JP4387002B2 - 歯付ベルト駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯のピッチが1.016、1.355、2.032mmのような小型の歯付ベルトの駆動装置に関し、特にプリンター等の印字機構の一部材として好適な装置であって、より具体的には、歯付ベルトに取り付けられたキャリッジの位置決め精度を高め、速度変動率を小さくし、印字ムラの発生を押さえたプリンター等の印字機構等に用いられる歯付ベルトの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯付ベルトは、滑りのない確実伝動が可能であり、他の確実伝動が可能である歯車とチェーンとの駆動装置に比べ、給油が不要となり、低騒音などの利点があるため、近年その需要は増大の一途を辿っている。
【0003】
従来の、歯付ベルト駆動装置における、ベルトとプーリ間のバックラッシュはベルト歯元から歯先にかけて略等間隔に形成されているか、若しくはベルト歯元部分のバックラッシュが大きく設定されている。このようなベルトとプーリ間のバックラッシュを有する歯付ベルト駆動装置では、歯付ベルトのプーリへのかみ合いはスムーズに行われるが、ベルト駆動開始時、ベルト或いはプーリの移動代が大きくなって、ベルト歯部表面はプーリにこすられて摩耗しやすく、この現象は歯付ベルトを小径プーリに掛装した折、或いは逆方向への運動を反復する折に、特に顕著であった。
【0004】
そのため、プリンター等の印字機構等の駆動装置に使用した場合、ベルト歯元部のバックラッシュの存在によって、印字機能を備えたキャリッジなど正確な位置決めを行うことが困難であった。
【0005】
そこで、本出願人は、前記問題を含む従来の歯付ベルト駆動装置の諸問題を改善するために、ベルト歯部のプーリ溝部内での移動を阻止し、小さなベルト張力下で、歯付ベルトの位置決め精度を向上せしめると共に、ベルト歯部を円滑にプーリにかみ合わせしめ得る歯付ベルト駆動装置を提案した(特公平5−50604号公報)。この歯付ベルト駆動装置は、歯付ベルトとプーリとの静的なかみ合い状態において、ベルト歯部とプーリ溝間のバックラッシュがベルト歯元から歯先側にかけて漸増し、またプーリ溝部の深さがベルト歯部の高さより大きいか、又は等しく構成されている。このような構成とすることで、ベルトの歯元部とプーリの歯先部とを部分的に接触或いはこれに近い状態に保ち、ベルトとプーリとのかみ合い、離反の折には、その干渉を排し、その運動を円滑なものとし、ベルトの精度の高い確実走行、停止を実現し、印刷機構のキャリッジなどの正確な位置決めを行うことができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この歯付ベルト駆動装置は、歯布で覆われたゴムの歯付ベルトでは、動的状態でかみ合い干渉が少なく、前述したように良好な印字精度が得られていたが、熱硬化性の注型ウレタンエラストマー等からなるベルトを使用した場合、正確な位置決めができず、印字ムラ等が発生することを見出した。これは、注型ウレタンエラストマーの場合、他のゴムに比べ、硬度が高く、変形しにくく、表面の摩擦抵抗が歯布に覆われたゴムよりも大きい等の理由で、動的状態時にかみ合い干渉が発生しているためだと考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ベルトの材質に影響されることなく、位置決め精度を高め、速度変動率を小さくし、印字ムラ等の発生を無くしたプリンター等の印字機構のキャリッジに用いられる小型の歯付ベルト駆動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に係る発明は、ピッチライン上に抗張体を埋設したゴム状弾性体で形成され、凸状のベルト歯部が一連に形成された歯付ベルトと、前記凸状のベルトがかみ合う凹状のプーリ溝部が形成されたプーリとを備え、前記歯付ベルトは、静的状態において、前記ベルト歯部と前記プーリ溝部との間のバックラッシュが歯元から歯先にかけて徐々に増加したあと徐々に減少し、歯元でプーリ歯先と接触する以外はプーリと非接触となる形状に形成されている歯付ベルト駆動装置である。このような構成とすること、特に静的状態におけるバックラッシュを歯元から歯先にかけて上記のように変化させることにより、動的状態においてベルトとプーリとのかみ合い干渉がなくなり、位置決め精度を高めるとともに、速度変動率を小さくすることができる。更に、ベルトとプーリとの静的なかみ合い時に、ベルトの歯元とプーリの歯先でのみ接触させるため、ジャンピングトルクを増大させることができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、ピッチライン上に抗張体を埋設したゴム状弾性体で形成され、凸状のベルト歯部が一連に形成された歯付ベルトと、前記凸状のベルトがかみ合う凹状のプーリ溝部が形成されたプーリとを備え、前記歯付ベルトは、静的状態において、歯元でプーリ歯先と接触する以外はプーリと非接触であって、前記ベルト歯部と前記プーリ溝部との間に全面的にバックラッシュが設けられ、前記バックラッシュの最大部分が、歯元から計ったベルト歯部の高さHに対して、H×(0.5〜0.75)の範囲に出現し、前記バックラッシュの最大値が、歯元から計ったベルト歯部の高さHの半分の位置において、その位置の歯幅の9〜16%である歯付ベルト駆動装置である。バックラッシュの最大部分が、歯元から計ったベルト歯部の高さHに対してH×(0.5〜0.75)の範囲に出現し、歯元から計ったベルト歯部の高さHの半分の位置において、その位置の歯幅の9〜16%、好ましくは10〜15%とすることで、動的状態におけるベルトとプーリとのかみ合い干渉がなくなり、位置決め精度を高めるとともに、速度変動率を小さくすることができる。ここで、歯元から計ったベルト歯部の高さHの半分の位置における、バックラッシュの大きさが、その位置の歯幅の9%よりも小さい場合は、動的状態で、ベルトとプーリとの間でかみ合い干渉が発生し、16%を越える場合は、ジャンピングトルクが小さくなると考えられ、精確な位置決め及び速度変動率の低減が実現できない。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記プーリ溝部は半円部と接線方向のゼロ以上の直線部とプーリ歯先のコーナー部とで形成されている請求項1又は2記載の歯付ベルト駆動装置である。このような構造とすることで、ベルトとプーリのかみ合いを、ベルト歯元とプーリ歯先での接触だけで行うことができ、ベルト側壁のプーリの歯溝側面への接触を防止してジャンピングトルクを増大させることができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記半円部はプーリ歯溝深さの70〜90%である請求項3記載の歯付ベルト駆動装置である。半円部をプーリ歯溝深さの70〜90%、好ましくは70〜80%とするとジャンピングトルクが増大する。しかし、半円部がプーリ歯溝深さの70%よりも小さくなると、速度変動率が大きくなる。また、90%よりも大きくなると、ベルト歯元が傷つきやすくなり、ベルト歯元に亀裂が入る原因ともなる。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記ゴム弾性体の硬度が、JISA硬度で70以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯付ベルト駆動装置である。JISA硬度で70以上であるゴム弾性体からなるベルトであっても、精確な位置決め及び速度変動率の低減が可能となる。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記ゴム弾性体が歯布を介することなく、直接前記プーリに接触する請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯付ベルト駆動装置である。歯布で覆われていない摩擦抵抗の高いベルトであっても、使用することができ、精確な位置決め及び速度変動率の低減が可能となる。請求項7に係る発明は、前記ゴム状弾性体がウレタンエラストマー類からなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯付ベルト駆動装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図示例とともに説明する。図1は、本発明に係る装置の一つのベルト歯部のプーリへのかみ合い状態を示す縦断面図、図2は本発明に係る装置に使用するプーリの一本の溝部の縦断面図、図3は同じく歯付ベルトの一個の歯部の縦断面図、図4はキャリッジを装備した本発明に係る歯付ベルトの駆動装置の概略正面図である。
【0015】
本発明におけるベルト駆動装置に使用される歯付ベルト1は、図3に示すように、そのベルト本体1aはゴムや、合成樹脂等のゴム状弾性体からなり、裏面長手方向には一定のピッチにて歯部2と溝部3が交互に形成されている。さらに、ベルト本体1aのピッチライン4状にはガラス繊維、アラミド繊維等の低伸度高強度の抗張体が埋設されている。そして、歯部2及び溝部3で構成される歯付ベルト1の裏面側には、歯布で被覆されていても、されていなくてもどちらであってもよい。また、ベルト本体1aに使用されるゴムや、合成樹脂等には特に制限はないが、ウレタンエラストマー類が最も好ましい。
【0016】
ベルト歯部2は、ベルト本体内1a内に中心点5を持つ曲率半径Rの円弧面の一部からなるベルトの裏面の一部を形成する1対の凸状のベルト側壁9、9と、中心点20を持つ半径Rをもって描かれる円弧面からなる1対のベルト歯元コーナー6及び前記1対のベルト側壁9、9の先端部分をつなぐ平面若しくは凸状円弧面をもって形成される歯先部8から構成されている。
【0017】
図2において、前記歯付ベルト1とかみ合うプーリ10は、ポリアセタール、ナイロン、ポリプロピレン等の合成樹脂や金属等からなり、ベルト歯部2とかみ合うプーリ溝部16と、ベルト溝部3とかみ合うプーリ歯部11とが一定のピッチにて交互に形成されている。
【0018】
プーリ溝部16は、半径Rをもって描かれる半円部からなるプーリ溝部側面と、この半円部の先端にその接線方向に長さbを持つ1対の直線部17、17とから構成されている。この直線部17、17の長さbは、半径Rの0%〜12%とすることで、歯溝深さが調節できるとともに、プーリ歯先コーナー12を1/4円状態とすることができ、ベルト歯部2のジャンピングを抑えることができる。この直線部17、17は、中心点14を持つ半径Rをもって描かれる1/4の円弧面とつながり、プーリ歯先コーナー12を構成している。そして、プーリ歯先コーナー12は他方で直線となりプーリ歯先表面部15を形成している。
【0019】
以上のように構成されている歯付ベルト1と、プーリ10とをかみ合わせた状態を図1に示す。図に示すように、歯付ベルト1と、プーリ10とは、ベルト歯元コーナー6とプーリ歯先コーナー12とでのみ接触し、ベルト歯部2とプーリ溝部16とでは、接触することがなくバックラッシュ7を形成している。従来は、図5(b)に示すように、ベルト歯部とプーリ溝部側面とでも接触していたため、バックラッシュBはベルト歯先部周辺でのみ形成されていた。図5(a)には、本発明に係るベルトとプーリのかみ合った状態の断面図を比較のために示すが、そのバックラッシュBが大きいことが一目でわかる。図1に戻り、本発明に係るベルトとプーリにより形成されるバックラッシュ7は、ベルト歯元コーナ部6側からB、B、Bのように徐々に広がり、ベルト歯元からベルト歯先8までの高さHの0.5〜0.75Hの時に最高となり、歯先8に向かうに従い小さくなっている。また、このバックラッシュ7(B)は、ベルト歯元からベルト歯先8までの高さHの半分の高さで、その位置の幅Wの9〜16%となっている。このような、バックラッシュ7をとることで、かみ合い干渉を防止し、精確な位置決め及び速度変動率の低減が可能となる。ここで、バックラッシュ7は、ベルトピッチライン4と平行な線上に形成されるベルト歯部2とプーリ溝部16との隙間としている。
【0020】
このバックラッシュ7の大きさは、静的状態におけるベルト側壁9、9を形成する円弧面の曲率半径Rと、その中心点5の位置と、プーリ溝部幅Wとの相関関係で決められる。したがって、ベルト歯部とプーリ歯溝が、かみ合い干渉を起こさず、精確な位置決めができる適正なバックラッシュ7を取るためには、ベルト側壁9、9を形成する円弧面の曲率半径Rの大きさとプーリ溝部幅Wとを比較し、その大小関係によって、ベルト側壁9、9を形成する円弧面の曲率半径Rの中心点5の位置を決める。例えば、ベルト側壁9、9を形成する円弧面の曲率半径Rが、プーリ溝部幅Wより大きい場合は、中心点5をプーリ溝部外側に設けることが好ましい。また、曲率半径Rが、プーリ溝部幅Wよりも小さい場合は、中心点5はプーリ溝部の内側に設けることが好ましい。また、曲率半径Rと、プーリ溝部幅Wが等しい場合は、中心部5はプーリ溝部16の半円部の接線上、若しくはその両側に僅かに離した点に設けることが好ましい。なお、この際、中心点5のベルト歯元からの距離hは、ベルト歯元からの高さHの0.2〜0.28の距離にあることが好ましい。ここで、プーリ溝部幅Wは、プーリ溝部側面13を形成する半円部の曲率半径Rと、W=2Rの関係にある。
【0021】
また、静的状態で、唯一接触しているベルト歯元コーナー6とプーリ歯先コーナー12のそれぞれの半径RとRとの比がR/R=1.2〜1.5となるようにする。これによって、静的状態において、ベルト歯元でプーリ歯先と接触する以外はプーリと非接触となり、バックラッシュを比較的大きくし、大中小に変化させることが容易になる。これにより、精確な位置決めが可能となると共に、高いジャンピングトルクを得ることができる。なお、Rは大きすぎても、小さすぎてもよくなく、0.1〜0.2mmであることが好ましい。0.1mmよりも小さいと、ベルト歯元コーナー6が傷つきやすくなり、ベルト歯元コーナー6の亀裂発生の原因となる。また、0.2mmよりも大きい場合、ベルト歯元コーナー6との間のバックラッシュが大きくなり、位置決めが精度が悪くなる。
【0022】
以上のような、バックラッシュ7や、ベルト歯元コーナー6とプーリ歯先コーナー12の半径RとRとの比とすることで、ベルト歯部とプーリ溝部とがかみ合い干渉することがなくなり、位置決め精度が高くなるとともに、速度変動率を低減させた歯付ベルト駆動装置とすることができる。
【0023】
図4は、印字機構を装備したキャリッジを取り付けた本発明に係る歯付ベルト駆動装置も概略正面図である。図に示すように、歯付ベルト駆動装置は、下面に所定のピッチをもって歯部2を全長にわたって備えたベルト本体1aが、左右1対の駆動プーリ10a及び従動プーリ10b間に掛装されている。そしてベルト本体1aの上側ベルト部には、インク、ハンマー等の印字機構(図略)が装備されたキャリッジ20が取り付けられている。そして、駆動プーリ10aの交互に反復される正転、逆転運動に伴い、キャリッジ20は所定区域間を頻繁な往復運動を繰り返す。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。図5は従来の歯付ベルト駆動装置と本発明に係る歯付ベルト駆動装置とを比較説明するための図であり、図5(a)は本発明に係る歯付ベルト駆動装置、図5(b)は従来品を示す。図6は本発明に係る歯付ベルト駆動装置の軸荷重と速度変動率の関係を表す図であり、図7は本発明に係る歯付ベルト駆動装置の軸荷重とジャンピングトルクの関係を表す図である。
(実施例)
図5(a)において、ベルト歯部側壁の曲率半径Rが1.14mmである262KZ80−5.5からなるベルトを、半径Rが0.57mmの半円部を有し、深さHが0.77mmの歯溝を有する10歯からなる1対のプーリに掛装し、各軸荷重での速度変動率及びジャンピングトルクを以下に示す方法で求めた。なお、ベルト歯元から歯先までの高さの半分の位置におけるバックラッシュBは、その位置における歯幅の12.5%であった。
【0025】
(比較例)
図5(b)に示すように、プーリ歯溝幅と等しく曲率半径Rが1.48mmである262ST80−5.5からなるベルトを、歯溝側面の曲率半径Rが1.29mmの歯溝を有する10歯からなる1対のプーリに掛装し、実施例同様に各軸荷重での速度変動率及びジャンピングトルクを求めた。なお、ベルト歯元から歯先までの高さの半分の位置におけるバックラッシュBは、その位置における歯幅の1.6%であった。
【0026】
(速度変動率測定方法)
速度変動率は、ベルトの平均速度に対するベルトとプーリのかみ合いによる変動速度の割合を求め速度変動率とした。具体的には、速度ムラ測定器で速度ムラを測定し、ベルトとプーリのかみ合い時の周波数を計測し、各速度変化と周波数の関係より算出した。なお、速度変動率は、駆動プーリを固定し、従動プーリを駆動プーリの他方側に2.0〜3.2kgfの範囲で0.4kgf毎に引っ張った荷重を軸荷重とし、各軸荷重毎に測定した。
【0027】
(ジャンピングトルク測定方法)
ジャンピングトルクは、駆動プーリを固定し、従動プーリの軸をトルクゲージで回転させて歯跳びを起こした時のトルクをジャンピングトルクとした。なお、ジャンピングトルクも、速度変動率と同様に各軸荷重毎に測定した。
【0028】
速度変動率の測定結果を図6に、シャンピングトルクの測定結果を図7に示す。本発明に係る歯付ベルトは、低荷重時より、速度変動率が低く、荷重が大きくなるに従っても速度変動率に変化がないことがわかる。また、ジャンピングトルクは、従来のものに比べて、増加していることがわかる。これらのことから、本発明における歯付ベルト駆動装置は、繰り返し長時間使用しても、高い位置決め精度を維持できることがわかる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によると、静的状態におけるバックラッシュを歯元から歯先にかけて上記のように変化させることにより、動的状態においてベルトとプーリとのかみ合い干渉がなくなり、位置決め精度を高めるとともに、速度変動率を小さくすることができる効果を奏する。また、静的状態におけるベルトとプーリのかみ合い時に、ベルトの歯元とプーリの歯先でのみ接触させることができ、ジャンピングトルクを増大させることができる。
【0030】
請求項2に係る発明によると、適正な範囲のバックラッシュとすることができ、請求項1に係る発明と同様、精確な位置決め及び速度変動率の低減が実現できる。また、静的状態において、ベルトの歯元とプーリの歯先でのみ接触させることができ、請求項1と同様にジャンピングトルクを大きくすることができる。
【0031】
請求項3に係る発明によると、ベルトとプーリのかみ合いを、ベルト歯元とプーリ歯先での接触だけで行うことができ、ベルト側壁のプーリの歯溝側面への接触を防止することができ、ジャンピングトルクを大きくすることができる。
【0032】
請求項4に係る発明によると、ジャンピングトルクを大きくするとともに、ベルトとプーリのかみ合い干渉を抑制し、ベルト歯元の傷付を防ぎ、ベルト歯元の亀裂を防ぐことができる。
【0033】
請求項5に係る発明によると、ウレタンエラストマー等のJISA硬度で70以上であるゴム弾性体からなるベルトであっても、精確な位置決め及び速度変動率の低減が可能となる。
【0034】
請求項6に係る発明によると、歯布で覆われていない摩擦抵抗の高いベルトであっても、使用することができ、精確な位置決め及び速度変動率の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る装置の一つのベルト歯部のプーリへのかみ合い状態を示す縦断面図である。
【図2】 本発明に係る装置に使用するプーリの一本の溝部の縦断面図である。
【図3】 本発明に係る装置に使用する歯付ベルトの一個の歯部の縦断面図である。
【図4】 キャリッジを装備した本発明に係る歯付ベルトの駆動装置の概略正面図である。
【図5】 従来の歯付ベルト駆動装置と本発明に係る歯付ベルト駆動装置のかみ合い状態を示す縦断面図である。(a)は本発明に係る歯付ベルト駆動装置、(b)は従来品を示す。
【図6】 本発明に係る歯付ベルト駆動装置の軸荷重と速度変動率の関係を表す図である。
【図7】 本発明に係る歯付ベルト駆動装置の軸荷重とジャンピングトルクの関係を表す図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト
1a ベルト本体
2 ベルト歯部
3 ベルト溝部
4 ピッチライン
5 中心点
6 ベルト歯元コーナー
7 バックラッシュ
8 ベルト歯先部
9 ベルト側壁
10 プーリ
11 プーリ歯部
12 プーリ歯先コーナー
13 溝部側面
14 中心点
15 歯先表面部
16 プーリ溝部
17 直線部
20 中心点

Claims (7)

  1. ピッチライン上に抗張体を埋設したゴム状弾性体で形成され、凸状のベルト歯部が一連に形成された歯付ベルトと、
    前記凸状のベルトがかみ合う凹状のプーリ溝部が形成されたプーリとを備え
    前記歯付ベルトは、静的状態において、前記ベルト歯部と前記プーリ溝部との間のバックラッシュが歯元から歯先にかけて徐々に増加したあと徐々に減少し、歯元でプーリ歯先と接触する以外はプーリと非接触となる形状に形成されている歯付ベルト駆動装置。
  2. ピッチライン上に抗張体を埋設したゴム状弾性体で形成され、凸状のベルト歯部が一連に形成された歯付ベルトと、
    前記凸状のベルトがかみ合う凹状のプーリ溝部が形成されたプーリとを備え
    前記歯付ベルトは、静的状態において、歯元でプーリ歯先と接触する以外はプーリと非接触であって、前記ベルト歯部と前記プーリ溝部との間に全面的にバックラッシュが設けられ、前記バックラッシュの最大部分が、歯元から計ったベルト歯部の高さHに対して、H×(0.5〜0.75)の範囲に出現し、前記バックラッシュの最大値が、歯元から計ったベルト歯部の高さHの半分の位置において、その位置の歯幅の9〜16%である歯付ベルト駆動装置。
  3. 前記プーリ溝部は半円部と接線方向のゼロ以上の直線部とプーリ歯先のコーナー部とで形成されている請求項1又は2記載の歯付ベルト駆動装置。
  4. 前記半円部はプーリ歯溝深さの70〜90%である請求項3記載の歯付ベルト駆動装置。
  5. 前記ゴム弾性体の硬度が、JISA硬度で70以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯付ベルト駆動装置。
  6. 前記ゴム弾性体が歯布を介することなく、直接前記プーリに接触する請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯付ベルト駆動装置。
  7. 前記ゴム状弾性体がウレタンエラストマー類からなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯付ベルト駆動装置。
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