JP2002103328A - 包材、包装袋、及び、包材の易開封加工方法 - Google Patents
包材、包装袋、及び、包材の易開封加工方法Info
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Abstract
形成する包材、その易開封加工方法の提供。 【解決手段】 二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムを含む包材により形成されたパウチ
であって、包材の一部分に、PETフィルムの融点より
も高温で加熱処理され、配向が崩れた加熱処理領域11
を有し、加熱処理領域と非加熱処理領域10との境界部
分に、PETフィルムの融点よりも低く、かつ、室温よ
りも高い温度で加熱処理された緩衝領域12を有する。
Description
ムを含む多層フィルムからなり、手で容易に引き裂いて
開封できる包装袋に用いられる包材、それを用いた包装
袋及び包材の易開封加工方法に関する。
せるため延伸により配向が与えられた配向性樹脂フィル
ムを含む多層フィルムが用いられている。しかし、この
ような配向性樹脂フィルムを積層した多層フィルムから
なる包材を使用した包装袋は、強度が高い反面、手で引
き裂いて開封することは困難であった。
術の一例が、実開昭59−87445号公報に記載され
ている。この公報記載の技術によれば、熱可塑性樹脂よ
りなるフィルムに熱処理を施すことによって、フィルム
の一部分に易切断性区域を形成している。これにより、
易切断性区域に沿ってフィルムを手で容易に引き裂くこ
とを可能にしている。
(A)に示すように、包装袋4に易切断性区域40を周
状に設けた場合は、易切断性区域40に沿って容易に開
封することができる。すなわち、開封の際の裂け目6
は、易切断性区域40内を横断的に進む。
性区域40を包装袋4の折り返し部分に沿って設けた場
合、引き裂き開始部分は易切断性部分であるが、易切断
性部分から非易切断性区域へ区域の境界を越して引き裂
くことになる。
との境界においては、包材の強度が急激に変化する。こ
のため、この境界を越して包装袋を引き裂くことが困難
となることがある。その結果、包装袋4の易切断性区域
40を進んできた裂け目6は、境界7に達すると、その
境界7を越さずに境界7に沿って曲がって進んでしまい
易いという問題点がある。また、図3の(C)に示すよ
うに、易切断性区域40を包装袋4の折り返し部分から
内方に突出して設けて特定部分から引き裂く場合も同様
の問題点がある。
たものであり、任意の位置から引き裂き易い包装袋、そ
れを形成する包材、その易開封加工方法の提供を目的と
する。
め、本発明の請求項1に係る包材によれば、配向性樹脂
フィルムを含む包材であって、当該包材の一部分に、配
向性樹脂フィルムの融点よりも高温で加熱処理され、当
該配向性樹脂フィルムの配向が崩れた加熱処理領域を有
し、加熱処理領域と、配向が崩れていない非加熱処理領
域との境界部分に、前記融点よりも低い温度で加熱処理
された緩衝領域を有する構成としてある。
非加熱処理領域との境界部分に緩衝領域を設けている。
緩衝領域では、融点まで加熱されていないので、配向が
完全には崩れてはいないが、部分的に崩れている。この
ため、緩衝領域の包材部分の強度は、加熱処理領域より
は高く、かつ、非加熱処理領域よりは低くなっている。
非加熱処理領域へ境界部分を超えて引き裂く際に、包材
の強度が急激に変化することを防ぐことができる。これ
により、境界部分で引き裂く方向が曲がることなく、容
易に境界部分を超えて引き裂くことができる。
領域は、加熱処理領域から離れるにしたがって、配向の
崩れる程度が小さくなっている構成としてある。このよ
うに、緩衝領域の配向の崩れる程度が変化すれば、加熱
処理領域から非加熱処理領域へより連続的に包材部分の
強度が変化する。これにより、境界部分を超えて、加熱
処理領域から非加熱処理領域へより円滑に引き裂くこと
ができる。
れば、配向性樹脂フィルムを含む包材により形成された
包装袋であって、包材の一部分に、前記配向性樹脂フィ
ルムの融点よりも高温で加熱処理され、当該配向性樹脂
フィルムの配向が崩れた加熱処理領域を有し、加熱処理
領域と、配向が崩れていない非加熱処理領域との境界部
分に、融点よりも低い温度で加熱処理された緩衝領域を
有する構成としてある。
非加熱処理領域との境界部分に緩衝領域を設けた包材に
より包装袋を形成している。このため、包装袋の加熱処
理領域の任意の位置から非加熱処理領域へ境界部分を超
えて引き裂く際に、包材の強度が急激に変化することを
防ぐことができる。これにより、境界部分で引き裂く方
向が曲がることなく、容易に境界部分を超えて引き裂く
ことができる。
処理領域が、包材の折り返し部分及び又はその近傍に設
けた構成としてある。これにより、折り返し部分の任意
の部分あるいは特定の部分から引き裂いて、包装体を容
易に開封することができる。
封加工方法によれば、配向性樹脂フィルムを含む包材の
一部分を、配向性樹脂フィルムの融点よりも高温に加熱
して加熱処理領域を形成するとともに、加熱処理領域と
非加熱処理領域との境界部分を、前記融点よりも低い温
度に加熱して緩衝領域を形成する方法としてある。
向性樹脂フィルムの配向が完全に崩れて強度が低下し、
緩衝領域では、配向が部分的に崩れ、強度が加熱処理領
域よりは高く、かつ、非加熱処理領域よりは低くなる。
このため、加熱処理領域の任意の位置から非加熱処理領
域へ境界部分を超えて引き裂く際に、包材の強度が急激
に変化することを防ぐことができる。これにより、境界
部分で引き裂く方向が曲がることなく、容易に境界部分
を超えて引き裂くことが可能となる。
領域形成の際に、当該緩衝領域に、加熱処理領域から離
れるにしたがって加熱温度が低くなるように、温度勾配
を与える方法としてある。このように温度勾配を与えて
緩衝領域を形成すれば、加熱処理領域から非加熱処理領
域へより連続的に包材部分の強度を変化させることがで
きる。これにより、境界部分を超えて、高温加熱処理領
域から非加熱処理領域へより円滑に引き裂くことが可能
となる。
処理領域及び緩衝領域の形成にあたり、加熱処理領域の
照射強度が一定で、緩衝領域の照射強度が加熱処理領域
から離れるにしたがって低下する照射強度分布を有する
レーザ光を包材に照射する方法としてある。このような
照射強度部分を有するレーザ光を照射すれば、容易に、
加熱処理領域及び緩衝領域を形成することができる。し
かも、緩衝領域に温度勾配を与えることができる。
成する包材、その易開封加工方法の実施の形態について
併せて説明する。まず、図1を参照して、実施形態にお
ける包材の易開封加工方法について説明する。
に、配向性樹脂フィルムを含む包材1を12m/秒の速
さで搬送しながら、その一部分にレーザ照射装置2によ
りレーザ光を照射する。レーザ照射装置2として、出力
100〜300Wの炭酸ガスレーザを使用する。そし
て、レーザ光照射後、包材1を一対の冷却ロールで押圧
しながら冷却する。
配向性樹脂フィルムの融点よりも高温に加熱され、図1
の(C)に示す加熱処理領域11が形成される。加熱処
理領域11では、配向性樹脂フィルムの配向が崩れて、
包材の強度が部分的に低下している。このため、加熱処
理領域11では、引き裂き易さが向上している。
示す照射強度分布を有する。図1の(B)の曲線Iは、
搬送方向に直交する方向での照射強度分布を示す。曲線
Iに示すように、加熱処理領域では照射強度が一定で、
その両側で、照射強度が加熱処理領域から離れるにした
がって低下している。
熱処理領域11と非加熱処理領域10との境界部分に、
配向性樹脂フィルムの融点よりも低く、かつ、室温より
も高い温度に加熱された、例えば1mm程度の幅の緩衝
領域12が形成される。緩衝領域12の包材部分の強度
は、加熱処理領域11よりは高く、かつ、非加熱処理領
域10よりは低くなっている。また、緩衝領域12は、
白く靄がかかったように見えることがある。
熱処理領域11から離れるに従って低下しているので、
加熱処理領域11から離れるに従って加熱温度が低くな
るように温度勾配が与えられる。このため、緩衝領域1
1では、加熱処理領域11から離れるに従って配向の崩
れる程度が小さくなっている。すなわち、加熱処理領域
11から離れるに従って包材1の強度が向上している。
領域11と緩衝領域12との境界、及び、緩衝領域12
と非加熱処理領域10との境界を、それぞれ明確に描い
ているが、実際の加熱処理された包材においては、これ
ら境界は必ずしも明確ではない。
易開封加工された包材1により形成された包装袋の例に
ついて説明する。図2の(A)〜(C)は、それぞれ、
いわゆるピローパウチ4a、三方シールパウチ4b及び
スティックパウチ4cの例を示す。そして、各パウチに
おいては、加熱処理領域11及び緩衝領域12が、包材
の折り返し部分8に沿って形成されており、折り返し部
分8の任意の位置から開封できる。すなわち、図1の
(C)に示した包材1部分の帯状の加熱処理領域11の
中央で左右対称に折り返して各パウチを形成している。
おいては、両方の折り返し部分8に沿ってそれぞれ加熱
処理領域11及び緩衝領域12を設けたが、片方の折り
返し部分8に沿って設けてもよい。また、上記構成に加
えて、背貼部9の近傍に開封方向から緩衝領域12、加
熱処理領域11を設けてもよい。さらに、図2の(C)
に示すスティックパウチにおいては、片方の折り返し部
分8だけに加熱処理領域11を設けたが、両方の折り返
し部分に加熱処理領域11を設けてもよい。なお、易切
断区域40を図3の(C)に示す形態とし、加熱処理領
域11及び緩衝領域12を設けてもよい。
11と非加熱処理領域10との境界部分に緩衝領域12
が設けてある。このため、加熱処理領域11の設けられ
た折り返し部分8の位置から非加熱処理領域10へ境界
部分を超えて引き裂く際に、包材の強度が徐々に変化す
ることになる。これにより、境界部分で裂け目6の進む
方向が曲がることなく、容易に境界部分を超えて引き裂
くことが可能となる。
特定の条件で構成した例について説明したが、本発明
は、種々の変更を行うことができる。例えば、上述した
実施の形態においては、レーザ光により加熱した例につ
いて説明したが、本発明では、加熱方法はレーザ光照射
に限定されない。
よれば、加熱処理領域と非加熱処理領域との境界部分に
緩衝領域を形成する。このため、加熱処理領域から非加
熱処理領域へ境界部分を超えて引き裂く際に、包材の強
度が急激に変化することを防ぐことができる。これによ
り、境界部分で引き裂く方向が曲がることなく、容易に
境界部分を超えて引き裂くことができる。
説明するための図であり、(B)は、レーザ光の照射強
度分布を示すグラフである。
る。
説明するための包装袋の図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 配向性樹脂フィルムを含む包材であっ
て、 当該包材の一部分に、前記配向性樹脂フィルムの融点よ
りも高温で加熱処理され、当該配向性樹脂フィルムの配
向が崩れた加熱処理領域を有し、 前記加熱処理領域と、前記配向が崩れていない非加熱処
理領域との境界部分に、前記融点よりも低い温度で加熱
処理された緩衝領域を有することを特徴とする包材。 - 【請求項2】 前記緩衝領域は、前記加熱処理領域から
離れるにしたがって、前記配向の崩れる程度が小さくな
っていることを特徴とする請求項1記載の包材。 - 【請求項3】 配向性樹脂フィルムを含む包材により形
成された包装袋であって、 前記包材の一部分に、前記配向性樹脂フィルムの融点よ
りも高温で加熱処理され、当該配向性樹脂フィルムの配
向が崩れた加熱処理領域を有し、 前記加熱処理領域と、前記配向が崩れていない非加熱処
理領域との境界部分に、前記融点よりも低い温度で加熱
処理された緩衝領域を有することを特徴とする包装袋。 - 【請求項4】 前記加熱処理領域が、前記包材の折り返
し部分及び/又はその近傍に設けてあることを特徴とす
る請求項3記載の包装袋。 - 【請求項5】 配向性樹脂フィルムを含む包材の一部分
を、前記配向性樹脂フィルムの融点よりも高温に加熱し
た加熱処理領域を形成するとともに、前記加熱処理領域
と非加熱処理領域との境界部分を、前記融点よりも低い
温度に加熱して緩衝領域を形成することを特徴とする包
材の易開封加工方法。 - 【請求項6】 前記緩衝領域を形成する際に、当該緩衝
領域に、前記加熱処理領域から離れるにしたがって加熱
温度が低くなるように、温度勾配を与えることを特徴と
する請求項5記載の包材の易開封加工方法。 - 【請求項7】 前記加熱処理領域及び緩衝領域の形成に
あたり、前記加熱処理領域の照射強度が一定で、前記緩
衝領域の照射強度が前記加熱処理領域から離れるにした
がって低下する照射強度分布を有するレーザ光を前記包
材に照射することを特徴とする請求項5又は6記載の包
材の易開封加工方法。
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JP2016088611A (ja) * | 2014-11-11 | 2016-05-23 | 凸版印刷株式会社 | パウチ |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0390935U (ja) * | 1989-12-29 | 1991-09-17 | ||
JPH11240543A (ja) * | 1998-02-27 | 1999-09-07 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 易引き裂き性包装袋およびその製造法 |
-
2000
- 2000-09-29 JP JP2000297823A patent/JP4568981B2/ja not_active Expired - Fee Related
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