JP2002103765A - 多孔質ゴム印字体 - Google Patents
多孔質ゴム印字体Info
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- JP2002103765A JP2002103765A JP2000295966A JP2000295966A JP2002103765A JP 2002103765 A JP2002103765 A JP 2002103765A JP 2000295966 A JP2000295966 A JP 2000295966A JP 2000295966 A JP2000295966 A JP 2000295966A JP 2002103765 A JP2002103765 A JP 2002103765A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、気泡の均一性を保持しつつ連泡性
を向上させ、強度を低下させることなく硬度を下げるこ
とのできる多孔質ゴム印字体を提供する。 【解決手段】 少なくとも、未加硫ゴム、水溶性微粉
末、加硫剤、充填剤、及び、2.0mm以下に粉砕した
加硫済み多孔質ゴムを混練してマスターバッチとし、こ
れを加硫したのち水溶性微粉末を除去して得られる連続
気泡を有する多孔質ゴム印字体、及び、前記マスターバ
ッチ全量に対し、前記加硫済み多孔質ゴムを0.1〜3
0重量%配合して得られる連続気泡を有する多孔質ゴム
印字体。
を向上させ、強度を低下させることなく硬度を下げるこ
とのできる多孔質ゴム印字体を提供する。 【解決手段】 少なくとも、未加硫ゴム、水溶性微粉
末、加硫剤、充填剤、及び、2.0mm以下に粉砕した
加硫済み多孔質ゴムを混練してマスターバッチとし、こ
れを加硫したのち水溶性微粉末を除去して得られる連続
気泡を有する多孔質ゴム印字体、及び、前記マスターバ
ッチ全量に対し、前記加硫済み多孔質ゴムを0.1〜3
0重量%配合して得られる連続気泡を有する多孔質ゴム
印字体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク内蔵タイプのゴ
ム印に使用される連続気泡を有する多孔質ゴム印字体に
関するものである。
ム印に使用される連続気泡を有する多孔質ゴム印字体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】無数の連続気泡を有する多孔質ゴムを印
材として使用することにより、使用の都度スタンプ台を
使用することなく連続捺印できるようにした印判は広く
使用されており、本出願人から特公昭59−2819
3、特公昭59−29606等が開示されている。この
ような多孔質ゴム体は、比較的高粘度の顔料インキであ
っても、多量のインキを含有することができ、かつ、良
好なインキ吐出量を誇っている。しかし、従前の多孔質
ゴム印字体は、気泡の形成及び気泡と気泡をつなぐ接続
路の形成に寄与する水溶性塩微粉末や水溶性デンプンの
粒子の大きさ及び配合量に限界があったので、気泡の大
きさや接続路の数(以下、「連泡性」と称す)が制限を
受け、インキ含有量やインキ吐出量に影響を与えてい
た。水溶性塩微粉末や水溶性デンプンの粒子の大きさ及
び配合量を限界値以上配合すると一つ一つの気泡は大き
くなり硬度も低下するが、連泡性は向上せず、また気泡
の均一性が崩れ多孔質ゴム全体の強度が低下してしまう
欠点が生じていた。そこで、本発明者は加硫済み多孔質
ゴムを混合することで、上記欠点を解決できることを見
い出し、本発明を完成した。
材として使用することにより、使用の都度スタンプ台を
使用することなく連続捺印できるようにした印判は広く
使用されており、本出願人から特公昭59−2819
3、特公昭59−29606等が開示されている。この
ような多孔質ゴム体は、比較的高粘度の顔料インキであ
っても、多量のインキを含有することができ、かつ、良
好なインキ吐出量を誇っている。しかし、従前の多孔質
ゴム印字体は、気泡の形成及び気泡と気泡をつなぐ接続
路の形成に寄与する水溶性塩微粉末や水溶性デンプンの
粒子の大きさ及び配合量に限界があったので、気泡の大
きさや接続路の数(以下、「連泡性」と称す)が制限を
受け、インキ含有量やインキ吐出量に影響を与えてい
た。水溶性塩微粉末や水溶性デンプンの粒子の大きさ及
び配合量を限界値以上配合すると一つ一つの気泡は大き
くなり硬度も低下するが、連泡性は向上せず、また気泡
の均一性が崩れ多孔質ゴム全体の強度が低下してしまう
欠点が生じていた。そこで、本発明者は加硫済み多孔質
ゴムを混合することで、上記欠点を解決できることを見
い出し、本発明を完成した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、気泡の均一
性を保持しつつ連泡性を向上させ、強度を低下させるこ
となく硬度を下げることのできる多孔質ゴム印字体を提
供する。
性を保持しつつ連泡性を向上させ、強度を低下させるこ
となく硬度を下げることのできる多孔質ゴム印字体を提
供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】少なくとも、未加硫ゴ
ム、水溶性微粉末、加硫剤、充填剤、及び、2.0mm
以下に粉砕した加硫済み多孔質ゴムを混練してマスター
バッチとし、前記マスターバッチを加硫したのち水溶性
微粉末を除去して得られる連続気泡を有する多孔質ゴム
印字体、及び、前記マスターバッチ全量に対し、前記加
硫済み多孔質ゴムを0.1〜30重量%配合して得られ
る連続気泡を有する多孔質ゴム印字体。
ム、水溶性微粉末、加硫剤、充填剤、及び、2.0mm
以下に粉砕した加硫済み多孔質ゴムを混練してマスター
バッチとし、前記マスターバッチを加硫したのち水溶性
微粉末を除去して得られる連続気泡を有する多孔質ゴム
印字体、及び、前記マスターバッチ全量に対し、前記加
硫済み多孔質ゴムを0.1〜30重量%配合して得られ
る連続気泡を有する多孔質ゴム印字体。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。はじめ
に、本発明において使用する加硫済み多孔質ゴムについ
て説明する。加硫済み多孔質ゴムを作成するにあたって
用いる原料としては、少なくとも、ゴム、水溶性微粉
末、加硫剤、充填剤を用いる。使用することができるゴ
ムとしては、分子量約1万〜10万程度(JIS K6
300ムーニー粘度=約70〜95)の天然ゴム又は合
成ゴムをあげることができる。合成ゴムとしては、ブタ
ジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニト
リル共重合体、クロロプレン、ポリウレタンゴム等が使
用できる。特に、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体(ニトリル含量31〜42%)は、耐油性、耐老化
性、弾性および靭性に優れているので、ゴム印材料とし
て最適である。使用することができる水溶性微粉末とし
ては、塩、糖などの微粉末をあげることができる。塩
は、微粉末化し易く、ゴムの硬化温度(110℃〜16
0℃)において分解ガス化せず、かつ、加熱後は水によ
って容易に除去できる無機化合物をいい、具体的には塩
化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどの
塩が用いられる。直径は、通常32〜350メッシュ
(0.044〜0.498mm)のものを使用し、その
使用比率はゴム100部に対し約200〜1200部用
いられ、特に400〜600部が好ましく用いられる。
糖は、ペントースやヘキトースなどの単糖類、サッカロ
ースやマルトースなどの二糖類、デンプンやグリコーゲ
ンなどの多糖類のいずれも使用でき、更に、これらを併
用して使用することもできる。粒径は、通常150メッ
シュパス(0.010〜0.103mm)のものを使用
する。中でも特に、バレイショデンプンが可溶性におい
て優れているうえ、均一な所要粒径を有する粉末が容易
に得られ、また、安価であるため好ましく使用される。
使用比率は、ゴム100部に対し、約50〜300部で
あり、好ましくは100〜200部である。これらの糖
は、硬化の際、熱の影響をうけて膨潤し、含量した微量
水分をガスとして発生する。そして、このガスが一種の
発泡剤的作用をなして気泡形成に良い結果を与える。水
溶性微粉末は、塩と糖をそれぞれ単独で用いてもよい
し、併用して用いてもよく、用途によって適宜選択すれ
ばよい。併用する場合には、塩と糖の配合重量比は9:
1ないし3:1程度がよく、特に4:1の割合で使用す
るのが好ましい。本発明において、塩と糖の配合重量比
をこのような範囲にする理由は、糖の量が多すぎると加
熱硬化の際に水分および炭酸ガスの発生が多くなって、
これらが気泡を作りすぎて多孔質ゴムの気泡が不均一に
なるおそれがあり、また糖自体の分解が進行しすぎて金
型内で硬化すべき混合物が成型不能となるおそれもある
からである。他方、逆に糖の量が少なすぎると塩粒子相
互間に糖粒子が適確に介在せず、糖の効果が充分発揮で
きない。使用することができる加硫剤としては、硫黄、
セレン、テルル、塩化イオウなどの公知の加硫剤をあげ
ることができ、その使用比率はゴム100部に対して約
2〜5部が使用でき、3〜4部が特に好ましい。使用す
ることができる充填剤としては、公知のカ−ボンブラッ
ク、微粉ケイ酸、人工ケイ酸塩、炭酸カルシルムなどを
あげることができ、とりわけカ−ボンブラックは使用ゴ
ムと強力な結合をし補強的作用をするので好ましい。そ
の使用比率はゴム100部に対して約40〜60部であ
り、45〜55部の範囲は特に好ましい。さらにはゴム
製造で通常使用されている添加物を使用することができ
る。例えば、アミン系の老化防止剤、ワセリン、可塑剤
などの軟化剤、亜鉛華などの硬化助剤、グアニジン系の
硬化促進剤などを有効量添加することができる。また、
有機系合成繊維を適量添加することもできる。有機系合
成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポ
リアクリロニトリル繊維、アクリル系繊維、ナイロン6
・ナイロン6/6・ナイロン4/6・ナイロン6/10
・ナイロン11等の脂肪族ポリアミド繊維、ポリプロピ
レン繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊
維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポ
リウレタン繊維、ポリアルキルパラオキシベンゾエート
繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、アラミド繊
維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ−p−フェニレン
ベンゾビスチアゾール繊維、ポリ−p−フェニレンベン
ズビスオキサゾール繊維、ポリベンズイミダゾール繊
維、ポリオキシメチレン繊維などを用いることができ、
繊維長0.2〜2mmとしたステープルが用いられる。
また、これらの有機系合成繊維は、特に繊度0.1〜1
00dのものが好ましく用いられる。
に、本発明において使用する加硫済み多孔質ゴムについ
て説明する。加硫済み多孔質ゴムを作成するにあたって
用いる原料としては、少なくとも、ゴム、水溶性微粉
末、加硫剤、充填剤を用いる。使用することができるゴ
ムとしては、分子量約1万〜10万程度(JIS K6
300ムーニー粘度=約70〜95)の天然ゴム又は合
成ゴムをあげることができる。合成ゴムとしては、ブタ
ジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニト
リル共重合体、クロロプレン、ポリウレタンゴム等が使
用できる。特に、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体(ニトリル含量31〜42%)は、耐油性、耐老化
性、弾性および靭性に優れているので、ゴム印材料とし
て最適である。使用することができる水溶性微粉末とし
ては、塩、糖などの微粉末をあげることができる。塩
は、微粉末化し易く、ゴムの硬化温度(110℃〜16
0℃)において分解ガス化せず、かつ、加熱後は水によ
って容易に除去できる無機化合物をいい、具体的には塩
化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどの
塩が用いられる。直径は、通常32〜350メッシュ
(0.044〜0.498mm)のものを使用し、その
使用比率はゴム100部に対し約200〜1200部用
いられ、特に400〜600部が好ましく用いられる。
糖は、ペントースやヘキトースなどの単糖類、サッカロ
ースやマルトースなどの二糖類、デンプンやグリコーゲ
ンなどの多糖類のいずれも使用でき、更に、これらを併
用して使用することもできる。粒径は、通常150メッ
シュパス(0.010〜0.103mm)のものを使用
する。中でも特に、バレイショデンプンが可溶性におい
て優れているうえ、均一な所要粒径を有する粉末が容易
に得られ、また、安価であるため好ましく使用される。
使用比率は、ゴム100部に対し、約50〜300部で
あり、好ましくは100〜200部である。これらの糖
は、硬化の際、熱の影響をうけて膨潤し、含量した微量
水分をガスとして発生する。そして、このガスが一種の
発泡剤的作用をなして気泡形成に良い結果を与える。水
溶性微粉末は、塩と糖をそれぞれ単独で用いてもよい
し、併用して用いてもよく、用途によって適宜選択すれ
ばよい。併用する場合には、塩と糖の配合重量比は9:
1ないし3:1程度がよく、特に4:1の割合で使用す
るのが好ましい。本発明において、塩と糖の配合重量比
をこのような範囲にする理由は、糖の量が多すぎると加
熱硬化の際に水分および炭酸ガスの発生が多くなって、
これらが気泡を作りすぎて多孔質ゴムの気泡が不均一に
なるおそれがあり、また糖自体の分解が進行しすぎて金
型内で硬化すべき混合物が成型不能となるおそれもある
からである。他方、逆に糖の量が少なすぎると塩粒子相
互間に糖粒子が適確に介在せず、糖の効果が充分発揮で
きない。使用することができる加硫剤としては、硫黄、
セレン、テルル、塩化イオウなどの公知の加硫剤をあげ
ることができ、その使用比率はゴム100部に対して約
2〜5部が使用でき、3〜4部が特に好ましい。使用す
ることができる充填剤としては、公知のカ−ボンブラッ
ク、微粉ケイ酸、人工ケイ酸塩、炭酸カルシルムなどを
あげることができ、とりわけカ−ボンブラックは使用ゴ
ムと強力な結合をし補強的作用をするので好ましい。そ
の使用比率はゴム100部に対して約40〜60部であ
り、45〜55部の範囲は特に好ましい。さらにはゴム
製造で通常使用されている添加物を使用することができ
る。例えば、アミン系の老化防止剤、ワセリン、可塑剤
などの軟化剤、亜鉛華などの硬化助剤、グアニジン系の
硬化促進剤などを有効量添加することができる。また、
有機系合成繊維を適量添加することもできる。有機系合
成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポ
リアクリロニトリル繊維、アクリル系繊維、ナイロン6
・ナイロン6/6・ナイロン4/6・ナイロン6/10
・ナイロン11等の脂肪族ポリアミド繊維、ポリプロピ
レン繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊
維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポ
リウレタン繊維、ポリアルキルパラオキシベンゾエート
繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、アラミド繊
維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ−p−フェニレン
ベンゾビスチアゾール繊維、ポリ−p−フェニレンベン
ズビスオキサゾール繊維、ポリベンズイミダゾール繊
維、ポリオキシメチレン繊維などを用いることができ、
繊維長0.2〜2mmとしたステープルが用いられる。
また、これらの有機系合成繊維は、特に繊度0.1〜1
00dのものが好ましく用いられる。
【0006】次に、加硫済み多孔質ゴムの製造方法につ
いて説明する。上記、各種原料を混練機に入れ混練す
る。次に、金型に入れ、10分〜1時間、約110℃〜
160℃の温度下で加熱硬化させる。加熱手段として
は、公知のものが使用可能である。例えば電熱加熱や蒸
気加熱を利用できる。次に、金型より取り出し、冷水ま
たは温水を使用して圧縮と膨張復元をくり返しつつ、水
溶性微粉末の洗い出しを行なう。そうすると連続気泡を
有する加硫された多孔質ゴムが得られる。このようにし
て得られた多孔質ゴムを2.0mm以下に切断すると、
本発明に用いる加硫済み多孔質ゴムを得ることができ
る。
いて説明する。上記、各種原料を混練機に入れ混練す
る。次に、金型に入れ、10分〜1時間、約110℃〜
160℃の温度下で加熱硬化させる。加熱手段として
は、公知のものが使用可能である。例えば電熱加熱や蒸
気加熱を利用できる。次に、金型より取り出し、冷水ま
たは温水を使用して圧縮と膨張復元をくり返しつつ、水
溶性微粉末の洗い出しを行なう。そうすると連続気泡を
有する加硫された多孔質ゴムが得られる。このようにし
て得られた多孔質ゴムを2.0mm以下に切断すると、
本発明に用いる加硫済み多孔質ゴムを得ることができ
る。
【0007】次に、本発明の多孔質ゴム印字体について
説明する。本発明の多孔質ゴム印字体の原料としては、
少なくとも、未加硫ゴム、水溶性微粉末、加硫剤、充填
剤、及び、加硫済み多孔質ゴムを用いる。未加硫ゴム、
水溶性微粉末、加硫剤、充填剤は、前記加硫済み多孔質
ゴムを作成する際に用いるものと全く同じものを使用す
ることができる。未加硫ゴムとしては、分子量約1万〜
10万程度(JIS K6300ムーニー粘度=約70
〜95)の天然ゴム又は合成ゴムを用いることができ
る。合成ゴムとしては、ブタジエン−スチレン共重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、クロロプ
レン、ポリウレタンゴム等が使用できる。特に、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体(ニトリル含量31〜
42%)は、耐油性、耐老化性、弾性および靭性に優れ
ているので、ゴム印材料として最適である。水溶性微粉
末としては、塩、糖などの微粉末を用いることができ
る。塩は、微粉末化し易く、ゴムの硬化温度(110℃
〜160℃)において分解ガス化せず、かつ、加熱後は
水によって容易に除去できる無機化合物をいい、具体的
には塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム
などの塩が用いられる。直径は、通常32〜350メッ
シュ(0.044〜0.498mm)のものを使用し、
その使用比率はゴム100部に対し約200〜1200
部用いられ、特に400〜600部が好ましく用いられ
る。糖は、ペントースやヘキトースなどの単糖類、サッ
カロースやマルトースなどの二糖類、デンプンやグリコ
ーゲンなどの多糖類のいずれも使用でき、更に、これら
を併用して使用することもできる。粒径は、通常150
メッシュパス(0.010〜0.103mm)のものを
使用する。中でも特に、バレイショデンプンが可溶性に
おいて優れているうえ、均一な所要粒径を有する粉末が
容易に得られ、また、安価であるため好ましく使用され
る。使用比率は、ゴム100部に対し、約50〜300
部であり、好ましくは100〜200部である。これら
の糖は、硬化の際、熱の影響をうけて膨潤し、含量した
微量水分をガスとして発生する。そして、このガスが一
種の発泡剤的作用をなして気泡形成に良い結果を与え
る。本発明において水溶性微粉末は、塩と糖をそれぞれ
単独で用いてもよいし、併用して用いてもよく、用途に
よって適宜選択すればよい。併用する場合には、塩と糖
の配合重量比は9:1ないし3:1程度がよく、特に
4:1の割合で使用するのが好ましい。本発明におい
て、塩と糖の配合重量比をこのような範囲にする理由
は、糖の量が多すぎると加熱硬化の際に水分および炭酸
ガスの発生が多くなって、これらが気泡を作りすぎて多
孔質ゴムの気泡が不均一になるおそれがあり、また糖自
体の分解が進行しすぎて金型内で硬化すべき混合物が成
型不能となるおそれもあるからである。他方、逆に糖の
量が少なすぎると塩粒子相互間に糖粒子が適確に介在せ
ず、糖の効果が充分発揮できない。加硫剤としては、硫
黄、セレン、テルル、塩化イオウなどの公知の加硫剤を
用いることができ、その使用比率はゴム100部に対し
て約2〜5部が使用でき、3〜4部が特に好ましい。充
填剤としては、公知のカ−ボンブラック、微粉ケイ酸、
人工ケイ酸塩、炭酸カルシルムなどを用いることがで
き、とりわけカ−ボンブラックは使用ゴムと強力な結合
をし補強的作用をするので好ましい。その使用比率はゴ
ム100部に対して約40〜60部であり、45〜55
部の範囲は特に好ましい。更に、2.0mmに切断した
前記加硫済み多孔質ゴムが用いるが、マスターバッチの
全量に対し、0.1〜30重量%を配合することができ
る。特に好ましい範囲は1〜20重量%である。また、
本発明においては、ゴム製造で通常使用されている添加
物を使用することができる。例えば、アミン系の老化防
止剤、ワセリン、可塑剤などの軟化剤、亜鉛華などの硬
化助剤、グアニジン系の硬化促進剤などを有効量添加す
ることができる。また、有機系合成繊維を適量添加する
こともできる。有機系合成繊維としては、ポリエチレン
テレフタレート繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アク
リル系繊維、ナイロン6・ナイロン6/6・ナイロン4
/6・ナイロン6/10・ナイロン11等の脂肪族ポリ
アミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、
ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ
塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアルキル
パラオキシベンゾエート繊維、ポリテトラフルオロエチ
レン繊維、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、
ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール繊維、ポリ
−p−フェニレンベンズビスオキサゾール繊維、ポリベ
ンズイミダゾール繊維、ポリオキシメチレン繊維などを
用いることができ、繊維長0.2〜2mmとしたステー
プルが用いられる。また、これらの有機系合成繊維は、
特に繊度0.1〜100dのものが好ましく用いられ
る。
説明する。本発明の多孔質ゴム印字体の原料としては、
少なくとも、未加硫ゴム、水溶性微粉末、加硫剤、充填
剤、及び、加硫済み多孔質ゴムを用いる。未加硫ゴム、
水溶性微粉末、加硫剤、充填剤は、前記加硫済み多孔質
ゴムを作成する際に用いるものと全く同じものを使用す
ることができる。未加硫ゴムとしては、分子量約1万〜
10万程度(JIS K6300ムーニー粘度=約70
〜95)の天然ゴム又は合成ゴムを用いることができ
る。合成ゴムとしては、ブタジエン−スチレン共重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、クロロプ
レン、ポリウレタンゴム等が使用できる。特に、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体(ニトリル含量31〜
42%)は、耐油性、耐老化性、弾性および靭性に優れ
ているので、ゴム印材料として最適である。水溶性微粉
末としては、塩、糖などの微粉末を用いることができ
る。塩は、微粉末化し易く、ゴムの硬化温度(110℃
〜160℃)において分解ガス化せず、かつ、加熱後は
水によって容易に除去できる無機化合物をいい、具体的
には塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム
などの塩が用いられる。直径は、通常32〜350メッ
シュ(0.044〜0.498mm)のものを使用し、
その使用比率はゴム100部に対し約200〜1200
部用いられ、特に400〜600部が好ましく用いられ
る。糖は、ペントースやヘキトースなどの単糖類、サッ
カロースやマルトースなどの二糖類、デンプンやグリコ
ーゲンなどの多糖類のいずれも使用でき、更に、これら
を併用して使用することもできる。粒径は、通常150
メッシュパス(0.010〜0.103mm)のものを
使用する。中でも特に、バレイショデンプンが可溶性に
おいて優れているうえ、均一な所要粒径を有する粉末が
容易に得られ、また、安価であるため好ましく使用され
る。使用比率は、ゴム100部に対し、約50〜300
部であり、好ましくは100〜200部である。これら
の糖は、硬化の際、熱の影響をうけて膨潤し、含量した
微量水分をガスとして発生する。そして、このガスが一
種の発泡剤的作用をなして気泡形成に良い結果を与え
る。本発明において水溶性微粉末は、塩と糖をそれぞれ
単独で用いてもよいし、併用して用いてもよく、用途に
よって適宜選択すればよい。併用する場合には、塩と糖
の配合重量比は9:1ないし3:1程度がよく、特に
4:1の割合で使用するのが好ましい。本発明におい
て、塩と糖の配合重量比をこのような範囲にする理由
は、糖の量が多すぎると加熱硬化の際に水分および炭酸
ガスの発生が多くなって、これらが気泡を作りすぎて多
孔質ゴムの気泡が不均一になるおそれがあり、また糖自
体の分解が進行しすぎて金型内で硬化すべき混合物が成
型不能となるおそれもあるからである。他方、逆に糖の
量が少なすぎると塩粒子相互間に糖粒子が適確に介在せ
ず、糖の効果が充分発揮できない。加硫剤としては、硫
黄、セレン、テルル、塩化イオウなどの公知の加硫剤を
用いることができ、その使用比率はゴム100部に対し
て約2〜5部が使用でき、3〜4部が特に好ましい。充
填剤としては、公知のカ−ボンブラック、微粉ケイ酸、
人工ケイ酸塩、炭酸カルシルムなどを用いることがで
き、とりわけカ−ボンブラックは使用ゴムと強力な結合
をし補強的作用をするので好ましい。その使用比率はゴ
ム100部に対して約40〜60部であり、45〜55
部の範囲は特に好ましい。更に、2.0mmに切断した
前記加硫済み多孔質ゴムが用いるが、マスターバッチの
全量に対し、0.1〜30重量%を配合することができ
る。特に好ましい範囲は1〜20重量%である。また、
本発明においては、ゴム製造で通常使用されている添加
物を使用することができる。例えば、アミン系の老化防
止剤、ワセリン、可塑剤などの軟化剤、亜鉛華などの硬
化助剤、グアニジン系の硬化促進剤などを有効量添加す
ることができる。また、有機系合成繊維を適量添加する
こともできる。有機系合成繊維としては、ポリエチレン
テレフタレート繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アク
リル系繊維、ナイロン6・ナイロン6/6・ナイロン4
/6・ナイロン6/10・ナイロン11等の脂肪族ポリ
アミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、
ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ
塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアルキル
パラオキシベンゾエート繊維、ポリテトラフルオロエチ
レン繊維、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、
ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール繊維、ポリ
−p−フェニレンベンズビスオキサゾール繊維、ポリベ
ンズイミダゾール繊維、ポリオキシメチレン繊維などを
用いることができ、繊維長0.2〜2mmとしたステー
プルが用いられる。また、これらの有機系合成繊維は、
特に繊度0.1〜100dのものが好ましく用いられ
る。
【0008】次に、本発明の多孔質ゴム印字体の製造方
法について説明する。上記の各種原料(未加硫ゴム、水
溶性微粉末、加硫剤、充填剤、加硫済み多孔質ゴム)を
混練機に入れ混練し、マスターバッチとする。次に、マ
スターバッチを金型内に入れ、10分〜1時間、約11
0℃〜160℃の温度下で加熱硬化させる。加熱手段と
しては、公知のものが使用可能である。例えば電熱加熱
や蒸気加熱を利用できる。次に、金型より取り出し、冷
水または温水を使用して圧縮と膨張復元をくり返しつ
つ、水溶性微粉末の洗い出しを行なう。このようにし
て、多孔質ゴム印字体が得られる。本発明の多孔質ゴム
印字体は、単層のゴム印字体としてだけでなく、上層
(インキ保持部)と下層(印字体)の2層からなるゴム
印字体の上層(インキ保持部)及び/又は下層(印字
体)としても使用することができる。ただし、上層用水
溶性微粉末は下層用水溶性微粉末よりやや大きいものを
用いている。こうすると上層の気泡径が下層の気泡径よ
り大きくなるので、インキを含浸させると、毛細管現象
により、下層へ安定したインキ供給が可能となるからで
ある。
法について説明する。上記の各種原料(未加硫ゴム、水
溶性微粉末、加硫剤、充填剤、加硫済み多孔質ゴム)を
混練機に入れ混練し、マスターバッチとする。次に、マ
スターバッチを金型内に入れ、10分〜1時間、約11
0℃〜160℃の温度下で加熱硬化させる。加熱手段と
しては、公知のものが使用可能である。例えば電熱加熱
や蒸気加熱を利用できる。次に、金型より取り出し、冷
水または温水を使用して圧縮と膨張復元をくり返しつ
つ、水溶性微粉末の洗い出しを行なう。このようにし
て、多孔質ゴム印字体が得られる。本発明の多孔質ゴム
印字体は、単層のゴム印字体としてだけでなく、上層
(インキ保持部)と下層(印字体)の2層からなるゴム
印字体の上層(インキ保持部)及び/又は下層(印字
体)としても使用することができる。ただし、上層用水
溶性微粉末は下層用水溶性微粉末よりやや大きいものを
用いている。こうすると上層の気泡径が下層の気泡径よ
り大きくなるので、インキを含浸させると、毛細管現象
により、下層へ安定したインキ供給が可能となるからで
ある。
【0009】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明はこれら実施例により何
等限定されるものではない。 (実施例1)合成ゴム(NBR)100部、硫黄5部、
亜鉛華5部、硬化促進剤5部、液状ゴム(低重合NBR
分子量)・ワセリン・DBP等からなる軟化剤30部、
カーボンブラック50部、老化防止剤2部、粒径0.1
49〜0.176mmの塩化ナトリウム微粉末850部
を混練し、これを金型に充填して150℃で15分間加
熱硬化した後、離型して塩化ナトリウムを水洗して完全
に除去し、脱水乾燥して多孔質ゴムを得た。この多孔質
ゴムを2.0mm以下(平均粒径0.50mm)に切断
しておく。次に、合成ゴム(NBR)100部、硫黄5
部、亜鉛華5部、硬化促進剤5部、液状ゴム(低重合N
BR分子量)・ワセリン・DBP等からなる軟化剤30
部、カーボンブラック50部、老化防止剤2部、粒径
0.149〜0.176mmの塩化ナトリウム微粉末8
50部、前記2.0mm以下に切断した多孔質ゴム5部
を加え混練してマスターバッチを作成する。これを金型
に充填して挟圧し、150℃で15分間加熱硬化した
後、離型して塩化ナトリウムを水洗して完全に除去し、
脱水乾燥して多孔質ゴム印字体を得た。このようにして
得られた多孔質ゴム印字体に500〜2000cps
(25℃)の高粘度の顔料系インキを吸蔵させて捺印し
たところ、インキ吸蔵量も充分で、にじみやかすれのな
い鮮明な捺印を長期間にわたって行なうことができた。
明する。しかしながら、本発明はこれら実施例により何
等限定されるものではない。 (実施例1)合成ゴム(NBR)100部、硫黄5部、
亜鉛華5部、硬化促進剤5部、液状ゴム(低重合NBR
分子量)・ワセリン・DBP等からなる軟化剤30部、
カーボンブラック50部、老化防止剤2部、粒径0.1
49〜0.176mmの塩化ナトリウム微粉末850部
を混練し、これを金型に充填して150℃で15分間加
熱硬化した後、離型して塩化ナトリウムを水洗して完全
に除去し、脱水乾燥して多孔質ゴムを得た。この多孔質
ゴムを2.0mm以下(平均粒径0.50mm)に切断
しておく。次に、合成ゴム(NBR)100部、硫黄5
部、亜鉛華5部、硬化促進剤5部、液状ゴム(低重合N
BR分子量)・ワセリン・DBP等からなる軟化剤30
部、カーボンブラック50部、老化防止剤2部、粒径
0.149〜0.176mmの塩化ナトリウム微粉末8
50部、前記2.0mm以下に切断した多孔質ゴム5部
を加え混練してマスターバッチを作成する。これを金型
に充填して挟圧し、150℃で15分間加熱硬化した
後、離型して塩化ナトリウムを水洗して完全に除去し、
脱水乾燥して多孔質ゴム印字体を得た。このようにして
得られた多孔質ゴム印字体に500〜2000cps
(25℃)の高粘度の顔料系インキを吸蔵させて捺印し
たところ、インキ吸蔵量も充分で、にじみやかすれのな
い鮮明な捺印を長期間にわたって行なうことができた。
【0010】(実施例2)合成ゴム(NBR)100
部、硫黄5部、亜鉛華5部、硬化促進剤5部、液状ゴム
(低重合NBR分子量)・ワセリン・DBP等からなる
軟化剤30部、カーボンブラック50部、老化防止剤2
部、粒径0.149〜0.176mmの塩化ナトリウム
微粉末850部を混練し、これを金型に充填して150
℃で15分間加熱硬化した後、離型して塩化ナトリウム
を水洗して完全に除去し、脱水乾燥して多孔質ゴムを得
た。この多孔質ゴムを2.0mm以下(平均粒径0.5
0mm)に切断しておく。次に、合成ゴム(NBR)1
00部に対し、硫黄5部、亜鉛華5部、硬化促進剤5
部、液状ゴム(低重合NBR)・ワセリン・DBP等か
らなる軟化剤30部、カーボンブラック50部、老化防
止剤2部、粒径0.044〜0.074mmの塩化ナト
リウム400部、粒径0.010〜0.074mmのバ
レイショデンプン100部、繊維長0.9mm、直径
0.011mmのアラミド繊維10部を加え混練してマ
スターバッチAとし、これを厚さ2mmの平板状のシー
トAとする。これとは別に、合成ゴム(NBR)100
部に対し、硫黄5部、亜鉛華5部、硬化促進剤5部、液
状ゴム(低重合NBR)・ワセリン・DBP等からなる
軟化剤30部、カーボンブラック50部、老化防止剤2
部、粒径0.149〜0.498mmの塩化ナトリウム
800部、繊維長1.1mm・直径0.013mmのア
ラミド繊維10部を極高NBRで処理して10phrと
したもの、前記2.0mm以下(平均粒径0.50m
m)に切断した多孔質ゴム10部を混練してマスターバ
ッチBとし、これを厚さ5mmの平板状のシートBとす
る。次に、シートA上にシートBを重ね合わせて内底面
に凹凸文字を形成した金型内に収容する。次いで、20
0kg/cm2程度の圧力を加えて、シートAが凹凸文
字に圧接した状態として熱盤間に挟圧し、150℃の温
度下で15分間硬化した。硬化後離型して塩化ナトリウ
ムおよびデンプンが完全に除去されるまで、充分に水洗
し、脱水乾燥してゴム印とした。このようにして製造さ
れたゴム印は、シートAとシートBが一体化した印字体
となり、シートAが印字体、シートBがインキ保持部と
なる。こうして得られた多孔質ゴム印字体に500〜2
000cps(25℃)の高粘度の顔料系インキをイン
キ保持部(シートB側)から含浸させれば、多量のイン
キを吸蔵すると共に、この吸蔵インキは遂次印字体(シ
ートA側)の印面にまで浸透することとなるから、当該
印面を紙面等に軽く押圧すれば捺印することができる。
この際、印面を形成する部分は、その周囲に形成された
微細な無数の気泡を有し、この気泡は広い接続路によっ
て連通されているので、紙面等に押圧することにより、
捺印に必要な少量の高粘性インキが均等に浸出し、繊細
な文字または図形等が鮮明に捺印される。またインキは
常にインキ保持部(シートB側)から供給されるので、
このゴム印はインキを補給することなく長期間にわたっ
て使用できる。実施例2の多孔質ゴム印字体を用いて捺
印したところ、にじみやかすれにない鮮明な捺印を長期
間にわたって行うことができた。
部、硫黄5部、亜鉛華5部、硬化促進剤5部、液状ゴム
(低重合NBR分子量)・ワセリン・DBP等からなる
軟化剤30部、カーボンブラック50部、老化防止剤2
部、粒径0.149〜0.176mmの塩化ナトリウム
微粉末850部を混練し、これを金型に充填して150
℃で15分間加熱硬化した後、離型して塩化ナトリウム
を水洗して完全に除去し、脱水乾燥して多孔質ゴムを得
た。この多孔質ゴムを2.0mm以下(平均粒径0.5
0mm)に切断しておく。次に、合成ゴム(NBR)1
00部に対し、硫黄5部、亜鉛華5部、硬化促進剤5
部、液状ゴム(低重合NBR)・ワセリン・DBP等か
らなる軟化剤30部、カーボンブラック50部、老化防
止剤2部、粒径0.044〜0.074mmの塩化ナト
リウム400部、粒径0.010〜0.074mmのバ
レイショデンプン100部、繊維長0.9mm、直径
0.011mmのアラミド繊維10部を加え混練してマ
スターバッチAとし、これを厚さ2mmの平板状のシー
トAとする。これとは別に、合成ゴム(NBR)100
部に対し、硫黄5部、亜鉛華5部、硬化促進剤5部、液
状ゴム(低重合NBR)・ワセリン・DBP等からなる
軟化剤30部、カーボンブラック50部、老化防止剤2
部、粒径0.149〜0.498mmの塩化ナトリウム
800部、繊維長1.1mm・直径0.013mmのア
ラミド繊維10部を極高NBRで処理して10phrと
したもの、前記2.0mm以下(平均粒径0.50m
m)に切断した多孔質ゴム10部を混練してマスターバ
ッチBとし、これを厚さ5mmの平板状のシートBとす
る。次に、シートA上にシートBを重ね合わせて内底面
に凹凸文字を形成した金型内に収容する。次いで、20
0kg/cm2程度の圧力を加えて、シートAが凹凸文
字に圧接した状態として熱盤間に挟圧し、150℃の温
度下で15分間硬化した。硬化後離型して塩化ナトリウ
ムおよびデンプンが完全に除去されるまで、充分に水洗
し、脱水乾燥してゴム印とした。このようにして製造さ
れたゴム印は、シートAとシートBが一体化した印字体
となり、シートAが印字体、シートBがインキ保持部と
なる。こうして得られた多孔質ゴム印字体に500〜2
000cps(25℃)の高粘度の顔料系インキをイン
キ保持部(シートB側)から含浸させれば、多量のイン
キを吸蔵すると共に、この吸蔵インキは遂次印字体(シ
ートA側)の印面にまで浸透することとなるから、当該
印面を紙面等に軽く押圧すれば捺印することができる。
この際、印面を形成する部分は、その周囲に形成された
微細な無数の気泡を有し、この気泡は広い接続路によっ
て連通されているので、紙面等に押圧することにより、
捺印に必要な少量の高粘性インキが均等に浸出し、繊細
な文字または図形等が鮮明に捺印される。またインキは
常にインキ保持部(シートB側)から供給されるので、
このゴム印はインキを補給することなく長期間にわたっ
て使用できる。実施例2の多孔質ゴム印字体を用いて捺
印したところ、にじみやかすれにない鮮明な捺印を長期
間にわたって行うことができた。
【0011】
【効果】多孔質ゴム印字体に、切断した加硫済み多孔質
ゴムを混合させたことにより、強度を低下させることな
く硬度を下げることができ、また、気泡の均一性を保持
したまま連泡性を向上することができた。硬度を低下さ
せることができたので、クッション性が向上し、特にイ
ンキ吸蔵体としての利用価値大である。
ゴムを混合させたことにより、強度を低下させることな
く硬度を下げることができ、また、気泡の均一性を保持
したまま連泡性を向上することができた。硬度を低下さ
せることができたので、クッション性が向上し、特にイ
ンキ吸蔵体としての利用価値大である。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも、未加硫ゴム、水溶性微粉
末、加硫剤、充填剤、及び、2.0mm以下に切断した
加硫済み多孔質ゴムを混練してマスターバッチとし、前
記マスターバッチを加硫したのち水溶性微粉末を除去し
て得られる連続気泡を有する多孔質ゴム印字体。 - 【請求項2】 前記マスターバッチに対し、前記加硫済
み多孔質ゴムを0.1〜30重量%配合したことを特徴
とする請求項1に記載の連続気泡を有する多孔質ゴム印
字体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000295966A JP2002103765A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 多孔質ゴム印字体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000295966A JP2002103765A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 多孔質ゴム印字体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002103765A true JP2002103765A (ja) | 2002-04-09 |
Family
ID=18778311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000295966A Pending JP2002103765A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 多孔質ゴム印字体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002103765A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5075633A (ja) * | 1973-11-09 | 1975-06-20 | ||
JPS5958037A (ja) * | 1982-09-28 | 1984-04-03 | Meiji Gomme Kasei:Kk | ゴム状弾性を有する多孔質体とその製造方法 |
JPH08230295A (ja) * | 1994-12-27 | 1996-09-10 | Shiyachihata Kogyo Kk | 連続気泡を有するスポンジゴム印字体 |
JPH10316766A (ja) * | 1997-05-15 | 1998-12-02 | Daidoji Tetsuya | ゴム材料の製造方法 |
-
2000
- 2000-09-28 JP JP2000295966A patent/JP2002103765A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5075633A (ja) * | 1973-11-09 | 1975-06-20 | ||
JPS5958037A (ja) * | 1982-09-28 | 1984-04-03 | Meiji Gomme Kasei:Kk | ゴム状弾性を有する多孔質体とその製造方法 |
JPH08230295A (ja) * | 1994-12-27 | 1996-09-10 | Shiyachihata Kogyo Kk | 連続気泡を有するスポンジゴム印字体 |
JPH10316766A (ja) * | 1997-05-15 | 1998-12-02 | Daidoji Tetsuya | ゴム材料の製造方法 |
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