JP3847043B2 - オイル塗布装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電複写機、電子写真式プリンタ等における定着装置の構成部品であるオイル塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電複写機、電子写真式プリンタ等における定着装置では、記録紙上に転写されたトナーを定着する際、加熱定着ロールにトナーが付着することがあり、そのトナーが次の記録紙を汚損するのを防止するため、定着ロールに微量のシリコーンオイル等の離型オイルをオイル塗布ローラにて塗布し、加熱定着ロールにトナーが付着したり、記録紙が付着して巻き上がらないようにしている。このような機能を有するオイル塗布ローラは、既に様々なものが提案されている。例えば、塗布する離型オイルを蓄えておくオイル保持部材として、金属製孔あき中空パイプや耐熱性繊維からなる円筒状成形体を用い、その円筒状成形体表面にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜等のオイル塗布量制御層を巻き付け、その端部及びラップ部にRTVシリコンゴムを塗布し接着してなるオイル塗布ローラがある。また、上記のようなオイル塗布量制御層をチューブ状に加工し、これを円筒状のオイル保持部材に被覆し、加熱収縮させてなるオイル塗布ローラがある(特開平9−185282号公報参照)。
【0003】
また、オイル保持部材としての肉厚多孔質組織材の表面に対して、多孔質ポリテトラフルオロエチレンの空隙組織にシリコンゴムと離型オイルとの混合物を含浸させた後、架橋して形成されたオイル塗布量制御層を設けてなる複写機用塗布機構がある(特公平6−73051号公報参照)。すなわち、この複写機用塗布機構は、肉厚多孔質組織材の表面にオイル塗布量制御層をのり巻き状に1回巻きにした後、高温にて長時間加熱して架橋すると共に熱融着させたものである。この複写機用塗布機構によれば、離型オイルであるシリコーンオイルを的確に制御出来、特にオイルレストナーに対するシリコーンオイルの微小量塗布領域でも長期にわたり安定して、制御出来るものである。また、オイル塗布装置の形態としては、ローラ以外にも、形状が略平板状のパッドによって定着ロールにオイルを塗布する構造のものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の円筒状成形体にオイル塗布量制御層を接着したオイル塗布ローラでは、接着部分から離型オイルが殆ど出ず塗布ムラとなったり、接着面積が小さいことによる接着強度不足のため、オイル塗布量制御層がズレたり、剥がれたりし、常時安定して加熱定着ロールに離型オイルを塗布することが難しい。また、チューブ状のオイル塗布量制御層を加熱収縮させてなるオイル塗布ローラでは、オイル塗布量制御層の加熱収縮が不均一となり易く、孔径がバラバラとなり、常時安定して加熱定着ロールに離型オイルを塗布することが難しい。更に、複写機用塗布機構では、肉厚多孔質組織材にオイル塗布量制御層を熱融着させるのに、高温かつ長時間加熱しなければならないから、その加工手間がかかり過ぎるきらいがある。また、パッド状構造物によって定着ロールにオイルを塗布する塗布装置においても、その最表面層にオイル塗布量制御層を接着する方法に前記と同様の問題が発生する。すなわち、この場合も接着部分から離型オイルが出ず塗布ムラとなったり、接着面積が小さいことによる接着強度不足のため、オイル塗布量制御層がズレたり、剥がれたりし、オイルの塗布量が不安定となったりするという問題が発生する。
【0005】
従って、本発明の目的は、加熱定着ロールに離型オイルをムラなく塗布出来、オイル塗布量制御層が運転中にズレたり、剥がれたりせず、しかもオイル保持部材に接着させるのが容易なオイル塗布装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる状況において、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、オイル保持部材にオイル塗布量制御層を接着剤とシリコーンオイルとの混合物にて接着すると、混合物は接着剤とシリコーンオイルとが分散状態にあるから、オイル保持部材とオイル塗布量制御層とが接着剤の硬化により接着してオイル塗布量制御層の孔を塞いでいる部分と、未硬化のシリコーンオイルが介在して孔を塞いでいない部分とが分散状態で存在することになり、分散状態の接着部分がオイル塗布量制御層のズレ及び剥がれを防ぎ、分散状態のシリコーンオイル部分が通油部となってシリコーンオイルを加熱定着ロールにムラなく塗布出来ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本請求項1に係る発明は、オイル保持部材にオイル塗布量制御層を、シリコーンワニス(SW)とシリコーンオイル(SO)との混合比(SW:SO)が90:10〜20:80の混合物にて接着してなることを特徴とするオイル塗布装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、分散状態の接着剤の硬化によりオイル保持部材とオイル塗布量制御層とが全体的に分散状態で接着し、分散状態のシリコーンオイルによりオイル塗布量制御層が全体的に分散状態でシリコーンオイルの通油路を確保する。また、オイル保持部材とオイル塗布量制御層との接着強度を確保出来、シリコーンオイルの塗布も出来るバランスの良好な状態となり、この混合比の範囲内でシリコーンオイルの塗布量を自在に制御出来る。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、オイル保持部材のオイル塗布側に付設されるオイル移行層又は弾性体層に、オイル塗布量制御層を、シリコーンワニス(SW)とシリコーンオイル(SO)との混合比(SW:SO)が90:10〜20:80の混合物にて接着してなることを特徴とするオイル塗布装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、オイル保持部材とオイル塗布量制御層の間に塗布ムラを防止するためのオイル移行層や弾性体層を付設した場合においても、上記と同様の機能を奏する。
【0009】
また、本請求項3に係る発明は、前記接着は、前記オイル保持部材と前記オイル塗布量制御層との全接触面、又は前記オイル移行層又は弾性体層と前記オイル塗布量制御層との全接触面に前記混合物をそれぞれ介在させて行うオイル塗布装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、上記機能に加え、全接触面において、オイル保持部材、又は前記オイル移行層や弾性体層とオイル塗布量制御層とが分散状態で接着し、かつ分散状態のシリコーンオイルにより、オイル塗布量制御層におけるシリコーンオイルの通路が分散状態で確保される。
【0010】
また、本請求項4に係る発明は、前記オイル塗布量制御層は、その透気度が10〜2000秒/100cc であるオイル塗布装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、上記機能に加え、オイル保持部材が保持しているシリコーンオイルがオイル塗布量制御層を適量通過出来る。
【0011】
また、本請求項5に係る発明は、前記オイル塗布量制御層はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜であるオイル塗布装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、上記機能に加え、運転開始時、定常運転時とも差がなく、一定量のシリコーンオイルを加熱定着ロールに安定的に塗布出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を挙げて本発明を図1〜5に基づいて詳述する。
図1は本発明の実施の形態であるオイル塗布ローラの定着装置における設置状態を示す側面図、図2は本発明の実施の形態であるオイル塗布ローラの径方向の断面図、図3は本発明の実施の形態であるオイル塗布ローラの軸方向の断面図である。図において、1はオイル塗布ローラを示し、オイル塗布ローラ1は、オイル保持部材2にオイル塗布量制御層3を接着剤とシリコーンオイルとの混合物にて接着してなることを基本構成要素とするものである。そして、このオイル塗布ローラ1は、定着装置4に組み込まれ、定着装置4は、加熱定着ロール5と加圧ロール6との間に記録紙7を通し、記録紙7の表面7aに転写されたトナー8を定着させるものであるが、加熱定着ロール5に記録紙7の表面7a上のトナー8が付着しないように、加熱定着ロール5にオイル塗布ローラ1を対接させ、離型オイルであるシリコーンオイルを加熱定着ロール5に塗布している。
【0015】
オイル保持部材2は、シリコーンオイルを保持出来る構造のものであれば特に限定されない。この実施例のオイル保持部材2は、主材のアルミノシリケート質繊維を結合材により相互に結合されてなり、繊維間に結合材の存在しない微細な連通空隙を有する円筒状多孔質成形体で、気孔率60〜80%であり、シリコーンオイルを多く保持でき、更にシャフト10が装着されている。このオイル保持部材2の外周にはオイル移行層11が形成されている。このオイル移行層11は、耐熱繊維製フェルトで構成され、オイル保持部材2の外周に巻き付けられ、オイル保持部材2よりシリコーンオイルを吸収し、オイル塗布量制御層3へシリコーンオイルを供給する役目を担っている。耐熱繊維製フェルトはここでは厚みが2〜3mmで密度170〜260kg/m3のものが使用されるが、特に限定はない。また、オイル保持部材2に保持されるシリコーンオイルは、通常50〜300cSt (25℃)の低粘度シリコーンオイルが使用される。
【0016】
オイル塗布量制御層3は、その透気度が10〜2000秒/100cc であり、シリコーンオイルを通過させるものであれば、特に限定されない。この実施例のオイル塗布量制御層3では、延伸したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜(以下、PTFE多孔質膜という)が使用されている。このPTFE多孔質膜は、例えば、表面粗さがRa:0.7〜0.8mm、厚み:30〜60μm、透気度:60〜100秒/100cc 、気孔径:0.05〜0.1μm、気孔率:60%のものが使用される。「透気度」はB型ガーレー式デンソメータにより測定されるガーレー数(単位:秒/100cc )であり、「気孔率」は比重測定値から次式:気孔率(%)=(1−嵩比重/真比重)×100 により計算される値である。
【0017】
そして、このオイル塗布量制御層3は、オイル保持部材2の外周に形成されたオイル移行層11に、接着剤とシリコーンオイルとの混合物にて接着されるが、この混合物は充分に混合され、互いに分散していることが重要であり、オイル移行層11外周全面に混合物が塗布され、その塗布面にオイル塗布量制御層3を1回巻き付け接着する。すなわち、オイル移行層11外周全面に接触するオイル塗布量制御層3の全面を混合物にて接着する。この接着剤は、シリコーンオイルと共存した状態で、オイル移行層11とオイル塗布量制御層3とを接着出来るものであれば、特に限定されない。この実施例では、接着剤としてシリコーンワニスが採用され、このシリコーンワニス(SW)とシリコーンオイル(SO)との混合比が90:10〜20:80(SW:SO=90:10〜20:80)である。混合比が90:10を下回り、例えば95:05となると、接着部分が多くシリコーンオイルの通油路が少なく塗布量が不足することになる。逆に、混合比が20:80を上回り、例えば10:90となると、接着部分が少なくなりオイル移行層11とオイル塗布量制御層3との接着強度が不足することになる。なお、将来的にはトナーの改良が進み、より少量のシリコーンオイルの塗布で定着ローラへのトナーの付着が抑制できるようになることも予想される。すなわち、現在は0.5〜数mg/ 枚(A4換算)程度が要求されるオイル塗布量が、より少ないもの、例えば、0.2mg/ 枚程度以下の塗布量となることが予想される。このような場合は、混合物中におけるシリコーンワニスの配合割合を、例えば、シリコーンオイル1部に対してシリコーンワニス99部とより大きくすることで対応することができる。従って、本発明においては、シリコーンワニスとシリコーンオイルとの混合比は99:1〜20:80の範囲で使用できる。
【0018】
シリコーンワニスは、一般的にシリコーンワニスと称されるものが使用できる。すなわち、シリコーンゴムの架橋密度を極端に高くしたものがシリコーンレジンであり、シリコーンワニスは未反応のシリコーンレジンを溶剤に溶かして得られる。このシリコーンワニスは3〜4官能成分が多く、シリコーンゴムに比べて接着能力が優れる。シリコーンワニスの代わりにシリコーンゴムを使用しても、接着強度が大きく低下するか、あるいはオイル塗布量が制限されるなどして実用に耐えない。また、シリコーンワニスと混合させるシリコーンオイルの具体例としては、直鎖状メチルシリコーンオイル、分岐状メチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル及びジメチル基のいくつかを他の有機基に置換えられた変性シリコーンオイルが挙げられ、その粘度は、通常25℃で100〜300,000cSt 、好ましくは5000〜30,000cSt である。
【0019】
図4は本発明の他の実施の形態を示すもので、このオイル塗布ローラ1aと図1〜図3に示すオイル塗布ローラ1との相違点は、オイル移行層11とオイル塗布量制御層3との間に弾性体層12を介在させたことにある。この弾性体層12は、厚み0.5mm、密度60kg/m3程度の不織布が使用され、オイル移行層11の耐熱繊維製フェルトがオイル保持部材2の外周に巻き付けられた際、生じた段差を解消するためのものである。この段差は通常の記録紙上にトナーを定着する場合には無視できるが、プラスチック製のOHP用紙の場合には、この段差により生じたシリコーンオイルの塗布ムラによって、定着画像に濃淡のムラが生じることがある。従って、オイル移行層11上に弾性体層12を介在させることにより、段差を解消しシリコーンオイルの塗布ムラを防ぎ、定着画像に濃淡のムラが生じないようにする点で、オイル塗布ローラ1aは有用である。
【0020】
また、図5は本発明の他の実施の形態を示すものである。図5に示すのは、加熱定着ロール5に離型オイルを塗布するオイル塗布装置の構造として、その形状が略平板状のパッド形式を採用した例である。この構造においては、多孔質材料やフェルトのような材料からなる略平板状のオイル保持部52の表面にPTFE多孔質膜53が接着剤とシリコーンオイルとの混合物によって接着されている。この場合、オイル塗布パッド1bは固定状態で加熱定着ローラ5に当接する。
【0021】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
アルミノシリケート質繊維を主材として、外径29.4mm×内径8.0mm×長さ338.0mmのオイル保持部材を作製し、このオイル保持部材にシャフトを装着し、更に粘度100センチストークス(cSt)(25℃)のジメチルシリコーンオイル約130gを含浸させ、オイル保持部材の外周面に厚さ2.8mm、密度260kg/m3のアラミド系耐熱性繊維のフェルト(商品名「ノーメックス」:(日本フェルト社製)を巻き付け固定してオイル移行層とした。更に、膜厚30μmで気孔率60%、最大孔径0.1μmの延伸したPTFE多孔質膜であるオイル塗布量制御層の全面に、シリコーンワニス(「KR105」25℃の粘度700cSt (700mPa ・秒) 信越化学社製)とシリコーンオイル(「KF−96」25℃の粘度10万cSt (10万mPa ・秒) 信越化学社製)との混合比を9:1とした混合液を塗布し(混合液に硬化促進剤を3重量%程添加)、オイル塗布量制御層をオイル移行層の外周面に海苔巻き状に1回巻き付けて接着し、オイル塗布ローラを得た。このオイル塗布ローラを下記の試験(1)及び(2)により評価する。
【0022】
(1)市販のカラープリンタ(カラー通紙速度4ppm )に装着し、普通カラー用紙5000枚を通し、500枚、1000枚、2000枚、3000枚、4000枚、5000枚における各通紙後の普通カラー用紙上のシリコーンオイル塗布量を測定し、更に、その試験後のオイル塗布量制御層の剥がれやズレを目視観察する。
(2)上記のカラープリンタにて、マゼンダ単色のベタ画像をOHP用紙に一枚定着、通紙させ、OHP用紙上におけるシリコーンオイルの塗布ムラの有無を観察する。シリコーンオイルの塗布ムラは、マゼンダ単色のベタ画像の濃淡や色ムラとして観察される。
【0023】
実施例2〜4
実施例1と同様のシリコーンワニスとシリコーンオイルとを表1に示す本発明の範囲内の混合比率に変更した以外、実施例1と同様にして各オイル塗布ローラを得、これらの各オイル塗布ローラを試験(1)及び(2)により評価する。結果を表1に示す。
【0024】
比較例1及び2
実施例1と同様のシリコーンワニスとシリコーンオイルとを表1に示す混合比に変更した以外、実施例1と同様にして各オイル塗布ローラを得、これらの各オイル塗布ローラを試験(1)及び(2)により評価する。試験結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003847043
【0026】
表1によれば、実施例1〜4における試験(1)のシリコーンオイル塗布量は、シリコーンワニスとシリコーンオイルとの混合物中における接着剤であるシリコーンワニスの混合比が低くなるに連れて、順次多くなっている。これに対して比較例1はシリコーンワニスのみによる接着であるため、全面が接着しシリコーンオイル塗布量は0となっている。比較例2はシリコーンワニスの混合比が最も低いため、シリコーンオイル塗布量が最も多くなっている。また、実施例1〜4における試験(1)のオイル塗布量制御層の剥がれやズレが無いのに対して、比較例2はシリコーンワニスの混合比が低いため、接着力が弱くオイル塗布量制御層のズレが生じていた。なお、比較例1はシリコーンオイル塗布量が0であるため、オイル塗布量制御層の剥がれやズレの確認は行わなかった。以上の実施例1〜4及び比較例1及び2の結果から、混合物中の接着剤であるシリコーンワニス又はシリコーンオイルの混合比を変えることにより、シリコーンオイルの塗布量制御が可能となり、その塗布量制御の可能範囲は、シリコーンワニス(SW)とシリコーンオイル(SO)との混合比が90:10〜20:80(SW:SO=90:10〜20:80であることが確認された。
【0027】
また、実施例1〜4及び比較例2における試験(2)のOHP用紙上のシリコーンオイルの塗布ムラは無く、差が認められなかった。なお、比較例1は上記と同様の理由により試験(2)は行わなかった。
【0028】
(剥離強度の評価)
参考例1〜7
シリコーンワニスとシリコーンオイルとの混合液の代わりに、シリコーンゴム「KR−106」25℃の粘度5,000cSt(5,000mPa・秒) (信越化学社製)とシリコーンオイル「KF−96」(信越化学社製)の混合液を使用し、且つその混合比(ゴム/オイル)が1/1(参考例1)、2/1(参考例2)、10/1(参考例3)、20/1(参考例4)となる割合で調製した以外は、実施例1と同様の方法でオイル塗布ローラを得た。得られたオイル塗布ローラは下記条件の剥離強度試験を行い、オイル移行層であるフェルトからPTFE多孔質膜を剥がす剥離強度を求めた。また、比較のために、実施例1と同じシリコーンワニスとシリコーンオイルを使用し、(ワニス/オイル)の比が1/1(参考例5=実施例3)、2/1(参考例6)、20/1(参考例7)となるオイル塗布ローラを調製し、このオイル塗布ローラにおけるPTFE多孔質膜の剥離強度も同様の試験を行って求めた。これらの結果を表2に示す。
【0029】
(剥離強度試験)
・試験サイズ;30×100mm
・試験速度;10mm/ 分
・混合液塗布量;100g/m2
【0030】
【表2】
Figure 0003847043
【0031】
剥離強度はPTFE多孔質膜を引っ張った場合、膜の剥がる過程での引っ張り強度として定義される。従って、この剥離強度は、PTFE多孔質膜の接着強度と等価である。また、表2欄外記載の実用剥離強度は実験的に得られた実用上PTFE膜に必要とされる最低限の剥離強度である。剥離強度が3kgf/m(29N/m )以下の場合、オイル塗布ローラの使用において、PTFE膜の剥離やズレが発生し易くなり、実用性が大きく低下する。
【0032】
表2から明らかなように、シリコーンワニスに代えて、シリコーンゴムを用いた場合、接着強度が大きく低下する。シリコーンゴムを用いた場合には、その配合比率を高めることでかろうじて実用剥離強度を上回るものが得られるが、接着力に余裕がなく、実用上の信頼性は低いものとなる。なお、接着力を高めようとしてシリコーンゴムの配合比率を高めるとオイルの塗布量が減少するので、PTFE膜の強度を確保したとしても、オイルの塗布量の設定幅が制限されるという不都合を生じる。オイル塗布装置には、機種や利用するトナーの種類によって要求されるオイルの塗布量が異なるので、オイル塗布量の設定幅が制限されることは製品を供給する上で大きな障害となる。
【0033】
また、シリコーンゴムを選択した場合、シリコーンオイルとの混合液の粘着性が小さく、PTFE膜の接着作業がシリコーンワニスを選択した場合に比較して困難であるという問題もある。本実施の形態例のオイル塗布ローラは接着剤として、シリコーンワニスとシリコーンオイルとの混合液を使用するから、オイル塗布ローラにおけるPTFE膜の高い接着強度や広範囲に渡り要求されるオイル塗布量の設定、といった課題を共に解決することができる。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、分散状態の接着剤の硬化によりオイル保持部材とオイル塗布量制御層とが全体的に分散状態で接着し、分散状態のシリコーンオイルによりオイル塗布量制御層が全体的に分散状態でシリコーンオイルの通路を確保する。従って、加熱定着ロールに離型オイルであるシリコーンオイルをムラなく塗布出来、オイル塗布量制御層が運転中にズレたり剥がれたりせず、しかもオイル保持部材にオイル塗布量制御層を接着させるのが容易となる効果がある。また、オイル保持部材とオイル塗布量制御層との接着強度を確保出来、シリコーンオイルの塗布も出来るバランスの良好な状態となり、この混合比の範囲内でシリコーンオイルの塗布量を自在に制御出来る。従って、目的に合わせて、必要とする接着強度やシリコーンオイルの塗布量を選択出来、それだけ利用範囲を広げることが可能となる。
【0035】
請求項2の発明によれば、オイル保持部材とオイル塗布量制御層の間にオイル移行層や弾性体層を付設したため、前記と同様、オイル塗布量制御層が運転中にズレたり剥がれたりせず、且つより確実に塗布ムラを防止することができる。
【0036】
請求項3の発明によれば、全接触面において、オイル保持部材とオイル塗布量制御層とが分散状態で接着し、かつ分散状態のシリコーンオイルにより、オイル塗布量制御層におけるシリコーンオイルの通路が分散状態で確保される。従って、上記効果が一層顕著となる。
【0037】
請求項4の発明によれば、オイル保持部材が保持しているシリコーンオイル乃至分散状態のシリコーンオイルがオイル塗布量制御層を適量通過出来る。従って、上記効果に加え、シリコーンオイルの適量塗布及び塗布量制御を担保すると共に可能にしている。
【0038】
請求項5の発明によれば、運転開始時、定常運転時とも差がなく、一定量のシリコーンオイルを加熱定着ロールに安定的に塗布出来る。従って、上記効果に加え、通紙した記録紙1枚当たりの加熱定着ロールへのシリコーンオイルの塗布をムラなく塗布出来るのみにならず、運転状況や記録紙の通紙枚数によるシリコーンオイルの塗布量の変動も少なくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるオイル塗布ローラの定着装置における設置状態を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態であるオイル塗布ローラの径方向の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態であるオイル塗布ローラの軸方向の断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態であるオイル塗布ローラの軸方向の断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態であるオイル塗布ローラの軸方向の断面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b オイル塗布装置
2、52 オイル保持部材
3、53 オイル塗布量制御層
4 定着装置
5 加熱定着ロール
6 加圧ロール
7 記録紙
7a 表面
8 トナー
10 シャフト
11 オイル移行層
12 弾性体層

Claims (5)

  1. オイル保持部材にオイル塗布量制御層を、シリコーンワニス(SW)とシリコーンオイル(SO)との混合比(SW:SO)が90:10〜20:80の混合物にて接着してなることを特徴とするオイル塗布装置。
  2. オイル保持部材のオイル塗布側に付設されるオイル移行層又は弾性体層に、オイル塗布量制御層を、シリコーンワニス(SW)とシリコーンオイル(SO)との混合比(SW:SO)が90:10〜20:80の混合物にて接着してなることを特徴とするオイル塗布装置。
  3. 前記接着は、前記オイル保持部材と前記オイル塗布量制御層との全接触面、又は前記オイル移行層又は弾性体層と前記オイル塗布量制御層との全接触面に前記混合物をそれぞれ介在させて行う請求項1又は2記載のオイル塗布装置。
  4. 前記オイル塗布量制御層は、その透気度が10〜2000秒/100ccである請求項1〜3のいずれか1項記載のオイル塗布装置。
  5. 前記オイル塗布量制御層は、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜である請求項1〜4のいずれか1項記載のオイル塗布装置。
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