JP2002097088A - 絵付セラミックス体の製造方法 - Google Patents
絵付セラミックス体の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 画像保存性が良好な絵付セラミックス体を簡
易な工程により、低コストで且つ安定的に製造できると
共に多色転写の場合にも画像ムラのない多色画像を得る
ことができる方法を提供する。 【解決手段】 無機顔料を含む転写材料からなる転写層
を有する転写シートの転写層表面、および前記転写材料
を転写可能な受像層を有する受像シートの受像層表面の
少なくとも一方に、転写材料の受像層表面への転写を促
進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して潜像を形
成し、該潜像に対応して転写材料を受像層表面に転写
し、受像層表面に転写材料からなる画像を形成するに際
し、転写層と受像層にそれぞれ用いられるポリマーが、
互いに同一の官能基を有するモノマーを構成単位として
30モル%以上含有する。
易な工程により、低コストで且つ安定的に製造できると
共に多色転写の場合にも画像ムラのない多色画像を得る
ことができる方法を提供する。 【解決手段】 無機顔料を含む転写材料からなる転写層
を有する転写シートの転写層表面、および前記転写材料
を転写可能な受像層を有する受像シートの受像層表面の
少なくとも一方に、転写材料の受像層表面への転写を促
進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して潜像を形
成し、該潜像に対応して転写材料を受像層表面に転写
し、受像層表面に転写材料からなる画像を形成するに際
し、転写層と受像層にそれぞれ用いられるポリマーが、
互いに同一の官能基を有するモノマーを構成単位として
30モル%以上含有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絵付セラミックス
体の製造方法に関し、より詳細には、美術タイル等の建
材、セラミックフォト等として利用され得る絵付セラミ
ックス体の簡易な製造方法に関する。
体の製造方法に関し、より詳細には、美術タイル等の建
材、セラミックフォト等として利用され得る絵付セラミ
ックス体の簡易な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陶板等のセラミックス体に黒白およびカ
ラー画像を形成した絵付セラミックス体は、風呂場や玄
関等の壁に使用する美術タイル等の建材のみならず、肖
像や遺影等のセラミックフォト、ペンダント、ブローチ
等のアクセサリー等、種々の用途への適用が期待されて
いる。従来、陶板等の表面に画像を形成する方法として
は、通常の印画紙に画像を形成した後、該印画紙の紙部
を除去して陶磁器表面に接着し、その画像部表面を紫外
線硬化樹脂によりラミネ−トして、画像部を保護する方
法が知られている。しかし、この方法により画像を形成
すると、画像部の耐光性および耐熱性が不十分である。
画像の耐光性および耐熱性に優れ、画像を半永久的に保
存できれば、用途を拡大させることができ、有利であ
る。
ラー画像を形成した絵付セラミックス体は、風呂場や玄
関等の壁に使用する美術タイル等の建材のみならず、肖
像や遺影等のセラミックフォト、ペンダント、ブローチ
等のアクセサリー等、種々の用途への適用が期待されて
いる。従来、陶板等の表面に画像を形成する方法として
は、通常の印画紙に画像を形成した後、該印画紙の紙部
を除去して陶磁器表面に接着し、その画像部表面を紫外
線硬化樹脂によりラミネ−トして、画像部を保護する方
法が知られている。しかし、この方法により画像を形成
すると、画像部の耐光性および耐熱性が不十分である。
画像の耐光性および耐熱性に優れ、画像を半永久的に保
存できれば、用途を拡大させることができ、有利であ
る。
【0003】例えば、特開平2 −252683号公報
等には、陶磁器の表面に感光性のフィルムを付着させ、
色分解されたリスフィルム通して網点露光した後このフ
ィルムを現像し、現れた画像に応じて順次絵付け用無機
顔料を載せて焼成する方法が提案されている。また、特
開昭62 −246887号公報には、前記感光性フィ
ルムの代わりに感光性ポリマ−を直接陶磁器上に塗設
し、網点露光した後、現像処理し、上記と同様に顔料像
の形成、焼成をする方法が提案されている。これらの方
法により形成された画像(陶磁器写真)は極めて保存性
に優れており、半永久的である。しかし、前記方法を利
用する場合は、カラ−原稿を色分解したリスフィルムを
複数枚作製しなければならない。また、現像処理された
感光性フィルムの表面に顔料を付着させる際に、顔料量
を微妙に調整する必要があり、再現性が乏しいために、
作製を繰りかえさなければならないことが多い。さら
に、各顔料層の形成及び焼成をそれぞれ繰り返し行なわ
なければならない。従って、前記方法は、操作が著しく
煩雑であるとともに、製造コストが高いという問題があ
る。
等には、陶磁器の表面に感光性のフィルムを付着させ、
色分解されたリスフィルム通して網点露光した後このフ
ィルムを現像し、現れた画像に応じて順次絵付け用無機
顔料を載せて焼成する方法が提案されている。また、特
開昭62 −246887号公報には、前記感光性フィ
ルムの代わりに感光性ポリマ−を直接陶磁器上に塗設
し、網点露光した後、現像処理し、上記と同様に顔料像
の形成、焼成をする方法が提案されている。これらの方
法により形成された画像(陶磁器写真)は極めて保存性
に優れており、半永久的である。しかし、前記方法を利
用する場合は、カラ−原稿を色分解したリスフィルムを
複数枚作製しなければならない。また、現像処理された
感光性フィルムの表面に顔料を付着させる際に、顔料量
を微妙に調整する必要があり、再現性が乏しいために、
作製を繰りかえさなければならないことが多い。さら
に、各顔料層の形成及び焼成をそれぞれ繰り返し行なわ
なければならない。従って、前記方法は、操作が著しく
煩雑であるとともに、製造コストが高いという問題があ
る。
【0004】また、スクリ−ン印刷、あるいはグラビア
印刷の手法で転写紙上に絵付け用顔料を主体とするイン
クで印刷を行い、その転写紙を陶磁器上に接着し焼成す
る方法も提案されている。前記方法により形成された画
像も耐久性に優れ、上記と同様に半永久的であるが、上
記と同様にカラ−原稿を色分解したリスフィルム及び刷
版を複数枚作製しなければならない。従って、上述の方
法同様、操作が著しく煩雑であるとともに、製造コスト
が高いという問題がある。さらに、絵付け用顔料はスク
リーンの網目の目詰まりを生じ易いため、スクリ−ンの
網目を十分小さくすることができず、その結果、解像力
に優れた鮮明な写真様の画像の再現は難しいという問題
がある。
印刷の手法で転写紙上に絵付け用顔料を主体とするイン
クで印刷を行い、その転写紙を陶磁器上に接着し焼成す
る方法も提案されている。前記方法により形成された画
像も耐久性に優れ、上記と同様に半永久的であるが、上
記と同様にカラ−原稿を色分解したリスフィルム及び刷
版を複数枚作製しなければならない。従って、上述の方
法同様、操作が著しく煩雑であるとともに、製造コスト
が高いという問題がある。さらに、絵付け用顔料はスク
リーンの網目の目詰まりを生じ易いため、スクリ−ンの
網目を十分小さくすることができず、その結果、解像力
に優れた鮮明な写真様の画像の再現は難しいという問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】セラミックス体上に解
像力の優れた鮮明で保存性の良好な画像を形成するに
は、まず無機顔料で解像力の優れた鮮明な画像を形成
し、それを焼結する必要がある。本発明者らは、この画
像形成法として、転写方式による絵付セラミックス体の
製造方法を提案した。この方法は、未公知であるが、
水、有機溶媒等の転写促進材料(液体)を用いて、潜像
を形成し、この潜像に対応する画像をセラミックス体上
に形成する方法である。この方法において、多色転写す
る際、2回目以降の転写時、既に画像が転写された部分
と転写されていない部分によって潜像形成用の液体(転
写促進材料)の吸収性、受像層での潜像形成用の液体
(転写促進材料)の膨潤性、この膨潤した膜の受像層と
の接着性等が不均一となる結果、画像ムラのない多色画
像を得ることが困難になる場合が生じることが判明し
た。
像力の優れた鮮明で保存性の良好な画像を形成するに
は、まず無機顔料で解像力の優れた鮮明な画像を形成
し、それを焼結する必要がある。本発明者らは、この画
像形成法として、転写方式による絵付セラミックス体の
製造方法を提案した。この方法は、未公知であるが、
水、有機溶媒等の転写促進材料(液体)を用いて、潜像
を形成し、この潜像に対応する画像をセラミックス体上
に形成する方法である。この方法において、多色転写す
る際、2回目以降の転写時、既に画像が転写された部分
と転写されていない部分によって潜像形成用の液体(転
写促進材料)の吸収性、受像層での潜像形成用の液体
(転写促進材料)の膨潤性、この膨潤した膜の受像層と
の接着性等が不均一となる結果、画像ムラのない多色画
像を得ることが困難になる場合が生じることが判明し
た。
【0006】本発明は、画像保存性が良好な絵付セラミ
ックス体を簡易な工程により、低コストで且つ安定的に
製造することができ、かつ多色転写の場合にも画像ムラ
のない多色画像を得ることができる絵付セラミックス体
の製造方法を提供することを目的とする。
ックス体を簡易な工程により、低コストで且つ安定的に
製造することができ、かつ多色転写の場合にも画像ムラ
のない多色画像を得ることができる絵付セラミックス体
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。 <1> 無機顔料を含む転写材料からなる転写層を有す
る転写シートの転写層表面、および前記転写材料を転写
可能な受像層を有する受像シートの受像層表面の少なく
とも一方に、前記転写材料の前記受像層表面への転写を
促進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して潜像を
形成する潜像形成工程と、前記転写層表面と前記受像層
表面とを少なくとも接触させて、潜像に対応して前記転
写材料を前記受像層表面に転写し、前記受像層表面に前
記転写材料からなる画像を形成する転写工程と、前記転
写材料からなる画像を前記受像シートの一部または全部
とともにセラミックス体の表面に配置する配置工程と、
前記転写材料からなる画像が配置されたセラミックス体
を加熱し、前記転写材料に含まれる無機顔料をセラミッ
クス体の表面に焼結する焼結工程と、を有する絵付セラ
ミックス体の製造方法であって、前記転写層に用いられ
るポリマーと前記受像層に用いられるポリマーが、それ
ぞれ同一の官能基を有するモノマーを少なくとも30モ
ル%以上含有するポリマーからなることを特徴とする絵
付セラミックス体の製造方法。 <2> 前記同一の官能基を有するモノマーを少なくと
も30モル%以上含有するポリマーが、ブチラール系ポ
リマーからなることを特徴とする前記<1>に記載の絵
付セラミックス体の製造方法。 <3> 前記転写層に用いられ、同一の官能基を有する
モノマーを少なくとも30モル%以上含有するポリマー
が、水性ポリビニルブチラールからなり、前記受像層に
用いられ、同一の官能基を有するモノマーを少なくとも
30モル%以上含有するポリマーが、溶媒系ポリビニル
ブチラールであることを特徴とする前記<2>に記載の
絵付セラミックス体の製造方法。 <4> 転写工程と配置工程との間に、転写材料からな
る画像を他の受像シートに転写する第2の転写工程を有
する前記<1>乃至前記<3>のいずれかに記載の絵付
セラミックス体の製造方法。 <5> 受像シートが、支持体上に、水溶性ポリマーを
含有する層および受像層を順次積層したシートであり、
前記配置工程において、前記水溶性ポリマーを一部水に
溶解させ、支持体を剥離するとともに、剥離面をセラミ
ックス体の表面に接着し、受像層とともに、転写材料か
らなる画像をセラミックス体の表面に配置する前記<1
>乃至前記<4>のいずれかに記載の絵付セラミックス
体の製造方法。 <6> 受像シートが、支持体上に、水溶性ポリマーを
含有する層および受像層を順次積層したシートであり、
前記配置工程において、前記水溶性ポリマーを一部水に
溶解させ、支持体を剥離し、糊剤を溶解又は分散した液
を介して前記剥離面と反対側の面(受像表面)をセラミ
ックス体の表面に接着し、受像層と共に転写材料からな
る画像をセラミックス体の表面に配置する前記<1>乃
至前記<4>のいずれかに記載の絵付セラミックス体の
製造方法。 <7> 無機顔料を含む転写材料からなる転写層を有す
る転写シートの転写層表面、およびセラミックス体上に
形成された前記転写材料を転写可能な受像層の表面の少
なくとも一方に、前記転写材料の前記受像層の表面への
転写を促進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して
潜像を形成する潜像形成工程と、前記転写層表面と前記
受像層の表面とを少なくとも接触させて、潜像に対応し
て、転写材料を受像層の表面に転写し、受像層の表面に
転写材料からなる画像を形成する画像形成工程と、前記
画像が形成されたセラミックス体を加熱し、前記無機顔
料をセラミックス体の表面に焼結する焼結工程と、を有
する絵付セラミックス体の製造方法。
の手段は以下の通りである。 <1> 無機顔料を含む転写材料からなる転写層を有す
る転写シートの転写層表面、および前記転写材料を転写
可能な受像層を有する受像シートの受像層表面の少なく
とも一方に、前記転写材料の前記受像層表面への転写を
促進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して潜像を
形成する潜像形成工程と、前記転写層表面と前記受像層
表面とを少なくとも接触させて、潜像に対応して前記転
写材料を前記受像層表面に転写し、前記受像層表面に前
記転写材料からなる画像を形成する転写工程と、前記転
写材料からなる画像を前記受像シートの一部または全部
とともにセラミックス体の表面に配置する配置工程と、
前記転写材料からなる画像が配置されたセラミックス体
を加熱し、前記転写材料に含まれる無機顔料をセラミッ
クス体の表面に焼結する焼結工程と、を有する絵付セラ
ミックス体の製造方法であって、前記転写層に用いられ
るポリマーと前記受像層に用いられるポリマーが、それ
ぞれ同一の官能基を有するモノマーを少なくとも30モ
ル%以上含有するポリマーからなることを特徴とする絵
付セラミックス体の製造方法。 <2> 前記同一の官能基を有するモノマーを少なくと
も30モル%以上含有するポリマーが、ブチラール系ポ
リマーからなることを特徴とする前記<1>に記載の絵
付セラミックス体の製造方法。 <3> 前記転写層に用いられ、同一の官能基を有する
モノマーを少なくとも30モル%以上含有するポリマー
が、水性ポリビニルブチラールからなり、前記受像層に
用いられ、同一の官能基を有するモノマーを少なくとも
30モル%以上含有するポリマーが、溶媒系ポリビニル
ブチラールであることを特徴とする前記<2>に記載の
絵付セラミックス体の製造方法。 <4> 転写工程と配置工程との間に、転写材料からな
る画像を他の受像シートに転写する第2の転写工程を有
する前記<1>乃至前記<3>のいずれかに記載の絵付
セラミックス体の製造方法。 <5> 受像シートが、支持体上に、水溶性ポリマーを
含有する層および受像層を順次積層したシートであり、
前記配置工程において、前記水溶性ポリマーを一部水に
溶解させ、支持体を剥離するとともに、剥離面をセラミ
ックス体の表面に接着し、受像層とともに、転写材料か
らなる画像をセラミックス体の表面に配置する前記<1
>乃至前記<4>のいずれかに記載の絵付セラミックス
体の製造方法。 <6> 受像シートが、支持体上に、水溶性ポリマーを
含有する層および受像層を順次積層したシートであり、
前記配置工程において、前記水溶性ポリマーを一部水に
溶解させ、支持体を剥離し、糊剤を溶解又は分散した液
を介して前記剥離面と反対側の面(受像表面)をセラミ
ックス体の表面に接着し、受像層と共に転写材料からな
る画像をセラミックス体の表面に配置する前記<1>乃
至前記<4>のいずれかに記載の絵付セラミックス体の
製造方法。 <7> 無機顔料を含む転写材料からなる転写層を有す
る転写シートの転写層表面、およびセラミックス体上に
形成された前記転写材料を転写可能な受像層の表面の少
なくとも一方に、前記転写材料の前記受像層の表面への
転写を促進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して
潜像を形成する潜像形成工程と、前記転写層表面と前記
受像層の表面とを少なくとも接触させて、潜像に対応し
て、転写材料を受像層の表面に転写し、受像層の表面に
転写材料からなる画像を形成する画像形成工程と、前記
画像が形成されたセラミックス体を加熱し、前記無機顔
料をセラミックス体の表面に焼結する焼結工程と、を有
する絵付セラミックス体の製造方法。
【0008】本発明の絵付セラミックス体の製造方法で
は、画像形成時に、リスフィルム等の作製が不要であ
り、簡易な工程で且つ低コストに絵付セラミックス体を
作製することができる。また、本発明では、転写性促進
材料を用いて潜像を形成する潜像形成工程を経て画像形
成を行っているので、比較的比重が大きい無機顔料を水
系媒体等に分散させたインクを使用する必要がなく、無
機顔料の沈降等を生じさせることなく、安定的に画像を
形成することができる。さらに、画像を構成している無
機顔料は、セラミックス体の表面に焼結されるので、画
像は高い保存安定性を有する。また、受像層と転写層に
それぞれ用いられるポリマーは、同一官能基を有するモ
ノマーを構成単位として特定量以上有しており、受像層
に用いられるポリマーと転写層に用いられるポリマーの
性質が近似しているため、多色転写の際の潜像形成用の
液体(転写促進材料)の吸収性、受像層での潜像形成用
の液体(転写促進材料)の膨潤性、この膨潤した膜の受
像層との接着性等が均一となる結果、画像ムラのない多
色画像が得られる。
は、画像形成時に、リスフィルム等の作製が不要であ
り、簡易な工程で且つ低コストに絵付セラミックス体を
作製することができる。また、本発明では、転写性促進
材料を用いて潜像を形成する潜像形成工程を経て画像形
成を行っているので、比較的比重が大きい無機顔料を水
系媒体等に分散させたインクを使用する必要がなく、無
機顔料の沈降等を生じさせることなく、安定的に画像を
形成することができる。さらに、画像を構成している無
機顔料は、セラミックス体の表面に焼結されるので、画
像は高い保存安定性を有する。また、受像層と転写層に
それぞれ用いられるポリマーは、同一官能基を有するモ
ノマーを構成単位として特定量以上有しており、受像層
に用いられるポリマーと転写層に用いられるポリマーの
性質が近似しているため、多色転写の際の潜像形成用の
液体(転写促進材料)の吸収性、受像層での潜像形成用
の液体(転写促進材料)の膨潤性、この膨潤した膜の受
像層との接着性等が均一となる結果、画像ムラのない多
色画像が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の絵付セラミックス体の製
造方法は、転写層に含有される転写材料が受像層に転写
されるのを促進し得る転写性促進材料により転写層およ
び受像層の少なくともいずれか一方に潜像を形成する潜
像形成工程を有する。次に、潜像形成工程で形成された
潜像に応じて、転写層に含有される転写材料を受像層に
転写させ、転写材料からなる画像を形成する転写工程を
有する。受像層がセラミックス体の表面に形成されてい
る態様では、前記転写工程の後、セラミックス体を加熱
し、転写材料に含有される無機顔料をセラミックス体の
表面に燒結し、セラミックス体の表面に画像を形成する
焼結工程を行うことができる。一方、支持体と受像層か
らなる受像シートを用いて前記潜像形成工程および前記
転写工程を実施する場合は、前記転写工程の後、転写材
料からなる画像を受像層とともにセラミックス体の表面
に配置する配置工程を経た後、前記焼結工程を実施す
る。前記転写工程と前記配置工程との間には、他の受像
シートに転写材料からなる画像を転写する第2の転写工
程を実施してもよい。
造方法は、転写層に含有される転写材料が受像層に転写
されるのを促進し得る転写性促進材料により転写層およ
び受像層の少なくともいずれか一方に潜像を形成する潜
像形成工程を有する。次に、潜像形成工程で形成された
潜像に応じて、転写層に含有される転写材料を受像層に
転写させ、転写材料からなる画像を形成する転写工程を
有する。受像層がセラミックス体の表面に形成されてい
る態様では、前記転写工程の後、セラミックス体を加熱
し、転写材料に含有される無機顔料をセラミックス体の
表面に燒結し、セラミックス体の表面に画像を形成する
焼結工程を行うことができる。一方、支持体と受像層か
らなる受像シートを用いて前記潜像形成工程および前記
転写工程を実施する場合は、前記転写工程の後、転写材
料からなる画像を受像層とともにセラミックス体の表面
に配置する配置工程を経た後、前記焼結工程を実施す
る。前記転写工程と前記配置工程との間には、他の受像
シートに転写材料からなる画像を転写する第2の転写工
程を実施してもよい。
【0010】次に図1を用いて、本発明の絵付セラミッ
クス体の製造方法の一実施形態を説明する。本実施形態
は、支持体上に、前記したポリマーを含有する受像層を
有する受像シートを利用した実施形態である。まず、転
写シート10と受像シート20とを用意する(図1
(a))。転写シート10は、支持体12とその上に少
なくとも無機顔料を含む転写材料からなる転写層14と
を有する。一方、受像シート20は支持体22とその上
に転写層14中の転写材料を転写・固定可能な前記した
ポリマーを含有する受像層24とを有する。次に、受像
シート20の受像層24の表面に、インクジェット記録
装置(不図示)により、画像情報に応じて転写性促進材
料を含有する液滴を画像(セラミックス体上に形成しよ
うとする像の鏡像)様に付与する(潜像形成工程)。そ
の後、転写シート10の転写層14の表面と受像シート
20の受像層24の表面とを対向させて、接触させ、加
熱圧着する(図1(b))。転写層14に含有される転
写材料は、転写性促進材料が付与された領域においての
み受像層24の表面に転写され、受像層24の表面には
転写材料からなる画像(鏡像)iが転写される(転写工
程;図1(c))。
クス体の製造方法の一実施形態を説明する。本実施形態
は、支持体上に、前記したポリマーを含有する受像層を
有する受像シートを利用した実施形態である。まず、転
写シート10と受像シート20とを用意する(図1
(a))。転写シート10は、支持体12とその上に少
なくとも無機顔料を含む転写材料からなる転写層14と
を有する。一方、受像シート20は支持体22とその上
に転写層14中の転写材料を転写・固定可能な前記した
ポリマーを含有する受像層24とを有する。次に、受像
シート20の受像層24の表面に、インクジェット記録
装置(不図示)により、画像情報に応じて転写性促進材
料を含有する液滴を画像(セラミックス体上に形成しよ
うとする像の鏡像)様に付与する(潜像形成工程)。そ
の後、転写シート10の転写層14の表面と受像シート
20の受像層24の表面とを対向させて、接触させ、加
熱圧着する(図1(b))。転写層14に含有される転
写材料は、転写性促進材料が付与された領域においての
み受像層24の表面に転写され、受像層24の表面には
転写材料からなる画像(鏡像)iが転写される(転写工
程;図1(c))。
【0011】次に、セラミックス体である陶板30の表
面に、転写材料からなる画像iを有する受像層24を加
熱圧着により、接着し、同時に支持体22を剥離し、陶
板30の表面に転写材料からなる画像iを受像層24と
ともに配置する(図1(d);配置工程)。陶板30
を、電気窯により焼成すると、焼成中に、受像層24中
の各成分、および画像iを構成している転写材料中に含
有される無機顔料以外の成分(例えば、バインダーとし
てのポリマー等)が蒸発および/または焼却されるとと
もに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30の表面
に焼結され、絵付陶板32が作製される(図1(e);
焼結工程)。
面に、転写材料からなる画像iを有する受像層24を加
熱圧着により、接着し、同時に支持体22を剥離し、陶
板30の表面に転写材料からなる画像iを受像層24と
ともに配置する(図1(d);配置工程)。陶板30
を、電気窯により焼成すると、焼成中に、受像層24中
の各成分、および画像iを構成している転写材料中に含
有される無機顔料以外の成分(例えば、バインダーとし
てのポリマー等)が蒸発および/または焼却されるとと
もに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30の表面
に焼結され、絵付陶板32が作製される(図1(e);
焼結工程)。
【0012】図2を用いて、本発明の他の実施形態を説
明する。本実施形態は、支持体上に、水溶性ポリマーか
らなる層および前記したポリマーを含有する受像層を順
次形成した接着性受像シートを利用した実施の形態であ
る。尚、図1と同一の部材には同一の番号を付し、詳細
な説明は省略する。まず、支持体12と転写層14から
なる転写シート10、および受像シート20’とを用意
する(図2(a))。受像シート20’は支持体22と
その上に水溶性ポリマーからなる層26、および前記し
たポリマーを含有する受像層24’とを有する。受像層
24’は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に
構成されている。次に、受像シート20’の受像層2
4’の表面に、インクジェット記録装置(不図示)によ
り、画像情報に応じて転写性促進材料を含有する液滴を
画像様に付与する(潜像形成工程)。その後、転写シー
ト10の転写層14の表面と受像シート20’の受像層
24’の表面とを対向させて、接触させ、加熱圧着する
(図2(b))。転写層14に含有される転写材料は、
転写性促進材料が付与された領域においてのみ受像層2
4’の表面に転写され、受像層24’の表面には転写材
料からなる画像iが転写される(転写工程;図2
(c))。
明する。本実施形態は、支持体上に、水溶性ポリマーか
らなる層および前記したポリマーを含有する受像層を順
次形成した接着性受像シートを利用した実施の形態であ
る。尚、図1と同一の部材には同一の番号を付し、詳細
な説明は省略する。まず、支持体12と転写層14から
なる転写シート10、および受像シート20’とを用意
する(図2(a))。受像シート20’は支持体22と
その上に水溶性ポリマーからなる層26、および前記し
たポリマーを含有する受像層24’とを有する。受像層
24’は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に
構成されている。次に、受像シート20’の受像層2
4’の表面に、インクジェット記録装置(不図示)によ
り、画像情報に応じて転写性促進材料を含有する液滴を
画像様に付与する(潜像形成工程)。その後、転写シー
ト10の転写層14の表面と受像シート20’の受像層
24’の表面とを対向させて、接触させ、加熱圧着する
(図2(b))。転写層14に含有される転写材料は、
転写性促進材料が付与された領域においてのみ受像層2
4’の表面に転写され、受像層24’の表面には転写材
料からなる画像iが転写される(転写工程;図2
(c))。
【0013】次に、画像iが形成された受像シート2
0’を水に一部浸漬し、層26中の水溶性ポリマーを溶
解させ、層24’を画像iとともに支持体22から剥離
する。層26中の水溶性ポリマーは一部溶解しているの
で、層24’を陶板30上に配置すると、層24’は陶
板30の表面に接着される。陶板30の表面には転写材
料からなる画像iが、層24’とともに配置される(図
2(d);画像配置工程)。次に、画像iが表面に配置
された陶板30を、電気窯により焼成する。焼成中に、
層24’中の各成分、および画像iを構成している転写
材料中に含有される無機顔料以外の成分(例えば、バイ
ンダーとしてのポリマー等)が蒸発および/または焼却
されるとともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板
30の表面に焼結され、絵付陶板32’が作製される
(図2(e);焼結工程)。
0’を水に一部浸漬し、層26中の水溶性ポリマーを溶
解させ、層24’を画像iとともに支持体22から剥離
する。層26中の水溶性ポリマーは一部溶解しているの
で、層24’を陶板30上に配置すると、層24’は陶
板30の表面に接着される。陶板30の表面には転写材
料からなる画像iが、層24’とともに配置される(図
2(d);画像配置工程)。次に、画像iが表面に配置
された陶板30を、電気窯により焼成する。焼成中に、
層24’中の各成分、および画像iを構成している転写
材料中に含有される無機顔料以外の成分(例えば、バイ
ンダーとしてのポリマー等)が蒸発および/または焼却
されるとともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板
30の表面に焼結され、絵付陶板32’が作製される
(図2(e);焼結工程)。
【0014】図3を用いて、本発明の他の実施形態を説
明する。本実施形態は、支持体上に、水溶性ポリマーか
らなる層および前記したポリマーを含有する受像層を順
次形成した接着性受像シートを利用した実施の形態であ
る。尚、図1及び図2と同一の部材には同一の番号を付
し、詳細な説明は省略する。まず、支持体12と転写層
14からなる転写シート10、および受像シート20’
とを用意する(図3(a))。受像シート20’は支持
体22とその上に水溶性ポリマーからなる層26、およ
び前記したポリマーを含有する受像層24’とを有す
る。受像層24’は、転写層14中の転写材料を転写・
固定可能に構成されている。次に、受像シート20’の
受像層24’の表面に、インクジェット記録装置(不図
示)により、画像情報に応じて転写性促進材料を含有す
る液滴を画像(潜像)様に付与する(潜像形成工程)。
その後、転写シート10の転写層14の表面と受像シー
ト20’の受像層24’の表面とを対向させて、接触さ
せ、加熱圧着する(図3(b))。転写層14に含有さ
れる転写材料は、転写性促進材料が付与された領域にお
いてのみ受像層24’の表面に転写され、受像層24’
の表面には転写材料からなる画像i(鏡像)が転写され
る(転写工程;図3(c))。
明する。本実施形態は、支持体上に、水溶性ポリマーか
らなる層および前記したポリマーを含有する受像層を順
次形成した接着性受像シートを利用した実施の形態であ
る。尚、図1及び図2と同一の部材には同一の番号を付
し、詳細な説明は省略する。まず、支持体12と転写層
14からなる転写シート10、および受像シート20’
とを用意する(図3(a))。受像シート20’は支持
体22とその上に水溶性ポリマーからなる層26、およ
び前記したポリマーを含有する受像層24’とを有す
る。受像層24’は、転写層14中の転写材料を転写・
固定可能に構成されている。次に、受像シート20’の
受像層24’の表面に、インクジェット記録装置(不図
示)により、画像情報に応じて転写性促進材料を含有す
る液滴を画像(潜像)様に付与する(潜像形成工程)。
その後、転写シート10の転写層14の表面と受像シー
ト20’の受像層24’の表面とを対向させて、接触さ
せ、加熱圧着する(図3(b))。転写層14に含有さ
れる転写材料は、転写性促進材料が付与された領域にお
いてのみ受像層24’の表面に転写され、受像層24’
の表面には転写材料からなる画像i(鏡像)が転写され
る(転写工程;図3(c))。
【0015】次に、画像iが形成された受像シート2
0’を水に一部浸漬し、層26中の水溶性ポリマーを溶
解させ、層24’を画像iとともに支持体22から剥離
する。糊剤を溶解又は分散した液27を介して剥離面と
反対側の面(受像層表面)を図3(d)の如く配置する
と、層24’と画像i(正像)は陶板30の表面に接着
される(画像配置工程)。次に画像iが表面に配置され
た陶板30を電気窯により焼成する。焼成中に、層2
4’中の各成分、および画像iを構成している転写材料
中に含有される無機顔料以外の成分(例えば、バインダ
ーとしてのポリマー等)が蒸発および/または焼却され
るとともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30
の表面に焼結され、絵付陶板32’’’が作製される
(図3(e);焼結工程)。
0’を水に一部浸漬し、層26中の水溶性ポリマーを溶
解させ、層24’を画像iとともに支持体22から剥離
する。糊剤を溶解又は分散した液27を介して剥離面と
反対側の面(受像層表面)を図3(d)の如く配置する
と、層24’と画像i(正像)は陶板30の表面に接着
される(画像配置工程)。次に画像iが表面に配置され
た陶板30を電気窯により焼成する。焼成中に、層2
4’中の各成分、および画像iを構成している転写材料
中に含有される無機顔料以外の成分(例えば、バインダ
ーとしてのポリマー等)が蒸発および/または焼却され
るとともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30
の表面に焼結され、絵付陶板32’’’が作製される
(図3(e);焼結工程)。
【0016】図4を用いて、本発明の他の実施形態を説
明する。本実施形態は、受像層がセラミックス体である
陶板の表面に形成された実施の形態である。尚、図1〜
図3と同一の部材には同一の番号を付し、詳細な説明は
省略する。まず、支持体12と転写層14からなる転写
シート10、および表面に受像層24’’を有する陶板
30’とを用意する(図4(a))。受像層24’’
は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に構成さ
れている。次に、受像層24’’の表面に、インクジェ
ット記録装置(不図示)により、画像情報に応じて転写
性促進材料を含有する液滴を画像様に付与する(潜像形
成工程)。その後、転写シート10の転写層14の表面
と受像層24’’の表面とを対向させて、接触させ、加
熱圧着する(図4(b))。転写層14に含有される転
写材料は、転写性促進材料が付与された領域においての
み受像層24’’の表面に転写され、受像層24’’の
表面には転写材料からなる画像iが転写される(転写工
程;図4(c))。
明する。本実施形態は、受像層がセラミックス体である
陶板の表面に形成された実施の形態である。尚、図1〜
図3と同一の部材には同一の番号を付し、詳細な説明は
省略する。まず、支持体12と転写層14からなる転写
シート10、および表面に受像層24’’を有する陶板
30’とを用意する(図4(a))。受像層24’’
は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に構成さ
れている。次に、受像層24’’の表面に、インクジェ
ット記録装置(不図示)により、画像情報に応じて転写
性促進材料を含有する液滴を画像様に付与する(潜像形
成工程)。その後、転写シート10の転写層14の表面
と受像層24’’の表面とを対向させて、接触させ、加
熱圧着する(図4(b))。転写層14に含有される転
写材料は、転写性促進材料が付与された領域においての
み受像層24’’の表面に転写され、受像層24’’の
表面には転写材料からなる画像iが転写される(転写工
程;図4(c))。
【0017】次に、表面に画像iが形成された陶板3
0’(図4(d))を、電気窯により焼成する。焼成中
に、受像層24’’中の各成分、および画像iを構成し
ている転写材料中に含有される無機顔料以外の成分(例
えば、バインダー等)が蒸発および/または焼却される
とともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30’
の表面に焼結され、絵付陶板32’’が作製される(図
4(e);焼結工程)。
0’(図4(d))を、電気窯により焼成する。焼成中
に、受像層24’’中の各成分、および画像iを構成し
ている転写材料中に含有される無機顔料以外の成分(例
えば、バインダー等)が蒸発および/または焼却される
とともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30’
の表面に焼結され、絵付陶板32’’が作製される(図
4(e);焼結工程)。
【0018】以下、本発明の絵付セラミックス体の製造
方法に使用可能な種々の材料について説明する。 [転写層及び受像層に用いられるポリマー]前記転写層
に用いられるポリマー及び前記受像層に用いられるポリ
マーは、ホモポリマーあるいはコポリマーのいずれでも
よく、それぞれ同一の官能基を有するモノマーを構成単
位として30モル%以上含有するポリマーからなる。前
記転写層に用いられるポリマー及び前記受像層に用いら
れるポリマーのそれぞれを構成するモノマーは、一種で
も2種以上でもよい。
方法に使用可能な種々の材料について説明する。 [転写層及び受像層に用いられるポリマー]前記転写層
に用いられるポリマー及び前記受像層に用いられるポリ
マーは、ホモポリマーあるいはコポリマーのいずれでも
よく、それぞれ同一の官能基を有するモノマーを構成単
位として30モル%以上含有するポリマーからなる。前
記転写層に用いられるポリマー及び前記受像層に用いら
れるポリマーのそれぞれを構成するモノマーは、一種で
も2種以上でもよい。
【0019】したがって、前記転写層に用いられるポリ
マー及び前記受像層に用いられるポリマーのそれぞれを
構成するモノマーは、少なくとも一種が互いに同一の官
能基を有していればよく、その他に互いに異なる官能基
を有していても良い。ここにいう同一の官能基として
は、例えば、ブチラール基、ビニルアルコール基、アミ
ノ基、アミド基、イミノ基、イミド基、スチレン基、ア
ルコキシ基、メタクリル基及びそのエステル基、アクリ
ル酸及びそのエステル基、マレイン酸及びそのエステル
基、ビニルエーテル基、塩化ビニル基、酢酸ビニル基等
が挙げられ、これらの中でもブチラール基が好ましい。
マー及び前記受像層に用いられるポリマーのそれぞれを
構成するモノマーは、少なくとも一種が互いに同一の官
能基を有していればよく、その他に互いに異なる官能基
を有していても良い。ここにいう同一の官能基として
は、例えば、ブチラール基、ビニルアルコール基、アミ
ノ基、アミド基、イミノ基、イミド基、スチレン基、ア
ルコキシ基、メタクリル基及びそのエステル基、アクリ
ル酸及びそのエステル基、マレイン酸及びそのエステル
基、ビニルエーテル基、塩化ビニル基、酢酸ビニル基等
が挙げられ、これらの中でもブチラール基が好ましい。
【0020】前記同一の官能基を有するモノマーは、前
記転写層に用いられるポリマー及び前記受像層に用いら
れるポリマー中にそれぞれ構成単位として多く含有され
ているほど好ましいが、少なくとも30モル%以上、好
ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以
上含有されていることが好ましい。ポリマー中の構成単
位として前記同一の官能基を有するモノマーの含有量が
30モル%未満では前記転写層に用いられるポリマー及
び前記受像層に用いられるポリマーのそれぞれの性質が
離れすぎ、多色転写する際、2回目以降の転写時、既に
画像を転写された部分と転写されていない部分によって
潜像形成用の液体(転写促進材料)の吸収性、受像層で
の潜像形成用の液体(転写促進材料)の膨潤性、この膨
潤した膜の受像層との接着性等が不均一となり、画像ム
ラを生じやすい。
記転写層に用いられるポリマー及び前記受像層に用いら
れるポリマー中にそれぞれ構成単位として多く含有され
ているほど好ましいが、少なくとも30モル%以上、好
ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以
上含有されていることが好ましい。ポリマー中の構成単
位として前記同一の官能基を有するモノマーの含有量が
30モル%未満では前記転写層に用いられるポリマー及
び前記受像層に用いられるポリマーのそれぞれの性質が
離れすぎ、多色転写する際、2回目以降の転写時、既に
画像を転写された部分と転写されていない部分によって
潜像形成用の液体(転写促進材料)の吸収性、受像層で
の潜像形成用の液体(転写促進材料)の膨潤性、この膨
潤した膜の受像層との接着性等が不均一となり、画像ム
ラを生じやすい。
【0021】前記ポリマーとしては、軟化点が40℃〜
150℃の非晶質有機高分子重合体が好ましく、ブチラ
ール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、
スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、石
油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息
香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレ
ン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重合体や
共重合体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
レート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリル酸、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、α−エチルヘキシルアクリレート等のアクリ
ル酸エステル及びアクリル酸、ブタジエン、イソプレン
等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、
マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレイン
酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単
量体の単独あるいは他の単量体等との共重合体等が挙げ
られる。
150℃の非晶質有機高分子重合体が好ましく、ブチラ
ール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、
スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、石
油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息
香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレ
ン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重合体や
共重合体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
レート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリル酸、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、α−エチルヘキシルアクリレート等のアクリ
ル酸エステル及びアクリル酸、ブタジエン、イソプレン
等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、
マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレイン
酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単
量体の単独あるいは他の単量体等との共重合体等が挙げ
られる。
【0022】これらの中で、ブチラール系ポリマーが好
ましく用いられる。ブチラール系ポリマーとしては、ポ
リビニルブチラールが好ましい。これらのポリマーは、
通常溶媒系のものが多いが、その場合、水に相溶しない
有機溶媒に溶解して乳化分散してから溶媒を除去した
り、あるいはこれらのポリマーを融点以上の温度に加熱
し、熔解してから乳化分散することによりエマルジョン
化することによって水系で扱うことができる。溶媒系で
塗布もできるが、環境安全面から水系塗布が好ましい。
ブチラール樹脂も溶媒系及び水系のものが市販されてい
る。前者の例としては、デンカブチラール各種(電気化
学工業社製)、後者の例としてレゼムVB627があ
る。これらの樹脂は、2種以上混合して用いることがで
きる。
ましく用いられる。ブチラール系ポリマーとしては、ポ
リビニルブチラールが好ましい。これらのポリマーは、
通常溶媒系のものが多いが、その場合、水に相溶しない
有機溶媒に溶解して乳化分散してから溶媒を除去した
り、あるいはこれらのポリマーを融点以上の温度に加熱
し、熔解してから乳化分散することによりエマルジョン
化することによって水系で扱うことができる。溶媒系で
塗布もできるが、環境安全面から水系塗布が好ましい。
ブチラール樹脂も溶媒系及び水系のものが市販されてい
る。前者の例としては、デンカブチラール各種(電気化
学工業社製)、後者の例としてレゼムVB627があ
る。これらの樹脂は、2種以上混合して用いることがで
きる。
【0023】転写層及び前記受像層にポリビニルブチラ
ールを用いる場合、ポリビニルブチラールを主成分と
し、本発明の効果を損なわない範囲で他のポリマーを併
用してもよい。この場合、他に用いられるポリマーとし
ては、上記に挙げた軟化点が40℃〜150℃の非晶質
有機高分子重合体が好ましい。
ールを用いる場合、ポリビニルブチラールを主成分と
し、本発明の効果を損なわない範囲で他のポリマーを併
用してもよい。この場合、他に用いられるポリマーとし
ては、上記に挙げた軟化点が40℃〜150℃の非晶質
有機高分子重合体が好ましい。
【0024】[転写層に用いられるその他の成分]前記
転写層は、前記ポリマーの他に無機顔料を含み、さらに
所望により、その他の成分を含有する。前記無機顔料と
しては、通常陶芸に用いられる上絵具、下絵具を用いる
ことができるが、例えば、酸化銅、酸化コバルト等の結
晶構造がスピネル、スフェイン、パイクロア、ルチー
ル、プライディライト、フフォスフェイト、フェナサイ
ト、ペリークレイス、オリビン、バデライト、ボレー
ト、コランダム、ジルコン等の金属酸化物;カドミウム
イエロー等の硫化物;セレン赤等のセレン化カドミウム
化合物等が挙げられる。また、蛍光顔料や蓄光体顔料で
ある無機顔料を使用してもよい。前記転写層には、無機
顔料とともにガラス成分を含有させてもよい。ガラス成
分を併用すると、焼結工程において、無機顔料のセラミ
ックス体表面への融着性を向上させることができるので
好ましい。前記ガラス成分としては、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化鉛、酸化ビスマス等
のアルカリ金属化合物;炭酸バリウム、炭酸ストロンチ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛等
のアルカリ土類金属化合物;酸化アルミニウム、水酸化
アルミニウム等の中性成分;酸化ケイ素、ホウ酸、酸化
ジルコニウム、酸化チタン等の酸性成分;等が挙げられ
る。また、硼砂、長石、カオリン等の複合成分を使用す
ることもできる。前記ガラス成分は、1種の単独をまた
は2種以上を混合したものを溶解させ、いわゆるフリッ
トとして用いることができる。
転写層は、前記ポリマーの他に無機顔料を含み、さらに
所望により、その他の成分を含有する。前記無機顔料と
しては、通常陶芸に用いられる上絵具、下絵具を用いる
ことができるが、例えば、酸化銅、酸化コバルト等の結
晶構造がスピネル、スフェイン、パイクロア、ルチー
ル、プライディライト、フフォスフェイト、フェナサイ
ト、ペリークレイス、オリビン、バデライト、ボレー
ト、コランダム、ジルコン等の金属酸化物;カドミウム
イエロー等の硫化物;セレン赤等のセレン化カドミウム
化合物等が挙げられる。また、蛍光顔料や蓄光体顔料で
ある無機顔料を使用してもよい。前記転写層には、無機
顔料とともにガラス成分を含有させてもよい。ガラス成
分を併用すると、焼結工程において、無機顔料のセラミ
ックス体表面への融着性を向上させることができるので
好ましい。前記ガラス成分としては、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化鉛、酸化ビスマス等
のアルカリ金属化合物;炭酸バリウム、炭酸ストロンチ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛等
のアルカリ土類金属化合物;酸化アルミニウム、水酸化
アルミニウム等の中性成分;酸化ケイ素、ホウ酸、酸化
ジルコニウム、酸化チタン等の酸性成分;等が挙げられ
る。また、硼砂、長石、カオリン等の複合成分を使用す
ることもできる。前記ガラス成分は、1種の単独をまた
は2種以上を混合したものを溶解させ、いわゆるフリッ
トとして用いることができる。
【0025】前記転写層中、無機顔料は10質量%〜8
0質量%含有させるのが好ましく、20質量%〜70質
量%含有させるのがより好ましい。また、ガラス成分を
併用する場合は、併用する無機顔料によってガラス成分
の好ましい使用量が異なるが、ガラス成分と無機顔料と
の混合物として、前記転写層中に、15質量%〜70質
量%含有させるのが好ましく、30質量%〜80質量%
含有させるのがより好ましい。
0質量%含有させるのが好ましく、20質量%〜70質
量%含有させるのがより好ましい。また、ガラス成分を
併用する場合は、併用する無機顔料によってガラス成分
の好ましい使用量が異なるが、ガラス成分と無機顔料と
の混合物として、前記転写層中に、15質量%〜70質
量%含有させるのが好ましく、30質量%〜80質量%
含有させるのがより好ましい。
【0026】同一の受像層に多数の画像層(画像が形成
された転写層)を繰返し重ね合せて多色画像を形成する
場合には、画像間の密着性を高めるために転写層は可塑
剤を含むことが好ましい。前記可塑剤としては、フタル
酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ
(2−エチルヘキシル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジ
ラウリル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベ
ンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)
等の脂肪族二塩基酸エステル、リン酸トリクレジル、リ
ン酸トリ(2−エチルヘキシル)等のリン酸トリエステ
ル類、ポリエチレングリコールエステル等のポリオール
ポリエステル類、エポキシ脂肪酸エステル等のエポキシ
化合物が挙げられる。また、前記した一般的な可塑剤以
外にも、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、ト
リメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトール−ポリアクリレ
ートのようなアクリル酸エステル類も、用いられるバイ
ンダーの種類によっては好適に併用される。尚、可塑剤
は2種以上を組合せて用いてもよい。
された転写層)を繰返し重ね合せて多色画像を形成する
場合には、画像間の密着性を高めるために転写層は可塑
剤を含むことが好ましい。前記可塑剤としては、フタル
酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ
(2−エチルヘキシル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジ
ラウリル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベ
ンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)
等の脂肪族二塩基酸エステル、リン酸トリクレジル、リ
ン酸トリ(2−エチルヘキシル)等のリン酸トリエステ
ル類、ポリエチレングリコールエステル等のポリオール
ポリエステル類、エポキシ脂肪酸エステル等のエポキシ
化合物が挙げられる。また、前記した一般的な可塑剤以
外にも、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、ト
リメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトール−ポリアクリレ
ートのようなアクリル酸エステル類も、用いられるバイ
ンダーの種類によっては好適に併用される。尚、可塑剤
は2種以上を組合せて用いてもよい。
【0027】前記可塑剤は、転写層中に、無機顔料とバ
インダの総質量と、可塑剤の質量との比が、一般的には
100:1〜100:3、好ましくは100:1.5〜
100:2となるように用いられる。転写層には更に必
要に応じて、界面活性剤、増粘度剤等が添加され得る。
インダの総質量と、可塑剤の質量との比が、一般的には
100:1〜100:3、好ましくは100:1.5〜
100:2となるように用いられる。転写層には更に必
要に応じて、界面活性剤、増粘度剤等が添加され得る。
【0028】前記転写層は、無機顔料と前記ポリマーか
らなるバインダ等の転写材料の各成分を溶解または分散
した塗布液を調製し、これを支持体上(支持体上に前記
下塗り層を有する場合は該下塗り層上)に塗布し、乾燥
することにより設けることができる。塗布液の調製に使
用される溶媒としては、環境安全性の観点より水系が好
ましいが、n−プロピルアルコール、メチルエチルケト
ン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(MF
G)、メタノール等を用いてもよい。塗布、乾燥は、通
常の塗布、乾燥方法を利用して行うことができる。尚、
転写層の層厚(乾燥層厚)は0.3〜10μm、好まし
くは0.5〜5μmである。
らなるバインダ等の転写材料の各成分を溶解または分散
した塗布液を調製し、これを支持体上(支持体上に前記
下塗り層を有する場合は該下塗り層上)に塗布し、乾燥
することにより設けることができる。塗布液の調製に使
用される溶媒としては、環境安全性の観点より水系が好
ましいが、n−プロピルアルコール、メチルエチルケト
ン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(MF
G)、メタノール等を用いてもよい。塗布、乾燥は、通
常の塗布、乾燥方法を利用して行うことができる。尚、
転写層の層厚(乾燥層厚)は0.3〜10μm、好まし
くは0.5〜5μmである。
【0029】[転写シートの支持体]前記転写シートの
支持体としては、特に限定はなく、各種の支持体材料を
目的に応じて用いることができる。支持体材料の好まし
い例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート、ポリカーボネート、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の合
成樹脂材料を挙げることができる。中でも、二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートが、機械的強度や熱に対する
寸法安定性を考慮すると好ましい。
支持体としては、特に限定はなく、各種の支持体材料を
目的に応じて用いることができる。支持体材料の好まし
い例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート、ポリカーボネート、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の合
成樹脂材料を挙げることができる。中でも、二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートが、機械的強度や熱に対する
寸法安定性を考慮すると好ましい。
【0030】前記転写シートの支持体には、その上に設
けられる転写層との密着性を調節するために、表面の粗
面化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を
行なうことが好ましい。表面の粗面化処理の例として
は、グロー放電処理、コロナ放電処理等を挙げることが
できる。下塗層の材料としては、支持体と転写層の両表
面に適度な接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また
耐熱性に優れたものであることが好ましい。そのような
下塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下
塗層全体の厚さは通常0.01〜2μmである。また、
転写シートの転写層付設側とは反対側の表面には、必要
に応じて、離型層等の各種の機能層の付設、あるいは表
面処理を行なうこともできる。
けられる転写層との密着性を調節するために、表面の粗
面化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を
行なうことが好ましい。表面の粗面化処理の例として
は、グロー放電処理、コロナ放電処理等を挙げることが
できる。下塗層の材料としては、支持体と転写層の両表
面に適度な接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また
耐熱性に優れたものであることが好ましい。そのような
下塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下
塗層全体の厚さは通常0.01〜2μmである。また、
転写シートの転写層付設側とは反対側の表面には、必要
に応じて、離型層等の各種の機能層の付設、あるいは表
面処理を行なうこともできる。
【0031】[受像シート]前記受像層は、通常、支持
体上に設けられ、支持体と受像層からなる受像シートの
形態で用いられる。また、受像層はセラミックス体上に
形成されていてもよい。前記受像シートは、支持体上に
少なくとも1の受像層を有し、所望により、支持体と受
像層との間にクッション層、剥離層、および中間層のい
ずれか1層または2層以上を設けた構成をとるものが好
ましいが、前記した転写層との親和性が良好であれば、
ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂シー
ト、普通紙、コート紙、ガラスエポキシシート、金属板
などを用いることもできる。支持体上に受像層を設けて
なる受像シートの場合、支持体の受像層とは反対側の面
に、搬送性向上のためのバック層を設けることが好まし
い。
体上に設けられ、支持体と受像層からなる受像シートの
形態で用いられる。また、受像層はセラミックス体上に
形成されていてもよい。前記受像シートは、支持体上に
少なくとも1の受像層を有し、所望により、支持体と受
像層との間にクッション層、剥離層、および中間層のい
ずれか1層または2層以上を設けた構成をとるものが好
ましいが、前記した転写層との親和性が良好であれば、
ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂シー
ト、普通紙、コート紙、ガラスエポキシシート、金属板
などを用いることもできる。支持体上に受像層を設けて
なる受像シートの場合、支持体の受像層とは反対側の面
に、搬送性向上のためのバック層を設けることが好まし
い。
【0032】前記受像シートの支持体としては、プラス
チックシート、金属シート、ガラスシート、紙等のよう
な通常のシート状の基材が挙げられる。プラスチックシ
ートの例としては、ポリエチレンテレフタレートシー
ト、ポリカーボネートシート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレートシート、ポリ塩化ビニルシート、ポリ塩化
ビニリデンシート、ポリスチレンシート、スチレン−ア
クリロニトリルシート、ポリエステルシート等を挙げる
ことができる。また、紙支持体としては平滑性が良好な
印刷本紙、コート紙等を用いることができる。尚、配置
工程において転写材料からなる画像を受像シートの全部
とともに配置する場合、支持体は焼結工程において蒸発
および/または焼却される必要があるので、支持体とし
ては、焼結工程において蒸発または燃焼により消失しな
い原子または化合物を含んだり、顔料と反応して変色さ
せるような原子または化合物を含まないのが好ましい。
チックシート、金属シート、ガラスシート、紙等のよう
な通常のシート状の基材が挙げられる。プラスチックシ
ートの例としては、ポリエチレンテレフタレートシー
ト、ポリカーボネートシート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレートシート、ポリ塩化ビニルシート、ポリ塩化
ビニリデンシート、ポリスチレンシート、スチレン−ア
クリロニトリルシート、ポリエステルシート等を挙げる
ことができる。また、紙支持体としては平滑性が良好な
印刷本紙、コート紙等を用いることができる。尚、配置
工程において転写材料からなる画像を受像シートの全部
とともに配置する場合、支持体は焼結工程において蒸発
および/または焼却される必要があるので、支持体とし
ては、焼結工程において蒸発または燃焼により消失しな
い原子または化合物を含んだり、顔料と反応して変色さ
せるような原子または化合物を含まないのが好ましい。
【0033】前記受像シートの支持体の厚さは、通常1
0〜400μmであり、25〜200μmであるのが好
ましい。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッ
ション層)との密着性、または熱転写シートの画像形成
層との密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー
放電処理等の表面処理が施されていてもよい。前記受像
層の厚みは、一般的には0.3〜7μm、好ましくは
0.7〜4μmである。
0〜400μmであり、25〜200μmであるのが好
ましい。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッ
ション層)との密着性、または熱転写シートの画像形成
層との密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー
放電処理等の表面処理が施されていてもよい。前記受像
層の厚みは、一般的には0.3〜7μm、好ましくは
0.7〜4μmである。
【0034】前記受像シートが、セラミックス体表面に
接着可能であると、皿、瓶の如く曲面を有する形状のセ
ラミックス体を用いる場合も、操作が容易となるので好
ましい。前記受像シートとしては、支持体上に、水溶性
ポリマーからなる層(以下、「水溶性ポリマー層」とい
う場合がある)および前記同一の官能基を有するポリマ
ーからなる受像層(以下、「疎水性ポリマー層」という
場合がある)が順次形成された構成のシート(以下、
「接着性受像シート」という場合がある)が挙げられ
る。接着性受像シートの支持体としては、平滑性のよい
紙支持体が好ましく用いられる。
接着可能であると、皿、瓶の如く曲面を有する形状のセ
ラミックス体を用いる場合も、操作が容易となるので好
ましい。前記受像シートとしては、支持体上に、水溶性
ポリマーからなる層(以下、「水溶性ポリマー層」とい
う場合がある)および前記同一の官能基を有するポリマ
ーからなる受像層(以下、「疎水性ポリマー層」という
場合がある)が順次形成された構成のシート(以下、
「接着性受像シート」という場合がある)が挙げられ
る。接着性受像シートの支持体としては、平滑性のよい
紙支持体が好ましく用いられる。
【0035】前記水溶性ポリマーとしては、支持体が紙
支持体である場合、前記受像シートを水に浸漬した際
に、一部が溶解して前記同一の官能基を有する疎水性ポ
リマー層が紙支持体から剥離可能になるとともに、剥離
した疎水性ポリマー層が陶板等のセラミックス体表面に
接着可能であるのが好ましい。この様な水溶性ポリマー
としては、例えば、デキストリン、アラビアゴム等の陶
磁器の絵付けに用いられるポリマー、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン等が好まし
い。また、前記疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリ
ビニルブチラール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸
−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、ポリスチ
レン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル樹脂、セルロース
誘導体系、ポリスチレンメタクリル系樹脂、ポリビニル
エーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、ロジン系樹脂等の熱可塑性樹脂を併用するこ
とができる。また、陶磁器等のセラミックス体の上絵付
け用オーバープリントラッカーとして用いられる樹脂も
好ましく用いられ、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン
系樹脂等が挙げられる。
支持体である場合、前記受像シートを水に浸漬した際
に、一部が溶解して前記同一の官能基を有する疎水性ポ
リマー層が紙支持体から剥離可能になるとともに、剥離
した疎水性ポリマー層が陶板等のセラミックス体表面に
接着可能であるのが好ましい。この様な水溶性ポリマー
としては、例えば、デキストリン、アラビアゴム等の陶
磁器の絵付けに用いられるポリマー、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン等が好まし
い。また、前記疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリ
ビニルブチラール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸
−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、ポリスチ
レン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル樹脂、セルロース
誘導体系、ポリスチレンメタクリル系樹脂、ポリビニル
エーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、ロジン系樹脂等の熱可塑性樹脂を併用するこ
とができる。また、陶磁器等のセラミックス体の上絵付
け用オーバープリントラッカーとして用いられる樹脂も
好ましく用いられ、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン
系樹脂等が挙げられる。
【0036】前述した如く、前記受像層は、セラミック
ス体の表面に形成されていてもよい。前記受像層がセラ
ミックス体の表面に形成されている場合は、転写シート
の転写層表面およびセラミックス体の受像層表面にいず
れか少なくとも一方に、前記転写性促進材料を画像様に
付与する。セラミック体の表面に受像層を形成する場合
の受像層中の成分としては、前述の通りである。
ス体の表面に形成されていてもよい。前記受像層がセラ
ミックス体の表面に形成されている場合は、転写シート
の転写層表面およびセラミックス体の受像層表面にいず
れか少なくとも一方に、前記転写性促進材料を画像様に
付与する。セラミック体の表面に受像層を形成する場合
の受像層中の成分としては、前述の通りである。
【0037】前記潜像形成工程において、前記転写層表
面あるいは前記受像層表面に、転写性促進材料を画像様
に付与して潜像を形成すると、転写層を構成する転写材
料のうち、転写性促進材料が付着した潜像の部分のみ、
転写層中に転写性促進材料が浸透し、層を構成するバイ
ンダの結合が緩むとともに、支持体と転写層との間の結
合力が低下して受像シートへの転写性が向上し、より低
い温度で転写することが可能になる。
面あるいは前記受像層表面に、転写性促進材料を画像様
に付与して潜像を形成すると、転写層を構成する転写材
料のうち、転写性促進材料が付着した潜像の部分のみ、
転写層中に転写性促進材料が浸透し、層を構成するバイ
ンダの結合が緩むとともに、支持体と転写層との間の結
合力が低下して受像シートへの転写性が向上し、より低
い温度で転写することが可能になる。
【0038】[転写性促進材料]前記潜像形成工程に使
用可能な前記転写性促進材料は、転写層に含有される転
写材料の転写温度を低下させ得る材料である。前記転写
性促進材料は液状組成物が好ましく、経時的に析出して
しまう固形の材料等を含まないのが好ましい。前記転写
性促進材料としては、例えば、水、有機溶剤類、界面活
性剤類およびこれらの混合物を挙げることができる。中
でも、常温で水と自由に混和する有機溶剤類、水と混和
し得る界面活性剤類、及びこれらの混合物が望ましい。
さらに、前記転写性促進材料は、前記転写材料に含まれ
る無機顔料に対して化学的に作用せず、その後の転写工
程等で所望により与えられる熱エネルギーによっても発
色反応などを起こさない材料であるのが好ましく、それ
自体無色あるいは淡色のものが好ましい。
用可能な前記転写性促進材料は、転写層に含有される転
写材料の転写温度を低下させ得る材料である。前記転写
性促進材料は液状組成物が好ましく、経時的に析出して
しまう固形の材料等を含まないのが好ましい。前記転写
性促進材料としては、例えば、水、有機溶剤類、界面活
性剤類およびこれらの混合物を挙げることができる。中
でも、常温で水と自由に混和する有機溶剤類、水と混和
し得る界面活性剤類、及びこれらの混合物が望ましい。
さらに、前記転写性促進材料は、前記転写材料に含まれ
る無機顔料に対して化学的に作用せず、その後の転写工
程等で所望により与えられる熱エネルギーによっても発
色反応などを起こさない材料であるのが好ましく、それ
自体無色あるいは淡色のものが好ましい。
【0039】前記有機溶剤類としては、具体的には、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、1,2,6-へキサントリオール、へキシレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の1価又
は多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の
エーテル類;ジアセトンアルコール等のケトアルコール
類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等含
窒素系溶媒;等が挙げられる。
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、1,2,6-へキサントリオール、へキシレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の1価又
は多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の
エーテル類;ジアセトンアルコール等のケトアルコール
類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等含
窒素系溶媒;等が挙げられる。
【0040】前記界面活性剤類としては、アニオン、カ
チオン、ノニオンおよび両性の界面活性剤類のいずれも
使用可能であるが、ノニオン系のものが好ましい。これ
らの界面活性剤を組み合わせて使用することができる
が、転写材料の特性に応じて任意に選択できる。水に溶
解させて使用する場合は、水に溶解し得る範囲内の濃度
で使用可能である。具体的には、脂肪酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫
酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ア
ルキルリン酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮
合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン、アルキルアルカノールアミン、アルキルアミン
塩、アルキルベタイン、モノまたはジヒドロキシアセチ
レン化合物等が挙げられる。
チオン、ノニオンおよび両性の界面活性剤類のいずれも
使用可能であるが、ノニオン系のものが好ましい。これ
らの界面活性剤を組み合わせて使用することができる
が、転写材料の特性に応じて任意に選択できる。水に溶
解させて使用する場合は、水に溶解し得る範囲内の濃度
で使用可能である。具体的には、脂肪酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫
酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ア
ルキルリン酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮
合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン、アルキルアルカノールアミン、アルキルアミン
塩、アルキルベタイン、モノまたはジヒドロキシアセチ
レン化合物等が挙げられる。
【0041】転写性促進材料は、1種を単独で用いて
も、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、前記有
機溶剤類および/または前記界面活性剤類を、水と混合
して使用することが、効果の観点から望ましい。転写性
促進材料には、液滴として吐出させる際の吐出適性の調
整および液滴の拡散防止、保存安定性の向上等の目的
で、表面張力調整剤、防黴剤、粘度調整剤、pH調整
剤、消泡剤等を本発明の効果を損なわない範囲で含有さ
せることができる。
も、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、前記有
機溶剤類および/または前記界面活性剤類を、水と混合
して使用することが、効果の観点から望ましい。転写性
促進材料には、液滴として吐出させる際の吐出適性の調
整および液滴の拡散防止、保存安定性の向上等の目的
で、表面張力調整剤、防黴剤、粘度調整剤、pH調整
剤、消泡剤等を本発明の効果を損なわない範囲で含有さ
せることができる。
【0042】転写性促進材料は、転写層および/または
受像層に対する浸透性が良好であるのが好ましく、表面
張力25〜60mN/m、粘度50mPa.s以下の物
性を有しているのが好ましい。また、前記転写材料自体
を可溶化させないものが好ましい。転写性促進材料が転
写材料を溶解させると、画像部と非画像部との界面で転
写性促進材料の浸透および転写材料(転写層)の溶解が
生じ、画像界面の鮮鋭度が低下する場合がある。前記転
写性促進材料として転写材料を可溶化するものを用いる
場合は、前記転写性促進材料の吐出量を減少させるとよ
い。
受像層に対する浸透性が良好であるのが好ましく、表面
張力25〜60mN/m、粘度50mPa.s以下の物
性を有しているのが好ましい。また、前記転写材料自体
を可溶化させないものが好ましい。転写性促進材料が転
写材料を溶解させると、画像部と非画像部との界面で転
写性促進材料の浸透および転写材料(転写層)の溶解が
生じ、画像界面の鮮鋭度が低下する場合がある。前記転
写性促進材料として転写材料を可溶化するものを用いる
場合は、前記転写性促進材料の吐出量を減少させるとよ
い。
【0043】転写性促進材料の作用によって転写材料の
転写温度を低下させる目安としては、転写性促進材料を
用いない場合の転写材料の転写温度に対して、転写温度
を3℃以上、下げるのが好ましい。尚、転写温度は、例
えば、少なくとも一方が温度可変の加熱ローラである一
対の加熱ニップローラに、転写シートと受像シートとを
熱電対を挟持させて積層し、この積層体を加熱ニップロ
ーラ間に通過させることにより測定することができる。
加熱ローラによる加熱温度を変化させて熱電対により温
度測定を行い、転写が生じる最も低い温度として、転写
温度を求めることができる。
転写温度を低下させる目安としては、転写性促進材料を
用いない場合の転写材料の転写温度に対して、転写温度
を3℃以上、下げるのが好ましい。尚、転写温度は、例
えば、少なくとも一方が温度可変の加熱ローラである一
対の加熱ニップローラに、転写シートと受像シートとを
熱電対を挟持させて積層し、この積層体を加熱ニップロ
ーラ間に通過させることにより測定することができる。
加熱ローラによる加熱温度を変化させて熱電対により温
度測定を行い、転写が生じる最も低い温度として、転写
温度を求めることができる。
【0044】前記転写性促進材料がノニオン性界面活性
剤および水を含有していると、転写温度を低下させる効
果が大きく、また微細点の転写性が良いので解像度の高
い転写画像を得ることができる。前記ノニオン性界面活
性剤としては、親水基としてエチレンオキシド基を付加
したノニオン化合物が特に好ましい。エチレンオキシド
基を付加したノニオン化合物を使用すると、潜像形成部
の転写温度低下効果が大で、又、高解像度が得られるの
で好ましい。前記ノニオン系化合物としては、下記一般
式1から一般式4のいずれかで表される化合物等が挙げ
られる。
剤および水を含有していると、転写温度を低下させる効
果が大きく、また微細点の転写性が良いので解像度の高
い転写画像を得ることができる。前記ノニオン性界面活
性剤としては、親水基としてエチレンオキシド基を付加
したノニオン化合物が特に好ましい。エチレンオキシド
基を付加したノニオン化合物を使用すると、潜像形成部
の転写温度低下効果が大で、又、高解像度が得られるの
で好ましい。前記ノニオン系化合物としては、下記一般
式1から一般式4のいずれかで表される化合物等が挙げ
られる。
【0045】
【化1】
【0046】前記一般式1中、Rはアルキル基またはア
ルキレン基を示し、nは2〜30、好ましくは2〜20
のいずれかの整数を示す。前記一般式2中、Rはアルキ
ル基を示し、nは2〜30、好ましくは2〜20のいず
れかの整数を示す。前記一般式3中、Rはアルキル基を
示し、nおよびlは2〜30、好ましくは2〜20のい
ずれかの整数を示す。前記一般式4中、R1およびR2は
水素またはアルキル基を示し、mおよびnは2〜30好
ましくは2〜20のいずれかの整数を示す。また、上記
一般式1から4において、エチレンオキシドの付加数は
2ないし30が好ましく、特に好ましくは2ないし20
である。前記一般式1から4で表される化合物の具体例
としては、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、
ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエ
チレン(13)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
(5)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ノニ
ルフェニールエーテル、エチレンオキシドープロピレン
オキシド共重合体(n=10,l=7),アセチレングリ
コールのエチレンオキシド付加体(n+m=10)等が挙
げられるがこれらに限定されるものではない。
ルキレン基を示し、nは2〜30、好ましくは2〜20
のいずれかの整数を示す。前記一般式2中、Rはアルキ
ル基を示し、nは2〜30、好ましくは2〜20のいず
れかの整数を示す。前記一般式3中、Rはアルキル基を
示し、nおよびlは2〜30、好ましくは2〜20のい
ずれかの整数を示す。前記一般式4中、R1およびR2は
水素またはアルキル基を示し、mおよびnは2〜30好
ましくは2〜20のいずれかの整数を示す。また、上記
一般式1から4において、エチレンオキシドの付加数は
2ないし30が好ましく、特に好ましくは2ないし20
である。前記一般式1から4で表される化合物の具体例
としては、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、
ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエ
チレン(13)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
(5)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ノニ
ルフェニールエーテル、エチレンオキシドープロピレン
オキシド共重合体(n=10,l=7),アセチレングリ
コールのエチレンオキシド付加体(n+m=10)等が挙
げられるがこれらに限定されるものではない。
【0047】転写性促進材料中、前記ノニオン界面活性
剤は0.1〜20質量%含有されるのが好ましく、0.
1〜10質量%含有されるのがより好ましい。含有量が
20質量%を超えると解像度が低下する傾向にある。ま
た、0.1質量%より少ないと転写性促進効果が得られ
難くなる。また、前記転写性促進材料には、ノニオン界
面活性剤とともに、水溶性有機溶剤を併用することがで
きる。該水溶性有機溶剤としては前記の水と自由に混和
しうる有機溶剤として挙げたものが使用可能である。水
溶性有機溶剤の含有量は、転写性促進材料中、0〜90
質量%程度が適切である。
剤は0.1〜20質量%含有されるのが好ましく、0.
1〜10質量%含有されるのがより好ましい。含有量が
20質量%を超えると解像度が低下する傾向にある。ま
た、0.1質量%より少ないと転写性促進効果が得られ
難くなる。また、前記転写性促進材料には、ノニオン界
面活性剤とともに、水溶性有機溶剤を併用することがで
きる。該水溶性有機溶剤としては前記の水と自由に混和
しうる有機溶剤として挙げたものが使用可能である。水
溶性有機溶剤の含有量は、転写性促進材料中、0〜90
質量%程度が適切である。
【0048】また、前記転写性促進材料としては、水お
よび常温常圧下で沸点が100℃以上であって且つ水と
相溶性である有機溶剤を含有するものも好ましい。溶液
の吐出安定性が向上し、潜像形成時および待機後再開始
時の不吐出現象を防ぐことができ、また、微細ドットの
転写性が向上するので高解像度の転写体を得ることがで
きるので好ましい。前記常温常圧下で沸点100℃以上
であって且つ水と相溶性である有機溶剤としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール、グリセリン等の1価又は多価アルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ジアセト
ンアルコール等のケトアルコール類;N−メチル−2−
ピロリドン、2−ピロリドン等含窒素系溶媒;等が挙げ
られる。
よび常温常圧下で沸点が100℃以上であって且つ水と
相溶性である有機溶剤を含有するものも好ましい。溶液
の吐出安定性が向上し、潜像形成時および待機後再開始
時の不吐出現象を防ぐことができ、また、微細ドットの
転写性が向上するので高解像度の転写体を得ることがで
きるので好ましい。前記常温常圧下で沸点100℃以上
であって且つ水と相溶性である有機溶剤としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール、グリセリン等の1価又は多価アルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ジアセト
ンアルコール等のケトアルコール類;N−メチル−2−
ピロリドン、2−ピロリドン等含窒素系溶媒;等が挙げ
られる。
【0049】前記転写性促進材料中、前記有機溶媒は1
〜90質量%含有されるのが好ましい。含有量が90質
量%を超えると潜像形成時の吐出安定性が高くなるが、
転写像の乾燥性が低下する傾向がある。また、1質量%
より少ないと吐出安定性、微細ドットの転写性向上が得
にくくなる。また、転写温度を低下させる材料として、
前記の有機溶媒に加え、先に挙げた水と自由に混和しう
る有機溶剤や、前記の界面活性剤類を添加することもで
きる。
〜90質量%含有されるのが好ましい。含有量が90質
量%を超えると潜像形成時の吐出安定性が高くなるが、
転写像の乾燥性が低下する傾向がある。また、1質量%
より少ないと吐出安定性、微細ドットの転写性向上が得
にくくなる。また、転写温度を低下させる材料として、
前記の有機溶媒に加え、先に挙げた水と自由に混和しう
る有機溶剤や、前記の界面活性剤類を添加することもで
きる。
【0050】[潜像形成工程及び転写工程]前記潜像形
成工程において、前記転写性促進材料は、転写層表面お
よび受像層表面の少なくともいずれかに画像様に付与す
ればよい。前記転写性促進材料を前記転写層等の表面に
画像様に付与するには、公知のインクジェット記録方式
の画像形成方法を利用することができる。例えば、内部
に発熱素子を備えたインクジェットヘッドに、液状の前
記転写性促進材料を充填し、画像情報に応じて所定の位
置の発熱素子に電気を流し、発熱素子を発熱させ、近傍
の転写性促進材料の溶媒(水や有機溶媒等)を沸騰さ
せ、ヘッド内の圧力を上昇させ、所望の位置の転写性促
進材料を液滴として飛翔させ、転写層および受像層のい
ずれかの表面に着弾させることができる。その他、ピエ
ゾ素子を利用したインクジェット記録方式等、種々のイ
ンクジェット記録方式を利用して、前記転写性促進材料
を転写層等の表面に画像様に付与することができる。
成工程において、前記転写性促進材料は、転写層表面お
よび受像層表面の少なくともいずれかに画像様に付与す
ればよい。前記転写性促進材料を前記転写層等の表面に
画像様に付与するには、公知のインクジェット記録方式
の画像形成方法を利用することができる。例えば、内部
に発熱素子を備えたインクジェットヘッドに、液状の前
記転写性促進材料を充填し、画像情報に応じて所定の位
置の発熱素子に電気を流し、発熱素子を発熱させ、近傍
の転写性促進材料の溶媒(水や有機溶媒等)を沸騰さ
せ、ヘッド内の圧力を上昇させ、所望の位置の転写性促
進材料を液滴として飛翔させ、転写層および受像層のい
ずれかの表面に着弾させることができる。その他、ピエ
ゾ素子を利用したインクジェット記録方式等、種々のイ
ンクジェット記録方式を利用して、前記転写性促進材料
を転写層等の表面に画像様に付与することができる。
【0051】前記潜像形成工程により形成された潜像
を、転写工程により現像する。転写工程においては、転
写シートを利用して、転写性促進材料によって形成され
た潜像を転写によって現像する。
を、転写工程により現像する。転写工程においては、転
写シートを利用して、転写性促進材料によって形成され
た潜像を転写によって現像する。
【0052】前記潜像形成工程の後に実施する転写工程
においては、形成された潜像に応じて、転写層から受像
層へ転写材料を転写させ、受像層表面に転写材料からな
る画像を形成する。前記転写工程では、転写層と受像層
を少なくとも接触させ、転写性促進材料が付与された領
域のみ、転写層中の転写材料を受像層上に転写する。転
写時には、熱を供与するとともに、圧力を供与するのが
好ましい。受像シートを用いる態様では、例えば、ヒー
ター等の加熱手段を内蔵する一対の加熱ニップローラを
利用して、転写工程を実施することができる。
においては、形成された潜像に応じて、転写層から受像
層へ転写材料を転写させ、受像層表面に転写材料からな
る画像を形成する。前記転写工程では、転写層と受像層
を少なくとも接触させ、転写性促進材料が付与された領
域のみ、転写層中の転写材料を受像層上に転写する。転
写時には、熱を供与するとともに、圧力を供与するのが
好ましい。受像シートを用いる態様では、例えば、ヒー
ター等の加熱手段を内蔵する一対の加熱ニップローラを
利用して、転写工程を実施することができる。
【0053】[配置工程]前記受像層がセラミックス体
上に形成されていない場合は、潜像形成工程および転写
工程の後、受像シート上に形成された転写材料からなる
画像を、セラミックス体の表面に配置する。前記受像シ
ートとして、受像層が熱可塑性樹脂をバインダとして含
有するシートを使用する場合は、受像シートの受像層を
セラミックス体の表面に加熱圧着することにより、セラ
ミックス体の表面に転写材料からなる画像を受像シート
とともに配置することができる。加熱圧着時には、転写
材料からなる画像をセラミックス体の表面に対向させて
配置してもいいし、セラミックス体と転写材料からなる
画像との間に受像層を挟持させて、配置してもよい。転
写材料からなる画像を対向させて配置する場合は、受像
シート上には、所望の画像の反転画像を形成する。
上に形成されていない場合は、潜像形成工程および転写
工程の後、受像シート上に形成された転写材料からなる
画像を、セラミックス体の表面に配置する。前記受像シ
ートとして、受像層が熱可塑性樹脂をバインダとして含
有するシートを使用する場合は、受像シートの受像層を
セラミックス体の表面に加熱圧着することにより、セラ
ミックス体の表面に転写材料からなる画像を受像シート
とともに配置することができる。加熱圧着時には、転写
材料からなる画像をセラミックス体の表面に対向させて
配置してもいいし、セラミックス体と転写材料からなる
画像との間に受像層を挟持させて、配置してもよい。転
写材料からなる画像を対向させて配置する場合は、受像
シート上には、所望の画像の反転画像を形成する。
【0054】また、紙支持体を有する接着性受像シート
を使用する場合は、潜像形成工程および転写工程の後、
接着性受像シートの一部を水に浸漬し、水溶性ポリマー
層のポリマーを一部溶解させて、疎水性ポリマー層を紙
支持体から剥離するとともに、剥離した疎水性ポリマー
層をセラミックス体表面に接着し、転写材料からなる画
像を受像層とともにセラミックス体の表面に配置するこ
とができる。また、プラスチックフィルム支持体を有す
る接着性受像シートを使用する場合、前述の様に予めフ
ィルムに離型層形成の表面処理を行うことによって、水
に浸漬することなく、画像が形成された疎水性ポリマー
層をフィルム支持体から剥離することができる。剥離し
た疎水性ポリマー層は、接着剤層を介して陶板等のセラ
ミックス体表面に接着することができる。
を使用する場合は、潜像形成工程および転写工程の後、
接着性受像シートの一部を水に浸漬し、水溶性ポリマー
層のポリマーを一部溶解させて、疎水性ポリマー層を紙
支持体から剥離するとともに、剥離した疎水性ポリマー
層をセラミックス体表面に接着し、転写材料からなる画
像を受像層とともにセラミックス体の表面に配置するこ
とができる。また、プラスチックフィルム支持体を有す
る接着性受像シートを使用する場合、前述の様に予めフ
ィルムに離型層形成の表面処理を行うことによって、水
に浸漬することなく、画像が形成された疎水性ポリマー
層をフィルム支持体から剥離することができる。剥離し
た疎水性ポリマー層は、接着剤層を介して陶板等のセラ
ミックス体表面に接着することができる。
【0055】前記接着性受像シート上に形成された転写
材料からなる画像を、セラミックス体の表面に配置する
際、前記画像を反転させて配置してもよい。即ち、あら
かじめ受像層上に、反転画像を形成した後、画像部をセ
ラミックス体の表面と対向させて(画像を再び反転させ
て)、セラミックス体の表面に配置してもよい。その場
合は、画像とセラミックス体表面との間に、前記疎水性
ポリマー層が介在しないので、引き続き行う焼結工程に
おいて、無機顔料とセラミックス体との焼結がより安定
的に進行するので好ましい。尚、疎水性ポリマー層の表
面(転写材料からなる画像が形成された面)は、接着性
を有しないので、前述の如くセラミックス体表面に画像
を対向させてインク画像を配置する場合は、セラミック
ス体の表面に接着性を有する水溶性ポリマーを塗布する
のが好ましい。
材料からなる画像を、セラミックス体の表面に配置する
際、前記画像を反転させて配置してもよい。即ち、あら
かじめ受像層上に、反転画像を形成した後、画像部をセ
ラミックス体の表面と対向させて(画像を再び反転させ
て)、セラミックス体の表面に配置してもよい。その場
合は、画像とセラミックス体表面との間に、前記疎水性
ポリマー層が介在しないので、引き続き行う焼結工程に
おいて、無機顔料とセラミックス体との焼結がより安定
的に進行するので好ましい。尚、疎水性ポリマー層の表
面(転写材料からなる画像が形成された面)は、接着性
を有しないので、前述の如くセラミックス体表面に画像
を対向させてインク画像を配置する場合は、セラミック
ス体の表面に接着性を有する水溶性ポリマーを塗布する
のが好ましい。
【0056】また、接着性を有しない前記受像シートの
受像層(熱可塑性樹脂等からなる層)上に形成された転
写材料からなる画像を、前記接着性受像シートの受像層
に転写した後、該接着性受像シート(紙支持体を有する
接着性シート)を前述の如く、水に一部浸漬した後、紙
支持体を剥離し、セラミックス体の表面に疎水性ポリマ
ー層とともに転写材料からなる画像を配置することもで
きる。
受像層(熱可塑性樹脂等からなる層)上に形成された転
写材料からなる画像を、前記接着性受像シートの受像層
に転写した後、該接着性受像シート(紙支持体を有する
接着性シート)を前述の如く、水に一部浸漬した後、紙
支持体を剥離し、セラミックス体の表面に疎水性ポリマ
ー層とともに転写材料からなる画像を配置することもで
きる。
【0057】[燒結工程]前記焼結工程では、転写材料
からなる画像が形成されたセラミックス体を加熱し、転
写材料に含まれる無機顔料をセラミックス体の表面に焼
結する。無機顔料がセラミックス体の表面に焼結される
とともに、転写材料中の無機顔料以外の成分、および画
像とともにセラミックス体の表面に配置された受像層等
の成分が蒸発または焼却される。セラミックス体の加熱
は、温度制御、発色性等の観点から、例えば、電気窯等
を用いて行うことが好ましい。加熱条件は選択した材
料、セラミックス体の体積、画像の大きさ等に応じて、
適宜設定することができる。加熱は焼成温度まで緩やか
に昇温させるか、300℃〜500℃で一定時間定温加
熱した後に、焼成温度まで緩やかに昇温していくのが好
ましい。焼成は、無機顔料として上絵具を使用した場
合、焼成温度を通常650℃〜900℃、好ましくは7
50℃〜850℃とし、焼成時間を1〜8時間で行うの
が好ましい。また、無機顔料として下絵具を使用した場
合は、焼成温度を1000℃〜1300℃、好ましくは
1100℃〜1250℃とし、焼成時間を1〜8時間で
行うのが好ましい。
からなる画像が形成されたセラミックス体を加熱し、転
写材料に含まれる無機顔料をセラミックス体の表面に焼
結する。無機顔料がセラミックス体の表面に焼結される
とともに、転写材料中の無機顔料以外の成分、および画
像とともにセラミックス体の表面に配置された受像層等
の成分が蒸発または焼却される。セラミックス体の加熱
は、温度制御、発色性等の観点から、例えば、電気窯等
を用いて行うことが好ましい。加熱条件は選択した材
料、セラミックス体の体積、画像の大きさ等に応じて、
適宜設定することができる。加熱は焼成温度まで緩やか
に昇温させるか、300℃〜500℃で一定時間定温加
熱した後に、焼成温度まで緩やかに昇温していくのが好
ましい。焼成は、無機顔料として上絵具を使用した場
合、焼成温度を通常650℃〜900℃、好ましくは7
50℃〜850℃とし、焼成時間を1〜8時間で行うの
が好ましい。また、無機顔料として下絵具を使用した場
合は、焼成温度を1000℃〜1300℃、好ましくは
1100℃〜1250℃とし、焼成時間を1〜8時間で
行うのが好ましい。
【0058】焼結工程では、転写材料中の無機顔料以外
の成分、および画像とともにセラミックス体の表面に配
置された受像層等の成分が蒸発または焼却される。従っ
て、前記焼結工程時に無機顔料とともにセラミックス体
表面に配置されている材料(転写層中の成分および受像
層中の成分)は、焼結工程において蒸発または燃焼によ
り消失しない原子または化合物を含んだり、無機顔料と
反応して変色させるような原子または化合物を含まない
のが好ましい。
の成分、および画像とともにセラミックス体の表面に配
置された受像層等の成分が蒸発または焼却される。従っ
て、前記焼結工程時に無機顔料とともにセラミックス体
表面に配置されている材料(転写層中の成分および受像
層中の成分)は、焼結工程において蒸発または燃焼によ
り消失しない原子または化合物を含んだり、無機顔料と
反応して変色させるような原子または化合物を含まない
のが好ましい。
【0059】[絵付セラミックス体]本発明の製造方法
によって作製された絵付セラミックス体は、絵付けする
セラミックス体の形状や形成画像を種々選択することに
よって、例えば、セラミックスフォト用途(肖像、葬式
用の遺影、ペットの写真、永久保存したい記念写真用
等)、アミューズメントおよびアクセサリー用途(マグ
カップ、酒類のボトル、家紋、魚拓等を含む)、建材用
途(風呂場、玄関、居間、ロビー、客室等の壁に使用さ
れる美術タイル、看板、案内板、ルームアクセサリー、
インテリア商品等)等、種々の用途に利用できる。
によって作製された絵付セラミックス体は、絵付けする
セラミックス体の形状や形成画像を種々選択することに
よって、例えば、セラミックスフォト用途(肖像、葬式
用の遺影、ペットの写真、永久保存したい記念写真用
等)、アミューズメントおよびアクセサリー用途(マグ
カップ、酒類のボトル、家紋、魚拓等を含む)、建材用
途(風呂場、玄関、居間、ロビー、客室等の壁に使用さ
れる美術タイル、看板、案内板、ルームアクセサリー、
インテリア商品等)等、種々の用途に利用できる。
【0060】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら限
定されるものではない。 [実施例1] <転写性促進材料溶液1の作製> 3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール 5質量部 蒸留水 50質量部 n−プロピルアルコール 45質量部 上記成分を均一に攪拌した後、0.45μmのミクロフ
ィルターにより濾過し、転写性促進材料溶液1を得た。
に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら限
定されるものではない。 [実施例1] <転写性促進材料溶液1の作製> 3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール 5質量部 蒸留水 50質量部 n−プロピルアルコール 45質量部 上記成分を均一に攪拌した後、0.45μmのミクロフ
ィルターにより濾過し、転写性促進材料溶液1を得た。
【0061】 <転写シートの作製> (1)イエロー転写シートの作製 (無機顔料分散液Yの調製) イエロー顔料(セルデック社製;13651) 100質量部 分散剤 4質量部 (信越化学社製;サーフィノールCT−324) 水 60質量部 上記成分を自動乳鉢にて3時間分散し、無機顔料分散液
Yを得た。
Yを得た。
【0062】 (塗布液調製) 顔料分散液Y 41質量部 ポリオキシチレン(n=10)ノニルフェノールエーテル 0.5質量部 (20質量%水溶液) カルバナワックス分散液(31質量%) 20質量部 (中京油脂社製;K−332) ブチラール樹脂分散液(25質量%) 60質量部 (中京油脂社製;レゼムJ667) 水 100質量部 上記成分を充分攪拌して、転写層用塗布液を調製した。
【0063】前記転写層用塗布液を、厚み5μmのポリ
エステルフィルムに乾燥膜厚2μmとなる様に塗布し
て、転写層を形成し、イエロー転写シートを作製した。
エステルフィルムに乾燥膜厚2μmとなる様に塗布し
て、転写層を形成し、イエロー転写シートを作製した。
【0064】(2)マゼンタ、シアンおよびブラック転
写シートの作製 上記イエロー転写シートの作製において、イエロー顔料
の代わりにマゼンタ顔料(セルデック社製;7757
1)、シアン顔料(セルデック社製;121522)お
よびブラック顔料(セルデック社製;14209)を各
々用いた以外は、イエロー転写シートと同様にしてマゼ
ンタ転写シート、シアン転写シートおよびブラック転写
シートを各々作製した。
写シートの作製 上記イエロー転写シートの作製において、イエロー顔料
の代わりにマゼンタ顔料(セルデック社製;7757
1)、シアン顔料(セルデック社製;121522)お
よびブラック顔料(セルデック社製;14209)を各
々用いた以外は、イエロー転写シートと同様にしてマゼ
ンタ転写シート、シアン転写シートおよびブラック転写
シートを各々作製した。
【0065】<受像シートの作製>下記組成の第一層用
塗布液および第二層用塗布液を調製した。 [第一層(クッション層)用塗布液の組成] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 160質量部 (日信化学(株)製;ソルバインCL2) エチレン−酢酸ビニル共重合体 61質量部 (三井デュポンケミカル(株)製;エルバロイ742) セバシン酸ポリエステル 28質量部 (日本曹達(株)製;FN−G25) パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 4質量部 (大日本インキ化学工業(株)製;メガファックF−178K) メチルエチルケトン 630質量部 トルエン 210質量部 ジメチルホルムアミド 30質量部
塗布液および第二層用塗布液を調製した。 [第一層(クッション層)用塗布液の組成] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 160質量部 (日信化学(株)製;ソルバインCL2) エチレン−酢酸ビニル共重合体 61質量部 (三井デュポンケミカル(株)製;エルバロイ742) セバシン酸ポリエステル 28質量部 (日本曹達(株)製;FN−G25) パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 4質量部 (大日本インキ化学工業(株)製;メガファックF−178K) メチルエチルケトン 630質量部 トルエン 210質量部 ジメチルホルムアミド 30質量部
【0066】 [第二層(受像層)用塗布液の組成] ポリビニルブチラール樹脂 16質量部 (電気化学工業(株)製;デンカブチラール#2000−L) N,N−ジメチルアクリルアミド−ブチルアクリレート共重合体4質量部 パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.5質量部 (大日本インキ化学工業(株)製;メガファックF−177) n−プロピルアルコール 200質量部
【0067】厚さ130μmのPETフィルム支持体上
に、前記第一層用塗布液を塗布し、100℃で乾燥さ
せ、乾燥時の膜厚が20μmの第一層を形成した。次
に、前記第一層上に前記第二層用塗布液を塗布し、10
0℃で乾燥させ、乾燥時の膜厚が2μmの第二層(受像
層)を形成し、受像シート得た。
に、前記第一層用塗布液を塗布し、100℃で乾燥さ
せ、乾燥時の膜厚が20μmの第一層を形成した。次
に、前記第一層上に前記第二層用塗布液を塗布し、10
0℃で乾燥させ、乾燥時の膜厚が2μmの第二層(受像
層)を形成し、受像シート得た。
【0068】<絵付陶板の作製>図5に示す画像形成装
置40を用いて、前記受像シートにフルカラーの画像を
形成する。画像形成装置40は、受像シート20の第二
層(受像層)表面に転写性促進材料溶液の液滴を画像様
に付与する吐出ヘッド42と、受像シート20と転写シ
ート10とを加熱加圧しつつ、搬送する支持ドラム44
とピンチローラ46とを備えている。さらに、転写シー
ト10の搬送路の最後に設けられた巻き取りローラ48
と、転写シート10の搬送路の支持ドラム44より下流
側に配置された直方体状の剥離バー50とを備えてい
る。さらに、搬送路には、画像様に吐出された受像シー
ト20上の転写性促進材料溶液を加熱乾燥する加熱ヒー
タ52および受像シート20上に転写された転写画像を
加熱乾燥する加熱ヒータ54とを備えている。
置40を用いて、前記受像シートにフルカラーの画像を
形成する。画像形成装置40は、受像シート20の第二
層(受像層)表面に転写性促進材料溶液の液滴を画像様
に付与する吐出ヘッド42と、受像シート20と転写シ
ート10とを加熱加圧しつつ、搬送する支持ドラム44
とピンチローラ46とを備えている。さらに、転写シー
ト10の搬送路の最後に設けられた巻き取りローラ48
と、転写シート10の搬送路の支持ドラム44より下流
側に配置された直方体状の剥離バー50とを備えてい
る。さらに、搬送路には、画像様に吐出された受像シー
ト20上の転写性促進材料溶液を加熱乾燥する加熱ヒー
タ52および受像シート20上に転写された転写画像を
加熱乾燥する加熱ヒータ54とを備えている。
【0069】図5に示す画像形成装置40に、前記作製
した受像シートと、イエロー転写シートをセットし、吐
出ヘッド42に前記調製した転写性促進材料溶液1を充
填し、まず、イエロー画像(鏡像反転像)を前記受像シ
ート上に形成した。この時、支持ドラム44とピンチロ
ーラ46とのニップ部の温度は75℃に設定した。同様
の操作を、同一の受像シートと、マゼンタ、シアン及び
ブラック転写シートとを各々用いて繰り返し、受像シー
ト上にフルカラーの画像(鏡像反転像)を形成した。
した受像シートと、イエロー転写シートをセットし、吐
出ヘッド42に前記調製した転写性促進材料溶液1を充
填し、まず、イエロー画像(鏡像反転像)を前記受像シ
ート上に形成した。この時、支持ドラム44とピンチロ
ーラ46とのニップ部の温度は75℃に設定した。同様
の操作を、同一の受像シートと、マゼンタ、シアン及び
ブラック転写シートとを各々用いて繰り返し、受像シー
ト上にフルカラーの画像(鏡像反転像)を形成した。
【0070】前記画像が形成された受像シートの画像形
成表面と、陶板の表面とが接するように重ねて、熱ロー
ラにて加熱圧着し、受像シートを剥離すると、無機顔料
からなる画像と第二層が受像シートより剥離し、陶板上
に接着した。陶板上には反転した顔料像(正像)が形成
された。次に、上記無機顔料画像が形成された陶板を8
50℃にて4時間焼成し、無機顔料を陶板上に焼結させ
て、絵付陶板100を作製した。
成表面と、陶板の表面とが接するように重ねて、熱ロー
ラにて加熱圧着し、受像シートを剥離すると、無機顔料
からなる画像と第二層が受像シートより剥離し、陶板上
に接着した。陶板上には反転した顔料像(正像)が形成
された。次に、上記無機顔料画像が形成された陶板を8
50℃にて4時間焼成し、無機顔料を陶板上に焼結させ
て、絵付陶板100を作製した。
【0071】[実施例2] <転写紙の作製>アラビアゴムが1.5g/m2塗設さ
れた坪量100gの平滑な紙支持体上に、メタクリル系
樹脂を主成分とするオーバーコートラッカー(プラスサ
イズLD−170;互応化学工業社製)を乾燥膜厚15
μmとなるように塗布乾燥して、転写紙を作製した。
れた坪量100gの平滑な紙支持体上に、メタクリル系
樹脂を主成分とするオーバーコートラッカー(プラスサ
イズLD−170;互応化学工業社製)を乾燥膜厚15
μmとなるように塗布乾燥して、転写紙を作製した。
【0072】<絵付陶板の作製>実施例1と同様にして
作製した受像シートを用い、図5に示す画像形成装置4
0を使用して、実施例1と同様にして、受像シート上に
フルカラー画像(正像)を形成した。この受像シートの
画像形成面と、前記作製した転写紙の塗布面とを接触さ
せて、重ね合わせ、ヒートローラにて加熱圧着し、受像
シートを剥離した。転写紙上には、受像シート上に形成
された画像と第二層が転写し、転写紙上に画像(鏡像)
が形成された。次に、画像形成された転写紙を水に浸漬
し、紙支持体を剥離除去し、画像形成されている表面を
陶板側に対向させて、表面に2%アラビアゴム水溶液を
付与された陶板を重ね合わせ、ゴムヘラにて余剰の水分
を除去し、陶板に密着(接着)させた。充分乾燥した
後、電気窯にて850℃で4時間焼成し、絵付陶板20
0を作製した。
作製した受像シートを用い、図5に示す画像形成装置4
0を使用して、実施例1と同様にして、受像シート上に
フルカラー画像(正像)を形成した。この受像シートの
画像形成面と、前記作製した転写紙の塗布面とを接触さ
せて、重ね合わせ、ヒートローラにて加熱圧着し、受像
シートを剥離した。転写紙上には、受像シート上に形成
された画像と第二層が転写し、転写紙上に画像(鏡像)
が形成された。次に、画像形成された転写紙を水に浸漬
し、紙支持体を剥離除去し、画像形成されている表面を
陶板側に対向させて、表面に2%アラビアゴム水溶液を
付与された陶板を重ね合わせ、ゴムヘラにて余剰の水分
を除去し、陶板に密着(接着)させた。充分乾燥した
後、電気窯にて850℃で4時間焼成し、絵付陶板20
0を作製した。
【0073】絵付陶板100および200には、ともに
解像度が高い、フルカラーの色ムラ、濃度ムラのない良
好な画像が形成されており、また、耐水性および耐光性
ともに良好であった。
解像度が高い、フルカラーの色ムラ、濃度ムラのない良
好な画像が形成されており、また、耐水性および耐光性
ともに良好であった。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、画像保存性が良好な絵
付セラミックス体を簡易な工程により、低コストで且つ
安定的に製造できると共に多色転写の場合にも色ムラ、
画像ムラのない多色画像を得ることができる。
付セラミックス体を簡易な工程により、低コストで且つ
安定的に製造できると共に多色転写の場合にも色ムラ、
画像ムラのない多色画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる絵付セラミックス体の製造方
法の一実施形態を説明するための概略工程図である。
法の一実施形態を説明するための概略工程図である。
【図2】 本発明に係わる絵付セラミックス体の製造方
法の他の実施形態を説明するための概略工程図である。
法の他の実施形態を説明するための概略工程図である。
【図3】 本発明に係わる絵付セラミックス体の製造方
法の更に他の実施形態を説明するための概略工程図であ
る。
法の更に他の実施形態を説明するための概略工程図であ
る。
【図4】 本発明に係わる絵付セラミックス体の製造方
法の更に他の実施形態を説明するための概略工程図であ
る。
法の更に他の実施形態を説明するための概略工程図であ
る。
【図5】 実施例で用いた画像形成装置の概略図であ
る。
る。
10 転写シート 12 支持体 14 転写層 20 20’ 受像シート 22 支持体 24、24’、24’’ 受像層 26 水溶性ポリマー層 30、30’ 陶板 32、32’、32’’、32’’’ 絵付陶板 i 転写材料からなる画像 40 画像形成装置 42 吐出ヘッド 44 支持ドラム 46 ピンチローラ 48 巻き取りローラ 50 剥離バー 52、54 加熱ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA02 BA05 BA15 BA26 BA33 BA35 BA36 BA52 BA53 3B005 EA01 EB05 EC11 EC30 FB22 FB23 FB25 FC02Z GA02 GB01 GC03 GC08 GD10
Claims (7)
- 【請求項1】 無機顔料を含む転写材料からなる転写層
を有する転写シートの転写層表面、および前記転写材料
を転写可能な受像層を有する受像シートの受像層表面の
少なくとも一方に、前記転写材料の前記受像層表面への
転写を促進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して
潜像を形成する潜像形成工程と、 前記転写層表面と前記受像層表面とを少なくとも接触さ
せて、潜像に対応して前記転写材料を前記受像層表面に
転写し、前記受像層表面に前記転写材料からなる画像を
形成する転写工程と、 前記転写材料からなる画像を前記受像シートの一部また
は全部とともにセラミックス体の表面に配置する配置工
程と、 前記転写材料からなる画像が配置されたセラミックス体
を加熱し、前記転写材料に含まれる無機顔料をセラミッ
クス体の表面に焼結する焼結工程と、 を有する絵付セラミックス体の製造方法であって、前記
転写層に用いられるポリマーと前記受像層に用いられる
ポリマーが、それぞれ同一の官能基を有するモノマーを
少なくとも30モル%以上含有するポリマーからなるこ
とを特徴とする絵付セラミックス体の製造方法。 - 【請求項2】 前記同一の官能基を有するモノマーを少
なくとも30モル%以上含有するポリマーが、ブチラー
ル系ポリマーからなることを特徴とする絵付セラミック
ス体の製造方法。 - 【請求項3】 前記転写層に用いられ、同一の官能基を
有するモノマーを少なくとも30モル%以上含有するポ
リマーが、水性ポリビニルブチラールからなり、前記受
像層に用いられ、同一の官能基を有するモノマーを少な
くとも30モル%以上含有するポリマーが、溶媒系ポリ
ビニルブチラールであることを特徴とする請求項2に記
載の絵付セラミックス体の製造方法。 - 【請求項4】 転写工程と配置工程との間に、転写材料
からなる画像を他の受像シートに転写する第2の転写工
程を有する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の絵
付セラミックス体の製造方法。 - 【請求項5】 受像シートが、支持体上に、水溶性ポリ
マーを含有する層および受像層を順次積層したシートで
あり、前記配置工程において、前記水溶性ポリマーを一
部水に溶解させ、支持体を剥離するとともに、剥離面を
セラミックス体の表面に接着し、受像層とともに、転写
材料からなる画像をセラミックス体の表面に配置する請
求項1乃至請求項4のいずれかに記載の絵付セラミック
ス体の製造方法。 - 【請求項6】 受像シートが、支持体上に、水溶性ポリ
マーを含有する層および受像層を順次積層したシートで
あり、前記配置工程において、前記水溶性ポリマーを一
部水に溶解させ、支持体を剥離し、糊剤を溶解又は分散
した液を介して前記剥離面と反対側の面(受像層表面)
をセラミックス体の表面に接着し、受像層と共に転写材
料からなる画像をセラミックス体の表面に配置する請求
項1乃至請求項4のいずれかに記載の絵付セラミックス
体の製造方法。 - 【請求項7】 無機顔料を含む転写材料からなる転写層
を有する転写シートの転写層表面、およびセラミックス
体上に形成された前記転写材料を転写可能な受像層の表
面の少なくとも一方に、前記転写材料の前記受像層の表
面への転写を促進させ得る転写性促進材料を画像様に付
与して潜像を形成する潜像形成工程と、 前記転写層表面と前記受像層の表面とを少なくとも接触
させて、潜像に対応して、転写材料を受像層の表面に転
写し、受像層の表面に転写材料からなる画像を形成する
画像形成工程と、 前記画像が形成されたセラミックス体を加熱し、前記無
機顔料をセラミックス体の表面に焼結する焼結工程と、 を有する絵付セラミックス体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000291286A JP2002097088A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | 絵付セラミックス体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000291286A JP2002097088A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | 絵付セラミックス体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002097088A true JP2002097088A (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18774379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000291286A Pending JP2002097088A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | 絵付セラミックス体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002097088A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004087616A1 (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-14 | Toto Ltd. | 窯業製品装飾システムおよび窯業製品の製造方法 |
-
2000
- 2000-09-25 JP JP2000291286A patent/JP2002097088A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004087616A1 (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-14 | Toto Ltd. | 窯業製品装飾システムおよび窯業製品の製造方法 |
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