JP2002102761A - オイル塗布ローラ - Google Patents

オイル塗布ローラ

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JP2002102761A
JP2002102761A JP2000293605A JP2000293605A JP2002102761A JP 2002102761 A JP2002102761 A JP 2002102761A JP 2000293605 A JP2000293605 A JP 2000293605A JP 2000293605 A JP2000293605 A JP 2000293605A JP 2002102761 A JP2002102761 A JP 2002102761A
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fiber felt
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fiber
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JP2000293605A
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English (en)
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Koichi Kimura
康一 木村
Isami Abe
勇美 阿部
Toshiyuki Kishida
敏之 岸田
Tatsuo Takagi
達雄 高木
Hirochika Furuya
博規 古屋
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Nichias Corp
Zenith KK
Original Assignee
Nichias Corp
Zenith KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 多孔質円筒状成形体表面にテープ状繊維フェ
ルトを巻き付ける際、巻き付けられたフェルト面にうね
りや膨れ、皺が生じることがなく、しかも使用開始時か
ら適正量の低粘度シリコーンオイルの塗布を可能にし、
使用中も安定して、極めて均一なオイル塗布を可能にす
るオイル塗布装置を提供すること。 【解決手段】 シリコーンオイルを含浸する多孔質円筒
状オイル保持部材2のオイル塗布側に繊維フェルト11
を付設し、更に、そのオイル塗布側にオイル塗布量制御
層3を付設してなるオイル塗布装置において、前記繊維
フェルト11は、オイル塗布側の面の硬さが、多孔質円
筒状オイル保持部材2側の面の硬さより柔らかいもので
あることを特徴とするオイル塗布ローラ1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電複写機、電子
写真式プリンタ等における定着装置の構成部品であるオ
イル塗布ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】静電複写機、電子写真式プリンタ等にお
ける定着装置では、記録紙上に転写されたトナーを定着
する際、加熱定着ロールにトナーが付着することがあ
り、そのトナーが次の記録紙を汚損するのを防止するた
め、定着ロールに微量のシリコーンオイル等の離型オイ
ルをオイル塗布ローラにて塗布し、加熱定着ロールにト
ナーが付着したり、記録紙が付着して巻き上がらないよ
うにしている。このような機能を有するオイル塗布ロー
ラは、既に様々なものが提案されている。典型的には、
塗布する離型オイルを蓄えておく多孔質円筒状成形体か
らなるオイル保持部材を用い、その多孔質円筒状成形体
表面に繊維フェルトからなるオイル移行層を接着剤で接
合し、更にその上に例えばPTFE多孔質膜からなるオ
イル塗布量制御層を接着剤により付設したオイル塗布ロ
ーラがある。このようなオイル塗布ローラには、定着ロ
ールに微量のシリコーンオイル等の離型オイルを極力塗
布むらがなく、長期間にわたって安定したオイル塗布が
行われる信頼性の高いものが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
典型例で示される従来のオイル塗布ローラはそれなりの
効果を奏してはいるものの、使用開始から、あるいは使
用開始から暫くしてから、オイル塗布むらが生じること
がある。特に、複写又は印刷がプラスチックシート製の
OHP用紙に行われる場合、ごく僅かなオイル塗布むら
によってもトナーの定着が影響を受けて定着画像に濃淡
むらを生じやすい。一方、多孔質円筒状成形体表面にテ
ープ状繊維フェルトを螺旋巻きで隙間が無いように巻付
けることにより形成されたオイル移行層の表面は、柔ら
かく厚みのあるテープ状フェルトの巻き付けであること
から、慎重な巻き付けを行ったとしてもフェルト面に微
妙なうねりや膨れ、皺を生じ、これが原因で使用開始か
らオイル塗布むらを生じたり、使用中に繊維フェルトが
部分的に剥離したりずれたりし、ひいては定着画像の濃
淡むらを起こすという問題があった。
【0004】従って、本発明の目的は、多孔質円筒状成
形体表面にテープ状繊維フェルトを巻き付ける際、巻き
付けられたフェルト面にうねりや膨れ、皺が生じること
がなく、しかも使用開始時から適正量の低粘度シリコー
ンオイルの塗布を可能にし、使用中も安定して、極めて
均一なオイル塗布を可能にするオイル塗布ローラを提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、鋭意検討を行った結果、繊維フェルトは、
オイル塗布側の面の硬さが、多孔質円筒状オイル保持部
材側の面の硬さより柔らかいものを使用すれば、多孔質
円筒状成形体表面にテープ状繊維フェルトを巻き付ける
際、巻き付けられたフェルト面にうねりや膨れ、皺が生
じることがないこと、また、繊維フェルトは、織布を基
布とし、該基布の両側を繊維フェルトで挟む積層構造の
ものでも、上記と同様の皺などの発生を防止でき、使用
開始時から適正量の低粘度シリコーンオイルの塗布を可
能にし、使用中も繊維フェルトがずれることなく安定し
て、極めて均一なオイル塗布を可能にすることなどを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明(1)
は、シリコーンオイルを含浸する多孔質円筒状オイル保
持部材のオイル塗布側に繊維フェルトを付設し、更に、
そのオイル塗布側にオイル塗布量制御層を付設してなる
オイル塗布装置において、前記繊維フェルトは、オイル
塗布側の面の硬さが、多孔質円筒状オイル保持部材側の
面の硬さより柔らかいものであることを特徴とするオイ
ル塗布ローラを提供するものである。かかる構成を採る
ことにより、テープ状繊維フェルトを多孔質円筒状成形
体表面に巻き付ける際、繊維フェルトの多孔質円筒状オ
イル保持部材側の面で収縮力が作用し、オイル塗布側の
面で引っ張り力が作用しても、該繊維フェルトは多孔質
円筒状オイル保持部材の円筒形状への優れた追従性を示
し、巻き付けられたフェルト面にうねりや膨れ、皺が生
じることがない。このため、使用開始時から適正量の低
粘度シリコーンオイルの塗布を可能にし、使用中も安定
して、極めて均一なオイル塗布ができる。
【0007】また、本発明(2)は、前記繊維フェルト
の多孔質円筒状オイル保持部材側の面は、熱処理によっ
て、硬さが高められたものであることを特徴とする前記
(1)記載のオイル塗布ローラを提供するものである。
かかる構成を採ることにより、熱処理された繊維はちじ
れ状になり柔軟性を失い硬くなるため、容易にオイル塗
布側の面の硬さを、多孔質円筒状オイル保持部材側の面
の硬さより柔らかくできる。
【0008】また、本発明(3)は、シリコーンオイル
を含浸する多孔質円筒状オイル保持部材のオイル塗布側
に繊維フェルトを付設し、更に、そのオイル塗布側にオ
イル塗布量制御層を付設してなるオイル塗布装置におい
て、前記繊維フェルトは、織布を基布とし、該基布の両
側を繊維フェルト部材で挟む3層構造であることを特徴
とするオイル塗布ローラを提供するものである。かかる
構成を採ることにより、基布が補強材となり、且つ両側
の繊維フェルト部材は薄くできるため、繊維フェルト全
体を追従性のよいものとし、多孔質円筒状成形体表面に
巻き付ける際、外側の繊維フェルト部材は引っ張り力の
影響を受け難く、内側の繊維フェルト部材は収縮力の影
響を受け難いものとなる。
【0009】また、本発明(4)は、前記繊維フェルト
は、基布の両側に繊維フェルト部材を重ね合わせ、その
後、ニードルパンチにより一体化して作製されたもので
ある前記(3)記載のオイル塗布ローラを提供するもの
である。かかる構成を採ることにより、従来のニードル
パンチ法を利用して補強された積層構造の繊維フェルト
を簡便に得ることができる。
【0010】また、本発明(5)は、前記繊維フェルト
又は繊維フェルト部材は、直径10μm 以下の繊維材料
を10〜70重量%含有する3次元網目構造であること
を特徴とする前記(1)〜(4)のオイル塗布ローラを
提供するものである。かかる構成を採ることにより、多
孔質円筒状成形体からのオイルの吸い上げ能力が高ま
り、オイルの塗布むらを小さくできる。また、最後まで
オイルを多孔質円筒状成形体から効果的に吸い上げるこ
とができるので、オイル塗布ローラの寿命を長くでき
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のオイル塗布ローラに使用
される多孔質円筒状オイル保持部材としては、例えば、
多孔質の円筒状セラミック成形体であり、大容量の気孔
群中に多量のシリコーンオイルを保持するものである。
保持されたシリコーンオイルは、微細な繊維間空隙を経
由して毛細管現象により繊維フェルト層に移行し、次い
で、多孔質膜のオイル塗布量制御層に浸透して、最後に
オイル塗布量制御層表面に滲み出す。多孔質円筒状オイ
ル保持部材に保持されるシリコーンオイルは、通常25
℃で50〜1000cSt 、好ましくは50〜300cSt
の低粘度シリコーンオイルが使用される。
【0012】本発明のオイル塗布ローラに使用される繊
維フェルトは、二種類の形態があり、オイル塗布側の面
の硬さが、多孔質円筒状オイル保持部材側の面の硬さよ
り柔らかいもの(以下、「第1の繊維フェルト」とも言
う)と、織布を基布とし、該基布の両側を繊維フェルト
で挟む3層構造のもの(以下、「第2の繊維フェルト」
とも言う)である。
【0013】第1の繊維フェルトのオイル塗布側の面の
硬さが、多孔質円筒状オイル保持部材側の面の硬さより
柔らかいものとしては、例えば、硬さが異なる複数の繊
維フェルトを積層したもの、厚さ方向に密度が異なるも
ので、オイル塗布側から多孔質円筒状オイル保持部材側
に向けて密度が高いもの、及び従来から使用されている
通常の繊維フェルトの多孔質円筒状オイル保持部材側の
面を熱処理によって、硬さを高めたものなどが挙げられ
る。繊維フェルトの面の硬さや柔らかさの意味は、繊維
フェルトの面の柔軟性の有無の意味と同じであり、その
硬さの差や柔軟性の差は、例えば、人の指先で触感する
触手法及びスプリング式C型硬度計を使用する方法など
でにより判定される。スプリング式C型硬度計による繊
維フェルトの硬さ測定結果は、例えば通常の繊維フェル
トで10〜50硬度、硬さを高めた繊維フェルトで20
〜100硬度である。
【0014】多孔質円筒状オイル保持部材側の面を熱処
理する方法としては、塗布ローラに通常、使用されてい
る繊維フェルトを線状バーナーで当該面部を焙る方法が
使用でき、具体的には、面温度が400〜600℃の温
度範囲で、0.01〜1秒間の焼成を行う方法である。
このような熱処理された面はちじれ状になり柔軟性を失
い硬くなるため、テープ状繊維フェルトを多孔質円筒状
成形体表面に巻き付ける際、繊維フェルトの多孔質円筒
状オイル保持部材側の面で収縮力が作用し、オイル塗布
側の面で引っ張り力が作用しても、多孔質円筒状オイル
保持部材の円筒形状への優れた追従性を示し、巻き付け
られたフェルト面にうねりや膨れ、皺が生じることがな
い。
【0015】また、第1の繊維フェルトは、直径が10
μm 以下、好ましくは7〜8μm 、繊維長が1〜100
mm、好ましくは5〜20mmの繊維材料を10〜70重量
%含有する3次元網目構造である。この繊維フェルト
は、例えば、繊維材料群をカーディング等により薄いウ
ェブに成形した後、ニードルパンチ法で加工することに
より得られる。ニードルパンチ法は公知の方法で、バイ
ンダを使用することのない、機械的接合法であり、小さ
いとげ(barb) をもった多数の針を上下に動かしてウェ
ブを突き刺してウェブ内の繊維を押し込み、平面的な不
織布に3次元的な繊維の絡み合いを与えて接合する方法
である。第1の繊維フェルトは、直径が10μm 以下の
繊維材料からなる3次元網目構造であるため、これを使
用した塗布ローラは多孔質円筒状成形体からのオイルの
吸い上げ能力が高まり、オイルの塗布むらを小さくでき
る。また、最後までオイルを多孔質円筒状成形体から効
果的に吸い上げることができるので、オイル塗布ローラ
の寿命を長くできる。
【0016】第2の繊維フェルトにおいて、基布の織布
としては、アラミド系繊維の縦糸及び横糸で編まれたク
ロスが挙げられる。また、該基布の両側に形成される繊
維フェルト部材としては、従来から通常使用されている
耐熱性の繊維フェルトが使用でき、例えば、アラミド系
繊維フェルト又はアラミド系繊維とポリエステル系繊維
の混合繊維フェルトなどが挙げられる。第2の繊維フェ
ルトは、基布の両側に繊維フェルト部材を重ね合わせ、
その後、ニードルパンチにより一体化して作製すること
ができる。具体的には、例えば、アラミド系繊維からな
るウェブの中心部に基布としてのアラミド系繊維から作
られた織布を設置し、3層構造とした後、上記第1の繊
維フェルトの製造法で使用したと同様のニードルパンチ
法で加工を行う。このような方法で作製された繊維フェ
ルトは基布が補強材となり、且つ両側の繊維フェルト部
材は薄くできるため、繊維フェルト全体を追従性のよい
ものとし、多孔質円筒状成形体表面に巻き付ける際、外
側の繊維フェルト部材は引っ張り力の影響を受け難く、
内側の繊維フェルト部材は収縮力の影響を受け難いもの
となる。繊維フェルトの両側に形成される繊維フェルト
部材は、直径が10μm 以下、好ましくは7〜8μm 、
繊維長が1〜100mm、好ましくは5〜20mmの繊維材
料からなる3次元網目構造である。第2の繊維フェルト
の両側に形成される繊維フェルト部材は、直径が10μ
m 以下の繊維材料を10〜70重量%含有する3次元網
目構造であるため、これを使用した塗布ローラは多孔質
円筒状成形体からのオイルの吸い上げ能力が高まり、オ
イルの塗布むらを小さくできる。また、最後までオイル
を多孔質円筒状成形体から効果的に吸い上げることがで
きるので、オイル塗布ローラの寿命を長くできる。
【0017】オイル塗布ローラの最外層に存在するオイ
ル塗布量制御層は多孔質膜であり、シリコーンオイルの
塗布量を好適な状態に安定化させるものである。当該オ
イル塗布量制御層としては、例えば厚さ15〜130μ
m 、平均気孔径0.05〜3.0μm 、気孔率60〜9
0%、透気度3〜1500秒/100cc の多孔質膜が好ま
しく、オイル塗布量制御層と繊維フェルトをシリコーン
ワニスとシリコーンオイルの混合物で接着する場合は、
厚さ15〜130μm 、平均気孔径0.05〜3.0μ
m であって、接着された状態での透気度が1万〜300
万秒/100cc の多孔質膜が好ましい。シリコーンワニス
とシリコーンゴムの混合物で、例えばPTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン)膜を接着すると、接着が接着面
全体で均一に行われる。このため、多孔質膜であるPT
FE膜の孔が所定の割合でシリコーンワニスで埋まり、
PTFE膜の透気度が大きくなる。なお、シリコーンワ
ニスとシリコーンオイルとの混合比によって、接着剤で
埋まる孔の割合、すなわち透気度を制御することができ
る。ここで、「透気度」はB型ガーレー式デンソメータ
により測定されるガーレー数(単位:秒/100cc )であ
り、接着剤とシリコーンゴムの混合物で接着した場合
は、塗布されたオイル塗布量制御層表面からトルエンで
オイルを溶出させ、接着剤のみを残存させた状態で透気
度を測定する。「気孔率」は比重測定値から次式;気孔
率(%)=〔1−嵩比重/真比重〕×100により計算
される値である。
【0018】次に、本発明のオイル塗布ローラの代表的
な製造法について説明する。先ず、多孔質円筒状オイル
保持部材を準備する。すなわち、多孔質円筒状オイル保
持部材は、繊維径約2〜15μm の耐熱性繊維に、気孔
を形成させるための耐水性粒状有機物及び適当な結合
材、さらに必要に応じて該多孔質円筒状オイル保持部材
の繊維間空隙量調整のための無機質充填材を所望の比率
で配合し、適量の水を加えて混合したものを所望の形状
に成形する。前記耐熱性繊維としては、アルミノシリケ
ート質繊維、アルミナ繊維、ガラス繊維、アラミド繊維
などが挙げられる。また、前記耐水性粒状有機物として
は、粒状合成樹脂、木粉、カーボン粉などが挙げられ
る。各原料の配合割合の具体例としては、耐熱性繊維1
00重量部、耐水性粒状有機物10〜300重量部、結
合材2〜300重量部である。
【0019】得られた成形体を加熱下に乾燥して硬化さ
せ、さらに約200〜500℃で、無機結合剤を併用し
た場合は約400〜1000℃で焼成して粒状有機物を
燃焼又は分解・ガス化させることにより消失させると、
その後に気孔が残る。
【0020】以上の工程における原料の選択、配合比、
成形条件等を選ぶことにより、焼成済成形体に孔径0.
1〜2mmの気孔群と、好ましくは孔径5〜30μm の繊
維間連通空隙が形成され、それにより総空隙率が30〜
90%、好ましくは約70〜85%のものが得られる。
これにより、機械的な強度を確保しつつ多量のオイルを
保持可能にし、且つ保持したオイルを円滑に吐出可能に
できる。
【0021】得られた多孔質円筒状オイル保持部材を2
5℃の粘度が50〜1000cSt 、好ましくは50〜3
00cSt の低粘度シリコーンオイル中に浸漬して該シリ
コーンオイルを含浸させ、保持部材中の気孔のほとんど
がシリコーンオイルで満たされるようにする。
【0022】その後、所望の厚さを有し、幅が多孔質円
筒状オイル保持部材と同様の寸法を有する第1の繊維フ
ェルト又は第2の繊維フェルトを、該多孔質円筒状オイ
ル保持部材のオイル塗布側に付設する。該多孔質円筒状
オイル保持成形体の外周にテープ状繊維フェルトを螺旋
巻きで隙間が無いように縁を突き合わせるように張力を
掛けて巻付ける。この際、多孔質円筒状オイル保持部材
の表面にRTVゴムなどの接着剤を螺旋状に塗り、多孔
質円筒状オイル保持部材と繊維フェルトを接着して行
う。第1繊維フェルトの場合、多孔質円筒状オイル保持
部材側に硬いフェルト面がくるように注意して行う。第
1繊維フェルトは、巻き付ける際、繊維フェルトの多孔
質円筒状オイル保持部材側の面で収縮力が作用し、オイ
ル塗布側の面で引っ張り力が作用しても、該繊維フェル
トは多孔質円筒状オイル保持部材の円筒形状への優れた
追従性を示すから、巻き付けられたフェルト面にうねり
や膨れ、皺が生じることがない。また、第2繊維フェル
トは、基布が補強材となり、且つ両側の繊維フェルト部
材は薄くできるため、繊維フェルト全体が追従性のよい
ものとなるため、巻き付ける際、外側の繊維フェルト部
材は引っ張り力の影響を受け難く、内側の繊維フェルト
部材は収縮力の影響を受け難いものとなる。このような
繊維フェルトはオイル保持部材からシリーンオイルの適
量を持続して吸い上げるだけでなく、上記の如く、うね
りや膨れ、皺を生じることなく平坦な面を保持している
から、定着ローラの加熱定着ローラとオイル塗布ローラ
との接触面積を適切なものとし、オイル塗布むらをなく
すと共に、OHP用紙に対する複写又は印刷の場合であ
っても定着画像に濃淡むらを生じさせない作用を奏す
る。
【0023】最後に、前述の多孔質膜のオイル塗布量制
御層を該繊維フェルトのオイル塗布側に取り付け、又は
巻き付けて固定する。固定(付設)方法としては、特に
制限されないが、接着剤としてシリコーンワニスとシリ
コーンオイルの混合物を用いて多孔質円筒状オイル保持
部材と繊維フェルトを接着することが、オイル塗布むら
がなく、且つオイル塗布量制御層が運転中にズレたり、
剥がれたりせず、しかもオイル保持部材に接着させるの
が容易なオイル塗布ローラが得られる点で好ましい。多
孔質膜のオイル塗布量制御層としては、ポリテトラフル
オロエチレン製のものが好ましい。該ポリテトラフルオ
ロエチレン製多孔質膜は、気孔の大きさ及び量、膜厚等
が異なる種々の特性を有するものが市販されており、本
発明で使用するものも容易に入手可能である。市販品の
例としては、商品名「ポアフロン」(住友電気工業社
製)等がある。
【0024】上記方法により得られた本発明のオイル塗
布ローラは、複写機やプリンタの定着ローラに装着する
ための支軸の取り付けは、シリコーンオイル含浸前又は
含浸後の任意の段階で行うことができる。
【0025】以下、本発明のオイル塗布ローラの概略の
構造を図1〜図3に基づいて説明する。図1は本発明の
実施の形態であるオイル塗布ローラの定着装置における
設置状態を示す側面図、図2は本発明の実施の形態であ
るオイル塗布ローラの径方向の断面図、図3は本発明の
実施の形態であるオイル塗布ローラの軸方向の断面図で
ある。図において、1はオイル塗布ローラを示し、オイ
ル塗布ローラ1は、多孔質円筒状オイル保持部材2にオ
イル移行層11を設け、更にオイル塗布量制御層3を単
に巻き付けるか、又は接着剤とシリコーンオイルとの混
合物にて接着してなることを基本構成要素とするもので
ある。そして、このオイル塗布ローラ1は、定着装置4
に組み込まれ、定着装置4は、加熱定着ロール5と加圧
ロール6との間に記録紙7を通し、記録紙7の表面7a
に転写されたトナー8を定着させるものであるが、加熱
定着ロール5に記録紙7の表面7a上のトナー8が付着
しないように、加熱定着ロール5にオイル塗布ローラ1
を対接させ、離型オイルであるシリコーンオイルを加熱
定着ロール5に塗布している。
【0026】多孔質円筒状オイル保持部材2には、シャ
フト10が装着されている。このオイル保持部材2の外
周には耐熱性繊維フェルト11が形成されている。この
耐熱性繊維フェルト11は、オイル保持部材2の外周に
巻き付けられ、オイル保持部材2よりシリコーンオイル
を吸収し、オイル塗布量制御層3へシリコーンオイルを
供給する役目を担っている。オイル塗布量制御層3は、
延伸したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔
質膜(以下、PTFE多孔質膜という)が使用されてい
る。このオイル塗布量制御層3は、オイル保持部材2の
外周に形成されたオイル移行層の耐熱性繊維フェルト1
1に単に巻き付けるか、又は接着剤とシリコーンオイル
との混合物にて接着されるが、この混合物は充分に混合
され、互いに分散していることが重要であり、耐熱性繊
維フェルト11の外周全面に混合物が塗布され、その塗
布面にオイル塗布量制御層3を1回巻き付け接着する。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、テープ状繊維フェルト
を多孔質円筒状成形体表面に巻き付ける際、繊維フェル
トの多孔質円筒状オイル保持部材側の面で収縮力が作用
し、オイル塗布側の面で引っ張り力が作用しても、多孔
質円筒状オイル保持部材の円筒形状への追従性に優れる
ため、巻き付けられたフェルト面にうねりや膨れ、皺が
生じることがない。このため、使用開始時から適正量の
低粘度シリコーンオイルの塗布を可能にし、使用中も安
定して、極めて均一なオイル塗布ができる。また、本発
明によれば、基布が補強材となり、且つ両側の繊維フェ
ルトは薄くできるため、繊維フェルト全体が形状追従性
に優れ、多孔質円筒状成形体表面に巻き付ける際、外側
の繊維フェルトは引っ張り力の影響を受け難く、内側の
繊維フェルトは収縮力の影響を受け難いものとなる。従
って、前記発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるオイル塗布ローラの
定着ローラにおける設置状態を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態であるオイル塗布ローラの
径方向の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態であるオイル塗布ローラの
軸方向の断面図である。
【符号の説明】
1 オイル塗布ローラ 2 多孔質円筒状オイル保持部材 3 オイル塗布量制御層 4 定着装置 5 加熱定着ロール 6 加圧ロール 7 記録紙 7a 表面 8 トナー 10 シャフト 11 耐熱性繊維フェルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 勇美 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 (72)発明者 岸田 敏之 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 (72)発明者 高木 達雄 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 (72)発明者 古屋 博規 栃木県黒磯市下厚崎226−20 株式会社ゼ ニス内 Fターム(参考) 2H033 AA09 AA23 BA42 BA43 BA45 BA46 4F040 AA02 AA22 AC01 BA12 CB02 CB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンオイルを含浸する多孔質円筒
    状オイル保持部材のオイル塗布側に繊維フェルトを付設
    し、更に、そのオイル塗布側にオイル塗布量制御層を付
    設してなるオイル塗布装置において、前記繊維フェルト
    は、オイル塗布側の面の硬さが、多孔質円筒状オイル保
    持部材側の面の硬さより柔らかいものであることを特徴
    とするオイル塗布ローラ。
  2. 【請求項2】 前記繊維フェルトの多孔質円筒状オイル
    保持部材側の面は、熱処理によって、硬さが高められた
    ものであることを特徴とする請求項1記載のオイル塗布
    ローラ。
  3. 【請求項3】 シリコーンオイルを含浸する多孔質円筒
    状オイル保持部材のオイル塗布側に繊維フェルトを付設
    し、更に、そのオイル塗布側にオイル塗布量制御層を付
    設してなるオイル塗布装置において、前記繊維フェルト
    は、織布を基布とし、該基布の両側を繊維フェルト部材
    で挟む3層構造であることを特徴とするオイル塗布ロー
    ラ。
  4. 【請求項4】 前記繊維フェルトは、基布の両側に繊維
    フェルト部材を重ね合わせ、その後、ニードルパンチに
    より一体化して作製されたものである請求項3記載のオ
    イル塗布ローラ。
  5. 【請求項5】 前記繊維フェルト又は繊維フェルト部材
    は、直径10μm 以下の繊維材料を10〜70重量%含
    有する3次元網目構造であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載のオイル塗布ローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006317647A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Fujikoo:Kk 写真画像形成プロセス用などのフェルト材
JP2014076155A (ja) * 2012-10-10 2014-05-01 Uni Charm Corp 液体適用装置及び液体適用方法

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