JP2002098022A - 筒内噴射式内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の制御装置

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JP2002098022A
JP2002098022A JP2000288728A JP2000288728A JP2002098022A JP 2002098022 A JP2002098022 A JP 2002098022A JP 2000288728 A JP2000288728 A JP 2000288728A JP 2000288728 A JP2000288728 A JP 2000288728A JP 2002098022 A JP2002098022 A JP 2002098022A
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】機関燃焼状態の悪化を極力抑えつつ、燃料噴射
弁のデポジット堆積を抑制することのできる筒内噴射式
内燃機関の制御装置を提供する。 【解決手段】内燃機関10の機関冷却系は、ラジエータ
27に導入される冷却水の流量を増減して冷却水温度を
調節する流路制御弁29を備える。電子制御装置30
は、燃料噴射弁14の噴孔部14aにおける機関定常時
の温度を、燃料噴射量、機関回転速度、冷却水温度、機
関燃焼形態に基づき算出し、更にこれを徐変処理した温
度を同噴孔部14aの実際の温度として検出する。電子
制御装置30は、この噴孔部14aの実温度と噴射イン
ターバルに基づき設定される許容温度とを比較し、実温
度がこの許容温度を上回っている場合には、ラジエータ
27の冷却水流量が増大するように流路制御弁29を制
御して冷却水温度を低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料噴射弁から
気筒内に燃料を直接噴射供給する筒内噴射式内燃機関の
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】筒内噴射式の内燃機関では、その気筒内
に燃料噴射弁から燃料を直接噴射供給し、点火プラグの
近傍に燃料を偏在させることにより、理論空燃比よりも
極めてリーンな空燃比での燃焼、いわゆる成層燃焼を実
現するようにしている。
【0003】ところで、こうした筒内噴射式の内燃機関
では、噴射された燃料の一部が燃焼することなく、その
燃料噴射弁の噴孔部に付着したままの状態になることが
ある。このように燃料が噴孔部に付着すると、その付着
した燃料の揮発性分が燃料噴射弁の熱によって蒸発し、
同燃料中の揮発性の低い炭化成分がデポジットとして噴
孔部に堆積するようになる。そして、このデポジットの
堆積量が多くなると、燃料噴射量の減少や燃料噴霧形状
の変化等、燃料噴射弁における噴射特性が変化し、ひい
ては機関燃焼状態の悪化を招くこととなる。
【0004】そこで従来では、特開平9−287525
号公報に提案されるように、機関温度が高くデポジット
が堆積し易い状況にあると判断されるときに、点火時期
を遅角制御して燃焼温度を低下させ、これによりデポジ
ットの堆積を抑制するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように点火時期を
遅角制御して燃焼温度を低下させることで、確かにデポ
ジットの堆積は抑制されるようになる。但し、このよう
に点火時期といった、いわば燃焼を直接制御する因子を
変更するようにすると、その変更に伴う機関燃焼状態へ
の悪影響が無視できないものとなる。例えば、デポジッ
トの堆積を確実に抑制すべく点火時期を遅角させるよう
にすると、失火が発生して機関燃焼状態の悪化を招くこ
ととなる。従って、上記従来の装置にあっては、こうし
た失火の発生を抑えるために点火時期の遅角量を制限せ
ざるを得ず、デポジットの堆積を抑制するにも自ずと限
界が生じていた。
【0006】特に、上記成層燃焼時においては、燃料噴
射弁から噴射された燃料が点火プラグの近傍に偏在して
いるごく限られた期間に点火を実行する必要がある。こ
のため、こうした成層燃焼時には、点火時期の遅角量が
一層制限されるようになり、点火時期の遅角制御を通じ
てデポジットの堆積を十分に抑制することは極めて困難
になる。
【0007】この発明は、こうした従来の実情に鑑みて
なされたものであり、その目的は機関燃焼状態の悪化を
極力抑えつつ、燃料噴射弁のデポジット堆積を抑制する
ことのできる筒内噴射式内燃機関の制御装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段及びその作用効果について以下に記載する。請求
項1記載の発明では、燃料噴射弁から気筒内に燃料を直
接噴射供給する筒内噴射式内燃機関の制御装置におい
て、機関本体を冷却水によって冷却する冷却手段と、前
記燃料噴射弁の温度を検出する温度検出手段と、前記検
出される燃料噴射弁の温度に基づいて前記冷却手段によ
る冷却態様を制御する制御手段とを備えるようにしてい
る。
【0009】上記構成によれば、燃料噴射弁の温度に基
づいて機関本体の冷却態様を制御することにより、燃料
噴射弁から機関本体への放熱性を高めて同燃料噴射弁の
温度を効果的に低下させることができる。しかも、点火
時期等、燃焼を直接制御する因子を変更した場合と比較
して機関燃焼状態への悪影響が小さく抑えられるように
なる。その結果、機関燃焼状態の悪化を極力抑えつつ、
燃料噴射弁のデポジット堆積を抑制することができるよ
うになる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の筒
内噴射式内燃機関の制御装置において、前記冷却手段は
前記冷却水の温度を調整する調整手段を備え、前記制御
手段は前記検出される燃料噴射弁の温度が所定温度より
高いときには前記燃料噴射弁の温度が前記所定温度以下
になるように前記調整手段を通じて前記冷却水の温度を
制御するものとして構成される。
【0011】上記構成によれば、機関本体を冷却する冷
却水の温度を制御して機関本体の温度を低下させること
により、燃料噴射弁から機関本体への放熱性を高めて同
燃料噴射弁の温度を効果的に低下させることができる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の筒
内噴射式内燃機関の制御装置において、前記冷却手段は
前記機関本体において前記燃料噴射弁の取付部位近傍を
流れる冷却水の流量を調整する調整手段を備え、前記制
御手段は前記検出される燃料噴射弁の温度が所定温度よ
り高いときには前記燃料噴射弁の温度が前記所定温度以
下になるように前記調整手段を通じて前記取付部位近傍
の冷却水流量を制御するものとして構成される。
【0013】上記構成によれば、燃料噴射弁の取付部位
近傍における冷却水流量を制御し、機関本体において前
記取付部位近傍の温度を低下させることにより、燃料噴
射弁から機関本体への放熱性を高めて同燃料噴射弁の温
度を効果的に低下させることができる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記制御
手段は前記燃料噴射弁の噴射が終了してから同弁による
次の噴射が開始されるまでの期間に応じて前記所定温度
を可変設定するものとして構成される。
【0015】燃料噴射中は、燃料の冷却効果により燃料
噴射弁の温度が一時的に低下しており、また噴孔部の燃
料も常に流動しているため、デポジットの堆積は進行し
ない。寧ろこの場合には、燃料が噴射されるのに伴って
堆積したデポジットが除去されるようになる。一方、燃
料噴射弁の噴射が終了してから同弁による次の噴射が開
始されるまでの期間(以下、「噴射インターバル」とい
う)は、燃料噴射弁の噴孔部における温度が上昇し、ま
た噴孔部に付着した燃料に流れも生じていないため、燃
料に含まれる揮発成分の蒸発が促進され、デポジットの
堆積が進行するようになる。従って、この噴射インター
バルが長くなる運転状況下にあるほど、デポジットの堆
積速度が増大するようになる。
【0016】この点、上記請求項4に記載の発明によれ
ば、冷却水温度或いは冷却水流量を制御するに際して、
上記所定温度を噴射インターバルに応じて可変設定する
ようにしている。従って、噴射インターバルに応じて変
化するデポジットの堆積速度に見合ったかたちで冷却水
温度或いは冷却水流量を制御することができ、デポジッ
トの堆積を一層効果的に抑制することができるようにな
る。更に、冷却水温度或いは冷却水流量の制御を通じて
機関本体の温度が不必要に低下してしまうのを極力抑制
することができ、過冷却による熱損失の増大、ひいては
燃費の悪化を併せて回避することができるようになる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項2乃至4の
いずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置におい
て、揮発性に関連する燃料の性状を検出する燃料性状検
出手段を更に備え、前記制御手段は前記検出される燃料
性状に応じて前記所定温度を可変設定するものとして構
成される。
【0018】上記構成によれば、燃料性状に応じて燃料
の揮発性が変化し、デポジットの堆積速度が異なる場合
でも、その堆積速度に見合ったかたちで冷却水温度或い
は冷却水流量を制御することができ、デポジットの堆積
を一層効果的に抑制することができるようになる。更
に、冷却水温度或いは冷却水流量の制御を通じて機関本
体の温度が不必要に低下してしまうのを極力抑制し、過
冷却による熱損失の増大、ひいては燃費の悪化を併せて
回避することができるようになる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項5記載の筒
内噴射式内燃機関の制御装置において、前記燃料性状検
出手段は前記内燃機関のノッキング発生状況に基づいて
前記燃料性状を検出するものとして構成される。
【0020】一般に、アンチノック性を高めるためにオ
クタン価向上剤を添加した燃料は、揮発性が低下する傾
向がみられる。従って、内燃機関においてノッキングが
発生し難い場合には、高オクタン価の燃料が用いられて
おり、その揮発性が低いと判断することができる。
【0021】上記構成によれば、こうした内燃機関のノ
ッキング発生状況と燃料の揮発性に関連する燃料性状と
の関係に基づいて燃料性状を検出するようにしているた
め、これを正確に検出することができるようになる。
【0022】請求項7記載の発明では、請求項1乃至6
のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置にお
いて、前記温度検出手段は燃料噴射量及び機関回転速
度、並びに前記冷却水の温度に対応した前記燃料噴射弁
の機関定常時における温度を求め、該温度を徐変処理し
た温度を前記燃料噴射弁の温度として検出するものとし
て構成される。
【0023】機関定常時における燃料噴射弁の温度は、
内燃機関において単位時間当たりに発生する発生熱量
と、同じく単位時間当たりに内燃機関から冷却水に伝達
される放熱量とに基づいて求めることができる。そし
て、これら燃焼熱量及び放熱量のうち、燃焼熱量は燃料
噴射量及び機関回転速度と相関をもって変化し、放熱量
は冷却水温度と相関をもって変化する。即ち、燃料噴射
量が多くなるほど一回の燃焼爆発により発生する熱量
(発生熱量)が増大し、機関定常時における燃料噴射弁
の温度は高くなる。また機関回転速度が高くなるほど単
位時間当たりの燃焼回数が増加し、やはり機関定常時に
おける燃料噴射弁の温度は高くなる。一方、冷却水温度
が低くなるほど、機関本体から冷却水に伝達される熱量
(放熱量)が増大し、機関定常時における燃料噴射弁の
温度は低くなる。
【0024】上記請求項7記載の発明では、こうした関
係に基づいて、機関定常時における燃料噴射弁の温度
を、燃料噴射量及び機関回転速度、並びに冷却水温度に
対応するものとして求めるようにしている。そして更
に、機関本体及び燃料噴射弁が所定の熱容量を有してお
り、それらの温度変化には所定の応答遅れがあることを
考慮して、上述のようにして求めた機関定常時における
燃料噴射弁の温度を徐変処理し、その徐変処理された温
度を同燃料噴射弁の温度として検出するようにしてい
る。従って、請求項7記載の発明によれば、燃料噴射弁
の温度を直接測定するセンサを別途設けなくとも、同燃
料噴射弁の温度を正確に推定してこれを検出することが
できるようになる。尚、上記徐変処理における時定数
は、機関本体及び燃料噴射弁の熱容量に応じて定められ
るものであり、例えばこれは実験等により同定すること
ができる。
【0025】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]以下、この発
明の第1の実施形態にかかる筒内噴射式内燃機関の制御
装置について図1〜図8を参照して説明する。
【0026】図1に示されるように、この内燃機関10
のシリンダヘッド12には、各気筒(同図では一つの気
筒のみ示す)に対応して燃料噴射弁14及び点火プラグ
16がそれぞれ取り付けられている。燃料噴射弁14
は、デリバリパイプ(図示略)を介して高圧ポンプ(図
示略)に接続されており、同高圧ポンプから供給される
燃料は、燃料噴射弁14の噴孔部14aから燃焼室18
内に直接噴射供給される。また、点火プラグ16はイグ
ナイタ(図示略)を備えた点火コイル20に接続されて
いる。イグナイタに入力される点火信号に同期して、点
火コイル20に発生する高電圧が点火プラグ16に供給
されることにより、混合気の点火が行われる。
【0027】次に、シリンダヘッド12及びシリンダブ
ロック13等、機関本体を冷却水によって冷却するため
の機関冷却系について説明する。シリンダヘッド12及
びシリンダブロック13の内部には、冷却水が循環する
冷却水通路21,22がそれぞれ形成されている。これ
ら各冷却水通路21,22のうち、シリンダブロック1
3の冷却水通路22は、燃料噴射弁14の取り付け側に
位置する通路22aと、その反対側に位置する通路22
bとによって構成されており、これら各通路22a,2
2bはシリンダブロック13内において各別に形成され
ている。
【0028】シリンダヘッド12の冷却水通路21は、
送り通路23を介してウォータポンプ25の吐出口に接
続されている。また、シリンダブロック13の冷却水通
路22a,22bも同様に、それぞれ送り通路24a,
24bを介してウォータポンプ25の吐出口に接続され
ている。ウォータポンプ25から吐出された冷却水はこ
れら送り通路23,24a,24bを通じて各冷却水通
路21,22a,22bにそれぞれ導入される。
【0029】一方、各冷却水通路21,22a,22b
は、それぞれ戻り通路26を介してラジエータ27に接
続されている。従って、シリンダヘッド12及びシリン
ダブロック13を冷却することにより温度上昇した各冷
却水通路21,22a,22b内の冷却水は、この戻り
通路26を通じてラジエータ27に導入され、同ラジエ
ータ27の熱交換作用によって冷却される。そして、こ
のように冷却された冷却水はウォータポンプ25に戻さ
れ、同ウォータポンプ25から再び各冷却水通路21,
22a,22bに吐出される。
【0030】上記戻り通路26とウォータポンプ25と
の間には、ラジエータ27をバイパスしてこれら戻り通
路26とウォータポンプ25とを直接接続するバイパス
通路28が設けられている。このバイパス通路28が戻
り通路26から分岐する部分には、戻り通路26からラ
ジエータ27を介してウォータポンプ25に戻される冷
却水の流量(以下、「ラジエータ流量」という)Qr
と、同戻り通路26からウォータポンプ25に直接戻さ
れる冷却水の流量(以下、「バイパス流量」という)Q
bとの割合を、所定のデューティ比Dを有する制御信号
に基づいて調整する流路制御弁29が設けられている。
【0031】図2は、ラジエータ流量Qr及びバイパス
流量Qbと上記デューティ比Dとの関係を示している。
同図2に示されるように、デューティ比Dがその最小値
「0%」に設定されるときには、バイパス流量Qbは
「0」となり、各冷却水通路21,22a,22bから
戻り通路26を通じて流路制御弁29に達した冷却水
は、同流路制御弁29を介して全てラジエータ27側に
送られるようになる。そしてこの場合、ラジエータ流量
Qrが最大になるため、各冷却水通路21,22a,2
2bから戻り通路26に戻される冷却水の温度とウォー
タポンプ25から各冷却水通路21,22a,22bに
送られる冷却水の温度との差は最も大きくなる。
【0032】また、このようにデューティ比Dが「0
%」に設定された状態から同デューティ比Dを増大させ
ると、ラジエータ流量Qrが減少するとともに、その減
少分だけバイパス流量Qbが増大するようになる。従っ
て、流路制御弁29の開度が増大するのに伴ってラジエ
ータ流量Qrが減少し、各冷却水通路21,22a,2
2bから戻り通路26に戻される冷却水の温度とウォー
タポンプ25から各冷却水通路21,22a,22bに
送られる冷却水の温度との差も徐々に小さくなる。
【0033】そして、デューティ比Dがその最大値「1
00%」に設定されると、ラジエータ流量Qrは「0」
となり、各冷却水通路21,22a,22bから戻り通
路26を通じて流路制御弁29に達した冷却水は全てウ
ォータポンプ25に直接送られるようになる。そしてこ
の場合、ラジエータ流量Qrが最小(「0」)になるた
め、各冷却水通路21,22a,22bから戻り通路2
6に戻される冷却水の温度とウォータポンプ25から各
冷却水通路21,22a,22bに送られる冷却水の温
度との差は最も小さくなる。
【0034】このように流路制御弁29に入力される制
御信号のデューティ比Dの大きさに応じてラジエータ流
量Qrが変化し、ラジエータ27によって冷却される冷
却水の量、即ち機関冷却系の冷却効率が変化する。従っ
て、各冷却水通路21,22a,22bから戻り通路2
6に戻される冷却水の温度が同じであるとすれば、上記
制御信号のデューティ比Dが小さく設定されるほど、ウ
ォータポンプ25から各冷却水通路21,22a,22
bに送られる冷却水の温度が低下するようになる。
【0035】また、この流路制御弁29についての上記
デューティ制御、換言すれば機関冷却系の冷却態様にか
かる制御は、内燃機関10の電子制御装置30を通じて
行われており、通常は、冷却水温度が所定温度(例え
ば、「80℃」)となるように同機関冷却系が制御され
ている。
【0036】この電子制御装置30は、中央演算処理装
置の他、流路制御弁29を駆動するための駆動回路、更
に各種演算結果や関数データを記憶するメモリ30aを
備えている。そして、電子制御装置30には、機関回転
速度を検出する回転速度センサ31、アクセルペダル
(図示略)の踏込量(アクセル開度)を検出するアクセ
ルセンサ32等々、機関運転状態を把握するための各種
センサの検出信号が取り込まれる。またこれらセンサ3
1,32の他、シリンダブロック13において燃料噴射
弁14の取付位置近傍には水温センサ33が取り付けら
れており、同水温センサ33により上記各冷却水通路2
2a,22bのうち、燃料噴射弁14の取り付け側に位
置する通路22aの冷却水温度THWが検出される。こ
の水温センサ33の検出信号も上記各センサ31,32
と同様に電子制御装置30に取り込まれる。
【0037】そして、電子制御装置30は、これら各セ
ンサ31〜33の検出信号等に基づいて所定のデューテ
ィ比Dを有する制御信号を生成し、この制御信号に基づ
いて流路制御弁29を駆動することにより冷却水温度を
制御する。
【0038】また、電子制御装置30は、こうした冷却
水温度にかかる制御の他、内燃機関10の各種制御を統
括して実行する。例えば、電子制御装置30は、燃料噴
射にかかる制御を実行する。即ち、電子制御装置30
は、機関回転速度NE及びアクセル開度PA等に基づい
て燃料噴射量QINJを算出するとともに、燃料噴射圧
とこの燃料噴射量QINJとに基づいて燃料噴射時間を
算出する。そして、この燃料噴射時間に基づいて燃料噴
射弁14を開閉駆動する。
【0039】更に、電子制御装置30は、機関回転速度
NE及び燃料噴射量QINJとに基づき定まる機関運転
状態に応じて燃料噴射弁14の燃料噴射時期等を変更す
ることにより、内燃機関10の燃焼形態を成層燃焼、弱
成層燃焼、及び均質燃焼との間で切り替える制御を実行
する。
【0040】即ち、図3に示されるように、機関回転速
度NE及び燃料噴射量QINJに基づき定まる機関運転
状態が成層燃焼を実行すべき領域(成層燃焼領域)にあ
るときには、燃料噴射時期が各気筒の圧縮行程後期に設
定されるとともに、空燃比が理論空燃比よりもリーン側
に設定される。この成層燃焼時には、点火プラグ16の
近傍にのみ燃料濃度の濃い混合気が偏在した状態で燃焼
が行われるようになる。
【0041】尚、この成層燃焼時には、燃料と吸入空気
との混合時間が短いため、機関燃焼状態を適切に維持す
る上で、燃料噴射弁14から噴射される燃料が燃焼室1
8の熱によって十分に気化されることが条件となる。こ
のため、成層燃焼は、冷却水温度THWが所定の温度
(成層燃焼許可温度THWA)以上であることを条件に
行われる。
【0042】一方、機関運転状態が均質燃焼を実行すべ
き領域(均質燃焼領域)にあるときには、燃料噴射時期
が各気筒の吸気行程に設定される。その結果、燃料噴射
弁14から噴射された燃料と吸入空気との混合時間が確
保され、噴射燃料と吸入空気とが十分に混ざり合った略
均質な状態で燃焼が行われるようになる。この均質燃焼
では、空燃比が、理論空燃比或いは同理論空燃比よりも
リッチになるように機関運転状態に応じて適宜設定され
る。
【0043】更に、機関運転状態が弱成層燃焼を実行す
べき領域(弱成層燃焼領域)にあるときには、燃料噴射
時期が各気筒の吸気行程と圧縮行程とに設定される。そ
の結果、燃料は2段階に分割して噴射されるようにな
り、成層燃焼時よりも成層度が低下した均質燃焼に近い
状態で燃焼が行われるようになる。この弱成層燃焼で
は、空燃比が理論空燃比よりもリーン側に設定される。
【0044】次に、本実施形態の制御装置により実行さ
れる機関冷却系の冷却態様にかかる制御について、その
具体的な手順を図4に示すフローチャートを参照して説
明する。尚、このフローチャートにおける一連の処理
は、所定時間毎に繰り返し実行される。
【0045】この一連の処理では、まず、燃料噴射量Q
INJ、機関回転速度NE、冷却水温度THW、及び現
在の燃焼形態Sn(成層燃焼S1、弱成層燃焼S2、均
質燃焼S3)に対応した機関定常時における燃料噴射弁
14(正確には噴孔部14a)の温度(以下、単に「定
常温度」という)THISが算出される(ステップ10
0)。
【0046】この定常温度THISと上記各種パラメー
タQINJ,NE,THW,Snとの関係は、実機を用
いた実験や計算機上でのシミュレーション等に基づいて
予め設定され、メモリ30aに関数マップとして記憶さ
れている。
【0047】因みに、この定常温度THISの各値は例
えば以下のような手順に従って求めることができる。
(i)まず、燃料噴射量QINJ、機関回転速度NE、
及び冷却水温度THWをそれぞれ所定値のまま固定し、
燃焼形態Snについてもこれを上記各形態S1〜S3の
いずれかに固定する。(ii)そして、この状態のまま十
分に時間が経過した後において、噴孔部14aの温度を
測定し、これをそれら各パラメータQINJ,NE,T
HW,Snのそのときの状態に対応した定常温度THI
Sの値とする。更に、この(i),(ii)の手順を各パ
ラメータQINJ,NE,THW,Snをそれぞれ変更
して繰り返し、また必要に応じて補間演算を行うことに
より、それら各パラメータQINJ,NE,THW,S
nに対応する定常温度THISの値を全て求めることが
できる。
【0048】図5は、冷却水温度THWを所定値に、燃
焼形態Snを所定の形態S1〜S3にそれぞれ固定した
場合における、上記定常温度THISと燃料噴射量QI
NJ及び機関回転速度NEとの関係を示している。同図
5に示されるように、定常温度THISは、燃料噴射量
QINJが多くなるほど、また機関回転速度NEが高く
なるほど高い値になる。これは、燃料噴射量QINJが
多くなるほど一回の燃焼爆発により発生する熱量が増大
し、また機関回転速度NEが高回転になるほど単位時間
当たりの燃焼爆発回数が増加し、いずれも燃焼室18に
おける単位時間当たりの発生熱量が増大する結果、機関
本体から燃料噴射弁14に伝達される熱量が増大するた
めである。
【0049】図6は、燃料噴射量QINJ及び機関回転
速度NEをそれぞれ所定値に、燃焼形態Snを所定の形
態S1〜S3にそれぞれ固定した場合における、冷却水
温度THWと定常温度THISとの関係を示している。
同図6に示されるように、定常温度THISは、冷却水
温度THWが低くなるほど低い値になる。これは、冷却
水温度THWが低くなるほど、機関本体から冷却水に伝
達される熱量(放熱量)が増大して機関温度が低下する
結果、燃料噴射弁14から機関本体に伝達される熱量が
増大するためである。
【0050】また、これら燃料噴射量QINJ、機関回
転速度NE、及び冷却水温度THWをいずれも所定値に
固定した場合において、燃焼形態Snを成層燃焼S1と
したときの定常温度THISの値THIS_S1、弱成
層燃焼S2としたときの定常温度THISの値THIS
_S2、均質燃焼S3としたときの定常温度THISの
値THIS_S3は以下の関係にある。
【0051】 THIS_S1>THIS_S2>THIS_S3 ・・・(1) 上式(1)より明らかなように、定常温度THISは燃
焼形態の成層度が強いほど高い値になる。これは以下の
ような理由によるものと推測される。成層度が強くなる
ほど、点火プラグ16の近傍に偏在する混合気の燃料濃
度が高くなり、燃焼時においてこの点火プラグ16近傍
の燃焼温度も局所的に高くなる。燃料噴射弁14の噴孔
部14aはこの点火プラグ16と近接して位置している
ため、このように点火プラグ16近傍の燃焼温度が局所
的に高くなると、同噴孔部14aの温度も高くなる。従
って、燃料噴射量QINJ、機関回転速度NE、及び冷
却水温度THWをいずれも所定値に固定した場合におけ
る、各燃焼形態S1〜S3に対応した定常温度THIS
の値は、上式(1)に示されるような関係となる。
【0052】このようにして各パラメータQINJ,N
E,THW,Snに対応する定常温度THISが求めら
れると、次にこの定常温度THISに基づいて燃料噴射
弁14の実際の温度(以下、「実温度」という)THI
Aが算出される(ステップ110)。
【0053】シリンダヘッド12及びシリンダブロック
13の他、燃料噴射弁14は所定の熱容量を有している
ため、その噴孔部14aの実際の温度、即ち上記実温度
THIAは、先に求めた定常温度THISと常に一致し
ているわけではない。即ち、この定常温度THISが変
化する場合、実温度THIAは、この定常温度THIS
に対して遅れて変化するようになる。
【0054】図7は、定常温度THIS及び実温度TH
IAについてそれらの推移態様の一例を示している。例
えば、同図7のタイミングt1において上記燃料噴射量
QINJ、機関回転速度NE、冷却水温度THW、及び
燃焼形態Snにより定まる機関運転状態が変化したとす
ると、一点鎖線にて示されるように、定常温度THIS
もその機関運転状態の変化に合わせて所定値THIS1
から所定値THIS2まで変化する。一方、このように
定常温度THISが変化すると、同図7に実線にて示さ
れるように、実温度THIAはこの定常温度THISに
対して所定の応答遅れをもって追従し、所定時間が経過
したタイミングt2において定常温度THISと一致す
るようになる。
【0055】このため、実温度THIAの算出に際して
は、こうした応答遅れを考慮する必要があり、本実施形
態では、以下の式(2)に基づいて定常温度THISを
徐変処理(なまし処理)することにより、この実温度T
HIAを算出するようにしている。
【0056】 THIAa←THIAb+(THIS−THIAb)/TK・・・(2) 上式(2)において、「THIAa」は、今回の制御周
期における実温度THIAの値であり、「THIAb」
は、前回の制御周期における実温度THIAの値であ
る。また、「TK」は、上記応答遅れの程度を示す時定
数である。この時定数TKは、主に機関本体(シリンダ
ヘッド12及びシリンダブロック13)及び燃料噴射弁
14等の熱容量に応じて変化するものであり、例えば実
験等を通じてこれを同定することができる。
【0057】次に、燃料噴射弁14の噴射が終了してか
ら同弁14による次の噴射が開始されるまでの期間(噴
射インターバル)TINJが、燃料噴射時間TAUと現
在の機関回転速度NEとに基づき次式(3)に従って算
出される(図4のステップ120)。
【0058】 TINJ←k1/NE−TAU ・・・(3) k1:定数 上式(3)から明らかなように、噴射インターバルTI
NJは、機関回転速度NEが低回転になるほど長くな
り、また燃料噴射時間TAUが短いほど、換言すれば燃
料噴射量QINJが少ないほど長くなる。
【0059】そして次に、噴射インターバルTINJに
基づいて燃料噴射弁14の噴孔部14aについてその許
容温度THIMが算出される(ステップ130)。この
許容温度THIMは、デポジットの堆積速度が許容範囲
にあるときにおける噴孔部14aの最高温度である。即
ち、噴孔部14aの温度がこの許容温度THIM以下で
ある場合には、デポジットの堆積速度が無視できる範囲
にあるとみなすことができる。尚、噴孔部14aの温度
がこの許容温度THIMよりも高い場合には、後述する
ように、このデポジットの堆積速度を低下させる処理
(ステップ170,180)が実行される。
【0060】図8は、この許容温度THIMの算出に際
して参照される関数マップを示している。同図8に示さ
れるように、許容温度THIMは噴射インターバルTI
NJが長くなるほど低い温度に設定される。これは、噴
射インターバルTINJが長くなると、燃料に含まれる
揮発成分の蒸発時間が長くなり、デポジットの堆積速度
が増大する傾向があるため、許容温度THIMを低く設
定してこの堆積速度を低下させる処理をより低い温度か
ら行う必要があるからである。
【0061】このようにして許容温度THIMが算出さ
れると、次に実温度THIAがこの許容温度THIMと
比較される(図4のステップ140)。そして、実温度
THIAが許容温度THIM以下である場合には(ステ
ップ140:NO)、この一連の処理は一旦終了され
る。
【0062】尚、本実施形態の制御装置がその適用対象
とする内燃機関10にあっては、上述したように、燃焼
形態として弱成層燃焼或いは均質燃焼が選択されている
場合には成層燃焼時と比較して噴孔部14aの温度が低
く抑えられる傾向がある。このため、弱成層燃焼時や均
質燃焼時において実温度THIAが許容温度THIMを
上回るような状況は通常は発生しない。従って、燃焼形
態として成層燃焼以外の形態が選択されている場合に
は、常に実温度THIAが許容温度THIM以下(ステ
ップ140:NO)となってこの一連の処理は一旦終了
されるようになる。即ち、デポジットの堆積速度を低下
させる処理(ステップ170,180)は、実質的に成
層燃焼時にのみ実行されることとなる。
【0063】一方、実温度THIAが許容温度THIM
を超えている場合には(ステップ140:YES)、冷
却水温度の目標値(目標冷却水温度)THWTが以下の
式(4)に基づいて算出される(ステップ150)。
【0064】 THWT←THW−(THIA−THIM)/α1 ・・・(4) 上式(4)において、「α1」は、冷却水温度THWを
「1℃」だけ変化させた場合における噴孔部14aの温
度変化量である。従って、上式(4)において「(TH
IA−THIM)/α1」は、冷却水温度THWを低下
させることで実温度THIAを許容温度THIMにまで
低下させる際において、その冷却水温度THWの変化量
に相当するものとなる。このため、上式(4)により得
られる目標冷却水温度THWTと等しくなるように冷却
水温度THWが制御されることにより、実温度THIA
は許容温度THIMに一致するようになる。
【0065】次に、このようにして目標冷却水温度TH
WTが算出されると、この目標冷却水温度THWTと前
記成層燃焼許可温度THWAとが比較される(ステップ
160)。ここで、目標冷却水温度THWTが成層燃焼
許可温度THWAを上回っている場合(ステップ16
0:YES)、即ち目標冷却水温度THWTに一致する
ように冷却水温度THWを低下させても、成層燃焼を継
続することが可能である場合には、目標冷却水温度TH
WT等に基づいて機関冷却系の冷却態様が制御される
(ステップ170)。即ちこの場合には、例えば次の式
(5)に基づきデューティ比Dが設定され、そのデュー
ティ比Dに基づいて流路制御弁29が駆動される。
【0066】 D←D+(THWT−THW)×K ・・・(5) K(>0):ゲイン定数 上式(5)より明らかなように、目標冷却水温度THW
Tが実際の冷却水温度THWを下回っている場合には、
デューティ比Dが現状の値よりも小さい値に設定され
る。従って、ラジエータ流量Qrの流量が増大し、冷却
水温度THWは目標冷却水温度THWTと一致するまで
徐々に低下するようになる。
【0067】一方、目標冷却水温度THWTが成層燃焼
許可温度THWA以下である場合(ステップ160:N
O)には、冷却水温度THWの制御を通じてデポジット
の堆積速度を低減させることができないため、成層燃焼
の実行が禁止されるとともに、燃焼形態が成層燃焼から
成層強度の低い弱成層燃焼或いは均質燃焼に変更される
(ステップ180)。このように燃焼形態が弱成層燃焼
或いは均質燃焼に変更されることにより、噴孔部14a
の温度が低下するため、デポジットの堆積速度も低下す
るようになる。
【0068】このように冷却水温度THWの低下、或い
は燃焼形態の変更を通じてデポジットの堆積速度を低下
させる処理(ステップ170,180)が実行される
と、この一連の処理は一旦終了される。
【0069】以上説明した態様で機関冷却系の冷却水温
度を制御するようにした本実施形態にかかる制御装置に
よれば、以下のような作用効果を奏することができる。 (1)噴孔部14aの温度(実温度THIA)に基づい
てシリンダヘッド12やシリンダブロック13等、冷却
水による機関本体の冷却態様を制御するようにしてい
る。即ち、噴孔部14aの温度が許容温度THIMより
高いときには、同温度がこの許容温度THIM以下にな
るように、ラジエータ流量Qrの調整を通じて冷却水の
温度を制御するようにしている。そしてこれにより、機
関本体の温度を低下させて燃料噴射弁14から機関本体
への放熱性を高めることができ、同燃料噴射弁14、特
にその噴孔部14aの温度を効果的に低下させることが
できる。しかも、点火時期等、燃焼を直接制御する因子
を変更した場合と比較して機関燃焼状態への悪影響が小
さく抑えられるようになる。その結果、機関燃焼状態の
悪化を極力抑えつつ、燃料噴射弁14のデポジット堆積
を抑制することができるようになる。
【0070】(2)また、この許容温度THIMを噴射
インターバルTINJに応じて可変とし、同噴射インタ
ーバルTINJが長いときほど許容温度THIMを低く
設定するようにしている。このため、噴射インターバル
TINJに応じて変化するデポジットの堆積速度に見合
ったかたちで冷却水の温度を制御することができ、デポ
ジットの堆積を一層効果的に抑制することができるよう
になる。また、こうした冷却水温度の制御を通じて機関
本体の温度が不必要に低下してしまうのを極力抑制する
ことができ、過冷却による熱損失の増大や、それに起因
する燃費の悪化、更には目標冷却水温度THWTが成層
燃焼許可温度THWA以下に設定されて成層燃焼が禁止
されることに伴う燃費の悪化を併せて回避することがで
きるようになる。
【0071】(3)更に、燃焼室18における発生熱
量、機関本体から冷却水への放熱量、並びに機関本体及
び燃料噴射弁14の熱容量をそれぞれ考慮して、噴孔部
14aの温度(実温度THIA)を検出するようにして
いる。具体的には、燃料噴射量QINJ、機関回転速度
NE、冷却水温度THW、並びに燃焼形態Snに対応し
た機関定常時の温度(定常温度THIS)を求め、この
定常温度THISを上記式(2)に基づいて徐変処理し
た温度を噴孔部14aの温度として検出するようにして
いる。従って、この噴孔部14aの温度を直接測定する
センサを別途設けなくとも、同温度を極めて正確に推定
してこれを検出することができるようになる。
【0072】(4)更に、噴孔部14aの温度が許容温
度THIMより高い場合において、特に目標冷却水温度
THWTが成層燃焼許可温度THWA以下であると判断
されるときには、成層燃焼の実行を禁止して燃焼形態を
同成層燃焼よりも成層強度の低い弱成層燃焼或いは均質
燃焼に設定するようにしている。そして、このように混
合気の成層強度を低下させることによって噴孔部14a
の温度を低下させるようにしている。その結果、点火時
期等、燃焼を直接制御する因子を変更することによる機
関燃焼状態の悪化や、或いは噴射燃料の気化が十分でな
いまま成層燃焼が行われることによる機関燃焼状態の悪
化を極力抑えつつ、燃料噴射弁14のデポジット堆積を
抑制することができるようになる。
【0073】[第2の実施形態]次に、この発明の第2
の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心
に図9及び図10を参照して説明する。
【0074】第1の実施形態では、噴射インターバルT
INJのみに基づいて許容温度THIMを設定するよう
にしていたが、本実施形態では、この噴射インターバル
TINJの他、内燃機関10において使用される燃料の
揮発性に関連する燃料性状に基づいて許容温度THIM
を設定するようにしている。
【0075】燃料の揮発性が異なっていると、仮に噴射
インターバルTINJが同じであっても、デポジットの
堆積速度がその揮発性に応じて異なるようになる。即
ち、燃料の揮発性が高くなるほど、噴射インターバルT
INJにおける燃料の蒸発が促進され、デポジットの堆
積速度が増大するようになる。従って、デポジットの堆
積を一層効果的に抑制する上では、そのときに使用され
ている燃料の揮発性についてもこれを上記許容温度TH
IMの設定に際して考慮するのが望ましい。このため、
本実施形態では、揮発性に関連する燃料性状を検出し、
この燃料性状を上記噴射インターバルTINJと併せて
許容温度THIMの設定に反映させるようにしている。
【0076】また、本実施形態において、上記燃料性状
は内燃機関10におけるノッキングの発生状況に基づい
て検出され、更に、このノッキング発生状況は、電子制
御装置30の点火時期制御を通じて求められるノック学
習値に基づいて評価される。
【0077】以下、この点火時期制御の概要並びにノッ
ク学習値について説明する。電子制御装置30は、機関
回転速度NE及び燃料噴射量QINJ等、機関運転状態
に基づいて基本となる点火時期を算出し、この算出され
る点火時期をノッキングが発生しない範囲で最大に進角
させた時期をもって点火プラグ16による点火を実行す
る。
【0078】更に、電子制御装置30は、この点火時期
の最大進角量をノック学習値として学習し、これをメモ
リ30aに記憶する。例えば、ノッキングが発生した場
合には、点火時期を遅角側に制御すべくノック学習値が
より小さな値に更新される。一方、ノッキングが発生し
ない状況が継続する場合には、点火時期を進角側に制御
すべくノック学習値がより大きな値へと更新される。
【0079】このように、上記ノック学習値は内燃機関
10におけるノッキング発生状況に即して変化し、これ
が大きな値として学習されているときほど、内燃機関1
0はノッキングが発生し難い状況にあることになる。
【0080】また、こうしたノッキングの発生状況は、
一般に燃料の揮発性と相関を有している。即ち、アンチ
ノック性を高めるためにオクタン価向上剤を添加した燃
料は揮発性が低下する傾向があり、ノッキングが発生し
難い場合には、高オクタン価の燃料が用いられているた
めに、その揮発性が低いと判断することができる。従っ
て、上記ノック学習値が大きな値として学習されている
ときほど、そのときに使用されている燃料の揮発性が低
く、デポジットの堆積が発生し難いものと判断すること
ができる。
【0081】そこで、本実施形態では、先の図4のフロ
ーチャートに示されるステップ120の処理を実行した
後、ステップ140の判断処理を実行する前に、ノック
学習値の大きさに応じて許容温度THIMを設定する処
理(図9に示される各ステップ122,132,134
の処理)を実行するようにしている。
【0082】即ち、図9のフローチャートに示されるよ
うに、まず上記ノック学習値が予め定められた判定値β
以上であるか否かが判断される(ステップ122)。こ
の判定値βは、現在使用されている燃料が、揮発性の低
い高オクタン価の燃料(重質燃料)か、或いは揮発性の
高い低オクタン価の燃料(軽質燃料)かを判断するため
のものである。即ち、ノック学習値がこの判定値β以上
である場合には、ノッキングが発生し難い傾向にあるた
め、重質燃料が使用されていると判定することができ、
一方、判定値β未満である場合には、逆にノッキングが
発生し易い傾向にあるため、軽質燃料が使用されている
と判定することができる。
【0083】尚、ノッキングの発生状況はこうした燃料
の揮発性の他、燃焼室18内に吸入される吸入空気の温
度(吸気温度)や機関温度によっても左右され、これら
吸気温度や機関温度が低いときほど発生し難くなる。こ
のため、上記判定値βは、こうした吸気温度や機関温度
による影響を排除すべく、吸気温度が低いときほど、ま
た機関温度(例えば冷却水温度THWにより評価され
る)が低いときほど、大きな値に設定される。尚、こう
した判定値βと冷却水温度THWとの関係は、関数デー
タのかたちでメモリ30aに記憶されている。
【0084】ここで、ノック学習値が判定値β以上であ
り、重質燃料が使用されていると判定された場合には
(ステップ122:YES)、許容温度THIMを求め
るためのマップとして重質燃料用マップAが選択され、
このマップAを用いて噴射インターバルTINJに基づ
く許容温度THIMが算出される(ステップ132)。
一方、ノック学習値が判定値β未満であり、軽質燃料が
使用されていると判定された場合には(ステップ12
2:NO)、軽質燃料用マップBが選択され、同マップ
Bを用いて噴射インターバルTINJに基づく許容温度
THIMが算出される(ステップ134)。
【0085】図10は、本実施形態における許容温度T
HIMと噴射インターバルTINJとの関係を示してお
り、同図の一点鎖線は重質燃料用マップAが選択された
場合における両者の関係を、実線は軽質燃料用マップB
が選択された場合における関係をそれぞれ示している。
同図10に示されるように、噴射インターバルTINJ
が長くなるほど許容温度THIMが低い温度に設定され
る点については、第1の実施形態と同様であるが、本実
施形態にあっては特に、燃料性状が揮発性の高い性状で
あるときほど、許容温度THIMが低く設定される。即
ち、軽質燃料が使用されている場合には、重質燃焼が使
用されている場合と比較して許容温度THIMが低く設
定される。従って、軽質燃料使用時には、重質燃料使用
時と比較してデポジットの堆積速度を低下させる処理が
より低い温度から行われるようになる。
【0086】このようにして燃料性状に応じた各マップ
A,Bが参照され、許容温度THIMが算出された後
は、実温度THIAとこの許容温度THIMとの比較判
断が行われる(図4のステップ140)。
【0087】以上説明した態様で機関冷却系を制御する
ようにした本実施形態にかかる制御装置によれば、第1
の実施形態において示した(1)〜(4)の作用効果に
加えて更に以下のような作用効果を奏することができ
る。
【0088】(5)本実施形態では、内燃機関10のノ
ッキング発生状況に基づいて使用燃料が重質燃料である
か或いは軽質燃料であるかを検出するようにしている。
そして、使用燃料が軽質燃料であるため、その揮発性が
高いと判定された場合には、揮発性の低い重質燃料が使
用されているときよりも上記許容温度THIMを低く設
定するようにしている。従って、燃料性状に応じて燃料
の揮発性が変化し、デポジットの堆積速度が異なる場合
でも、その堆積速度に見合ったかたちで冷却水温度を制
御することができ、デポジットの堆積を一層効果的に抑
制することができるようになる。また、こうした冷却水
温度の制御を通じて機関本体の温度が不必要に低下して
しまうのを極力抑制することができ、過冷却による熱損
失の増大や、それに起因する燃費の悪化、更には目標冷
却水温度THWTが成層燃焼許可温度THWA以下に設
定されて成層燃焼が禁止されることに伴う燃費の悪化を
併せて回避することができるようになる。
【0089】(6)特に、ノック学習値を上記判定値β
と比較することにより、使用燃料が重質燃料か或いは軽
質燃料かを判定するようにしており、こうした揮発性に
関連する燃料性状をセンサを別途設けなくとも、内燃機
関10のノッキング発生状況に基づいて正確に検出する
ことができるようになる。
【0090】[第3の実施形態]次に、この発明の第3
の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心
に説明する。
【0091】上記各実施形態では、噴孔部14aの実温
度THIAを低下させるに際して、冷却水温度THWを
低下させるようにしたが、本実施形態では、この機関冷
却系の冷却態様を制御するための構成及びその制御手順
の一部が第1の実施形態と相違している。
【0092】図1に示されるように、本実施形態の制御
装置にあっては、ウォータポンプ25の吐出口と燃料噴
射弁14の取付位置と反対側に位置する冷却水通路22
bとを接続する送り通路24bの途中に流量制御弁35
が設けられている。そして、この流量制御弁35の開度
に基づいて、ウォータポンプ25から上記冷却水通路2
2bに送られる冷却水の流量が調節される。このように
上記冷却水通路22bの冷却水流量が調節されることに
より、同通路22bとその他の冷却水通路、即ち燃料噴
射弁14の取り付け側に位置するもう一方の冷却水通路
22a及びシリンダヘッド12の冷却水通路21につい
てそれらを流れる冷却水の流量比が調節されるようにな
る。即ち、流量制御弁35の開度が絞られると、燃料噴
射弁14の取付位置と反対側に位置する冷却水通路22
bの流量が減少する一方、その減少分だけシリンダブロ
ック13に形成されたもう一方の冷却水通路22a及び
シリンダヘッド12の冷却水通路21に流れる冷却水の
流量が増大するようになる。その結果、燃料噴射弁14
の取付位置近傍は、冷却水によって効果的に冷却される
ようになり、燃料噴射弁14から機関本体への放熱性も
高められるようになる。
【0093】次に、こうした構成を備えた本実施形態の
制御装置では、以下の手順に従って機関冷却系による冷
却態様が制御される。即ち、先の図4の一連の処理にお
いて、実温度THIAが許容温度THIMを上回ってい
ると判断された場合には(図4のステップ140:YE
S)、図11のフローチャートに示されるように、以下
の式(6)に基づいて流量制御弁35の目標開度OA、
換言すれば上記各冷却水通路21,22a,22bの流
量比についてその目標値が算出される(図11のステッ
プ152)。
【0094】 OA←OA−(THIA−THIM)/α2 ・・・(6) 上式(6)において、「α2」は、流量制御弁35の開
度を「1°」だけ絞った場合における噴孔部14aの温
度変化量である。
【0095】そして、この流量制御弁35の目標開度O
Aが全閉「0°」より大きい場合には、同目標開度OA
に基づいて流量制御弁35の開度が調節され、冷却水の
流量比制御が実行される(ステップ172)。そして、
この流量比制御を通じて燃料噴射弁14の取付位置近傍
を流れる冷却水の流量が増大し、機関本体への放熱性が
高められる結果、噴孔部14aの実温度THIAは許容
温度THIMと一致するまで低下するようになる。
【0096】一方、目標開度OAが全閉以下である場
合、即ち上記冷却水の流量比制御を通じて噴孔部14a
の実温度THIAを許容温度THIM以下にまで低下さ
せることができない場合には、成層燃焼の実行が禁止さ
れるとともに、燃焼形態が成層燃焼から弱成層燃焼或い
は均質燃焼に変更される(ステップ180)。
【0097】以上説明した本実施形態によれば、冷却水
温度の制御に替え、燃料噴射弁14の取付部位近傍にお
ける冷却水流量を制御することにより、第1の実施形態
において示した(1)〜(4)と同等の作用効果を奏す
ることができるようになる。
【0098】本発明の上記実施形態は以下のように更に
その構成や制御態様の一部を変更して実施することもで
きる。 ・上記各実施形態では、噴孔部14aの定常温度THI
Sを算出するに際し、燃焼形態Snの他、燃料噴射量Q
INJ及び機関回転速度NEに基づいて燃焼室18での
発生熱量を推定するようにしたが、例えばこれら燃料噴
射量QINJ及び機関回転速度NEに替えて、或いはこ
れら各パラーメータQINJ,NEに加えて排気温度に
基づいて発生熱量を推定するようにしてもよい。
【0099】・上記各実施形態では、実温度THIAが
許容温度THIMを上回っていることを条件に、冷却水
温度を低下させる処理や燃料噴射弁14の取付位置近傍
を流れる冷却水の流量を増大させる処理を行うようにし
たが、例えば、実温度THIAと許容温度THIMとの
偏差(THIA−THIM)に基づいて、これら冷却水
温度や冷却水流量の制御を常に行うようにしてもよい。
【0100】・第2の実施形態では、ノッキングの発生
状況に基づいて揮発性に関連する燃料性状を検出するよ
うにしたが、例えば、いわゆる空燃比フィードバック制
御の実行中において、過渡運転時における実空燃比と理
論空燃比との乖離傾向に基づいて同燃料性状を検出する
こともできる。尚この場合には、上記乖離傾向が大きい
ときほど揮発性の高い性状の燃料が使用されていると判
断する。
【0101】・デポジットの堆積を抑制するために、上
記第1及び第2の実施形態では冷却水温度を制御するよ
うにし、また第3の実施形態では冷却水流量を制御する
ようにしたが、これら冷却水温度及び冷却水流量にかか
る各制御を双方実行するようにしてもよい。
【0102】・第3の実施形態では、燃料噴射弁14の
温度が燃料噴射弁14の取付位置と反対側に位置する冷
却水通路22bに流量制御弁35を設け、同通路22b
を流れる冷却水の流量を制御するようにしたが、例え
ば、シリンダヘッド12において燃料噴射弁14の周囲
を囲むようにして燃料噴射弁用の冷却水通路を別途形成
するとともに、この冷却水通路に流量制御弁を設け、同
冷却水通路を流れる冷却水の流量制御を通じて燃料噴射
弁14の温度制御を行うようにしてもよい。
【0103】・上記各実施形態において、冷却水温度や
冷却水流量にかかる制御の他、点火時期を遅角させる制
御或いはEGR量を増大させる制御を併せて行うことも
できる。例えば、上記目標冷却水温度THWTが成層燃
焼許可温度THWA以下となるような場合(図4のステ
ップ160:NO)において、上記目標冷却水温度TH
WTを成層燃焼許可温度THWAと等しく設定し、冷却
水温度を成層燃焼可能な限界近くまで低下させることに
よって噴孔部14aの温度を極力低下させる。但しこの
場合には、噴孔部14aの温度を許容温度THIMにま
で低下させることができないため、点火時期遅角制御或
いはEGR量増大制御を実行することにより、噴孔部1
4aの温度を許容温度THIMにまで更に低下させるよ
うにする。このようにすれば、成層燃焼を禁止すること
なく、デポジットの堆積を抑制することができるように
なる。また、機関冷却系にかかる制御を優先して行うこ
とで、機関燃焼状態の悪化も極力抑制することができ
る。
【0104】以上、本発明の各実施形態について説明し
たが、これら実施形態から把握できる技術思想について
以下に記載する。 (イ)燃料噴射弁から気筒内に燃料を直接噴射供給する
筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記燃料噴射
弁の温度を検出する温度検出手段と、前記検出される燃
料噴射弁の温度に基づいて機関燃焼室における混合気の
成層強度を制御する制御手段とを備えることを特徴とす
る筒内噴射式内燃機関の制御装置。
【0105】(ロ)前記制御手段は前記検出される燃料
噴射弁の温度が所定温度より高いときには成層燃焼の実
行を禁止して燃焼形態を同成層燃焼よりも成層強度の低
い弱成層燃焼或いは均質燃焼に設定する上記(イ)に記
載の筒内噴射式内燃機関の制御装置。
【0106】(ハ)前記温度検出手段は燃料噴射量及び
機関回転速度、並びに前記冷却水の温度に対応した前記
燃料噴射弁の機関定常時における温度を求め、該温度を
徐変処理した温度を前記燃料噴射弁の温度として検出す
る上記(イ)又は(ハ)に記載の筒内噴射式内燃機関の
制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の制御装置についてその構成を示す概
略構成図。
【図2】バイパス流量及びラジエータ流量の割合と流路
制御弁に入力される制御信号のデューティ比との関係を
示す説明図。
【図3】燃料噴射量及び機関回転速度と燃焼形態との関
係を示す説明図。
【図4】第1の実施形態におけるデポジットの堆積抑制
処理の手順を示すフローチャート。
【図5】燃料噴射量及び機関回転速度と燃料噴射弁の定
常温度との関係を示すグラフ。
【図6】冷却水温度と燃料噴射弁の定常温度との関係を
示すグラフ。
【図7】燃料噴射弁の定常温度及び実温度についてその
推移態様の一例を示すタイミングチャート。
【図8】許容温度と噴射インターバルとの関係を示すマ
ップ。
【図9】第2の実施形態におけるデポジットの堆積抑制
処理の手順を示すフローチャート。
【図10】許容温度と噴射インターバルとの関係を示す
マップ。
【図11】第3の実施形態におけるデポジットの堆積抑
制処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…内燃機関、12…シリンダヘッド、13…シリン
ダブロック、14…燃料噴射弁、14a…噴孔部、16
…点火プラグ、18…燃焼室、20…点火コイル、2
1,22…冷却水通路、23,24a,24b…送り通
路、25…ウォータポンプ、26…戻り通路、27…ラ
ジエータ、28…バイパス通路、29…流路制御弁、3
0…電子制御装置、30a…メモリ、31…回転速度セ
ンサ、32…アクセルセンサ、33…水温センサ、35
…流量制御弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 364 F02D 45/00 364K 368 368B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料噴射弁から気筒内に燃料を直接噴射供
    給する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、 機関本体を冷却水によって冷却する冷却手段と、 前記燃料噴射弁の温度を検出する温度検出手段と、 前記検出される燃料噴射弁の温度に基づいて前記冷却手
    段による冷却態様を制御する制御手段とを備えることを
    特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】前記冷却手段は前記冷却水の温度を調整す
    る調整手段を備え、 前記制御手段は前記検出される燃料噴射弁の温度が所定
    温度より高いときには前記燃料噴射弁の温度が前記所定
    温度以下になるように前記調整手段を通じて前記冷却水
    の温度を制御する請求項1記載の筒内噴射式内燃機関の
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記冷却手段は前記機関本体において前記
    燃料噴射弁の取付部位近傍を流れる冷却水の流量を調整
    する調整手段を備え、 前記制御手段は前記検出される燃料噴射弁の温度が所定
    温度より高いときには前記燃料噴射弁の温度が前記所定
    温度以下になるように前記調整手段を通じて前記取付部
    位近傍の冷却水流量を制御する請求項1記載の筒内噴射
    式内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は前記燃料噴射弁の噴射が終
    了してから同弁による次の噴射が開始されるまでの期間
    に応じて前記所定温度を可変設定する請求項2又は3記
    載の筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  5. 【請求項5】揮発性に関連する燃料の性状を検出する燃
    料性状検出手段を更に備え、 前記制御手段は前記検出される燃料性状に応じて前記所
    定温度を可変設定する請求項2乃至4のいずれかに記載
    の筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】前記燃料性状検出手段は前記内燃機関のノ
    ッキング発生状況に基づいて前記燃料性状を検出する請
    求項5記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  7. 【請求項7】前記温度検出手段は燃料噴射量及び機関回
    転速度、並びに前記冷却水の温度に対応した前記燃料噴
    射弁の機関定常時における温度を求め、該温度を徐変処
    理した温度を前記燃料噴射弁の温度として検出する請求
    項1乃至6のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の制
    御装置。
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