やエポキシ
化合物、イソシアネート化合物等)を顔料表面に結合さ
せる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金
属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」
(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの顔料中、赤外線を吸収するものが、赤外線を発
光するレーザでの利用に適する点で好ましい。かかる赤
外線を吸収する顔料としてはカーボンブラックが好まし
い。顔料の粒径は0.01μm〜1μmの範囲にあるこ
とが好ましく、0.01μm〜0.5μmの範囲にある
ことが更に好ましい。
【0088】染料としては、市販の染料および文献(例
えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊、「化学工業」1986年5月号P.45〜51の
「近赤外吸収色素」、「90年代機能性色素の開発と市
場動向」第2章2.3項(1990)シーエムシー)又
は特許に記載されている公知の染料が利用できる。具体
的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ
染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カル
ボニウム染料、キノンイミン染料、ポリメチン染料、シ
アニン染料などの赤外線吸収染料が好ましい。
【0089】さらに、例えば、特開昭58−12524
6号、特開昭59−84356号、特開昭60−787
87号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−
173696号、特開昭58−181690号、特開昭
58−194595号等に記載されているメチン染料、
特開昭58−112793号、特開昭58−22479
3号、特開昭59−48187号、特開昭59−739
96号、特開昭60−52940号、特開昭60−63
744号等に記載されているナフトキノン染料、 特開
昭58−112792号等に記載されているスクワリリ
ウム染料、英国特許434,875号記載のシアニン染
料や米国特許第4,756,993号記載の染料、米国
特許第4,973,572号記載のシアニン染料、特開
平10−268512号記載の染料、特開平11−23
5883号記載のフタロシアニン化合物を挙げることが
できる。
【0090】また、染料として米国特許第5,156,
938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、ま
た、米国特許第3,881,924号記載の置換された
アリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−1
42645号記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開
昭58−181051号、同58−220143号、同
59−41363号、同59−84248号、同59−
84249号、同59−146063号、同59−14
6061号に記載されているピリリウム系化合物、特開
昭59−216146号記載のシアニン染料、米国特許
第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリ
リウム塩等や特公平5−13514号、同5−1970
2号公報に記載されているピリリウム化合物、エポリン
社製エポライトIII−178、エポライトIII−130、
エポライトIII−125等も好ましく用いられる。これ
らの色素中、下記(I)式で示される水溶性のシアニン
色素が、特に好適に用いられる。
【0091】
【化3】
【0092】(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6
は置換又は未置換のアルキル基を表し、Z1及びZ2は置
換もしくは未置換のフェニル基又はナフタレン基を表
す。Lは置換又未置換のメチン基でであり、置換基を有
する場合、該置換基は、炭素数8以下のアルキル基、ハ
ロゲン原子又はアミノ基であるか、該メチン基がその2
つのメチン炭素上の置換基が相互に結合して形成された
置換基を有していても良いシクロヘキセン環またはシク
ロペンテン環を含むものであってもよく、該置換基は炭
素数6以下のアルキル基またはハロゲン原子を表す。X
-はアニオン基を表す。nは1又は2;そしてR1
2、R3、R4、R5、R6、Z1及びZ2のうち少なくと
も一つは酸性基又は酸性基のアルカリ金属塩基又はアミ
ン塩基を有する置換基を示す。
【0093】下記に(I)式で示される水溶性のシアニ
ン色素の具体的な化合物〔例示化合物(I−1)〜(I
−32)〕を列記するが、本発明はこれらに制限される
ものではない。
【0094】
【化4】
【0095】
【化5】
【0096】
【化6】
【0097】
【化7】
【0098】
【化8】
【0099】
【化9】
【0100】
【化10】
【0101】
【化11】
【0102】上記の有機系の光熱変換剤は、感熱層中に
30重量%まで添加することができる。好ましくは5〜
25重量%であり、特に好ましくは7〜20重量%であ
る。この範囲内で、良好な感度が得られる。
【0103】本発明の感熱層には、光熱変換剤として金
属微粒子も用いることができる。金属微粒子の多くは光
熱変換性であって、かつ自己発熱性であるが、好ましい
金属微粒子として、Si、Al、Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Mo、
Ag、Au、Pt、Pd、Rh、In、Sn、W、T
e、Pb、Ge、Re、Sbの単体もしくは合金、又
は、それらの酸化物または硫化物の微粒子が挙げられ
る。これらの金属微粒子を構成する金属の中でも好まし
い金属は、光照射時に熱による合体をし易い、融点がお
よそ1000℃以下で赤外、可視または紫外線領域に吸
収をもつ金属、例えば、Re、Sb、Te、Au、A
g、Cu、Ge、PbおよびSnである。また、特に好
ましいのは、融点も比較的低く、赤外線に対する吸光度
も比較的高い金属の微粒子、例えば、Ag、Au、C
u、Sb、GeおよびPbで、最も好ましい元素として
は、Ag、AuおよびCuが挙げられる。
【0104】また、例えばRe、Sb、Te、Au、A
g、Cu、Ge、Pb、Snなどの低融点金属の微粒子
と、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、W、Geなどの自
己発熱性金属の微粒子とを混合使用するなど、2種以上
の光熱変換物質で構成されていてもよい。また、Ag、
Pt、Pdなど微小片としたときに光吸収が特に大きい
金属種の微小片と他の金属微小片を組み合わせて用いる
ことも好ましい。
【0105】これらの粒子の粒径は、好ましくは10μ
m以下、より好ましくは0.003〜5μm、特に好ま
しくは0.01〜3μmである。この範囲内で、良好な
感度と解像力が得られる。
【0106】本発明において、これらの金属微粒子を光
熱変換剤として用いる場合、その添加量は、好ましくは
感熱層固形分の10重量%以上であり、より好ましくは
20重量%以上、特に好ましくは30重量%以上で用い
られる。この範囲内で高い感度が得られる。
【0107】(2−d.低分子化合物)本発明の感熱層
には、上記のような熱反応性官能基を有する微粒子ポリ
マーを使用する場合、さらに、上記微粒子ポリマー中の
熱反応性官能基と反応することができる官能基およびそ
の保護基を有する低分子化合物を含有することができ
る。これらの化合物の添加量は、感熱層中5重量%〜4
0重量%が好ましく、特に5重量%〜20重量%が好ま
しい。これより少ないと架橋効果が少なく耐刷性が不十
分となり、これより多いと経時後の機上現像性が悪くな
ってしまう。以下これらに使用可能な化合物について述
べる。
【0108】前記低分子化合物としては、重合性不飽和
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレー
ト基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、イソシアナ
ート基、及びブロック化したイソシアナート基を分子内
に有する化合物を挙げることができる。
【0109】重合性不飽和基を有する化合物としては、
少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するラ
ジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合
を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物か
ら選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において
広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特
に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマ
ー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリ
ゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合
体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合
体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロ
トン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド
類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族
多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸
と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の
求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミ
ド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキ
シ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボ
ン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、
イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有
する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官
能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオ
ール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオ
キシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エス
テルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコ
ール類、アミン類およびチオール類との置換反応物も好
適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン
酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換
えた化合物群を使用する事も可能である。
【0110】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体
例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリ
コールジアクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テ
トラメチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキプ
ロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレ
ート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シク
ロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソ
ルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタア
クリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ
(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリ
エステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0111】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメ
チルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキ
シ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0112】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。
【0113】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
【0114】イソクロトン酸エステルとしては、エチレ
ングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトー
ルジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロト
ネート等がある。
【0115】マレイン酸エステルとしては、エチレング
リコールジマレート、トリエチレングリコールジマレー
ト、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテ
トラマレート等がある。
【0116】その他のエステルの例として、例えば、特
公昭46−27926号、特公昭51−47334号、
特開昭57−196231号記載の脂肪族アルコール系
エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−
5241号、特開平2−226149号記載の芳香族系
骨格を有するもの、特開平1−165613号記載のア
ミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
【0117】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。
【0118】その他の好ましいアミド系モノマーの例と
しては、特公昭54−21726号記載のシクロへキシ
レン構造を有すものを挙げることができる。また、イソ
シアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレ
タン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体
例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中
に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基
を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(A)で
示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた
1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニル
ウレタン化合物等が挙げられる。
【0119】一般式(A) CH2=C(Rm)COOCH2CH(Rn)OH (ただし、RmおよびRnは、HまたはCH3を示す。)
【0120】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号、特公平2−16765号に記載され
ているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−
49860号、特公昭56−17654号、特公昭62
−39417号、特公昭62−39418号記載のエチ
レンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適
である。さらに、特開昭63−277653号、特開昭
63−260909号、特開平1−105238号に記
載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有す
るラジカル重合性化合物類を用いても良い。
【0121】その他の例としては、特開昭48−641
83号、特公昭49−43191号、特公昭52−30
490号の各公報に記載されているようなポリエステル
アクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を
反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリ
レートやメタクリレートを挙げることができる。また、
特公昭46−43946号、特公平1−40337号、
特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、
特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合
物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開
昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を
含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会
誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1
984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして
紹介されているものも使用することができる。
【0122】エポキシ化合物としては、好ましくはグリ
セリンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリプロピレンジグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエー
テル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェ
ノール類あるいはポリフェノール類もしくはそれらの水
素添加物のポリグリシジルエーテル体などが挙げられ
る。イソシアネートを有する化合物としては、好ましく
はトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソ
シアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネートまたは
それらをアルコールもしくはアミン類でブロックした化
合物を挙げることができる。
【0123】アミン化合物としては、好ましくはエチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。ヒドロキシ
ル基を有する化合物としては好ましくは、末端メチロー
ルを有するような化合物、ペンタエリスリトールなどの
多価アルコール、ビスフェノール・ポリフェノール類な
どを挙げることができる。カルボキシル基を有する化合
物としては、好ましくは、ピロメリット酸、トリメリッ
ト酸、フタル酸などの芳香族多価カルボン酸、アジピン
酸などの脂肪族多価カルボン酸などが挙げられる。酸無
水物としては、好ましくは、ピロメリット酸無水物、ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが挙げられ
る。
【0124】(2−e.その他の添加剤)本発明の感熱
層には、さらに必要に応じて上記以外に種々の化合物を
添加してもよい。例えば、画像形成後、画像部と非画像
部の区別をつきやすくするため、可視光域に大きな吸収
を持つ染料を画像の着色剤として使用することができ
る。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエ
ロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーン
BG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オ
イルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラッ
クT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビ
クトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI
42555)、メチルバイオレット(CI4253
5)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145
170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、
メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62
−293247号に記載されている染料を挙げることが
できる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、酸
化チタン等の顔料も好適に用いることができる。添加量
は、感熱層塗布液全固形分に対し0.01〜10重量%
が好ましい。
【0125】また、本発明においては、感熱層塗布液の
調製中又は保存中においてエチレン性不飽和化合物の不
要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添
加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハ
イドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコ
ール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニ
トロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム
塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物
の重量に対して約0.01〜5重量%が好ましい。
【0126】また必要に応じて、酸素による重合阻害を
防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級
脂肪酸やその誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程
で感熱層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸やその
誘導体の添加量は、感熱層固形分の約0.1〜約10重
量%が好ましい。
【0127】さらに、本発明の感熱層には、必要に応
じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を加えるこ
とができる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン
酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリ
クレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オ
レイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0128】(2−f.感熱層の形成)本発明の感熱層
は、必要な上記各成分を溶剤に分散あるいは溶解して塗
布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤として
は、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチル
エチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メト
キシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテー
ト、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキ
シエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
メチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、
水等を挙げることができるが、これに限定されるもので
はない。これらの溶剤は、単独または混合して使用され
る。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50重量%
である。
【0129】また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感
熱層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般
的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。この範囲より
塗布量が少なくなると、見かけの感度は大になるが、画
像記録の機能を果たす感熱層の皮膜特性は低下する。塗
布する方法としては、種々の方法を用いることができ
る。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗
布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、
ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
【0130】感熱層塗布液には、塗布性を良化するため
の界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号に
記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加するこ
とができる。好ましい添加量は、感熱層全固形分の0.
01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重
量%である。
【0131】(3.感熱性平版印刷版原版のその他の
層) (3−a.オーバーコート層)本発明の平版印刷版原版
は、感熱層表面の親油性物質による汚染防止や傷防止の
ため、感熱層上に、オーバーコート層を設けることがで
きる。本発明に使用されるオーバーコート層は印刷時エ
マルジョンインクにより容易に除去できるものであり、
親水性の有機高分子化合物から選ばれた樹脂を含有す
る。ここで用いる親水性の有機高分子化合物としては、
塗布乾燥によってできた被膜がフィルム形成能を有する
もので、具体的には、ポリ酢酸ビニル(但し加水分解率
65%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金
属塩もしくはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、その
アルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸、
そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル
酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポ
リアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチ
ルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合
体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル
/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド
−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ
金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−
2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのア
ルカリ金属塩もしくはアミン塩、アラビアガム、繊維素
誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボ
キシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変
性体 、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エ
ーテル化デキストリン等を挙げることができる。また、
目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して用いる
こともできる。
【0132】また、オーバーコート層には、前記の親水
性光熱変換剤を添加しても良い。さらに、オーバーコー
ト層には塗布の均一性を確保する目的で、水溶液塗布の
場合には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンドデシルエーテルなどの非イオ
ン系界面活性剤を添加することができる。オーバーコー
ト層の乾燥塗布量は、0.1〜2.0g/m2が好まし
い。この範囲内で、機上現像性を損なわず、指紋付着汚
れなどの親油性物質による感熱層表面の良好な汚染防止
や傷の防止ができる。
【0133】[画像形成及び製版]本発明の平版印刷版
原版は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘ
ッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査
露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤
外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜12
00nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレー
ザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適であ
る。し、エマルジョンインクを用いて印刷することがで
きる。また、これらの平版印刷版原版は、日本特許29
38398号に記載されているように、印刷機シリンダ
ー上に取りつけた後に、印刷機に搭載されたレーザーに
より露光することも可能である。
【0134】エマルジョンインクを用いて印刷を開始す
ると、版上に供給されたエマルジョンインク(特に、親
水性成分)により、非画像部分の感熱層が溶解あるいは
分散除去され、その部分において親水性表面が露出す
る。エマルジョンインクの親水性成分は、露出した親水
性表面上に付着し、油性インク成分は、画像部(加熱
部)の感熱層に着肉し印刷が開始される。
【0135】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0136】微粒子ポリマーの合成 (合成例1:微粒子ポリマー1の合成)グリシジルメタ
クリレート2.0g、メチルメタクリレート13.0
g、ポリオキシエチレンフェノール水溶液(濃度9.8
×10-3mol/リットル)200mlを加え、250
rpmでかき混ぜながら、系内を窒素ガスで置換する。
この液を25℃にした後、セリウム(IV)アンモニウム
塩水溶液(濃度0.984×10-3mol/リットル)
10ml添加する。この際硝酸アンモニウム水溶液(濃
度58.8×10-3mol/リットル)を加え、pH
1.3〜1.4に調整する。その後8時間これを攪拌し
た。このようにして得られた液の固形分濃度は9.5%
であり、平均粒径は0.4μmであった。
【0137】(合成例2:微粒子ポリマー2の合成)出
発物質としてグリシジルメタクリレート2.0g、メチ
ルメタクリレート13.0gに代えて、アリルメタクリ
レート7.5g、スチレン7.5gを用いた他は合成例
1と同様の条件で合成を行なった。このようにして得ら
れた液の固形分濃度は9.5%であり、平均粒径は0.
4μmであった。
【0138】(合成例3:微粒子ポリマー3の合成)出
発物質としてグリシジルメタクリレート2.0g、メチ
ルメタクリレート13.0gに代えて、スチレン15g
を用いた他は合成例1と同様の条件で合成を行なった。
このようにして得られた液の固形分濃度は9.0%であ
り、平均粒径は0.3μmであった。
【0139】〔実施例1〕 (支持体及び親水性層の形成)厚さ175μmのポリエ
チレンテレフタレートの両面に、コロナ処理を施し、さ
らに、両面に、下記の塗布液を塗布、加熱乾燥(180
℃、30秒)し、乾燥膜厚0.5g/m2の帯電防止層
を形成した。 −帯電防止層塗布液− ・アクリル樹脂水分散液 (ジュリマーET−410、固形分20重量%、日本純薬(株)製) 20g ・酸化スズ−酸化アンチモン水分散物 (平均粒径:0.1μm、17重量%) 30g ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (ノニポール100、三洋化成工業(株)製) 0.6g ・アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩水溶液 (サンデットBL、濃度40重量%、三洋化成工業(株)製) 0.6g ・メラミン化合物 (スミテックスレジンM−3、有効成分濃度80重量%、 住友化学工業(株)製) 0.2g ・シリカゲル20%水分散液 17g (スノーテックスC(日産化学工業(株)製、平均粒子径約10nm) ・水 42.4g
【0140】次いで、上記のポリエチレンテレフタレー
トの片側に、下記の塗布液を塗布し、加熱乾燥(100
℃、10分)することにより、乾燥重量2g/m2の親
水性層を形成した。 −親水性層塗布液− ・酸化チタン20%/ポリビニルアルコール10%水分散液 (酸化チタン(和光純薬(株)製、ルチル型、平均粒径200nm) 8g /PVA117(クラレ(株)製)=2/1重量比) ・メタノールシリカ 8g (日産化学製:10nm〜20nmのシリカ粒子を30重量% 含有するメタノール溶液からなるコロイド) ・ゾル−ゲル調製液(下記組成) 4.7g ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル ノニポール100、三洋化成工業(株)製) 0.025g ・水 15g ・メタノール 5g
【0141】(ゾル−ゲル調製液の作成)下記組成の液
を室温において、1時間熟成してゾル−ゲル調製液を作
成した。 ・テトラエトキシシラン 8.5g ・メタノール 1.8g ・水 15.0g ・リン酸 0.015g
【0142】(感熱層の形成)上記親水性層上に、下記
組成の塗布液を塗布、乾燥(100℃,1分)すること
により、乾燥塗布重量0.6g/m2の感熱層を形成し
て平版印刷版用原版を得た。 −感熱層塗布液1− ・前記合成例1で得た微粒子ポリマー1の分散液 52.6g ・ポリヒドロキシエチルアクリレート (重量平均分子量2.5万) 0.5g ・光熱変換剤(前記例示化合物I−32) 0.3g ・水 100g
【0143】このようにして得た平版印刷版原版を、水
冷式40W赤外線半導体レーザを搭載したCreo社製
Trendsetter 3244VFSにて、出力9
W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギー1
00mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で露光
した後、処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機
SOR−M(ローラー冷却温度15℃)のシリンダーに
装着し、下記組成のエマルジョンインクを用いて印刷し
たところ、刷り出し初期に、レーザー非露光部の感熱層
は速やかに印刷機上において、版面より除去され、非画
像部の汚れがなく、画像部の耐刷性も問題のない2万枚
の良好な印刷物が得られた。このように本発明の方法に
よれば、平版印刷版原版を、多数の損紙を出すこともな
く、残膜に起因する非画像部の汚れもなく、容易に機上
現像することができ、さらに、少なくとも2万枚の非画
像部に汚れのない良好な印刷物が得られることから、得
られた平版印刷版の耐刷性も実用上問題のない良好なレ
ベルであることが確認された。
【0144】 (エマルジョンインク組成1) [エマルジョンインクの調製] (1)ワニスの調製 (以下、部は、重量部を示す。) ワニスA:マレイン化石油樹脂 (ネオポリマー120:日本石油(株)製) 47部 スピンドル油 53部 ゲルワニスB:ロジン変性フェノール樹脂 (タマノール354:荒川化学工業(株)製) 34部 マシン油 31部 スピンドル油 31部 アルミニウムステアレート 4部 ワニスC :ギルソナイト 25部 マシン油 75部 (2)油性インク成分の調製: カーボンブラッック 14部 炭酸カルシウム(白艶華DD:白石工業(株)製) 5部 ワニスA 27部 ゲルワニスB 7部 ワニスC 11部 アマニ油 4部 マシン油 6部 スピンドル油 24部 シアニンブルー 1部 (3)親水性成分の調製: 精製水 10部 プロピレングリコール 55部 グリセリン 34部 界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、 リポノックスNCE:ライオン油脂(株)製) 1部 (2)項の油性インク成分100重量部と(3)項の親
水性成分70重量部、を攪拌混合してW/O型エマルジ
ョンインクを調製した。
【0145】〔実施例2〕前記実施例1において用いた
感熱層塗布液1に変えて以下の感熱層塗布液2を用いた
以外は、実施例1と同様にして、平版印刷版原版を得
た。次いで、実施例1と同様にして、画像露光及び印刷
を行ったところ、刷り出し初期に、レーザー非露光部の
感熱層は速やかに印刷機上において、版面より除去さ
れ、非画像部の汚れがなく、画像部の耐刷性も問題のな
い2万枚の良好な印刷物が得られた。
【0146】 −感熱層塗布液2− ・前記合成例2で得た微粒子ポリマー2の分散液 52.6g ・ポリアクリル酸 (重量平均分子量2.5万) 0.5g ・ソルビトールトリアクリレート 1.0g ・光熱変換剤(例示化合物I−31) 0.3g ・水 100g
【0147】〔実施例3〕実施例1の感熱層の形成にお
いて、感熱層塗布液1の微粒子ポリマー1の分散液5
2.6gを、上記合成例3で得られた微粒子ポリマー3
の分散液55.6gに変える以外は、実施例1と同様に
して、平版印刷版原版を得た。次いで、実施例1と同様
にして、画像露光及び印刷を行ったところ、刷り出し初
期に、レーザー非露光部の感熱層は速やかに印刷機上に
おいて、版面より除去され、非画像部の汚れがなく、画
像部の耐刷性も問題のない2万枚の良好な印刷物が得ら
れた。
【0148】〔実施例4〜6〕実施例1〜3で用いた支
持体上の親水性層に変えて、支持体上に下記の方法によ
り金属酸化物薄膜からなる親水性層を形成したものを用
いた以外は、各々実施例1〜3と同様にして、平版印刷
版原版を得た。次いで、実施例1と同様にして、画像露
光及び印刷を行ったところ、刷り出し初期に、レーザー
非露光部の感熱層は速やかに印刷機上において、版面よ
り除去され、非画像部の汚れがなく、画像部の耐刷性も
問題のない2万枚の良好な印刷物が得られた。
【0149】(親水性層の形成)帯電防止層上に、バッ
チ式スパッタ成膜装置(芝浦エレテック製 CFS−1
0−EP70)を用い下記条件で厚さ100nmになる
よう酸化ケイ素を成膜し、親水性層を形成した。 ターゲット材:酸化ケイ素 雰囲気 :アルゴン 成膜時圧力 :5mtorr パワー :RF1kW(電源は日本電子製JRF−3000) なお、成膜前には帯電防止層表面を下記条件でグロー処
理した。 雰囲気 :アルゴン 処理時圧力 :5.0mtorr パワー :Rf3kW (電源は日本電子製JRF−3000) 時間 :2.5分
【0150】〔実施例7〜9〕支持体として、親水性層
を形成した非導電性支持体に変えて、下記のように表面
を親水化処理したアルミニウム支持体を用い、その上に
感熱層を形成する以外は、各々実施例1〜3と同様にし
て、平版印刷版原版を得た。次いで、実施例1と同様に
して、画像露光及び印刷を行ったところ、刷り出し初期
に、レーザー非露光部の感熱層は速やかに印刷機上にお
いて、版面より除去され、非画像部の汚れがなく、画像
部の耐刷性も問題のない2万枚の良好な印刷物が得られ
た。
【0151】(アルミニウム支持体の作成)99.5重
量%アルミニウムに、銅を0.01重量%、チタンを
0.03重量%、鉄を0.3重量%、ケイ素を0.1重
量%含有するJISA1050アルミニウム材(熱伝導
率0.48cal/cm・sec・℃)の厚み0.24
mm圧延板を、400メッシュのパミストン(共立窯業
製)の20重量%水性懸濁液と、回転ナイロンブラシ
(6,10−ナイロン)とを用いてその表面を砂目立て
した後、よく水で洗浄した。これを15重量%水酸化ナ
トリウム水溶液(アルミニウム4.5重量%含有)に浸
漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2になるように
エッチングした後、流水で水洗した。更に、1重量%硝
酸で中和し、次に0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウ
ム0.5重量%含有)中で、陽極時電圧10.5ボル
ト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧(電
流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実施例
に記載されている電流波形)を用いて160クローン/
dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗
後、35℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸
漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2になるように
エッチングした後、水洗した。次に、50℃、30重量
%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗し
た。さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液(アルミニ
ウム0.8重量%含有)中で直流電流を用いて、多孔性
陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密度13A/
dm2で電解を行い、電解時間の調節により陽極酸化皮
膜重量2.7g/m2とした。この支持体を水洗後、7
0℃のケイ酸ナトリウムの0.2重量%水溶液に30秒
間浸漬処理し、水洗乾燥した。
【0152】〔実施例10〕親水性層上に、下記の下塗
層を形成する以外は、実施例1と同様にして、平版印刷
版原版を得た。次いで、実施例1と同様にして、画像露
光及び印刷を行ったところ、刷り出し初期に、レーザー
非露光部の感熱層は速やかに印刷機上において版面より
除去され、非画像部の汚れがなく、画像部の耐刷性も問
題のない2万枚の良好な印刷物が得られた。 (下塗り層の形成)親水性層上に、下記の下塗層塗布液
を塗布、加熱乾燥(100℃,1分)することにより、
乾燥塗布量0.05g/m2の下塗層を形成した。 −下塗層塗布液− ・アラビアガム 1g ・水 1000g
【0153】〔実施例11〕感熱層上に、下記のオーバ
ーコート層を形成する以外は、実施例1と同様にして、
平版印刷版原版を得た。次いで、実施例1と同様にし
て、画像露光及び印刷を行ったところ、刷り出し初期
に、オーバーコート層及び非画像部の感熱層は、速やか
に印刷機上において、版面より除去され、非画像部の汚
れがなく、画像部の耐刷性も問題のない2万枚の良好な
印刷物が得られた。
【0154】(オーバーコート層の形成)感熱層上に、
下記オーバーコート層塗布液を塗布、加熱乾燥(100
℃、2分)することにより、乾燥塗布重量0.3g/m
2のオーバーコート層を形成し、平版印刷版原版を得
た。 −オーバーコート層塗布液− ・アラビアガム 1g ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテール 0.025g ・水 19g
【0155】〔実施例12〕ポリエチレンテレフタレー
トの両面に、中心線平均粗さRaが0.3μmとなるよ
うにサンドブラスト処理を施した以外は、実施例1と同
様にして平版印刷版原版を得た。次いで、実施例1と同
様にして、画像露光及び印刷を行ったところ、刷り出し
初期に、レーザー非露光部の感熱層は速やかに印刷機上
において、版面より除去され、非画像部の汚れがなく、
画像部の耐刷性も問題のない2万枚の良好な印刷物が得
られた。以上の各実施例にも明らかなように、本発明の
平版印刷方法によれば、支持体や親水性表面の構成、或
いは、感光層の任意成分などによらず、湿し水を用いる
ことなく、容易に機上現像することが可能であり、良好
な印刷物が多数得られ、安定した印刷が可能であること
がわかった。
【0156】〔実施例13〜24〕エマルジョンインク
の組成を下記に変える以外は、各々実施例1〜12と同
様にして、印刷を行ったところ、刷り出し初期に、レー
ザー非露光部の感熱層は速やかに印刷機上において、版
面より除去され、非画像部の汚れがなく、画像部の耐刷
性も問題のない2万枚の良好な印刷物が得られた。
【0157】 (エマルジョンインク組成2) [エマルジョンインクの調製] (1)ワニスの調製 (以下、部は、重量部を示す。) 以下の配合により、200℃、1時間加熱ゲル化し、ゲルワニスDを得た。 ロジン変性フェノール樹脂 (ヒタノール270T:日立化成(株)製) 42部 低粘度アマニ油重合ワニス(2ポイズ) 30部 スピンドル油 27部 エチルアセトアセト・アルミニウム・ジイソプロピレート 1部 (2)油性インク成分の調製: ゲルワニスD 66部 フタロシアニンブルー 20部 低粘度アマニ油重合ワニス(2ポイズ) 5部 ポリエチレンワックスコンパウンド 3部 コバルトドライヤ 1部 スピンドル油 5部 (3)親水性成分の調製: エチレングリコール 100部 (2)項の油性インク成分100重量部と(3)項の親
水性成分45重量部、を攪拌混合してW/O型エマルジ
ョンインクを調製した。
【0158】〔実施例25〜30〕エマルジョンインク
の親水性成分を下記表1の組成に変更した以外は、実施
例13と同様にして、印刷を行ったところ、刷り出し初
期に、レーザー非露光部の感熱層は速やかに印刷機上に
おいて、版面より除去され、非画像部の汚れがなく、画
像部の耐刷性も問題のない2万枚の良好な印刷物が得ら
れた。本発明の方法によれば、エマルジョンインク中に
含まれる親水性成分の組成を変えても、同様の効果が得
られることがわかった。
【0159】
【表1】
【0160】〔比較例1〕印刷時に前記のエマルジョン
インク1を用いる代わりに、湿し水不要平版印刷用イン
クであるアクアレスエコー墨LZ(東洋インキ製造
(株)製)を印刷インクとして用いた以外は、実施例1
と同様にして印刷を行ったところ、レーザー非露光部の
感熱層は印刷機上において、版面より除去されず、非画
像部が汚れ、良好な印刷物を得ることができなかった。
親水性成分を含まないインクを用いた場合、良好な機上
現像性は達成できなかった。
【0161】〔比較例2〕印刷時に前記のエマルジョン
インク1を用いる代わりに、湿し水として、EU−3
(富士写真フイルム(株)製)を1体積%、イソプロパ
ノールを10体積%添加した水溶液を使用し、インクと
して、GEOS−G墨(大日本インキ化学工業(株)
製))を使用した以外は、実施例1と同様にして印刷を
行ったところ、エマルジョンインク1の親水性成分に比
べ、湿し水によるレーザー非露光部の感熱層の分散除去
性が劣るため、印刷機上において、刷り出し初期にレー
ザー非露光部の感熱層を版面より除去するのに時間を要
し、実施例1に比較して損紙が増大した。
【0162】
【発明の効果】本発明によれば、ヒートモード記録を利
用した機上現像方式の平版印刷版原版を、湿し水を用い
ることなく、良好に機上現像することが可能であり、簡
易に、安定した印刷が可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA12 AB03 AC08 AD01 BH02 CB54 DA03 FA10 2H084 AA14 AA38 AE05 BB04 BB13 BB16 CC06 2H096 AA06 BA20 EA04 2H113 AA01 BA06 BC02 DA07 DA15 DA25 DA36 DA46 DA53 DA57 DA60 FA10 FA23 FA36 2H114 AA05 AA22 AA24 AA27 AA29 BA01 DA08 DA15 DA25 DA35 DA46 DA52 DA56 DA59 EA05 FA16 GA34 GA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性表面を有する支持体上に、エマル
    ジョンインクにより除去可能な微粒子ポリマーを含有す
    る感熱層を設けた平版印刷版原版に、画像記録を行った
    後、油性インク成分と水及び/又は多価アルコールを主
    成分とする親水性成分とを含有するエマルジョンインク
    を用いて印刷することを特徴とする平版印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記平版印刷版原版が、感熱層上に、さ
    らに、エマルジョンインクにより除去可能なオーバーコ
    ート層を有することを特徴とする請求項1に記載の平版
    印刷方法。
  3. 【請求項3】 前記平版印刷版原版をレーザー光によっ
    て画像露光し、画像露光後の平版印刷版原版をそのまま
    印刷機に取り付けて印刷する工程、又は、前記平版印刷
    版原版を印刷機に取り付けた後に、印刷機上でレーザー
    光によって画像露光し、そのまま印刷する工程のいずれ
    かを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の平版印刷方法。
JP2000306090A 2000-10-05 2000-10-05 平版印刷方法 Expired - Fee Related JP4132628B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000306090A JP4132628B2 (ja) 2000-10-05 2000-10-05 平版印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000306090A JP4132628B2 (ja) 2000-10-05 2000-10-05 平版印刷方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002103837A true JP2002103837A (ja) 2002-04-09
JP4132628B2 JP4132628B2 (ja) 2008-08-13

Family

ID=18786838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000306090A Expired - Fee Related JP4132628B2 (ja) 2000-10-05 2000-10-05 平版印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4132628B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005262533A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷方法
WO2011122378A1 (ja) * 2010-03-30 2011-10-06 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
KR20170108876A (ko) * 2016-03-17 2017-09-27 도오꾜오까고오교 가부시끼가이샤 표면 처리 방법, 대전 방지제 및 친수화 처리제

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005262533A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷方法
JP4505242B2 (ja) * 2004-03-17 2010-07-21 富士フイルム株式会社 平版印刷方法
WO2011122378A1 (ja) * 2010-03-30 2011-10-06 富士フイルム株式会社 平版印刷版の製版方法
KR20170108876A (ko) * 2016-03-17 2017-09-27 도오꾜오까고오교 가부시끼가이샤 표면 처리 방법, 대전 방지제 및 친수화 처리제
KR102486068B1 (ko) * 2016-03-17 2023-01-06 도오꾜오까고오교 가부시끼가이샤 표면 처리 방법, 대전 방지제 및 친수화 처리제

Also Published As

Publication number Publication date
JP4132628B2 (ja) 2008-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002079772A (ja) 平版印刷版用原版及びそれを用いた平版印刷版の製版、印刷方法
JP2001277740A (ja) 平版印刷版用原版
JP2001277742A (ja) 平版印刷版用原版
US7198876B2 (en) Method of preparation of lithographic printing plates
JP2001293971A (ja) 平版印刷版用原版
JP4307786B2 (ja) 平版印刷版の作製方法
JP2002351088A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP4132628B2 (ja) 平版印刷方法
JP2001315452A (ja) 平版印刷用原板
JP4764892B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2003316021A (ja) 平版印刷版の作製方法
JP2002103836A (ja) 平版印刷方法
JP4991682B2 (ja) 平版印刷版の作製方法
JP4067261B2 (ja) 機上現像型平版印刷用原板
JP2002079773A (ja) 平版印刷版用原版及びそれを用いた平版印刷版の製版、印刷方法
JP2001213062A (ja) 平版印刷用原板
JP4208380B2 (ja) 平版印刷版用原版
JP2002331768A (ja) 平版印刷版用原版及び印刷方法
JP2009058969A (ja) 平版印刷版の作製方法
JP2001281852A (ja) 平版印刷用原板
JP2002029136A (ja) 平版印刷方法
JP2001341448A (ja) 平版印刷版用原版
JP5172644B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2002144693A (ja) 平版印刷方法
JP2001347766A (ja) 平版印刷版用原版

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050907

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080513

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080602

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees