JP2002097259A - 脂環式構造含有重合体の製造方法 - Google Patents
脂環式構造含有重合体の製造方法Info
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- JP2002097259A JP2002097259A JP2000292437A JP2000292437A JP2002097259A JP 2002097259 A JP2002097259 A JP 2002097259A JP 2000292437 A JP2000292437 A JP 2000292437A JP 2000292437 A JP2000292437 A JP 2000292437A JP 2002097259 A JP2002097259 A JP 2002097259A
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- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 反応溶液に含まれる揮発性成分を短時間で除
去でき、その結果、得られる重合体の分子量低下を抑制
でき、しかも揮発性成分残留量を十分に低減できる、光
学材料等に好適な脂環式構造含有重合体を製造する方法
の提供。 【解決手段】 スクリューを有する加熱シリンダーを備
えた溶媒除去装置またはプレートフィン型熱交換器を備
えた溶媒除去装置を用いて、脂環式構造含有重合体を含
む反応溶液を加熱することにより、前記反応溶液に含ま
れる揮発性成分の一部を除去して重合体を70〜99.
5重量%含有する濃縮溶液を得る予備濃縮工程と、前記
濃縮溶液に含まれる揮発性成分の残部を除去することに
より、重合体濃度を99.5重量%超にして重合体を回
収する乾燥工程とを有する脂環式構造含有重合体の製造
方法。
去でき、その結果、得られる重合体の分子量低下を抑制
でき、しかも揮発性成分残留量を十分に低減できる、光
学材料等に好適な脂環式構造含有重合体を製造する方法
の提供。 【解決手段】 スクリューを有する加熱シリンダーを備
えた溶媒除去装置またはプレートフィン型熱交換器を備
えた溶媒除去装置を用いて、脂環式構造含有重合体を含
む反応溶液を加熱することにより、前記反応溶液に含ま
れる揮発性成分の一部を除去して重合体を70〜99.
5重量%含有する濃縮溶液を得る予備濃縮工程と、前記
濃縮溶液に含まれる揮発性成分の残部を除去することに
より、重合体濃度を99.5重量%超にして重合体を回
収する乾燥工程とを有する脂環式構造含有重合体の製造
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色調などに優れる
光学用成形体の材料として好適な脂環式構造含有重合体
の製造方法に関する。
光学用成形体の材料として好適な脂環式構造含有重合体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネン系重合体などの脂環式構造
含有重合体は、透明性に優れ、光学材料などに適した材
料である。ノルボルネン系重合体は、有機溶媒を用いた
溶液重合により製造することができるが、光学材料など
として使用するには、反応後の溶液中から溶媒その他の
揮発性成分を除去した後に、加熱溶融成形などにより成
形体にする必要がある。
含有重合体は、透明性に優れ、光学材料などに適した材
料である。ノルボルネン系重合体は、有機溶媒を用いた
溶液重合により製造することができるが、光学材料など
として使用するには、反応後の溶液中から溶媒その他の
揮発性成分を除去した後に、加熱溶融成形などにより成
形体にする必要がある。
【0003】光学材料などの異物の混入を嫌う用途に使
用するために、反応溶液中から揮発性成分を除去する方
法としては、貧溶媒などを用いた凝固法を使用せずに、
反応溶液を常圧以下で加熱して溶媒を除去する直接乾燥
法が有効である。直接乾燥法において、溶媒除去をより
短時間に効率よく行うためには、反応溶液を高濃度に予
備濃縮した後に、加熱および減圧することにより溶媒を
除去して重合体を回収するのが好ましい。
用するために、反応溶液中から揮発性成分を除去する方
法としては、貧溶媒などを用いた凝固法を使用せずに、
反応溶液を常圧以下で加熱して溶媒を除去する直接乾燥
法が有効である。直接乾燥法において、溶媒除去をより
短時間に効率よく行うためには、反応溶液を高濃度に予
備濃縮した後に、加熱および減圧することにより溶媒を
除去して重合体を回収するのが好ましい。
【0004】たとえば、特開平4−132731号公報
では、ノルボルネン系重合体を含む反応溶液を、撹拌機
およびジャケットを備えた容器内で、大気圧下で180
℃に加熱して濃度50重量%にまで予備濃縮した後、プ
レートフィン型熱交換器を備えた溶媒除去装置を用いて
重合体を回収する方法が開示してある。
では、ノルボルネン系重合体を含む反応溶液を、撹拌機
およびジャケットを備えた容器内で、大気圧下で180
℃に加熱して濃度50重量%にまで予備濃縮した後、プ
レートフィン型熱交換器を備えた溶媒除去装置を用いて
重合体を回収する方法が開示してある。
【0005】また、特開平3−220211号公報で
は、二重管式フラッシュ乾燥器とフラッシュホッパーを
用いて、ノルボルネン系重合体の反応溶液中の溶媒およ
び大半の未反応モノマーを除去した後、ベント付押出機
により残留の未反応モノマーを除去して重合体を回収す
る方法が開示してある。
は、二重管式フラッシュ乾燥器とフラッシュホッパーを
用いて、ノルボルネン系重合体の反応溶液中の溶媒およ
び大半の未反応モノマーを除去した後、ベント付押出機
により残留の未反応モノマーを除去して重合体を回収す
る方法が開示してある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の方法では、予備濃縮時の揮発性成分の除去効率
が悪く、重合体中の揮発性成分残留量を短時間で十分に
低減できなかった。このため、必要濃度まで濃縮するた
めに反応溶液を長時間加熱する必要があるが、このよう
にすると、重合体鎖の切断が生じて分子量が低下すると
ともに、熱履歴により重合体が酸化劣化する場合があ
る。その結果、得られる重合体を用いて成形した成形体
が着色するなどの問題を生じうる。
報記載の方法では、予備濃縮時の揮発性成分の除去効率
が悪く、重合体中の揮発性成分残留量を短時間で十分に
低減できなかった。このため、必要濃度まで濃縮するた
めに反応溶液を長時間加熱する必要があるが、このよう
にすると、重合体鎖の切断が生じて分子量が低下すると
ともに、熱履歴により重合体が酸化劣化する場合があ
る。その結果、得られる重合体を用いて成形した成形体
が着色するなどの問題を生じうる。
【0007】その一方で、予備濃縮時の揮発性成分の除
去効率をある程度向上させても、揮発性成分の除去が完
全でなく、残留する揮発性成分量が多いと、得られる重
合体を用いて成形した成形体にシルバーストリークやボ
イドなどの成形不良や着色が生じうる。
去効率をある程度向上させても、揮発性成分の除去が完
全でなく、残留する揮発性成分量が多いと、得られる重
合体を用いて成形した成形体にシルバーストリークやボ
イドなどの成形不良や着色が生じうる。
【0008】本発明の目的は、反応溶液に含まれる揮発
性成分を短時間で除去でき、その結果、得られる重合体
の分子量低下を抑制でき、しかも揮発性成分残留量を十
分に低減できる、光学材料などとして好適な脂環式構造
含有重合体を製造する方法を提供することを目的とす
る。
性成分を短時間で除去でき、その結果、得られる重合体
の分子量低下を抑制でき、しかも揮発性成分残留量を十
分に低減できる、光学材料などとして好適な脂環式構造
含有重合体を製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、脂環式構造
含有重合体を含む反応溶液に対する熱伝達効率を向上で
きる特定の溶媒除去装置を用いて、前記反応溶液に含ま
れる溶剤や未反応モノマーなどの揮発性成分の一部を除
去して所定の重合体濃度の濃縮溶液を得た後、当該濃縮
溶液から揮発性成分の残部を除去することにより、得ら
れる重合体の分子量低下を抑制しつつ、揮発性成分残留
量を十分に低減でき、しかも得られる重合体を用いて成
形した成形体の着色や、シルバーストリークなどの成形
不良などをも防止できることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
含有重合体を含む反応溶液に対する熱伝達効率を向上で
きる特定の溶媒除去装置を用いて、前記反応溶液に含ま
れる溶剤や未反応モノマーなどの揮発性成分の一部を除
去して所定の重合体濃度の濃縮溶液を得た後、当該濃縮
溶液から揮発性成分の残部を除去することにより、得ら
れる重合体の分子量低下を抑制しつつ、揮発性成分残留
量を十分に低減でき、しかも得られる重合体を用いて成
形した成形体の着色や、シルバーストリークなどの成形
不良などをも防止できることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0010】本発明に係る脂環式構造含有重合体の製造
方法は、スクリューを有する加熱シリンダーを備えた溶
媒除去装置またはプレートフィン型熱交換器を備えた溶
媒除去装置を用いて、脂環式構造含有重合体を含む反応
溶液を加熱することにより、前記反応溶液に含まれる揮
発性成分の一部を除去して重合体を70〜99.5重量
%含有する濃縮溶液を得る予備濃縮工程と、前記濃縮溶
液に含まれる揮発性成分の残部を除去することにより、
重合体濃度を99.5重量%超にして重合体を回収する
乾燥工程とを有する。
方法は、スクリューを有する加熱シリンダーを備えた溶
媒除去装置またはプレートフィン型熱交換器を備えた溶
媒除去装置を用いて、脂環式構造含有重合体を含む反応
溶液を加熱することにより、前記反応溶液に含まれる揮
発性成分の一部を除去して重合体を70〜99.5重量
%含有する濃縮溶液を得る予備濃縮工程と、前記濃縮溶
液に含まれる揮発性成分の残部を除去することにより、
重合体濃度を99.5重量%超にして重合体を回収する
乾燥工程とを有する。
【0011】前記反応溶液に対する加熱温度は、その下
限が反応溶液に含まれる重合体のガラス転移温度(T
g)+50℃であり、その上限が350℃であることが
好ましい。
限が反応溶液に含まれる重合体のガラス転移温度(T
g)+50℃であり、その上限が350℃であることが
好ましい。
【0012】前記反応溶液に含まれる揮発性成分を除去
する際の操作圧力は、600kPa(絶対圧)以下であ
ることが好ましい。
する際の操作圧力は、600kPa(絶対圧)以下であ
ることが好ましい。
【0013】前記反応溶液を加熱し始めてから乾燥工程
にフィードするまでの時間(装置内滞留時間)は、1時
間以下であることが好ましい。
にフィードするまでの時間(装置内滞留時間)は、1時
間以下であることが好ましい。
【0014】前記濃縮溶液を常圧以下で加熱することに
より、前記濃縮溶液に含まれる揮発性成分の残部を除去
することが好ましい。
より、前記濃縮溶液に含まれる揮発性成分の残部を除去
することが好ましい。
【0015】スクリューを有する加熱シリンダーを備え
た溶媒除去装置またはプレートフィン型熱交換器を備え
た溶媒除去装置を用いて、前記濃縮溶液を常圧以下で加
熱することが好ましい。
た溶媒除去装置またはプレートフィン型熱交換器を備え
た溶媒除去装置を用いて、前記濃縮溶液を常圧以下で加
熱することが好ましい。
【0016】本発明の方法によれば、反応溶液に含まれ
る揮発性成分を短時間で除去でき、その結果、得られる
重合体の分子量低下を抑制でき、しかも揮発性成分残留
量を十分に低減できる。したがって、得られる脂環式構
造含有重合体を用いて成形した成形体は、着色が少な
く、シルバーストリークやボイドなどの成形不良も少な
い。
る揮発性成分を短時間で除去でき、その結果、得られる
重合体の分子量低下を抑制でき、しかも揮発性成分残留
量を十分に低減できる。したがって、得られる脂環式構
造含有重合体を用いて成形した成形体は、着色が少な
く、シルバーストリークやボイドなどの成形不良も少な
い。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る脂環式構造含有重合
体は、たとえば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オ
レフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂
環式炭化水素系重合体、およびこれらの水素添加物など
である。
体は、たとえば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オ
レフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂
環式炭化水素系重合体、およびこれらの水素添加物など
である。
【0018】本発明に係る脂環式構造含有重合体の製造
方法は、脂環式構造含有単量体を重合触媒の存在下に重
合する工程と、必要に応じて、前記重合工程により得ら
れる重合体を水素化触媒の存在下に水素化する工程と、
前記重合工程または水素化工程により得られる反応溶液
の揮発性成分を除去する揮発性成分除去工程とを有す
る。以下、各工程に沿って本発明を説明する。
方法は、脂環式構造含有単量体を重合触媒の存在下に重
合する工程と、必要に応じて、前記重合工程により得ら
れる重合体を水素化触媒の存在下に水素化する工程と、
前記重合工程または水素化工程により得られる反応溶液
の揮発性成分を除去する揮発性成分除去工程とを有す
る。以下、各工程に沿って本発明を説明する。
【0019】重合工程 本発明における脂環式構造含有単量体の重合工程は、通
常、重合触媒の存在下に、不活性溶媒中で行われる。
常、重合触媒の存在下に、不活性溶媒中で行われる。
【0020】重合工程に用いられる脂環式構造含有単量
体は、分子構造中に脂環式構造を有するものであり、た
とえば、ノルボルネン系単量体、単環の環状オレフィン
系単量体、環状共役ジエン系単量体、ビニル脂環式炭化
水素系単量体などが挙げられるが、得られる重合体の透
明性、耐熱性などの観点から、好ましくはノルボルネン
系単量体である。
体は、分子構造中に脂環式構造を有するものであり、た
とえば、ノルボルネン系単量体、単環の環状オレフィン
系単量体、環状共役ジエン系単量体、ビニル脂環式炭化
水素系単量体などが挙げられるが、得られる重合体の透
明性、耐熱性などの観点から、好ましくはノルボルネン
系単量体である。
【0021】ノルボルネン系単量体としては、例えば、
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:
ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]
−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ブチル−
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヘキ
シル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5
−オクチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプ
ト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−プロペニ
ル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−
メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプ
ト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]−
ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニ
ル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−
メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト
−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキ
シカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−
エン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−
2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]−
ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイトビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボ
ン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシ
メチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、5−ヒドロキシ−i−プロピル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボ
ン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシク
ロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキ
セニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−
エン、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−デカ−
3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリ
シクロ[4.3.0.12,5 ]−デカ−3−エン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−ウンデカ−
3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.1
2,5 ]−ウンデカ−3,8−ジエン、及びこれらの
部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘ
キセンの付加物)である、トリシクロ[4.4.0.1
2,5 ]−ウンデカ−3−エン、テトラシクロ[7.
4.0.02,7 .110,13 ]−トリデカ−
2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,
4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、
テトラシクロ[8.4.0.03,8 .1
11,14 ]−テトラデカ−3,5,7,12−テト
ラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,1
0a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ
−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8
−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ
−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8
−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.
12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−ビ
ニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3
−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ
[4.4.0.12 ,5 .17,10]−ドデカ−3
−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.
12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−シ
クロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル
−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .
17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニ
ル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−フエニル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.
13,6 .02,7 .09,13]−ペンタデカ−
4,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.0
2,7 .13,6 .110,13 ]−ペンタデカ
−4,11−ジエンなどが挙げられる。これらのノルボ
ルネン系単量体は、シクロアルキル基やアリール基を有
するもの、あるいはハロゲン原子、エステル型残基、エ
ーテル型残基、シアノ基、ピリジル基などといった極性
基を有するものであってもよい。
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:
ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]
−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ブチル−
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヘキ
シル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5
−オクチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプ
ト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−プロペニ
ル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−
メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプ
ト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]−
ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニ
ル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−
メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト
−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキ
シカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−
エン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−
2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]−
ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイトビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボ
ン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシ
メチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、5−ヒドロキシ−i−プロピル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボ
ン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシク
ロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキ
セニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−
エン、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−デカ−
3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリ
シクロ[4.3.0.12,5 ]−デカ−3−エン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−ウンデカ−
3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.1
2,5 ]−ウンデカ−3,8−ジエン、及びこれらの
部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘ
キセンの付加物)である、トリシクロ[4.4.0.1
2,5 ]−ウンデカ−3−エン、テトラシクロ[7.
4.0.02,7 .110,13 ]−トリデカ−
2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,
4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、
テトラシクロ[8.4.0.03,8 .1
11,14 ]−テトラデカ−3,5,7,12−テト
ラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,1
0a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ
−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8
−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ
−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8
−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.
12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−ビ
ニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3
−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ
[4.4.0.12 ,5 .17,10]−ドデカ−3
−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.
12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−シ
クロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル
−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .
17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニ
ル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−フエニル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.
13,6 .02,7 .09,13]−ペンタデカ−
4,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.0
2,7 .13,6 .110,13 ]−ペンタデカ
−4,11−ジエンなどが挙げられる。これらのノルボ
ルネン系単量体は、シクロアルキル基やアリール基を有
するもの、あるいはハロゲン原子、エステル型残基、エ
ーテル型残基、シアノ基、ピリジル基などといった極性
基を有するものであってもよい。
【0022】単環の環状オレフィン系単量体としては、
例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオク
テンなどが挙げられる。
例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオク
テンなどが挙げられる。
【0023】環状共役ジエン系単量体としては、例え
ば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどが挙
げられる。
ば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどが挙
げられる。
【0024】ビニル環式炭化水素系単量体としては、例
えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンな
どが挙げられる。
えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンな
どが挙げられる。
【0025】これらの脂環式構造含有単量体は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上組合わせて用いることがで
きる。
れ単独で、あるいは2種以上組合わせて用いることがで
きる。
【0026】脂環式構造含有単量体以外に、これと共重
合可能な単量体(ビニル系化合物)を用いることができ
る。ビニル系化合物としては、たとえば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンチン、1−ヘキセン、
3−メチル−1−プテン、8−メチル−1−ペンテン、
3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1
−ヘキセン、4.4−ジメチル−1−ベンテン、4−エ
チル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
センなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフ
ィンなどの鎖状ビニル化合物;1,4−ヘキサジエン、
4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,
4−ヘキサジエン、1,7一オクタジエンなどの非共役
ジエン化合物;などが挙げられる。
合可能な単量体(ビニル系化合物)を用いることができ
る。ビニル系化合物としては、たとえば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンチン、1−ヘキセン、
3−メチル−1−プテン、8−メチル−1−ペンテン、
3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1
−ヘキセン、4.4−ジメチル−1−ベンテン、4−エ
チル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
センなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフ
ィンなどの鎖状ビニル化合物;1,4−ヘキサジエン、
4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,
4−ヘキサジエン、1,7一オクタジエンなどの非共役
ジエン化合物;などが挙げられる。
【0027】脂環式構造含有単量体の量は、全単量体
中、通常、50重量%以上、好ましくは70重量%以
上、より好ましくは90重量%以上である。
中、通常、50重量%以上、好ましくは70重量%以
上、より好ましくは90重量%以上である。
【0028】ノルボルネン系単量体の重合は、たとえ
ば、特開平3−14882号公報や、特開平3−122
137号公報などに開示されている公知の方法で重合
し、開環重合体、付加重合体、共重合可能なビニル系単
量体との付加型共重合体などとすることができる。これ
らの中でも、得られる脂環式構造含有重合体の耐熱性や
透明性、耐光性を高度にバランスさせる上で、ノルボル
ネン系単量体の開環重合体であることが好ましい。
ば、特開平3−14882号公報や、特開平3−122
137号公報などに開示されている公知の方法で重合
し、開環重合体、付加重合体、共重合可能なビニル系単
量体との付加型共重合体などとすることができる。これ
らの中でも、得られる脂環式構造含有重合体の耐熱性や
透明性、耐光性を高度にバランスさせる上で、ノルボル
ネン系単量体の開環重合体であることが好ましい。
【0029】開環重合は、ノルボルネン系単量体を開環
重合触媒の存在下に不活性溶媒中で通常−50〜100
℃の重合温度、0〜5MPaの重合圧力で反応させるこ
とで行うことができる。開環重合触媒としては、たとえ
ば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩ま
たはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒
系;チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステ
ン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチ
ルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからな
る触媒系;などが挙げられる。また、これらの各種触媒
系に第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を
高めることもできる。第三成分としては、たとえば、分
子状酸素、アルコール、エ−テル、過酸化物、カルボン
酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素
化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ
素、その他のルイス酸などが挙げられる。
重合触媒の存在下に不活性溶媒中で通常−50〜100
℃の重合温度、0〜5MPaの重合圧力で反応させるこ
とで行うことができる。開環重合触媒としては、たとえ
ば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩ま
たはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒
系;チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステ
ン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチ
ルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからな
る触媒系;などが挙げられる。また、これらの各種触媒
系に第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を
高めることもできる。第三成分としては、たとえば、分
子状酸素、アルコール、エ−テル、過酸化物、カルボン
酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素
化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ
素、その他のルイス酸などが挙げられる。
【0030】ノルボルネン系単量体の付加重合、あるい
はノルボルネン系単量体とビニル系化合物との付加共重
合は、モノマ−成分を重合触媒の存在下に溶媒中で通常
−50〜100℃の重合温度、0〜5MPaの重合圧力
で(共)重合させることで行うことができる。付加
(共)重合に用いる重合触媒としては、たとえば、チタ
ン、ジルコニウム、又はバナジウム化合物と有機アルミ
ニウム化合物とからなる触媒系などが挙げられる。
はノルボルネン系単量体とビニル系化合物との付加共重
合は、モノマ−成分を重合触媒の存在下に溶媒中で通常
−50〜100℃の重合温度、0〜5MPaの重合圧力
で(共)重合させることで行うことができる。付加
(共)重合に用いる重合触媒としては、たとえば、チタ
ン、ジルコニウム、又はバナジウム化合物と有機アルミ
ニウム化合物とからなる触媒系などが挙げられる。
【0031】単環の環状オレフィン系単量体の重合は、
公知の方法、たとえば特開昭64−66216号公報に
開示されている方法で付加重合を行うことができる。
公知の方法、たとえば特開昭64−66216号公報に
開示されている方法で付加重合を行うことができる。
【0032】環状共役ジエン系単量体の重合は、公知の
方法、たとえば特開平6−136057号公報や特開平
7−258318号公報に開示されている方法で、1,
2−または1,4−付加重合した重合体を得ることがで
きる。
方法、たとえば特開平6−136057号公報や特開平
7−258318号公報に開示されている方法で、1,
2−または1,4−付加重合した重合体を得ることがで
きる。
【0033】ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合は、
たとえば、特開昭51−59989号公報に開示されて
いる方法で重合を行うことができる。
たとえば、特開昭51−59989号公報に開示されて
いる方法で重合を行うことができる。
【0034】なお、重合工程において得られる脂環式構
造含有重合体は、単独重合体でも、共重合体でもよく、
共重合体としては、ランダム共重合体でも、ブロック共
重合体でもよい。さらにこれらをグラフト変性した
(共)重合体でもよい。
造含有重合体は、単独重合体でも、共重合体でもよく、
共重合体としては、ランダム共重合体でも、ブロック共
重合体でもよい。さらにこれらをグラフト変性した
(共)重合体でもよい。
【0035】重合工程において得られる脂環式構造含有
重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択される
が、機械強度と成形加工性とのバランスの観点から、シ
クロヘキサン溶液(重合体が溶解しない場合はトルエン
溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で
測定したポリイソプレン(トルエン溶液ではポリスチレ
ン)換算の重量平均分子量(Mw)で、通常5000以
上、好ましくは5000〜500000、より好ましく
は3000〜200000、特に好ましくは10000
〜100000である。分子量が過度に大きいと、成形
性が悪くなるばかりでなく、後述する水素化を行う場合
に、水素化反応の進行が遅くなり、水素化率が低下す
る。また、分子量が過度に小さいと重合体の機械強度が
小さくなる。
重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択される
が、機械強度と成形加工性とのバランスの観点から、シ
クロヘキサン溶液(重合体が溶解しない場合はトルエン
溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で
測定したポリイソプレン(トルエン溶液ではポリスチレ
ン)換算の重量平均分子量(Mw)で、通常5000以
上、好ましくは5000〜500000、より好ましく
は3000〜200000、特に好ましくは10000
〜100000である。分子量が過度に大きいと、成形
性が悪くなるばかりでなく、後述する水素化を行う場合
に、水素化反応の進行が遅くなり、水素化率が低下す
る。また、分子量が過度に小さいと重合体の機械強度が
小さくなる。
【0036】重合工程において得られる脂環式構造含有
重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、通常7以下、好
ましくは5以下、より好ましくは3.5以下である。分
子量分布が上記範囲にあるときに、該重合体を用いて成
形した成形体の着色がなく、また、成形体にシルバース
トリークやボイドなどの成形不良も発生しない。
重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、通常7以下、好
ましくは5以下、より好ましくは3.5以下である。分
子量分布が上記範囲にあるときに、該重合体を用いて成
形した成形体の着色がなく、また、成形体にシルバース
トリークやボイドなどの成形不良も発生しない。
【0037】なお、前記重合工程により得られる重合体
が、主鎖および/または側鎖の環に炭素−炭素不飽和結
合(非共役不飽和結合および/または芳香族性不飽和結
合など。以下同じ)を有さず、後述する水素化工程を行
わない場合には、前記重合工程後の反応溶液から重合触
媒を除去する工程を含むことが好ましい。水素化工程を
行う場合であっても、重合工程後に重合触媒除去工程を
含むこととしても良い。触媒除去後の反応溶液中の触媒
残留量は、反応溶液中の重合体に対し、(触媒)金属元
素の重量で、通常10ppm以下、好ましくは1ppm
以下、より好ましくは0.1ppm以下である。
が、主鎖および/または側鎖の環に炭素−炭素不飽和結
合(非共役不飽和結合および/または芳香族性不飽和結
合など。以下同じ)を有さず、後述する水素化工程を行
わない場合には、前記重合工程後の反応溶液から重合触
媒を除去する工程を含むことが好ましい。水素化工程を
行う場合であっても、重合工程後に重合触媒除去工程を
含むこととしても良い。触媒除去後の反応溶液中の触媒
残留量は、反応溶液中の重合体に対し、(触媒)金属元
素の重量で、通常10ppm以下、好ましくは1ppm
以下、より好ましくは0.1ppm以下である。
【0038】水素化工程 本発明では、上記重合工程により得られる重合体が、主
鎖および/または側鎖に、炭素−炭素不飽和結合を有す
る場合には、その不飽和基の一部または全部を飽和させ
ることにより、脂環式構造含有重合体の水素化物とする
ことができる。炭素−炭素不飽和結合を有する場合にお
いてその不飽和基を水素化することにより、脂環式構造
含有重合体の耐熱劣化性や耐光劣化性を改善できる。
鎖および/または側鎖に、炭素−炭素不飽和結合を有す
る場合には、その不飽和基の一部または全部を飽和させ
ることにより、脂環式構造含有重合体の水素化物とする
ことができる。炭素−炭素不飽和結合を有する場合にお
いてその不飽和基を水素化することにより、脂環式構造
含有重合体の耐熱劣化性や耐光劣化性を改善できる。
【0039】水素化反応に供される重合体が芳香環を有
する場合には、当該芳香環を残存させてもよいが、完全
に水素化しても構わない。芳香環を残存させる場合にお
ける芳香環の残存率は、耐光性等の観点から、通常80
%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは30%
以下である。芳香族環の不飽和結合は、 1H−NMR
による分析により、その他の不飽和結合とを区別して認
識できる。
する場合には、当該芳香環を残存させてもよいが、完全
に水素化しても構わない。芳香環を残存させる場合にお
ける芳香環の残存率は、耐光性等の観点から、通常80
%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは30%
以下である。芳香族環の不飽和結合は、 1H−NMR
による分析により、その他の不飽和結合とを区別して認
識できる。
【0040】非共役不飽和結合の水素化率は、通常80
%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%
以上である。水素化率が低いと酸化劣化や分子切断を起
こしやすく、色目が悪くなったり、透明性が低下した
り、機械強度の低下をもたらす。
%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%
以上である。水素化率が低いと酸化劣化や分子切断を起
こしやすく、色目が悪くなったり、透明性が低下した
り、機械強度の低下をもたらす。
【0041】なお、炭素−炭素不飽和結合が芳香環だけ
である場合において、水素化を行うか否かは、脂環式構
造含有重合体の使用目的に応じて選択される。
である場合において、水素化を行うか否かは、脂環式構
造含有重合体の使用目的に応じて選択される。
【0042】水素化反応は、常法に従い、水素化触媒の
存在下に重合体を水素と接触させることにより行う。水
素化触媒としては、特開昭58−43412号公報、特
開昭60−26024号公報、特開昭64−24826
号公報、特開平1−138257号公報、特開平7−4
1550号公報等に記載されているものを使用すること
ができ、均一系触媒でも不均一系触媒でもよい。均一系
触媒は、水素化反応液中で分散しやすいので添加量が少
なくてよく、また、高温高圧にしなくても活性を有する
ので重合体の分解やゲル化が起こらず、低コスト性や品
質安定性等に優れる。不均一触媒は、高温高圧にするこ
とで高活性となり、短時間で水添でき、さらに除去が容
易である等の生産効率に優れる。中でも、除去が容易で
ある点から、不均一系触媒が好ましい。
存在下に重合体を水素と接触させることにより行う。水
素化触媒としては、特開昭58−43412号公報、特
開昭60−26024号公報、特開昭64−24826
号公報、特開平1−138257号公報、特開平7−4
1550号公報等に記載されているものを使用すること
ができ、均一系触媒でも不均一系触媒でもよい。均一系
触媒は、水素化反応液中で分散しやすいので添加量が少
なくてよく、また、高温高圧にしなくても活性を有する
ので重合体の分解やゲル化が起こらず、低コスト性や品
質安定性等に優れる。不均一触媒は、高温高圧にするこ
とで高活性となり、短時間で水添でき、さらに除去が容
易である等の生産効率に優れる。中でも、除去が容易で
ある点から、不均一系触媒が好ましい。
【0043】均一系触媒としては、例えば、クロロトリ
ス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)などのい
わゆるウィルキンソン錯体; 酢酸コバルト/トリエチ
ルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリ
イソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−
ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブ
チルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマ
グネシウム等の遷移金属化合物とアルキル金属化合物の
組み合わせからなる触媒;などが挙げられる。
ス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)などのい
わゆるウィルキンソン錯体; 酢酸コバルト/トリエチ
ルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリ
イソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−
ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブ
チルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマ
グネシウム等の遷移金属化合物とアルキル金属化合物の
組み合わせからなる触媒;などが挙げられる。
【0044】不均一系触媒としては、例えば、Ni、P
d、Pt、Ru、Rh等の水素化触媒金属を担体に担持
させたものが挙げられる。特に、担体として、アルミナ
やケイソウ土等の吸着剤を用いると、不純物等の混入が
少なく好ましい。これらの触媒は、重合体1重量部に対
し、10−5〜0.5重量部、好ましくは10−4〜
0.3重量部の範囲で使用される。水素化触媒は、重合
反応液にそのまま添加するか、あるいは重合反応液から
重合触媒を除去した後に添加して反応させることができ
る。
d、Pt、Ru、Rh等の水素化触媒金属を担体に担持
させたものが挙げられる。特に、担体として、アルミナ
やケイソウ土等の吸着剤を用いると、不純物等の混入が
少なく好ましい。これらの触媒は、重合体1重量部に対
し、10−5〜0.5重量部、好ましくは10−4〜
0.3重量部の範囲で使用される。水素化触媒は、重合
反応液にそのまま添加するか、あるいは重合反応液から
重合触媒を除去した後に添加して反応させることができ
る。
【0045】水素化反応は、通常、不活性溶媒中で実施
する。不活性溶媒としては、触媒に対して不活性なもの
であれば格別な限定はなく、重合反応溶媒と同じでよ
く、また、重合反応溶液にさらに追加しても良い。水素
化に用いる不活性溶媒の量は、水素化反応効率の観点か
ら、重合反応液中の重合体に対して、重量比で通常1〜
100倍、好ましく1.5〜20倍、より好ましくは2
〜10倍である。
する。不活性溶媒としては、触媒に対して不活性なもの
であれば格別な限定はなく、重合反応溶媒と同じでよ
く、また、重合反応溶液にさらに追加しても良い。水素
化に用いる不活性溶媒の量は、水素化反応効率の観点か
ら、重合反応液中の重合体に対して、重量比で通常1〜
100倍、好ましく1.5〜20倍、より好ましくは2
〜10倍である。
【0046】水素化反応は、常法に従って行うことがで
きるが、水素化触媒の種類や反応温度によって水素添加
率が変わり、芳香族環の残存率も変化させることができ
る。上記の水素化触媒を用いた場合、芳香族環の不飽和
結合をある程度以上残存させるためには、反応温度を低
くしたり、水素圧力を下げたり、反応時間を短くする等
の制御を行えばよい。重合体中の芳香族環構造を完全に
水素化することなく残存させたまま、主鎖の非共役不飽
和結合の水添率を選択的に高めるためには、通常、水素
圧を0.01〜5MPa、好ましくは0.05〜4MP
a、さらに好ましくは0.1〜3MPaとする。水素化
反応の反応温度は、均一触媒を用いる場合は、通常、−
10〜150℃、好ましくは0〜130℃、さらに好ま
しくは20〜110℃とする。不均一触媒を用いる場合
には、通常、0〜300℃、好ましくは100〜250
℃、さらに好ましくは150〜230℃で実施する。
きるが、水素化触媒の種類や反応温度によって水素添加
率が変わり、芳香族環の残存率も変化させることができ
る。上記の水素化触媒を用いた場合、芳香族環の不飽和
結合をある程度以上残存させるためには、反応温度を低
くしたり、水素圧力を下げたり、反応時間を短くする等
の制御を行えばよい。重合体中の芳香族環構造を完全に
水素化することなく残存させたまま、主鎖の非共役不飽
和結合の水添率を選択的に高めるためには、通常、水素
圧を0.01〜5MPa、好ましくは0.05〜4MP
a、さらに好ましくは0.1〜3MPaとする。水素化
反応の反応温度は、均一触媒を用いる場合は、通常、−
10〜150℃、好ましくは0〜130℃、さらに好ま
しくは20〜110℃とする。不均一触媒を用いる場合
には、通常、0〜300℃、好ましくは100〜250
℃、さらに好ましくは150〜230℃で実施する。
【0047】水素化反応は、水素の供給を停止すること
で停止できる。
で停止できる。
【0048】水素化工程において得られる脂環式構造含
有重合体の水素化物の分子量は、使用目的に応じて適宜
選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体が溶解しな
い場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・ク
ロマトグラフ法で測定したポリイソプレン(トルエン溶
液ではポリスチレン)換算の重量平均分子量(Mw)
で、通常5000以上、好ましくは5000〜5000
00、より好ましくは8000〜200000、特に好
ましくは10000〜100000である。
有重合体の水素化物の分子量は、使用目的に応じて適宜
選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体が溶解しな
い場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・ク
ロマトグラフ法で測定したポリイソプレン(トルエン溶
液ではポリスチレン)換算の重量平均分子量(Mw)
で、通常5000以上、好ましくは5000〜5000
00、より好ましくは8000〜200000、特に好
ましくは10000〜100000である。
【0049】水素化工程において得られる脂環式構造含
有重合体の水素化物の分子量分布Mw/Mnは、通常7
以下、好ましくは5以下、より好ましくは3.5以下で
ある。
有重合体の水素化物の分子量分布Mw/Mnは、通常7
以下、好ましくは5以下、より好ましくは3.5以下で
ある。
【0050】水素化工程において得られる脂環式構造含
有重合体の水素化物のガラス転移温度(Tg)は、通
常、50〜250℃、好ましくは70〜220℃、より
好ましくは80〜200℃である。
有重合体の水素化物のガラス転移温度(Tg)は、通
常、50〜250℃、好ましくは70〜220℃、より
好ましくは80〜200℃である。
【0051】なお、本発明では、前記水素化工程後の反
応溶液から水素化触媒を除去する工程を含むことが好ま
しい。なお、前記重合触媒除去工程を行わずに、水素化
工程後に重合触媒および水素化触媒の双方を一度に除去
することとしても良い。除去方法や除去後の触媒残留量
などについては前記重合触媒除去工程における場合と同
様にすればよい。
応溶液から水素化触媒を除去する工程を含むことが好ま
しい。なお、前記重合触媒除去工程を行わずに、水素化
工程後に重合触媒および水素化触媒の双方を一度に除去
することとしても良い。除去方法や除去後の触媒残留量
などについては前記重合触媒除去工程における場合と同
様にすればよい。
【0052】不活性溶媒 上述した重合工程および水素化工程で用いられる不活性
溶媒は、脂環式構造含有単量体、脂環式構造含有重合体
および脂環式構造含有重合体の水素化物を十分に溶解で
き、かつ重合反応や水素化反応を阻害しないものが用い
られる。不活性溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアル
カン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘ
キサン、ジエチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘ
キサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、
ノルボルナン、メチルノルボルナン、エチルノルボルナ
ンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素
類;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジ
クロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベン
ゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロ
ゲン化アルカンやアリールなどの化合物;などが挙げら
れ、中でも溶解性等の観点から、シクロアルカン類また
は芳香族炭化水素が好ましく、シクロアルカン類がより
好ましい。これらの不活性溶媒は、それぞれ単独で、あ
るいは2種以上混合して用いることができる。不活性溶
媒の使用量は、特に限定されないが、撹拌効率、生産性
の双方のバランスを考慮して、脂環式構造含有単量体1
00重量部に対して、通常40〜2000重量部、好ま
しくは100〜1000重量部、より好ましくは250
〜600重量部である。
溶媒は、脂環式構造含有単量体、脂環式構造含有重合体
および脂環式構造含有重合体の水素化物を十分に溶解で
き、かつ重合反応や水素化反応を阻害しないものが用い
られる。不活性溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアル
カン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘ
キサン、ジエチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘ
キサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、
ノルボルナン、メチルノルボルナン、エチルノルボルナ
ンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素
類;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジ
クロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベン
ゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロ
ゲン化アルカンやアリールなどの化合物;などが挙げら
れ、中でも溶解性等の観点から、シクロアルカン類また
は芳香族炭化水素が好ましく、シクロアルカン類がより
好ましい。これらの不活性溶媒は、それぞれ単独で、あ
るいは2種以上混合して用いることができる。不活性溶
媒の使用量は、特に限定されないが、撹拌効率、生産性
の双方のバランスを考慮して、脂環式構造含有単量体1
00重量部に対して、通常40〜2000重量部、好ま
しくは100〜1000重量部、より好ましくは250
〜600重量部である。
【0053】揮発性成分除去工程 次に、上述した重合工程または水素化工程後の反応溶液
を、外部環境から異物が混入しないような密閉系に供給
し、当該反応溶液から有機溶媒を主とする揮発性成分を
蒸発除去させて重合体を回収する。なお、蒸発除去した
溶媒は、凝縮装置にて液化して回収し、再利用に供する
ことが好ましい。
を、外部環境から異物が混入しないような密閉系に供給
し、当該反応溶液から有機溶媒を主とする揮発性成分を
蒸発除去させて重合体を回収する。なお、蒸発除去した
溶媒は、凝縮装置にて液化して回収し、再利用に供する
ことが好ましい。
【0054】揮発性成分の蒸発除去は、反応溶液に含ま
れる溶媒その他の揮発性成分の一部を蒸発除去して所定
濃度の濃縮溶液を得た後(予備濃縮工程)、前記濃縮溶
液に含まれる揮発性成分の残部を除去して重合体を回収
する(乾燥工程)ことにより行う。
れる溶媒その他の揮発性成分の一部を蒸発除去して所定
濃度の濃縮溶液を得た後(予備濃縮工程)、前記濃縮溶
液に含まれる揮発性成分の残部を除去して重合体を回収
する(乾燥工程)ことにより行う。
【0055】予備濃縮工程 本発明における予備濃縮工程は、反応溶液(重合体濃度
が70重量%未満)に含まれる揮発性成分の一部を蒸発
除去して、重合体を70〜99.5重量%、好ましくは
90〜99.5重量%含有する濃縮溶液を得る工程であ
る。本発明では、反応溶液に含まれる重合体濃度の上限
が99.5重量%になるまで行う揮発性成分の除去を、
予備濃縮と定義する。
が70重量%未満)に含まれる揮発性成分の一部を蒸発
除去して、重合体を70〜99.5重量%、好ましくは
90〜99.5重量%含有する濃縮溶液を得る工程であ
る。本発明では、反応溶液に含まれる重合体濃度の上限
が99.5重量%になるまで行う揮発性成分の除去を、
予備濃縮と定義する。
【0056】予備濃縮後の濃縮溶液の重合体濃度が低す
ぎると、予備濃縮を行う効果が殆ど得られない。すなわ
ち後述する乾燥工程で蒸発除去させるべき揮発性成分量
が多くなるので、減圧度を上げて乾燥しようとしても減
圧度が十分に上がらず、乾燥工程後の重合体中に揮発性
成分が多く残るようになる。そのために、乾燥後の重合
体を成形して得られる成形体にシルバーストリークやボ
イド、発泡などの成形不良や着色が生じる。また、後述
する乾燥工程にて多量の気化熱が発生し、これにより濃
縮溶液の温度低下が大きくなり、乾燥器内での急激な粘
度上昇や固化が生じ、乾燥工程の中断や機器の損傷の原
因ともなりうる。さらに、乾燥時間が長時間に及ぶこと
から重合体の生産効率が悪くなる。予備濃縮後の濃縮溶
液の重合体濃度が高すぎると、後述する乾燥工程にて重
合体が必要以上に剪断を受けやすくなり、得られる重合
体を用いて成形した成形体の機械強度が低下する。
ぎると、予備濃縮を行う効果が殆ど得られない。すなわ
ち後述する乾燥工程で蒸発除去させるべき揮発性成分量
が多くなるので、減圧度を上げて乾燥しようとしても減
圧度が十分に上がらず、乾燥工程後の重合体中に揮発性
成分が多く残るようになる。そのために、乾燥後の重合
体を成形して得られる成形体にシルバーストリークやボ
イド、発泡などの成形不良や着色が生じる。また、後述
する乾燥工程にて多量の気化熱が発生し、これにより濃
縮溶液の温度低下が大きくなり、乾燥器内での急激な粘
度上昇や固化が生じ、乾燥工程の中断や機器の損傷の原
因ともなりうる。さらに、乾燥時間が長時間に及ぶこと
から重合体の生産効率が悪くなる。予備濃縮後の濃縮溶
液の重合体濃度が高すぎると、後述する乾燥工程にて重
合体が必要以上に剪断を受けやすくなり、得られる重合
体を用いて成形した成形体の機械強度が低下する。
【0057】本発明の予備濃縮工程では、プレートフィ
ン型熱交換器を備えた溶媒除去装置(たとえば特開平4
−132731号公報参照)、またはスクリューを有す
る加熱シリンダーを備えた溶媒除去装置を用いる。プレ
ートフィン型熱交換器を備えた溶媒除去装置の具体例と
しては、たとえばハイビスカスエバポレーター(三井造
船社製)などが挙げられる。スクリューを有する加熱シ
リンダーを備えた溶媒除去装置の具体例としては、たと
えば大気ベントおよび真空ベントが設けられた2軸押出
機(たとえば特開平3−220211号公報参照)、メ
ガネ翼重合装置(日立製作所社製)などが挙げられる。
予備濃縮工程では、装置内での滞留時間を短くし、重合
体に剪断応力をかけずに分子量低下を抑制する観点か
ら、溶媒除去装置として、ハイビスカスエバポレーター
またはベント付き2軸押出機を用いることが好ましい。
このような装置は、いずれも反応溶液を比較的クリアラ
ンスの狭い流路を通過させながら加熱できるので、効率
よく溶媒その他の揮発性成分の一部を蒸発除去すること
が可能である。
ン型熱交換器を備えた溶媒除去装置(たとえば特開平4
−132731号公報参照)、またはスクリューを有す
る加熱シリンダーを備えた溶媒除去装置を用いる。プレ
ートフィン型熱交換器を備えた溶媒除去装置の具体例と
しては、たとえばハイビスカスエバポレーター(三井造
船社製)などが挙げられる。スクリューを有する加熱シ
リンダーを備えた溶媒除去装置の具体例としては、たと
えば大気ベントおよび真空ベントが設けられた2軸押出
機(たとえば特開平3−220211号公報参照)、メ
ガネ翼重合装置(日立製作所社製)などが挙げられる。
予備濃縮工程では、装置内での滞留時間を短くし、重合
体に剪断応力をかけずに分子量低下を抑制する観点か
ら、溶媒除去装置として、ハイビスカスエバポレーター
またはベント付き2軸押出機を用いることが好ましい。
このような装置は、いずれも反応溶液を比較的クリアラ
ンスの狭い流路を通過させながら加熱できるので、効率
よく溶媒その他の揮発性成分の一部を蒸発除去すること
が可能である。
【0058】反応溶液に対する加熱温度は、その下限が
反応溶液に含まれる重合体のガラス転移温度(Tg)+
50℃であり、その上限が350℃である範囲が好まし
く、より好ましくは230℃以上330℃以下である。
反応溶液の加熱温度が低すぎると蒸発効率が悪くなり、
所定濃度に濃縮するために長時間を要し、生産性の低下
や重合体の熱劣化等の問題が生じる。加熱温度が高すぎ
ると、回収される重合体が熱劣化して、この重合体を成
形して得られる成形体が着色するおそれがある。
反応溶液に含まれる重合体のガラス転移温度(Tg)+
50℃であり、その上限が350℃である範囲が好まし
く、より好ましくは230℃以上330℃以下である。
反応溶液の加熱温度が低すぎると蒸発効率が悪くなり、
所定濃度に濃縮するために長時間を要し、生産性の低下
や重合体の熱劣化等の問題が生じる。加熱温度が高すぎ
ると、回収される重合体が熱劣化して、この重合体を成
形して得られる成形体が着色するおそれがある。
【0059】反応溶液に含まれる揮発性成分を除去する
際の操作圧力は、揮発性成分を除去する際の反応溶液の
温度において、前記反応溶液に含まれる溶媒の飽和蒸気
圧より低ければよく、600kPa以下であることが好
ましく、より好ましくは300kPa以下である。操作
圧力は、ゲージ圧ではなく、絶対圧を意味している。操
作圧力が高すぎると、揮発性成分の蒸発効率が悪くな
り、乾燥後の重合体中の揮発性成分含有量が多くなる。
際の操作圧力は、揮発性成分を除去する際の反応溶液の
温度において、前記反応溶液に含まれる溶媒の飽和蒸気
圧より低ければよく、600kPa以下であることが好
ましく、より好ましくは300kPa以下である。操作
圧力は、ゲージ圧ではなく、絶対圧を意味している。操
作圧力が高すぎると、揮発性成分の蒸発効率が悪くな
り、乾燥後の重合体中の揮発性成分含有量が多くなる。
【0060】反応溶液を加熱し始めてから(具体的に
は、反応原液を溶媒除去装置に導入してから)、後述す
る乾燥工程にフィードするまでの時間(装置内滞留時
間)は、好ましくは1時間以下であり、より好ましくは
0.5時間以下である。装置内滞留時間が長すぎると、
後述する乾燥工程後に回収される重合体が熱劣化するお
それがある。
は、反応原液を溶媒除去装置に導入してから)、後述す
る乾燥工程にフィードするまでの時間(装置内滞留時
間)は、好ましくは1時間以下であり、より好ましくは
0.5時間以下である。装置内滞留時間が長すぎると、
後述する乾燥工程後に回収される重合体が熱劣化するお
それがある。
【0061】本発明の予備濃縮工程では、前記溶媒除去
装置を2基以上用いてもよく、この場合、それぞれの装
置ごとに異なる操作圧力および加熱温度にしてもよい。
装置を2基以上用いてもよく、この場合、それぞれの装
置ごとに異なる操作圧力および加熱温度にしてもよい。
【0062】なお、反応溶液を予備濃縮するに際し、反
応溶液に、予めフェノール系、フォスファイト系、チオ
エーテル系、リン系などの各種酸化防止剤を添加するこ
とができ、これにより処理される重合体の熱劣化を効果
的に抑制できる。
応溶液に、予めフェノール系、フォスファイト系、チオ
エーテル系、リン系などの各種酸化防止剤を添加するこ
とができ、これにより処理される重合体の熱劣化を効果
的に抑制できる。
【0063】乾燥工程 本発明における乾燥工程は、重合体濃度が70〜99.
5重量%である予備濃縮後の濃縮溶液に含まれる揮発性
成分の残部を除去することにより、重合体濃度を99.
5重量%超にして重合体を回収する工程であり、回収さ
れる重合体中の揮発性成分含有量を、好ましくは130
0ppm以下、より好ましくは850ppm以下、さら
に好ましくは700ppm以下にする工程である。
5重量%である予備濃縮後の濃縮溶液に含まれる揮発性
成分の残部を除去することにより、重合体濃度を99.
5重量%超にして重合体を回収する工程であり、回収さ
れる重合体中の揮発性成分含有量を、好ましくは130
0ppm以下、より好ましくは850ppm以下、さら
に好ましくは700ppm以下にする工程である。
【0064】本発明の乾燥工程では、濃縮溶液を常圧以
下で加熱することが好ましい。ただし、本発明の乾燥工
程ではこの方法に限定されず、濃縮溶液を常圧下におく
ことのみで乾燥させる方法;濃縮溶液を常圧下で加熱し
て乾燥させる方法;常圧以上に加圧した濃縮溶液を常圧
の系内に開放し、圧力差によって揮発性成分のみを飛散
・分離して乾燥させる方法;などの各種方法により行っ
てもよい。
下で加熱することが好ましい。ただし、本発明の乾燥工
程ではこの方法に限定されず、濃縮溶液を常圧下におく
ことのみで乾燥させる方法;濃縮溶液を常圧下で加熱し
て乾燥させる方法;常圧以上に加圧した濃縮溶液を常圧
の系内に開放し、圧力差によって揮発性成分のみを飛散
・分離して乾燥させる方法;などの各種方法により行っ
てもよい。
【0065】常圧以下での加熱が行える溶媒除去装置と
しては、上述した予備濃縮工程における場合と同様の装
置を挙げることができる。特に乾燥工程では、溶媒除去
装置として、ハイビスカスエバポレーターまたはメガネ
翼重合装置を用いることが好ましい。このような装置に
よれば、濃縮溶液に含まれる揮発性成分の残部を効率よ
く蒸発除去すること可能である。
しては、上述した予備濃縮工程における場合と同様の装
置を挙げることができる。特に乾燥工程では、溶媒除去
装置として、ハイビスカスエバポレーターまたはメガネ
翼重合装置を用いることが好ましい。このような装置に
よれば、濃縮溶液に含まれる揮発性成分の残部を効率よ
く蒸発除去すること可能である。
【0066】濃縮溶液に対する加熱温度は、その下限が
濃縮溶液に含まれる重合体のガラス転移温度(Tg)+
50℃であり、その上限が350℃である範囲が好まし
く、より好ましくは230℃以上330℃以下である。
濃縮溶液の加熱温度が低すぎると蒸発効率が悪く、生産
性の低下や重合体の熱劣化等の問題が生じる。加熱温度
が高すぎると、回収される重合体が熱劣化して、成形体
が着色するおそれがある。
濃縮溶液に含まれる重合体のガラス転移温度(Tg)+
50℃であり、その上限が350℃である範囲が好まし
く、より好ましくは230℃以上330℃以下である。
濃縮溶液の加熱温度が低すぎると蒸発効率が悪く、生産
性の低下や重合体の熱劣化等の問題が生じる。加熱温度
が高すぎると、回収される重合体が熱劣化して、成形体
が着色するおそれがある。
【0067】濃縮溶液に含まれる揮発性成分の残部を除
去する際の操作圧力は、好ましくは5kPa以下、より
好ましくは1kPa以下である。操作圧力は、ゲージ圧
ではなく、絶対圧を意味している。操作圧力が高すぎる
と、濃縮溶液中に残留する揮発性成分の蒸発効率が悪く
なり、乾燥後の重合体中の揮発性成分含有量が多くなる
おそれがある。
去する際の操作圧力は、好ましくは5kPa以下、より
好ましくは1kPa以下である。操作圧力は、ゲージ圧
ではなく、絶対圧を意味している。操作圧力が高すぎる
と、濃縮溶液中に残留する揮発性成分の蒸発効率が悪く
なり、乾燥後の重合体中の揮発性成分含有量が多くなる
おそれがある。
【0068】本発明における乾燥工程では、溶媒除去装
置を2基以上用いてもよく、この場合、それぞれの装置
ごとに異なる操作圧力および加熱温度にしてもよい。た
だし、一番最初の装置出口において重合体濃度が99.
5重量%超でなければならない。
置を2基以上用いてもよく、この場合、それぞれの装置
ごとに異なる操作圧力および加熱温度にしてもよい。た
だし、一番最初の装置出口において重合体濃度が99.
5重量%超でなければならない。
【0069】その他の工程 本発明では、上述した予備濃縮工程の前に、反応溶液を
予め加熱する工程(予備加熱工程)をさらに有すること
としてもよい。予備濃縮前に反応溶液を予め加熱してお
くことにより、重合体の濃縮効率が向上する。予備加熱
の方法としては、濃縮前の反応溶液の貯蔵容器および/
または該貯蔵容器から溶媒除去装置に至る移送配管をジ
ャケット式加熱装置にて加温する方法や、多管式熱交換
器やプレートフィン型熱交換器などの既知の熱交換器を
使用する方法などが挙げられる。予備加熱の際の溶液の
温度は、通常50〜400℃、好ましくは70〜350
℃である。
予め加熱する工程(予備加熱工程)をさらに有すること
としてもよい。予備濃縮前に反応溶液を予め加熱してお
くことにより、重合体の濃縮効率が向上する。予備加熱
の方法としては、濃縮前の反応溶液の貯蔵容器および/
または該貯蔵容器から溶媒除去装置に至る移送配管をジ
ャケット式加熱装置にて加温する方法や、多管式熱交換
器やプレートフィン型熱交換器などの既知の熱交換器を
使用する方法などが挙げられる。予備加熱の際の溶液の
温度は、通常50〜400℃、好ましくは70〜350
℃である。
【0070】本発明では、上述した揮発性成分の除去を
低酸素濃度雰囲気で行うことが好ましい。低酸素濃度雰
囲気で行うことにより、最終的に回収される重合体の着
色を効果的に防止できる。低酸素濃度雰囲気としては、
好ましくは酸素濃度が10容量%以下、より好ましくは
8容量%以下の雰囲気となるよう調整する。酸素濃度が
より低い作業雰囲気とすることにより、重合体の酸化が
防止され、得られる成形体の着色が防止される。低酸素
濃度雰囲気を作る具体的な手段としては、揮発性成分の
除去に用いる装置内を、窒素やヘリウム等の不活性ガス
雰囲気にするなどの方法が挙げられる。
低酸素濃度雰囲気で行うことが好ましい。低酸素濃度雰
囲気で行うことにより、最終的に回収される重合体の着
色を効果的に防止できる。低酸素濃度雰囲気としては、
好ましくは酸素濃度が10容量%以下、より好ましくは
8容量%以下の雰囲気となるよう調整する。酸素濃度が
より低い作業雰囲気とすることにより、重合体の酸化が
防止され、得られる成形体の着色が防止される。低酸素
濃度雰囲気を作る具体的な手段としては、揮発性成分の
除去に用いる装置内を、窒素やヘリウム等の不活性ガス
雰囲気にするなどの方法が挙げられる。
【0071】以上のような揮発性成分除去工程を経るこ
とにより、以下の(1)〜(3)に示すような特性を有
する重合体を得ることができる。 (1)揮発性成分含有量が、好ましくは1300ppm
以下の重合体を得ることができる。重合体中の揮発性成
分含有量を1300ppm以下とすることにより、成形
体にシルバーストリークやボイドなどの成形不良や着色
が生じるおそれが少なくなる。 (2)前記揮発性成分除去工程前の重合体の重量平均分
子量を記号Mw1とし、前記揮発性成分除去工程後の重
合体の重量平均分子量を記号Mw2としたときに、関係
式{(Mw1−Mw2)/Mw1}×100≦30
(%)を満足するような重合体を得ることができる。前
記関係式の左辺は、揮発性成分除去工程前後の分子量の
減少率を示している。分子量減少率が30%以下(好ま
しくは20%以下)である重合体を成形して得られる成
形体は、着色を生じるおそれが少ない。特に、製造され
る脂環式構造含有重合体がノルボルネン系重合体である
場合には、その分子量低下率が5%以下である重合体を
得ることが可能であり、水素化ポリスチレンなどのビニ
ル脂環式炭化水素重合体である場合には、その分子量低
下率が15%以下である重合体を得ることが可能であ
る。 (3)回収される重合体およびこれを成形して得られる
成形体のイエローインデックス(△YI)を0.7未満
にすることができる。イエローインデックス(△YI)
とは黄色度のことであり、この△YIが0.7未満であ
ると、着色しているとは認められず、しかも各種光学特
性に優れるものである。
とにより、以下の(1)〜(3)に示すような特性を有
する重合体を得ることができる。 (1)揮発性成分含有量が、好ましくは1300ppm
以下の重合体を得ることができる。重合体中の揮発性成
分含有量を1300ppm以下とすることにより、成形
体にシルバーストリークやボイドなどの成形不良や着色
が生じるおそれが少なくなる。 (2)前記揮発性成分除去工程前の重合体の重量平均分
子量を記号Mw1とし、前記揮発性成分除去工程後の重
合体の重量平均分子量を記号Mw2としたときに、関係
式{(Mw1−Mw2)/Mw1}×100≦30
(%)を満足するような重合体を得ることができる。前
記関係式の左辺は、揮発性成分除去工程前後の分子量の
減少率を示している。分子量減少率が30%以下(好ま
しくは20%以下)である重合体を成形して得られる成
形体は、着色を生じるおそれが少ない。特に、製造され
る脂環式構造含有重合体がノルボルネン系重合体である
場合には、その分子量低下率が5%以下である重合体を
得ることが可能であり、水素化ポリスチレンなどのビニ
ル脂環式炭化水素重合体である場合には、その分子量低
下率が15%以下である重合体を得ることが可能であ
る。 (3)回収される重合体およびこれを成形して得られる
成形体のイエローインデックス(△YI)を0.7未満
にすることができる。イエローインデックス(△YI)
とは黄色度のことであり、この△YIが0.7未満であ
ると、着色しているとは認められず、しかも各種光学特
性に優れるものである。
【0072】各種配合剤 本発明方法で得られる脂環式構造含有重合体(水素化物
も含む)には、必要に応じて各種配合剤を添加すること
ができる。各種配合剤としては、樹脂工業で一般的に用
いられるものであれば格別な限定はないが、たとえば、
フェノール系、フォスファイト系、チオエーテル系など
の酸化防止剤;ヒンダードフェノール系などの紫外線吸
収剤;脂肪族アルコール、脂肪族エステル、芳香族エス
テル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級
脂肪酸金属塩などの離型剤;その他の滑剤、防曇剤、可
塑剤、顔料、近赤外吸収剤、帯電防止剤などが挙げられ
る。これらの配合剤はそれぞれ単独で或いは2種以上を
組み合わせて用いられる。配合剤の使用量は、本発明の
範囲を損ねない範囲で適宜選択される。なお、各種配合
剤が添加される脂環式構造含有重合体(水素化物も含
む)は、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いられ
る。
も含む)には、必要に応じて各種配合剤を添加すること
ができる。各種配合剤としては、樹脂工業で一般的に用
いられるものであれば格別な限定はないが、たとえば、
フェノール系、フォスファイト系、チオエーテル系など
の酸化防止剤;ヒンダードフェノール系などの紫外線吸
収剤;脂肪族アルコール、脂肪族エステル、芳香族エス
テル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級
脂肪酸金属塩などの離型剤;その他の滑剤、防曇剤、可
塑剤、顔料、近赤外吸収剤、帯電防止剤などが挙げられ
る。これらの配合剤はそれぞれ単独で或いは2種以上を
組み合わせて用いられる。配合剤の使用量は、本発明の
範囲を損ねない範囲で適宜選択される。なお、各種配合
剤が添加される脂環式構造含有重合体(水素化物も含
む)は、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いられ
る。
【0073】成形 本発明方法で得られる脂環式構造含有重合体(水素化物
も含む)は、製造後に二軸押出機等の溶融状態で混練し
て、ペレットとして用いることができる。そして、周知
の方法、例えば、射出成形、押し出し成形、キャスト成
形、インフレーション成形、ブロー成形、真空成形、プ
レス成形、圧縮成形、回転成形、カレンダー成形、圧延
成形、切削成形等によって成形加工することができる。
も含む)は、製造後に二軸押出機等の溶融状態で混練し
て、ペレットとして用いることができる。そして、周知
の方法、例えば、射出成形、押し出し成形、キャスト成
形、インフレーション成形、ブロー成形、真空成形、プ
レス成形、圧縮成形、回転成形、カレンダー成形、圧延
成形、切削成形等によって成形加工することができる。
【0074】用途 本発明方法で得られる脂環式構造含有重合体(水素化物
も含む)は、光学材料をはじめとして各種成形体として
広範な分野において有用である。
も含む)は、光学材料をはじめとして各種成形体として
広範な分野において有用である。
【0075】たとえば、光ディスク、光学レンズ、プリ
ズム、光拡散板、光カード、光ファイバー、光学ミラ
ー、液晶表示素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差
フィルムなどの光学材料;液体薬品容器、アンプル、バ
イアル、プレフィルドシリンジ、輸液用バッグ、密封薬
袋、プレス・スルー・パッケージ、固体薬品容器、点眼
薬容器などの液体、粉体、または固体薬品の容器、食品
容器、血液検査用サンプリング試験管、薬品容器用キャ
ップ、採血管、検体容器などのサンプリング容器、注射
器などの医療器具、メス、鉗子、ガーゼ、コンタクトレ
ンズなどの医療器具などの滅菌容器、ビーカー、シャー
レ、フラスコ、試験管、遠心管などの実験・分析器具、
医療検査用プラスチックレンズなどの医療用光学部品、
医療用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブなどの配管
材料、義歯床、人工心臓、人造歯根などの人工臓器やそ
の部品などの医療用器材;タンク、トレイ、キャリア、
ケースなどの処理用または移送用容器、キャリアテー
プ、セパレーション・フィルムなどの保護材、パイプ、
チューブ、バルブ、シッパー流量計、フィルター、ポン
プなどの配管類、サンプリング容器、ボトル、アンプル
バッグなどの液体用容器類などの電子部品処理用器材;
電線、ケーブル用被覆材、民生用・産業用電子機器、複
写機、コンピューター、プリンターなどのOA機器、計
器類などの一般絶縁材料;硬質プリント基板、フレキシ
ブルプリント基板、多層プリント配線板などの回路基
板、特に高周波特性が要求される衛星通信機器用などの
高周波回路基板;液晶基板、光メモリー、自動車や航空
機のデフロスタなどの面発熱体などの透明導電性フィル
ムの基材、トランジスタ、IC、LSI、LEDなどの
電気・導体封止材や部品、モーター、コンデンサー、ス
イッチ、センサーなどの電気・電子部品の封止材、テレ
ビやビデオカメラなどのボディ材料、パラボラアンテ
ナ、フラットアンテナ、レーダードームの構造部材など
の電気絶縁材料;包装フィルム、農業用フィルムなどの
フィルム;磁気フロッピーディスク、磁気ハードディス
クなどの情報記録用基板などが挙げられる。中でも、成
形体の着色を嫌う光学材料に適用して好ましい。
ズム、光拡散板、光カード、光ファイバー、光学ミラ
ー、液晶表示素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差
フィルムなどの光学材料;液体薬品容器、アンプル、バ
イアル、プレフィルドシリンジ、輸液用バッグ、密封薬
袋、プレス・スルー・パッケージ、固体薬品容器、点眼
薬容器などの液体、粉体、または固体薬品の容器、食品
容器、血液検査用サンプリング試験管、薬品容器用キャ
ップ、採血管、検体容器などのサンプリング容器、注射
器などの医療器具、メス、鉗子、ガーゼ、コンタクトレ
ンズなどの医療器具などの滅菌容器、ビーカー、シャー
レ、フラスコ、試験管、遠心管などの実験・分析器具、
医療検査用プラスチックレンズなどの医療用光学部品、
医療用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブなどの配管
材料、義歯床、人工心臓、人造歯根などの人工臓器やそ
の部品などの医療用器材;タンク、トレイ、キャリア、
ケースなどの処理用または移送用容器、キャリアテー
プ、セパレーション・フィルムなどの保護材、パイプ、
チューブ、バルブ、シッパー流量計、フィルター、ポン
プなどの配管類、サンプリング容器、ボトル、アンプル
バッグなどの液体用容器類などの電子部品処理用器材;
電線、ケーブル用被覆材、民生用・産業用電子機器、複
写機、コンピューター、プリンターなどのOA機器、計
器類などの一般絶縁材料;硬質プリント基板、フレキシ
ブルプリント基板、多層プリント配線板などの回路基
板、特に高周波特性が要求される衛星通信機器用などの
高周波回路基板;液晶基板、光メモリー、自動車や航空
機のデフロスタなどの面発熱体などの透明導電性フィル
ムの基材、トランジスタ、IC、LSI、LEDなどの
電気・導体封止材や部品、モーター、コンデンサー、ス
イッチ、センサーなどの電気・電子部品の封止材、テレ
ビやビデオカメラなどのボディ材料、パラボラアンテ
ナ、フラットアンテナ、レーダードームの構造部材など
の電気絶縁材料;包装フィルム、農業用フィルムなどの
フィルム;磁気フロッピーディスク、磁気ハードディス
クなどの情報記録用基板などが挙げられる。中でも、成
形体の着色を嫌う光学材料に適用して好ましい。
【0076】以上、本発明の実施形態について説明して
きたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
きたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0077】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以
下の例では、特に断りのない限り、部および%は重量基
準である。なお、数平均分子量(Mn)および重量平均
分子量(Mw)は特に断りのない限り、シクロヘキサン
を移動層としたゲルパーミエーション・クロマトグラフ
ィー(ポリスチレン換算)より測定した。主鎖(芳香環
以外の不飽和結合)および芳香環の水素添加率は、 1
H−NMRにより測定した。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以
下の例では、特に断りのない限り、部および%は重量基
準である。なお、数平均分子量(Mn)および重量平均
分子量(Mw)は特に断りのない限り、シクロヘキサン
を移動層としたゲルパーミエーション・クロマトグラフ
ィー(ポリスチレン換算)より測定した。主鎖(芳香環
以外の不飽和結合)および芳香環の水素添加率は、 1
H−NMRにより測定した。
【0078】実施例1 反応溶液の製造 窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500部に、1
−ヘキセン0.56部、ジブチルエーテル0.11部、
トリイソブチルアルミニウム0.22部を室温で反応器
に入れ混合した後、45℃に保ちながら、8−エチル−
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]
−ドデカ−3−エン(エチルテトラシクロドデセン、以
下ETCDという)200部および六塩化タングステン
0.7%トルエン溶液30部を2時間かけて連続的に添
加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル
0.78部とイソプロピルアルコール0.38部を加え
て重合触媒を不活性化し重合反応を停止させ、ETCD
開環重合体を得た。この重合反応におけるETCDモノ
マーのETCD開環重合体への転化率はほぼ100%で
あった。
−ヘキセン0.56部、ジブチルエーテル0.11部、
トリイソブチルアルミニウム0.22部を室温で反応器
に入れ混合した後、45℃に保ちながら、8−エチル−
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]
−ドデカ−3−エン(エチルテトラシクロドデセン、以
下ETCDという)200部および六塩化タングステン
0.7%トルエン溶液30部を2時間かけて連続的に添
加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル
0.78部とイソプロピルアルコール0.38部を加え
て重合触媒を不活性化し重合反応を停止させ、ETCD
開環重合体を得た。この重合反応におけるETCDモノ
マーのETCD開環重合体への転化率はほぼ100%で
あった。
【0079】得られたETCD開環重合体の重合溶液を
加圧可能な反応器に移し、ETCD開環重合体を含有す
る重合溶液100部に対して、シクロヘキサンを270
部加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触
媒(日揮化学社製)を5部加え、反応器内の水素圧力を
5MPa、温度200℃で4時間水素化反応を行い、開
環重合体水素化ポリマーを20%含有する水素化溶液を
得た。得られた水素化ポリマーの水素添加率は99.9
%以上、ガラス転移温度は140℃であった。
加圧可能な反応器に移し、ETCD開環重合体を含有す
る重合溶液100部に対して、シクロヘキサンを270
部加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触
媒(日揮化学社製)を5部加え、反応器内の水素圧力を
5MPa、温度200℃で4時間水素化反応を行い、開
環重合体水素化ポリマーを20%含有する水素化溶液を
得た。得られた水素化ポリマーの水素添加率は99.9
%以上、ガラス転移温度は140℃であった。
【0080】得られた水素化ポリマーを含有する水素化
溶液中の水素化触媒を濾過により分離除去した後、水素
化溶液100部に対し、フェノール系酸化防止剤として
イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカ
ルズ社製)2.5部を添加して反応溶液を得た。
溶液中の水素化触媒を濾過により分離除去した後、水素
化溶液100部に対し、フェノール系酸化防止剤として
イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカ
ルズ社製)2.5部を添加して反応溶液を得た。
【0081】予備濃縮工程 得られた反応溶液(重合体濃度20%)を、プレートフ
ィン型熱交換器(幅270mm、高さ200mm、奥行
き255mm、伝熱面積4.3m2 )を備えた溶媒除
去装置であるハイビスカス・エバポレータ(三井造船社
製)に、毎時90kgで導入して反応溶液の予備濃縮を
行い、重合体濃度が98%の濃縮溶液を得た。反応溶液
の予備濃縮は、加熱温度285℃、操作圧力280kP
a、装置内滞留時間10分、酸素濃度0.1容量%の雰
囲気下の条件で行った。予備濃縮工程で蒸発したシクロ
ヘキサンは、溶媒除去装置の排気口より真空ポンプで吸
引し熱交換器により凝縮させて回収した。
ィン型熱交換器(幅270mm、高さ200mm、奥行
き255mm、伝熱面積4.3m2 )を備えた溶媒除
去装置であるハイビスカス・エバポレータ(三井造船社
製)に、毎時90kgで導入して反応溶液の予備濃縮を
行い、重合体濃度が98%の濃縮溶液を得た。反応溶液
の予備濃縮は、加熱温度285℃、操作圧力280kP
a、装置内滞留時間10分、酸素濃度0.1容量%の雰
囲気下の条件で行った。予備濃縮工程で蒸発したシクロ
ヘキサンは、溶媒除去装置の排気口より真空ポンプで吸
引し熱交換器により凝縮させて回収した。
【0082】乾燥工程 得られた濃縮溶液を、前記予備濃縮工程と同様のハイビ
スカス・エバポレータ(三井造船社製)に、毎時1.8
kgで導入し濃縮溶液の乾燥を行い、残留する揮発性成
分の除去処理を行った。濃縮溶液の乾燥は、加熱温度2
85℃、操作圧力665Pa、装置内滞留時間30分、
酸素濃度0.1容量%の雰囲気下の条件で行った。乾燥
工程で蒸発したシクロヘキサンは、溶媒除去装置の排気
口より真空ポンプで吸引し、熱交換器により凝縮させて
回収した。
スカス・エバポレータ(三井造船社製)に、毎時1.8
kgで導入し濃縮溶液の乾燥を行い、残留する揮発性成
分の除去処理を行った。濃縮溶液の乾燥は、加熱温度2
85℃、操作圧力665Pa、装置内滞留時間30分、
酸素濃度0.1容量%の雰囲気下の条件で行った。乾燥
工程で蒸発したシクロヘキサンは、溶媒除去装置の排気
口より真空ポンプで吸引し、熱交換器により凝縮させて
回収した。
【0083】そして、乾燥工程後、装置底部に溜まった
溶融状態の重合体を、ギアポンプにより連続的に装置外
に導出し、ストランド状に押し出した後に冷却固化し、
ペレタイザーにてペレット状に成形した。
溶融状態の重合体を、ギアポンプにより連続的に装置外
に導出し、ストランド状に押し出した後に冷却固化し、
ペレタイザーにてペレット状に成形した。
【0084】得られた重合体中の残留揮発性成分濃度
を、ガスクロマトグラフィーにより測定したところ、3
60ppmであった。
を、ガスクロマトグラフィーにより測定したところ、3
60ppmであった。
【0085】また、この重合体の重量平均分子量(M
w)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)により、ポリスチレン換算で求めたところ、溶媒
除去処理前では36500、溶媒除去処理後では361
00であり、減少率は約1%であり、揮発性成分の除去
処理による重合体の影響はほとんどなかった。
w)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)により、ポリスチレン換算で求めたところ、溶媒
除去処理前では36500、溶媒除去処理後では361
00であり、減少率は約1%であり、揮発性成分の除去
処理による重合体の影響はほとんどなかった。
【0086】このようにして得られた開環重合体水素化
物100部に、フェノール系酸化防止剤(イルガノック
ス1010、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
0.2部と、軟質重合体(タフテックH1052、旭化
成社製)0.2部とを添加し、二軸混練機(東芝機械社
製TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=3
2、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度210
℃、フィードレート10kg/時間)で混練して押し出
し、ペレット化した。このペレットを、サイドゲート金
型方式の射出成形装置(東芝機械株式会社製の製品番号
IS450)を用いて、射出成形により長さ280m
m、幅190mm、厚さ2mmの平板を成形した。成形
条件は、金型温度80℃、シリンダー温度280℃、ノ
ズル温度260℃とした。
物100部に、フェノール系酸化防止剤(イルガノック
ス1010、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
0.2部と、軟質重合体(タフテックH1052、旭化
成社製)0.2部とを添加し、二軸混練機(東芝機械社
製TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=3
2、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度210
℃、フィードレート10kg/時間)で混練して押し出
し、ペレット化した。このペレットを、サイドゲート金
型方式の射出成形装置(東芝機械株式会社製の製品番号
IS450)を用いて、射出成形により長さ280m
m、幅190mm、厚さ2mmの平板を成形した。成形
条件は、金型温度80℃、シリンダー温度280℃、ノ
ズル温度260℃とした。
【0087】得られた平板の着色度および成形性を評価
した。平板の着色度は、黄変度指数差(△YI)で評価
した。△YIは、成形した平板の一部を可溶な溶媒に濃
度15重量%で溶解した溶液を試験液として、試験液の
黄色度指数(YI; イエローインデックス)をJIS
−K7103により、色差計(カラーアナライザー)を
用いて測定した。測定光路を10mm、ブランクを溶解
用の溶媒として測定し、測定値として得られたYI値よ
り、ブランク溶媒のみのYI値を差し引いた値を、平板
由来の△YI値として求めた。なお、測定は3回行い、
その平均値を用いて評価した。また、溶液が完全溶解し
たものかどうかは0.5μmのPTFE製フィルタを先
端に取り付けたシリンジ内に溶液を充填し、ピストンを
押した際に抵抗なく全液がフィルター先端から排出でき
たことをもって確認した。△YIが0.7未満の場合を
「◎(非常に良好)」、△YIが0.7以上1.0未満
の場合を「○(良好)」、△YIが1.0以上1.5未
満の場合を「△(やや不良)」、△YIが1.5以上の
場合を「×(不良)」とした。
した。平板の着色度は、黄変度指数差(△YI)で評価
した。△YIは、成形した平板の一部を可溶な溶媒に濃
度15重量%で溶解した溶液を試験液として、試験液の
黄色度指数(YI; イエローインデックス)をJIS
−K7103により、色差計(カラーアナライザー)を
用いて測定した。測定光路を10mm、ブランクを溶解
用の溶媒として測定し、測定値として得られたYI値よ
り、ブランク溶媒のみのYI値を差し引いた値を、平板
由来の△YI値として求めた。なお、測定は3回行い、
その平均値を用いて評価した。また、溶液が完全溶解し
たものかどうかは0.5μmのPTFE製フィルタを先
端に取り付けたシリンジ内に溶液を充填し、ピストンを
押した際に抵抗なく全液がフィルター先端から排出でき
たことをもって確認した。△YIが0.7未満の場合を
「◎(非常に良好)」、△YIが0.7以上1.0未満
の場合を「○(良好)」、△YIが1.0以上1.5未
満の場合を「△(やや不良)」、△YIが1.5以上の
場合を「×(不良)」とした。
【0088】平板の成形性は、得られた平板を目視判断
することにより、以下の判定基準により評価した。10
回の射出成形においてヒケ、シルバーストリーク等の外
観不良が全くないもの「◎」、10回の射出成形におい
て1〜2サンプルにおいて上記成形不良が見られるもの
「○」、10回の射出成形において3〜4サンプルにお
いて上記成形不良が見られるもの「△」、10回の射出
成形において5サンプル以上において上記成形不良が見
られるもの「×」とした。
することにより、以下の判定基準により評価した。10
回の射出成形においてヒケ、シルバーストリーク等の外
観不良が全くないもの「◎」、10回の射出成形におい
て1〜2サンプルにおいて上記成形不良が見られるもの
「○」、10回の射出成形において3〜4サンプルにお
いて上記成形不良が見られるもの「△」、10回の射出
成形において5サンプル以上において上記成形不良が見
られるもの「×」とした。
【0089】その結果、得られた平板は、着色もなく無
色透明であり、しかもシルバーストリークやボイド等の
成形不良も観察されずに良好なものであった。これらの
結果を表1〜2に記載する。
色透明であり、しかもシルバーストリークやボイド等の
成形不良も観察されずに良好なものであった。これらの
結果を表1〜2に記載する。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】実施例2 乾燥工程での溶媒除去装置としてベント付き2軸押出機
(ベント口数5個、スクリュー径37mm、東芝機械社
製)を用い、加熱温度を290℃とした以外は、実施例
1と同様にしてペレット状の重合体および平板を得た。
(ベント口数5個、スクリュー径37mm、東芝機械社
製)を用い、加熱温度を290℃とした以外は、実施例
1と同様にしてペレット状の重合体および平板を得た。
【0093】得られた重合体中の残留揮発性成分濃度
は、620ppmであった。また、この重合体の重量平
均分子量(Mw)は溶媒除去処理前では36400、溶
媒除去処理後では35700であり、減少率は約2%で
あり、揮発性成分の除去処理による重合体の影響はほと
んどなかった。
は、620ppmであった。また、この重合体の重量平
均分子量(Mw)は溶媒除去処理前では36400、溶
媒除去処理後では35700であり、減少率は約2%で
あり、揮発性成分の除去処理による重合体の影響はほと
んどなかった。
【0094】得られた平板は、着色もなく無色透明であ
り、しかもシルバーストリークやボイド等の成形不良も
観察されずに良好なものであった。これらの結果を表1
〜2に記載する。
り、しかもシルバーストリークやボイド等の成形不良も
観察されずに良好なものであった。これらの結果を表1
〜2に記載する。
【0095】実施例3 乾燥工程での溶媒除去装置としてメガネ翼重合装置(日
立製作所社製)を用い、加熱温度を290℃とした以外
は、実施例1と同様にしてペレット状の重合体および平
板を得た。
立製作所社製)を用い、加熱温度を290℃とした以外
は、実施例1と同様にしてペレット状の重合体および平
板を得た。
【0096】得られた重合体中の残留揮発性成分濃度
は、190ppmであった。また、この重合体の重量平
均分子量(Mw)は溶媒除去処理前では36600、溶
媒除去処理後では36500であり、減少率は約0.3
%であり、揮発性成分の除去処理による重合体の影響は
ほとんどなかった。
は、190ppmであった。また、この重合体の重量平
均分子量(Mw)は溶媒除去処理前では36600、溶
媒除去処理後では36500であり、減少率は約0.3
%であり、揮発性成分の除去処理による重合体の影響は
ほとんどなかった。
【0097】得られた平板は、着色もなく無色透明であ
り、しかもシルバーストリークやボイド等の成形不良も
観察されずに良好なものであった。これらの結果を表1
〜2に記載する。
り、しかもシルバーストリークやボイド等の成形不良も
観察されずに良好なものであった。これらの結果を表1
〜2に記載する。
【0098】実施例4 予備濃縮工程での溶媒除去装置としてベント付き2軸押
出機(ベント口数5個、スクリュー径65mm、日本製
鋼所社製)を用い、操作圧力を4kPaとした以外は、
実施例1と同様にしてペレット状の重合体および平板を
得た。
出機(ベント口数5個、スクリュー径65mm、日本製
鋼所社製)を用い、操作圧力を4kPaとした以外は、
実施例1と同様にしてペレット状の重合体および平板を
得た。
【0099】得られた重合体中の残留揮発性成分濃度
は、400ppmであった。また、この重合体の重量平
均分子量(Mw)は溶媒除去処理前では36600、溶
媒除去処理後では36100であり、減少率は約1%で
あり、揮発性成分の除去処理による重合体の影響はほと
んどなかった。
は、400ppmであった。また、この重合体の重量平
均分子量(Mw)は溶媒除去処理前では36600、溶
媒除去処理後では36100であり、減少率は約1%で
あり、揮発性成分の除去処理による重合体の影響はほと
んどなかった。
【0100】得られた平板は、着色もなく無色透明であ
り、しかもシルバーストリークやボイド等の成形不良も
観察されずに良好なものであった。これらの結果を表1
〜2に記載する。
り、しかもシルバーストリークやボイド等の成形不良も
観察されずに良好なものであった。これらの結果を表1
〜2に記載する。
【0101】比較例1 予備濃縮工程での溶媒除去装置として実施例1のハイビ
スカス・エバポレータを用いず、通常の濃縮器を用い、
加熱温度を180℃、操作圧力を大気圧、装置内滞留時
間5時間、酸素濃度0.1容量%の雰囲気下の条件で、
反応溶液の予備濃縮を行い、濃縮溶液を得たが、この濃
縮溶液の重合体濃度は50%と低かった。
スカス・エバポレータを用いず、通常の濃縮器を用い、
加熱温度を180℃、操作圧力を大気圧、装置内滞留時
間5時間、酸素濃度0.1容量%の雰囲気下の条件で、
反応溶液の予備濃縮を行い、濃縮溶液を得たが、この濃
縮溶液の重合体濃度は50%と低かった。
【0102】次いで、前記濃縮溶液を、実施例1と同様
にハイビスカス・エバポレータを用い、加熱温度を31
0℃、操作圧力を665Pa、装置内滞留時間30分、
酸素濃度0.1容量%の雰囲気下の条件で乾燥を行い、
残留する揮発成分の除去を行った。これ以降は、実施例
1と同様にしてペレット状の重合体および平板を得た。
にハイビスカス・エバポレータを用い、加熱温度を31
0℃、操作圧力を665Pa、装置内滞留時間30分、
酸素濃度0.1容量%の雰囲気下の条件で乾燥を行い、
残留する揮発成分の除去を行った。これ以降は、実施例
1と同様にしてペレット状の重合体および平板を得た。
【0103】得られた重合体中の残留揮発性成分濃度
は、1500ppmであり、実施例1〜4と比較して若
干ではあるが高かった。また、この重合体の重量平均分
子量(Mw)は溶媒除去処理前では36400、溶媒除
去処理後では32800であり、減少率は約10%であ
り、揮発性成分の除去処理による重合体への影響が認め
られた。
は、1500ppmであり、実施例1〜4と比較して若
干ではあるが高かった。また、この重合体の重量平均分
子量(Mw)は溶媒除去処理前では36400、溶媒除
去処理後では32800であり、減少率は約10%であ
り、揮発性成分の除去処理による重合体への影響が認め
られた。
【0104】得られた平板は、着色しており、しかもシ
ルバーストリークやボイド等の成形不良も若干、観察さ
れた。この点で、実施例1〜4の優位性が確認できた。
これらの結果を表1〜2に記載する。
ルバーストリークやボイド等の成形不良も若干、観察さ
れた。この点で、実施例1〜4の優位性が確認できた。
これらの結果を表1〜2に記載する。
【0105】比較例2 予備濃縮工程での溶媒除去装置として、フラッシュ濃縮
法(常圧以上に加圧した反応溶液を常圧の系内に開放
し、圧力差によって揮発性成分のみを飛散・分離させ反
応溶液を濃縮する方法)に適した二重管式フラッシュ乾
燥器(外管径2B、内管径3/4B、長さ27m)とフ
ラッシュホッパー(容積200リットル)とを用い、加
熱温度を200℃、操作圧力を400kPa、装置内滞
留時間10分、酸素濃度0.1容量%の雰囲気下の条件
で、反応溶液の予備濃縮を行い、濃縮溶液を得たが、こ
の濃縮溶液の重合体濃度は60%と低かった。
法(常圧以上に加圧した反応溶液を常圧の系内に開放
し、圧力差によって揮発性成分のみを飛散・分離させ反
応溶液を濃縮する方法)に適した二重管式フラッシュ乾
燥器(外管径2B、内管径3/4B、長さ27m)とフ
ラッシュホッパー(容積200リットル)とを用い、加
熱温度を200℃、操作圧力を400kPa、装置内滞
留時間10分、酸素濃度0.1容量%の雰囲気下の条件
で、反応溶液の予備濃縮を行い、濃縮溶液を得たが、こ
の濃縮溶液の重合体濃度は60%と低かった。
【0106】次いで、前記濃縮溶液を、実施例2と同様
の2軸押出機を用い、加熱温度を250℃、操作圧力を
665Pa、装置内滞留時間5分、酸素濃度0.1容量
%の雰囲気下の条件で乾燥を行い、残留する揮発成分の
除去を行った。これ以降は、実施例1と同様にしてペレ
ット状の重合体および平板を得た。
の2軸押出機を用い、加熱温度を250℃、操作圧力を
665Pa、装置内滞留時間5分、酸素濃度0.1容量
%の雰囲気下の条件で乾燥を行い、残留する揮発成分の
除去を行った。これ以降は、実施例1と同様にしてペレ
ット状の重合体および平板を得た。
【0107】得られた重合体の重量平均分子量(Mw)
は溶媒除去処理前では36100、溶媒除去処理後では
35400であり、減少率は約2%であり、揮発性成分
の除去処理により重合体の影響は認められなかった。し
かしながら、この重合体中の残留揮発性成分濃度は、9
000ppmであり、実施例1〜4と比較して極めて高
くなった。
は溶媒除去処理前では36100、溶媒除去処理後では
35400であり、減少率は約2%であり、揮発性成分
の除去処理により重合体の影響は認められなかった。し
かしながら、この重合体中の残留揮発性成分濃度は、9
000ppmであり、実施例1〜4と比較して極めて高
くなった。
【0108】得られた平板は、着色もなく無色透明であ
ったが、シルバーストリークやボイド等の成形不良が観
察された。この点で実施例1〜4の優位性が確認でき
た。これらの結果を表1〜2に記載する。
ったが、シルバーストリークやボイド等の成形不良が観
察された。この点で実施例1〜4の優位性が確認でき
た。これらの結果を表1〜2に記載する。
【0109】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、反応溶液に含まれる揮発性成分を短時間で除去で
き、その結果、得られる重合体の分子量低下を抑制で
き、しかも揮発性成分残留量を十分に低減できる、光学
材料などとして好適な脂環式構造含有重合体を製造する
方法を提供できる。
ば、反応溶液に含まれる揮発性成分を短時間で除去で
き、その結果、得られる重合体の分子量低下を抑制で
き、しかも揮発性成分残留量を十分に低減できる、光学
材料などとして好適な脂環式構造含有重合体を製造する
方法を提供できる。
【0110】本発明の方法により得られる脂環式構造含
有重合体を用いれば、着色が少なく、しかもシルバース
トリークやボイドなどの成形不良が少ない成形体を成形
できる。
有重合体を用いれば、着色が少なく、しかもシルバース
トリークやボイドなどの成形不良が少ない成形体を成形
できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 スクリューを有する加熱シリンダーを備
えた溶媒除去装置またはプレートフィン型熱交換器を備
えた溶媒除去装置を用いて、脂環式構造含有重合体を含
む反応溶液を加熱することにより、前記反応溶液に含ま
れる揮発性成分の一部を除去して重合体を70〜99.
5重量%含有する濃縮溶液を得る予備濃縮工程と、 前記濃縮溶液に含まれる揮発性成分の残部を除去するこ
とにより、重合体濃度を99.5重量%超にして重合体
を回収する乾燥工程とを有する脂環式構造含有重合体の
製造方法。 - 【請求項2】 前記反応溶液に対する加熱温度の下限が
反応溶液に含まれる重合体のガラス転移温度(Tg)+
50℃であり、上限が350℃であることを特徴とする
請求項1に記載の脂環式構造含有重合体の製造方法。 - 【請求項3】 前記反応溶液に含まれる揮発性成分を除
去する際の操作圧力が、600kPa以下であることを
特徴とする請求項1または2に記載の脂環式構造含有重
合体の製造方法。 - 【請求項4】 前記反応溶液を加熱し始めてから乾燥工
程にフィードするまでの時間が、1時間以下であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の脂環式構
造含有重合体の製造方法。 - 【請求項5】 前記濃縮溶液を常圧以下で加熱すること
により、前記濃縮溶液に含まれる揮発性成分の残部を除
去することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
の脂環式構造含有重合体の製造方法。 - 【請求項6】 スクリューを有する加熱シリンダーを備
えた溶媒除去装置またはプレートフィン型熱交換器を備
えた溶媒除去装置を用いて、前記濃縮溶液を常圧以下で
加熱することを特徴とする請求項5に記載の脂環式構造
含有重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000292437A JP2002097259A (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 脂環式構造含有重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000292437A JP2002097259A (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 脂環式構造含有重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002097259A true JP2002097259A (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18775380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000292437A Pending JP2002097259A (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 脂環式構造含有重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002097259A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014087935A1 (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-12 | 日本ゼオン株式会社 | 樹脂組成物及びそれを用いた医療用薬剤容器 |
-
2000
- 2000-09-26 JP JP2000292437A patent/JP2002097259A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014087935A1 (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-12 | 日本ゼオン株式会社 | 樹脂組成物及びそれを用いた医療用薬剤容器 |
CN104812837A (zh) * | 2012-12-05 | 2015-07-29 | 日本瑞翁株式会社 | 树脂组合物以及使用其的医疗用药剂容器 |
JPWO2014087935A1 (ja) * | 2012-12-05 | 2017-01-05 | 日本ゼオン株式会社 | 樹脂組成物及びそれを用いた医療用薬剤容器 |
US11649348B2 (en) | 2012-12-05 | 2023-05-16 | Zeon Corporation | Resin composition and medical drug container using same |
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