JP2002097448A - シール部材 - Google Patents
シール部材Info
- Publication number
- JP2002097448A JP2002097448A JP2000286926A JP2000286926A JP2002097448A JP 2002097448 A JP2002097448 A JP 2002097448A JP 2000286926 A JP2000286926 A JP 2000286926A JP 2000286926 A JP2000286926 A JP 2000286926A JP 2002097448 A JP2002097448 A JP 2002097448A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- microcapsules
- oil
- rubber composition
- sealing member
- composition
- Prior art date
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- Pending
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- Sealing Material Composition (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 良好な潤滑性を長期間維持できるシール部材
を提供すること。 【解決手段】 オイルシール等のシール部材を形成する
組成物として、油を収納したマイクロカプセルを配合し
たゴム組成物を使用する。好ましくは、マイクロカプセ
ルは、ゴム組成物であるポリマー100重量部に対し
て、5〜50重量部配合される。
を提供すること。 【解決手段】 オイルシール等のシール部材を形成する
組成物として、油を収納したマイクロカプセルを配合し
たゴム組成物を使用する。好ましくは、マイクロカプセ
ルは、ゴム組成物であるポリマー100重量部に対し
て、5〜50重量部配合される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッキン及びオイ
ルシール等のシール部材に関するものである。
ルシール等のシール部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オイルシール等のシール部材の耐
摩耗性を向上させるために、シール部材を形成する組成
物として、潤滑剤を配合した組成物を使用し、シール部
材の使用時に潤滑剤が摺動面に染み出て潤滑を行なう構
成にしたものが知られている。そのような組成物は、例
えば特開平6−172770号公報に記載されている。
摩耗性を向上させるために、シール部材を形成する組成
物として、潤滑剤を配合した組成物を使用し、シール部
材の使用時に潤滑剤が摺動面に染み出て潤滑を行なう構
成にしたものが知られている。そのような組成物は、例
えば特開平6−172770号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、組成物中に潤滑剤を直接配合しているために、潤滑
剤が組成物に及ぼす影響によって組成物の引張強さ等の
物性の低下が生じたり、潤滑材の抽出に伴う密封性の低
下等が生じる恐れがあった。本発明は、このような問題
点を解決し、組成物に対して悪影響を及ぼすことがな
く、良好な潤滑性を長期間維持できるシール部材を提供
することを目的とするものである。
は、組成物中に潤滑剤を直接配合しているために、潤滑
剤が組成物に及ぼす影響によって組成物の引張強さ等の
物性の低下が生じたり、潤滑材の抽出に伴う密封性の低
下等が生じる恐れがあった。本発明は、このような問題
点を解決し、組成物に対して悪影響を及ぼすことがな
く、良好な潤滑性を長期間維持できるシール部材を提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明は、油を収納したマイクロカプセルを配合
したゴム組成物を使用したことを特徴とするシール部材
を提供する。ゴム組成物へのマイクロカプセルの配合量
は、前記ゴム組成物であるポリマー100重量部に対し
て、5〜50重量部とするのが好ましい。
めに、本発明は、油を収納したマイクロカプセルを配合
したゴム組成物を使用したことを特徴とするシール部材
を提供する。ゴム組成物へのマイクロカプセルの配合量
は、前記ゴム組成物であるポリマー100重量部に対し
て、5〜50重量部とするのが好ましい。
【0005】
【発明の作用および効果】本発明によれば、シール部材
とそれを装着する軸等の相手部材との間の相対摺動によ
ってシール部が摩耗すると、それに応じてマイクロカプ
セルが摩耗し、マイクロカプセル中の油が摺動面に染み
出て油膜を形成する。従って、潤滑性を確保して、摩耗
の増大、異音の発生および起動トルクの増大等の、潤滑
性の低下に伴う種々不都合を回避することができる。ま
た、マイクロカプセルの摩耗により摺動面に微細な凹凸
が形成され、その凹凸が油を保持するために、長期間の
潤滑性を確保することができる。さらに、マイクロカプ
セルが摩耗していない状態においては油はマイクロカプ
セルに収納されており、油が直接ゴム組成物中に配合さ
れているわけではないために、油がゴム組成物に及ぼす
影響によってゴム組成物の物性が低下するような不都合
は生じにくい。
とそれを装着する軸等の相手部材との間の相対摺動によ
ってシール部が摩耗すると、それに応じてマイクロカプ
セルが摩耗し、マイクロカプセル中の油が摺動面に染み
出て油膜を形成する。従って、潤滑性を確保して、摩耗
の増大、異音の発生および起動トルクの増大等の、潤滑
性の低下に伴う種々不都合を回避することができる。ま
た、マイクロカプセルの摩耗により摺動面に微細な凹凸
が形成され、その凹凸が油を保持するために、長期間の
潤滑性を確保することができる。さらに、マイクロカプ
セルが摩耗していない状態においては油はマイクロカプ
セルに収納されており、油が直接ゴム組成物中に配合さ
れているわけではないために、油がゴム組成物に及ぼす
影響によってゴム組成物の物性が低下するような不都合
は生じにくい。
【0006】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の実施形
態のシール部材を示している。このシール部材は、断面
L字状の金属補強環1のまわりにゴム組成物を加硫接着
して形成したオイルシールとして構成されており、外周
部2と、環状のリップ3が形成されている内周部4と、
外周部2と内周部4とを連結しリップ3を径方向へ弾性
的に移動可能に支持する支持部5とを有し、リップ3の
先端3aを相手部材である軸(図示されていない)に摺
接させてその軸のまわりに相対回転可能に装着されるよ
うになっている。上記金属補強環1のまわりに加硫接着
されたゴム組成物には、油を収納したマイクロカプセル
6が配合されている。
態のシール部材を示している。このシール部材は、断面
L字状の金属補強環1のまわりにゴム組成物を加硫接着
して形成したオイルシールとして構成されており、外周
部2と、環状のリップ3が形成されている内周部4と、
外周部2と内周部4とを連結しリップ3を径方向へ弾性
的に移動可能に支持する支持部5とを有し、リップ3の
先端3aを相手部材である軸(図示されていない)に摺
接させてその軸のまわりに相対回転可能に装着されるよ
うになっている。上記金属補強環1のまわりに加硫接着
されたゴム組成物には、油を収納したマイクロカプセル
6が配合されている。
【0007】図示実施例のシール部材は、油を収納した
マイクロカプセルを配合したゴム組成物を、成形技術を
利用して金属補強環1のまわりに加硫接着したオイルシ
ールとして構成されており、マイクロカプセル6は、外
周部2、内周部4および支持部3を含むゴム組成物全体
に配合されている。しかしながら、場合によっては、シ
ール部材の、相手部材と摺接するシール部のみ、即ち図
示実施例のオイルシールの場合には軸と摺接するリップ
3の先端3a付近のみ、にマイクロカプセル6を配合し
た構成にしてもよい。
マイクロカプセルを配合したゴム組成物を、成形技術を
利用して金属補強環1のまわりに加硫接着したオイルシ
ールとして構成されており、マイクロカプセル6は、外
周部2、内周部4および支持部3を含むゴム組成物全体
に配合されている。しかしながら、場合によっては、シ
ール部材の、相手部材と摺接するシール部のみ、即ち図
示実施例のオイルシールの場合には軸と摺接するリップ
3の先端3a付近のみ、にマイクロカプセル6を配合し
た構成にしてもよい。
【0008】
【実例】本発明者等は、本発明の効果を確認するための
試験を行なった。この試験においては、エンジン油を収
納したマイクロカプセルをゴム組成物であるNBRのオ
イルシール材に配合し、軸径50mmの軸に嵌装するオ
イルシールを成形した。オイルシールの構成は、図1に
示したものと同様であり、マイクロカプセルの配合量
(phr:即ち、ゴム100重量部に対するマイクロカ
プセルの配合量)を種々に変化させてサンプル1〜5を
製造した。また、比較例として、マイクロカプセルを配
合しない従来構成のものを、サンプル6として製造し
た。使用したマイクロカプセルは、(株)日本カプセル
プロダクツ製で、大きさが5〜10μmであり、壁材が
メラミン樹脂からなり、壁材の重量が30〜40wt%
のものであった。そのマイクロカプセルは、カーボンブ
ラック等の他の配合薬品と同様に混練りした。
試験を行なった。この試験においては、エンジン油を収
納したマイクロカプセルをゴム組成物であるNBRのオ
イルシール材に配合し、軸径50mmの軸に嵌装するオ
イルシールを成形した。オイルシールの構成は、図1に
示したものと同様であり、マイクロカプセルの配合量
(phr:即ち、ゴム100重量部に対するマイクロカ
プセルの配合量)を種々に変化させてサンプル1〜5を
製造した。また、比較例として、マイクロカプセルを配
合しない従来構成のものを、サンプル6として製造し
た。使用したマイクロカプセルは、(株)日本カプセル
プロダクツ製で、大きさが5〜10μmであり、壁材が
メラミン樹脂からなり、壁材の重量が30〜40wt%
のものであった。そのマイクロカプセルは、カーボンブ
ラック等の他の配合薬品と同様に混練りした。
【0009】上記サンプル1〜6を使用し、回転試験と
密封試験を行った。回転試験は、サンプル1〜6のオイ
ルシールを軸に装着し、ドライの状態(即ち、軸を脱脂
した状態)として、回転数4500rpmで5分間軸を
回転させ、回転させるに要した回転トルク(Ncm:即
ちニュートンcm)と、リップの摩耗幅(即ち、図1の
Mで示した幅)を測定することにより行った。密封試験
は、上記サンプル1〜6のオイルシールをそれぞれを1
0個づつ用意して軸に装着し、油漏れしたオイルシール
の数を測定することにより行った。この密封試験では、
グレード10W−30のエンジン油を使用し、エンジン
油の温度を100℃とし、軸を回転数4500rpmで
200時間連続回転させて、上記したように油漏れした
オイルシールの数を測定した。試験結果は、次表に示さ
れている。
密封試験を行った。回転試験は、サンプル1〜6のオイ
ルシールを軸に装着し、ドライの状態(即ち、軸を脱脂
した状態)として、回転数4500rpmで5分間軸を
回転させ、回転させるに要した回転トルク(Ncm:即
ちニュートンcm)と、リップの摩耗幅(即ち、図1の
Mで示した幅)を測定することにより行った。密封試験
は、上記サンプル1〜6のオイルシールをそれぞれを1
0個づつ用意して軸に装着し、油漏れしたオイルシール
の数を測定することにより行った。この密封試験では、
グレード10W−30のエンジン油を使用し、エンジン
油の温度を100℃とし、軸を回転数4500rpmで
200時間連続回転させて、上記したように油漏れした
オイルシールの数を測定した。試験結果は、次表に示さ
れている。
【0010】
【表1】
【0011】図3及び図4は、上記表に示された試験結
果に基づき、マイクロカプセル配合量(phr)と摩耗幅
(mm)との関係、及びマイクロカプセル配合量(ph
r)と回転トルク(Ncm)との関係を、それぞれグラ
フで示したものである。上記表、及び図3、図4から分
るように、マイクロカプセルの配合量が5phrより小
さいと、摩耗幅と回転トルクが急激に増大し、従って潤
滑性が急激に低下した。またマイクロカプセルの配合量
が50phrより大きくなると、密封性が低下した。こ
の密封性の低下は、マイクロカプセルの摩耗により生じ
た凹凸が多くなったためと考えられる。従って、マイク
ロカプセルの配合量は、5〜50phrとするのが好ま
しい。さらに好ましいマイクロカプセルの配合量は、2
0phr〜40phrである。この配合量では、摩耗幅
と回転トルクとが特に小さく、しかも密封性の低下が生
じない。
果に基づき、マイクロカプセル配合量(phr)と摩耗幅
(mm)との関係、及びマイクロカプセル配合量(ph
r)と回転トルク(Ncm)との関係を、それぞれグラ
フで示したものである。上記表、及び図3、図4から分
るように、マイクロカプセルの配合量が5phrより小
さいと、摩耗幅と回転トルクが急激に増大し、従って潤
滑性が急激に低下した。またマイクロカプセルの配合量
が50phrより大きくなると、密封性が低下した。こ
の密封性の低下は、マイクロカプセルの摩耗により生じ
た凹凸が多くなったためと考えられる。従って、マイク
ロカプセルの配合量は、5〜50phrとするのが好ま
しい。さらに好ましいマイクロカプセルの配合量は、2
0phr〜40phrである。この配合量では、摩耗幅
と回転トルクとが特に小さく、しかも密封性の低下が生
じない。
【図1】本発明の実施形態のシール部材を示す断面図で
ある。
ある。
【図2】図1のA部を拡大して示す図である。
【図3】試験結果に基づき作成した、マイクロカプセル
配合量とリップの摩耗幅との関係を示すグラフである。
配合量とリップの摩耗幅との関係を示すグラフである。
【図4】試験結果に基づき作成した、マイクロカプセル
配合量と回転トルクとの関係を示すグラフである。
配合量と回転トルクとの関係を示すグラフである。
1 金属補強環 2 外周部 3 リップ 4 内周部 5 支持部 6 マイクロカプセル
Claims (2)
- 【請求項1】 油を収納したマイクロカプセルを配合し
たゴム組成物を使用したことを特徴とするシール部材。 - 【請求項2】 請求項1に記載のシール部材において、
前記ゴム組成物であるポリマー100重量部に対して、
5〜50重量部のマイクロカプセルが配合されているこ
とを特徴とするシール部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000286926A JP2002097448A (ja) | 2000-09-21 | 2000-09-21 | シール部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000286926A JP2002097448A (ja) | 2000-09-21 | 2000-09-21 | シール部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002097448A true JP2002097448A (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18770765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000286926A Pending JP2002097448A (ja) | 2000-09-21 | 2000-09-21 | シール部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002097448A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022500326A (ja) * | 2018-09-11 | 2022-01-04 | アプター フランス エスアーエス | 液体ディスペンサ用のバルブガスケット及び計量バルブ |
-
2000
- 2000-09-21 JP JP2000286926A patent/JP2002097448A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022500326A (ja) * | 2018-09-11 | 2022-01-04 | アプター フランス エスアーエス | 液体ディスペンサ用のバルブガスケット及び計量バルブ |
JP7427674B2 (ja) | 2018-09-11 | 2024-02-05 | アプター フランス エスアーエス | 液体ディスペンサ用のバルブガスケット及び計量バルブ |
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