JP2002102896A - 有機性汚泥の嫌気性消化法とその装置 - Google Patents
有機性汚泥の嫌気性消化法とその装置Info
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Abstract
率が得られ、汚泥の分離性や脱水性の改善できる有機性
汚泥の嫌気性消化法とその装置を提供する。 【解決手段】 有機性汚泥を、嫌気性消化するに際し、
該有機性汚泥10を生物学的液化工程11で液化し、次
いで、物理化学的及び/又は機械的液化工程12で液化
処理した後、嫌気性消化14、15することとしたもの
であり、前記有機性汚泥の液化処理は、前記生物学的液
化工程と物理化学的及び/又は機械的液化工程の間を循
環させて行うことができ、前記液化処理した有機性汚泥
は、固液分離13して、液状物16を嫌気性消化し、分
離した固形物の一部18を生物学的液化工程に循環する
と共に、他の一部19を系外に排出するのがよく、前記
嫌気性消化は、液化処理液16を酸醗酵工程14に導入
した後、メタン醗酵工程15に導入して行うことができ
る。
Description
性消化に係り、特に、下水等の有機性排水の処理場から
発生する汚泥や、食品残さ、家畜糞尿等の有機汚泥から
メタンを回収をする嫌気性消化法とその装置に関する。
4は、下水処理場で行われている汚泥処理システムの一
例であり、初沈汚泥1と余剰汚泥2は、濃縮槽3で濃度
4〜5%に濃縮された後、消化槽4に送られ、嫌気性微
生物の働きにより、炭酸ガスとメタンガスを主成分とす
るバイオガス7に分解される。消化後の汚泥は、汚泥貯
槽5に導入され、ベルトプレス等の脱水機6で脱水さ
れ、脱離液8は曝気槽に送られ、脱水ケーキ9は廃棄処
分されていた。嫌気性消化は、汚泥や家畜糞尿等の濃厚
な有機性汚泥を低コストで処理する方法として適用され
ており、生成するメタンは、エネルギー源としての利用
価値が高い。しかし、有機性汚泥の種類によっては分解
率が低く、回収できるメタンも少ない場合がある。その
ため、従来は酵素や液化能力の高い高温微生物等を利用
した生物学的液化処理や、熱やオゾン、酸、アルカリ剤
等を使った物理化学的液化処理、ボールミルやホモジナ
イザー等を使った機械的液化処理により有機性汚泥を液
化し、メタン回収率を上げることが検討されている。
として、前述のような生物学的液化処理や物理化学的/
機械的液化処理を、単独、複数あるいは同時に行うこと
で、有機性汚泥の液化率を上げることが検討されてきた
が、汚泥の液化率が低かったり、液化に要するコストの
割にメタンの回収率が低いなど、いずれも実用化には至
っていない。特に、下水処理の場合、性状の異なる初沈
汚泥と、余剰汚泥が発生するため、単独の液化方法で
は、高い液化率が得られない場合があった。一方、図4
の従来法では、消化槽の滞留時間が20〜30日程度要
することから、広い設置スペースが必要であり、維持管
理の面でも問題があった。また、消化汚泥は脱水性が悪
く、脱水用のポリマを多量に使用することから、経済性
の面でも問題があった。
術の問題点を解決し、有機性汚泥を、その分解特性にあ
った方法で液化することで、低コストで効率的に液化・
分解して高い液化率が得られ、有用なメタンガスを得る
ことができ、また、設置ペースの低減や汚泥の分離性や
脱水性を改善し、汚泥脱水用のポリマ代を大幅に低減す
ることができる有機性汚泥の嫌気性消化法とその装置を
提供することを課題とする。なお、本発明で液化率と
は、下記式数1に示すように、固形物由来のCODc
r.濃度と液化処理により増加した溶解性CODcr.
濃度の比率として定義した。また、「溶解性」とは、孔
径1.0μmのろ紙のろ液の分析値を示す。
に、本発明では、有機性汚泥を、嫌気性消化するに際
し、該有機性汚泥を生物学的液化工程で液化し、次い
で、物理化学的及び/又は機械的液化工程で液化処理し
た後、嫌気性消化することを特徴とする有機性汚泥の嫌
気性消化法としたものである。前記嫌気性消化法におい
て、有機性汚泥の液化処理は、前記生物学的液化工程と
物理化学的及び/又は機械的液化工程の間を循環させて
行うことができ、前記液化処理した有機性汚泥は、固液
分離して、液状物を嫌気性消化し、分離した固形物の一
部を生物学的液化工程に循環すると共に、他の一部を系
外に排出するのがよく、また、前記嫌気性消化は、液化
処理液を酸醗酵工程に導入した後、メタン醗酵工程に導
入して行うことができる。また、本発明では、有機性汚
泥を嫌気性消化する処理装置において、該有機性汚泥を
生物学的に液化処理する処理槽と、該処理液をさらに液
化処理する物理化学的及び/又は機械的液化処理装置
と、該液化処理後の処理液を固液分離する固液分離装置
と、該固液分離後の分離液を嫌気性消化する消化装置
と、前記固液分離後の固形物の一部を、前記生物学的液
化処理槽に循環する経路とを有する有機性汚泥の嫌気性
消化処理装置としたものである。
々な物質が混在している。下水処理により発生する初沈
汚泥と余剰汚泥の場合、汚泥に含まれる個々の有機成分
の比率は大きく異なり、初沈汚泥は、主にトイレットペ
ーパーに由来するセルロース分が多いのに対して、余剰
汚泥は、微生物に由来する蛋白質を多く含んでいる。そ
のため、初沈汚泥と余剰汚泥に対して有効な液化方法
は、それぞれ異なる。すなわち、初沈汚泥に含まれるセ
ルロース分は、熱やアルカリには安定であるのに対し
て、余剰汚泥は、蛋白質が主成分であるため熱やアルカ
リにより容易に液化される。また、微生物による分解性
も異なり、嫌気性消化による消化率は、初沈汚泥が70
%程度であるのに対して、余剰汚泥は30〜40%程度
であり、初沈汚泥の方が微生物による分解を受け易いと
いう特徴がある。
を考慮して、有機性汚泥を効率的かつ経済的に液化する
ことを可能とするものである。また、循環処理は、物理
化学的/機械的処理により液化しないまでも、生物分解
しやすくなった汚泥を再度、生物学的液化処理に循環す
ることで、より高い液化率を得ることができる。有機性
汚泥中の固形物の液化やその低分子化には、様々な種類
の微生物が関与しており、有機性汚泥の主要な構成成分
である炭水化物は、単糖類や低級脂肪酸に、蛋白質はペ
プチドやアミノ酸、脂肪酸に、脂肪は脂肪酸やグリセリ
ンに分解される。本発明における生物学的液化工程で
は、固形物の液化とそれら液化物の低分子化を目的とし
たものである。生物学的液化工程の運転条件としては、
滞留時間は0.5日〜10日、好ましくは2日〜6日程
度、温度条件は25℃〜80℃、好ましは35℃〜70
℃程度、pHは4.5〜10.0、好ましくは5.5〜
8.0程度で運転すると良い。
の性状により最適値に設定すれば良く、例えば温度条件
としては、炭水化物主体の有機性汚泥の場合は、35℃
程度の中温温度域で液化が進行しやすく、蛋白質主体の
有機性汚泥の場合は、50℃〜65℃の高温温度域で液
化が進行しやすくなる。一方、前述の条件以外にも、窒
素やりん、各種の微量金属も、生物学的液化の効果を大
きく左右する。特に、窒素は微生物細胞の合成に不可欠
であり、有機物に対する窒素の比率(有機物/窒素)が
低い場合、生物学的液化効果は低下し、特に投入する有
機物濃度が高い場合には、その影響は顕著になる。その
ため、対象とする有機性汚泥の窒素含有率が低い場合に
は、し尿や余剰汚泥などを添加して、窒素含有率を調整
すると良い。ちなみに、有機物:窒素=10〜20:1
の範囲にするのが良い。
液化処理では液化しにくい、有機性固形物の液化を促進
するために行うものである。有機性汚泥のメタン醗酵で
は、固形物の微細化や液化が全体の反応を律速している
ことから、それらを物理化学的及び/又は機械的液化作
用により微細化・液化することにより、メタン醗酵の高
速化と効率化を促進できる。なお、本発明で使用できる
物理化学的液化処理は、熱、オゾン、酸又はアルカリ剤
を用いた公知の処理方法を単独で、又は併用して用いる
ことができ、また、機械的液化処理としては、ボールミ
ルやホモジナイザー、超音波処理等の公知の処理方法を
用いることができる。本発明では、液化した有機性汚泥
を分解性の低い固形物と分解性の高い液状物に分けるこ
とにより、UASB法などの高速メタン醗酵法の適用が
可能となり、設置面積の大幅な低減が可能となる。ま
た、固液分離した物理化学的/機械的液化処理後の分離
濃縮汚泥の一部を、生物学的液化処理工程に循環するこ
とで、該分離濃縮汚泥の生物学的液化工程での液化効率
を上げることが可能となる。系外に排出する汚泥量は、
生物学的液化工程の汚泥濃度が一定になるように、非液
化汚泥量分を引抜くと良い。
Bリアクタ等に高濃度のSSが流入すると処理が不安定
となるため、同リアクタに導入する分離液あるいは酸醗
酵液のSS濃度は、3000mg/L以下、好ましくは
1000mg/L以下にすると良い。また、前記物理化
学的液化処理の熱処理の場合、主に余剰汚泥や生物学的
液化処理工程で増殖した微生物の液化に有効であると共
に、液化した有機性汚泥の固液分離性が改善できるた
め、簡易な固液分離装置により固形物と液化物を分離す
ることが可能となる。また、熱処理後の固形物は、脱水
性に優れることから、脱水用のポリマ代を大幅に低減す
ることが可能となる。
ろ材を使った固定床式でメタン醗酵すると、メタン菌を
高濃度で維持できるため、高速・高負荷処理が可能とな
り、従来法に比べて、大幅に省スペース化を図ることが
できる。また、固液分離後の分離液を、UASBリアク
タ等に導入する前に、該分離液を酸醗酵処理すること
は、熱処理等の物理化学的/機械的液化処理で液化した
有機成分中の、炭水化物や蛋白質などを酢酸などの揮発
性脂肪酸に変えるので、UASBリアクタ等によるメタ
ン醗酵の処理性能の安定化につながるものである。ま
た、酸醗酵では炭酸ガスが生成されるため、後段のメタ
ン醗酵においてバイオガス中のメタン濃度が高くなり、
バイオガスを燃料電池等に適用する場合、有利となる。
さらに、酸醗酵工程にメタン醗酵工程の処理水を循環す
ると、処理水による希釈効果により、嫌気性微生物によ
る各種代謝産物による阻害効果を低減できると共に、物
理化学的/機械的液化処理で死滅した酸醗酵菌などの嫌
気性微生物の植種源にもなるため、効率的に酸醗酵を進
行することができる。
る。図1〜3は、本発明による有機性汚泥の嫌気性消化
法を実施するための概略工程図である。図1において、
有機性汚泥10は、生物学的液化工程11に導入され、
微生物の作用により液化処理される。その後、物理化学
的/機械的液化工程12に導入され、生物学的液化工程
11で残存した汚泥分及び生物学的液化工程11で増殖
した微生物が液化される。物理化学的/機械的液化処理
としては、熱処理が有効である。熱処理は、主に蛋白質
の液化に効果的であると共に、汚泥の脱水性や固液分離
性が良くなるため、ポリマ注入率の低下や固液分離の簡
易化が可能となる。熱処理の条件としては、180℃、
30分など、従来から検討されてきた条件で良い。
に送られ、ここで汚泥と分離液16に分けられ、分離液
16は、酸醗酵工程14へ、汚泥の一部は、生物学的液
化槽11に循環18し、他の一部19は、系外に排出さ
れる。酸醗酵工程14では、生物学的液化工程11や物
理化学的/機械的液化工程12で液化した有機物が、酢
酸等の低分子有機酸に転換される。このため、メタン醗
酵工程15でUASB等の高速高負荷リアクタを適用す
る場合には、安定した運転が可能となる。なお、熱処理
などの物理化学的/機械的液化処理12により、汚泥の
微生物が死滅してしまう場合は、酸醗酵工程14での反
応が進まないこともあるため、メタン醗酵工程15の処
理水21を酸醗酵工程14に循環すると良い。
沈汚泥や余剰汚泥のように性状の異なる汚泥を処理する
場合、生物的に分解性の高い初沈汚泥(有機性汚泥1、
22)は、生物学的液化工程11に導入して液化処理
し、余剰汚泥のように熱処理で液化しやすい有機性汚泥
2(23)は、物理化学的/機械的液化工程12で直接
液化処理することも効果的である。図3は、液化処理し
た有機性汚泥を固液分離し、分離した固形物の一部を、
生物学的液化工程11に循環する方式において、分離汚
泥を物理化学的/機械的液化工程12とは異なる物理化
学的/機械的液化処理一2(24)により、再度液化処
理する例である。ここで適用する物理化学的/機械的液
化処理としては、ボールミルやホモジナイザー、超音波
処理等の破砕処理が有効であり、固液分離後の残存汚泥
を微細化することを特徴とする方式が有効である。
する。 実施例1 下水初沈汚泥と余剰汚泥を用いて、熱処理(物理化学的
処理)とボールミル処理(機械的処理)による汚泥の液
化率とメタン転換率を比較した。表1は、実験に使用し
た初沈汚泥と余剰汚泥の性状及び実験条件であり、表2
は、実験結果である。表2より、液化処理としては、ボ
ールミル処理より熱処理の方が液化率が高く有効であ
り、汚泥としては、初沈汚泥より余剰汚泥の方が液化し
易かった。メタン転換率は、余剰汚泥に比べて初沈汚泥
の方が約2倍高かったが、初沈汚泥の場合、液化処理に
よるメタン転換率の増加はほとんど認められず、いずれ
も0.7程度であった。余剰汚泥のボールミル処理汚泥
の液化率は30%であったが、そのメタン転換率は液化
処理を行わない無処理汚泥と同じであった。それに対し
て、熱処理汚泥のメタン転換率は0.47であり、約
1.5倍に増加した。このように、汚泥の種類により液
化処理の効果が異なるため、対象とする汚泥性状に合っ
た液化処理を選択することが重要である。
汚泥性状の違いについて実験した。実験は、表3の4系
列であり、実験−1は、初沈汚泥を生物学的液化槽で液
化した後、熱処理を行うと共に、熱処理後の分離汚泥を
生物学的液化槽に循環する方式である。実験−2は、前
述の方式において、熱処理後の分離汚泥を循環しない方
式である。また、実験−3は、生物学的液化処理のみ行
う方式であり、実験−4は、熱処理のみ行う方式であ
り、この実験−3と−4は比較のためのものである。実
験には、表1と同じ性状の汚泥を用いた。生物学的液化
処理の実験は、有効容量10Lの密閉槽を用い、滞留時
間5日、温度35℃の条件で連続実験を行った。熱処理
は、有効容量2.5Lの攪拌付き熱分解リアクタを用い
て、温度180℃で30分間処理した。
だ本発明の実験−1では、生物学的液化処理後に該処理
液を回分的に熱処理して、分離汚泥を生物学的液化槽に
循環した。汚泥の脱水性は、小型ベルトプレス機により
脱水し、含水率を測定した。実験結果を同じく表3に示
す。表3より、各処理方式で得られた液化率は、実験−
1>実験−2>実験−3>実験−4>の順であり、循環
処理を行った実験−1の液化率が最も高かった。なお、
余剰汚泥を熱処理単独で液化処理した場合の液化率は、
49%と高いのに対して、初沈汚泥の場合は18%と低
かった。これは、前述のように初沈汚泥に含まれるセル
ロース分が、熱に対して安定であるためである。
2>実験−1>実験−4>の順で高かった。実験−1や
実験−2の場合、生物学的液化処理や循環処理により、
初沈汚泥中のセルロース分が分解(粗繊維分の低下)す
るため、実験−4の熱処理単独に比べて、若干含水率が
低下するものと考えられる。これに対して、生物学的液
化処理のみ行った実験−3は、他の方式に比べて10ポ
イント以上、含水率が高かった。また、汚泥の沈降性も
熱処理を行った実験−1、実験−2、実験−4の方式が
良好であった。以上の結果を総合的に判断すると、初沈
汚泥のように物理化学的/機械的に液化しにくい汚泥
も、実験−1あるいは実験−2の方式で処理することに
より、5日程度の滞留時間で高い液化率が得られ、固液
分離性の向上や汚泥脱水用のポリマ代を大幅に低減する
ことができる。
発明による汚泥の液化効果の実験をした。実験には、表
1と同じ性状の余剰汚泥を用いた。実験結果を表4に示
す。表4より、各処理方式で得られる液化率は、実験−
1>実験−2>実験−4>実験−3>の順であり、循環
処理を行った実験−1の液化率が最も高かった。脱水ケ
ーキの含水率は、熱処理を行った実験−4と本発明の実
験−1、実験−2は、約70%であったのに対して、実
験−3では85%と高く、ポリマ注入率も約2倍であっ
た。生物学的液化処理と物理化学的/機械的液化処理と
して熱処理を組込んだ本発明により、それぞれの長所短
所を補いながら汚泥を高効率に液化すると共に、液化後
の汚泥脱水性や沈降分離性も大幅に改善することが可能
となる。
す。表1の初沈汚泥と余剰汚泥を、1:1の割合で混合
(以下混合汚泥)し、前述の実験−1の方式で液化した
後、重力分離により分離液を得た。この分離液を、滞留
時間1日の条件で酸醗酵した後、CODcr.濃度が約
5000mg/Lになるように希釈して,UASBリア
クタに通水し、35℃でメタン醗酵を行った。一方、従
来法として、混合汚泥を温度35℃、滞留時間20日の
条件で嫌気性消化した実験系を設けた。実験結果を表5
に示す。表5より、本発明は、従来法に比べてメタンガ
ス発生量が26ポイント増え、滞留時間や汚泥脱水用ポ
リマ注入率は、従来法に比べて、それぞれ約70ポイン
ト低下し、省スペース化や経済性の面でも優れていた。
泥の液化率とメタン転換率を比較した。実験に使用した
初沈汚泥と余剰汚泥は、表1に示すとおりの性状のもの
である。また、実験条件は次のとおりである。 超音波処理;汚泥1kg−SS当りのエネルギー:3k
wh/kg−SS、 周波数:20kHz、照射時間:60秒、 メタン醗酵実験;下水汚泥の中温消化汚泥を種汚泥とし
て、35℃で20日間の回分実験を行い、発生したメタ
ンガス量を測定、 表6に実験結果を示す。
Sに対して、余剰汚泥;30%−VSSであり、余剰汚
泥の方が液化し易かった。一方、超音波によるメタン転
換率は、初沈汚泥はほとんど同じであったのに対して、
余剰汚泥では1.5倍に増加した。超音波処理では、主
に汚泥中の細菌が液化される。その場合、細胞壁などの
分解しにくい成分が、ボールミル処理などの他の機械的
液化処理より、さらに微細化されるため、メタン転換率
が高くなるものと考えられる。また、超音波処理は、機
械的破砕作用と共に酸化作用があることも知られてお
り、微細化した細菌などの汚泥成分が酸化作用を受け、
質的にも変化するため、分解率が高くなるものと考えら
れる。
汚泥と余剰汚泥を、その分解特性にあった方法で液化し
ており、低コストで効率的に液化・分解して高い液化率
が得られると共に、設置スペースの低減や汚泥の分離性
や脱水性を改善し、汚泥脱水用のポリマ(凝集剤)代を
大幅に低減することができた。
ための一例を示す概略工程図。
ための他の例を示す概略工程図。
ための別の例を示す概略工程図。
概略工程図。
理化学的/機械的液化工程、13:固液分離工程、1
4:酸醗酵工程、15:メタン醗酵工程、16:分離
液、17:処理水、18:汚泥循環、19:廃棄汚泥、
20:バイオガス、21:処理水循環、22:有機性汚
泥1、23:有機性汚泥2、24:物理化学的/機械的
液化処理−2
Claims (5)
- 【請求項1】 有機性汚泥を嫌気性消化するに際し、該
有機性汚泥を生物学的液化工程で液化し、次いで、物理
化学的及び/又は機械的液化工程で液化処理した後、嫌
気性消化することを特徴とする有機性汚泥の嫌気性消化
法。 - 【請求項2】 前記有機性汚泥の液化処理は、前記生物
学的液化工程と物理化学的及び/又は機械的液化工程の
間を循環させて行うことを特徴とする請求項1記載の有
機性汚泥の嫌気性消化法。 - 【請求項3】 前記液化処理した有機性汚泥は、固液分
離して、液状物を嫌気性消化し、分離した固形物の一部
を生物学的液化工程に循環すると共に、他の一部を系外
に排出することを特徴とする請求項1又は2記載の有機
性汚泥の嫌気性消化法。 - 【請求項4】 前記嫌気性消化は、液化処理液を酸醗酵
工程に導入した後、メタン醗酵工程に導入して行うこと
を特徴とする請求項1、2又は3記載の有機性汚泥の嫌
気性消化法。 - 【請求項5】 有機性汚泥を嫌気性消化する処理装置に
おいて、該有機性汚泥を生物学的に液化処理する処理槽
と、該処理液をさらに液化処理する物理化学的及び/又
は機械的液化処理装置と、該液化処理後の処理液を固液
分離する固液分離装置と、該固液分離後の分離液を嫌気
性消化する消化装置と、前記固液分離後の固形物の一部
を前記生物学的液化処理槽に循環する経路とを有するこ
とを特徴とする有機性汚泥の嫌気性消化処理装置。
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WO2023173951A1 (zh) * | 2022-03-16 | 2023-09-21 | 上海市政工程设计研究总院(集团)有限公司 | 消化系统、处理污泥的消化系统及混合液的处理方法 |
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