JP2002100585A - 半導体装置の製造方法、及び被処理基板 - Google Patents

半導体装置の製造方法、及び被処理基板

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JP2002100585A
JP2002100585A JP2000290586A JP2000290586A JP2002100585A JP 2002100585 A JP2002100585 A JP 2002100585A JP 2000290586 A JP2000290586 A JP 2000290586A JP 2000290586 A JP2000290586 A JP 2000290586A JP 2002100585 A JP2002100585 A JP 2002100585A
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Shusaku Yanagawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターンの疎密やレイアウト、積層構造など
の光吸収量の異なる構造が混在する被処理基板を、光照
射基板加熱装置にて加熱処理する際に、面内均一に加熱
するを可能にする。 【解決手段】 被処理基板603のパターン形成面側
に、赤外線領域における反射率が前記被処理基板603
を構成する半導体22の反射率よりも高い反射膜、例え
ばTiSi2 膜44を形成し、被処理基板603に対し
てパターン形成面とは反対側の面からの光照射で加熱処
理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法、及びその製造に適した被処理基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの微細化に伴い、
例えばMOSデバイスでは短チャネル効果を抑制するた
め、例えばバイポーラデバイスでは遮断周波数fT を向
上させるため、浅い接合を高精度に形成する必要が生じ
ている。そして、浅い接合を形成する方法の一つとし
て、高温で短時間処理が可能な光照射による加熱方法
(Rapid Thermal Annealing)
が採用されている。又、光照射による加熱は、イオン注
入により生じた結晶欠陥の回復やシンター等の各種アニ
ール、酸化膜、窒化膜の形成にも利用され、様々な膜構
造や不純物濃度などを有する基板に対し、基板温度を正
確に制御することが極めて重要になっている。
【0003】しかし、光照射による基板加熱では、膜構
造や膜質、不純物濃度等により基板の輻射率が変化して
しまうため、光照射強度が一定(Open Loop
Control)のもとでは、基板の光吸収量(処理温
度)が変化することになる。そのため、製造工程の複雑
化に伴い、各種ばらつき(膜厚、膜質、不純物量、構造
等によるばらつき)を含む基板を精度良く制御すること
は極めて難しい。更に、基板加熱装置を構成する石英チ
ューブの光透過率やチャンバー内壁の光反射率、光源と
なるランプの出力の経時的な変化等によっても基板の処
理温度が変化する。この問題に対処するため、基板温度
を測定してその測定値をランプの出力にフィードバック
する閉回路制御(Closed Loop Contr
ol)が実用化され、優れた基板温度制御が可能になり
つつある。
【0004】しかし、この方法においても基板上に様々
な光吸収量の異なる構造が混在する場合には、パターン
の疎密やレイアウト、積層構造に依存したウェーハ面内
温度の局所的な不均一性が生じてしまい、デバイス特性
のパターンレイアウト効果として近年問題となりつつあ
る。このパターン効果の対策としては、光の照射方法を
一般的なウェーハの両面からの照射ではなく、パターン
が形成されていない裏面からの照射とすることや、パタ
ーン形成面側に反射板を設置して基板形成面と反射板と
の間で光を反射させ、実効的な基板表面の輻射率を1.
0(黒体)に近づけることで改善されるとの報告があ
る。例えば、1997International C
onference on Rapid Therma
l Process for Future ULSI
の発表論文(Temperature and Int
erface Engineering in RT
P,Z.NENYEI)や、J.Electro Ch
em.Soc.,Vol.143,No.3,Marc
h1996,P1142,Jeffrey p.Heb
b参照。しかし、この方法によるパターン効果の改善に
は、裏面から照射した光がパターン形成面に照射されな
いように遮蔽する必要が有り、反射板の実効反射率も1
00%に近づけなければ効果はあまり見られない。これ
らの光照射加熱装置による対策では実デバイスでの改善
効果は十分では無い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の点に
鑑み、パターンの疎密やレイアウト、積層構造等の光吸
収量の異なる構成が混在する基板に対して、面内均一な
熱処理を可能にした半導体装置の製造方法、及びその製
造に適した被処理基板を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体装置
の製造方法は、被処理基板のパターン形成面側に、赤外
線領域における反射率が被処理基板を構成する半導体の
反射率よりも高い反射膜を形成し、被処理基板に対して
パターン形成面とは反対側の面からの光照射で加熱処理
を行う。
【0007】本発明の半導体装置の製造方法では、被処
理基板のパターン形成面側に赤外線領域における反射率
が高い反射膜を形成して、被処理基板をパターン形成面
とは反対側の面、いわゆる裏面からの光照射で熱処理を
行うことにより、表面からの光照射があっても、或いは
高温熱処理時において表面側への光の回り込みがあって
も、パターン形成面に照射される光は反射膜で反射さ
れ、裏面から照射される光によって、被処理基板は面内
均一に加熱処理される。
【0008】本発明に係る被処理基板は、光照射基板加
熱装置で熱処理される被処理基板のパターン形成面側
に、赤外線領域における反射率が被処理基板を構成する
半導体の反射率よりも高い反射膜が形成されて成る。
【0009】本発明の被処理基板では、被処理基板のパ
ターン形成面側に赤外線領域における反射率が高い反射
膜が形成されるので、被処理基板を光照射基板加熱装置
で加熱処理した際、表面のパターン形成面に照射される
光は反射膜で反射され、裏面からの光照射により面内均
一に加熱される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る半導体
装置の製造方法は、パターンの疎密やレイアウト、積層
構造等の光吸収量の異なる領域が混在する被処理基板に
対して光照射により熱処理する工程において、被処理基
板のパターン形成面側に、赤外線領域における反射率が
被処理基板を構成する半導体の反射率よりも高い反射膜
を形成し、被処理基板に対してパターン形成面とは反対
側の面からの光照射で加熱処理を行うようにする。反射
膜としては、金属、若しくは金属との化合物からなる膜
を用いる。反射膜としては、シリサイド膜を用いること
ができる。シリサイド膜としては、チタンシリサイド
膜、さらに熱的に安定なTiSi2 膜を用いることがで
きる。シリサイド膜としては、被処理基板のパターン形
成面(特にそのパターン形成面がシリコン系の酸化膜、
窒化膜等の場合)に多結晶シリコン膜を成膜し、この多
結晶シリコン膜上に金属膜、例えばTi膜を成膜し、熱
処理して形成することができる。このとき、熱処理後に
未反応の多結晶シリコンが残るように、多結晶シリコン
膜と金属膜の膜厚を設定するのが好ましい。上記光照射
による熱処理は、例えば、イオン注入により生じた結晶
欠陥の回復やシンター等の各種アニール、酸化膜、窒化
膜の形成に利用される。
【0011】本発明の実施の形態に係る被処理基板は、
光照射基板加熱装置で熱処理される被処理基板におい
て、その被処理基板のパターン形成面側に、赤外線領域
における反射率が被処理基板を構成する半導体の反射率
よりも高い反射膜を形成して構成する。反射膜は、金属
膜、若しくは金属との化合物からなる膜で形成する。反
射膜は、シリサイド膜で形成することができる。シリサ
イド膜は、チタンシリサイド膜、さらに熱的に安定なT
iSi2 膜で形成することができる。シリサイド膜は、
多結晶シリコン膜上に金属膜を成膜した後の熱処理で形
成することができる。このとき、シリサイド膜下の未反
応の多結晶シリコン膜が残存してることが好ましい。特
に、被処理基板のパターン形成面がシリコン系(シリコ
ン層、酸化膜、窒化膜等)の場合、このシリサイド膜は
膜剥れが無く好ましい。
【0012】図面を参照して、更に本発明の実施の形態
の例を詳述する。
【0013】図1は、本実施の形態に用いた光照射基板
加熱装置、即ちランプアニール装置の概略構成図であ
る。このランプアニール装置1は、外囲器(リアクタ
ー)2内に熱処理されるべき被処理基板6、例えばパタ
ーンの疎密やレイアウト、積層構造等の光吸収量の異な
る構造が混在する半導体基体(ウェーハ)を、挿入する
石英ガラスよりなる管体(いわゆる加熱炉)3が配置さ
れると共に、この石英ガラス管体3を上下に挟むように
光照射用の複数の赤外線ランプ(例えばハロゲンラン
プ)4からなる加熱手段5が配置されて成る。石英ガラ
ス管体3は赤外線に対し高い透過性を有する。上下の赤
外線ランプ4は外囲器2の例えば金でコーティングされ
た内壁面に対向して設けられる。石英ガラス管体3の被
処理基板6挿入側には、被処理基板6の挿入、取り出し
の際に開閉し、更に石英ガラス管体3の密閉時に石英ガ
ラス管体3内を気密に保持できるように樹脂製のパッキ
ング(Oリング)7が装着されたドア8が備えられてい
る。外囲器2は、水冷構造と、ガス導入口10から導入
する例えばN2 ガスあるいは空気による空冷構造を有し
て形成されている。
【0014】石英ガラス管体3内には、被処理基板6を
支持するための石英製のトレー11が配置される。被処
理基板6は、石英トレー11より突出した石英製の2本
のピン12と、接触式熱電対13の先端部分により水平
に支持される。熱電対13の測温部(合金部)のまわり
は、熱伝導性に優れた特性を有するSiCにより被覆さ
れている。これにより、被処理基板6からの熱伝導を高
め、更に光の直接吸収を極力抑えるための表面積を小さ
く、熱応答性を高めるために熱容量の小さな構造として
いる。又、測温部(合金部)のまわり以外の素線は、赤
外線の透過性に優れた石英により被覆され、測温部以外
の被覆材において光の直接吸収を極力抑えた構造を有し
ている。この接触式熱電対13により計測した被処理基
板温度を赤外線ランプ4の出力にフィードバックした閉
ループにて被処理基板温度を制御する。熱処理時、所要
の雰囲気ガスが石英ガラス管体3の一端のガス導入口1
6より供給され、他端のガス排出口17より排出される
ようになされる。14は赤外線ランプの温度を測定する
高温計、15は石英ガラス管体3内に配されたガードリ
ングである。
【0015】先ず、比較のために、図12に示す評価サ
ンプル601を用意する。評価サンプル601は、図1
2Aに示すように、所定の大きさの半導体ウェーハ22
に積層膜厚を異にした領域A及び領域Bを交互に形成し
て成る。この評価サンプル601は、表1のサンプル作
製工程に従って作製される。
【0016】
【表1】
【0017】即ち、本例は、図12B(領域Aの断面)
及び図12C(領域Bの断面)を参照するに、5インチ
Siウェーハ(p型、比抵抗3〜8Ωcm)22を用
い、このSiウェーハ22上に、第1の熱酸化膜(Si
2 膜)を800nm程度形成した後に、20mm×2
0mmの領域Aと領域Bが交互に繰り返される格子状の
レジストパターンを形成し、HF溶液にてオーバーエッ
チングで開口部の熱酸化膜を取り除く。次に、レジスト
パターンを剥離した後に、再び200nm程度の第2の
熱酸化膜(SiO2 膜)を成長させて、領域Aに膜厚が
200nm程度の熱酸化膜23aを形成し、領域Bに膜
厚が850nm程度の熱酸化膜23bを形成する。即
ち、領域A、Bでの酸化膜厚が互いに異なる熱酸化膜パ
ターンを形成する。この熱酸化でSiウェーハ22の裏
面側にも膜厚200nm程度の熱酸化膜24が形成され
る。
【0018】その後、減圧CVDにより全面に膜厚が1
50nm程度の多結晶Si膜25を堆積し、この多結晶
Si膜24に対してBF2 + を40keV、4.3×1
14ions/cm2 の条件でイオン注入する。裏面の
熱酸化膜24上にも膜厚150nm程度の多結晶Si膜
26が堆積される。更に表面側の多結晶Si膜25上
に、常圧CVDにてボロン(B)のアウトディフュージ
ョンの防止、及び窒化防止を目的とした、膜厚300n
m程度のキャッピングSiO2 膜27を堆積し、続いて
拡散炉によるアニール処理を行い、評価サンプル601
を作成する。この拡散炉アニール処理は、N2 雰囲気中
で900℃、15分の第1の熱処理を施し、次にN2
囲気中で800℃、30分の第2の熱処理を施す。この
アニール処理でキャッピングSiO2 膜27は、緻密化
され膜厚285nm程度になる。
【0019】この評価サンプル601に対してRTA処
理、つまり図1の光照射基板加熱装置1によるランプア
ニール処理を行った。 ランプアニール処理は、図13
に示す処理シーケンスを用い、評価サンプル601に対
して表裏両面からの光照射で熱処理を行う。この処理シ
ーケンスは、所要の雰囲気、例えばN2 ガス雰囲気中
で、熱処理の開始温度T1 を200℃程度とし、評価サ
ンプルを搬入して所要時間後、温度T 1 から温度上昇速
度50℃/secで到達最高温度T2 1000℃〜10
60℃程度まで昇温して10sec保持し、その後、温
度降下速度50℃/secでT 3 400℃程度まで降温
し、温度T3 を所要時間だけ保持して熱処理を終了した
後、評価サンプルを搬出する。
【0020】図14と図15は、評価サンプル601に
対して求めた領域Aと領域Bの輻射率(Emissiv
ity)と光吸収量のシュミレーション結果を示す。こ
こでのシュミレーションに於いては、光照射基板加熱装
置1のハロゲンランプ4からの光照射を2500Kの黒
体輻射として計算し、石英ガラス管体3の赤外線の透過
率を94%、外囲器2の反射率を70%と仮定して実効
輻射率を求め、石英ガラス管体3の赤外線の透過波長域
(0.2μm〜4.0μm)に対する垂直入射光の単位
面積当たりの吸収量を求めた。これより、領域Aに於け
る単位面積当たりの光吸収量は領域Bよりも少なく、よ
って領域Aは領域Bよりも温度が低く、シート抵抗値が
高くなることが予測できる。
【0021】図13の処理シーケンスにおいて、到達最
高温度T2 を1000℃、1030℃、1060℃、保
持時間を共に10secとした3種類の処理シーケンス
により、RTA(ランプアニール)処理した各評価サン
プル601に対し、そのキャッピングSiO2 膜25を
HF溶液を用いて剥離後、多結晶Si膜24のシート抵
抗面内分布を4端子法にて測定した。多結晶Si膜24
の下層に形成した熱酸化膜23〔23a、23b〕の膜
厚の違いがもたらすシート抵抗ρs の面内分布と、シー
ト抵抗のRTA処理温度依存より換算した面内温度分布
とを、図16及び図17にそれぞれ示す。
【0022】これら図16及び図17の結果を見て判る
ように、下地SiO2 膜23〔23a、23b〕の格子
状パターンを反映したシート抵抗ρs 、及び温度分布が
形成されており、従来技術に於いては構造やパターンレ
イアウト等により局所的な温度分布を招いてしまう事を
表している。
【0023】次に、本発明の一実施の形態を説明する。
図9は、本実施の形態に係る被処理基板となる評価サン
プル602の断面構造を示す。この評価サンプル602
は、表2に示すサンプル作製工程によって、作製され
る。
【0024】
【表2】
【0025】即ち、前述と同様に、5インチSiウェー
ハ(p型、比抵抗3〜8Ωcm)22の一主面上に格子
状に交互に、膜厚が異なる熱酸化膜23〔23a、23
b〕、即ち膜厚が200nm程度の熱酸化膜23aと膜
厚が850nm程度の熱酸化膜23bを形成し、この熱
酸化膜23上の膜厚150nm程度の多結晶Si膜25
を形成し、この上にCVD法による膜厚285nm程度
(拡散炉による熱処理後の膜厚)のSiO2 膜27を形
成し、Siウェーハ22裏面にも膜厚200nm程度の
熱酸化膜(SiO2 膜)24、膜厚150nm程度の多
結晶Si膜26を形成する。さらに、拡散炉による第
1、第2の熱処理後に、表面側のCVDSiO2 膜27
上に金属層、例えば金(Au)層による反射膜32を形
成して酸化膜厚の異なる領域Aと領域Bが形成された評
価サンプル602を構成する。
【0026】この評価サンプル602に対して光照射基
板加熱装置1によるRTA(ランプアニール)処理を行
った。ランプアニール処理では、前述の図13の処理シ
ーケンスを用い、評価サンプル602に対して表裏両面
からの光照射でアニール処理した。
【0027】一般に金属の赤外線領域に於ける反射率は
高く、少なくともシリコン(反射率30%程度)より高
い。本実施の形態に係る評価サンプル602によれば、
図12の評価サンプル601構造に反射率が高い例えば
金(Au)層32を堆積することにより、パターン形成
面(表面)側に照射する光を反射させることが可能とな
る。そして、RTA処理の際の光吸収はパターンが形成
されていない裏面側で支配的に起こり、Auコーティン
グをした際の室温に於ける光吸収量と輻射率を示す図1
0及び図11のシュミレーション結果のように、石英を
透過する0.2〜4.0μmの波長域の光をほぼ反射
し、パターン効果の改善が期待できる。
【0028】ところで、実際には金(Au)は融点が1
064℃と低く、下層との熱膨張係数の差により膜剥が
れが生じる恐れもある。更にRTA処理中の高温下に於
いては原子の振動吸収により反射率が低下する恐れもあ
る。
【0029】又、金(Au)に替えてチタン(Ti)の
ような高融点金属を反射膜として用いた場合に於いて
も、パターン形成面側に照射する光を反射し、光吸収が
パターン形成されていない裏面側で支配的に起こり、パ
ターン効果の改善が期待できる。しかし、このTi膜も
膜剥がれが生じる恐れがあり、更に下地がSiO2 膜の
場合には膜中酸素との反応により赤外線を透過する酸化
Tiが形成されるときは、パターン効果の改善効果が得
にくい。
【0030】次に、本発明の好ましい実施の形態を説明
する。本例では、金属膜の替わりにシリサイド膜、例え
ばチタンシリサイドのうちのTiSi2 膜を反射膜とし
て形成した場合のパターン効果の改善について説明す
る。
【0031】一般的なシリサイドは単体の金属に比べ抵
抗率が高いが、TiSi2 に関してはTiよりも抵抗率
が低く、図4(室温に於けるTiSi2 とTiの反射
率)に示すように反射波長域が短波長側に広がり、ハロ
ゲンランプを用いた光照射加熱装置1に於ける照射波長
をほぼ反射させることが出来る。更に、TiSi2 は熱
的に安定であり、金属単体と異なり高温ほど抵抗率が低
く、同様に反射率も高くなる特異な性質を持つ。この
為、RTA処理中に於いても高い反射が起こるために、
RTA処理に於けるパターン効果の改善が期待出来る。
【0032】図2〜図3は、本実施の形態に係る被処理
基板となる評価サンプル、即ち反射膜となるTiSi2
膜44を有する評価サンプル603の断面構造を示す。
評価サンプル603は、同図示のように、所定の大きさ
の半導体ウェーハ22に積層膜厚を異にした領域A及び
領域Bを交互に形成し、パターン形成面上に反射膜とな
るTiSi2 膜44を形成して成る。この評価サンプル
603は、表3のサンプル作製工程に従って作製され
る。
【0033】
【表3】
【0034】即ち、前述と同様に5インチSiウェーハ
(p型、比抵抗3〜8Ωcm)22上に、第1の熱酸化
膜(SiO2 膜)を800nm程度形成した後に、20
mm×20mmの領域Aと領域Bが交互に繰り返される
レジストパターンを形成し、HF溶液にてオーバーエッ
チングで開口部の熱酸化膜を取り除く。次に、レジスト
パターンを剥離した後、再び200nm程度の第2の熱
酸化膜(SiO2 膜)を成長させて、領域Aに膜厚が2
00nm程度の熱酸化膜23aを形成し、領域Bに膜厚
が850nm程度の熱酸化膜23bを形成する。即ち、
領域A、Bでの熱酸化膜23〔23a、23b〕の膜厚
が互いに異なる熱酸化膜パターンを形成する。この熱酸
化でSiウェーハ22の裏面側にも膜厚200nm程度
の熱酸化膜24が形成される。次に、減圧CVDにより
全面に膜厚が150nm程度の多結晶Si膜25を堆積
し、この多結晶ASi膜25に対してBF2 + を40k
eV,4.3×1014ions/cm2 の条件でイオン
注入する。裏面の熱酸化膜24上にも膜厚150nm程
度の多結晶Si膜26が堆積される。次に、表面側の多
結晶Si膜27上に、常圧CVDにてボロン(B)のア
ウトディフュージョンの防止、及び窒化防止を目的とし
た、膜厚300nm程度のキャッピングSiO2 膜27
を堆積する。
【0035】次に、このウェーハに対して拡散炉にてN
2 雰囲気中で900℃、15分の第1の熱処理を施す。
【0036】本例では、さらにキャッピングSiO2
27上に減圧CVD(基板温度610℃)にて所定の膜
厚、例えば150nm程度、或いは300nm程度の多
結晶Si膜42を堆積し、このウェーハに対して拡散炉
にてN2 雰囲気中で800℃、30分の第2の熱処理を
施す。その後、多結晶Si膜42上にスパッタ装置にて
所要の膜厚、例えば25nm〜125nm程度のチタン
(Ti)による反射膜44を堆積する(図3参照)。
【0037】次いで、このウェーハ(その後評価サンプ
ルとなる)に対して図1の光照射基板加熱装置1による
RTA(ランプアニール)処理を行った。RTA処理で
は、前述の図13に示す処理シーケンスを用い、ウェー
ハに対して表裏両面からの光照射でアニール処理した。
RTA処理は、到達最高温度T2 を1000℃、103
0℃、1060℃、保持時間を共に10secとした3
種類の温度シーケンスについて試みた。
【0038】このRTA処理中にTi膜43と多結晶S
i膜42が反応して反射膜となるTiSi2 膜44が形
成されて、図2に示す評価サンプル603が形成され
る。このとき、TiSi2 膜44下には、多結晶Si膜
42の一部が未反応として残る。
【0039】多結晶SiとTiは、一般に715℃程度
のRTA処理によりC49の結晶構造を有するシリサイ
ドとなり、875℃の熱処理にてC54の結晶構造を有
する熱的に安定なシリサイドとなる。ここでは、図13
に示す処理シーケンスのランプ照射の際に、多結晶Si
膜42とTi膜43を反応させ、1000〜1060℃
の到達最高温度T2 の際には既にTiSi2 反射膜44
が形成されることになる。即ち、一連のRTA処理の過
程で、評価サンプル603のTiSi2 反射膜44の形
成と、この評価サンプル603に対するRTA処理がな
される。
【0040】表4に、図2の評価サンプル603構造を
有する各サンプル1〜10の評価水準を示す。
【0041】
【表4】
【0042】RTA処理後、TiSi2 膜44及び未反
応の多結晶Si膜42をCl2 系ガスを用いたRIE
(反応性イオンエッチング)装置により除去した後に、
前述の方法と同様にキャッピングのSiO2 膜27をH
F溶液により除去し、BF2 +をイオン注入した多結晶
Si膜25のシート抵抗ρsの面内分布を四端子法にて
測定し、パターン効果を確認した。シート抵抗ρs面内
分布とシート抵抗のRTA処理温度依存より換算した面
内温度分布の結果を図5〜図8に示す。
【0043】従来技術では、下地酸化膜23〔23a、
23b〕の格子状パターンを反映し、シート抵抗分布が
格子状の分布を示す(図16参照)のに対し、本実施の
形態のTiSi2 反射膜44を形成した評価サンプル6
03(表4のサンプル1〜10)では、Ti膜厚、多結
晶Si膜厚、RTA温度に依存せずパターン効果は完全
に無くなっており、面内均一性も優れる(図5〜図8参
照)。又、膜剥がれの問題も生じなかった。これは、T
i膜43の下層に形成した多結晶Si膜42の一部が未
反応状態で残ることで、SiO2 膜27と多結晶Si膜
42との良好な密着性が存在する為と考えられる。
【0044】上例では、本実施の形態に係る被処理基板
に対して、表裏両面側から光照射して熱処理する場合に
ついて説明したが、その他、被処理基板に対して裏面側
からのみ光照射して熱処理する場合にも適用できる。即
ち、本発明では、ランプアニールに際し、少なくとも被
処理基板を裏面側からの光照射で熱処理されるものであ
る。
【0045】本実施の形態では、被処理基板のパターン
形成面に反射膜を形成してランプアニール処理した後、
後工程で反射膜を除去する、或いは反射膜をその後に形
成される半導体素子の電極に利用する、等のことができ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、被処理基板に対して光
照射基板加熱装置を用いた加熱処理において、パターン
の疎密やレイアウト、積層構造等の光吸収量の異なる構
造が混在する場合に生じる被処理基板の面内温度の局所
的な不均一性を改善することが出来る。
【0047】被処理基板に形成する反射膜として、特に
シリサイド膜、好ましくは熱的に安定なTiSi2 膜を
用いるときは、面内均一な熱処理が行え、且つ反射膜剥
がれが生じない。反射膜として、多結晶シリコン膜上に
金属膜を成膜し、未反応の多結晶シリコンが残るように
熱処理してシリサイド膜を形成するときは、下地シリコ
ン系膜(シリコン層、酸化膜、窒化膜等)とのシリサイ
ド膜との密着性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に用いた光照射基板加熱装置の概
略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る被処理基板となる評価サン
プルの一例を示す構成図である。
【図3】図2の評価サンプルのRTA処理前の構成図で
ある。
【図4】室温でのTiSi2 とTi反射率を示すグラフ
でらる。
【図5】図2の本実施の形態に係る評価サンプル(表4
のサンプル1〜5)のRTA処理後のシート抵抗ρs面
内分布図である。
【図6】図2の本実施の形態に係る評価サンプル(表4
のサンプル6〜10)のRTA処理後のシート抵抗ρs
面内分布図である。
【図7】図2の本実施の形態に係る評価サンプル(表4
のサンプル1〜5)のRTA処理温度依存より換算した
面内温度分布図である。
【図8】図2の本実施の形態に係る評価サンプル(表4
のサンプル6〜10)のRTA処理温度依存より換算し
た面内温度分布図である。
【図9】本実施の形態に係る被処理基板となる評価サン
プルの他の例を示す構成図である。
【図10】Auコーティングをした際の室温に於ける光
吸収量を示すグラフである。
【図11】Auコーティングをした際のAu膜厚をパラ
メータとした輻射率を示すグラフである。
【図12】比較例に係る被処理基板となる評価サンプル
の構成図である。
【図13】RTA処理における処理シーケンスである。
【図14】比較例の評価サンプルにおける光吸収量のグ
ラフである。
【図15】比較例の評価サンプルにおける輻射率のグラ
フである。
【図16】比較例の評価サンプルのシート抵抗ρsの面
内分布図である。
【図17】比較例の評価サンプルのRTA処理温度依存
より換算した面内温度分布図である。
【符号の説明】
1・・・光照射基板加熱装置、3・・・石英ガラス管
体、4・・・赤外線ランプ、6・・・被処理基板、60
1、602、603・・・被処理基板となる評価サンプ
ル、22・・・Siウェーハ、23〔23a、23
b〕、24・・・熱酸化膜(SiO2 膜)、25、2
6、42・・・多結晶シリコン膜、27・・・キャッピ
ングSiO2 膜、32・・・金(Au)膜、43・・・
Ti膜、44・・・TiSi2 膜。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板のパターン形成面側に、赤外
    線領域における反射率が前記被処理基板を構成する半導
    体の反射率よりも高い反射膜を形成し、 前記被処理基板に対してパターン形成面とは反対側の面
    からの光照射で加熱処理を行うことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記反射膜として金属、若しくは金属と
    の化合物からなる膜を用いることを特徴とする請求項1
    に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記反射膜としてシリサイド膜を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 多結晶シリコン膜上に金属膜を成膜し、
    熱処理して前記シリサイド膜を形成することを特徴とす
    る請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シリサイド膜として、チタンシリサ
    イド膜を用いることを特徴とする請求項3に記載の半導
    体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記シリサイド膜として、TiSi2
    を用いることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記金属膜としてTi膜を用いることを
    特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 熱処理後に未反応の多結晶シリコンが残
    るように、前記多結晶シリコン膜と金属膜の膜厚を設定
    することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 光照射基板加熱装置で熱処理される被処
    理基板のパターン形成面側に、赤外線領域における反射
    率が前記被処理基板を構成する半導体の反射率よりも高
    い反射膜が形成されて成ることを特徴とする被処理基
    板。
  10. 【請求項10】 前記反射膜が金属膜、若しくは金属と
    の化合物からなる膜で形成されて成ることを特徴とする
    請求項9に記載の被処理基板。
  11. 【請求項11】 前記反射膜がシリサイド膜で形成され
    て成ることを特徴とする請求項9に記載の被処理基板。
  12. 【請求項12】 多結晶シリコン膜上に金属膜を成膜し
    た後の熱処理で前記シリサイド膜が形成されて成ること
    を特徴とする請求項11に記載の被処理基板。
  13. 【請求項13】 前記シリサイド膜がチタンシリサイド
    膜で形成されて成ることを特徴とする請求項11に記載
    の被処理基板。
  14. 【請求項14】 前記シリサイド膜がTiSi2 膜で形
    成されて成ることを特徴とする請求項11に記載の被処
    理基板。
  15. 【請求項15】 前記金属膜がTi膜であることを特徴
    とする請求項12に記載の被処理基板。
  16. 【請求項16】 前記シリサイド膜下に未反応の多結晶
    シリコン膜が残存して成る ことを特徴とする請求項1
    2に記載の被処理基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005071992A (ja) * 2003-08-07 2005-03-17 Canon Inc 減圧雰囲気下における加熱、冷却方法及び画像表示装置の製造方法
JP2010206180A (ja) * 2009-02-06 2010-09-16 Canon Inc 固体撮像装置の製造方法
JP2017101297A (ja) * 2015-12-02 2017-06-08 中部電力株式会社 遮熱膜

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