JP2002097999A - シリンダブロック及びエンジンの冷却構造 - Google Patents

シリンダブロック及びエンジンの冷却構造

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JP2002097999A
JP2002097999A JP2000290873A JP2000290873A JP2002097999A JP 2002097999 A JP2002097999 A JP 2002097999A JP 2000290873 A JP2000290873 A JP 2000290873A JP 2000290873 A JP2000290873 A JP 2000290873A JP 2002097999 A JP2002097999 A JP 2002097999A
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engine
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block
temperature
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JP2000290873A
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Ryuji Shibata
隆二 柴田
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Toyota Motor Corp
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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン稼働時の熱膨張に伴うシリンダボアの
形状変化を抑制することのできるシリンダブロック及び
エンジンの冷却構造を提供する。 【解決手段】シリンダブロック10には、シリンダボア
11を形成する複数のシリンダライナ13が隣接して設
けられる。シリンダブロック10のブロック本体10a
はアルミニウム合金によって形成され、シリンダライナ
13はアルミニウム合金と比較して熱膨張係数の小さい
鋳鉄によって形成される。シリンダライナ13の軸方向
における肉厚は、温度が高い燃焼室16側の端部にて厚
く、燃焼室16から離れ、温度が低くなる部位ほど薄く
設定される。シリンダライナ13の周方向における肉厚
は、シリンダボア11の燃焼室16側の端部において、
温度が高いシリンダボア11間に位置する部位では厚
く、同部位から離れ、温度が低くなる部位ほど薄く設定
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のシリンダ
ライナを備えるエンジンのシリンダブロック、及び同エ
ンジンの冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多気筒エンジンのシリンダブロックで
は、ピストンを往復動可能に収容する複数のシリンダボ
アが隣接して形成される。こうしたシリンダブロック
は、一般には鋳鉄により形成されるが、近年では、その
軽量化を狙ってこれをアルミニウム合金等により形成さ
れる場合もある。そして、この場合には、シリンダボア
内壁の耐摩耗性を確保するために鋳鉄等、耐摩耗性に優
れた別の材料からなるシリンダライナによってシリンダ
ボアが形成される。
【0003】また、こうしたシリンダブロックには、複
数のシリンダボアを一括して囲む形状のウォータジャケ
ットが形成されており、このウォータジャケット内に冷
却水を流すことによって、エンジンの稼働に伴って高温
になるシリンダブロックを冷却するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
シリンダブロックでは、シリンダヘッドの取付側の端
部、すなわちシリンダボアの軸方向にあって燃焼室が形
成される側の端部が、エンジンの稼働に伴って高温とな
る。特に、各燃焼室により挟まれる部位、すなわちシリ
ンダボア間に位置する部位は一層高温になる。このた
め、シリンダブロックにおいては、こうした高温になる
部位とその他の部位との間の熱膨張量に差が生じるよう
になり、その熱膨張量の差によって、上記シリンダボア
の真円度が低下するようになる。
【0005】このようにシリンダボアの真円度が低下す
ると、同シリンダボアとピストン(ピストンリング)と
の間の面圧が低下してそのシール性が低下することとな
り、ひいてはオイル消費の増大を招くこととなる。
【0006】一方、ピストンリングの押圧力を大きく設
定してシリンダボアとの間の面圧を高めることにより、
ピストンリングとシリンダボアとの間のシール性を保つ
ようにすることも考えられる。ところが、こうした場合
には、これらピストンリングとシリンダボアとの間の摩
擦抵抗が必要以上に増大してしまい、燃費悪化を招くこ
ととなる。
【0007】なお、こうしたシリンダブロックにおける
熱膨張量の差は、上記ウォータジャケット内を流れる冷
却水の冷却効果により緩和されるようにはなるが、シリ
ンダボアの真円度の低下を好適に抑制する上では、なお
改良の余地を残すものとなっている。
【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、エンジン稼働時の熱膨張に
伴うシリンダボアの形状変化を抑制することのできるシ
リンダブロック及びエンジンの冷却構造を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。先
ず、請求項1に記載の発明は、シリンダブロック本体に
シリンダボアを形成する複数のシリンダライナが隣接し
て設けられてなるエンジンのシリンダブロックにおい
て、エンジン稼働時における温度分布に応じて前記シリ
ンダライナの肉厚を少なくともその軸方向において異な
らしめたことをその要旨とする。
【0010】上記構成によれば、少なくともその軸方向
におけるシリンダライナの肉厚を、エンジン稼働時の温
度分布に応じたかたちで設定することができ、シリンダ
ボア内壁の前記軸方向における熱膨張量の差を減少させ
ることができるようになる。従って、エンジン稼働時の
熱膨張に伴うシリンダボアの形状変化を抑制することが
できるようになる。
【0011】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載のシリンダブロックにおいて、前記複数のシリ
ンダライナは、前記シリンダブロック本体よりも熱膨張
係数が小さく、且つ前記シリンダブロック本体のシリン
ダヘッド取付面側ほど肉厚が厚く設定されてなることを
その要旨とする。
【0012】シリンダライナの熱膨張係数がシリンダブ
ロック本体の熱膨張係数に比して小さく設定される構成
にあっては、同シリンダライナの肉厚が厚く形成される
部位ほど、シリンダボア内壁における熱膨張量が小さく
なる。このため、エンジンの稼働に伴って高温となり易
いシリンダヘッド取付面側ほどシリンダライナの肉厚が
厚く設定される上記構成によれば、シリンダボア内壁に
おける熱膨張量の差を減少させて、同シリンダボアの形
状変化を好適に抑制することができるようになる。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載のシリンダブロックにおいて、前記シリンダライナ
は、それら互いに隣接する部位の肉厚が選択的に更に厚
く設定されてなることをその要旨とする。
【0014】シリンダボア内壁の周方向においてもエン
ジンの稼働時に温度差が生じ、特にシリンダボア間に位
置する部位が高温になる。この点、上記構成によれば、
こうした部位におけるシリンダライナの肉厚が厚く設定
されるようになり、周方向におけるシリンダボア内壁の
熱膨張量の差をも減少させて同シリンダボアの形状変化
を抑制することができるようになる。
【0015】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至3の何れかに記載のシリンダブロックにおいて、前記
複数のシリンダライナは、その肉厚が連続的に変化する
ことをその要旨とする。
【0016】例えば肉厚を、階段状に変化させる等、不
連続に変化させる場合には、肉厚が大きく変化する部位
の熱歪みが大きくなるおそれがある。この点、上記構成
によれば、こうした熱歪みの発生を好適に抑制すること
ができる。
【0017】また、請求項5記載の発明は、互いに隣接
する複数のシリンダボアの周りにウォータジャケットが
形成されたシリンダブロックに、シリンダヘッドがガス
ケットを介して取り付けられてなるエンジンの冷却構造
において、前記ウォータジャケットの開口の周囲を一括
して囲む第1のシール部と前記複数のシリンダボアの周
囲をシリンダボア毎に各別に囲む第2のシール部とを前
記ガスケットに設けるとともに、前記シリンダブロック
及び前記シリンダヘッドの間においてこれら各シール部
により区画される空間に前記ウォータジャケット内の冷
却水を導入するようにしたことをその要旨とする。
【0018】上記構成によれば、シリンダブロックとシ
リンダヘッドとの間において、特に高温となるシリンダ
ボアの周囲に位置する部位に冷却水が導入される冷却水
通路が形成されるようになる。このため、こうした部位
を、冷却水によって好適に冷却することができ、シリン
ダボア内壁における熱膨張量の差を減少させることがで
きるようになる。従って、エンジン稼働時の熱膨張に伴
うシリンダボアの形状変化を抑制することができるよう
になる。
【0019】また、請求項6記載の発明は、請求項5記
載のエンジンの冷却構造において、前記第2のシール部
は、前記複数のシリンダボアの間に位置する部分が前記
シリンダボアに対し選択的に近接するように前記ガスケ
ットに配設されてなることをその要旨とする。
【0020】上記構成によれば、シリンダボアの周囲の
うち、特に高温となるシリンダボア間に位置する部位に
おける冷却効果を高めることができ、シリンダボア内壁
における熱膨張量の差を減少させて、シリンダボアの熱
変形を好適に抑制することができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明を多気筒(例えば4気筒)エンジンのシリンダブロッ
クに適用した第1の実施の形態について、図1〜図6を
参照して説明する。
【0022】このエンジンの断面構造を図1に、同エン
ジンに採用されるシリンダブロックの平面図を図2に、
図2におけるシリンダボア間に位置する部位の拡大図を
図3にそれぞれ示す。なお、図1には便宜上、1気筒に
ついてのみその断面構造を示している。
【0023】同図1及び図2に示されるように、エンジ
ンは複数のシリンダボア11が形成されたシリンダブロ
ック10と、そのシリンダブロック10の上部にガスケ
ット30を介して取り付けられたシリンダヘッド20と
を備えている。
【0024】シリンダブロック10はアルミニウム合金
にて形成された本体10aと、アルミニウム合金と比較
して熱膨張係数の小さい鋳鉄により円管状に形成された
複数のシリンダライナ13とを備えている。図2に示さ
れるように、各シリンダライナ13は隣接しており、こ
れらシリンダライナ13の内周面によりシリンダボア1
1が形成されている。
【0025】シリンダボア11内には、ピストン14が
往復摺動可能に設けられており、このピストン14の上
面、シリンダボア11の内周面、並びにシリンダヘッド
20の下面により燃焼室16が形成されている。このピ
ストン14には、ピストンリング15が設けられてお
り、同ピストンリング15の外周面全周がシリンダライ
ナ13の内周面に押圧されることにより、シリンダボア
11内の燃焼ガスの漏れや同シリンダボア11内への潤
滑オイルの浸入が抑制される。
【0026】上記シリンダブロック10において、シリ
ンダボア11の周囲には周りを囲うようにしてウォータ
ジャケット17が形成されている。図2に示されるよう
に、このウォータジャケット17は、全シリンダボア1
1の周縁を囲むようにしてシリンダヘッド20の取付面
にて開口している。
【0027】ところで、図4に示すように、こうしたエ
ンジンのシリンダブロック10にあっては、燃焼室16
で発生する熱により、シリンダボア11の軸方向におけ
る燃焼室16側の端部がエンジンの稼働に伴って特に高
温になるとともに、同燃焼室16から離れるほど低温に
なる。そして、燃焼室16からある程度離れた部位にお
いては、その温度が比較的低温にて一定になる。
【0028】また、図5はシリンダボア11内壁の周方
向における温度分布を示しており、同図において矢印の
長さはその各部位における温度の高さを示している。こ
の図5に示すように、シリンダブロック10において各
燃焼室16に挟まれる部位は他の部位と比較して特に高
温になるとともに、同部位から離れた位置にある部位ほ
ど徐々にその温度が低くなる。
【0029】そこで、本実施の形態のシリンダブロック
10では、こうした温度のバラツキに伴う熱膨張量の差
を減少させるために、シリンダライナ13の各部位にお
ける肉厚を、エンジンの稼働時における温度分布に応じ
て異ならせるようにしている。図6(a),図6(b)
は、図2の6a−6a線,6b−6b線に沿ったシリン
ダブロック10の断面構造を示している。
【0030】すなわち、これら図2,図6(a),図6
(b)に示されるように、シリンダライナ13は、その
軸方向における肉厚が、シリンダボア11間に位置する
部位(図6(a)参照)及びそれ以外の部位(図6
(b)参照)において共に、上記温度が高くなる燃焼室
16側の端部にて厚く、同燃焼室16にあたる部分から
離れ、同温度が低くなる部位ほど薄く形成されている。
【0031】一方、図2に示されるように、シリンダラ
イナ13は、燃焼室16側の端部において、その周方向
における肉厚が、シリンダボア11間に位置して温度の
高くなる部位では厚く、同部位から離れ、温度が低くな
る部位ほど薄くなるように形成されている。
【0032】また、こうしたシリンダライナ13の軸方
向及び周方向における肉厚は、例えば以下に示すような
手順に従って連続的に変化するように設定されている。
すなわち、上記シリンダライナ13の各部位における肉
厚は、以下の関係が成り立つ寸法に設定される。 (Cb×Lb1+Cl×Ll1)×ΔT1≒(Cb×L
b2+Cl×Ll2)×ΔT2 上式において、「Cb」はブロック本体10aの熱膨張
係数であり、「Cl」はシリンダライナ13の熱膨張係
数であり、「Lb1」,「Ll1」は基準部位(シリン
ダボア11内にて任意に選択した部位)におけるブロッ
ク本体10a,シリンダライナ13の各肉厚(図3参
照)であり、「ΔT1」は基準部位のエンジンの稼働に
伴う温度上昇量であり、「Lb2」,「Ll2」は基準
部位以外の部位におけるブロック本体10a,シリンダ
ライナ13の各肉厚(図3参照)であり、「ΔT2」は
基準部位以外の部位のエンジンの稼働に伴う温度上昇量
である。また、上式において、左辺は基準部位での熱膨
張量であり、右辺は基準部位以外の熱膨張量である。
【0033】このようにシリンダライナ13の各部位に
おける肉厚は、上記ブロック本体10a及びシリンダラ
イナ13の熱膨張係数Cb,Clや、エンジンの稼働に
伴うブロック本体10a,シリンダライナ13の各部位
における温度上昇量ΔT1,ΔT2等に基づいて設定さ
れる。
【0034】このため、上記エンジンの稼働時において
温度が高くなる部位では、上記ブロック本体10aと比
較して熱膨張係数の小さいシリンダライナ13の肉厚が
厚く設定され、シリンダボア11内周壁の熱膨張量が比
較的小さくなる。これとは逆に、エンジンの稼働時にお
いて温度が低くなる部位では、シリンダライナ13の肉
厚が薄く設定され、シリンダボア11内周壁の熱膨張量
が比較的大きくなる。従って、シリンダボア11内周壁
の各部位において、その温度差に起因して生じる熱膨張
量の差が減少するようになる。
【0035】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、以下に記載する効果が得られるようになる。 (1)シリンダライナ13の軸方向における肉厚を、エ
ンジンの稼働時における温度分布に応じて異ならしめる
ようにしたために、この温度分布に応じたかたちでこれ
ら熱膨張係数の異なるブロック本体10a及びシリンダ
ライナ13の肉厚を設定することができ、シリンダボア
11内壁における熱膨張量の差を減少させることができ
るようになる。従って、エンジン稼働に伴うシリンダボ
ア11の形状変化を抑制することができるようになる。
【0036】(2)ブロック本体10aを形成するアル
ミニウム合金と比較して、熱膨張係数の小さい鋳鉄によ
りシリンダライナ13を形成するとともに、その軸方向
における肉厚を、エンジンの稼働時において高温となる
燃焼室16側の端部にて厚く、同燃焼室16にあたる部
分から離れ、同温度が低くなる部位ほど薄く設定するよ
うにした。このため、シリンダブロック10において高
温となる燃焼室16側の端部にて熱膨張量が小さくなる
一方、その他の低温となる部位においては熱膨張量が大
きくなる。従って、シリンダボア11内壁における熱膨
張量の差をその軸方向において減少させて同シリンダボ
ア11の形状変化を好適に抑制することができるように
なる。
【0037】(3)シリンダライナ13の肉厚をその周
方向において、シリンダボア11間に位置する部位では
厚く、同部位から離れた位置にある部位ほど薄く形成し
た。このため、シリンダボア11内壁の周方向における
熱膨張量の差をも減少させて、シリンダボア11の真円
度の低下を抑制することができるようになる。
【0038】(4)このようにシリンダライナ13の肉
厚をその軸方向並びに周方向において変化させる際に
は、同肉厚を連続的に変化させるように形成したため
に、こうした肉厚が変化する部位における熱歪みの発生
を好適に抑制することができる。
【0039】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2
の実施の形態について、図7及び図8を参照して説明す
る。なお、この図7において、先の図1又は図2に示し
た部材と同一若しくは対応する部材については同一の符
号を付して示しており、それら各部材についての重複す
る説明は割愛する。
【0040】さて、本実施の形態のエンジンでは、前記
シリンダブロック10及びシリンダヘッド20間におい
て、シリンダボア11を囲む位置に冷却水が導入される
冷却水通路が形成される。
【0041】図7に底面構造を示すように、ガスケット
30は、その大部分がシリンダヘッド20に接するよう
に配設される薄板状のガスケット本体31を備えてお
り、同ガスケット本体31には、各シリンダボア11の
開口に対応する形状の貫通孔32が設けられている。
【0042】そして、ガスケット本体31のシリンダブ
ロック10側に位置する面には、上記各貫通孔32の周
縁を囲む形状のシム33が設けられており、同シム33
によって前記燃焼室16内の燃焼ガスがシールされる構
造になっている。
【0043】一方、ガスケット本体31には、上記ウォ
ータジャケット17の開口より内側にてシリンダボア1
1を各別に囲むように、ビード34aがシリンダブロッ
ク10に向けて突出形成されている。また同様に、ガス
ケット本体31には、上記ウォータジャケット17の開
口の外周を囲むようにビード34bが突出形成されてい
る。
【0044】図8は図7の8−8線における断面構造を
示している。これら図7及び図8に示されるように、シ
リンダボア11間には、シリンダブロック10の上面、
両ビード34a,34b、及びガスケット本体31の下
面によって、冷却水通路18が形成されている。上記ビ
ード34aによって、冷却水通路18から燃焼室16内
への冷却水の漏れがシールされるとともに、上記ビード
34bによって、ウォータジャケット17内から前記エ
ンジン外への冷却水の漏れがシールされる。
【0045】また、本実施の形態では、エンジンの稼働
時におけるシリンダボア11周辺の温度分布に基づいて
上記ビード34aを配置して、上記冷却水通路18の通
路断面積を設定するようにしている。すなわち、図7に
示されるように、上記ビード34aを、エンジンの稼働
時における温度の高いシリンダボア11間において選択
的に同シリンダボア11の周縁近傍に配置するようにし
ている。
【0046】このため、シリンダブロック10の燃焼室
16側の端部において、シリンダボア11間に位置する
部位、すなわち特に高温となる部位における冷却効果が
高められる。
【0047】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、以下に記載する効果が得られるようになる。 (1)シリンダブロック10及びシリンダヘッド20間
において、シリンダボア11の周囲、すなわちエンジン
の稼働時に特に高温となる部位に、冷却水を導入する冷
却水通路18を形成するようにした。このため、こうし
た部位を冷却水によって好適に冷却することができ、シ
リンダボア11内壁における熱膨張量の差を減少させる
ことができるようになる。従って、エンジン稼働時の熱
膨張に伴うシリンダボアの形状変化を抑制することがで
きるようになる。
【0048】(2)また、ビード34aを、シリンダボ
ア11間に位置する部位において選択的に同シリンダボ
ア11の周縁近傍に配置するようにしたために、シリン
ダボア11の周囲において特に高温になるシリンダボア
11間に位置する部位における冷却水との接触面積が増
大し、同冷却水による冷却効果を他の部位に比して高め
ることができる。従って、シリンダボア11内壁におけ
る熱膨張量の差を減少させ同シリンダボア11の真円度
の低下を抑制することができるようになる。
【0049】(3)しかも、こうした冷却水通路18を
ガスケット30のビード34a,34bにより形成する
ために、シリンダブロック10に加工を施す必要が無
く、この加工に伴うシリンダブロックの強度低下や、そ
の強度低下に伴う変形を防止することができる。
【0050】なお、上記各実施の形態は、以下のように
その構成を変更して実施することもできる。 ・上記第1の実施の形態では、シリンダライナ13の肉
厚を連続的に変化するように形成したが、これを例え
ば、階段状等に変化させて形成するようにしてもよい。
【0051】・上記第1の実施の形態では、シリンダブ
ロック10をアルミニウム合金にて形成するとともに、
シリンダライナ13を鋳鉄にて形成するようにしたが、
これに限られない。すなわち、シリンダブロック及びシ
リンダライナを形成するそれぞれの材質の熱膨張係数に
基づいて、シリンダライナの各部位における肉厚を設定
するようにすれば、シリンダボア内壁における熱膨張量
の差を抑制することができる。
【0052】・上記各実施の形態では、4気筒のエンジ
ンに本発明を適用するようにしたが、例えば3気筒以下
や5気筒以上の多気筒エンジンに適用することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の断面構造を示す部
分断面図。
【図2】同実施の形態にかかるシリンダブロックの平面
図。
【図3】図2におけるシリンダボア間に位置する部位を
拡大して示す平面図。
【図4】シリンダボア内壁の軸方向における温度分布を
示すグラフ。
【図5】シリンダボア内壁の周方向における温度分布を
示すグラフ。
【図6】同実施の形態に採用されるシリンダライナの要
部断面構造を示す断面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に採用されるガスケ
ットの底面図。
【図8】図7の8−8線に沿った断面構造を示す断面
図。
【符号の説明】
10…シリンダブロック、10a…ブロック本体、11
…シリンダボア、13…シリンダライナ、14…ピスト
ン、15…ピストンリング、16…燃焼室、17…ウォ
ータジャケット、18…冷却水通路、20…シリンダヘ
ッド、30…ガスケット、31…ガスケット本体、32
…貫通孔、33…シム、34a,34b…ビード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 15/08 F16J 15/08 F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダブロック本体にシリンダボアを形
    成する複数のシリンダライナが隣接して設けられてなる
    エンジンのシリンダブロックにおいて、 エンジン稼働時における温度分布に応じて前記シリンダ
    ライナの肉厚を少なくともその軸方向において異ならし
    めたことを特徴とするシリンダブロック。
  2. 【請求項2】前記複数のシリンダライナは、前記シリン
    ダブロック本体よりも熱膨張係数が小さく、且つ前記シ
    リンダブロック本体のシリンダヘッド取付面側ほど肉厚
    が厚く設定されてなる請求項1記載のシリンダブロッ
    ク。
  3. 【請求項3】前記シリンダライナは、それら互いに隣接
    する部位の肉厚が選択的に更に厚く設定されてなる請求
    項2記載のシリンダブロック。
  4. 【請求項4】前記複数のシリンダライナは、その肉厚が
    連続的に変化する請求項1乃至3の何れかに記載のシリ
    ンダブロック。
  5. 【請求項5】互いに隣接する複数のシリンダボアの周り
    にウォータジャケットが形成されたシリンダブロック
    に、シリンダヘッドがガスケットを介して取り付けられ
    てなるエンジンの冷却構造において、 前記ウォータジャケットの開口の周囲を一括して囲む第
    1のシール部と前記複数のシリンダボアの周囲をそれら
    シリンダボア毎に各別に囲む第2のシール部とを前記ガ
    スケットに設けるとともに、前記シリンダブロック及び
    前記シリンダヘッドの間においてこれら各シール部によ
    り区画される空間に前記ウォータジャケット内の冷却水
    を導入するようにしたことを特徴とするエンジンの冷却
    構造。
  6. 【請求項6】前記第2のシール部は、前記複数のシリン
    ダボアの間に位置する部分が前記シリンダボアに対し選
    択的に近接するように前記ガスケットに配設されてなる
    請求項5記載のエンジンの冷却構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009509077A (ja) * 2005-06-29 2009-03-05 プジョー シトロエン オートモビル エス アー 内燃機関エンジンのシリンダースリーブ、およびこのシリンダースリーブが装着されたシリンダーブロック

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