JP2002098963A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2002098963A
JP2002098963A JP2000292610A JP2000292610A JP2002098963A JP 2002098963 A JP2002098963 A JP 2002098963A JP 2000292610 A JP2000292610 A JP 2000292610A JP 2000292610 A JP2000292610 A JP 2000292610A JP 2002098963 A JP2002098963 A JP 2002098963A
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浩 東山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外光を利用する反射表示のときの液晶表示素子
を透過した光の反射率と、照明光を利用する透過表示の
ときの前記液晶表示素子への光の入射率をいずれも高く
し、反射表示のときも透過表示のときも明るい表示を得
ることができる反射/透過型の液晶表示装置を提供す
る。 【解決手段】液晶表示素子1の背後に、入射端面15a
と、入射端面15aからの入射光を出射しかつ液晶表示
素子1を透過した光を入出射させる入出射面15bとを
有する導光板15と、その後側に設けられた反射板16
と、導光板15の入射端面15aに対向させて設けられ
た光源17とからなり、表示の観察側である前側から入
射し、液晶表示素子1を透過してその後側に出射した外
部入射光を導光板15を透過させて反射板16により反
射するとともに、光源17からの照明光を導光板15に
より導いてその入出射面15bから出射するバックライ
ト14を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、外光を利用する
反射表示と照明光を利用する透過表示との両方の表示を
行なう反射/透過型の液晶表示装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置としては、対向配置された
前後一対の基板の内面にそれぞれ電極が設けられ、これ
らの基板間に液晶分子が所定のツイスト角でツイスト配
向した液晶層が設けられた液晶セルと、前記液晶セルの
前面と後面にそれぞれ透過軸を所定の方向に向けて設け
られた前側吸収偏光板および後側吸収偏光板とからなる
TN(ツイステッドネマティック)型またはSTN(ス
ーパーツイステッドネマティック)型のものが広く利用
されている。
【0003】また、液晶表示装置には、その使用環境の
光である外光を利用する反射表示を行なう反射型のもの
と、後側から照明光を入射させてその照明光を利用する
透過表示を行なう透過型のものと、前記反射表示と透過
表示との両方の表示を行なう反射/透過型のものとがあ
り、前記反射/透過型の液晶表示装置は、液晶表示素子
の背後に、光の反射機能と照明光の出射機能とを有する
バックライトを配置した構成となっている。
【0004】前記反射/透過型の液晶表示装置のバック
ライトは、従来、入射端面と、前記入射端面からの入射
光を出射する出射面とを有し、前記出射面を前記液晶表
示素子の後面に対向させて配置された導光板と、前記導
光板の入射端面に対向させて設けられた光源と、前記導
光板の出射面の前側に設けられた半透過反射板とからな
っている。
【0005】この反射/透過型液晶表示装置は、充分な
明るさの外光が得られる環境下では外光を利用する反射
表示を行ない、充分な明るさの外光が得られない環境下
で使用されるときに、前記バックライトから照明光を出
射させて、その照明光を利用する透過表示を行なうもの
であり、反射表示のときは、表示の観察側である前側か
ら入射し、前記液晶表示素子を透過してその後側に出射
した光が、前記半透過反射板により反射され、その反射
光が前記液晶表示素子を透過して前側に出射する。
【0006】また、透過表示のときは、前記光源から出
射した照明光が前記導光板にその入射端面から入射し、
この導光板内を導かれてその出射面から出射する。そし
て前記導光板の出射面から出射した光は、前記半透過反
射板を透過して前記液晶表示素子にその後側から入射
し、この液晶表示素子を透過して前側に出射する。
【0007】この反射/透過型液晶表示装置は、充分な
明るさの外光が得られない環境下でも使用することがで
き、また、前記バックライトから照明光を出射させるの
は充分な明るさの外光が得られない環境下で使用すると
きだけでよいため、常に照明光を利用して表示する透過
型液晶表示装置に比べて消費電力が少ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の反射/
透過型液晶表示装置は、そのバックライトが上記のよう
な構成であるため、外光を利用する反射表示のときは、
前側から入射し、液晶表示素子を透過してその後側に出
射した光のうち、前記半透過反射板の反射率に応じた量
の光が反射され、他の光は前記半透過反射板を透過する
か、あるいは前記半透過反射板により吸収されて無駄に
なる。
【0009】また、照明光を利用する透過表示のとき
は、前記光源から出射し、前記導光板の出射面から出射
した光のうち、前記半透過反射板の透過率に応じた量の
光が前記半透過反射板を透過して前記液晶表示素子に入
射し、他の光は前記半透過反射板により後側に反射され
るか、あるいは前記半透過反射板により吸収されて無駄
になる。
【0010】そのため、従来の反射/透過型液晶表示装
置は、外光を利用する反射表示のときの液晶表示素子を
透過した光の反射率と、照明光を利用する透過表示のと
きの前記液晶表示素子への光の入射率がいずれも悪く、
明るい表示が得られない。
【0011】なお、照明光を利用する透過表示のときの
表示の明るさは、バックライトから出射させる照明光の
輝度を高くすることにより補うことができるが、バック
ライトから高輝度の照明光を出射させるようにしたので
は、消費電力が増大してしまう。
【0012】この発明は、外光を利用する反射表示のと
きの液晶表示素子を透過した光の反射率と、照明光を利
用する透過表示のときの前記液晶表示素子への光の入射
率をいずれも高くし、反射表示のときも透過表示のとき
も明るい表示を得ることができる反射/透過型の液晶表
示装置を提供することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示装置
は、対向配置された前後一対の基板の内面にそれぞれ電
極が設けられ、これらの基板間に液晶分子が所定のツイ
スト角でツイスト配向した液晶層が設けられた液晶セル
と、前記液晶セルの前面と後面にそれぞれ透過軸を所定
の方向に向けて設けられた前側吸収偏光板および後側吸
収偏光板とからなる液晶表示素子と、入射端面と、前記
入射端面からの入射光を出射しかつ前側からの入射光を
入出射させる入出射面とを有し、前記入出射面を前記液
晶表示素子の後面に対向させて配置された導光板と、前
記導光板の後側に設けられた反射板と、前記導光板の入
射端面に対向させて設けられた光源とからなり、表示の
観察側である前側から入射し、前記液晶表示素子を透過
してその後側に出射した外部入射光を前記導光板を透過
させて前記反射板により前記液晶表示素子に向けて反射
するとともに、前記光源からの照明光を前記導光板によ
り導いてその入出射面から前記液晶表示素子に向けて出
射するバックライトとを備えていることを特徴とするも
のである。
【0014】この液晶表示装置は、液晶表示素子の背後
に上記のような構成のバックライトを配置したものであ
るため、外光を利用する反射表示のときに、表示の観察
側である前側から入射し、前記液晶表示素子を透過して
その後側に出射した外部入射光のほとんどを前記反射板
により反射し、また、照明光を利用する透過表示のとき
に、前記光源から出射し、前記導光板の入出射面から出
射した照明光のほとんどを前記液晶表示素子に入射させ
ることができる。
【0015】したがって、この液晶表示装置によれば、
外光を利用する反射表示のときの液晶表示素子を透過し
た光の反射率と、照明光を利用する透過表示のときの前
記液晶表示素子への光の入射率をいずれも高くし、反射
表示のときも透過表示のときも明るい表示を得ることが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示装置は、上記
のように、液晶表示素子の背後に、入射端面と、前記入
射端面からの入射光を出射しかつ前記液晶表示素子を透
過した光を入出射させる入出射面とを有し、前記液晶表
示素子の背後に配置された導光板と、前記導光板の後側
に設けられた反射板と、前記導光板の入射端面に対向さ
せて設けられた光源とからなり、表示の観察側である前
側から入射し、前記液晶表示素子を透過してその後側に
出射した外部入射光を前記導光板を透過させて前記反射
板により前記液晶表示素子に向けて反射するとともに、
前記光源からの照明光を前記導光板により導いてその入
出射面から前記液晶表示素子に向けて出射するバックラ
イトを配置することにより、外光を利用する反射表示の
ときの液晶表示素子を透過した光の反射率と、照明光を
利用する透過表示のときの前記液晶表示素子への光の入
射率をいずれも高くし、反射表示のときも透過表示のと
きも明るい表示を得ることができるようにしたものであ
る。
【0017】この発明の液晶表示装置は、前記液晶表示
素子と前記バックライトの導光板との間に、入射光の互
いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分を
反射する反射軸と、他方の偏光成分を透過させる透過軸
とをもち、前記透過軸を前記液晶表示素子の後側吸収偏
光板の透過軸とほぼ平行にして配置された反射偏光板
と、この反射偏光板と前記導光板との間に配置され、透
過光の偏光状態を変化させる光学手段とをさらに備え、
前記光学手段が、前記導光板の入出射面から出射して前
記反射偏光板にその後側から入射した照明光のうち、前
記反射偏光板により後側に反射され、この反射偏光板と
前記バックライトの反射板との間を往復する照明光を、
前記反射偏光板と前記反射板との間を奇数回往復する間
に、前記反射偏光板を透過する偏光状態の光に変換して
前記反射偏光板に入射させ、前記反射偏光板にその前側
から入射してこの反射偏光板を透過し、前記反射偏光板
と前記反射板との間を往復する外部入射光を、前記反射
偏光板と前記反射板との間を偶数回往復する間に、前記
反射偏光板を透過したときの偏光状態の光に戻して前記
反射偏光板に入射させる光学フィルムからなっている構
成のものが好ましい。
【0018】その場合、前記光学フィルムは、透過光の
常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/
4位相板、あるいは、分子が一方の面から他方の面に向
かって捩れて配列した捩れ位相板が好ましい。
【0019】前記光学フィルムを前記λ/4位相板とす
る場合は、このλ/4位相板を、その遅相軸を反射偏光
板の反射軸に対しほぼ45°の角度で交差させて配置
し、前記反射偏光板により後側に反射された照明光の偏
光状態を、その照明光が前記反射偏光板とバックライト
の反射板との間を1回往復する間の前記λ/4位相板の
2回の透過により、偏光の振動面がほぼ90度異なる偏
光状態の光に変化させ、前記反射偏光板にその前側から
入射してこの反射偏光板を透過した外部入射光の偏光状
態を、前記反射偏光板と前記反射板との間を2回往復す
る間の前記λ/4位相板の4回の透過により、前記反射
偏光板を透過したときの偏光状態の光に戻すようにすれ
ばよい。
【0020】また、前記光学フィルムを前記捩れ位相板
とする場合は、この捩れ位相板を、その前面における分
子配向方向を前記反射偏光板の反射軸とほぼ平行にして
配置し、前記反射偏光板により後側に反射された照明光
の偏光状態を、その照明光が前記反射偏光板とバックラ
イトの反射板との間を1回往復する間の前記捩れ位相板
の2回の透過により、偏光の振動面がほぼ90度異なる
偏光状態の光に変化させ、前記反射偏光板にその前側か
ら入射してこの反射偏光板を透過した外部入射光の偏光
状態を、前記反射偏光板と前記反射板との間を2回往復
する間の前記捩れ位相板の4回の透過により、前記反射
偏光板を透過したときの偏光状態の光に戻すようにすれ
ばよい。
【0021】前記捩れ位相板は、その分子配列の捩れ角
θと、リタデーションの値Reが、θ=63°±5°,
Re=195nm±5nm、θ=190°±10°,R
e=583nm±10nm、θ=318°±15°,R
e=972nm±15nmのいずれかに設定されている
ものが好ましい。
【0022】また、この発明の液晶表示装置において
は、前記バックライトの反射板よりも前側で、前記液晶
表示素子の前側吸収偏光板よりも後側の任意の箇所に、
拡散層を設けるのが好ましい。
【0023】
【実施例】図1はこの発明の第1の実施例を示す液晶表
示装置の一部分の断面図であり、この液晶表示装置は、
液晶表示素子1と、前記液晶表示素子1の背後に配置さ
れた、光の反射機能と照明光の出射機能とを有するバッ
クライト14とを備えている。
【0024】前記液晶表示素子1は、STN型のもので
あり、対向配置された前後一対の透明基板3,4との内
面にそれぞれ透明電極5,6が設けられ、これらの基板
3,4間に液晶分子が所定のツイスト角でツイスト配向
した液晶層10が設けられた液晶セル2と、前記液晶セ
ル2の前面と後面にそれぞれ透過軸を所定の方向に向け
て設けられた前側吸収偏光板11および後側吸収偏光板
12とからなっている。
【0025】なお、この液晶表示素子1は単純マトリッ
クス型のものであり、前記液晶セル2の一方の基板、例
えば前側基板3の内面に設けられた電極5は、行方向
(図1において紙面に垂直な方向)に沿わせて互いに平
行に形成された複数の走査電極、他方の基板である後側
基板4の内面に設けられた電極6は、列方向(図1にお
いて紙面に平行な方向)に沿わせて互いに平行に形成さ
れた複数の信号電極である。
【0026】また、この液晶表示素子1は、フルカラー
画像等の多色カラー画像を表示するものであり、前記液
晶セル2のいずれか一方の基板、例えば後側基板4の内
面に、前記複数本の走査電極5と信号電極6とが互いに
対向する複数の画素領域にそれぞれ対応させて、複数の
色、例えば赤、緑、青のカラーフィルタ7R,7G,7
Bが設けられている。なお、前記カラーフィルタ7R,
7G,7Bは基板4上に形成されており、その上に前記
信号電極6が形成されている。
【0027】さらに、前記一対の基板3,4の内面には
それぞれ前記電極5,6を覆って配向膜8,9が設けら
れており、これらの配向膜8,9は、その膜面を所定方
向にラビングすることにより配向処理されている。
【0028】そして、前記一対の基板3,4は、その周
縁部において図示しない枠状のシール材を介して接合さ
れており、これらの基板3,4間の前記シール材で囲ま
れた領域に液晶層10が設けられている。
【0029】この液晶層10の液晶分子は、前記配向膜
8,9によりそれぞれの基板3,4の近傍における配向
方向を規制され、両基板3,4間において180〜27
0°の範囲の所定のツイスト角でツイスト配向してい
る。
【0030】なお、この実施例では、前記液晶層10の
液晶分子のツイスト角を約250°±10°とするとと
もに、液晶表示素子1のΔnd(液晶の屈折率異方性Δ
nと液晶層厚dとの積)の値を、900nm±100n
mの範囲に設定している。
【0031】また、この液晶表示素子1は、その表示の
帯色の補償とコントラストの向上および広視野角化のた
めの光学補償板13を備えており、この光学補償板13
は、前記液晶セル2の一対の基板3,4のいずれか一方
とその基板側の吸収偏光板との間、例えば前側基板3と
前側吸収偏光板11との間に設けられている。
【0032】前記光学補償板13は、分子が一方の面か
ら他方の面に向かって前記液晶セル2の液晶分子のツイ
スト方向とは逆方向に捩れて配列した高分子液晶フィル
ムからなる捩れ位相板であり、この実施例では、分子配
列の捩れ角が220°±10°、リタデーションの値
(位相値)が610nm±20nmのものを用いてい
る。
【0033】図2は、前記液晶表示素子1の液晶セル2
の液晶分子の配向状態と前後の吸収偏光板11,12の
透過軸方向および光学補償板13の分子配列状態を示し
ている。
【0034】図2のように、前記液晶セル2の前側基板
3の近傍における液晶分子配向方向(配向膜8の配向処
理方向)3aは、画面の横軸xに対し、前側から見て右
回りに35°±5°の方向、後側基板3の近傍における
液晶分子配向方向(配向膜9の配向処理方向)4aは、
前記横軸xに対し、前側から見て左回りに35°±5°
の方向にあり、前記液晶層10の液晶分子は、そのツイ
スト方向を図に破線矢印で示したように、後側基板4か
ら前側基板3に向かい、前側から見て右回りに250°
±10°のツイスト角でツイスト配向している。
【0035】そして、前側吸収偏光板11は、その透過
軸11aを、前記横軸xに対し、前側から見て左回りに
45°±10°の方向、つまり、前記液晶セル2の前側
基板3の近傍における液晶分子配向方向3aに対して前
側から見て左回りにほぼ90°ずらした方向に向けて配
置され、後側吸収偏光板12は、その透過軸12aを、
前記横軸xに対し、前側から見て左回りに80°±10
°の方向に向けて配置されている。
【0036】すなわち、前側吸収偏光板11の透過軸1
1aは、前記液晶セル2の前側基板3の近傍における液
晶分子配向方向3aに対し、前側から見て左回りにほぼ
80°(80°±15°)ずれており、後側吸収偏光板
12の透過軸12aは、前記前側吸収偏光板11の透過
軸11aに対し、前側から見て左回りにほぼ35°(3
5°±15°)ずれている。
【0037】また、前記光学補償板13は、その分子
が、図に破線矢印で示したように、後面から前面に向か
い、前側から見て左回り(液晶セル2の液晶分子のツイ
スト方向とは逆方向)に、220°±10°の捩れ角で
捩れて配列した捩れ位相板であり、この光学補償板13
は、その前面における分子配列方向13aを、前記横軸
xに対し、前側から見て右回りに90°±5°の方向に
向け、後面における分子配列方向13bを、前記横軸x
に対し、前側から見て左回りに55°±5°の方向に向
けて配置されている。
【0038】すなわち、この光学補償板13は、その後
面(液晶セル2に対向する面)における分子配列方向1
3bを、前記液晶セル2の前側基板3の近傍における液
晶分子配向方向3aに対し、前側から見て左回りにほぼ
85°(85°±5°)ずらし、前面(前側吸収偏光板
11に対向する面)における分子配列方向12aを、前
記前側吸収偏光板11の透過軸11aに対し、前側から
見て左回りにほぼ45°(45°±15°)ずらして配
置されている。
【0039】次に、前記液晶表示素子1の背後に配置さ
れたバックライト14について説明すると、このバック
ライト14は、図1に示したように、入射端面15a
と、前記入射端面15aからの入射光を出射しかつ前側
からの入射光を入出射させる入出射面15bとを有し、
前記入出射面15bを前記液晶表示素子1の後面に対向
させて配置された導光板15と、前記導光板15の後側
に設けられた反射板16と、前記導光板15の入射端面
15aに対向させて設けられた光源17とからなってい
る。
【0040】前記導光板15は、アクリル樹脂等からな
る透明板であり、その一端面が前記入射端面15aとさ
れ、前面全体が前記入出射面15bとされている。
【0041】また、前記反射板16は、銀等の高反射率
の金属膜からなっており、この反射板16は、前記導光
板15の後面に蒸着またはメッキされるか、あるいは前
記導光板15の後面に貼付けられている。
【0042】さらに、前記光源17は、例えばLED
(発光ダイオード)アレイからなっており、前記導光板
15の入射端面15aの側方に、前記入射端面15aの
全長に対向させて配置されている。
【0043】このバックライト14は、表示の観察側で
ある前側から入射し、前記液晶表示素子1を透過してそ
の後側に出射した外部入射光(外光の入射光)を前記導
光板15を透過させて前記反射板16により前記液晶表
示素子1に向けて反射するとともに、前記光源17から
の照明光を前記導光板15により導いてその前面の入出
射面15bから前記液晶表示素子1に向けて出射する。
【0044】また、この液晶表示装置は、透過光を拡散
させるための拡散層18を備えており、この拡散層18
は、前記液晶表示素子1と前記バックライト14の導光
板15との間に設けられている。この拡散層18は、例
えば散乱フィラーを分散させた樹脂フィルムからなって
おり、前記液晶表示素子1の後側基板4の外面に貼付け
られている。
【0045】この液晶表示装置は、充分な明るさの外光
が得られる環境下では、液晶表示装置の使用環境の光で
ある外光を利用する反射表示を行ない、充分な明るさの
外光が得られない環境下で使用されるときに、前記バッ
クライト14から照明光を出射させて、その照明光を利
用する透過表示を行なうものであり、反射表示のとき
は、表示の観察側である前側から入射した光(外光)が
図1に実線で示した透過経路で前側に出射し、透過表示
のときは、バックライト14からの照明光が図1に破線
で示した透過経路で前側に出射する。なお、反射表示の
ときも透過表示のときも、透過光が拡散層18により拡
散されるが、図では便宜上、光の透過経路を簡略化して
示している。
【0046】すなわち、外光を利用する反射表示のとき
は、表示の観察側である前側から入射した外部入射光
が、液晶表示素子1の前側吸収偏光板11によりその吸
収軸(図示せず)に沿った偏光成分の光を吸収されて前
記前側吸収偏光板11の透過軸11aに沿った直線偏光
となり、光学補償板13を透過して液晶セル2に入射す
る。
【0047】前記液晶セル2に入射した外部入射光は、
この液晶セル2を透過する過程で各画素領域の電極5,
6間に印加される電界により変化する液晶分子の配向状
態に応じた複屈折作用を受ける。
【0048】そして、前記液晶セル2を透過した外部入
射光は、後側吸収偏光板12に入射し、その光のうち、
前記後側吸収偏光板12の吸収軸(図示せず)に沿った
偏光成分の光を吸収され、その画素領域の表示が暗表示
になる。
【0049】また、前記後側吸収偏光板12の透過軸1
2aに沿った偏光成分の外部入射光は、この後側吸収偏
光板12を透過してその後側に出射し、拡散層18によ
り拡散されてバックライト14に入射の導光板15にそ
の前面の入出射面15bから入射する。
【0050】前記導光板15にその前面の入出射面15
bから入射した外部入射光は、この導光板15を厚さ方
向に透過してその後側の反射板16により反射され、前
記導光板15を再び厚さ方向に透過してその前面の入出
射面15bから出射する。
【0051】このとき、前記反射板16は、銀等の高反
射率の金属膜からなっているため、前記液晶表示素子1
を透過してその後側に出射した外部入射光のほとんどが
高い反射率で反射される。
【0052】そして、前記導光板15の入出射面15b
から出射した外部入射光は、前記拡散層18により拡散
されて前記液晶表示素子1にその後側から入射し、その
光が、後側吸収偏光板12と液晶セル2と光学補償板1
3と前側吸収偏光板11とを順に透過して前記液晶表示
素子1の前側に出射し、その画素領域の表示が明表示に
なる。
【0053】また、照明光を利用する透過表示のとき
は、前記バックライト14の光源17から出射した照明
光が、前記導光板15にその入射端面15aから入射
し、この導光板15の前面の入出射面15bと外気(空
気)との界面での全反射と、導光板15の後面での反射
板16による反射とにより屈折を繰り返しながら導光板
15内を導かれ、前記入出射面15bのほぼ全域から出
射する。
【0054】前記導光板15の入出射面15bから出射
した照明光は、拡散層18により拡散されて液晶表示素
子1にその後側から入射し、その後側吸収偏光板12に
よりその吸収軸(図示せず)に沿った偏光成分の光を吸
収され、前記後側吸収偏光板12の透過軸12に沿った
直線偏光となって液晶セル2に入射する。
【0055】前記液晶セル2に入射した照明光は、この
液晶セル2を透過する過程で各画素領域の電極5,6間
に印加される電界により変化する液晶分子の配向状態に
応じた複屈折作用を受ける。
【0056】そして、前記液晶セル2を透過した照明光
は、光学補償板13を透過して前側吸収偏光板11に入
射し、その光のうち、前記前側吸収偏光板11の吸収軸
に沿った偏光成分の光がこの吸収偏光板11により吸収
されてその画素領域の表示が暗表示になり、前記前側吸
収偏光板11の透過軸11aに沿った偏光成分の光がこ
の偏光板11を透過して前側に出射し、その画素領域の
表示が明表示になる。
【0057】なお、前記液晶表示素子1は、液晶セル2
の一方の基板(後側基板)4の内面に、複数の画素領域
にそれぞれ対応させて、赤、緑、青のカラーフィルタ7
R,7G,7Bを設けたものであるため、外光を利用す
る反射表示のときも、照明光を利用する透過表示のとき
も、明表示の画素領域から出射する光は、その画素領域
に対応するカラーフィルタ7R,7G,7Bの色に着色
した光であり、各画素領域から出射する赤、緑、青の着
色光により、フルカラー等の多色カラー画像が表示され
る。
【0058】上記のように、この液晶表示装置は、液晶
表示素子1の背後に、入射端面15aと、前記入射端面
15aからの入射光を出射しかつ前記液晶表示素子1を
透過した光を入出射させる入出射面15bとを有し、前
記液晶表示素子1の背後に配置された導光板15と、前
記導光板15の後側に設けられた反射板16と、前記導
光板15の入射端面15aに対向させて設けられた光源
17とからなり、表示の観察側である前側から入射し、
前記液晶表示素子1を透過してその後側に出射した外部
入射光を前記導光板15を透過させて前記反射板16に
より前記液晶表示素子1に向けて反射するとともに、前
記光源17からの照明光を前記導光板15により導いて
その入出射面15bから前記液晶表示素子1に向けて出
射するバックライト14を配置したものであるため、外
光を利用する反射表示のときに、表示の観察側である前
側から入射し、前記液晶表示素子1を透過してその後側
に出射した外部入射光のほとんどを前記反射板17によ
り反射し、また、照明光を利用する透過表示のときに、
前記光源17から出射し、前記導光板15の入出射面1
5aから出射した照明光のほとんどを前記液晶表示素子
1に入射させることができる。
【0059】したがって、この液晶表示装置によれば、
外光を利用する反射表示のときの液晶表示素子1を透過
した光の反射率と、照明光を利用する透過表示のときの
前記液晶表示素子1への光の入射率をいずれも高くし、
反射表示のときも透過表示のときも明るい表示を得るこ
とができる。
【0060】しかも、上記実施例では、前記液晶表示素
子1と前記バックライト14の導光板15との間に拡散
層18を設けているため、外光を利用する反射表示のと
きも、バックライトからの照明光を利用する透過表示の
ときも、前記拡散層18により拡散された均一な輝度分
布の光を前側に出射し、輝度むらの無い良好な表示を得
ることができる。
【0061】図3および図4はこの発明の第2の実施例
を示しており、図3は、液晶表示装置の一部分の断面
図、図4は、液晶表示素子1の液晶セル2の液晶分子の
配向状態と前後の吸収偏光板11,12の透過軸方向お
よび捩れ位差板13の分子配列状態と、液晶表示素子1
とバックライト14の導光板15との間に配置された反
射偏光板19およびλ/4位相板21の軸方向を示す図
である。
【0062】この実施例の液晶表示装置は、上記第1の
実施例の液晶表示装置の液晶表示素子1とバックライト
14の導光板15との間に、反射偏光板19と、透過光
の偏光状態を変化させる光学手段20とをさらに配置し
たものであり、この実施例においても、前記液晶表示素
子1の後側基板4の外面に拡散層18を設けている。
【0063】なお、前記液晶表示素子1とバックライト
14は、第1の実施例と同じものであり、また、前記液
晶表示素子1の液晶セル2の液晶分子の配向状態と前後
の吸収偏光板11,12の透過軸方向および捩れ位差板
13の分子配列状態も第1の実施例と同じである。
【0064】前記反射偏光板19は、ポリエチレン・ナ
フタレート共重合体等からなる等方性薄膜(光学的に等
方性の薄膜)と異方性薄膜(光学的に異方性の薄膜)と
を、多数層、全ての異方性薄膜の屈折率が最大となる方
向を同じにして交互に積層した多層フィルムからなって
おり、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、
一方の偏光成分を反射する反射軸19sと、他方の偏光
成分を透過させる透過軸19pとをもっている。
【0065】すなわち、この反射偏光板19は、前記異
方性薄膜の屈折率が前記等方性薄膜の屈折率と異なる方
向に反射軸19sをもち、前記異方性薄膜の屈折率が前
記等方性薄膜の屈折率と同じである方向(反射軸19s
に対して直交する方向)に透過軸19pをもっており、
入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、前記反
射軸19sに沿った振動面を有する偏光成分の光を、多
数枚交互に積層された等方性薄膜と異方性薄膜とのそれ
ぞれの界面で反射し、前記透過軸19pに沿った振動面
を有する偏光成分の光を、前記界面で反射することなく
透過させる。
【0066】なお、この反射偏光板19は、その前側か
らの入射光に対しても、後側からの入射光に対しても同
じ特性を示し、入射光が含む互いに直交する2つの偏光
成分のうち、前記反射軸19sに沿った一方の偏光成分
の光を反射し、前記透過軸19pに沿った他方の偏光成
分の光を透過させる。
【0067】この反射偏光板19は、前記液晶表示素子
1とバックライト14の導光板15との間に、その透過
軸19pを前記液晶表示素子1の後側吸収偏光板12の
透過軸12aとほぼ平行にして配置されている。
【0068】すなわち、前記反射偏光板19は、図4に
示したように、その反射軸19pを、画面の横軸xに対
し、前側から見て右回りに10°±10°の方向に向
け、透過軸19pを、前記横軸xに対し、前側から見て
左回りに80°±10°の方向に向けて配置されてい
る。
【0069】また、前記光学手段20は、前記反射偏光
板19と前記導光板15との間に配置されている。
【0070】この光学手段20は、前記導光板15の入
出射面15bから出射して前記反射偏光板19にその後
側から入射した照明光のうち、前記反射偏光板19によ
り後側に反射され、この反射偏光板19と前記バックラ
イト14の反射板16との間を往復する照明光を、前記
反射偏光板19と前記反射板16との間を奇数回往復す
る間に、前記反射偏光板19を透過する偏光状態の光に
変換して前記反射偏光板19に入射させ、前記反射偏光
板19にその前側から入射してこの反射偏光板19を透
過し、前記反射偏光板19と前記反射板16との間を往
復する外部入射光を、前記反射偏光板19と前記反射板
16との間を偶数回往復する間に、前記反射偏光板19
を透過したときの偏光状態の光に戻して前記反射偏光板
19に入射させる光学フィルムからなっている。
【0071】この実施例で用いた光学フィルムは、透過
光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与える
λ/4位相板21であり、このλ/4位相板21は、そ
の遅相軸21aを前記反射偏光板19の反射軸19sに
対しほぼ45°の角度で交差させて配置されている。
【0072】すなわち、前記λ/4位相板21は、図4
に示したように、その遅相軸21aを、画面の横軸xに
対し、前側から見て左回りに125°±10°の方向に
向けて配置されている。
【0073】このλ/4位相板21は、バックライト1
4の導光板15の入出射面15bから出射して前記反射
偏光板19により後側に反射された照明光の偏光状態
を、その照明光が前記反射偏光板19とバックライト1
4の反射板16との間を1回往復する間の前記λ/4位
相板21の2回の透過により、偏光の振動面がほぼ90
度異なる偏光状態の光に変化させ、前記反射偏光板19
にその前側から入射してこの反射偏光板19を透過した
外部入射光の偏光状態を、前記反射偏光板19と前記反
射板16との間を2回往復する間の前記λ/4位相板2
1の4回の透過により、前記反射偏光板19を透過した
ときの偏光状態の光に戻す。
【0074】この液晶表示装置の光の透過経路を説明す
ると、外光を利用する反射表示のときは、表示の観察側
である前側から入射し、液晶表示素子1の前側吸収偏光
板11と光学補償板13と液晶セル2とを透過して後側
吸収偏光板12に入射した外部入射光のうち、前記後側
吸収偏光板12の吸収軸(図示せず)に沿った偏光成分
の光が、上記第1の実施例と同様に前記後側吸収偏光板
12により吸収され、その画素領域の表示が暗表示にな
る。
【0075】一方、前記後側吸収偏光板12の透過軸1
2aに沿った偏光成分の外部入射光は、その透過経路を
図3に実線で示したように、前記後側吸収偏光板12を
透過してその後側に出射し、拡散層18により拡散さ
れ、透過軸19pを前記後側吸収偏光板12の透過軸1
2aとほぼ平行にして配置された反射偏光板19を透過
してλ/4位相板21に入射する。
【0076】前記λ/4位相板21に入射した外部入射
光(反射偏光板19の透過軸19pに沿った偏光成分の
直線偏光)は、このλ/4位相板21により常光と異常
光との間に1/4波長の位相差を与えられ、円偏光とな
ってλ/4位相板21の後側に出射する。
【0077】前記λ/4位相板21の後側に出射した外
部入射光(円偏光)は、バックライト14の反射板16
により反射されて前記λ/4位相板21を再び透過し、
前記反射偏光板19を透過して前記λ/4位相板21に
その前側から入射した外部入射光(反射偏光板19の透
過軸19pに沿った直線偏光)に対して偏光の振動面が
ほぼ90度異なる偏光状態の光、つまり前記反射偏光板
19の反射軸19sに沿った直線偏光に変化して前記反
射偏光板19にその後側から入射する。
【0078】そのため、このときは、前記バックライト
14の反射板16により反射され、λ/4位相板21を
再び透過して前記反射偏光板19にその後側から入射し
た外部入射光は、前記反射偏光板19により後側に反射
される。
【0079】この反射偏光板19により後側に反射され
た外部入射光(反射偏光板19の反射軸19pに沿った
直線偏光)は、前記λ/4位相板21を透過して再び円
偏光となり、再びバックライト14の反射板16により
反射される。
【0080】前記反射板16により再反射された外部入
射光(円偏光)は、前記λ/4位相板21を再び透過
し、前記反射偏光板19により反射されて前記λ/4位
相板21にその前側から入射した外部入射光(反射偏光
板19の反射軸19pに沿った直線偏光)に対して偏光
の振動面がほぼ90度異なる偏光状態の光、つまり前記
反射偏光板19の透過軸19pに沿った直線偏光に変化
して前記反射偏光板19にその後側から入射し、この反
射偏光板19を透過してその前側に出射する。
【0081】前記反射偏光板19を透過してその前側に
出射した外部入射光は、拡散層18により拡散されて前
記液晶表示素子1にその後側から入射し、その光が、後
側吸収偏光板12と液晶セル2と光学補償板13と前側
吸収偏光板11とを順に透過して前記液晶表示素子1の
前側に出射し、その画素領域の表示が明表示になる。
【0082】すなわち、外光を利用する反射表示のとき
は、表示の観察側である前側から入射し、前記液晶表示
素子1を透過してその後側に出射した外部入射光が、前
記反射偏光板19を透過してこの反射偏光板19とバッ
クライト14の反射板16との間を2回往復し、その間
に前記λ/4位相板21の4回の透過により前記反射偏
光板19を透過したときの偏光状態の光に戻り、その光
が前記反射偏光板19を透過して前記液晶表示素子1に
その後側から入射し、この液晶表示素子1を透過して前
側に出射する。
【0083】そして、この実施例では、前記反射偏光板
19を、その透過軸19pを前記液晶表示素子1の後側
吸収偏光板12の透過軸12aをほぼ平行にして配置し
ているため、前記液晶表示素子1を透過してその後側に
出射した外部入射光(後側吸収偏光板12の透過軸12
aに沿った偏光成分の直線偏光)を、ほとんどロスする
ことなく前記反射偏光板19を透過させてその後側に出
射させるとともに、前記反射偏光板19とバックライト
14の反射板16との間を2回往復し、前記反射偏光板
19を透過して前記液晶表示素子1にその後側から入射
する外部入射光も、ほとんどロスすることなく前記後側
吸収偏光板12を透過させて液晶セル2に入射させるこ
とができる。
【0084】そのため、この実施例の液晶表示装置は、
液晶表示素子1とバックライト14の導光板15との間
に前記反射偏光板19とλ/4位相板21を配置したも
のであるが、反射表示のときの画面の明るさを、上述し
た第1の実施例の液晶表示装置とほとんど変わらない明
るさにすることができる。
【0085】また、照明光を利用する透過表示のとき
は、前記バックライト14の導光板15の入出射面15
bから出射した照明光が、前記λ/4位相板21を透過
して前記反射偏光板19にその後側から入射する。な
お、前記導光板15の入出射面15bから出射する照明
光は非偏光の光であり、前記λ/4位相板21を透過し
てもその偏光状態は変わらない。
【0086】そして、前記反射偏光板19にその後側か
ら入射した照明光のうち、前記反射偏光板19の透過軸
19pに沿った偏光成分の光は、この反射偏光板19を
透過してその前側に出射する。
【0087】一方、前記反射偏光板19の反射軸19s
に沿った偏光成分の光は、その透過経路を図3に破線で
示したように、前記反射偏光板19により後側に反射さ
れ、λ/4位相板21に入射する。
【0088】前記λ/4位相板21に入射した照明光
(反射偏光板19の反射軸19sに沿った偏光成分の直
線偏光)は、このλ/4位相板21により常光と異常光
との間に1/4波長の位相差を与えられ、円偏光となっ
てλ/4位相板21の後側に出射する。
【0089】前記λ/4位相板21の後側に出射した照
明光(円偏光)は、バックライト14の反射板16によ
り反射されて前記λ/4位相板21を再び透過し、前記
反射偏光板19を透過して前記λ/4位相板21にその
前側から入射した照明光(反射偏光板19の反射軸19
sに沿った直線偏光)に対して偏光の振動面がほぼ90
度異なる偏光状態の光、つまり前記反射偏光板19の透
過軸19pに沿った直線偏光に変化して前記反射偏光板
19にその後側から入射し、この反射偏光板19を透過
してその前側に出射する。
【0090】すなわち、照明光を利用する透過表示のと
きは、バックライト14の導光板15の入出射面15b
から出射した照明光のうち、前記反射偏光板19の透過
軸19pに沿った偏光成分の光が、この反射偏光板19
を透過してその前側に出射するとともに、前記反射偏光
板19の反射軸19sに沿った偏光成分の光が、この反
射偏光板19により後側に反射されてこの反射偏光板1
9と前記バックライト14の反射板16との間を1回往
復し、その間に前記λ/4位相板21の2回の透過によ
り偏光の振動面がほぼ90度異なる偏光状態の光に変化
して前記反射偏光板19にその後側から入射し、この反
射偏光板19を透過してその前側に出射する。
【0091】そのため、前記バックライト14の導光板
15の入出射面15bから出射した照明光のほとんど
が、前記反射偏光板19の透過軸軸19pに沿った偏光
成分の直線偏光として前記反射偏光板19の前側に出射
する。
【0092】前記反射偏光板19の前側に出射した照明
光は、拡散層18により拡散されて液晶表示素子1にそ
の後側から入射し、その後側吸収偏光板12によりその
吸収軸に沿った偏光成分の光を吸収され、前記後側吸収
偏光板12の透過軸12aに沿った直線偏光となって液
晶セル2に入射する。
【0093】このときも、前記反射偏光板19の透過軸
19pと前記液晶表示素子1の後側吸収偏光板12の透
過軸12aとがほぼ平行であるため、前記反射偏光板1
9を透過して前記液晶表示素子1にその後側から入射し
た照明光のほとんどを、ロスすることなく前記後側吸収
偏光板12を透過させて液晶セル2に入射させることが
できる。
【0094】そして、前記液晶セル2に入射した照明光
は、この液晶セル2を透過し、さらに光学補償板13を
透過して前側吸収偏光板11に入射し、その光のうち、
前記前側吸収偏光板11の吸収軸に沿った偏光成分の光
がこの吸収偏光板11により吸収されてその画素領域の
表示が暗表示になり、前記前側吸収偏光板11の透過軸
11aに沿った偏光成分の光がこの偏光板11を透過し
て前側に出射し、その画素領域の表示が明表示になる。
【0095】この実施例の液晶表示装置によれば、照明
光を利用する透過表示のときに、前記バックライト14
の導光板15の入出射面15bから出射した照明光のほ
とんどが、前記反射偏光板19の透過軸軸19pに沿っ
た偏光成分の直線偏光となって前記反射偏光板19の前
側に出射し、その照明光をほとんがロスすることなく液
晶表示素子1の後側吸収偏光板12を透過させて液晶セ
ル2に入射するため、照明光の利用効率が100%に近
く、したがって、上記第1の実施例の液晶表示装置に比
べ、前記バックライト14から出射させる照明光の輝度
をあまり高くしなくても充分な明るさの画面を得ること
ができるとともに、上述したように、反射表示のときの
画面の明るさを、第1の実施例の液晶表示装置とほとん
ど変わらない明るさにすることができる。
【0096】図5および図6はこの発明の第3の実施例
を示しており、図5は、液晶表示装置の一部分の断面
図、図6は、液晶表示素子1の液晶セル2の液晶分子の
配向状態と前後の吸収偏光板11,12の透過軸方向お
よび捩れ位差板13の分子配列状態と、液晶表示素子1
とバックライト14の導光板15との間に配置された反
射偏光板19および捩れ位差板22の軸方向を示す図で
ある。
【0097】この実施例の液晶表示装置は、上記第1の
実施例の液晶表示装置の液晶表示素子1とバックライト
14の導光板15との間に、反射偏光板19を配置する
とともに、この反射偏光板19と前記導光板15との間
に、透過光の偏光状態を変化させる光学手段20とし
て、捩れ位差板22を配置したものであり、この実施例
においても、前記液晶表示素子1の後側基板4の外面に
拡散層18を設けている。
【0098】なお、前記液晶表示素子1とバックライト
14は、第1の実施例と同じものであり、また、前記液
晶表示素子1の液晶セル2の液晶分子の配向状態と前後
の吸収偏光板11,12の透過軸方向および捩れ位差板
13の分子配列状態も第1の実施例と同じである。
【0099】また、前記反射偏光板19は、上記第2の
実施例と同じものであり、この反射偏光板19は、前記
液晶表示素子1とバックライト14の導光板15との間
に、その透過軸19pを前記液晶表示素子1の後側吸収
偏光板12の透過軸12aとほぼ平行にして配置されて
いる。
【0100】前記反射偏光板19とバックライト14の
導光板15との間に配置された捩れ位差板22は、分子
が一方の面から他方の面に向かって捩れて配列した高分
子液晶フィルムからなっている。
【0101】この実施例で用いた捩れ位差板22は、分
子配列の捩れ角θと、リタデーションの値Reとを、θ
=63°±5°,Re=195nm±5nmに設定した
ものであり、その分子配列は、図6に破線矢印で示した
ように、後面から前面に向かい、前側から見て右回りに
捩じれている。
【0102】この捩れ位相板22は、その前面(反射偏
光板19に対向する面)における分子配列方向22a
を、前記反射偏光板19の反射軸19sとほぼ平行にし
て配置されている。
【0103】すなわち、前記捩れ位相板22は、図6に
示したように、前面における分子配列方向22aを、画
面の横軸xに対し、前側から見て右回りに10°±10
°の方向に向け、後面における分子配列方向22bを、
前記横軸xに対し、前側から見て左回りに53°±10
°の方向に向けて配置されている。
【0104】この捩れ位相板22は、バックライト14
の導光板15の入出射面15bから出射して前記反射偏
光板19により後側に反射された照明光の偏光状態を、
その照明光が前記反射偏光板19とバックライト14の
反射板16との間を1回往復する間の前記捩れ位相板2
2の2回の透過により、偏光の振動面がほぼ90度異な
る偏光状態の光に変化させ、前記反射偏光板19にその
前側から入射してこの反射偏光板19を透過した外部入
射光の偏光状態を、前記反射偏光板19と前記反射板1
6との間を2回往復する間の前記捩れ位相板22の4回
の透過により、前記反射偏光板19を透過したときの偏
光状態の光に戻す。
【0105】この実施例の液晶表示装置の光の透過経路
を説明すると、外光を利用する反射表示のときは、表示
の観察側である前側から入射し、液晶表示素子1の前側
吸収偏光板11と光学補償板13と液晶セル2とを透過
して後側吸収偏光板12に入射した外部入射光のうち、
前記後側吸収偏光板12の吸収軸(図示せず)に沿った
偏光成分の光が、上記第1の実施例と同様に前記後側吸
収偏光板12により吸収され、その画素領域の表示が暗
表示になる。
【0106】一方、前記後側吸収偏光板12の透過軸1
2aに沿った偏光成分の外部入射光は、その透過経路を
図5に実線で示したように、前記後側吸収偏光板12を
透過してその後側に出射し、拡散層18により拡散さ
れ、透過軸19pを前記後側吸収偏光板12の透過軸1
2aとほぼ平行にして配置された反射偏光板19を透過
して捩れ位相板22に入射する。
【0107】前記捩れ位相板22に入射した外部入射光
(反射偏光板19の透過軸19pに沿った偏光成分の直
線偏光)は、この捩れ位相板22により偏光状態を変え
えられ、円偏光となって前記捩れ位相板22の後側に出
射する。
【0108】前記捩れ位相板22の後側に出射した外部
入射光(円偏光)は、バックライト14の反射板16に
より反射されて前記捩れ位相板22を再び透過し、前記
反射偏光板19を透過して前記捩れ位相板22にその前
側から入射した外部入射光(反射偏光板19の透過軸1
9pに沿った直線偏光)に対して偏光の振動面がほぼ9
0度異なる偏光状態の光、つまり前記反射偏光板19の
反射軸19sに沿った直線偏光に変化して前記反射偏光
板19にその後側から入射する。
【0109】そのため、このときは、前記バックライト
14の反射板16により反射され、捩れ位相板22を再
び透過して前記反射偏光板19にその後側から入射した
外部入射光は、前記反射偏光板19により後側に反射さ
れる。
【0110】この反射偏光板19により後側に反射され
た外部入射光(反射偏光板19の反射軸19pに沿った
直線偏光)は、前記捩れ位相板22を透過して再び円偏
光となり、再びバックライト14の反射板16により反
射される。
【0111】前記反射板16により再反射された外部入
射光(円偏光)は、前記捩れ位相板22を再び透過し、
前記反射偏光板19により反射されて前記捩れ位相板2
2にその前側から入射した外部入射光(反射偏光板19
の反射軸19pに沿った直線偏光)に対して偏光の振動
面がほぼ90度異なる偏光状態の光、つまり前記反射偏
光板19の透過軸19pに沿った直線偏光に変化して前
記反射偏光板19にその後側から入射し、この反射偏光
板19を透過してその前側に出射する。
【0112】前記反射偏光板19を透過してその前側に
出射した外部入射光は、拡散層18により拡散されて前
記液晶表示素子1にその後側から入射し、その光が、後
側吸収偏光板12と液晶セル2と光学補償板13と前側
吸収偏光板11とを順に透過して前記液晶表示素子1の
前側に出射し、その画素領域の表示が明表示になる。
【0113】すなわち、外光を利用する反射表示のとき
は、表示の観察側である前側から入射し、前記液晶表示
素子1を透過してその後側に出射した外部入射光が、前
記反射偏光板19を透過してこの反射偏光板19とバッ
クライト14の反射板16との間を2回往復し、その間
に前記捩れ位相板22の4回の透過により前記反射偏光
板19を透過したときの偏光状態の光に戻り、その光が
前記反射偏光板19を透過して前記液晶表示素子1にそ
の後側から入射し、この液晶表示素子1を透過して前側
に出射する。
【0114】そして、この実施例では、前記反射偏光板
19を、その透過軸19pを前記液晶表示素子1の後側
吸収偏光板12の透過軸12aをほぼ平行にして配置し
ているため、前記液晶表示素子1を透過してその後側に
出射した外部入射光(後側吸収偏光板12の透過軸12
aに沿った偏光成分の直線偏光)を、ほとんどロスする
ことなく前記反射偏光板19を透過させてその後側に出
射させるとともに、前記反射偏光板19とバックライト
14の反射板16との間を2回往復し、前記反射偏光板
19を透過して前記液晶表示素子1にその後側から入射
する外部入射光も、ほとんどロスすることなく前記後側
吸収偏光板12を透過させて液晶セル2に入射させるこ
とができる。
【0115】そのため、この実施例の液晶表示装置は、
液晶表示素子1とバックライト14の導光板15との間
に前記反射偏光板19と捩れ位相板22を配置したもの
であるが、反射表示のときの画面の明るさを、上述した
第1の実施例の液晶表示装置とほとんど変わらない明る
さにすることができる。
【0116】また、照明光を利用する透過表示のとき
は、前記バックライト14の導光板15の入出射面15
bから出射した照明光が、前記捩れ位相板22を透過し
て前記反射偏光板19にその後側から入射する。なお、
前記導光板15の入出射面15bから出射する照明光は
非偏光の光であり、前記捩れ位相板22を透過してもそ
の偏光状態は変わらない。
【0117】そして、前記反射偏光板19にその後側か
ら入射した照明光のうち、前記反射偏光板19の透過軸
19pに沿った偏光成分の光は、この反射偏光板19を
透過してその前側に出射する。
【0118】一方、前記反射偏光板19の反射軸19s
に沿った偏光成分の光は、その透過経路を図5に破線で
示したように、前記反射偏光板19により後側に反射さ
れ、捩れ位相板22に入射する。
【0119】前記捩れ位相板22に入射した照明光(反
射偏光板19の反射軸19sに沿った偏光成分の直線偏
光)は、この捩れ位相板22により常光と異常光との間
に1/4波長の位相差を与えられ、円偏光となって捩れ
位相板22の後側に出射する。
【0120】前記捩れ位相板22の後側に出射した照明
光(円偏光)は、バックライト14の反射板16により
反射されて前記捩れ位相板22を再び透過し、前記反射
偏光板19を透過して前記捩れ位相板22にその前側か
ら入射した照明光(反射偏光板19の反射軸19sに沿
った直線偏光)に対して偏光の振動面がほぼ90度異な
る偏光状態の光、つまり前記反射偏光板19の透過軸1
9pに沿った直線偏光に変化して前記反射偏光板19に
その後側から入射し、この反射偏光板19を透過してそ
の前側に出射する。
【0121】すなわち、照明光を利用する透過表示のと
きは、バックライト14の導光板15の入出射面15b
から出射した照明光のうち、前記反射偏光板19の透過
軸19pに沿った偏光成分の光が、この反射偏光板19
を透過してその前側に出射するとともに、前記反射偏光
板19の反射軸19sに沿った偏光成分の光が、この反
射偏光板19により後側に反射されてこの反射偏光板1
9と前記バックライト14の反射板16との間を1回往
復し、その間に前記捩れ位相板22の2回の透過により
偏光の振動面がほぼ90度異なる偏光状態の光に変化し
て前記反射偏光板19にその後側から入射し、この反射
偏光板19を透過してその前側に出射する。
【0122】そのため、前記バックライト14の導光板
15の入出射面15bから出射した照明光のほとんど
が、前記反射偏光板19の透過軸軸19pに沿った偏光
成分の直線偏光として前記反射偏光板19の前側に出射
する。
【0123】前記反射偏光板19の前側に出射した照明
光は、拡散層18により拡散されて液晶表示素子1にそ
の後側から入射し、その後側吸収偏光板12によりその
吸収軸に沿った偏光成分の光を吸収され、前記後側吸収
偏光板12の透過軸12aに沿った直線偏光となって液
晶セル2に入射する。
【0124】このときも、前記反射偏光板19の透過軸
19pと前記液晶表示素子1の後側吸収偏光板12の透
過軸12aとがほぼ平行であるため、前記反射偏光板1
9を透過して前記液晶表示素子1にその後側から入射し
た照明光のほとんどを、ロスすることなく前記後側吸収
偏光板12を透過させて液晶セル2に入射させることが
できる。
【0125】そして、前記液晶セル2に入射した照明光
は、この液晶セル2を透過し、さらに光学補償板13を
透過して前側吸収偏光板11に入射し、その光のうち、
前記前側吸収偏光板11の吸収軸に沿った偏光成分の光
がこの吸収偏光板11により吸収されてその画素領域の
表示が暗表示になり、前記前側吸収偏光板11の透過軸
11aに沿った偏光成分の光がこの偏光板11を透過し
て前側に出射し、その画素領域の表示が明表示になる。
【0126】この実施例の液晶表示装置によれば、照明
光を利用する透過表示のときに、前記バックライト14
の導光板15の入出射面15bから出射した照明光のほ
とんどが、前記反射偏光板19の透過軸軸19pに沿っ
た偏光成分の直線偏光となって前記反射偏光板19の前
側に出射し、その照明光をほとんがロスすることなく液
晶表示素子1の後側吸収偏光板12を透過させて液晶セ
ル2に入射するため、照明光の利用効率が100%に近
く、したがって、上記第1の実施例の液晶表示装置に比
べ、前記バックライト14から出射させる照明光の輝度
をあまり高くしなくても充分な明るさの画面を得ること
ができるとともに、上述したように、反射表示のときの
画面の明るさを、第1の実施例の液晶表示装置とほとん
ど変わらない明るさにすることができる。
【0127】なお、前記捩れ位相板22は、上記実施例
のように、分子配列の捩れ角θと、リタデーションの値
Reとを、θ=63°±5°,Re=195nm±5n
mに設定したものが最も好ましいが、この捩れ位相板2
2の分子配列の捩れ角θと、リタデーションの値Re
は、θ=190°±10°,Re=583nm±10n
mまたはθ=318°±15°,Re=972nm±1
5nmに設定してもよく、その場合も、捩れ位相板をそ
の前面における分子配向方向を前記反射偏光板の反射軸
とほぼ平行にして配置することにより、上記実施例と同
等の効果を得ることができる。
【0128】また、上記第2および第3の実施例では、
反射偏光板19とバックライト14も導光板15との間
に配置する光学手段20を、λ/4位相板21または捩
れ位相板22としているが、前記光学手段20は、前記
導光板15の入出射面15bから出射して前記反射偏光
板19にその後側から入射した照明光のうち、前記反射
偏光板19により後側に反射され、この反射偏光板19
と前記バックライト14の反射板16との間を往復する
照明光を、前記反射偏光板19と前記反射板16との間
を奇数回往復する間に、前記反射偏光板19を透過する
偏光状態の光に変換して前記反射偏光板19に入射さ
せ、前記反射偏光板19にその前側から入射してこの反
射偏光板19を透過し、前記反射偏光板19と前記反射
板16との間を往復する外部入射光を、前記反射偏光板
19と前記反射板16との間を偶数回往復する間に、前
記反射偏光板19を透過したときの偏光状態の光に戻し
て前記反射偏光板19に入射させるものであれば、他の
光学フィルムでもよい。
【0129】その場合も、照明光の利用効率を高くし、
バックライトから出射させる照明光の輝度をあまり高く
しなくても充分な明るさの画面を得ることができるとと
もに、反射表示のときの画面の明るさも確保することが
できる。
【0130】また、上記第1〜第3の実施例では、拡散
層18を、前記液晶表示素子1の後側基板4の外面に貼
付けているが、前記拡散層18は、バックライト14の
導光板15の入出射面15bに貼付けてもよい。
【0131】さらに、前記拡散層18は、バックライト
14の反射板15よりも前側で、液晶表示素子1の前側
吸収偏光板11よりも後側であれば、前記導光板15の
後面とその後側の反射板16との間、液晶表示素子1の
後側基板4と後側吸収偏光板12との間、前記液晶表示
素子1の前側基板4と光学補償板13との間、前記光学
補償板13と前側吸収偏光板12との間、反射偏光板1
9とλ/4位相板21または捩れ位相板22との間等の
任意の箇所に配置してもよい。
【0132】また、前記拡散層18は、散乱フィラーを
分散させた粘着剤により形成し、その拡散層により前後
の部材(例えば反射偏光板19とλ/4位相板21また
は捩れ位相板22)を貼合わせてもよい。
【0133】また、上記第1〜第3の実施例の液晶表示
装置は、STN型の単純マトリックス液晶表示素子1を
用いたものであるが、液晶表示素子は、液晶分子のツイ
スト角をほぼ90°としたTN型のものでもよく、ま
た、単純マトリックス型に限らず、アクティブマトリッ
クス型のものでもよい。
【0134】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、液晶表示素
子の背後に、入射端面と、前記入射端面からの入射光を
出射しかつ前記液晶表示素子を透過した光を入出射させ
る入出射面とを有し、前記液晶表示素子の背後に配置さ
れた導光板と、前記導光板の後側に設けられた反射板
と、前記導光板の入射端面に対向させて設けられた光源
とからなり、表示の観察側である前側から入射し、前記
液晶表示素子を透過してその後側に出射した外部入射光
を前記導光板を透過させて前記反射板により前記液晶表
示素子に向けて反射するとともに、前記光源からの照明
光を前記導光板により導いてその入出射面から前記液晶
表示素子に向けて出射するバックライトを配置したもの
であるため、外光を利用する反射表示のときの液晶表示
素子を透過した光の反射率と、照明光を利用する透過表
示のときの前記液晶表示素子への光の入射率をいずれも
高くし、反射表示のときも透過表示のときも明るい表示
を得ることができる。
【0135】この発明の液晶表示装置は、前記液晶表示
素子と前記バックライトの導光板との間に、入射光の互
いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分を
反射する反射軸と、他方の偏光成分を透過させる透過軸
とをもち、前記透過軸を前記液晶表示素子の後側吸収偏
光板の透過軸とほぼ平行にして配置された反射偏光板
と、この反射偏光板と前記導光板との間に配置され、透
過光の偏光状態を変化させる光学手段とをさらに備え、
前記光学手段が、前記導光板の入出射面から出射して前
記反射偏光板にその後側から入射した照明光のうち、前
記反射偏光板により後側に反射され、この反射偏光板と
前記バックライトの反射板との間を往復する照明光を、
前記反射偏光板と前記反射板との間を奇数回往復する間
に、前記反射偏光板を透過する偏光状態の光に変換して
前記反射偏光板に入射させ、前記反射偏光板にその前側
から入射してこの反射偏光板を透過し、前記反射偏光板
と前記反射板との間を往復する外部入射光を、前記反射
偏光板と前記反射板との間を偶数回往復する間に、前記
反射偏光板を透過したときの偏光状態の光に戻して前記
反射偏光板に入射させる光学フィルムからなっている構
成のものが好ましく、このような構成とすることによ
り、照明光の利用効率を100%に近くし、バックライ
トから出射させる照明光の輝度をあまり高くしなくても
充分な明るさの画面を得ることができるとともに、反射
表示のときの画面の明るさも確保することができる。
【0136】その場合、前記光学フィルムは、透過光の
常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/
4位相板、あるいは、分子が一方の面から他方の面に向
かって捩れて配列した捩れ位相板が好ましい。
【0137】前記光学フィルムを前記λ/4位相板とす
る場合は、このλ/4位相板を、その遅相軸を反射偏光
板の反射軸に対しほぼ45°の角度で交差させて配置
し、前記反射偏光板により後側に反射された照明光の偏
光状態を、その照明光が前記反射偏光板とバックライト
の反射板との間を1回往復する間の前記λ/4位相板の
2回の透過により、偏光の振動面がほぼ90度異なる偏
光状態の光に変化させ、前記反射偏光板にその前側から
入射してこの反射偏光板を透過した外部入射光の偏光状
態を、前記反射偏光板と前記反射板との間を2回往復す
る間の前記λ/4位相板の4回の透過により、前記反射
偏光板を透過したときの偏光状態の光に戻すようにすれ
ばよく、このようにすることにより、照明光の利用効率
を100%に近くし、バックライトから出射させる照明
光の輝度をあまり高くしなくても充分な明るさの画面を
得ることができるとともに、反射表示のときの画面の明
るさも確保することができる。
【0138】また、前記光学フィルムを前記捩れ位相板
とする場合は、この捩れ位相板を、その前面における分
子配向方向を前記反射偏光板の反射軸とほぼ平行にして
配置し、前記反射偏光板により後側に反射された照明光
の偏光状態を、その照明光が前記反射偏光板とバックラ
イトの反射板との間を1回往復する間の前記捩れ位相板
の2回の透過により、偏光の振動面がほぼ90度異なる
偏光状態の光に変化させ、前記反射偏光板にその前側か
ら入射してこの反射偏光板を透過した外部入射光の偏光
状態を、前記反射偏光板と前記反射板との間を2回往復
する間の前記捩れ位相板の4回の透過により、前記反射
偏光板を透過したときの偏光状態の光に戻すようにすれ
ばよい。
【0139】前記捩れ位相板は、その分子配列の捩れ角
θと、リタデーションの値Reが、θ=63°±5°,
Re=195nm±5nm、θ=190°±10°,R
e=583nm±10nm、θ=318°±15°,R
e=972nm±15nmのいずれかに設定されている
ものが好ましく、このような捩れ位相板を用いることに
より、照明光の利用効率を100%に近くし、バックラ
イトから出射させる照明光の輝度をあまり高くしなくて
も充分な明るさの画面を得ることができるとともに、反
射表示のときの画面の明るさも確保することができる。
【0140】また、この発明の液晶表示装置において
は、前記バックライトの反射板よりも前側で、前記液晶
表示素子の前側吸収偏光板よりも後側の任意の箇所に、
拡散層を設けるのが好ましく、この拡散層を設けること
により、外光を利用する反射表示のときも、バックライ
トからの照明光を利用する透過表示のときも、前記拡散
層18により拡散された均一な輝度分布の光を前側に出
射し、輝度むらの無い良好な表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図2】第1の実施例における液晶表示素子の液晶セル
の液晶分子の配向状態と前後の吸収偏光板の透過軸方向
および光学補償板の分子配列状態を示す図。
【図3】この発明の第2の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図4】第2の実施例における液晶表示素子の液晶セル
の液晶分子の配向状態と前後の吸収偏光板の透過軸方向
および光学補償板の分子配列状態と、前記液晶表示素子
とバックライトの導光板との間に配置された反射偏光板
およびλ/4位相板の軸方向を示す図。
【図5】この発明の第3の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図6】第3の実施例における液晶表示素子の液晶セル
の液晶分子の配向状態と前後の吸収偏光板の透過軸方向
および光学補償板の分子配列状態と、前記液晶表示素子
とバックライトの導光板との間に配置された反射偏光板
および捩れ位相板の軸方向を示す図。
【符号の説明】
1…液晶表示素子 2…液晶セル 3,4…基板 5,6…電極 10…液晶層 11,12…吸収偏光板 13…光学補償板 14…バックライト 15…導光板 15a…入射端面 15b…入出射面 16…反射板 17…光源 18…拡散層 19…反射偏光板 19s…反射軸 19p…透過軸 20…光学手段 19…反射偏光板 21…λ/4位相板 21a…遅相軸 22…捩れ位相板 22a…捩れ位相板の前面における分子配列方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東山 浩 東京都八王子市石川町2951番地の5 カシ オ計算機株式会社八王子研究所内 (72)発明者 斉藤 洋志美 東京都八王子市石川町2951番地の5 カシ オ計算機株式会社八王子研究所内 Fターム(参考) 2H091 FA08X FA08Z FA11Z FA14Z FA23Z FA32Z FD08 FD09 FD10 KA02 LA16 LA18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向配置された前後一対の基板の内面にそ
    れぞれ電極が設けられ、これらの基板間に液晶分子が所
    定のツイスト角でツイスト配向した液晶層が設けられた
    液晶セルと、前記液晶セルの前面と後面にそれぞれ透過
    軸を所定の方向に向けて設けられた前側吸収偏光板およ
    び後側吸収偏光板とからなる液晶表示素子と、 入射端面と、前記入射端面からの入射光を出射しかつ前
    側からの入射光を入出射させる入出射面とを有し、前記
    入出射面を前記液晶表示素子の後面に対向させて配置さ
    れた導光板と、前記導光板の後側に設けられた反射板
    と、前記導光板の入射端面に対向させて設けられた光源
    とからなり、表示の観察側である前側から入射し、前記
    液晶表示素子を透過してその後側に出射した外部入射光
    を前記導光板を透過させて前記反射板により前記液晶表
    示素子に向けて反射するとともに、前記光源からの照明
    光を前記導光板により導いてその入出射面から前記液晶
    表示素子に向けて出射するバックライトとを備えている
    ことを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】液晶表示素子とバックライトの導光板との
    間に、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、
    一方の偏光成分を反射する反射軸と、他方の偏光成分を
    透過させる透過軸とをもち、前記透過軸を前記液晶表示
    素子の後側吸収偏光板の透過軸とほぼ平行にして配置さ
    れた反射偏光板と、この反射偏光板と前記導光板との間
    に配置され、透過光の偏光状態を変化させる光学手段と
    をさらに備え、 前記光学手段は、前記導光板の入出射面から出射して前
    記反射偏光板にその後側から入射した照明光のうち、前
    記反射偏光板により後側に反射され、この反射偏光板と
    前記バックライトの反射板との間を往復する照明光を、
    前記反射偏光板と前記反射板との間を奇数回往復する間
    に、前記反射偏光板を透過する偏光状態の光に変換して
    前記反射偏光板に入射させ、前記反射偏光板にその前側
    から入射してこの反射偏光板を透過し、前記反射偏光板
    と前記反射板との間を往復する外部入射光を、前記反射
    偏光板と前記反射板との間を偶数回往復する間に、前記
    反射偏光板を透過したときの偏光状態の光に戻して前記
    反射偏光板に入射させる光学フィルムからなることを特
    徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】光学フィルムは、透過光の常光と異常光と
    の間に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相板からな
    り、このλ/4位相板が、その遅相軸を反射偏光板の反
    射軸に対しほぼ45°の角度で交差させて配置されてお
    り、 前記反射偏光板により後側に反射された照明光の偏光状
    態を、その照明光が前記反射偏光板とバックライトの反
    射板との間を1回往復する間の前記λ/4位相板の2回
    の透過により、偏光の振動面がほぼ90度異なる偏光状
    態の光に変化させ、前記反射偏光板にその前側から入射
    してこの反射偏光板を透過した外部入射光の偏光状態
    を、前記反射偏光板と前記反射板との間を2回往復する
    間の前記λ/4位相板の4回の透過により、前記反射偏
    光板を透過したときの偏光状態の光に戻すことを特徴と
    する請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】光学フィルムは、分子が一方の面から他方
    の面に向かって捩れて配列した捩れ位相板からなり、こ
    の捩れ位相板が、その前面における分子配向方向を前記
    反射偏光板の反射軸とほぼ平行にして配置されており、 前記反射偏光板により後側に反射された照明光の偏光状
    態を、その照明光が前記反射偏光板とバックライトの反
    射板との間を1回往復する間の前記捩れ位相板の2回の
    透過により、偏光の振動面がほぼ90度異なる偏光状態
    の光に変化させ、前記反射偏光板にその前側から入射し
    てこの反射偏光板を透過した外部入射光の偏光状態を、
    前記反射偏光板と前記反射板との間を2回往復する間の
    前記捩れ位相板の4回の透過により、前記反射偏光板を
    透過したときの偏光状態の光に戻すことを特徴とする請
    求項2に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】捩れ位相板の分子配列の捩れ角θと、リタ
    デーションの値Reが、θ=63°±5°,Re=19
    5nm±5nm、θ=190°±10°,Re=583
    nm±10nm、θ=318°±15°,Re=972
    nm±15nmのいずれかに設定されていることを特徴
    とする請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】バックライトの反射板よりも前側で、液晶
    表示素子の前側吸収偏光板よりも後側の任意の箇所に、
    拡散層が設けられていることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の液晶表示装置。
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