JP2003227522A - 軸受密封装置 - Google Patents

軸受密封装置

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JP2003227522A
JP2003227522A JP2002027169A JP2002027169A JP2003227522A JP 2003227522 A JP2003227522 A JP 2003227522A JP 2002027169 A JP2002027169 A JP 2002027169A JP 2002027169 A JP2002027169 A JP 2002027169A JP 2003227522 A JP2003227522 A JP 2003227522A
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bearing
seal lip
lip portion
seal
sealing device
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JP2002027169A
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Tatsuya Omoto
達也 大本
Takashi Yagi
隆司 八木
Takuya Ishii
卓哉 石井
Akihiro Ishida
顕啓 石田
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NTN Corp
Keeper Co Ltd
Original Assignee
NTN Corp
Keeper Co Ltd
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールリップ部の周速や軸径が大きくなって
も、低発熱であり、かつ、確実な防水効果を発揮し得る
安価な軸受密封装置を提供することにある。 【解決手段】 内輪2の軌道面と外輪3の軌道面との間
に複数の円すいころ4を、保持器5により円周所定間隔
に支持した状態で転動自在に配した軸受1において、内
輪2の軸端部外周面または外輪3の軸端部内周面のいず
れか一方に装着され、軸受1の軸方向両端開口部を遮蔽
して内輪2と外輪3間の軸受内部空間をシールするシー
ルリップ部7と、そのシールリップ部7と摺接する接触
面8とで構成され、シールリップ部7の接触部位に四弗
化エチレン樹脂からなるシール材10を貼着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軸受密封装置に関
し、例えば金属材料を圧延するためのロールの軸方向端
部を回転自在に支持する軸受において、その軸方向開口
端部を密封して内部空間に水が浸入することを防止し得
る軸受密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄、非鉄金属を含む金属材料を圧
延するためのロールは、その軸方向両端部に同軸上に設
けたロールネックと称される円柱部を、例えば複列円す
いころ軸受を介して回転自在に支承した構造を有する。
【0003】この複列円すいころ軸受は、ロールネック
に外嵌固定した内輪と、ハウジングに内嵌固定した外輪
と、内輪の外周面に形成した軌道面と外輪の内周面に形
成した軌道面との間に転動自在に配された複数の円すい
ころと、これら円すいころを収容する複数のポケットを
円周所定間隔で有する保持器とを主要部として構成され
ている。この種の圧延機ロールネック用軸受では、圧延
水や冷却水が軸受内部に浸入することを防止するために
密封装置を具備しているのが一般的である。
【0004】この密封装置は、軸受の軸方向両端開口部
を遮蔽して内輪と外輪間の軸受内部空間をシールするシ
ールリップ部を接触面に摺接させる接触シール構造より
も、圧延機の高速化に伴うシールリップ部の周速アップ
から、非接触のラビリンスシール構造のものが賞用され
ている(実開平2−124319号公報)。また、常
時、非接触状態にあるラビリンスシール構造の密封装置
以外にも、高速回転時のみ非接触となるシール構造のも
のがある(特開平7−332377号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した実
開平2−124319号公報に開示されたラビリンスシ
ール構造のものや、特開平7−332377号公報に開
示されたシール構造のものでは、シールリップ部が常に
接触する接触シール構造のものと比較しても、その密封
性が劣ることは明らかである。また、構造が複雑で作業
性が悪く、部品点数が多くて高価になるという問題があ
った。
【0006】一方、シールリップ部の摺接部位での周速
が例えば16m/s以下のように低レベルの場合には、
ニトリルゴム(NBR)を用いたS型オイルシールと称
されるシール構造のものが使用されている。しかしなが
ら、圧延機の高速化に伴い、シールリップ部の周速(以
下、シールリップ部の周速と表記するときは、その摺接
部位での周速を意味する。)が例えば25m/s程度に
達してくると、ニトリルゴムを用いたシール構造では、
シールリップ部の周速が許容限度を超えるため、シール
リップ部の摺接部位での発熱が大きくなりすぎて、ニト
リルゴムの物性許容限度を超える。このことから、前述
したシール構造では圧延機の高速化に対応することが困
難である。
【0007】そこで、前記低レベルを超えるような周速
を持つシール構造では、フッ素ゴムからなるシールリッ
プ部を使用している場合がある。このフッ素ゴムを用い
たシールリップ部の場合には、耐熱限界は高いが、シー
ルリップ部の周速アップに伴ってそのシールリップ部の
摺接部位での発熱が大きくなる。そのため、軸受として
の温度上昇が大きく、潤滑油の劣化、内外輪の寸法変化
(軌道面の変形)を招き、また、高価な密封装置となる
ため、圧延機の高速化によりシールリップ部の周速が例
えば25m/sにまで達するような場合には、フッ素ゴ
ムを用いたシール構造は適さないというのが現状であ
る。
【0008】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、シールリップ
部の周速や軸径が大きくなっても、低発熱であり、か
つ、確実な防水効果を発揮し得る安価な軸受密封装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、内輪の軌道面と外輪の
軌道面との間に複数の転動体を、保持器により円周所定
間隔に支持した状態で転動自在に配した軸受において、
前記内輪の軸端部外周面または外輪の軸端部内周面のい
ずれか一方に装着され、前記軸受の軸方向両端開口部を
遮蔽して内輪と外輪間の軸受内部空間をシールするシー
ルリップ部と、そのシールリップ部と摺接する接触面と
で構成され、前記シールリップ部の接触部位に、四弗化
エチレン樹脂からなるシール材を貼着したことを特徴と
する。
【0010】前述したシールリップ部は、内輪の軸端部
外周面または外輪の軸端部内周面のいずれか一方に装着
され、例えば外輪の軸端部内周面に装着された場合、内
輪の軸端部外周面の軸方向両端が、シールリップ部と摺
接する接触面となる。この軸受密封装置は、圧延機ロー
ルネック用軸受に適用することが可能である。なお、シ
ールリップ部は、安価なニトリル系ゴムで構成すること
が望ましい。
【0011】ここで、シールリップ部に貼着されるシー
ル材に用いられる四弗化エチレン樹脂(PTFE)は、
シールリップ部のシール材が接触面に対して摺動する
と、そのシール材が極微小量だけ剥離し、その微小な四
弗化エチレン樹脂成分で接触面上をコーティングするた
め、耐摩耗性に優れ、低発熱である。その結果、シール
リップ部の周速が例えば25m/s以上、軸径サイズが
φ300mm以上に大きくなっても、摺動発熱を最高常
用温度で90〜120℃程度に抑制しながら密封性を確
保することができ、この低発熱の特徴から軸受の温度上
昇が小さく、軸受潤滑油(グリースを含む)の劣化防
止、内外輪の寸法変化(軌道面の変形)を抑制できる。
【0012】シールリップ部に四弗化エチレン樹脂から
なるシール材を貼着する場合、軸偏心に対する追従性の
面から、シール材を極力薄くする必要がある。また、局
部的な変形によるシール性の低下を防止するためにシー
ル材の厚みの均一性も必要である。軸径サイズが例えば
φ300mmを超える場合でも使用可能とするために
は、軸偏心に対する追従性を考慮した場合、シールリッ
プ部のシール材は、0.8mm以下の厚みとすることが
望ましい。
【0013】シールリップ部のシール材は、耐摩耗性の
向上を図る点を考慮すれば、充填材を含有することが望
ましい。このシールリップ部の摺接部位に水が介在した
時に低摩耗性を有する充填材としては黒鉛が一般的に知
られているが、水が切れて無潤滑に近い状態になった場
合、補強効果に乏しく、極端に摩耗量が増加する場合が
ある。このような場合でも耐摩耗性を十分維持し得る充
填材としては、ガラス繊維または炭素繊維が好適であ
る。
【0014】軸受の内部すきま、ハウジングとロールの
嵌め合いすきま、各部品の製造公差からシールリップ部
と接触面との間に偏心が生じ、軸径サイズが例えばφ3
00mmを超える場合、その偏心量は大きくなる。軸偏
心に対する追従性を考慮した場合、シール材の摩耗の観
点からシールリップ部の締め代をシール材の厚みよりも
小さく設定すると、軸偏心時の密封性を確保することが
困難となる。そこで、軸偏心時での密封性を確保する点
から、シールリップ部の締め代を1.0mm以上とする
ことが望ましい。ここで、締め代とは、軸受直径に対す
る締め代を意味する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は圧延機ロールネック用軸受
に適用した本発明の実施形態を示す。図2は図1の要部
拡大断面図で、軸受の端部に設けられた密封装置を示
す。図3は図2の要部拡大断面図で、シールリップ部を
示す。
【0016】例えば製鉄所に設置された圧延機のロール
ネックを回転自在に支承する、例えば複列円すいころ軸
受1は、ロールネックに外嵌固定した内輪2と、ハウジ
ングに内嵌固定した外輪3と、内輪2の外周面に形成し
た軌道面と外輪3の内周面に形成した軌道面との間に転
動自在に配された複数の円すいころ4と、これら円すい
ころ4を収容する複数のポケットを円周所定間隔で有す
る保持器5とを主要部として構成され、その軸方向両端
部に、圧延水や冷却水が軸受内部に浸入することを防止
するための密封装置6を具備する。
【0017】この密封装置6は、外輪3の軸端部内周面
に装着され、軸受1の軸方向両端開口部を遮蔽して内輪
2と外輪3間の軸受内部空間をシールするシールリップ
部7と、内輪2の軸端部外周面に形成され、シールリッ
プ部7と摺接する接触面8とで構成された接触シール構
造を有する。
【0018】このシールリップ部7の基端部位には金属
環9が埋設され、その金属環9によって基端部位が補強
されている。また、シールリップ部7はニトリル系ゴム
(例えばNBR)からなり、基端部位の金属環9の外周
にニトリル系ゴムを配することにより、外輪3の軸端部
内周面との嵌合部位でのシール性を確保するようにして
いる。
【0019】シールリップ部7の摺接部位、つまり、内
輪2の軸端部外周面にある接触面8と摺接する部位に、
四弗化エチレン樹脂からなるシール材10を貼着する。
なお、前述した内輪2の接触面8が摩耗あるいは偏心し
ても、シールリップ部7を確実に追従させる必要がある
ことから、シールリップ部7の摺接部位の外周にバネ1
1を装着し、そのバネ11の弾性力によりシールリップ
部7を内輪2の接触面8側へ加圧するようにしている。
【0020】ここで、シールリップ部7に貼着されるシ
ール材10に用いられる四弗化エチレン樹脂(PTF
E)は、シールリップ部7のシール材10が接触面8に
対して摺動すると、そのシール材10が極微小量だけ剥
離し、その微小な四弗化エチレン樹脂成分が接触面8上
をコーティングするため、耐摩耗性に優れ、低発熱であ
る。その結果、シールリップ部7の周速が例えば25m
/s以上、軸径サイズがφ300mm以上に大きくなっ
ても、摺動発熱を抑制しながら密封性を確保することが
でき、この低発熱の特徴から軸受1の温度上昇が小さ
く、軸受潤滑油(グリースを含む)の劣化防止、内輪2
および外輪3の寸法変化(軌道面の変形)を抑制でき
る。
【0021】シールリップ部7に四弗化エチレン樹脂製
のシール材10を貼着する場合、軸偏心に対する追従性
の面から、シール材10を極力薄くする。また、局部的
な変形によるシール性の低下を防止するためにシール材
10の厚みの均一性が必要である。さらに、軸径サイズ
がφ300mmを超える場合でも使用可能とするために
は、軸偏心に対する追従性を考慮した場合、シールリッ
プ部7のシール材10は、0.8mm以下の厚みとす
る。なお、その軸偏心時での密封性を確保する点で、シ
ールリップ部7の締め代は1.0mm以上とする。
【0022】シールリップ部7のシール材10は、耐摩
耗性の向上を図る点を考慮して、充填材を含有させる。
耐摩耗性を十分維持し得る充填材としては、ガラス繊
維、炭素繊維、黒鉛、カーボン、炭酸カルシウム、マイ
カ、ウィスカ、ブロンズ等の金属粉末、ポリイミド等の
樹脂粉末などが挙げられる。特に、繊維状であるために
補強効果が高く、耐摩耗性に優れたガラス繊維または炭
素繊維が好ましく、コスト面においてはガラス繊維が好
適である。
【0023】これらガラス繊維、炭素繊維の繊維長は、
厚みが0.8mm以下のシール材10に対応させるた
め、少なくとも0.8mm以下とする必要があり、さら
に、0.4mm以下の繊維長とすると、安定した物性、
耐摩耗性を有する0.5〜0.8mm厚さのシール材1
0を得ることができる。なお、ガラス繊維の場合は吸水
性がないために安定して成形体が得られる。また、炭素
繊維の場合はグレードにより吸水率が異なるために低吸
水のものを採用する必要がある。
【0024】
【実施例】[実験例1]四弗化エチレン樹脂からなるシ
ール材10を貼着したニトリルゴム製のシールリップ部
7を使用した実施例と、フッ素ゴムからなるシールリッ
プ部を使用した比較例について、発熱性に関する比較試
験を行った。その試験結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】この実験例1では、シール単体での試験で
あり、表1に示すようにフッ素ゴム製のシールリップ部
を使用した場合(比較例)、周速が20m/sでシール
リップ部の温度が130℃を超えていることから、その
シールを軸受に取り付けるとすると、軸受自体の発熱も
加わり、軸受の耐熱処理や特殊高温用グリースを必要と
することが予想される。これに対して、四弗化エチレン
樹脂製のシール材10を貼着したシールリップ部7を使
用した場合(実施例)、いずれの周速についてもシール
リップ部7の発熱が抑制されていることが明らかであ
る。なお、前述した実施例におけるシール材10に、充
填剤としてガラス繊維を含有させた場合も、同様の試験
結果が得られた。
【0027】[実験例2]四弗化エチレン樹脂からなる
シール材10を貼着したニトリルゴム製のシールリップ
部7を使用した実施例と、ラビリンスシール構造を採用
した比較例について、最大周速34.4m/sでの水掛
け運転において、発熱性(軸受温度)および密封性(潤
滑グリース含水量)に関する比較試験を行った。その試
験結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】なお、この比較試験で使用した実施例で
は、シールリップ部7および内輪2の接触面8を脱脂
し、軸受1の組み立て後に内輪2またはシールリップ部
7を数回転だけ回転させ、内輪2の接触面8にシール材
10の四弗化エチレン樹脂成分のコーティングを予め形
成しておき、軸受1の分解後、シールリップ部7および
接触面8にグリースを塗布した。また、シールリップ部
7の逆サイドには、非接触の副リップ部を付けた形状と
し、シール材部位での油膜が切れないようにグリース溜
りを設けた。
【0030】また、シールリップ部7が摺接する内輪2
の接触面8が摩耗、偏心しても追従性を確保するために
バネ11により圧力を掛けるようにしているが、この実
施例では、シール材10について温度と滑り速度により
許容面圧が存在する。そのため、ロールネック用軸受の
使用環境上からのシール材10の許容面圧とシールリッ
プ部7の追従性から、内輪2の外径寸法がφ365.0
mmに対して、バネ装着前のシールリップ部寸法をφ3
64.3mm、バネ装着後のシールリップ部寸法をφ3
63.4mmとし、設計上の緊迫力を10kgfとし
た。
【0031】この実験例2では、表2に示すようにラビ
リンスシール構造の場合(比較例)、7時間後で30%
の含水量となったのに対して、四弗化エチレン樹脂製の
シール材10を貼着したシールリップ部7を使用した場
合(実施例)、50時間後で2%の含水量となっている
ことから、実施例は比較例と比べても良好な密封性を有
することが明らかである。なお、シール材10自体の異
常な摩耗もなかった。また、実施例では軸受温度が10
0℃を超えることがなく、温度的に軸受1に悪影響を及
ぼすことがないことは明らかである。これに対して、比
較例では、運転7時間で潤滑不良による異常振動が発生
して停止した。
【0032】[実験例3]軸径サイズがφ365mmの
圧延機ロールネック用軸受に適用されるシールに関する
密封性の比較試験で、周速33m/s、軸偏心量0.2
mmと0.4mmの場合と、周速25m/s、軸偏心量
0.4mmの場合について、シール材10の厚みとシー
ルリップ部7の締め代との関係を調べた。シール材10
の厚みは、0.5、0.6、0.8、1.0の4種を用
意し、シールリップ部7の締め代は、バネ装着後の締め
代とした。その試験結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】この実験例3では、表3に示す試験結果か
ら明らかなようにシール材10の厚みが0.8mm以下
で、シールリップ部7の締め代が1.0mm以上のも
の、つまり、シール材10の厚みが0.5mmで、シー
ルリップ部7の締め代が1.6mmのもの、シール材1
0の厚みが0.6mmで、シールリップ部7の締め代が
1.4mmのものについて密封性がよいことが確認され
た。
【0035】[実験例4]最大周速34.4m/sでの
水掛け運転において、軸受内部のラジアルすきまを0.
28mm、軸受1とハウジングの嵌め合いすきまを0.
10mm、軸受1とロールの嵌め合いすきまを0.20
mmとし、シール材10の厚みが0.5mmのシールリ
ップ部7について、バネ装着後の締め代を1.3mmと
した実施例と、バネ装着後の締め代を0.8mmとした
比較例とに基づいて、発熱性(軸受温度)および密封性
(潤滑グリース含水量)に関する比較試験を行った。そ
の試験結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】この実験例4では、表4に示すようにシー
ルリップ部の締め代が0.8mmの比較例は、50時間
後の含水量が20%であったのに対して、シールリップ
部7の締め代が1.3mmの実施例は、50時間後の含
水量が2%で密封性がよく、軸受温度も100℃以下で
低かったことが確認された。なお、前述した実施例にお
けるシール材に、0.4mm未満の繊維長を有するガラ
ス繊維を充填剤として含有させた場合も、同様の試験結
果が得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、シールリップ部を接触
面に摺接させた接触シール構造において、そのシールリ
ップ部の接触部位に、四弗化エチレン樹脂からなるシー
ル材を貼着したことにより、シールリップ部の周速や軸
径が大きくなっても、低発熱であることから、軸受の内
外輪や潤滑剤(グリース、油)の寿命を向上させること
ができる。また、確実な防水効果を発揮させることがで
きることから、水の浸入から生じる潤滑不良による軸受
損傷を防止でき、軸受寿命を向上させることができる。
【0039】一方、シール材の厚みの上限とシールリッ
プ部の締め代の下限を規定したことにより、軸受の設
計、製造上やむを得ず発生するシールリップ部の偏心を
許容できて十分な密封性を確保することができる。ま
た、シール材に充填剤を含有させることで、圧延機ロー
ルネック用軸受に適用できるサイズのシール材をより一
層容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延機ロールネック用軸受に適用した本発明の
実施形態を示す部分断面図である。
【図2】図1において、軸受の端部に設けられた密封装
置を示す要部拡大断面図である。
【図3】図2のシールリップ部を示す要部拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 軸受 2 内輪 3 外輪 4 転動体(円すいころ) 5 保持器 6 密封装置 7 シールリップ部 8 接触面 10 シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 隆司 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 (72)発明者 石井 卓哉 三重県員弁郡東員町大字穴太970 エヌテ ィエヌ精密樹脂株式会社内 (72)発明者 石田 顕啓 神奈川県藤沢市辻堂神台2丁目4番36号 キーパー株式会社内 Fターム(参考) 3J016 AA04 BB03 CA02 CA06 CA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に複
    数の転動体を、保持器により円周所定間隔に支持した状
    態で転動自在に配した軸受において、前記内輪の軸端部
    外周面または外輪の軸端部内周面のいずれか一方に装着
    され、前記軸受の軸方向両端開口部を遮蔽して内輪と外
    輪間の軸受内部空間をシールするシールリップ部と、そ
    のシールリップ部と摺接する接触面とで構成され、前記
    シールリップ部の摺接部位に、四弗化エチレン樹脂から
    なるシール材を貼着したことを特徴とする軸受密封装
    置。
  2. 【請求項2】 前記シールリップ部のシール材は、0.
    8mm以下の厚みを有することを特徴とする請求項1に
    記載の軸受密封装置。
  3. 【請求項3】 前記シールリップ部のシール材は、充填
    材を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    軸受密封装置。
  4. 【請求項4】 前記充填材は、ガラス繊維または炭素繊
    維であることを特徴とする請求項3に記載の軸受密封装
    置。
  5. 【請求項5】 前記シールリップ部の締め代を1.0m
    m以上としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の軸受密封装置。
  6. 【請求項6】 前記シールリップ部をニトリル系ゴムで
    構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載の軸受密封装置。
  7. 【請求項7】 前記軸受が圧延機ロールネック用軸受で
    あることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載
    の軸受密封装置。
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