JP2002098201A - 歯付ベルト伝動装置及び事務用機器 - Google Patents

歯付ベルト伝動装置及び事務用機器

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JP2002098201A
JP2002098201A JP2000290885A JP2000290885A JP2002098201A JP 2002098201 A JP2002098201 A JP 2002098201A JP 2000290885 A JP2000290885 A JP 2000290885A JP 2000290885 A JP2000290885 A JP 2000290885A JP 2002098201 A JP2002098201 A JP 2002098201A
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belt
pulley
toothed
toothed belt
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Hideaki Kawahara
英昭 川原
Masaki Ochiai
政喜 落合
Ryuichi Kido
隆一 城戸
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンタや複写機の事務用機器等に用いられ
る歯付ベルト伝動装置の歯付ベルト8の速度むらを可及
的に低減し、事務用機器の印字精度や画像品質の向上等
を図る。 【解決手段】 ベルト歯部11を、歯幅方向中心線C2
に対し対称に配置された円弧面からなる歯元部12,1
2と、歯元部12,12に連続して歯幅方向中心線C2
に対し対称に設けられた凸形状円弧面からなる歯側面部
13,13と、両歯側面部13,13同士を連続して且
つ歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられた円弧面か
らなる歯先部17とで構成する一方、プーリ歯溝部3を
歯溝幅方向中心線C1に対し対称に設けられた円弧面か
らなる歯頂円弧部4及び歯溝側面部5と、両歯溝側面部
5同士を連続するように設けられた歯溝底部6とで構成
し、ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与さ
れた伝動状態で、歯側面部13及び歯溝側面部5の歯高
さ方向の各位置における歯付プーリ1,2の圧力角を歯
付ベルト8の圧力角よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付ベルト伝動装
置及び事務用機器に関し、特に、ベルトの速度むら(速
度変動)を低減させるための技術分野に属するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の歯付ベルトとして
は、ベルト歯部の形状が台形状であるものが一般的に用
いられていたが、より一層の高負荷を伝達したり、騒音
をより一層低減したりするという目的で、凸形状の側面
を有する歯部形状のベルトが提案され、現在では主流と
なっている。その歯形の1つが特開昭50―42252
号公報に示されるいわゆるSTPD歯形と呼ばれるもの
であり、他の1つが特開昭59―89852号公報に示
されたいわゆるHTD−II歯形と呼ばれるものである。
前者のSTPD歯形は、例えばバンドー化学(株)の商
品名「スーパートルクシンクロベルト」として、また後
者のHTD−II歯形は、ユニッタ(株)の商品名「パワ
ーグリップGTベルト」としてそれぞれ実用化されてい
る。
【0003】また、この他、事務用機器における可動部
の精密な位置決め駆動を目的として、特開昭64―74
341号公報に示される歯付ベルトも提案されている。
このものでは、図20に示すように、ベルト8′におけ
る本体9′のランドラインLL上に複数のベルト歯部1
1′,11′,…(1つのみ示す)を一定ピッチで設
け、この各ベルト歯部11′は、歯幅方向中心線C2に
対し対称に配置された円弧面からなる歯元部12′,1
2′と、この歯元部12′,12′に連続してかつ上記
歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられた凸形状の円
弧面からなる歯側面部13′,13′と、この歯側面部
13′,13′に連続してかつ上記歯幅方向中心線C2
に対し対称に設けられた円弧面からなる円弧面部1
4′,14′とを備え、これら円弧面部14′,14′
同士が1つの平面からなる平面部15′により接続され
ている。そして、この歯付ベルト8′の歯付プーリ1′
との静的噛合い状態において、各ベルト歯部11′の歯
元部12′がプーリ歯溝部3′の歯頂円弧部4′と略接
触し、ベルト歯部11′のプーリ歯溝部3′でのバック
ラッシュがベルト歯部11′の歯元から歯先にかけて漸
次増大し、プーリ歯溝部3′の深さがベルト歯部11′
の高さ以上になるように構成されている。
【0004】このものでは、プーリ歯溝部3′とのバッ
クラッシュをベルト歯部11′の歯元部12′でなくす
一方、そのプーリ歯溝部3′とのバックラッシュをベル
ト歯部11′の歯元から歯先にかけて漸増させてベルト
歯部11′を歯先に向かって細くし、このことでベルト
歯部11′とプーリ歯溝部3′の歯頂円弧部4′との噛
合い干渉を抑制して、この噛合い干渉に起因するベルト
ピッチラインの変動を低減するようにしている。尚、図
20中、5′はプーリ歯溝部3′における凹形状の歯溝
側面部、6′は歯溝底部、PLはベルト8′のピッチラ
インで、プーリ1′のピッチ円と一致している。また、
理解を容易にするために、図20ではプーリ1′の外周
部をベルト8′と共に展開して示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プリンタや
複写機に代表される事務用機器においては、歯付ベルト
伝動装置を利用した印字装置(画像印刷も含む)が一般
的に用いられている。この印字装置では、インクやハン
マ等の印字機構を装着したキャリッジを歯付ベルトに取
り付けて、この歯付ベルトを歯付プーリ間に掛け渡し、
プーリを正逆転させてキャリッジを往復動作させるよう
になっている。
【0006】そして、上記キャリッジによる印字精度や
画像品質を高めるために、歯付ベルトの走行時の速度む
ら(速度変動)を可能な限り低減することが要求され
る。特に、プリンタにおいては、近年、カラー印刷やそ
の高速化・高画質化が急速に進んでおり、歯付ベルトの
噛合振動(噛合いによる速度むら)が印字むらや画像む
らを引き起こすことがあるので、歯付ベルトの噛合速度
むらの低減が強く要求されている。
【0007】これらプリンタ等の事務用機器には、上記
STPD歯形やHTD−II歯形で歯部ピッチが3mm
以下(例えば3mm、2mm、1.5mm等)の歯付ベ
ルトが一般的に用いられており、その歯部の形状は8m
mピッチや5mmピッチ等、比較的大きい歯部ピッチの
歯形をそのまま略相似的に縮小した形状が採用される。
【0008】しかしながら、これらの歯形は本来、高負
荷伝達の用途を目的として開発されたものであり、この
ため、上記速度むらを低減する要求については何等考慮
されていない。
【0009】尚、上記した特開昭64―74341号公
報に示される歯付ベルトは、速度むらの低減をある程度
考慮して提案されたものではあるが、その速度むらの低
減に最適な歯形とはなり得ておらず、速度むらを可及的
に低減するのに不十分であった。
【0010】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、歯付ベルト伝動装置
における歯付ベルトの速度むらを可及的に低減すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、歯付ベルトの歯部が歯付プーリの溝
部に噛み込むとき、ベルトのピッチラインから離れたベ
ルト歯部の先端側で、ベルト歯部の歯部側面とプーリ歯
溝部の側面とが接触するようにした。
【0012】具体的には、請求項1の発明は、歯付ベル
トと歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装
置に関する発明であり、上記歯付ベルトは、ピッチライ
ン上に抗張体が埋設されたベルト本体と、上記ベルト本
体のランドライン上に一定ピッチで設けられた複数のベ
ルト歯部とを備え、上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心
線に対し対称に配置された略円弧面からなる歯元部と、
上記歯元部に連続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方
向中心線に対し対称に設けられた凸形状の略円弧面から
なる歯側面部と、上記両歯側面部の円弧面の歯先側延長
線よりも歯元側に位置し、両歯側面部同士を連続するよ
うに設けられた歯先部とで構成されている。一方、上記
歯付プーリは、プーリ外径ライン上に一定ピッチで設け
られた複数のプーリ歯溝部を備え、上記各プーリ歯溝部
は、歯溝幅方向中心線に対し対称に配置された円弧面か
らなる歯頂円弧部と、上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅
方向中心線に対し対称に設けられた凹形状の円弧面から
なる歯溝側面部と、上記両歯溝側面部同士を連続するよ
うに設けられた歯溝底部とで構成されている。そして、
上記歯付プーリに上記歯付ベルトが巻き付いて該ベルト
に張力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯
側面部及びプーリ歯溝部の歯溝側面部の歯高さ方向の各
位置における上記歯付プーリの圧力角が上記歯付ベルト
の圧力角よりも大きく構成されていることを特徴とす
る。
【0013】歯付ベルトの歯部が駆動側の歯付プーリの
歯溝部に噛み込むとき、与えられる負荷トルクの影響に
よりベルト歯部はプーリ歯溝部の位置に対し若干遅れた
位置で噛み込むので、まず、ベルト歯部の走行方向後側
の歯部側面がプーリ歯溝部の側面に接触する。このと
き、ベルトのスパン(プーリに巻き付いていない部分)
でベルトピッチラインがベルトスパンと直交する方向に
上下動することにより、噛合い速度むらが発生する。従
来技術のように、プーリ圧力角がベルト圧力角と等し
い、又はプーリ圧力角がベルト圧力角よりも小さい場合
には、ベルト歯部がプーリ歯溝部に完全に噛み合った状
態で、ベルト歯部側面の歯元部がプーリ歯溝側面に接触
している。つまり、プーリ歯溝部の幅方向中心線に対し
てベルト歯部の幅方向中心線が大きくずれているため、
次に噛み合うベルト歯部はそのベルト歯部側面がプーリ
歯溝部側面に干渉しやすい状態で噛み込むことになる。
【0014】これに対して本発明のように、プーリの圧
力角をベルトの圧力角よりも大きく構成すれば、ベルト
歯部のプーリ歯溝部への噛み込みの過程でベルト歯部の
幅方向中心線がプーリ歯溝部の幅方向中心線に近づいて
いく効果(歯のセンタリング効果)が生じるので、次に
噛み込むベルト歯部は、ベルト歯部側面がプーリ歯溝部
側面に干渉しにくくなり、噛み合い時の干渉を最小限に
抑えることができる。
【0015】また、上記ピッチラインが上下動する要因
の1つとして、ベルト歯部の走行方向後側の歯部側面が
プーリ歯溝部の側面に接触する際に発生する衝撃力がベ
ルトのピッチライン上の抗張体に伝達するということが
ある。
【0016】そのとき、衝撃力は接触位置から抗張体へ
伝わるときに弾性体からなるベルト歯部及びベルト本体
を介するために、この衝撃力は接触位置から抗張体へ向
かうに従って減衰される。
【0017】すなわち、接触位置が抗張体に近くなるほ
ど上記弾性体による衝撃力の減衰量が小さくなるので、
抗張体への衝撃力の伝達量は大きくなり、この衝撃力に
よるピッチラインの押上げ量は大きくなる。換言すれ
ば、ベルト歯部のプーリ歯溝部への接触がピッチライン
に近づいてなされるほど速度むらが大きくなるのであ
る。
【0018】したがって、上記の如く構成することによ
り、ベルト歯部のプーリ歯溝部への接触がピッチライン
から離れたベルト歯部の先端においてなされるので、速
度むらを小さくすることができる。
【0019】請求項2の発明では、請求項1の歯付ベル
ト伝動装置において、歯付ベルトは、ランドライン上で
の歯元幅をWとしたとき、ベルト歯部の歯側面部におい
てランドラインから歯高さ方向に0.3W離れた基準位
置での圧力角が26〜39°であることを特徴とする。
【0020】本発明者による研究の結果、ベルト歯部の
側面を凸形状とした歯付ベルトにおいては、その側面の
所定位置での圧力角が速度むらに極めて大きな影響を与
えることが突き止められている。上記圧力角とは、ベル
トのランドライン上での歯元幅をWとしたとき、ランド
ラインから歯高さ方向に0.3W離れた位置(この位置
を基準位置とする)におけるベルト歯部側面の圧力角で
あり、以後、「0.3W圧力角」とも記す。この理由
は、ベルト歯部側面の凸形状の歯側面部が通常0.6W
前後の歯高さを有するので、その歯高さの中央となる基
準位置での「0.3W圧力角」が凸形状歯形の圧力角と
して実質的に有効な指標となるからである。
【0021】従来のSTPD歯形やHTD−II歯形を有
する歯付ベルトでは、高負荷伝動を目的としているの
で、高負荷時のベルトの歯飛び(ジャンピング)を避け
るために、歯部側面の上記0.3W圧力角は小さく設定
される。例えば歯部ピッチが1.5〜3.0mmのST
PD歯形では上記0.3W圧力角は25.1〜25.3
°の範囲に、また1.5〜3.0mmピッチのHTD−
II歯形では0.3W圧力角は20.8〜21.1°の
範囲にそれぞれ設定されている。これに対し、事務用機
器の用途に用いられる歯付ベルトは、軽負荷伝動条件下
で駆動されるものであるので、上記の如きベルトの歯飛
びを考慮する必要は殆どない。そして、発明者の研究の
結果、歯部側面の0.3W圧力角を26〜39°とする
ことで、ベルトの速度むらを大きく低減できることが判
明した。
【0022】すなわち、従来の歯部形状のように0.3
W圧力角が小さいと、ベルト歯部の側面がプーリ歯溝部
の側面に早く接触する(図8(b)参照)のに対し、本
発明のように0.3W圧力角が従来のものよりも大きい
と、ベルト歯部のプーリ歯溝部側面との接触は遅くなり
(図8(a)参照)、このことによってベルトの速度む
らを低減することができる。
【0023】一方、上記0.3W圧力角を無闇に大きく
することはできず、それが大き過ぎると、却って速度む
らが増大する。すなわち、上記のとおり、ベルト歯部の
側面はプーリ歯溝部の側面と接触した後に滑り込む反力
とベルト張力の分力とによってベルトスパンの移動量が
決まるが、そのとき、0.3W圧力角が大き過ぎると、
ベルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込む際に発生する反力
の垂直方向(ベルトスパンと直交する方向)の成分が大
きくなり過ぎ、容易に滑り込めなくなってベルトピッチ
ラインが押し上げられるためである。
【0024】したがって、上記0.3W圧力角は、本発
明者の解析結果によれば、上記の如く26〜39°にあ
れば最適の許容範囲が得られることとなり、従来の圧力
角(例えば25.1〜25.3°)を有するものに比べ
てベルトの速度むらの低減に極めて有効である。
【0025】ここで、上記ベルト歯部の歯側面部は、1
つの円の弧面で構成されていることが好ましいが、実質
的に略円弧面で近似できる凸状の曲面であれば、楕円の
一部や放物線の一部等、他の曲線からなる曲面であって
もよい。いずれにしても略円弧面で近似できる凸状の曲
面であり、0.3W圧力角が26〜39°であれば、本
発明の効果が発揮される。
【0026】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の歯付ベルト伝動装置において、ベルト歯部とプーリ歯
溝部との噛み合い時に、該ベルト歯部の側面と該プーリ
歯溝部の側面との間のバックラッシュがベルト歯部の歯
先部において無いことを特徴とする。このようにすれ
ば、速度むらをさらに低減するのに好ましい。
【0027】請求項4の発明では、歯付ベルトと歯付プ
ーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置に関する
発明であり、上記歯付ベルトは、ピッチライン上に抗張
体が埋設されたベルト本体と、上記ベルト本体のランド
ライン上に一定ピッチで設けられた複数のベルト歯部と
を備え、上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対
称に配置された略円弧面からなる歯元部と、上記歯元部
に連続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線に
対し対称に設けられた凸形状の略円弧面からなる歯側面
部と、上記両歯側面部の円弧面の歯先側延長線よりも歯
元側に位置し、両歯側面部同士を連続するように設けら
れた歯先部とで構成されている。一方、上記歯付プーリ
は、プーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた複数
のプーリ歯溝部を備え、上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅
方向中心線に対し対称に配置された円弧面からなる歯頂
円弧部と、上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線
に対し対称に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側
面部と、上記両歯溝側面部同士を連続するように設けら
れた歯溝底部とで構成されている。そして、上記歯付プ
ーリに上記歯付ベルトが巻き付いて該ベルトに張力が付
与された伝動状態において、ベルト歯部の歯側面部及び
プーリ歯溝部の歯溝側面部の歯高さ方向の各位置におけ
る上記歯付プーリの圧力角は、歯付ベルトの歯先側にお
いて該ベルトの圧力角と同じ大きさである一方、歯元側
において上記ベルトの圧力角よりも大きいことを特徴と
する。この構成によっても、上記請求項1と同様の作用
効果を得ることができる。
【0028】請求項5の発明では、請求項4の歯付ベル
ト伝動装置において、歯付ベルトは、ランドライン上で
の歯元幅をWとしたとき、ベルト歯部の歯側面部におい
てランドラインから歯高さ方向に0.3W離れた基準位
置での圧力角が26〜39°であることを特徴とする。
【0029】請求項6の発明では、請求項4又は5の歯
付ベルト伝動装置において、ベルト歯部とプーリ歯溝部
との噛み合い時に、該ベルト歯部の側面と該プーリ歯溝
部の側面との間のバックラッシュがベルト歯部の歯先部
において無いことを特徴とする。
【0030】請求項7の発明では、請求項1〜6のいず
れか1つの歯付ベルト伝動装置において、歯付ベルトの
ベルト歯部の歯先部は、両歯側面部の円弧面と連続しか
つ歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面で構成
されていることを特徴とする。
【0031】上記のとおり、歯先部の構成は、両歯側面
部の円弧面の歯先方向への延長線上内側に位置するよう
に設けさえすればよいが、歯先部を1つの円弧面で構成
すれば、平面部を有するものに比べてベルト歯部のプー
リ歯溝部への接触をさらに遅くすることができ、ベルト
の速度むらをより一層低減できる利点がある。
【0032】請求項8の発明では、請求項7の歯付ベル
ト伝動装置において、歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝
底部は、歯溝幅方向中心線上に中心点を持ちかつベルト
歯部の歯先部の円弧半径よりも大きい円弧半径の1つの
円弧面で構成されていることを特徴とする。
【0033】この発明の構成によれば、ベルト歯部の歯
先端部が1つの円弧面で構成されているので、プーリ歯
溝部の歯溝底部が略平面からなるものに比べ、ベルト歯
部とプーリ歯溝部との接触位置をさらにピッチラインか
ら遠ざけることができ(図4及び図5参照)、ベルトの
速度むらをより一層低減することができる。
【0034】請求項9の発明では、請求項1〜6のいず
れか1つの歯付ベルト伝動装置において、歯付ベルトの
ベルト歯部の歯先部は、両歯側面部の円弧面に連続する
ように設けられた略円弧面からなる円弧面部と、両円弧
面部を接続するように設けられた略平面からなる1つの
平面部とで構成される一方、歯付プーリのプーリ歯溝部
の歯溝底部は、両歯溝側面部の円弧面に連続するように
設けられた略円弧面からなる円弧面部と、両円弧面部を
接続するように設けられた略平面からなる1つの平面部
とで構成されることを特徴とする。
【0035】すなわち、プリンタの用途では、従動プー
リ(図3のプーリ2参照)を平プーリとして使用するこ
とがあり、その場合、ベルト歯部の歯先部が平プーリ外
径部と直接接触して走行するので、このベルト歯先部が
略平面であれば広い面積で荷重を受け持つこととなり、
ピッチラインの位置を安定させることができ、これによ
りベルトの速度むらを抑えることができる。
【0036】請求項10の発明では、請求項1〜9のい
ずれか1つの歯付ベルト伝動装置において、ベルト歯部
の歯側面部の円弧半径RBがRB=0.7W〜1.5W
であることを特徴とする。
【0037】すなわち、上記のように、0.3W圧力角
を大きくすることによって、ベルト歯部のプーリ歯溝部
への噛込み時にベルト歯部のプーリ歯溝部への接触が遅
くなり、これにより速度むらを小さくすることができる
が、同じ0.3W圧力角を有する歯形であっても、その
歯形の歯側面部の円弧半径によってベルト歯部のプーリ
歯溝部への滑込み易さが異なるため、速度むらに影響す
る。つまり、ベルトのプーリへの噛込みにおいて、ベル
トのランド部がプーリ歯頂部に巻き付くときには、ベル
トはプーリに円弧状に巻き付くが、ランド部が巻き付い
た後にベルト歯部がプーリ歯溝部へ噛み込むときには、
ベルト歯部は歯の走行方向前側の歯元付近におけるピッ
チライン上の点を支点(回転中心)として、プーリ歯溝
部に噛み込む。このとき、歯側面部の円弧半径RBが大
き過ぎる場合、ベルト歯部の歯先付近がプーリ歯溝側面
に干渉しながら(図9(b)参照)、また歯側面部の円
弧半径RBが小さ過ぎる場合は、ベルト歯部側面がプー
リ歯頂円弧付近に干渉しながら(図9(c)参照)それ
ぞれ滑り込む。こうしてベルト歯部の歯先付近又は側面
が干渉しながら滑り込むことによって、噛込み時に発生
するプーリからの反力が大きくなり、ピッチラインが押
し上げられて速度むらが大きくなる。
【0038】これに対し、ベルト歯部の歯側面部の円弧
半径RBがベルト歯元幅Wと略等しくてR=0.7W〜
1.5Wの範囲にあれば、上記の如き干渉は殆ど発生せ
ず(図9(a)参照)、滑らかに滑り込むことができる
ため、速度むらが小さくなる。つまり、半径RBが歯元
幅Wに対し、RB=0.7W〜1.5Wの範囲であれ
ば、滑らかに滑り込むことができ、速度むらの低減に有
効である。
【0039】請求項11の発明では、請求項1〜10の
いずれか1つの歯付ベルト伝動装置において、ベルト歯
部の歯ピッチPBがPB=1.37W〜1.47Wであ
ることを特徴とする。この範囲が速度むらの低減とプー
リの強度や加工性とから見て、さらに適切なベルトピッ
チの範囲となる。
【0040】請求項12の発明では、請求項1〜11の
いずれか1つの歯付ベルト伝動装置において、歯付ベル
トが歯付プーリに巻き付いて該ベルトに張力が付与され
た伝動状態で、ベルト歯部間のランド部とプーリ外径部
とが非接触状態にあることを特徴とする。
【0041】こうすると、ベルトのランド部がプーリ外
径部に円弧状に巻き付いた後にベルト歯部がプーリ歯溝
部へ噛み込む際、ベルト歯部はベルト本体のピッチライ
ン上の点を回動中心として回動しながらプーリ歯溝部に
噛み込むが、そのピッチライン上の点の回動中心は、ベ
ルトランド部とプーリ外径部とが接触状態にある場合の
ように、噛み込もうとする対象のプーリ歯溝部のベルト
走行方向前側の歯元付近における歯頂円弧部に対応する
点ではなくて、ベルトランド部とプーリ外径部とが非接
触状態であるが故に、上記対象のプーリ歯溝部よりもベ
ルト走行方向前側に位置するプーリ歯溝部の後側歯元付
近における歯頂円弧部に対応する点にずれ、ベルト歯部
はこの点を回動中心として回動しながら対象のプーリ歯
溝部に噛み込むようになる。このことで、上記ベルトラ
ンド部とプーリ外径部とが接触状態である場合に比べ
て、ベルト歯部の回動半径が大きくなり、その歯側面部
の歯先側の回動軌跡の突出量が小さくなってプーリ歯溝
部の歯溝側面部と干渉し難くなり、ベルト歯部はプーリ
歯溝部に滑らかに滑り込んで、ベルト歯部のプーリ歯溝
部との噛合い干渉に起因するベルトの速度むらをさらに
小さくすることができる。
【0042】また、一般に、歯付ベルト伝動装置におけ
るプーリと歯付ベルトとの間の負荷の伝動は、プーリ歯
溝部及びベルト歯部間の噛合い伝動に加え、プーリ外径
部及びベルトランド部の間の摩擦伝動によってもなさ
れ、プーリの回転速度の変動がこれら2つの伝動態様に
よって歯付ベルトへ伝えられて、歯付ベルトの速度むら
が発生するが、ベルトランド部とプーリ外径部とが非接
触状態であると、上記プーリ及びベルト間の負荷伝動の
態様のうち、後者のプーリ外径部とベルトランド部との
摩擦伝動が取り除かれるので、このベルトランド部の摩
擦伝動によるプーリの回転速度変動のベルトへの伝達が
防止され、ベルト歯部のうち、ベルトのランドラインと
プーリの外径ラインとの間の部分がその弾性によりプー
リの回転速度変動を吸収するようになり、このプーリの
回転速度変動が上記噛合い伝動によってベルトへ伝達さ
れるのを抑制して、ベルトの速度むらをさらに小さくす
ることができる。
【0043】請求項13の発明では、事務用機器とし
て、上記歯付ベルト伝動装置が装備されていて、その歯
付ベルトにキャリッジが取り付けられているものとす
る。このことで、歯付ベルト伝動装置の作動時に、キャ
リッジを移動させて印字等をするとき、ベルトの速度む
らによるキャリッジの速度変動が小さくなるので、キャ
リッジによる印字精度や画像品質を高めることができ
る。
【0044】
【発明の実施の形態】図3は本発明の実施形態に係る歯
付ベルト伝動装置Aの全体構成を示し、この伝動装置A
は、プリンタや複写機に代表される事務用機器に装備さ
れるものである。図3において、1は歯付プーリからな
る駆動プーリ、2は同様の従動プーリで、これらプーリ
1,2は例えば水平方向に対向して配置されている。両
プーリ1,2間には歯付ベルト8が噛合い状態で巻き掛
けられ、この歯付ベルト8の下側スパンにはインクやハ
ンマ等の印字機構(図示せず)を装着したキャリッジ1
9が取付部19aにて移動一体に取付固定されており、
駆動プーリ1,2を正転又は逆転させて歯付ベルト8を
走行移動させることにより、キャリッジ19をプーリ
1,2間で往復動作させるようにしている。
【0045】図2に拡大して示すように、上記歯付プー
リからなる駆動又は従動プーリ1,2は、外周のプーリ
外径ライン上に一定ピッチで設けられた複数のプーリ歯
溝部3,3,…(1つのみ図示する)を備えている。こ
の各プーリ歯溝部3は、その歯溝幅方向中心線C1に対
し対称に配置された円弧半径r1Pの円弧面からなる1
対の歯頂円弧部4,4と、これら両歯頂円弧部4,4に
連続して上記歯溝幅方向中心線C1に対し対称に設けら
れ、ピッチ円PCの近傍(後述のプーリ1,2に噛み合
うベルト8の歯部11における歯側面部13の円弧面中
心点O1Bよりもベルト8背面側の位置)に中心点O1
Pを有しかつベルト8の歯幅Wよりも大きい円弧半径R
Pの凹形状の円弧面からなる1対の歯溝側面部5,5
と、これら両歯溝側面部5,5同士を連続するように設
けられて歯溝幅方向中心線C1上に中心点O2Pを持ち
かつベルト歯部11の歯先部17の円弧半径rTBより
も大きい円弧半径rTPの1つの円弧面で構成された歯
溝底部6とで構成されている(尚、図2においては、理
解を容易にするためにプーリ1,2の外周をベルト8と
共に展開した状態で示している)。
【0046】一方、上記歯付ベルト8は、図1に拡大し
て示すように、弾性材からなるベルト本体9を備えてい
る。このベルト本体9はゴム製又はポリウレタン製であ
るのが好ましく、その他、例えば合成樹脂系等の材料で
もよい。ゴム製の場合、クロロプレンゴムが用いられる
他、NBR、SBR、EPDM等でもよく、そのゴムの
硬度はJIS−Aで65〜85°程度のものがよい。ベ
ルト本体9をポリウレタン製とする場合、そのポリウレ
タンは熱硬化性でかつエーテル系のものが用いられる
が、熱可塑性やエステル系のものでもよい。
【0047】また、上記ベルト本体9のピッチラインP
L上に抗張体としての心線(図示せず)が埋設されてい
る。この心線は、ベルト本体9がゴム製又はポリウレタ
ン製のいずれであっても、主としてガラス繊維、アラミ
ド繊維が用いられ、カーボンやPBO等の繊維でもよ
い。また、事務用機器の消費電力を低減するために、ロ
ストルクが小さくなるように細径の心線が望ましい。
【0048】また、ベルト8の速度むらを低減する狙い
からみて、ベルト8のピッチラインPLを安定して維持
するために、ベルト8の曲げ剛性を低くする点、また、
負荷がかけられたときの歯ピッチの維持により噛合干渉
を低減し、事務用機器の起動時の速度変動を素早く減衰
させるために、ベルト8の引張弾性率を高くする点を考
慮すると、高弾性率の心線を用いるのがよい。
【0049】上記ベルト本体9のランドラインLL上に
は、歯元幅W(ベルト歯部11の後述する両方の歯側面
部13,13の歯元方向の円弧延長線とランドラインL
Lとの交差位置間の寸法)を有する複数の歯部11,1
1,…(1つのみ図示する)がベルト長さ方向に一定の
歯ピッチPBで形成され、この歯部11,11間にある
ベルト本体9の底面に、ランドラインLL上に位置する
ランド部12が設けられている。上記ベルト歯部11の
ピッチPBは、上記歯元幅Wに対し、PB=1.37W
〜1.47Wとされている。
【0050】上記の如くベルト本体9がゴム製である場
合、その歯部11の表面に合成繊維製の織布(図示せ
ず)が貼り付けられる。その織布はポリアミド繊維が望
ましいが、ポリエステル繊維でもよい。織布は通常、R
F処理、エポキシ処理、RFL処理等の接着処理が施さ
れ、糊ゴムにより処理される。この糊ゴム処理は、織布
の表裏両面に行われることもあるが、特に事務用機器の
用途ではベルト8表面からのゴム粉の飛散を嫌い、しか
もベルト8の速度むらの低減という目的からみてベルト
8表面の摩擦係数を低くしておく必要があるために、歯
部11の表面となる側にゴム処理を行わないのが好まし
い。
【0051】一方、ベルト本体9がポリウレタン製であ
る場合、歯部11の表面に織布は設けられておらず、ベ
ルト本体9に心線のみが埋め込まれたものとなる。
【0052】本発明の特徴は、上記各ベルト歯部11及
びプーリ歯溝部3の形状にある。すなわち、図1に示す
ように、各ベルト歯部11は、そのベルト長さ方向両側
に、ベルト歯部11の歯幅方向中心線C2(ベルト長さ
方向の中心線)に対し対称に位置しかつランド部10に
連続する所定半径r1Bの円弧面からなる1対の歯元部
12,12と、これらの歯元部12,12に連続して歯
部11の側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線C2に対
し対称に設けられ、円弧半径RBの凸形状の円弧面から
なる1対の歯側面部13,13と、これら両歯側面部1
3,13の円弧面の円弧状の歯先側延長線13aよりも
歯元側(内側)に位置し、両歯側面部13,13同士を
連続するように設けられた歯先部17とで構成され、こ
の歯先部17は、両歯側面部13,13の円弧面と連続
しかつ歯幅方向中心線C2上に中心点rTBを持つ1つ
の円弧面から構成されている。
【0053】上記各歯側面部13の円弧面の中心点O1
Bは、上記ベルト8のピッチラインPL上又はその近
傍、具体的には歯幅W(歯部11の幅)に対し、ランド
ラインLLからa=0.13〜0.42Wでベルト歯部
11の歯幅方向中心線C2からb=0.25〜0.81
Wの範囲に位置するのが望ましい。また、この各歯側面
部13の円弧面の円弧半径RBは、RB=0.7〜1.
5Wに設定するのが好ましい。
【0054】そして、上記歯付ベルト8のベルト歯部1
1側面の歯側面部13においてランドラインLLから歯
高さ方向に0.3W離れた基準位置Dでの0.3W圧力
角θBはθB=26〜39°とされ、最適値はθB=3
1°(図示例のもの)である。
【0055】そして、図2に示すように、プーリにベル
トが巻き付いてベルトに張力が付与された伝動状態にお
いて、ベルト歯部11の歯側面部13及びプーリ歯溝部
3の歯溝側面部5の歯高さ方向の各位置における歯付プ
ーリ1,2の圧力角が歯付ベルト8の圧力角よりも大き
く構成されている。
【0056】言い換えると、プーリにベルトが巻き付い
てベルトに張力が付与された伝動状態において、ベルト
歯部11の歯側面部13及びプーリ歯溝部3の歯溝側面
部5の歯高さ方向の各位置における歯付プーリ1,2の
圧力角は、歯付ベルト8の歯先側においてこのベルトの
圧力角と同じ大きさである一方、歯元側においてそのベ
ルトの圧力角よりも大きく構成されている。
【0057】さらに換言すれば、上記ベルト歯部11の
側面(歯幅方向の側面)とプーリ歯溝部3の側面(歯溝
幅方向の側面)との間のバックラッシュがベルト歯部1
1の歯元部12,12から歯先部17に向かって小さく
なるように構成されている。
【0058】このようにすることで、歯付ベルト8の歯
部11が歯付プーリ1の溝部3に噛み込むとき、ベルト
8のピッチラインPLから離れたベルト歯部11の先端
側で、ベルト歯部11の走行方向後側の歯部側面とプー
リ歯溝部3の側面とが接触するようになる。
【0059】さらに、図2に示すように、歯付プーリ
1,2に歯付ベルト8が巻き付いてこのベルト8に張力
が付与された伝動状態で、ベルト歯部11の側面とプー
リ歯溝部3の側面との間のバックラッシュがベルト歯部
11の歯先部17において無いことを特徴とする。
【0060】したがって、この実施形態においては、図
4に示すように、歯付ベルト8の歯部11が駆動側の歯
付プーリ1の歯溝部3に噛み込むとき、与えられる負荷
トルクの影響によりベルト歯部11はプーリ歯溝部3の
位置に対し若干遅れた位置で噛み込むので、まず、ベル
ト歯部11の走行方向後側の歯部11側面がプーリ歯溝
部3の側面に接触位置Sにおいて接触する(尚、図4及
び後述の図5〜7においては、理解を容易にするため
に、プーリ1,2及びベルト8が共に展開した状態を示
し、さらにベルト歯部11側面とプーリ歯溝部3の側面
との接触状態を概略的に示している。)。
【0061】そのとき、ベルト8のスパン(プーリに巻
き付いていない部分)でベルトピッチラインPLがベル
トスパンと直交する方向に上下動することにより、噛合
い速度むらが発生する。従来技術のように、プーリ圧力
角がベルト圧力角と等しい、又はプーリ圧力角がベルト
圧力角よりも小さい場合には、ベルト歯部11がプーリ
歯溝部3に完全に噛み合った状態で、ベルト歯部11側
面の歯元部がプーリ歯溝3側面に接触している。つま
り、プーリ歯溝部3の幅方向中心線C1に対してベルト
歯部11の幅方向中心線C2が大きくずれているため、
次に噛み合うベルト歯部11はそのベルト歯部11側面
がプーリ歯溝部3側面に干渉しやすい状態で噛み込むこ
とになる。
【0062】これに対して本発明のように、プーリ1,
2の圧力角をベルト8の圧力角よりも大きく構成すれ
ば、ベルト歯部11のプーリ歯溝部3への噛み込みの過
程でベルト歯部11の幅方向中心線C2がプーリ歯溝部
3の幅方向中心線C1に近づいていく効果(歯のセンタ
リング効果)が生じるので、次に噛み込むベルト歯部1
1は、ベルト歯部11側面がプーリ歯溝部3側面に干渉
しにくくなり、噛み合い時の干渉を最小限に抑えること
ができる。
【0063】また、上記ピッチラインPLが上下動する
要因の1つとして、ベルト歯部11の走行方向後側の歯
部11側面がプーリ歯溝部3の側面に接触する際に発生
する衝撃力がベルト8のピッチラインPL上の心線に伝
達するということがある。
【0064】このとき、衝撃力は接触位置Sから心線へ
伝わるときに弾性体からなるベルト歯部11及びベルト
本体9を介するために、この衝撃力は接触位置Sから心
線へ向かうに従って減衰される。
【0065】すなわち、接触位置が心線に近くなるほど
上記弾性体による衝撃力の減衰量が小さくなるので、心
線への衝撃力の伝達量は大きくなり、この衝撃力による
ピッチラインPLの押上げ量は大きくなる。換言すれ
ば、ベルト歯部11のプーリ歯溝部3への接触がピッチ
ラインPLに近づいてなされるほど速度むらが大きくな
るのである。
【0066】ここで、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の形
状について、従来のものを図6及び図7に示し、これら
従来のものと図4に示す本発明のものとを比較して説明
する。まず、図6には図20に示した上述の特開昭64
―74341号公報に開示された歯付ベルト(以降ST
歯形と呼ぶ)に関して、ベルト歯部11′の走行方向後
側の歯部側面とプーリ歯溝部3′の側面との接触位置S
における接触状態を概略的に示している。
【0067】また、図7には、ベルト8″における本体
9″のランドライン上に複数のベルト歯部11″,1
1″,…を一定ピッチで設け、この各ベルト歯部11″
は、歯幅方向中心線に対し対称に配置された円弧面から
なる歯元部12″,12″と、この歯元部12″,1
2″に連続してかつ上記歯幅方向中心線に対し対称に設
けられた凸形状の円弧面からなる歯側面部13″,1
3″と、この歯側面部13″,13″に連続してかつ上
記歯幅方向中心線に対し対称に設けられた円弧面からな
る歯先部14″,14″とを備え、これら歯先部1
4″,14″同士が1つの平面からなる歯先面15″に
より接続されてなる歯付ベルト8″であって、この歯付
ベルト8″の歯付プーリ1″との静的噛合い状態におい
てベルト歯部11″側面とプーリ歯溝部3″との間のバ
ックラッシュがこのベルト歯部11″側面に沿って略平
行となる歯付ベルト(以降STS歯形と呼ぶ)に関し
て、ベルト歯部11″の走行方向後側の歯部側面とプー
リ歯溝部3″の側面との接触位置Sにおける接触状態を
概略的に示している。
【0068】図6に示すST歯形のものでは、バックラ
ッシュはベルト歯部11″の歯元側から歯先側へ向かっ
て漸増しているので、接触位置Sはベルト歯部11″の
歯元側となる。一方、図4に示す本発明のものでは、図
6に示すものとは逆に、バックラッシュはベルト歯部の
歯元側から歯先側へ向かって漸減しているので、接触位
置Sはベルト歯部11の歯先側となる。
【0069】すなわち、本発明の図4における接触位置
Sとベルト8のピッチラインPLまでの距離h1は、従
来の図6における接触位置Sとベルト8′のピッチライ
ンPLまでの距離h2よりも長くとることができるの
で、ベルト歯部とプーリ歯溝部側面との接触による衝撃
力の伝達を緩和する効果が大きくなる。
【0070】また、図7に示すSTS歯形のものでは、
バックラッシュはベルト歯部11″の歯元側から歯先側
へ亘って略平行となっているため、この歯元側から歯先
側へ亘る部分が接触部分となり、接触位置Sはこの接触
部分の略中心にある。
【0071】すなわち、上記のST歯形のものと同様
に、本発明の図4における接触位置Sとベルト8′のピ
ッチラインPLまでの距離h1は、従来の図7における
接触位置Sとベルト8″のピッチラインPLまでの距離
h3よりも長くとることができるので、ベルト歯部とプ
ーリ歯溝部側面との接触による衝撃力の伝達を緩和する
効果が大きくなる。
【0072】したがって、上記の如く構成することによ
り、従来の歯付伝動装置よりも、ベルト歯部11のプー
リ歯溝部3への接触がピッチラインPLから離れたベル
ト歯部11の先端側においてなされるので、速度むらを
小さくすることができる。
【0073】また、上記ピッチラインPLの上下動量
は、ベルト歯部11がプーリ歯溝部3に滑り込む際に発
生する反力と、その反力によってベルト8が上側に押し
上げられたときに発生するベルト張力の分力とによって
決まるため、接触位置がベルト歯部11とプーリ歯溝部
3との完全噛合位置から離れるほどベルト張力の分力が
小さくなってピッチラインPLの押上げ量が大きくな
り、ベルト歯部11のプーリ歯溝部3への接触が早期で
あると速度むらが大きくなる。
【0074】したがって、従来の歯付ベルト8では、図
8(b)に示すように、上記したベルト歯部11側面の
0.3W圧力角θBが小さい(θB=20.8〜25.
3°)ので、ベルト歯部11の側面がプーリ歯溝部3の
側面に早く接触するのに対し、この実施形態では、図8
(a)に示す如く、上記0.3W圧力角θBがθB≧2
6°と従来よりも大きいので、ベルト歯部11のプーリ
歯溝部3側面との接触は遅くなり、このことによってベ
ルト8の速度むらを低減することができる。
【0075】一方、このように、ベルト歯部11の側面
はプーリ歯溝部3の側面と接触した後に滑り込む反力と
ベルト張力の分力とによってベルトスパンの移動量が決
まり、そのときに、0.3W圧力角θBが大き過ぎる
と、ベルト歯部11がプーリ歯溝部3に滑り込む際に発
生する反力の垂直方向(ベルトスパンと直交する方向)
の成分が大きくなり過ぎ、容易に滑り込めなくなってベ
ルトピッチラインPLが押し上げられ、却ってベルト8
の速度むらが増大するが、この実施形態では、上記0.
3W圧力角θBはθB≦39°であるので、ベルト歯部
11がプーリ歯溝部3にスムーズに滑り込むようにな
り、ベルト8の速度むらの増大を抑えることができる。
つまり、0.3W圧力角θBの最適範囲をθB=26〜
39°とすることで、ベルト8の速度むらを可及的に低
減することができる。
【0076】また、上記ベルト歯部11の歯側面に位置
する歯側面部13の円弧半径RBは、ランドラインLL
上での歯元幅Wに対し、RB=0.7W〜1.5Wとさ
れているので、次の作用効果が得られる。すなわち、上
記のように、0.3W圧力角θBを大きくすることによ
って、ベルト歯部11のプーリ歯溝部3への噛込み時に
ベルト歯部11のプーリ歯溝部3への接触が遅くなり、
これにより速度むらを小さくすることができるが、同じ
0.3W圧力角θBを有する歯形であっても、その歯形
の歯側面部13の円弧半径RBによってベルト歯部11
のプーリ歯溝部3への滑込み易さが異なるため、速度む
らに影響する。つまり、ベルト8のプーリ1,2への噛
込みにおいて、ベルト8のランド部10がプーリ1,2
の歯頂部に巻き付くときには、ベルト8はプーリ1,2
に円弧状に巻き付くが、ランド部10が巻き付いた後に
ベルト歯部11がプーリ歯溝部3へ噛み込むときには、
ベルト歯部11は歯の走行方向前側の歯元付近における
ピッチラインPL上の点を支点(回転中心)として、プ
ーリ歯溝部3に噛み込む。このとき、歯側面部13の円
弧半径RBが大き過ぎると(例えばRB=1.6W)、
図9(b)に示すように、ベルト歯部11の歯先部20
付近がプーリ歯溝部3の側面に干渉しながら滑り込む一
方、逆に歯側面部13の円弧半径RBが小さ過ぎる場合
(例えばRB=0.65W)は、図9(c))に示す如
く、ベルト歯部11の側面がプーリ歯溝部3の歯頂円弧
部4付近に干渉しながら滑り込むこととなり、こうして
ベルト歯部11の歯先部20付近又は側面が干渉しなが
ら滑り込むことによって、噛込み時に発生するプーリ
1,2からの反力が大きくなり、ピッチラインPLが押
し上げられて速度むらが大きくなる。
【0077】しかし、この実施形態のように、ベルト歯
部11の歯側面部13の円弧半径RBがベルト歯元幅W
と略等しければ(RB=0.7W〜1.5W)、図9
(a)に例示するように、上記の如き干渉は殆ど発生せ
ず、滑らかに滑り込むことができて速度むらが小さくな
る。よって、歯側面部13の円弧半径RBが歯元幅Wに
対し、RB=0.7W〜1.5Wの範囲であれば、ベル
ト8の速度むらの低減に有効である。
【0078】また、歯付ベルト8の歯ピッチPBは、歯
元幅Wに対し、PB=1.37W〜1.47Wとされて
いるので、以下の作用効果を奏する。すなわち、ベルト
8の速度むらを低減させるためには、ベルト8の歯ピッ
チPBができるだけ小さくてプーリ歯数が多い方が、多
角形効果が小さく(より一層円に近く)なるので、有利
であり、PB=1.47W以下であれば、従来のものに
比べて、速度むらが小さくなる。一方、PB=1.37
W未満では、プーリ歯頂部が狭くなり過ぎ、プーリ1,
2の強度や加工性に問題がある。このため、この実施形
態のように、PB=1.37W〜1.47Wとすること
で、プーリ1,2の強度や加工性の問題を招くことな
く、ベルト8の速度むらを低減することができる。
【0079】−変形例1− 図10は、本実施形態の変形例1を示し(尚、以下の各
変形例では、図2と同じ部分については同じ符号を付し
てその詳細な説明は省略する)、プーリ歯溝部3の形状
を変更したものである。
【0080】すなわち、プーリ歯溝部3は、その歯溝幅
方向中心線C1に対し対称に配置された円弧半径r1P
の円弧面からなる1対の歯頂円弧部4,4と、これら両
歯頂円弧部4,4に連続して上記歯溝幅方向中心線C1
に対し対称に設けられ、ピッチ円PCの近傍(後述のプ
ーリ1,2に噛み合うベルト8の歯部11における歯側
面部13の円弧面中心点O1Bよりもベルト8背面側の
位置)に中心点O1Pを有しかつベルト8の歯幅Wより
も大きい円弧半径RPの凹形状の円弧面からなる1対の
歯溝側面部5,5と、これら両歯溝側面部5,5を連続
するように設けられた略平面からなる歯溝底部6とで構
成されている。
【0081】このように構成することにより、図5に示
すように、接触位置Sからベルト8のピッチラインPL
までの距離h4は、図6及び7に示すh2及びh3より
も大きくすることができるため、上記実施形態と同様の
効果を得ることができる。
【0082】−変形例2− 図11及び12は本発明の変形例2を示し、この変形例
では、上記実施形態においてベルト8のベルト歯部11
の歯先部17と、各プーリ1,2における各プーリ歯溝
部3の歯溝底部6とが、それぞれ円弧面からなるもので
あったのに対して、それぞれ略平面形状としたものであ
る。
【0083】すなわち、本変形例では、図12に示すよ
うに、歯付ベルト8のベルト歯部11の歯先部20は、
両歯側面部13,13の円弧面に連続するように設けら
れた略円弧面からなる円弧面部14,14と、両円弧面
部14,14を接続するように設けられた略平面からな
る1つの平面部15とで構成される一方、歯付プーリ
1,2のプーリ歯溝部3の歯溝底部6は、両歯溝側面部
5の円弧面に連続するように設けられた略円弧面からな
る円弧面部22,22と、両円弧面部22,22を接続
するように設けられた略平面からなる1つの平面部23
とで構成されている。
【0084】そのとき、本変形例を示す図5における接
触位置Sとベルト8のピッチラインPLまでの距離h4
は、上記実施形態の図6及び7における接触位置Sとベ
ルト8のピッチラインPLまでの距離h2及びh3より
も長くとることができるので、上記実施形態と同様に、
ベルト歯部とプーリ歯溝部側面との接触による衝撃力の
伝達を緩和することができる。
【0085】−変形例3− 図13は、本実施形態の変形例3を示し、歯付ベルトが
歯付プーリに巻き付いてそのベルトに張力が付与された
伝動状態で、ベルト歯部間のランド部とプーリ外径部と
が非接触状態となるように構成したものである。
【0086】したがって、この変形例の場合、歯付ベル
ト8のランド部10がプーリ外径部30に円弧状に巻き
付いた後にベルト歯部11がプーリ歯溝部3へ噛み込む
際、ベルト歯部11はベルト本体9のピッチラインPL
上の点Oを回動中心として回動しながらプーリ歯溝部3
に噛み込むが、そのピッチラインPL上の回動中心O
は、ベルトランド部10とプーリ外径部30とが接触状
態にある場合のように、噛み込もうとする対象のプーリ
歯溝部3のベルト走行方向前側の歯元付近における歯頂
円弧部4に対応する点ではなくて、上記対象のプーリ歯
溝部3よりもベルト走行方向前側に位置するプーリ歯溝
部3の歯元付近における歯頂円弧部4に対応する点O′
にずれ、ベルト歯部11はこの点O′を回動中心として
回動しながらプーリ歯溝部3に噛み込むようになる。こ
のことで、上記ベルトランド部10とプーリ外径部30
とが接触状態である場合に比べて、ベルト歯部11の回
動半径が大きくなり、その歯側面部13の歯先側の回動
軌跡の突出量が小さくなってプーリ歯溝部3の歯溝側面
部5と干渉し難くなり、ベルト歯部11はプーリ歯溝部
3に滑らかに滑り込むことができ、両者の噛合い干渉に
起因するベルト8の速度むらをさらに小さくすることが
できる。
【0087】また、一般に、プーリ1,2と歯付ベルト
8との間の負荷の伝動は、プーリ歯溝部3及びベルト歯
部11間の噛合い伝動に加え、プーリ外径部30及びベ
ルトランド部10の間の摩擦伝動によってもなされ、プ
ーリ1,2の回転速度の変動がこれら2つの伝動態様に
よって歯付ベルト8へ伝えられて、その歯付ベルト8の
速度むらが発生するが、ベルトランド部10とプーリ外
径部30とが非接触状態であると、上記プーリ1,2及
びベルト8間の負荷伝動の態様のうち、後者のプーリ外
径部30とベルトランド部10との摩擦伝動が取り除か
れるので、このベルトランド部10の摩擦伝動によるプ
ーリ1,2の回転速度変動のベルト8への伝達が防止さ
れ、ベルト歯部11のうちベルト8のランドラインLL
とプーリ1,2の外径ラインとの間の部分の弾性により
プーリ1,2の回転速度変動が吸収されるようになり、
このプーリ1,2の回転速度変動が上記噛合い伝動によ
ってベルト8へ伝達されるのを抑制して、ベルト8の速
度むらをさらに小さくすることができる。
【0088】尚、図14に示すように、ベルト8の歯先
部20が平面部15を有し、かつプーリ1,2の歯溝底
部6が平面部23を有するような歯付ベルト伝動装置に
対して、本変形例を適用するようにしても同様の効果を
得ることができる。
【0089】そして、上記実施形態及び各変形例では、
ベルト歯部11の側面とプーリ歯溝部3の側面との間の
バックラッシュがベルト歯部11の歯元部12から歯先
部17に向かって小さくなっている構成としたが、ベル
ト歯部11の歯先側の所定部分においてバックラッシュ
が歯元側から歯先側に向かって小さくなるようにし、そ
の所定部分から歯元側では、歯高さ方向の各位置におけ
るバックラッシュが等しくなるようにしてもよい。
【0090】また、上記各実施形態は、プリンタや複写
機等の事務用機器に装備された歯付ベルト8及び伝動装
置Aについて説明しているが、本発明は、事務用機器以
外の歯付ベルト及び伝動装置に対しても適用できるのは
いうまでもない。
【0091】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明
する。歯付ベルト及び歯付プーリからなる伝動装置を製
作してそのベルトの速度むらを測定装置で実測する台上
試験を実施した。すなわち、本発明例として、図10に
示す実施形態の構成で、ベルト8の0.3W圧力角が2
9.2°で、プーリの0.3W圧力角が30.1°と
し、プーリと噛み合った状態でプーリ歯溝部側面とベル
ト歯部側面との間のバックラッシュがベルトの歯先部に
おいて有るものと無いものとの2種類の歯付ベルト及び
歯付プーリを製作する一方(本発明例1,2)、従来例
として、ベルトの0.3W圧力角が25.3°で、プー
リの0.3W圧力角が同じ25.3°で、ベルトの歯先
部が平面で構成された歯付ベルト及び歯付プーリを製作
した。
【0092】その各々の寸法は下記の表1の通りであ
る。尚、寸法値はベルト歯部のピッチ(2.117m
m)を「1.0」とする指数で表している。
【0093】
【表1】
【0094】具体的には、歯付ベルトは歯ピッチ2.1
17mmの円弧歯形状の歯部を持つゴム製のもので、そ
のゴムは硬度70°のクロロプレンゴムで、心線は径
0.3mmのガラス繊維からなる。織布はポリアミドウ
ーリー加工糸からなり、RF処理と、裏面のみのゴム糊
処理とを施した。
【0095】そして、これらの歯付ベルトについて、実
際の走行時の速度むらを図15に示すベルト速度むら測
定装置により測定した。この測定装置は、試験用の歯付
ベルト8を巻き掛ける歯付プーリからなる駆動及び従動
プーリ1,2を備えており、その従動プーリ2への静荷
重DWによりベルト張力を付与しかつ従動プーリ2を無
負荷にした状態で駆動プーリ1を図で矢印の方向に回転
させ、そのときのベルト8の緩み側スパンにおいて駆動
プーリ1の軸心からd1=10mm離れた部位に対し、
その部位からベルト側方にd2=100±2mm離れた
位置のプローブ43からレーザ光43aを当て、そのプ
ローブ43の出力信号に基づいて速度むら測定器44に
よりベルト40の速度むらを測定し、この速度むらの周
波数をFFT45により解析してパソコン46に取り込
み、そのデータをプリンタ47によりプリントするよう
にしたものである。この速度むら測定装置の測定データ
を図16に、またベルト8の速度むらの周波数を分析し
たデータを図17〜19にそれぞれ示す(図17、図1
8及び図19は、それぞれ発明例1、発明例2及び従来
例の測定結果を示す)。また、それぞれの噛み合い周波
数での速度変動は、発明例1が0.05%、発明例2が
0.02%、従来例が0.13%であり、本発明の構成
により、ベルトの速度変動が著しく低減されることが裏
付けられた。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による
と、歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせてなる歯付
ベルト伝動装置に関して、歯付ベルトを、ピッチライン
上に抗張体が埋設されたベルト本体と、ベルト本体のラ
ンドライン上に一定ピッチで設けられた複数のベルト歯
部とを備え、各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対
称に配置された略円弧面からなる歯元部と、歯元部に連
続して歯部側面に位置しかつ歯幅方向中心線に対し対称
に設けられた凸形状の略円弧面からなる歯側面部と、両
歯側面部の円弧面の歯先側延長線よりも歯元側に位置
し、両歯側面部同士を連続するように設けられた歯先部
とで構成する一方、歯付プーリを、プーリ外径ライン上
に一定ピッチで設けられた複数のプーリ歯溝部を備え、
各プーリ歯溝部が、歯溝幅方向中心線に対し対称に配置
された円弧面からなる歯頂円弧部と、歯頂円弧部に連続
して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けられた凹形状の
円弧面からなる歯溝側面部と、両歯溝側面部同士を連続
するように設けられた歯溝底部とで構成され、歯付プー
リに歯付ベルトが巻き付いてベルトに張力が付与された
伝動状態において、ベルト歯部の歯側面部及びプーリ歯
溝部の歯溝側面部の歯高さ方向の各位置における歯付プ
ーリの圧力角を歯付ベルトの圧力角よりも大きく構成す
ることにより、ベルト歯部のプーリ歯溝部へのセンタリ
ング効果が生まれ、噛み込み時の干渉を最小限に抑える
ことができることに加えて、ピッチラインから離れたベ
ルト歯部の先端においてベルト歯部とプーリ歯溝部とを
接触させることができ、速度むらを小さくすることがで
きる。
【0097】請求項2の発明によると、歯付ベルトは、
ランドライン上での歯元幅をWとしたとき、ベルト歯部
の歯側面部においてランドラインから歯高さ方向に0.
3W離れた基準位置での圧力角が26〜39°とするこ
とにより、0.3W圧力角は、本発明者の解析結果によ
れば、上記の如く26〜39°にあれば最適の許容範囲
が得られることとなり、従来の圧力角(例えば25.1
〜25.3°)を有するものに比べてベルトの速度むら
の低減に極めて有効である。
【0098】請求項3の発明によると、ベルト歯部とプ
ーリ歯溝部との噛み合い時に、該ベルト歯部の側面と該
プーリ歯溝部の側面との間のバックラッシュがベルト歯
部の歯先部において無い構成とすることにより、速度む
らをさらに低減するので好ましい。
【0099】請求項4の発明によると、歯付ベルトと歯
付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置に関
して、歯付ベルトを、ピッチライン上に抗張体が埋設さ
れたベルト本体と、ベルト本体のランドライン上に一定
ピッチで設けられた複数のベルト歯部とを備え、各ベル
ト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に配置された略円
弧面からなる歯元部と、歯元部に連続して歯部側面に位
置しかつ歯幅方向中心線に対し対称に設けられた凸形状
の略円弧面からなる歯側面部と、両歯側面部の円弧面の
歯先側延長線よりも歯元側に位置し、両歯側面部同士を
連続するように設けられた歯先部とで構成する一方、歯
付プーリを、プーリ外径ライン上に一定ピッチで設けら
れた複数のプーリ歯溝部を備え、各プーリ歯溝部が、歯
溝幅方向中心線に対し対称に配置された円弧面からなる
歯頂円弧部と、歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線
に対し対称に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側
面部と、両歯溝側面部同士を連続するように設けられた
歯溝底部とで構成され、歯付プーリに歯付ベルトが巻き
付いてベルトに張力が付与された伝動状態において、ベ
ルト歯部の歯側面部及びプーリ歯溝部の歯溝側面部の歯
高さ方向の各位置における歯付プーリの圧力角を、歯付
ベルトの歯先側においてこのベルトの圧力角と同じ大き
さとする一方、歯元側においてそのベルトの圧力角より
も大きくすることによっても、上記請求項1と同様の作
用効果を得ることができる。
【0100】請求項5の発明によると、歯付ベルトを、
ランドライン上での歯元幅をWとしたとき、ベルト歯部
の歯側面部においてランドラインから歯高さ方向に0.
3W離れた基準位置での圧力角が26〜39°であるよ
うにすることにより、ベルトの速度むらを可及的に低減
することができる。
【0101】請求項6の発明によると、ベルト歯部とプ
ーリ歯溝部との噛み合い時に、ベルト歯部の側面とプー
リ歯溝部の側面との間のバックラッシュがベルト歯部の
歯先部において無いようにした。そして、請求項7の発
明では、歯付ベルトのベルト歯部の歯先部を、両歯側面
部の円弧面と連続しかつ歯幅方向中心線上に中心点を持
つ1つの円弧面で構成した。また、請求項8の発明で
は、歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝底部は、歯溝幅方
向中心線上に中心点を持ちかつベルト歯部の歯先部の円
弧半径よりも大きい円弧半径の1つの円弧面で構成され
ていることを特徴とする。これらの発明によれば、ベル
トの速度むらをより一層低減することができる。
【0102】請求項9の発明によると、歯付ベルトのベ
ルト歯部の歯先部を、両歯側面部の円弧面に連続するよ
うに設けられた略円弧面からなる円弧面部と、両円弧面
部を接続するように設けられた略平面からなる1つの平
面部とで構成される一方、歯付プーリのプーリ歯溝部の
歯溝底部を、両歯溝側面部の円弧面に連続するように設
けられた略円弧面からなる円弧面部と、両円弧面部を接
続するように設けられた略平面からなる1つの平面部と
で構成することにより、このベルト歯先部が略平面であ
れば広い面積で荷重を受け持つこととなり、ピッチライ
ンの位置を安定させることができ、これによりベルトの
速度むらを抑えることができる。
【0103】請求項10の発明によると、ベルト歯部の
歯側面部の円弧半径RBをRB=0.7W〜1.5Wと
することにより、ベルト歯部がプーリ歯溝部に滑らかに
滑り込むことができ、速度むらの低減に有効である。
【0104】請求項11の発明によると、ベルト歯部の
歯ピッチPBをPB=1.37W〜1.47Wとするこ
とにより、この範囲が速度むらの低減とプーリの強度や
加工性とから見て、さらに適切なベルトピッチの範囲と
なる。
【0105】請求項12の発明によると、歯付ベルトが
歯付プーリに巻き付いてそのベルトに張力が付与された
伝動状態で、ベルト歯部間のランド部とプーリ外径部と
が非接触状態とすることにより、このプーリの回転速度
変動が噛み合い伝動によってベルトへ伝達されるのを抑
制して、ベルトの速度むらを小さくすることができる。
【0106】請求項13の発明によると、上記歯付ベル
ト伝動装置が装備されていて、その歯付ベルトにキャリ
ッジが取り付けられている事務用機器としたことによ
り、その事務用機器のキャリッジの速度変動を小さくし
て印字精度や画像品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における歯付ベルトの歯部を
拡大して示す断面図である。
【図2】実施形態における歯付ベルト伝動装置の歯付ベ
ルトの歯部が歯付プーリに噛み合った状態を展開して示
す拡大断面図である。
【図3】歯付ベルト伝動装置の全体構成を概略的に示す
正面図である。
【図4】実施形態において歯付ベルトの歯部が歯付プー
リの歯溝部に噛み合う状態を概略的に示す説明図であ
る。
【図5】変形例1において歯付ベルトの歯部が歯付プー
リの歯溝部に噛み合う状態を概略的に示す図4相当図で
ある。
【図6】従来の歯付ベルトの歯部が歯付プーリの歯溝部
に噛み合う状態を概略的に示す図4相当図である。
【図7】従来の歯付ベルトの歯部が歯付プーリの歯溝部
に噛み合う状態を概略的に示す図4相当図である。
【図8】歯付ベルトの歯部が歯付プーリの歯溝部に噛み
合う状態を概略的に示す説明図である。
【図9】ベルト歯部の歯側面部の円弧半径の大きさに応
じた噛合状態を示す説明図である。
【図10】変形例1を示す図2相当図である。
【図11】変形例2を示す図1相当図である。
【図12】変形例2を示す図2相当図である。
【図13】変形例3を示す図2相当図である。
【図14】変形例3を示す図2相当図である。
【図15】ベルトの速度むら測定装置を示す図である。
【図16】ベルトの速度むら測定装置の測定データを示
す図である。
【図17】本発明のベルトの速度むらの周波数を分析し
たデータを示す図である。
【図18】本発明のベルトの速度むらの周波数を分析し
たデータを示す図である。
【図19】従来のベルトの速度むらの周波数を分析した
データを示す図である。
【図20】従来の歯付ベルトの歯部が歯付プーリに噛み
合った状態を示す図2相当図である。
【符号の説明】
A 歯付ベルト伝動装置 1,2 プーリ(歯付プーリ) 3 プーリ歯溝部 4 歯頂円弧部 5 歯溝側面部 6 歯溝底部 C1 歯溝幅方向中心線 8 歯付ベルト 9 ベルト本体 10 ランド部 11 ベルト歯部 12 歯元部 13 歯側面部 14 円弧面部 15 平面部 17 歯先部 19 キャリッジ 20 歯先部 22 円弧面部 23 平面部 30 プーリ外径部 LL ランドライン PL ピッチライン PB ピッチ C2 歯幅方向中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城戸 隆一 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 Fターム(参考) 2C480 CA01 DA04 DA16 3J031 AA01 BB05 CA04 3J049 AA03 BF02 BF03 CA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせ
    てなる歯付ベルト伝動装置であって、 上記歯付ベルトは、ピッチライン上に抗張体が埋設され
    たベルト本体と、 上記ベルト本体のランドライン上に一定ピッチで設けら
    れた複数のベルト歯部とを備え、 上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に配置
    された略円弧面からなる歯元部と、 上記歯元部に連続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方
    向中心線に対し対称に設けられた凸形状の略円弧面から
    なる歯側面部と、 上記両歯側面部の円弧面の歯先側延長線よりも歯元側に
    位置し、両歯側面部同士を連続するように設けられた歯
    先部とで構成される一方、 上記歯付プーリは、プーリ外径ライン上に一定ピッチで
    設けられた複数のプーリ歯溝部を備え、 上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に
    配置された円弧面からなる歯頂円弧部と、 上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称
    に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部と、 上記両歯溝側面部同士を連続するように設けられた歯溝
    底部とで構成されており、 上記歯付プーリに上記歯付ベルトが巻き付いて該ベルト
    に張力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯
    側面部及びプーリ歯溝部の歯溝側面部の歯高さ方向の各
    位置における上記歯付プーリの圧力角が上記歯付ベルト
    の圧力角よりも大きく構成されていることを特徴とする
    歯付ベルト伝動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の歯付ベルト伝動装置におい
    て、 歯付ベルトは、ランドライン上での歯元幅をWとしたと
    き、ベルト歯部の歯側面部においてランドラインから歯
    高さ方向に0.3W離れた基準位置での圧力角が26〜
    39°であることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の歯付ベルト伝動装置に
    おいて、 歯付プーリに歯付ベルトが巻き付いて該ベルトに張力が
    付与された伝動状態で、ベルト歯部とプーリ歯溝部との
    噛み合い時に、該ベルト歯部の側面と該プーリ歯溝部の
    側面との間のバックラッシュがベルト歯部の歯先部にお
    いて無いことを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  4. 【請求項4】 歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせ
    てなる歯付ベルト伝動装置であって、 上記歯付ベルトは、ピッチライン上に抗張体が埋設され
    たベルト本体と、 上記ベルト本体のランドライン上に一定ピッチで設けら
    れた複数のベルト歯部とを備え、 上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に配置
    された略円弧面からなる歯元部と、 上記歯元部に連続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方
    向中心線に対し対称に設けられた凸形状の略円弧面から
    なる歯側面部と、 上記両歯側面部の円弧面の歯先側延長線よりも歯元側に
    位置し、両歯側面部同士を連続するように設けられた歯
    先部とで構成される一方、 上記歯付プーリは、プーリ外径ライン上に一定ピッチで
    設けられた複数のプーリ歯溝部を備え、 上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に
    配置された円弧面からなる歯頂円弧部と、 上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称
    に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部と、 上記両歯溝側面部同士を連続するように設けられた歯溝
    底部とで構成されており、 上記歯付プーリに上記歯付ベルトが巻き付いて該ベルト
    に張力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯
    側面部及びプーリ歯溝部の歯溝側面部の歯高さ方向の各
    位置における上記歯付プーリの圧力角は、歯付ベルトの
    歯先側において該ベルトの圧力角と同じ大きさである一
    方、歯元側において上記ベルトの圧力角よりも大きいこ
    とを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4の歯付ベルト伝動装置におい
    て、 歯付ベルトは、ランドライン上での歯元幅をWとしたと
    き、ベルト歯部の歯側面部においてランドラインから歯
    高さ方向に0.3W離れた基準位置での圧力角が26〜
    39°であることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5の歯付ベルト伝動装置に
    おいて、 ベルト歯部とプーリ歯溝部との噛み合い時に、該ベルト
    歯部の側面と該プーリ歯溝部の側面との間のバックラッ
    シュがベルト歯部の歯先部において無いことを特徴とす
    る歯付ベルト伝動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つの歯付ベル
    ト伝動装置において、 歯付ベルトのベルト歯部の歯先部は、両歯側面部の円弧
    面と連続しかつ歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの
    円弧面で構成されていることを特徴とする歯付ベルト伝
    動装置。
  8. 【請求項8】 請求項7の歯付ベルト伝動装置におい
    て、 歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝底部は、歯溝幅方向中
    心線上に中心点を持ちかつベルト歯部の歯先部の円弧半
    径よりも大きい円弧半径の1つの円弧面で構成されてい
    ることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1つの歯付ベル
    ト伝動装置において、 歯付ベルトのベルト歯部の歯先部は、両歯側面部の円弧
    面に連続するように設けられた略円弧面からなる円弧面
    部と、両円弧面部を接続するように設けられた略平面か
    らなる1つの平面部とで構成される一方、 歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝底部は、両歯溝側面部
    の円弧面に連続するように設けられた略円弧面からなる
    円弧面部と、両円弧面部を接続するように設けられた略
    平面からなる1つの平面部とで構成されることを特徴と
    する歯付ベルト伝動装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1つの歯付ベ
    ルト伝動装置において、 ベルト歯部の歯側面部の円弧半径RBがRB=0.7W
    〜1.5Wであることを特徴とする歯付ベルト伝動装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1つの歯付
    ベルト伝動装置において、 ベルト歯部の歯ピッチPBがPB=1.37W〜1.4
    7Wであることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1つの歯付
    ベルト伝動装置において、 歯付ベルトが歯付プーリに巻き付いて該ベルトに張力が
    付与された伝動状態で、ベルト歯部間のランド部とプー
    リ外径部とが非接触状態にあることを特徴とする歯付ベ
    ルト伝動装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか1つの歯付
    ベルト伝動装置が装着されていて、 歯付ベルトにキャリッジが取り付けられていることを特
    徴とする事務用機器。
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