JP2002100024A - 磁気記録媒体用保護膜、磁気記録媒体および磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体用保護膜、磁気記録媒体および磁気記録装置

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JP2002100024A
JP2002100024A JP2000288931A JP2000288931A JP2002100024A JP 2002100024 A JP2002100024 A JP 2002100024A JP 2000288931 A JP2000288931 A JP 2000288931A JP 2000288931 A JP2000288931 A JP 2000288931A JP 2002100024 A JP2002100024 A JP 2002100024A
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magnetic recording
recording medium
protective film
carbon
lubricant
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JP2000288931A
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Tsukasa Itani
司 井谷
Tetsukazu Nakamura
哲一 中村
Shoichi Suda
章一 須田
Masayuki Takeda
正行 武田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程数を増やすことなく容易に製造すること
ができ、しかも塗布された潤滑剤との相互作用が大き
く、潤滑剤による被覆率を高めることのできる磁気記録
媒体用炭素系保護膜を提供する。 【解決手段】 C、Si、OおよびFの元素から構成さ
れる磁気記録媒体用炭素系保護膜、この炭素系保護膜を
含む磁気記録媒体、およびこの磁気記録媒体を含む磁気
記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用保
護膜、磁気記録媒体および磁気記録装置に関する。本発
明は、特に潤滑剤による被覆率に優れた磁気記録媒体用
保護膜と、それを用いた磁気記録媒体および磁気記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年においては、磁気記録装置における
情報記録のための磁気記録媒体の高記録密度化への要求
に応えるため、磁気記録媒体と磁気ヘッド間の浮上間隙
は年々縮小している。これにより磁気ヘッド浮上量の低
減化に起因する磁気記録媒体と磁気ヘッド間の間欠的な
接触機会は著しく増加するため、今後さらなるCSS特
性(連続スタート/ストップ特性)の向上が不可欠とな
る。
【0003】磁気記録媒体では、磁気ヘッドとの接触、
摺動により、摩擦、磨耗による磁気特性の劣化や機械的
損傷が生じる。そこで、実用耐久性や信頼性の向上の観
点から、現状では、一般に、磁気記録媒体表面に硬質の
カーボン系保護膜を設け、その上にPFPE(パーフル
オロポリエーテル)系潤滑剤を被覆することが行われて
いる。
【0004】しかしながら、上述したカーボン系保護膜
は、潤滑剤の付着保持性が低く、磁気記録装置中で長期
間使用されると、磁気記録媒体の回転に伴う遠心力によ
り潤滑剤が円周部へ移動して飛散し、潤滑剤量が減少し
てしまうために、ヘッドクラッシュが生じ易いという問
題があった。上記問題点を解決する方法としては、これ
までにPFPE系潤滑剤の塗布後に紫外線を照射して潤
滑剤化合物の化学活性を高めることによりカーボン系保
護膜と潤滑剤との密着性を向上させる方法(特開平7−
85461号公報および特開平8−124142号公
報)や、カーボン系保護膜の表面層に酸素を含有せしめ
ることで、潤滑剤層の極性基とカーボン系保護膜表面層
との化学結合により潤滑剤の保持力を高める方法(特開
平6−231450号公報)、カーボン系保護膜の形成
後に各種導入ガスを用いてプラズマ処理を行い、保護膜
の表面層を親水性に改質することで、潤滑剤層を固着す
る方法(特開平4−49522号公報)等が提案されて
いる。
【0005】紫外線照射は、確かにカーボン系保護膜の
表面層への潤滑剤の付着率を高めるが、生産プロセスに
おいては追加の工程が必要になる。また、結合力は、照
射時間および光源の出力量に強く依存し、両者の増大に
伴い一定値に向かって直線的または漸近的に増加するこ
とが確認されている。つまり、塗布直後の潤滑剤層とカ
ーボン系保護膜の結合力が高いほど照射時間および光源
の出力量を低減化できることになるが、通常のカーボン
系保護膜の表層においては大気暴露に対して時間の経過
とともに表面積当たりの活性点数が減少するため、潤滑
剤を塗布するまでのタイムラグにより表面積当たりの被
覆率が大幅に減少し、結果として塗布された潤滑剤の結
合力が強固であっても、しま状に分布してしまうという
不具合が生じる。
【0006】一方、カーボン系保護膜の表面層への酸素
含有処理も同様に有効ではあるが、潤滑剤を洗浄後の潤
滑剤層の残膜率が55%程度であり、保護膜表面上にお
ける潤滑剤の吸着量不足の改善としては不十分である。
また、一般にプラズマ処理による表面改質は保護膜の形
成後に行われるため、設備の複雑化や工程数の増加は不
可避である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工程数を増
やすことなく容易に製造することができ、しかも塗布さ
れた潤滑剤との相互作用が大きく、潤滑剤による被覆率
を高めることのできる磁気記録媒体用炭素系保護膜並び
にそれを用いた磁気記録媒体および磁気記録装置を提供
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、C、Si、OおよびFの元素から構成され
る磁気記録媒体用炭素系保護膜を提供する。本発明は、
また、磁気記録層を被覆する炭素系保護膜として上記本
発明の炭素系保護膜を含む磁気記録媒体およびこの磁気
記録媒体を含む磁気記録装置を提供する。
【0009】上記本発明の磁気記録媒体用炭素系保護膜
は、アルコキシフルオロシランを成膜ガスの一部として
用いて成膜を行うことにより製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい態様において
は、磁気記録媒体上にカーボン保護膜を成膜する際に、
下記式(1)
【0011】
【化1】 で示されるトリエトキシフルオロシラン(SiF(OC
2 CH3 3 に代表されるような、下記式(2)
【0012】
【化2】 (上式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ、炭素数
1以上の有機化合物残基、好ましくは炭化水素残基を表
す。ただし、式中のOR1 、OR2 およびOR3のうち
の最大2つまではFで置き換えられてもよい)で示され
るアルコキシフルオロシランを原料ガスの一部として用
いて成膜を行うことにより、得られるカーボン膜中に下
記式(3)
【0013】
【化3】 (上式中、AおよびBは、それぞれ、OSi(F)、O
RまたはRを表し、ここでORは炭素数1以上のアルコ
キシ基を表し、Rは炭素数1以上の有機化合物残基、好
ましくは炭化水素残基を表す)で示されるフッ素変性シ
ロキサン構造を導入するものである。
【0014】上記の如きアルコキシフルオロシランとと
もに原料ガスとして用いられる炭素含有物質は、一般に
磁気記録媒体の保護のためのカーボン膜の形成に用いら
れるものであってよく、特に限定されるものではない。
そのような炭素含有物質の例としては、メタン、エタ
ン、プロパン、ブタン等のメタン列炭化水素、エチレ
ン、プロピレン、ブテン等のエチレン列炭化水素、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素を挙げることができ
る。
【0015】また、本発明に係る炭素系保護膜の形成
は、通常のカーボン保護膜の形成のための方法と同様の
方法により行えばよく、本質的には原料ガスを分解し、
被覆したい基板表面に原料分解物を輸送する方法であれ
ばいかなる方法であってもよい。例としては、典型的に
は、高周波プラズマCVD法、イオンビーム蒸着法、イ
オン化蒸着法等を挙げることができる。
【0016】本発明においては、カーボン保護膜の成膜
雰囲気にトリアルコキシフルオロシランを導入すること
で、基板上には炭素とフルオロシロキサンの混合膜が堆
積する。F原子は電気陰性度が高いため、SiとFとの
間で強い分極が起こる。そして、上記混合膜は、そのよ
うな強い分極をおこした結合部位が均一に分散した構造
を持つようになるものと考えられる。したがって、この
膜に極性基を持った潤滑剤を塗布することで、分極した
Si−F結合と潤滑剤分子の極性基との間に働く静電引
力によって潤滑剤と保護膜表面に強い結合力が発生し、
潤滑剤の被覆率が高まるのであろうと思われる。
【0017】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらの実施例により何らの限定もされる
ものではない。 実施例1 平行平板型プラズマCVD装置を用い、放電出力:30
0W、チャンバ内圧力:5mTorrの条件下に、CH
4 (30sccm)+H2 (100sccm)+トリエ
トキシフルオロシラン(SiF(OCH2 CH3
3 (Arをキャリアガスとしてバブリングにより供給、
Ar:100sccm)、基盤バイアス:−300V
で、フルオロシロキサン混合カーボン保護膜をSi上に
成膜した。成膜後、直ちにアウジモンド社(イタリア)
のFomblin AM3001(PTFE系潤滑剤)
をフルオロカーボン系溶剤(品名:フロリナート、住友
3M社製)を溶媒として用いて約0.2容量%程度に希
釈した潤滑剤溶液に浸漬して潤滑剤を塗布した。潤滑剤
溶液への浸漬時間は30秒であり、引き上げ速度は80
0mm/分であった。
【0018】上記により得られた潤滑剤塗布保護膜のサ
ンプルを用い、このサンプル上での水接触角により潤滑
剤被覆率を評価したところ、接触角は103°であっ
た。また、潤滑剤塗布後、フルオロカーボン系溶剤(品
名:フロリナート、住友3M社製)によりサンプルを洗
浄した後の潤滑剤層の初期膜厚に対する膜厚残存率(残
膜率)で保護膜に対する結合力を評価したところ、残膜
率は90%以上であった。
【0019】さらに、耐久性試験のため、磁気ディスク
ヘッドを40gの荷重でサンプル表面に押しつけ、回転
数500rpmで回転させたところ、8500周回まで
保護膜は破壊しなかった。また、上記サンプルと同じ手
法で成膜した炭素膜をXPS(X線光電子分光法)で分
析したところ、膜中にC、Si、OおよびFの元素が存
在することが確認された。
【0020】比較のために、上記と同一の装置を用い、
トリエトキシフルオロシランを用いなかった以外は上記
と全く同一の条件で成膜し、サンプルを作製した。この
サンプル上での水の接触角は81°であり、残膜率は4
5%であった。また、耐久性試験では、4000周回で
保護膜に破壊が生じた。 実施例2 熱電子励起型イオンビーム成膜装置を用い、CH4 (3
0sccm)+トリエトキシフルオロシラン(SiF
(OCH2 CH3 3 (Arをキャリアガスとしてバブ
リングにより供給、Ar:100sccm)、基板バイ
アス:−200Vで、フルオロシロキサン混合カーボン
保護膜をSi上に成膜した。次いで、実施例1と同様に
して、潤滑剤を塗布後、接触角と残膜率を評価したとこ
ろ、それぞれ、105°、92%であった。また、実施
例1と同様にして耐久性試験を行ったところ、9300
周回まで保護膜は破壊しなかった。
【0021】また、上記サンプルと同じ手法で成膜した
炭素膜をXPSで分析したところ、膜中にC、Si、O
およびFの元素が存在することが確認できた。比較のた
めに、上記と同一の装置を用い、トリエトキシフルオロ
シランを用いなかった以外は上記と全く同一の条件で成
膜し、サンプルを作成し、水の接触角、残膜率を評価し
たところ、それぞれ、68°、35%であった。また、
耐久性試験では、4200周回で保護膜に破壊が生じ
た。
【0022】上記においては、フッ素変成フルオロシロ
キサン混合炭素膜の成膜方法として2つ例を挙げたが、
本発明の保護膜の成膜方法が上記方法のみに限定されな
いことは明らかである。また、生成する膜中にフッ素変
成シロキサン構造を導入するために必要なガスも、アル
コキシフルオロシランであればいかなるものであっても
よいことも明らかである。
【0023】
【発明の効果】本発明に従い、炭素膜中にフッ素変成シ
ロキサン構造を均一に導入することにより、潤滑剤と炭
素膜が強固に結合し、かつ、潤滑剤による炭素膜への被
覆率を高めることができ、磁気記録装置の耐久性を高め
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須田 章一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 武田 正行 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA09 BA24 BA27 BA29 LA01 LA20 5D006 AA02 5D112 AA07 BC05 FA01 FA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C、Si、OおよびFの元素から構成さ
    れる磁気記録媒体用炭素系保護膜。
  2. 【請求項2】 膜中にフッ素変成シロキサン構造を含
    む、請求項1記載の磁気記録媒体用炭素系保護膜。
  3. 【請求項3】 磁気記録層を被覆する炭素系保護膜とし
    て請求項1または2に記載した炭素系保護膜を含む磁気
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した磁気記録媒体を含む
    磁気記録装置。
  5. 【請求項5】 アルコキシフルオロシランを成膜ガスの
    一部として用いて成膜を行うことを含む、磁気記録媒体
    用炭素系保護膜の製造方法。
JP2000288931A 2000-09-22 2000-09-22 磁気記録媒体用保護膜、磁気記録媒体および磁気記録装置 Pending JP2002100024A (ja)

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