JP2002097090A - 絵付セラミックス体の製造方法 - Google Patents
絵付セラミックス体の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 画像保存性が良好な絵付セラミックス体を簡
易な工程により、低コストで且つ安定的に製造し得ると
共に高い発色濃度を保持しなから、均一性、色再現性、
階調性等に優れた画像を形成することができる絵付セラ
ミックス体の製造方法の提供。 【解決手段】 平均粒径が0.2〜1μmの無機顔料を
含む転写材料からなる転写層を有する転写シートの転写
層表面と前記転写材料を転写可能な受像層を有する受像
シートの受像層表面とを少なくとも接触させて、前記転
写材料を前記受像層表面に転写し、前記受像層表面に前
記転写材料からなる画像を形成する。この画像をセラミ
ックス体の表面に配置し、その後、セラミックス体を加
熱し、前記転写材料に含まれる無機顔料をセラミックス
体の表面に焼結する。
易な工程により、低コストで且つ安定的に製造し得ると
共に高い発色濃度を保持しなから、均一性、色再現性、
階調性等に優れた画像を形成することができる絵付セラ
ミックス体の製造方法の提供。 【解決手段】 平均粒径が0.2〜1μmの無機顔料を
含む転写材料からなる転写層を有する転写シートの転写
層表面と前記転写材料を転写可能な受像層を有する受像
シートの受像層表面とを少なくとも接触させて、前記転
写材料を前記受像層表面に転写し、前記受像層表面に前
記転写材料からなる画像を形成する。この画像をセラミ
ックス体の表面に配置し、その後、セラミックス体を加
熱し、前記転写材料に含まれる無機顔料をセラミックス
体の表面に焼結する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絵付セラミックス
体の製造方法に関し、より詳細には、美術タイル等の建
材、セラミックフォト等として利用され得る絵付セラミ
ックス体の簡易な製造方法に関する。
体の製造方法に関し、より詳細には、美術タイル等の建
材、セラミックフォト等として利用され得る絵付セラミ
ックス体の簡易な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陶板等のセラミックス体に黒白およびカ
ラー画像を形成した絵付セラミックス体は、風呂場や玄
関等の壁に使用する美術タイル等の建材のみならず、肖
像や遺影等のセラミックフォト、ペンダント、ブローチ
等のアクセサリー等、種々の用途への適用が期待されて
いる。従来、陶板等の表面に画像を形成する方法として
は、通常の印画紙に画像を形成した後、該印画紙の紙部
を除去して陶磁器表面に接着し、その画像部表面を紫外
線硬化樹脂によりラミネ−トして、画像部を保護する方
法が知られている。しかし、この方法により画像を形成
すると、画像部の耐光性および耐熱性が不十分である。
画像の耐光性および耐熱性に優れ、画像を半永久的に保
存できれば、用途を拡大させることができ、有利であ
る。
ラー画像を形成した絵付セラミックス体は、風呂場や玄
関等の壁に使用する美術タイル等の建材のみならず、肖
像や遺影等のセラミックフォト、ペンダント、ブローチ
等のアクセサリー等、種々の用途への適用が期待されて
いる。従来、陶板等の表面に画像を形成する方法として
は、通常の印画紙に画像を形成した後、該印画紙の紙部
を除去して陶磁器表面に接着し、その画像部表面を紫外
線硬化樹脂によりラミネ−トして、画像部を保護する方
法が知られている。しかし、この方法により画像を形成
すると、画像部の耐光性および耐熱性が不十分である。
画像の耐光性および耐熱性に優れ、画像を半永久的に保
存できれば、用途を拡大させることができ、有利であ
る。
【0003】例えば、特開平2 −252683号公報
等には、陶磁器の表面に感光性のフィルムを付着させ、
色分解されたリスフィルム通して網点露光した後このフ
ィルムを現像し、現れた画像に応じて順次絵付け用無機
顔料を載せて焼成する方法が提案されている。また、特
開昭62 −246887号公報には、前記感光性フィ
ルムの代わりに感光性ポリマ−を直接陶磁器上に塗設
し、網点露光した後、現像処理し、上記と同様に顔料像
の形成、焼成をする方法が提案されている。これらの方
法により形成された画像(陶磁器写真)は極めて保存性
に優れており、半永久的である。しかし、前記方法を利
用する場合は、カラ−原稿を色分解したリスフィルムを
複数枚作製しなければならない。また、現像処理された
感光性フィルムの表面に顔料を付着させる際に、顔料量
を微妙に調整する必要があり、再現性が乏しいために、
作製を繰りかえさなければならないことが多い。さら
に、各顔料層の形成及び焼成をそれぞれ繰り返し行なわ
なければならない。従って、前記方法は、操作が著しく
煩雑であるとともに、製造コストが高いという問題があ
る。
等には、陶磁器の表面に感光性のフィルムを付着させ、
色分解されたリスフィルム通して網点露光した後このフ
ィルムを現像し、現れた画像に応じて順次絵付け用無機
顔料を載せて焼成する方法が提案されている。また、特
開昭62 −246887号公報には、前記感光性フィ
ルムの代わりに感光性ポリマ−を直接陶磁器上に塗設
し、網点露光した後、現像処理し、上記と同様に顔料像
の形成、焼成をする方法が提案されている。これらの方
法により形成された画像(陶磁器写真)は極めて保存性
に優れており、半永久的である。しかし、前記方法を利
用する場合は、カラ−原稿を色分解したリスフィルムを
複数枚作製しなければならない。また、現像処理された
感光性フィルムの表面に顔料を付着させる際に、顔料量
を微妙に調整する必要があり、再現性が乏しいために、
作製を繰りかえさなければならないことが多い。さら
に、各顔料層の形成及び焼成をそれぞれ繰り返し行なわ
なければならない。従って、前記方法は、操作が著しく
煩雑であるとともに、製造コストが高いという問題があ
る。
【0004】また、スクリ−ン印刷、あるいはグラビア
印刷の手法で転写紙上に絵付け用顔料を主体とするイン
クで印刷を行い、その転写紙を陶磁器上に接着し焼成す
る方法も提案されている。前記方法により形成された画
像も耐久性に優れ、上記と同様に半永久的であるが、上
記と同様にカラ−原稿を色分解したリスフィルム及び刷
版を複数枚作製しなければならず、顔料像の形成、焼成
を繰り返さなければならない。従って、上述の方法同
様、操作が著しく煩雑であるとともに、製造コストが高
いという問題がある。さらに、絵付け用顔料はスクリー
ンの網目の目詰まりを生じ易いため、スクリ−ンの網目
を十分小さくすることができず、その結果、解像力に優
れた鮮明な写真様の画像の再現は難しいという問題があ
る。
印刷の手法で転写紙上に絵付け用顔料を主体とするイン
クで印刷を行い、その転写紙を陶磁器上に接着し焼成す
る方法も提案されている。前記方法により形成された画
像も耐久性に優れ、上記と同様に半永久的であるが、上
記と同様にカラ−原稿を色分解したリスフィルム及び刷
版を複数枚作製しなければならず、顔料像の形成、焼成
を繰り返さなければならない。従って、上述の方法同
様、操作が著しく煩雑であるとともに、製造コストが高
いという問題がある。さらに、絵付け用顔料はスクリー
ンの網目の目詰まりを生じ易いため、スクリ−ンの網目
を十分小さくすることができず、その結果、解像力に優
れた鮮明な写真様の画像の再現は難しいという問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】セラミックス体上に保
存性の良好な画像を形成するには、無機顔料により形成
された画像をセラミックス体上に焼結する必要があり、
無機顔料の特性に適する画像形成法を選択する必要があ
る。
存性の良好な画像を形成するには、無機顔料により形成
された画像をセラミックス体上に焼結する必要があり、
無機顔料の特性に適する画像形成法を選択する必要があ
る。
【0006】本発明の目的は、発色濃度を高く維持しな
がら、画像の均一性、階調性等に優れた画像をセラミッ
クス体上に形成することができる絵付セラミックス体の
製造方法を提供することにある。
がら、画像の均一性、階調性等に優れた画像をセラミッ
クス体上に形成することができる絵付セラミックス体の
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、転写シート
の転写層に用いられる無機顔料の粒径は、画像の均一
性、色再現性、発色濃度、階調性の観点からは小さいほ
ど好ましいが、無機顔料により形成された画像をセラミ
ックス体上に焼結する工程を有する絵付セラミックス体
の製造方法の場合、無機顔料の平均粒径が特定の範囲の
場合に画像の均一性、色再現性、発色濃度、階調性が優
れることを見出し、本発明を達成するに至った。すなわ
ち、本発明の絵付セラミックス体の製造方法は、 <1> 無機顔料を含む転写材料からなる転写層を有す
る転写シートの転写層表面と前記転写材料を転写可能な
受像層を有する受像シートの受像層表面とを少なくとも
接触させて、前記転写材料を前記受像層表面に転写し、
前記受像層表面に前記転写材料からなる画像を形成する
転写工程と、前記転写材料からなる画像を前記受像シー
トの一部または全部とともにセラミックス体の表面に配
置する配置工程と、前記転写材料からなる画像が配置さ
れたセラミックス体を加熱し、前記転写材料に含まれる
無機顔料をセラミックス体の表面に焼結する焼結工程
と、を有し、前記無機顔料の平均粒径が0.2〜1μm
であることを特徴とする絵付セラミックス体の製造方
法。 <2> 無機顔料を含む転写材料からなる転写層を有す
る転写シートの転写層表面、およびセラミックス体上に
形成された前記転写材料を転写可能な受像層を有する受
像シートの受像層表面とを少なくとも接触させて前記転
写材料を前記受像層表面に転写し、前記受像層表面に前
記転写材料からなる画像を形成する転写・配置工程と、
前記転写材料からなる画像が配置されたセラミックス体
を加熱し、前記転写材料に含まれる無機顔料をセラミッ
クス体の表面に焼結する焼結工程と、を有し、前記無機
顔料の平均粒径が0.2〜1μmであることを特徴とす
る絵付セラミックス体の製造方法。 <3> 前記無機顔料の平均粒径が0.3〜0.8μm
であることを特徴とする前記<1>または前記<2>に
記載の絵付セラミックス体の製造方法。 <4> 前記転写シートの転写層表面と前記受像シート
の受像層表面を接触させて熱転写プリンターを介して前
記受像層上に前記転写材料からなる顔料像を形成するこ
とを特徴とする前記<1>乃至前記<3>のいずれかに
記載の絵付セラミックス体の製造方法。 <5> 前記転写層の表面及び前記受像層の表面の少な
くとも一方に前記転写材料の前記受像層表面への転写促
進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して潜像を形
成する潜像形成工程を有し、前記転写工程が、該潜像に
対応して前記転写材料を前記受像層表面に転写して前記
受像層表面に画像を形成する工程からなることを特徴と
する前記<1>乃至前記<3>のいずれかに記載の絵付
セラミックス体の製造方法。 <6> 転写工程と配置工程との間に、転写材料からな
る画像を他の受像シートに転写する第2の転写工程を有
することを特徴とする前記<1>乃至前記<5>のいず
れかに記載の絵付セラミックス体の製造方法。 <7> 受像シートが、支持体上に水溶性ポリマーを含
有する層および受像層を順次積層したシートであり、前
記配置工程において前記水溶性ポリマーを一部水に溶解
させ、支持体を剥離するとともに、剥離面またはその反
対面側をセラミックス体の表面に接着し、受像層ととも
に転写材料からなる画像をセラミックス体の表面に配置
することを特徴とする前記<1>乃至前記<6>のいず
れかに記載の絵付セラミックス体の製造方法。
の転写層に用いられる無機顔料の粒径は、画像の均一
性、色再現性、発色濃度、階調性の観点からは小さいほ
ど好ましいが、無機顔料により形成された画像をセラミ
ックス体上に焼結する工程を有する絵付セラミックス体
の製造方法の場合、無機顔料の平均粒径が特定の範囲の
場合に画像の均一性、色再現性、発色濃度、階調性が優
れることを見出し、本発明を達成するに至った。すなわ
ち、本発明の絵付セラミックス体の製造方法は、 <1> 無機顔料を含む転写材料からなる転写層を有す
る転写シートの転写層表面と前記転写材料を転写可能な
受像層を有する受像シートの受像層表面とを少なくとも
接触させて、前記転写材料を前記受像層表面に転写し、
前記受像層表面に前記転写材料からなる画像を形成する
転写工程と、前記転写材料からなる画像を前記受像シー
トの一部または全部とともにセラミックス体の表面に配
置する配置工程と、前記転写材料からなる画像が配置さ
れたセラミックス体を加熱し、前記転写材料に含まれる
無機顔料をセラミックス体の表面に焼結する焼結工程
と、を有し、前記無機顔料の平均粒径が0.2〜1μm
であることを特徴とする絵付セラミックス体の製造方
法。 <2> 無機顔料を含む転写材料からなる転写層を有す
る転写シートの転写層表面、およびセラミックス体上に
形成された前記転写材料を転写可能な受像層を有する受
像シートの受像層表面とを少なくとも接触させて前記転
写材料を前記受像層表面に転写し、前記受像層表面に前
記転写材料からなる画像を形成する転写・配置工程と、
前記転写材料からなる画像が配置されたセラミックス体
を加熱し、前記転写材料に含まれる無機顔料をセラミッ
クス体の表面に焼結する焼結工程と、を有し、前記無機
顔料の平均粒径が0.2〜1μmであることを特徴とす
る絵付セラミックス体の製造方法。 <3> 前記無機顔料の平均粒径が0.3〜0.8μm
であることを特徴とする前記<1>または前記<2>に
記載の絵付セラミックス体の製造方法。 <4> 前記転写シートの転写層表面と前記受像シート
の受像層表面を接触させて熱転写プリンターを介して前
記受像層上に前記転写材料からなる顔料像を形成するこ
とを特徴とする前記<1>乃至前記<3>のいずれかに
記載の絵付セラミックス体の製造方法。 <5> 前記転写層の表面及び前記受像層の表面の少な
くとも一方に前記転写材料の前記受像層表面への転写促
進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して潜像を形
成する潜像形成工程を有し、前記転写工程が、該潜像に
対応して前記転写材料を前記受像層表面に転写して前記
受像層表面に画像を形成する工程からなることを特徴と
する前記<1>乃至前記<3>のいずれかに記載の絵付
セラミックス体の製造方法。 <6> 転写工程と配置工程との間に、転写材料からな
る画像を他の受像シートに転写する第2の転写工程を有
することを特徴とする前記<1>乃至前記<5>のいず
れかに記載の絵付セラミックス体の製造方法。 <7> 受像シートが、支持体上に水溶性ポリマーを含
有する層および受像層を順次積層したシートであり、前
記配置工程において前記水溶性ポリマーを一部水に溶解
させ、支持体を剥離するとともに、剥離面またはその反
対面側をセラミックス体の表面に接着し、受像層ととも
に転写材料からなる画像をセラミックス体の表面に配置
することを特徴とする前記<1>乃至前記<6>のいず
れかに記載の絵付セラミックス体の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を詳細に説明する。
態を詳細に説明する。
【0009】本発明において、転写方式により受像層に
画像を形成する方法は、1)サーマルヘッド等を用いる
熱転写プリンターによる方法、2)転写層に含有される
転写材料が受像層に転写されるのを促進し得る転写性促
進材料を用いる方法等が挙げられる。
画像を形成する方法は、1)サーマルヘッド等を用いる
熱転写プリンターによる方法、2)転写層に含有される
転写材料が受像層に転写されるのを促進し得る転写性促
進材料を用いる方法等が挙げられる。
【0010】(熱転写プリンターによる方法)黒白およ
びカラー写真、印刷物、絵画等、スキャナーにより読み
取り電気信号に変換し、あるいは電子スチルカメラ、ビ
デオカメラ等が撮影した画像やコンピュータにより作成
した画像(CG)等をサーマルヘッド等を用いる熱転写
プリンターによって、この顔料像を受像層に転写して画
像を形成する公知の方法等が適用できる。転写シートお
よび受像シート、転写材料からなる画像を受像シートの
一部または全部とともにセラミックス体の表面に配置す
る配置工程、転写材料からなる画像が配置されたセラミ
ックス体を加熱し、転写材料に含まれる無機顔料をセラ
ミックス体の表面に焼結する焼結工程等は、下記の転写
性促進材料を用いる方法と共に記載する。
びカラー写真、印刷物、絵画等、スキャナーにより読み
取り電気信号に変換し、あるいは電子スチルカメラ、ビ
デオカメラ等が撮影した画像やコンピュータにより作成
した画像(CG)等をサーマルヘッド等を用いる熱転写
プリンターによって、この顔料像を受像層に転写して画
像を形成する公知の方法等が適用できる。転写シートお
よび受像シート、転写材料からなる画像を受像シートの
一部または全部とともにセラミックス体の表面に配置す
る配置工程、転写材料からなる画像が配置されたセラミ
ックス体を加熱し、転写材料に含まれる無機顔料をセラ
ミックス体の表面に焼結する焼結工程等は、下記の転写
性促進材料を用いる方法と共に記載する。
【0011】(転写性促進材料を用いる方法)この方法
においては、転写層に含有される転写材料が受像層に転
写されるのを促進し得る転写性促進材料により転写層お
よび受像層の少なくともいずれか一方に潜像を形成する
潜像形成工程を有する。次に、潜像形成工程で形成され
た潜像に応じて、転写層に含有される転写材料を受像層
に転写させ、転写材料からなる画像を形成する転写工程
を有する。受像層がセラミックス体の表面に形成されて
いる態様では、前記転写工程の後、セラミックス体を加
熱し、転写材料に含有される無機顔料をセラミックス体
の表面に焼結し、セラミックス体の表面に画像を形成す
る焼結工程を行うことができる。一方、支持体と受像層
からなる受像シートを用いて前記潜像形成工程および前
記転写工程を実施する場合は、前記転写工程の後、転写
材料からなる画像を受像層とともにセラミックス体の表
面に配置する配置工程を経た後、前記焼結工程を実施す
る。前記転写工程と前記配置工程との間には、他の受像
シートに転写材料からなる画像を転写する第2の転写工
程を実施してもよい。
においては、転写層に含有される転写材料が受像層に転
写されるのを促進し得る転写性促進材料により転写層お
よび受像層の少なくともいずれか一方に潜像を形成する
潜像形成工程を有する。次に、潜像形成工程で形成され
た潜像に応じて、転写層に含有される転写材料を受像層
に転写させ、転写材料からなる画像を形成する転写工程
を有する。受像層がセラミックス体の表面に形成されて
いる態様では、前記転写工程の後、セラミックス体を加
熱し、転写材料に含有される無機顔料をセラミックス体
の表面に焼結し、セラミックス体の表面に画像を形成す
る焼結工程を行うことができる。一方、支持体と受像層
からなる受像シートを用いて前記潜像形成工程および前
記転写工程を実施する場合は、前記転写工程の後、転写
材料からなる画像を受像層とともにセラミックス体の表
面に配置する配置工程を経た後、前記焼結工程を実施す
る。前記転写工程と前記配置工程との間には、他の受像
シートに転写材料からなる画像を転写する第2の転写工
程を実施してもよい。
【0012】次に図1を用いて、本発明の絵付セラミッ
クス体の製造方法の一実施形態を説明する。本実施形態
は、支持体上に熱可塑性樹脂を含有する受像層を有する
受像シートを利用した実施形態である。まず、転写シー
ト10と受像シート20とを用意する(図1(a))。
転写シート10は、支持体12とその上に少なくとも無
機顔料を含む転写材料からなる転写層14とを有する。
一方、受像シート20は支持体22とその上に転写層1
4中の転写材料を転写・固定可能な受像層24とを有す
る。次に、受像シート20の受像層24の表面に、イン
クジェット記録装置(不図示)により、画像情報に応じ
て転写性促進材料を含有する液滴をセラミックス体上に
形成しようとする像の鏡像反転画像となるように画像様
に付与する(潜像形成工程)。その後、転写シート10
の転写層14の表面と受像シート20の受像層24の表
面とを対向させて、接触させ、加熱圧着する(図1
(b))。転写層14に含有される転写材料は、転写性
促進材料が付与された領域においてのみ受像層24の表
面に転写され、受像層24の表面には転写材料からなる
画像iが転写される(転写工程;図1(c))。
クス体の製造方法の一実施形態を説明する。本実施形態
は、支持体上に熱可塑性樹脂を含有する受像層を有する
受像シートを利用した実施形態である。まず、転写シー
ト10と受像シート20とを用意する(図1(a))。
転写シート10は、支持体12とその上に少なくとも無
機顔料を含む転写材料からなる転写層14とを有する。
一方、受像シート20は支持体22とその上に転写層1
4中の転写材料を転写・固定可能な受像層24とを有す
る。次に、受像シート20の受像層24の表面に、イン
クジェット記録装置(不図示)により、画像情報に応じ
て転写性促進材料を含有する液滴をセラミックス体上に
形成しようとする像の鏡像反転画像となるように画像様
に付与する(潜像形成工程)。その後、転写シート10
の転写層14の表面と受像シート20の受像層24の表
面とを対向させて、接触させ、加熱圧着する(図1
(b))。転写層14に含有される転写材料は、転写性
促進材料が付与された領域においてのみ受像層24の表
面に転写され、受像層24の表面には転写材料からなる
画像iが転写される(転写工程;図1(c))。
【0013】次に、セラミックス体である陶板30の表
面に、転写材料からなる画像iを有する受像層24を加
熱圧着により、接着し、陶板30の表面に転写材料から
なる画像iを受像層24とともに配置する(図1
(d);配置工程)。次に陶板30を、電気窯により焼
成すると、焼成中に、受像層24中の各成分、および画
像iを構成している転写材料中に含有される無機顔料以
外の成分(例えば、バインダーとしてのポリマー等)が
蒸発および/または焼却されるとともに、転写材料に含
有される無機顔料が陶板30の表面に焼結され、絵付陶
板32が作製される(図1(e);焼結工程)。
面に、転写材料からなる画像iを有する受像層24を加
熱圧着により、接着し、陶板30の表面に転写材料から
なる画像iを受像層24とともに配置する(図1
(d);配置工程)。次に陶板30を、電気窯により焼
成すると、焼成中に、受像層24中の各成分、および画
像iを構成している転写材料中に含有される無機顔料以
外の成分(例えば、バインダーとしてのポリマー等)が
蒸発および/または焼却されるとともに、転写材料に含
有される無機顔料が陶板30の表面に焼結され、絵付陶
板32が作製される(図1(e);焼結工程)。
【0014】図2を用いて、本発明の他の実施形態を説
明する。本実施形態は、支持体上に、水溶性ポリマーか
らなる層および受像層を順次形成した接着性受像シート
を利用した実施の形態である。尚、図1と同一の部材に
は同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。まず、支
持体12と転写層14からなる転写シート10、および
受像シート20’とを用意する(図2(a))。受像シ
ート20’は支持体22とその上に水溶性ポリマーから
なる層26、および受像層24’とを有する。受像層2
4’は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に構
成されている。次に、受像シート20’の受像層24’
の表面に、インクジェット記録装置(不図示)により、
画像情報に応じて転写性促進材料を含有する液滴を画像
様に付与する(潜像形成工程)。その後、転写シート1
0の転写層14の表面と受像シート20’の受像層2
4’の表面とを対向させて、接触させ、加熱圧着する
(図2(b))。転写層14に含有される転写材料は、
転写性促進材料が付与された領域においてのみ受像層2
4’の表面に転写され、受像層24’の表面には転写材
料からなる画像iが転写される(転写工程;図2
(c))。
明する。本実施形態は、支持体上に、水溶性ポリマーか
らなる層および受像層を順次形成した接着性受像シート
を利用した実施の形態である。尚、図1と同一の部材に
は同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。まず、支
持体12と転写層14からなる転写シート10、および
受像シート20’とを用意する(図2(a))。受像シ
ート20’は支持体22とその上に水溶性ポリマーから
なる層26、および受像層24’とを有する。受像層2
4’は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に構
成されている。次に、受像シート20’の受像層24’
の表面に、インクジェット記録装置(不図示)により、
画像情報に応じて転写性促進材料を含有する液滴を画像
様に付与する(潜像形成工程)。その後、転写シート1
0の転写層14の表面と受像シート20’の受像層2
4’の表面とを対向させて、接触させ、加熱圧着する
(図2(b))。転写層14に含有される転写材料は、
転写性促進材料が付与された領域においてのみ受像層2
4’の表面に転写され、受像層24’の表面には転写材
料からなる画像iが転写される(転写工程;図2
(c))。
【0015】次に、画像iが形成された受像シート2
0’を水に一部浸漬し、層26中の水溶性ポリマーを溶
解させ、層24’を画像iとともに支持体22から剥離
する。層26中の水溶性ポリマーは一部溶解しているの
で、層24’を陶板30上に配置すると、層24’は陶
板30の表面に接着される。陶板30の表面には転写材
料からなる画像iが、層24’とともに配置される(図
2(d);画像配置工程)。次に、画像iが表面に配置
された陶板30を、電気窯により焼成する。焼成中に、
層24’中の各成分、および画像iを構成している転写
材料中に含有される無機顔料以外の成分(例えば、バイ
ンダーとしてのポリマー等)が蒸発および/または焼却
されるとともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板
30の表面に焼結され、絵付陶板32’が作製される
(図2(e);焼結工程)。
0’を水に一部浸漬し、層26中の水溶性ポリマーを溶
解させ、層24’を画像iとともに支持体22から剥離
する。層26中の水溶性ポリマーは一部溶解しているの
で、層24’を陶板30上に配置すると、層24’は陶
板30の表面に接着される。陶板30の表面には転写材
料からなる画像iが、層24’とともに配置される(図
2(d);画像配置工程)。次に、画像iが表面に配置
された陶板30を、電気窯により焼成する。焼成中に、
層24’中の各成分、および画像iを構成している転写
材料中に含有される無機顔料以外の成分(例えば、バイ
ンダーとしてのポリマー等)が蒸発および/または焼却
されるとともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板
30の表面に焼結され、絵付陶板32’が作製される
(図2(e);焼結工程)。
【0016】図3を用いて、本発明の他の実施形態を説
明する。本実施形態は、支持体上に、水溶性ポリマーか
らなる層および受像層を順次形成した接着性受像シート
を利用した実施の形態である。尚、図1と同一の部材に
は同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。まず、支
持体12と転写層14からなる転写シート10、および
受像シート20’とを用意する(図3(a))。受像シ
ート20’は支持体22とその上に水溶性ポリマーから
なる層26、および受像層24’とを有する。受像層2
4’は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に構
成されている。次に、受像シート20’の受像層24’
の表面に、インクジェット記録装置(不図示)により、
画像情報に応じて転写性促進材料を含有する液滴を画像
(鏡像)様に付与する(潜像形成工程)。その後、転写
シート10の転写層14の表面と受像シート20’の受
像層24’の表面とを対向させて、接触させ、加熱圧着
する(図3(b))。転写層14に含有される転写材料
は、転写性促進材料が付与された領域においてのみ受像
層24’の表面に転写され、受像層24’の表面には転
写材料からなる画像i(鏡像)が転写される(転写工
程;図3(c))。
明する。本実施形態は、支持体上に、水溶性ポリマーか
らなる層および受像層を順次形成した接着性受像シート
を利用した実施の形態である。尚、図1と同一の部材に
は同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。まず、支
持体12と転写層14からなる転写シート10、および
受像シート20’とを用意する(図3(a))。受像シ
ート20’は支持体22とその上に水溶性ポリマーから
なる層26、および受像層24’とを有する。受像層2
4’は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に構
成されている。次に、受像シート20’の受像層24’
の表面に、インクジェット記録装置(不図示)により、
画像情報に応じて転写性促進材料を含有する液滴を画像
(鏡像)様に付与する(潜像形成工程)。その後、転写
シート10の転写層14の表面と受像シート20’の受
像層24’の表面とを対向させて、接触させ、加熱圧着
する(図3(b))。転写層14に含有される転写材料
は、転写性促進材料が付与された領域においてのみ受像
層24’の表面に転写され、受像層24’の表面には転
写材料からなる画像i(鏡像)が転写される(転写工
程;図3(c))。
【0017】次に、画像iが形成された受像シート2
0’を水に一部浸漬し、層26中の水溶性ポリマーを溶
解させ、層24’を画像iとともに支持体22から剥離
する。糊剤を溶解または分散した液を介して剥離面と反
対側の面(受像層表面)を図3(d)の如く配置する
と、層24と画像i(正像)は陶板30の表面に接着さ
れる(画像配置工程)。次に、画像iが表面に配置され
た陶板30を、電気窯により焼成する。焼成中に、層2
4’中の各成分、および画像iを構成している転写材料
中に含有される無機顔料以外の成分(例えば、バインダ
ーとしてのポリマー等)が蒸発および/または焼却され
るとともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30
の表面に焼結され、絵付陶板32’’’が作製される
(図3(e);焼結工程)。
0’を水に一部浸漬し、層26中の水溶性ポリマーを溶
解させ、層24’を画像iとともに支持体22から剥離
する。糊剤を溶解または分散した液を介して剥離面と反
対側の面(受像層表面)を図3(d)の如く配置する
と、層24と画像i(正像)は陶板30の表面に接着さ
れる(画像配置工程)。次に、画像iが表面に配置され
た陶板30を、電気窯により焼成する。焼成中に、層2
4’中の各成分、および画像iを構成している転写材料
中に含有される無機顔料以外の成分(例えば、バインダ
ーとしてのポリマー等)が蒸発および/または焼却され
るとともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30
の表面に焼結され、絵付陶板32’’’が作製される
(図3(e);焼結工程)。
【0018】図4を用いて、本発明の他の実施形態を説
明する。本実施形態は、受像層がセラミックス体である
陶板の表面に形成された実施の形態である。尚、図1〜
図3と同一の部材には同一の番号を付し、詳細な説明は
省略する。まず、支持体12と転写層14からなる転写
シート10、および表面に受像層24’’を有する陶板
30’とを用意する(図4(a))。受像層24’’
は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に構成さ
れている。次に、受像層24’’の表面に、インクジェ
ット記録装置(不図示)により、画像情報に応じて転写
性促進材料を含有する液滴を画像様に付与する(潜像形
成工程)。その後、転写シート10の転写層14の表面
と受像層24’’の表面とを対向させて、接触させ、加
熱圧着する(図4(b))。転写層14に含有される転
写材料は、転写性促進材料が付与された領域においての
み受像層24’’の表面に転写され、受像層24’’の
表面には転写材料からなる画像iが転写される(転写工
程;図4(c))。
明する。本実施形態は、受像層がセラミックス体である
陶板の表面に形成された実施の形態である。尚、図1〜
図3と同一の部材には同一の番号を付し、詳細な説明は
省略する。まず、支持体12と転写層14からなる転写
シート10、および表面に受像層24’’を有する陶板
30’とを用意する(図4(a))。受像層24’’
は、転写層14中の転写材料を転写・固定可能に構成さ
れている。次に、受像層24’’の表面に、インクジェ
ット記録装置(不図示)により、画像情報に応じて転写
性促進材料を含有する液滴を画像様に付与する(潜像形
成工程)。その後、転写シート10の転写層14の表面
と受像層24’’の表面とを対向させて、接触させ、加
熱圧着する(図4(b))。転写層14に含有される転
写材料は、転写性促進材料が付与された領域においての
み受像層24’’の表面に転写され、受像層24’’の
表面には転写材料からなる画像iが転写される(転写工
程;図4(c))。
【0019】次に、表面に画像iが形成された陶板3
0’(図4(d))を、電気窯により焼成する。焼成中
に、受像層24’’中の各成分、および画像iを構成し
ている転写材料中に含有される無機顔料以外の成分(例
えば、バインダー等)が蒸発および/または焼却される
とともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30’
の表面に焼結され、絵付陶板32’’が作製される(図
4(e);焼結工程)。
0’(図4(d))を、電気窯により焼成する。焼成中
に、受像層24’’中の各成分、および画像iを構成し
ている転写材料中に含有される無機顔料以外の成分(例
えば、バインダー等)が蒸発および/または焼却される
とともに、転写材料に含有される無機顔料が陶板30’
の表面に焼結され、絵付陶板32’’が作製される(図
4(e);焼結工程)。
【0020】図5は、本発明の絵付セラミックス体の製
造方法を実施するための画像形成装置を示し、この画像
形成装置40は、受像シート20の第二層(受像層)表
面に転写性促進材料溶液の液滴を画像様に付与する吐出
ヘッド42と、受像シート20と転写シート10とを加
熱加圧しつつ、搬送する支持ドラム44とピンチローラ
46とを備えている。さらに、転写シート10の搬送路
の最後に設けられた巻き取りローラ48と、転写シート
10の搬送路の支持ドラム44より下流側に配置された
直方体状の剥離バー50とを備えている。さらに、搬送
路には、画像様に吐出された受像シート20上の転写性
促進材料溶液を加熱乾燥する加熱ヒータ52および受像
シート20上に転写された転写画像を加熱乾燥する加熱
ヒータ54とを備えている。
造方法を実施するための画像形成装置を示し、この画像
形成装置40は、受像シート20の第二層(受像層)表
面に転写性促進材料溶液の液滴を画像様に付与する吐出
ヘッド42と、受像シート20と転写シート10とを加
熱加圧しつつ、搬送する支持ドラム44とピンチローラ
46とを備えている。さらに、転写シート10の搬送路
の最後に設けられた巻き取りローラ48と、転写シート
10の搬送路の支持ドラム44より下流側に配置された
直方体状の剥離バー50とを備えている。さらに、搬送
路には、画像様に吐出された受像シート20上の転写性
促進材料溶液を加熱乾燥する加熱ヒータ52および受像
シート20上に転写された転写画像を加熱乾燥する加熱
ヒータ54とを備えている。
【0021】以下、本発明の絵付セラミックス体の製造
方法に使用可能な種々の材料について説明する。前記潜
像形成工程に使用可能な前記転写性促進材料は、転写層
に含有される転写材料の転写温度を低下させ得る材料で
ある。前記転写性促進材料は液状組成物が好ましく、経
時的に析出してしまう固形の材料等を含まないのが好ま
しい。前記転写性促進材料としては、例えば、水、有機
溶剤類、界面活性剤類およびこれらの混合物を挙げるこ
とができる。中でも、常温で水と自由に混和する有機溶
剤類、水と混和し得る界面活性剤類、及びこれらの混合
物が望ましい。さらに、前記転写性促進材料は、前記転
写材料に含まれる無機顔料に対して化学的に作用せず、
その後の転写工程等で所望により与えられる熱エネルギ
ーによっても発色反応などを起こさない材料であるのが
好ましく、それ自体無色あるいは淡色のものが好まし
い。
方法に使用可能な種々の材料について説明する。前記潜
像形成工程に使用可能な前記転写性促進材料は、転写層
に含有される転写材料の転写温度を低下させ得る材料で
ある。前記転写性促進材料は液状組成物が好ましく、経
時的に析出してしまう固形の材料等を含まないのが好ま
しい。前記転写性促進材料としては、例えば、水、有機
溶剤類、界面活性剤類およびこれらの混合物を挙げるこ
とができる。中でも、常温で水と自由に混和する有機溶
剤類、水と混和し得る界面活性剤類、及びこれらの混合
物が望ましい。さらに、前記転写性促進材料は、前記転
写材料に含まれる無機顔料に対して化学的に作用せず、
その後の転写工程等で所望により与えられる熱エネルギ
ーによっても発色反応などを起こさない材料であるのが
好ましく、それ自体無色あるいは淡色のものが好まし
い。
【0022】前記有機溶剤類としては、具体的には、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、1,2,6-へキサントリオール、へキシレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の1価又
は多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の
エーテル類;ジアセトンアルコール等のケトアルコール
類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等含
窒素系溶媒;等が挙げられる。
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、1,2,6-へキサントリオール、へキシレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の1価又
は多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の
エーテル類;ジアセトンアルコール等のケトアルコール
類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等含
窒素系溶媒;等が挙げられる。
【0023】前記界面活性剤類としては、アニオン、カ
チオン、ノニオンおよび両性の界面活性剤類のいずれも
使用可能であり、組み合わせて使用する転写材料の特性
に応じて任意に選択できる。水に溶解させて使用する場
合は、水に溶解し得る範囲内の濃度で使用可能である。
具体的には、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルフ
ォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェ
ニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、ナ
フタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアル
カノールアミン、アルキルアミン塩、アルキルベタイ
ン、モノまたはジヒドロキシアセチレン化合物等が挙げ
られる。
チオン、ノニオンおよび両性の界面活性剤類のいずれも
使用可能であり、組み合わせて使用する転写材料の特性
に応じて任意に選択できる。水に溶解させて使用する場
合は、水に溶解し得る範囲内の濃度で使用可能である。
具体的には、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルフ
ォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェ
ニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、ナ
フタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアル
カノールアミン、アルキルアミン塩、アルキルベタイ
ン、モノまたはジヒドロキシアセチレン化合物等が挙げ
られる。
【0024】転写性促進材料は、1種を単独で用いて
も、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、前記有
機溶剤類および/または前記界面活性剤類を、水と混合
して使用することが、効果の観点から望ましい。転写性
促進材料には、液滴として吐出させる際の吐出適性の調
整および液滴の拡散防止、保存安定性の向上等の目的
で、表面張力調整剤、防黴剤、粘度調整剤、pH調整
剤、消泡剤等を本発明の効果を損なわない範囲で含有さ
せることができる。
も、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、前記有
機溶剤類および/または前記界面活性剤類を、水と混合
して使用することが、効果の観点から望ましい。転写性
促進材料には、液滴として吐出させる際の吐出適性の調
整および液滴の拡散防止、保存安定性の向上等の目的
で、表面張力調整剤、防黴剤、粘度調整剤、pH調整
剤、消泡剤等を本発明の効果を損なわない範囲で含有さ
せることができる。
【0025】転写性促進材料は、転写層および/または
受像層に対する浸透性が良好であるのが好ましく、表面
張力25〜60mN/m、粘度50mPa.s以下の物
性を有しているのが好ましい。また、前記転写材料自体
を可溶化させないものが好ましい。転写性促進材料が転
写材料を溶解させると、画像部と非画像部との界面で転
写性促進材料の浸透および転写材料(転写層)の溶解が
生じ、画像界面の鮮鋭度が低下する場合がある。前記転
写性促進材料として転写材料を可溶化するものを用いる
場合は、前記転写性促進材料の吐出量を減少させるとよ
い。
受像層に対する浸透性が良好であるのが好ましく、表面
張力25〜60mN/m、粘度50mPa.s以下の物
性を有しているのが好ましい。また、前記転写材料自体
を可溶化させないものが好ましい。転写性促進材料が転
写材料を溶解させると、画像部と非画像部との界面で転
写性促進材料の浸透および転写材料(転写層)の溶解が
生じ、画像界面の鮮鋭度が低下する場合がある。前記転
写性促進材料として転写材料を可溶化するものを用いる
場合は、前記転写性促進材料の吐出量を減少させるとよ
い。
【0026】転写性促進材料の作用によって転写材料の
転写温度を低下させる目安としては、転写性促進材料を
用いない場合の転写材料の転写温度に対して、転写温度
を3℃以上、下げるのが好ましい。尚、転写温度は、例
えば、少なくとも一方が温度可変の加熱ローラである一
対の加熱ニップローラに、転写シートと受像シートとを
熱電対を挟持させて積層し、この積層体を加熱ニップロ
ーラ間に通過させることにより測定することができる。
加熱ローラによる加熱温度を変化させて熱電対により温
度測定を行い、転写が生じる最も低い温度として、転写
温度を求めることができる。
転写温度を低下させる目安としては、転写性促進材料を
用いない場合の転写材料の転写温度に対して、転写温度
を3℃以上、下げるのが好ましい。尚、転写温度は、例
えば、少なくとも一方が温度可変の加熱ローラである一
対の加熱ニップローラに、転写シートと受像シートとを
熱電対を挟持させて積層し、この積層体を加熱ニップロ
ーラ間に通過させることにより測定することができる。
加熱ローラによる加熱温度を変化させて熱電対により温
度測定を行い、転写が生じる最も低い温度として、転写
温度を求めることができる。
【0027】前記転写性促進材料がノニオン性界面活性
剤および水を含有していると、転写温度を低下させる効
果が大きく、また微細点の転写性が良いので解像度の高
い転写画像を得ることができる。前記ノニオン性界面活
性剤としては、親水基としてエチレンオキシド基を付加
したノニオン化合物が特に好ましい。エチレンオキシド
基を付加したノニオン化合物を使用すると、潜像形成部
の転写温度低下効果が大で、又、高解像度が得られるの
で好ましい。前記ノニオン系化合物としては、下記一般
式1から一般式4のいずれかで表される化合物等が挙げ
られる。
剤および水を含有していると、転写温度を低下させる効
果が大きく、また微細点の転写性が良いので解像度の高
い転写画像を得ることができる。前記ノニオン性界面活
性剤としては、親水基としてエチレンオキシド基を付加
したノニオン化合物が特に好ましい。エチレンオキシド
基を付加したノニオン化合物を使用すると、潜像形成部
の転写温度低下効果が大で、又、高解像度が得られるの
で好ましい。前記ノニオン系化合物としては、下記一般
式1から一般式4のいずれかで表される化合物等が挙げ
られる。
【0028】
【化1】
【0029】前記一般式1中、Rはアルキル基またはア
ルキレン基を示し、nは2〜30、好ましくは2〜20
のいずれかの整数を示す。前記一般式2中、Rはアルキ
ル基を示し、nは2〜30、好ましくは2〜20のいず
れかの整数を示す。前記一般式3中、Rはアルキル基を
示し、nおよびlは2〜30、好ましくは2〜20のい
ずれかの整数を示す。前記一般式4中、R1およびR2は
水素またはアルキル基を示し、mおよびnは2〜30好
ましくは2〜20のいずれかの整数を示す。また、上記
一般式1から4において、エチレンオキシドの付加数は
2ないし30が好ましく、特に好ましくは2ないし20
である。前記一般式1から4で表される化合物の具体例
としては、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、
ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエ
チレン(13)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
(5)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ノニ
ルフェニールエーテル、エチレンオキシドープロピレン
オキシド共重合体(n=10,l=7),アセチレングリ
コールのエチレンオキシド付加体(n+m=10)等が挙
げられるがこれらに限定されるものではない。
ルキレン基を示し、nは2〜30、好ましくは2〜20
のいずれかの整数を示す。前記一般式2中、Rはアルキ
ル基を示し、nは2〜30、好ましくは2〜20のいず
れかの整数を示す。前記一般式3中、Rはアルキル基を
示し、nおよびlは2〜30、好ましくは2〜20のい
ずれかの整数を示す。前記一般式4中、R1およびR2は
水素またはアルキル基を示し、mおよびnは2〜30好
ましくは2〜20のいずれかの整数を示す。また、上記
一般式1から4において、エチレンオキシドの付加数は
2ないし30が好ましく、特に好ましくは2ないし20
である。前記一般式1から4で表される化合物の具体例
としては、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、
ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエ
チレン(13)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
(5)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ノニ
ルフェニールエーテル、エチレンオキシドープロピレン
オキシド共重合体(n=10,l=7),アセチレングリ
コールのエチレンオキシド付加体(n+m=10)等が挙
げられるがこれらに限定されるものではない。
【0030】転写性促進材料中、前記ノニオン界面活性
剤は0.1〜20質量%含有されるのが好ましく、0.
1〜10質量%含有されるのがより好ましい。含有量が
20質量%を超えると解像度が低下する傾向にある。ま
た、0.1質量%より少ないと転写性促進効果が得られ
難くなる。また、前記転写性促進材料には、ノニオン界
面活性剤とともに、水溶性有機溶剤を併用することがで
きる。該水溶性有機溶剤としては前記の水と自由に混和
しうる有機溶剤として挙げたものが使用可能である。水
溶性有機溶剤の含有量は、転写性促進材料中、0〜90
質量%程度が適切である。
剤は0.1〜20質量%含有されるのが好ましく、0.
1〜10質量%含有されるのがより好ましい。含有量が
20質量%を超えると解像度が低下する傾向にある。ま
た、0.1質量%より少ないと転写性促進効果が得られ
難くなる。また、前記転写性促進材料には、ノニオン界
面活性剤とともに、水溶性有機溶剤を併用することがで
きる。該水溶性有機溶剤としては前記の水と自由に混和
しうる有機溶剤として挙げたものが使用可能である。水
溶性有機溶剤の含有量は、転写性促進材料中、0〜90
質量%程度が適切である。
【0031】また、前記転写性促進材料としては、水お
よび常温常圧下で沸点が100℃以上であって且つ水と
相溶性である有機溶剤を含有するものも好ましい。溶液
の吐出安定性が向上し、潜像形成時および待機後再開始
時の不吐出現象を防ぐことができ、また、微細ドットの
転写性が向上するので高解像度の転写体を得ることがで
きるので好ましい。前記常温常圧下で沸点100℃以上
であって且つ水と相溶性である有機溶剤としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール、グリセリン等の1価又は多価アルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ジアセト
ンアルコール等のケトアルコール類;N−メチル−2−
ピロリドン、2−ピロリドン等含窒素系溶媒;等が挙げ
られる。
よび常温常圧下で沸点が100℃以上であって且つ水と
相溶性である有機溶剤を含有するものも好ましい。溶液
の吐出安定性が向上し、潜像形成時および待機後再開始
時の不吐出現象を防ぐことができ、また、微細ドットの
転写性が向上するので高解像度の転写体を得ることがで
きるので好ましい。前記常温常圧下で沸点100℃以上
であって且つ水と相溶性である有機溶剤としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール、グリセリン等の1価又は多価アルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ジアセト
ンアルコール等のケトアルコール類;N−メチル−2−
ピロリドン、2−ピロリドン等含窒素系溶媒;等が挙げ
られる。
【0032】前記転写性促進材料中、前記有機溶媒は1
〜90質量%含有されるのが好ましい。含有量が90質
量%を超えると潜像形成時の吐出安定性が高くなるが、
転写像の乾燥性が低下する傾向がある。また、1質量%
より少ないと吐出安定性、微細ドットの転写性向上が得
にくくなる。また、転写温度を低下させる材料として、
前記の有機溶媒に加え、先に挙げた水と自由に混和しう
る有機溶剤や、前記の界面活性剤類を添加することもで
きる。
〜90質量%含有されるのが好ましい。含有量が90質
量%を超えると潜像形成時の吐出安定性が高くなるが、
転写像の乾燥性が低下する傾向がある。また、1質量%
より少ないと吐出安定性、微細ドットの転写性向上が得
にくくなる。また、転写温度を低下させる材料として、
前記の有機溶媒に加え、先に挙げた水と自由に混和しう
る有機溶剤や、前記の界面活性剤類を添加することもで
きる。
【0033】前記潜像形成工程において、前記転写性促
進材料は、転写層表面および受像層表面の少なくともい
ずれかに画像様に付与すればよい。前記転写性促進材料
を前記転写層等の表面に画像様に付与するには、公知の
インクジェット記録方式の画像形成方法を利用すること
ができる。例えば、内部に発熱素子を備えたインクジェ
ットヘッドに、液状の前記転写性促進材料を充填し、画
像情報に応じて所定の位置の発熱素子に電気を流し、発
熱素子を発熱させ、近傍の転写性促進材料の溶媒(水や
有機溶媒等)を沸騰させ、ヘッド内の圧力を上昇させ、
所望の位置の転写性促進材料を液滴として飛翔させ、転
写層および受像層のいずれかの表面に着弾させることが
できる。その他、ピエゾ素子を利用したインクジェット
記録方式等、種々のインクジェット記録方式を利用し
て、前記転写性促進材料を転写層等の表面に画像様に付
与することができる。
進材料は、転写層表面および受像層表面の少なくともい
ずれかに画像様に付与すればよい。前記転写性促進材料
を前記転写層等の表面に画像様に付与するには、公知の
インクジェット記録方式の画像形成方法を利用すること
ができる。例えば、内部に発熱素子を備えたインクジェ
ットヘッドに、液状の前記転写性促進材料を充填し、画
像情報に応じて所定の位置の発熱素子に電気を流し、発
熱素子を発熱させ、近傍の転写性促進材料の溶媒(水や
有機溶媒等)を沸騰させ、ヘッド内の圧力を上昇させ、
所望の位置の転写性促進材料を液滴として飛翔させ、転
写層および受像層のいずれかの表面に着弾させることが
できる。その他、ピエゾ素子を利用したインクジェット
記録方式等、種々のインクジェット記録方式を利用し
て、前記転写性促進材料を転写層等の表面に画像様に付
与することができる。
【0034】前記潜像形成工程により形成された潜像
を、転写工程により現像する。転写工程においては、転
写シートを利用して、転写性促進材料によって形成され
た潜像を転写によって現像する。前記転写シートとして
は、例えば、支持体とその上に転写材料を含有する転写
層を設けてなるシートが挙げられる。前記転写シートの
支持体としては、特に限定はなく、各種の支持体材料を
目的に応じて用いることができる。支持体材料の好まし
い例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート、ポリカーボネート、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の合
成樹脂材料を挙げることができる。中でも、二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートが、機械的強度や熱に対する
寸法安定性を考慮すると好ましい。
を、転写工程により現像する。転写工程においては、転
写シートを利用して、転写性促進材料によって形成され
た潜像を転写によって現像する。前記転写シートとして
は、例えば、支持体とその上に転写材料を含有する転写
層を設けてなるシートが挙げられる。前記転写シートの
支持体としては、特に限定はなく、各種の支持体材料を
目的に応じて用いることができる。支持体材料の好まし
い例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート、ポリカーボネート、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の合
成樹脂材料を挙げることができる。中でも、二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートが、機械的強度や熱に対する
寸法安定性を考慮すると好ましい。
【0035】前記転写シートの支持体には、その上に設
けられる転写層との密着性を調節するために、表面の粗
面化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を
行なうことが好ましい。表面の粗面化処理の例として
は、グロー放電処理、コロナ放電処理等を挙げることが
できる。下塗層の材料としては、支持体と転写層の両表
面に適度な接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また
耐熱性に優れたものであることが好ましい。そのような
下塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下
塗層全体の厚さは通常0.01〜2μmである。また、
転写シートの転写層付設側とは反対側の表面には、必要
に応じて、離型層等の各種の機能層の付設、あるいは表
面処理を行なうこともできる。
けられる転写層との密着性を調節するために、表面の粗
面化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を
行なうことが好ましい。表面の粗面化処理の例として
は、グロー放電処理、コロナ放電処理等を挙げることが
できる。下塗層の材料としては、支持体と転写層の両表
面に適度な接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また
耐熱性に優れたものであることが好ましい。そのような
下塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下
塗層全体の厚さは通常0.01〜2μmである。また、
転写シートの転写層付設側とは反対側の表面には、必要
に応じて、離型層等の各種の機能層の付設、あるいは表
面処理を行なうこともできる。
【0036】前記転写層は転写材料からなる。前記転写
材料は少なくとも無機顔料を含み、さらに、層を形成す
るためのバインダ、および所望により、その他の成分を
含有する。前記無機顔料は、平均粒径が0.2〜1μm
であり、好ましくは0.3〜0.8μmである。また、
前記無機顔料の最大粒径は8μm以下、特に5μm以下が
好ましい。無機顔料の平粒粒径が0.2μm未満の場
合、無機顔料により形成された画像をセラミックス体上
に焼結する工程を有する絵付セラミックス体の製造方法
の場合、得られる画像の発色濃度が低くなったり、色相
が変化し、色再現性が悪くなる。一方、1μmを超える
と、画像の均一性、色再現性、発色濃度、階調性が劣る
問題がある。また、無機顔料の種類により粒径依存性が
異なり、特に赤系統の無機顔料の場合、粒径が小さすぎ
ると得られる画像の発色濃度の低下及び変色が大きくな
る傾向がある。したがって、無機顔料の平均粒径が0.
2〜1μmの範囲内で、特に赤系統の無機顔料の場合、
平均粒径を大きく、例えば0.4〜1μmとすることが
好ましい。
材料は少なくとも無機顔料を含み、さらに、層を形成す
るためのバインダ、および所望により、その他の成分を
含有する。前記無機顔料は、平均粒径が0.2〜1μm
であり、好ましくは0.3〜0.8μmである。また、
前記無機顔料の最大粒径は8μm以下、特に5μm以下が
好ましい。無機顔料の平粒粒径が0.2μm未満の場
合、無機顔料により形成された画像をセラミックス体上
に焼結する工程を有する絵付セラミックス体の製造方法
の場合、得られる画像の発色濃度が低くなったり、色相
が変化し、色再現性が悪くなる。一方、1μmを超える
と、画像の均一性、色再現性、発色濃度、階調性が劣る
問題がある。また、無機顔料の種類により粒径依存性が
異なり、特に赤系統の無機顔料の場合、粒径が小さすぎ
ると得られる画像の発色濃度の低下及び変色が大きくな
る傾向がある。したがって、無機顔料の平均粒径が0.
2〜1μmの範囲内で、特に赤系統の無機顔料の場合、
平均粒径を大きく、例えば0.4〜1μmとすることが
好ましい。
【0037】無機顔料を微分散する方法として、ビーズ
方式のミル(例えば、ダイノミル等)ボールミル、超音
波分散機、自動乳鉢等を用いる方法があるが、本発明の
無機顔料の平均粒径となるように微細分散するには困難
である。本発明の無機顔料の平均粒径となるように微細
分散する方法としては、図6に示す分散機(超微細ミ
ル)を用いることが望ましい。
方式のミル(例えば、ダイノミル等)ボールミル、超音
波分散機、自動乳鉢等を用いる方法があるが、本発明の
無機顔料の平均粒径となるように微細分散するには困難
である。本発明の無機顔料の平均粒径となるように微細
分散する方法としては、図6に示す分散機(超微細ミ
ル)を用いることが望ましい。
【0038】図6において、分散機本体60に昇降機構
62を介して昇降自在に設けられ、上部に開口部を有す
る円筒状のジャケット64が装着されており、このジャ
ケット64内に円筒容器66が配置可能になっている。
円筒容器66の密閉蓋68を貫通してモータ70からの
出力軸72が円筒容器66の中心部に配置されており、
出力軸66の軸方向先端部とこの軸方向先端部から軸方
向に所定の距離をおいた部分から、それぞれ円筒容器6
6の半径方向に複数本(図では、6本)の支持部材74
A、複数本(図では、6本)支持部材の74Bが設けら
れ、これらの支持部材74A、74Bは、それぞれ複数
本(図では6本)の垂直部材76によって連結されてい
る。それぞれの垂直部材76には、内径が垂直部材76
の直径よりも大きい複数枚(図では、33枚)の環状体
78が遊嵌されている。
62を介して昇降自在に設けられ、上部に開口部を有す
る円筒状のジャケット64が装着されており、このジャ
ケット64内に円筒容器66が配置可能になっている。
円筒容器66の密閉蓋68を貫通してモータ70からの
出力軸72が円筒容器66の中心部に配置されており、
出力軸66の軸方向先端部とこの軸方向先端部から軸方
向に所定の距離をおいた部分から、それぞれ円筒容器6
6の半径方向に複数本(図では、6本)の支持部材74
A、複数本(図では、6本)支持部材の74Bが設けら
れ、これらの支持部材74A、74Bは、それぞれ複数
本(図では6本)の垂直部材76によって連結されてい
る。それぞれの垂直部材76には、内径が垂直部材76
の直径よりも大きい複数枚(図では、33枚)の環状体
78が遊嵌されている。
【0039】この分散機では、円筒容器66内に微細分
散するための無機顔料が充填され、この状態でモータ7
0を介して出力軸72を1000〜3000rpmの高
速で回転させると、垂直部材76も高速で回転する。垂
直部材76の回転に伴い垂直部材76に遊嵌された複数
枚の環状体78は、垂直部材76の軸と異なる変位軸を
中心として高速回転し、環状体78の外周縁部は、円筒
容器66の内壁面を高速で摺動する。これによって、無
機顔料は、微細分散されて平均粒径が0.2〜1μmの
超微細粒子となる。このような操作中、円筒容器66内
は、高温になりやすいが、ジャケット64内には冷却水
供給ライン80から冷却水が供給され、ジャケット64
内の冷却水は冷却水排出ライン82から排出されてお
り、円筒容器66内は所定の温度に保持される。ここ
で、円筒状のジャケット64と円筒容器66は同一の容
器としてもよい。すなわち、円筒容器の壁を2重にし、
その間を冷却水が通るようにすることもができる。
散するための無機顔料が充填され、この状態でモータ7
0を介して出力軸72を1000〜3000rpmの高
速で回転させると、垂直部材76も高速で回転する。垂
直部材76の回転に伴い垂直部材76に遊嵌された複数
枚の環状体78は、垂直部材76の軸と異なる変位軸を
中心として高速回転し、環状体78の外周縁部は、円筒
容器66の内壁面を高速で摺動する。これによって、無
機顔料は、微細分散されて平均粒径が0.2〜1μmの
超微細粒子となる。このような操作中、円筒容器66内
は、高温になりやすいが、ジャケット64内には冷却水
供給ライン80から冷却水が供給され、ジャケット64
内の冷却水は冷却水排出ライン82から排出されてお
り、円筒容器66内は所定の温度に保持される。ここ
で、円筒状のジャケット64と円筒容器66は同一の容
器としてもよい。すなわち、円筒容器の壁を2重にし、
その間を冷却水が通るようにすることもができる。
【0040】本発明において、前記無機顔料としては、
酸化銅、酸化コバルト等の結晶構造がスピネル、スフェ
イン、パイクロア、ルチール、プライディライト、フフ
ォスフェイト、フェナサイト、ペリークレイス、オリビ
ン、バデライト、ボレート、コランダム、ジルコン等の
金属酸化物;カドミウムイエロー等の硫化物;セレン赤
等のセレン化カドミウム化合物等が挙げられる。また、
蛍光顔料や蓄光体顔料である無機顔料を使用してもよ
い。前記転写層には、無機顔料とともにガラス成分を含
有させてもよい。ガラス成分を併用すると、焼結工程に
おいて、無機顔料のセラミックス体表面への融着性を向
上させることができるので好ましい。前記ガラス成分と
しては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、酸化鉛、酸化ビスマス等のアルカリ金属化合物;炭
酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、酸化亜鉛等のアルカリ土類金属化合
物;酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の中性成
分;酸化ケイ素、ホウ酸、酸化ジルコニウム、酸化チタ
ン等の酸性成分;等が挙げられる。また、硼砂、長石、
カオリン等の複合成分を使用することもできる。前記ガ
ラス成分は、1種の単独をまたは2種以上を混合したも
のを溶解させ、いわゆるフリットとして用いることがで
きる。
酸化銅、酸化コバルト等の結晶構造がスピネル、スフェ
イン、パイクロア、ルチール、プライディライト、フフ
ォスフェイト、フェナサイト、ペリークレイス、オリビ
ン、バデライト、ボレート、コランダム、ジルコン等の
金属酸化物;カドミウムイエロー等の硫化物;セレン赤
等のセレン化カドミウム化合物等が挙げられる。また、
蛍光顔料や蓄光体顔料である無機顔料を使用してもよ
い。前記転写層には、無機顔料とともにガラス成分を含
有させてもよい。ガラス成分を併用すると、焼結工程に
おいて、無機顔料のセラミックス体表面への融着性を向
上させることができるので好ましい。前記ガラス成分と
しては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、酸化鉛、酸化ビスマス等のアルカリ金属化合物;炭
酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、酸化亜鉛等のアルカリ土類金属化合
物;酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の中性成
分;酸化ケイ素、ホウ酸、酸化ジルコニウム、酸化チタ
ン等の酸性成分;等が挙げられる。また、硼砂、長石、
カオリン等の複合成分を使用することもできる。前記ガ
ラス成分は、1種の単独をまたは2種以上を混合したも
のを溶解させ、いわゆるフリットとして用いることがで
きる。
【0041】前記転写層のバインダとしては、軟化点が
40℃〜150℃の非晶質有機高分子重合体が好まし
く、熱転写プリンターによる方法で画像転写を行なう場
合、特に低重合度のものが好ましい。前記非晶質有機高
分子重合体としては、例えばブチラール樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、スルホンアミド樹
脂、ポリエステルポリオール樹脂、石油樹脂、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、2−メチル
スチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレン等のスチレン
及びその誘導体、置換体の単独重合体や共重合体、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル類及びメタクリル酸、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、α−
エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル及
びアクリル酸、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、
アクリロニトリル、ビニルエーテル類、マレイン酸及び
マレイン酸エステル類、無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩
化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体の単独あるい
は他の単量体等との共重合体を用いることができる。こ
れらの樹脂は2種以上混合して用いることもできる。
40℃〜150℃の非晶質有機高分子重合体が好まし
く、熱転写プリンターによる方法で画像転写を行なう場
合、特に低重合度のものが好ましい。前記非晶質有機高
分子重合体としては、例えばブチラール樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、スルホンアミド樹
脂、ポリエステルポリオール樹脂、石油樹脂、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、2−メチル
スチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレン等のスチレン
及びその誘導体、置換体の単独重合体や共重合体、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル類及びメタクリル酸、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、α−
エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル及
びアクリル酸、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、
アクリロニトリル、ビニルエーテル類、マレイン酸及び
マレイン酸エステル類、無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩
化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体の単独あるい
は他の単量体等との共重合体を用いることができる。こ
れらの樹脂は2種以上混合して用いることもできる。
【0042】前記転写層中、無機顔料は10質量%〜8
0質量%含有させるのが好ましく、20質量%〜70質
量%含有させるのがより好ましい。また、ガラス成分を
併用する場合は、併用する無機顔料によってガラス成分
の好ましい使用量が異なるが、ガラス成分と無機顔料と
の混合物として、前記転写層中に、15質量%〜70質
量%含有させるのが好ましく、30質量%〜80質量%
含有させるのがより好ましい。
0質量%含有させるのが好ましく、20質量%〜70質
量%含有させるのがより好ましい。また、ガラス成分を
併用する場合は、併用する無機顔料によってガラス成分
の好ましい使用量が異なるが、ガラス成分と無機顔料と
の混合物として、前記転写層中に、15質量%〜70質
量%含有させるのが好ましく、30質量%〜80質量%
含有させるのがより好ましい。
【0043】同一の受像層に多数の画像層(画像が形成
された転写層)を繰返し重ね合せて多色画像を形成する
場合には、画像間の密着性を高めるために転写層は可塑
剤を含むことが好ましい。前記可塑剤としては、フタル
酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ
(2−エチルヘキシル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジ
ラウリル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベ
ンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)
等の脂肪族二塩基酸エステル、リン酸トリクレジル、リ
ン酸トリ(2−エチルヘキシル)等のリン酸トリエステ
ル類、ポリエチレングリコールエステル等のポリオール
ポリエステル類、エポキシ脂肪酸エステル等のエポキシ
化合物が挙げられる。また、前記した一般的な可塑剤以
外にも、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、ト
リメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトール−ポリアクリレ
ートのようなアクリル酸エステル類も、用いられるバイ
ンダーの種類によっては好適に併用される。尚、可塑剤
は2種以上を組合せて用いてもよい。
された転写層)を繰返し重ね合せて多色画像を形成する
場合には、画像間の密着性を高めるために転写層は可塑
剤を含むことが好ましい。前記可塑剤としては、フタル
酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ
(2−エチルヘキシル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジ
ラウリル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベ
ンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)
等の脂肪族二塩基酸エステル、リン酸トリクレジル、リ
ン酸トリ(2−エチルヘキシル)等のリン酸トリエステ
ル類、ポリエチレングリコールエステル等のポリオール
ポリエステル類、エポキシ脂肪酸エステル等のエポキシ
化合物が挙げられる。また、前記した一般的な可塑剤以
外にも、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、ト
リメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトール−ポリアクリレ
ートのようなアクリル酸エステル類も、用いられるバイ
ンダーの種類によっては好適に併用される。尚、可塑剤
は2種以上を組合せて用いてもよい。
【0044】前記可塑剤は、転写層中に、無機顔料とバ
インダの総質量と、可塑剤の質量との比が、一般的には
100:1〜100:3、好ましくは100:1.5〜
100:2となるように用いられる。転写層には更に必
要に応じて、界面活性剤、増粘度剤等が添加され得る。
インダの総質量と、可塑剤の質量との比が、一般的には
100:1〜100:3、好ましくは100:1.5〜
100:2となるように用いられる。転写層には更に必
要に応じて、界面活性剤、増粘度剤等が添加され得る。
【0045】前記転写層中には、転写画像(ドット)の
膜ギレ、解像度を良くするために、ワックス成分を含有
させることが好ましい。転写促進性材料を用いる方法及
び熱転写プリンターを用いる方法の両方式にワックス成
分を含有させることが好ましいが、特に後者により画像
を形成する場合に重要となる。
膜ギレ、解像度を良くするために、ワックス成分を含有
させることが好ましい。転写促進性材料を用いる方法及
び熱転写プリンターを用いる方法の両方式にワックス成
分を含有させることが好ましいが、特に後者により画像
を形成する場合に重要となる。
【0046】前記ワックス成分としては、例えば、パラ
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カル
ナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワック
ス、フィッシャートロプシュワックス、蜜蝋、木蝋、鯨
蝋、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、ベトロ
ラクタム、ポリエステルワックス、ラノリン、低分子量
ポリエチレンワックス、アミドワックス、エステルワッ
クス、酸化ポリエチレンワックス、ロジン、ロジンメチ
ロール化アマイド、エステルガム、高級脂肪酸、高級脂
肪酸エステル、高級アルコール等が挙げられる。
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カル
ナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワック
ス、フィッシャートロプシュワックス、蜜蝋、木蝋、鯨
蝋、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、ベトロ
ラクタム、ポリエステルワックス、ラノリン、低分子量
ポリエチレンワックス、アミドワックス、エステルワッ
クス、酸化ポリエチレンワックス、ロジン、ロジンメチ
ロール化アマイド、エステルガム、高級脂肪酸、高級脂
肪酸エステル、高級アルコール等が挙げられる。
【0047】また、前記転写層には、受像シート、転写
シートへの接着性を向上させ、更に多数回印字(対モノ
クロ及び2色以上のカラー画像)の場合、2回目移行の
転写層(材料)ののりを良くするために比較的低融点の
熱可塑性樹脂、例えば、低分子量の石油樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸−アク
リル酸エステル共重合体等を添加するのは好ましい。
シートへの接着性を向上させ、更に多数回印字(対モノ
クロ及び2色以上のカラー画像)の場合、2回目移行の
転写層(材料)ののりを良くするために比較的低融点の
熱可塑性樹脂、例えば、低分子量の石油樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸−アク
リル酸エステル共重合体等を添加するのは好ましい。
【0048】前記転写層は、無機顔料と前記バインダ等
の転写材料の各成分を溶解または分散した塗布液を調製
し、これを支持体上(支持体上に前記下塗り層を有する
場合は該下塗り層上)に塗布し、乾燥することにより設
けることができる。塗布液の調製に使用される溶媒とし
ては、n−プロピルアルコール、メチルエチルケトン、
プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)、
メタノール等が挙げられる。塗布、乾燥は、通常の塗
布、乾燥方法を利用して行うことができる。転写層(乾
燥層厚)は、0.1〜5μm、好ましくは0.3〜3μm
である。
の転写材料の各成分を溶解または分散した塗布液を調製
し、これを支持体上(支持体上に前記下塗り層を有する
場合は該下塗り層上)に塗布し、乾燥することにより設
けることができる。塗布液の調製に使用される溶媒とし
ては、n−プロピルアルコール、メチルエチルケトン、
プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)、
メタノール等が挙げられる。塗布、乾燥は、通常の塗
布、乾燥方法を利用して行うことができる。転写層(乾
燥層厚)は、0.1〜5μm、好ましくは0.3〜3μm
である。
【0049】前記受像層は、通常、支持体上に設けら
れ、支持体と受像層からなる受像シートの形態で用いら
れる。また、受像層はセラミックス体上に形成されてい
てもよい。前記受像シートは、支持体上に少なくとも1
の受像層を有し、所望により、支持体と受像層との間に
クッション層、剥離層、および中間層のいずれか1層ま
たは2層以上を設けた構成をとるものが好ましいが、前
記した転写層との親和性が良好であれば、ポリエチレン
テレフタレート(PET)等の樹脂シート、普通紙、コ
ート紙、ガラスエポキシシート、金属板などを用いるこ
ともできる。支持体上に受像層を設けてなる受像シート
の場合、支持体の受像層とは反対側の面に、搬送性向上
のためのバック層を設けることが好ましい。
れ、支持体と受像層からなる受像シートの形態で用いら
れる。また、受像層はセラミックス体上に形成されてい
てもよい。前記受像シートは、支持体上に少なくとも1
の受像層を有し、所望により、支持体と受像層との間に
クッション層、剥離層、および中間層のいずれか1層ま
たは2層以上を設けた構成をとるものが好ましいが、前
記した転写層との親和性が良好であれば、ポリエチレン
テレフタレート(PET)等の樹脂シート、普通紙、コ
ート紙、ガラスエポキシシート、金属板などを用いるこ
ともできる。支持体上に受像層を設けてなる受像シート
の場合、支持体の受像層とは反対側の面に、搬送性向上
のためのバック層を設けることが好ましい。
【0050】前記転写層を水系にて塗布する場合、前記
無機顔料、ワックス成分及び熱可塑性樹は、水系媒体中
に固体分散あるいは有機溶媒に溶解するか、あるいは高
温にて溶融して乳化分散してディスパージョン又はエマ
ルジョンにして用いる。
無機顔料、ワックス成分及び熱可塑性樹は、水系媒体中
に固体分散あるいは有機溶媒に溶解するか、あるいは高
温にて溶融して乳化分散してディスパージョン又はエマ
ルジョンにして用いる。
【0051】前記受像シートの支持体としては、プラス
チックシート、金属シート、ガラスシート、紙等のよう
な通常のシート状の基材が挙げられる。プラスチックシ
ートの例としては、ポリエチレンテレフタレートシー
ト、ポリカーボネートシート、ポリエチレンシート、ポ
リ塩化ビニルシート、ポリ塩化ビニリデンシート、ポリ
スチレンシート、スチレン−アクリロニトリルシート、
ポリエステルシート等を挙げることができる。また、紙
支持体としては平滑性が良好な印刷本紙、コート紙等を
用いることができる。尚、配置工程において転写材料か
らなる画像を受像シートの全部とともに配置する場合、
支持体は焼結工程において蒸発および/または焼却され
る必要があるので、支持体としては、焼結工程において
蒸発または燃焼により消失しない原子または化合物を含
んだり、顔料と反応して変色させるような原子または化
合物を含まないのが好ましい。
チックシート、金属シート、ガラスシート、紙等のよう
な通常のシート状の基材が挙げられる。プラスチックシ
ートの例としては、ポリエチレンテレフタレートシー
ト、ポリカーボネートシート、ポリエチレンシート、ポ
リ塩化ビニルシート、ポリ塩化ビニリデンシート、ポリ
スチレンシート、スチレン−アクリロニトリルシート、
ポリエステルシート等を挙げることができる。また、紙
支持体としては平滑性が良好な印刷本紙、コート紙等を
用いることができる。尚、配置工程において転写材料か
らなる画像を受像シートの全部とともに配置する場合、
支持体は焼結工程において蒸発および/または焼却され
る必要があるので、支持体としては、焼結工程において
蒸発または燃焼により消失しない原子または化合物を含
んだり、顔料と反応して変色させるような原子または化
合物を含まないのが好ましい。
【0052】前記受像シートの支持体が、微小な空隙
(ボイド)を有すると、クッション層として働き、画質
を向上させることができるので好ましい。このような支
持体は、例えば、熱可塑性樹脂と、無機顔料や前記熱可
塑性樹脂と非相溶性の高分子等からなる填料とを混合し
た混合溶融物を、溶融押出機によって単層または多層の
フィルムとし、さらに1ないし2軸に延伸することによ
り作製することができる。この場合、樹脂および填料の
選定、混合比率、延伸条件などによって空隙率が決定さ
れる。
(ボイド)を有すると、クッション層として働き、画質
を向上させることができるので好ましい。このような支
持体は、例えば、熱可塑性樹脂と、無機顔料や前記熱可
塑性樹脂と非相溶性の高分子等からなる填料とを混合し
た混合溶融物を、溶融押出機によって単層または多層の
フィルムとし、さらに1ないし2軸に延伸することによ
り作製することができる。この場合、樹脂および填料の
選定、混合比率、延伸条件などによって空隙率が決定さ
れる。
【0053】尚、受像シートの支持体における、無機顔
料等の填料の含有率は、体積で2〜30%程度が一般的
である。
料等の填料の含有率は、体積で2〜30%程度が一般的
である。
【0054】前記受像シートの支持体の厚さは、通常1
0〜400μmであり、25〜200μmであるのが好
ましい。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッ
ション層)との密着性、または熱転写シートの画像形成
層との密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー
放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
0〜400μmであり、25〜200μmであるのが好
ましい。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッ
ション層)との密着性、または熱転写シートの画像形成
層との密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー
放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
【0055】前記受像シートの表面には、転写層から転
写材料を転写し、これを固定するために、受像層を1以
上設ける。前記受像層は有機重合体バインダーを主体と
して形成される層であるのが好ましい。前記バインダー
は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、その例として
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの単独重
合体およびその共重合体、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系
ポリマー、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ
ニル等のようなビニル系モノマーの単独重合体およびそ
の共重合体、ポリエステル、ポリアミド等のような縮合
系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重合体のようなゴ
ム系ポリマーを挙げることができる。受像層のバインダ
は、前記転写材料との間の適度な接着力を得るために、
ガラス転移温度(Tg)が90℃より低いポリマーであ
ることが好ましい。このために、受像層に可塑剤を添加
することも可能である。また、バインダは、シート間の
ブロッキングを防ぐために、そのTgが30℃以上であ
ることが好ましい。受像層のバインダとしては、転写記
録時の転写層との密着性を向上させ、感度や画像強度を
向上させる点で、転写層に含有されるバインダと同一、
若しくは類似のポリマーを用いることが特に好ましい。
写材料を転写し、これを固定するために、受像層を1以
上設ける。前記受像層は有機重合体バインダーを主体と
して形成される層であるのが好ましい。前記バインダー
は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、その例として
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの単独重
合体およびその共重合体、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系
ポリマー、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ
ニル等のようなビニル系モノマーの単独重合体およびそ
の共重合体、ポリエステル、ポリアミド等のような縮合
系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重合体のようなゴ
ム系ポリマーを挙げることができる。受像層のバインダ
は、前記転写材料との間の適度な接着力を得るために、
ガラス転移温度(Tg)が90℃より低いポリマーであ
ることが好ましい。このために、受像層に可塑剤を添加
することも可能である。また、バインダは、シート間の
ブロッキングを防ぐために、そのTgが30℃以上であ
ることが好ましい。受像層のバインダとしては、転写記
録時の転写層との密着性を向上させ、感度や画像強度を
向上させる点で、転写層に含有されるバインダと同一、
若しくは類似のポリマーを用いることが特に好ましい。
【0056】前記受像層の厚みは、一般的には0.3〜
7μm、好ましくは0.7〜4μmである。
7μm、好ましくは0.7〜4μmである。
【0057】前記受像シートが、セラミックス体表面に
接着可能であると、皿、瓶の如く曲面を有する形状のセ
ラミックス体を用いる場合も、操作が容易となるので好
ましい。前記受像シートとしては、支持体上に、水溶性
ポリマーからなる層(以下、「水溶性ポリマー層」とい
う場合がある)および疎水性ポリマーからなる受像層
(以下、「疎水性ポリマー層」という場合がある)が順
次形成された構成のシート(以下、「接着性受像シー
ト」という場合がある)が挙げられる。前記支持体とし
ては、平滑性に優れた紙支持体が好ましく用いられる。
接着可能であると、皿、瓶の如く曲面を有する形状のセ
ラミックス体を用いる場合も、操作が容易となるので好
ましい。前記受像シートとしては、支持体上に、水溶性
ポリマーからなる層(以下、「水溶性ポリマー層」とい
う場合がある)および疎水性ポリマーからなる受像層
(以下、「疎水性ポリマー層」という場合がある)が順
次形成された構成のシート(以下、「接着性受像シー
ト」という場合がある)が挙げられる。前記支持体とし
ては、平滑性に優れた紙支持体が好ましく用いられる。
【0058】前記水溶性ポリマーとしては、支持体が紙
支持体である場合、前記受像シートを水に浸漬した際
に、一部が溶解して疎水性ポリマー層が紙支持体から剥
離可能になるとともに、剥離した疎水性ポリマー層が陶
板等のセラミックス体表面に接着可能であるのが好まし
い。この様な水溶性ポリマーとしては、例えば、デキス
トリン、アラビアゴム等の陶磁器の絵付けに用いられる
ポリマー、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ゼラチン等が好ましい。また、前記疎水性ポリマ
ーとしては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸エステル共重合
体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢
酸ビニル樹脂、セルロース誘導体系、ポリスチレンメタ
クリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ロジン系樹脂等の
熱可塑性樹脂が挙げられる。また、陶磁器等のセラミッ
クス体の上絵付け用オーバープリントラッカーとして用
いられる樹脂は好ましく用いられ、例えば、アクリル系
樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。
支持体である場合、前記受像シートを水に浸漬した際
に、一部が溶解して疎水性ポリマー層が紙支持体から剥
離可能になるとともに、剥離した疎水性ポリマー層が陶
板等のセラミックス体表面に接着可能であるのが好まし
い。この様な水溶性ポリマーとしては、例えば、デキス
トリン、アラビアゴム等の陶磁器の絵付けに用いられる
ポリマー、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ゼラチン等が好ましい。また、前記疎水性ポリマ
ーとしては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸エステル共重合
体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢
酸ビニル樹脂、セルロース誘導体系、ポリスチレンメタ
クリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ロジン系樹脂等の
熱可塑性樹脂が挙げられる。また、陶磁器等のセラミッ
クス体の上絵付け用オーバープリントラッカーとして用
いられる樹脂は好ましく用いられ、例えば、アクリル系
樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。
【0059】前述した如く、前記受像層は、セラミック
ス体の表面に形成されていてもよい。前記受像層がセラ
ミックス体の表面に形成されている場合は、転写シート
の転写層表面およびセラミックス体の受像層表面にいず
れか少なくとも一方に、前記転写性促進材料を画像様に
付与する。セラミック体の表面に受像層を形成する場合
の受像層中の成分としては、前述の通りである。
ス体の表面に形成されていてもよい。前記受像層がセラ
ミックス体の表面に形成されている場合は、転写シート
の転写層表面およびセラミックス体の受像層表面にいず
れか少なくとも一方に、前記転写性促進材料を画像様に
付与する。セラミック体の表面に受像層を形成する場合
の受像層中の成分としては、前述の通りである。
【0060】前記潜像形成工程において、前記転写層表
面あるいは前記受像層表面に、転写性促進材料を画像様
に付与して潜像を形成すると、転写層を構成する転写材
料のうち、転写性促進材料が付着した潜像の部分のみ、
転写層中に転写性促進材料が浸透し、層を構成するバイ
ンダの結合が緩むとともに、支持体と転写層との間の結
合力が低下して受像シートへの転写性が向上し、より低
い温度で転写することが可能になる。
面あるいは前記受像層表面に、転写性促進材料を画像様
に付与して潜像を形成すると、転写層を構成する転写材
料のうち、転写性促進材料が付着した潜像の部分のみ、
転写層中に転写性促進材料が浸透し、層を構成するバイ
ンダの結合が緩むとともに、支持体と転写層との間の結
合力が低下して受像シートへの転写性が向上し、より低
い温度で転写することが可能になる。
【0061】前記潜像形成工程の後に実施する転写工程
においては、形成された潜像に応じて、転写層から受像
層へ転写材料を転写させ、受像層表面に転写材料からな
る画像を形成する。前記転写工程では、転写層と受像層
を少なくとも接触させ、転写性促進材料が付与された領
域のみ、転写層中の転写材料を受像層上に転写する。転
写時には、熱を供与するとともに、圧力を供与するのが
好ましい。受像シートを用いる態様では、例えば、ヒー
ター等の加熱手段を内蔵する一対の加熱ニップローラを
利用して、転写工程を実施することができる。
においては、形成された潜像に応じて、転写層から受像
層へ転写材料を転写させ、受像層表面に転写材料からな
る画像を形成する。前記転写工程では、転写層と受像層
を少なくとも接触させ、転写性促進材料が付与された領
域のみ、転写層中の転写材料を受像層上に転写する。転
写時には、熱を供与するとともに、圧力を供与するのが
好ましい。受像シートを用いる態様では、例えば、ヒー
ター等の加熱手段を内蔵する一対の加熱ニップローラを
利用して、転写工程を実施することができる。
【0062】前記受像層がセラミックス体上に形成され
ていない場合は、潜像形成工程および転写工程の後、受
像シート上に形成された転写材料からなる画像を、セラ
ミックス体の表面に配置する。前記受像シートとして、
受像層が熱可塑性樹脂をバインダとして含有するシート
を使用する場合は、受像シートの受像層をセラミックス
体の表面に加熱圧着することにより、セラミックス体の
表面に転写材料からなる画像を受像シートとともに配置
することができる。加熱圧着時には、転写材料からなる
画像をセラミックス体の表面に対向させて配置してもい
いし、セラミックス体と転写材料からなる画像との間に
受像層を挟持させて、配置してもよい。転写材料からな
る画像を対向させて配置する場合は、受像シート上に
は、所望の画像の反転画像を形成する。
ていない場合は、潜像形成工程および転写工程の後、受
像シート上に形成された転写材料からなる画像を、セラ
ミックス体の表面に配置する。前記受像シートとして、
受像層が熱可塑性樹脂をバインダとして含有するシート
を使用する場合は、受像シートの受像層をセラミックス
体の表面に加熱圧着することにより、セラミックス体の
表面に転写材料からなる画像を受像シートとともに配置
することができる。加熱圧着時には、転写材料からなる
画像をセラミックス体の表面に対向させて配置してもい
いし、セラミックス体と転写材料からなる画像との間に
受像層を挟持させて、配置してもよい。転写材料からな
る画像を対向させて配置する場合は、受像シート上に
は、所望の画像の反転画像を形成する。
【0063】また、紙支持体を有する接着性受像シート
を使用する場合は、潜像形成工程および転写工程の後、
接着性受像シートの一部を水に浸漬し、水溶性ポリマー
層のポリマーを一部溶解させて、疎水性ポリマー層を紙
支持体から剥離するとともに、剥離した疎水性ポリマー
層をセラミックス体表面に接着し、転写材料からなる画
像を受像層とともにセラミックス体の表面に配置するこ
とができる。
を使用する場合は、潜像形成工程および転写工程の後、
接着性受像シートの一部を水に浸漬し、水溶性ポリマー
層のポリマーを一部溶解させて、疎水性ポリマー層を紙
支持体から剥離するとともに、剥離した疎水性ポリマー
層をセラミックス体表面に接着し、転写材料からなる画
像を受像層とともにセラミックス体の表面に配置するこ
とができる。
【0064】前記接着性受像シート上に形成された転写
材料からなる画像を、セラミックス体の表面に配置する
際、前記画像を反転させて配置してもよい。即ち、あら
かじめ受像層上に、反転画像を形成した後、画像部をセ
ラミックス体の表面と対向させて(画像を再び反転させ
て)、セラミックス体の表面に配置してもよい。その場
合は、画像とセラミックス体表面との間に、前記疎水性
ポリマー層が介在しないので、引き続き行う焼結工程に
おいて、無機顔料とセラミックス体との焼結がより安定
的に進行するので好ましい。尚、疎水性ポリマー層の表
面(転写材料からなる画像が形成された面)は、接着性
を有しないので、前述の如くセラミックス体表面に画像
を対向させてインク画像を配置する場合は、セラミック
ス体の表面に接着性を有する水溶性ポリマーを塗布する
のが好ましい。
材料からなる画像を、セラミックス体の表面に配置する
際、前記画像を反転させて配置してもよい。即ち、あら
かじめ受像層上に、反転画像を形成した後、画像部をセ
ラミックス体の表面と対向させて(画像を再び反転させ
て)、セラミックス体の表面に配置してもよい。その場
合は、画像とセラミックス体表面との間に、前記疎水性
ポリマー層が介在しないので、引き続き行う焼結工程に
おいて、無機顔料とセラミックス体との焼結がより安定
的に進行するので好ましい。尚、疎水性ポリマー層の表
面(転写材料からなる画像が形成された面)は、接着性
を有しないので、前述の如くセラミックス体表面に画像
を対向させてインク画像を配置する場合は、セラミック
ス体の表面に接着性を有する水溶性ポリマーを塗布する
のが好ましい。
【0065】また、接着性を有しない前記受像シートの
受像層(熱可塑性樹脂等からなる層)上に形成された転
写材料からなる画像を、前記接着性受像シートの受像層
に転写した後、該接着性受像シート(紙支持体を有する
接着性シート)を前述の如く、水に一部浸漬した後、紙
支持体を剥離し、セラミックス体の表面に疎水性ポリマ
ー層とともに転写材料からなる画像を配置することもで
きる。
受像層(熱可塑性樹脂等からなる層)上に形成された転
写材料からなる画像を、前記接着性受像シートの受像層
に転写した後、該接着性受像シート(紙支持体を有する
接着性シート)を前述の如く、水に一部浸漬した後、紙
支持体を剥離し、セラミックス体の表面に疎水性ポリマ
ー層とともに転写材料からなる画像を配置することもで
きる。
【0066】前記焼結工程では、転写材料からなる画像
が形成されたセラミックス体を加熱し、転写材料に含ま
れる無機顔料をセラミックス体の表面に焼結する。無機
顔料がセラミックス体の表面に焼結されるとともに、転
写材料中の無機顔料以外の成分、および画像とともにセ
ラミックス体の表面に配置された受像層等の成分が蒸発
または焼却される。セラミックス体の加熱は、温度制
御、発色性等の観点から、例えば、電気窯等を用いて行
うことが好ましい。加熱条件は選択した材料、セラミッ
クス体の体積、画像の大きさ等に応じて、適宜設定する
ことができる。加熱は焼成温度まで緩やかに昇温させる
か、300℃〜500℃で一定時間定温加熱した後に、
焼成温度まで緩やかに昇温していくのが好ましい。焼成
は、無機顔料として上絵具を使用した場合、焼成温度を
通常650℃〜900℃、好ましくは750℃〜850
℃とし、この温度での焼成時間を1〜8時間で行うのが
好ましい。また、無機顔料として下絵具を使用した場合
は、焼成温度を1000℃〜1300℃、好ましくは1
100℃〜1250℃とし、焼成時間を1〜8時間で行
うのが好ましい。
が形成されたセラミックス体を加熱し、転写材料に含ま
れる無機顔料をセラミックス体の表面に焼結する。無機
顔料がセラミックス体の表面に焼結されるとともに、転
写材料中の無機顔料以外の成分、および画像とともにセ
ラミックス体の表面に配置された受像層等の成分が蒸発
または焼却される。セラミックス体の加熱は、温度制
御、発色性等の観点から、例えば、電気窯等を用いて行
うことが好ましい。加熱条件は選択した材料、セラミッ
クス体の体積、画像の大きさ等に応じて、適宜設定する
ことができる。加熱は焼成温度まで緩やかに昇温させる
か、300℃〜500℃で一定時間定温加熱した後に、
焼成温度まで緩やかに昇温していくのが好ましい。焼成
は、無機顔料として上絵具を使用した場合、焼成温度を
通常650℃〜900℃、好ましくは750℃〜850
℃とし、この温度での焼成時間を1〜8時間で行うのが
好ましい。また、無機顔料として下絵具を使用した場合
は、焼成温度を1000℃〜1300℃、好ましくは1
100℃〜1250℃とし、焼成時間を1〜8時間で行
うのが好ましい。
【0067】焼結工程では、転写材料中の無機顔料以外
の成分、および画像とともにセラミックス体の表面に配
置された受像層等の成分が蒸発または焼却される。従っ
て、前記焼結工程時に無機顔料とともにセラミックス体
表面に配置されている材料(転写層中の成分および受像
層中の成分)は、焼結工程において蒸発または燃焼によ
り消失しない原子または化合物を含んだり、無機顔料と
反応して変色させるような原子または化合物を含まない
のが好ましい。
の成分、および画像とともにセラミックス体の表面に配
置された受像層等の成分が蒸発または焼却される。従っ
て、前記焼結工程時に無機顔料とともにセラミックス体
表面に配置されている材料(転写層中の成分および受像
層中の成分)は、焼結工程において蒸発または燃焼によ
り消失しない原子または化合物を含んだり、無機顔料と
反応して変色させるような原子または化合物を含まない
のが好ましい。
【0068】本発明の製造方法によって作製された絵付
セラミックス体は、絵付けするセラミックス体の形状や
形成画像を種々選択することによって、例えば、セラミ
ックスフォト用途(肖像、葬式用の遺影、ペットの写
真、永久保存したい記念写真用等)、アミューズメント
およびアクセサリー用途(マグカップ、酒類のボトル、
家紋、魚拓等を含む)、建材用途(風呂場、玄関、居
間、ロビー、客室等の壁に使用される美術タイル、看
板、案内板、ルームアクセサリー、インテリア商品等)
等、種々の用途に利用できる。
セラミックス体は、絵付けするセラミックス体の形状や
形成画像を種々選択することによって、例えば、セラミ
ックスフォト用途(肖像、葬式用の遺影、ペットの写
真、永久保存したい記念写真用等)、アミューズメント
およびアクセサリー用途(マグカップ、酒類のボトル、
家紋、魚拓等を含む)、建材用途(風呂場、玄関、居
間、ロビー、客室等の壁に使用される美術タイル、看
板、案内板、ルームアクセサリー、インテリア商品等)
等、種々の用途に利用できる。
【0069】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら限
定されるものではない。 [実施例1] <転写性促進材料溶液1の作製> 3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール 5質量部 蒸留水 50質量部 n−プロピルアルコール 45質量部 上記成分を均一に攪拌した後、0.45μmのミクロフ
ィルターにより濾過し、転写性促進材料溶液1を得た。
に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら限
定されるものではない。 [実施例1] <転写性促進材料溶液1の作製> 3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール 5質量部 蒸留水 50質量部 n−プロピルアルコール 45質量部 上記成分を均一に攪拌した後、0.45μmのミクロフ
ィルターにより濾過し、転写性促進材料溶液1を得た。
【0070】 <転写シートの作製> (1)イエロー転写シートの作製 (無機顔料分散液Yの調製) イエロー顔料(セルデック社製;13651) 100質量部 分散剤 4質量部 (信越化学社製;サーフィノールCT−324) 水 60質量部 上記成分をマイクロスMIC−O型(奈良機械製作所
製)にて2時間分散した顔料の平均粒径及び最大粒径を
レーザ式粒度分布測定装置にLA700(堀場製作所
製)を用いて測定した結果、0.42μm及び4.5μm
であった。
製)にて2時間分散した顔料の平均粒径及び最大粒径を
レーザ式粒度分布測定装置にLA700(堀場製作所
製)を用いて測定した結果、0.42μm及び4.5μm
であった。
【0071】 (塗布液調製) 顔料分散液Y 41質量部 ポリオキシチレン(n=10)ノニルフェノールエーテル 0.5質量部 (20質量%水溶液) カルバナワックス分散液(31質量%) 20質量部 (中京油脂社製;K−332) ブチラール樹脂分散液(25質量%) 60質量部 (中京油脂社製;レゼムJ667) 水 100質量部 上記成分を充分攪拌して、転写層用塗布液を調製した。
【0072】前記転写層用塗布液を、厚み5μmのポリ
エステルフィルムに乾燥膜厚2.5μmとなる様に塗布
して、転写層を形成し、イエロー転写シートを作製し
た。
エステルフィルムに乾燥膜厚2.5μmとなる様に塗布
して、転写層を形成し、イエロー転写シートを作製し
た。
【0073】(2)マゼンタ、シアンおよびブラック転
写シートの作製 上記イエロー転写シートの作製において、イエロー顔料
の代わりにマゼンタ顔料(セルデック社製;7757
1)、シアン顔料(セルデック社製;121522)お
よびブラック顔料(セルデック社製;14209)を各
々用いた以外は、イエロー転写シートと同様にしてマゼ
ンタ転写シート、シアン転写シートおよびブラック転写
シートを各々作製した。このときのマゼンタ、シアン及
びブラックの各顔料の平均粒径はそれぞれ0.55μ
m、0.40μm及び0.51μm、最大粒径はそれぞれ
4.7μm、2.8μm及び3.0μmであった。
写シートの作製 上記イエロー転写シートの作製において、イエロー顔料
の代わりにマゼンタ顔料(セルデック社製;7757
1)、シアン顔料(セルデック社製;121522)お
よびブラック顔料(セルデック社製;14209)を各
々用いた以外は、イエロー転写シートと同様にしてマゼ
ンタ転写シート、シアン転写シートおよびブラック転写
シートを各々作製した。このときのマゼンタ、シアン及
びブラックの各顔料の平均粒径はそれぞれ0.55μ
m、0.40μm及び0.51μm、最大粒径はそれぞれ
4.7μm、2.8μm及び3.0μmであった。
【0074】(3)受像シートの作製 下記組成の第一層用塗布液および第二層用塗布液を調製
した。 [第一層(クッション層)用塗布液の組成] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 160質量部 (日信化学(株)製;ソルバインCL2) エチレン−酢酸ビニル共重合体 61質量部 (三井デュポンケミカル(株)製;エルバロイ742) セバシン酸ポリエステル 28質量部 (日本曹達(株)製;FN−G25) パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 4質量部 (大日本インキ化学工業(株)製;メガファックF−178K) メチルエチルケトン 630質量部 トルエン 210質量部 ジメチルホルムアミド 30質量部
した。 [第一層(クッション層)用塗布液の組成] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 160質量部 (日信化学(株)製;ソルバインCL2) エチレン−酢酸ビニル共重合体 61質量部 (三井デュポンケミカル(株)製;エルバロイ742) セバシン酸ポリエステル 28質量部 (日本曹達(株)製;FN−G25) パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 4質量部 (大日本インキ化学工業(株)製;メガファックF−178K) メチルエチルケトン 630質量部 トルエン 210質量部 ジメチルホルムアミド 30質量部
【0075】 [第二層(受像層)用塗布液の組成] ポリビニルブチラール樹脂 16質量部 (電気化学工業(株)製;デンカブチラール#2000−L) N,N−ジメチルアクリルアミド−ブチルアクリレート共重合体4質量部 パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.5質量部 (大日本インキ化学工業(株)製;メガファックF−177) n−プロピルアルコール 200質量部
【0076】厚さ130μmのPETフィルム支持体上
に、前記第一層用塗布液を塗布し、100℃で乾燥さ
せ、乾燥時の膜厚が20μmの第一層を形成した。次
に、前記第一層上に前記第二層用塗布液を塗布し、10
0℃で乾燥させ、乾燥時の膜厚が2μmの第二層(受像
層)を形成し、受像シート得た。
に、前記第一層用塗布液を塗布し、100℃で乾燥さ
せ、乾燥時の膜厚が20μmの第一層を形成した。次
に、前記第一層上に前記第二層用塗布液を塗布し、10
0℃で乾燥させ、乾燥時の膜厚が2μmの第二層(受像
層)を形成し、受像シート得た。
【0077】(4)転写紙の作製 アラビアゴムが1.5g/m2塗設された坪量100g
の平滑な紙支持体上に、メタクリル系樹脂を主成分とす
るオーバーコートラッカー(プラスサイズLD−17
0;互応化学工業社製)を乾燥膜厚15μmとなるよう
に塗布乾燥して、転写紙を作製した。 (5)絵付陶板の作製 図5に示す画像形成装置40を用いて、前記受像シート
にフルカラーの画像を形成する。画像形成装置40は、
受像シート20の第二層(受像層)表面に転写性促進材
料溶液の液滴を画像様に付与する吐出ヘッド42と、受
像シート20と転写シート10とを加熱加圧しつつ、搬
送する支持ドラム44とピンチローラ46とを備えてい
る。さらに、転写シート10の搬送路の最後に設けられ
た巻き取りローラ48と、転写シート10の搬送路の支
持ドラム44より下流側に配置された直方体状の剥離バ
ー50とを備えている。さらに、搬送路には、画像様に
吐出された受像シート20上の転写性促進材料溶液を加
熱乾燥する加熱ヒータ52および受像シート20上に転
写された転写画像を加熱乾燥する加熱ヒータ54とを備
えている。
の平滑な紙支持体上に、メタクリル系樹脂を主成分とす
るオーバーコートラッカー(プラスサイズLD−17
0;互応化学工業社製)を乾燥膜厚15μmとなるよう
に塗布乾燥して、転写紙を作製した。 (5)絵付陶板の作製 図5に示す画像形成装置40を用いて、前記受像シート
にフルカラーの画像を形成する。画像形成装置40は、
受像シート20の第二層(受像層)表面に転写性促進材
料溶液の液滴を画像様に付与する吐出ヘッド42と、受
像シート20と転写シート10とを加熱加圧しつつ、搬
送する支持ドラム44とピンチローラ46とを備えてい
る。さらに、転写シート10の搬送路の最後に設けられ
た巻き取りローラ48と、転写シート10の搬送路の支
持ドラム44より下流側に配置された直方体状の剥離バ
ー50とを備えている。さらに、搬送路には、画像様に
吐出された受像シート20上の転写性促進材料溶液を加
熱乾燥する加熱ヒータ52および受像シート20上に転
写された転写画像を加熱乾燥する加熱ヒータ54とを備
えている。
【0078】図5に示す画像形成装置40に、前記作製
した受像シートと、イエロー転写シートをセットし、吐
出ヘッド42に前記調製した転写性促進材料溶液1を充
填し、まず、イエロー画像(正像)を前記受像シート上
に形成した。この時、支持ドラム44とピンチローラ4
6とのニップ部の温度は75℃に設定した。同様の操作
を、イエロー転写シートについてもう1回繰り返し行な
った。マゼンタ、シアン及びブラック転写についてもイ
エロー転写と同様に同じ操作を2回づつ行なって、受像
シート上にフルカラーの画像(正像)を形成した。
した受像シートと、イエロー転写シートをセットし、吐
出ヘッド42に前記調製した転写性促進材料溶液1を充
填し、まず、イエロー画像(正像)を前記受像シート上
に形成した。この時、支持ドラム44とピンチローラ4
6とのニップ部の温度は75℃に設定した。同様の操作
を、イエロー転写シートについてもう1回繰り返し行な
った。マゼンタ、シアン及びブラック転写についてもイ
エロー転写と同様に同じ操作を2回づつ行なって、受像
シート上にフルカラーの画像(正像)を形成した。
【0079】この受像シートの画像形成面と、前記作製
した転写紙の塗布面とを接触させて、重ね合わせ、ヒー
トローラにて加熱圧着し、受像シートを剥離した。転写
紙上には、受像シート上に形成された画像と第二層が転
写し、転写紙上に画像(鏡像)が形成された。次に、画
像形成された転写紙を水に浸漬し、紙支持体を剥離除去
し、画像形成されている表面を陶板側に対向させて、表
面に2%アラビアゴム水溶液を付与された陶板を重ね合
わせ、ゴムヘラにて余剰の水分を除去し、陶板に密着
(接着)させた。充分乾燥した後、電気窯にて400℃
で1時間、更に850℃で2時間焼成し、絵付陶板10
0を作製した。
した転写紙の塗布面とを接触させて、重ね合わせ、ヒー
トローラにて加熱圧着し、受像シートを剥離した。転写
紙上には、受像シート上に形成された画像と第二層が転
写し、転写紙上に画像(鏡像)が形成された。次に、画
像形成された転写紙を水に浸漬し、紙支持体を剥離除去
し、画像形成されている表面を陶板側に対向させて、表
面に2%アラビアゴム水溶液を付与された陶板を重ね合
わせ、ゴムヘラにて余剰の水分を除去し、陶板に密着
(接着)させた。充分乾燥した後、電気窯にて400℃
で1時間、更に850℃で2時間焼成し、絵付陶板10
0を作製した。
【0080】(比較例1)実施例1において、イエロ
ー、マゼンタ、シアン及びブラックの各顔料の分散を自
動乳鉢で2時間行なった以外は、同様にして絵付陶板を
作製した。このときのイエロー、マゼンタ、シアン及び
ブラックの各顔料の平均粒径はそれぞれ2.5μm、
4.2μm、2.8μm及び3.2μmであり、最大粒
径はそれぞれ5.5μm、19.5μm、15μm及び1
8.5μmであった。
ー、マゼンタ、シアン及びブラックの各顔料の分散を自
動乳鉢で2時間行なった以外は、同様にして絵付陶板を
作製した。このときのイエロー、マゼンタ、シアン及び
ブラックの各顔料の平均粒径はそれぞれ2.5μm、
4.2μm、2.8μm及び3.2μmであり、最大粒
径はそれぞれ5.5μm、19.5μm、15μm及び1
8.5μmであった。
【0081】 (実施例2及び比較例2,3) (1)転写シートの作製 <顔料分散液の調製> レッド顔料(セルデック社製;17891) 100質量部 分散剤 8質量部 (信越化学社製;サーフィノールCT−324) 水 60質量部 上記成分を下記(1)〜(3)の方法で分散した。 (1)自動乳鉢で1時間分散。 (2)マイクロスMIC−O型分散機(奈良機械製作所
製)にて45分間分散。 (3)マイクロスMIC−O型分散機(奈良機械製作所
製)にて5時間分散。 このときの(1)、(2)及び(3)で得られた顔料分
散液の各顔料の平均粒径はそれぞれ4.0μm、0.7
8μm及び0.19μmであり、最大粒径はそれぞれ2
5μm、8μm及び3μmであった。()〜(3)で方
法で分散した分散液をそれぞれ分散液(1)、分散液
(2)及び分散液(3)とする。
製)にて45分間分散。 (3)マイクロスMIC−O型分散機(奈良機械製作所
製)にて5時間分散。 このときの(1)、(2)及び(3)で得られた顔料分
散液の各顔料の平均粒径はそれぞれ4.0μm、0.7
8μm及び0.19μmであり、最大粒径はそれぞれ2
5μm、8μm及び3μmであった。()〜(3)で方
法で分散した分散液をそれぞれ分散液(1)、分散液
(2)及び分散液(3)とする。
【0082】 (塗布液調製) 顔料分散液(1) 41質量部 ポリオキシチレン(n=10)ノニルフェノールエーテル 0.5質量部 (20質量%水溶液) カルバナワックス分散液(31質量%) 40質量部 (中京油脂社製;K−332) E5407B(54質量%) 20質量部 (東邦化学社製) ブチラール樹脂分散液(25質量%) 20質量部 (中京油脂社製;レゼムJ627) 水 60質量部 上記成分を充分攪拌して、転写層用塗布液(1)を調製
した。分散液(2)、分散液(3)についても同様にし
て転写層用塗布液(2)、転写層用塗布液(3)を調製
した。
した。分散液(2)、分散液(3)についても同様にし
て転写層用塗布液(2)、転写層用塗布液(3)を調製
した。
【0083】前記転写層用塗布液(1)〜(3)を、厚
み5μmのポリエステルフィルムに乾燥膜厚1.3μm
となる様に塗布して、転写層を形成し、転写シート
(1)〜(3)を作製した。
み5μmのポリエステルフィルムに乾燥膜厚1.3μm
となる様に塗布して、転写層を形成し、転写シート
(1)〜(3)を作製した。
【0084】(2)受像シートの作製 実施例1と同様にして作製した。 (3)絵付陶板の作製 <画像転写>富士写真フィルム社製のFirst Pr
oof用感熱プリンタを用いて、前記受像シートに画像
を形成する。First Proof用転写シートの一
部を前記転写シートに(1)〜(3)に置き換えて、受
像シート上に画像を形成した。前記転写シート(1)〜
(3)に対応した画像が形成された受像シート(1)〜
(3)を得た。
oof用感熱プリンタを用いて、前記受像シートに画像
を形成する。First Proof用転写シートの一
部を前記転写シートに(1)〜(3)に置き換えて、受
像シート上に画像を形成した。前記転写シート(1)〜
(3)に対応した画像が形成された受像シート(1)〜
(3)を得た。
【0085】実施例1で作製した転写紙の塗布面と前記
画像形成した受像シート(1)〜(3)の画像形成面を
接触させて重ね合わせ、ヒートローラにて加熱圧着し、
受像シートを剥離した。転写紙上には、受像シート上に
形成された画像と第二層が転写し、転写紙上に画像(鏡
像)が形成された。次に、画像形成された転写紙を水に
浸漬し、紙支持体を剥離除去し、画像形成されている表
面を陶板側に対向させて、表面に2%アラビアゴム水溶
液を付与された陶板を重ね合わせ、ゴムヘラにて余剰の
水分を除去し、陶板に密着(接着)させた。充分乾燥し
た後、電気窯にて400℃で2時間、更に850℃で2
時間焼成し、絵付陶板301〜303を作製した。
画像形成した受像シート(1)〜(3)の画像形成面を
接触させて重ね合わせ、ヒートローラにて加熱圧着し、
受像シートを剥離した。転写紙上には、受像シート上に
形成された画像と第二層が転写し、転写紙上に画像(鏡
像)が形成された。次に、画像形成された転写紙を水に
浸漬し、紙支持体を剥離除去し、画像形成されている表
面を陶板側に対向させて、表面に2%アラビアゴム水溶
液を付与された陶板を重ね合わせ、ゴムヘラにて余剰の
水分を除去し、陶板に密着(接着)させた。充分乾燥し
た後、電気窯にて400℃で2時間、更に850℃で2
時間焼成し、絵付陶板301〜303を作製した。
【0086】このように作製した絵付陶板100、20
0、301〜303を画像の均一性、(ざらつき、濃度
ムラの有無等)及び階調性(連続性、なめらかさ等)を
3段階で評価した。さらに発色濃度をマクベス反射濃度
計にて測定した。いずれも値が大きいほど良好である。
結果を表1に示す。
0、301〜303を画像の均一性、(ざらつき、濃度
ムラの有無等)及び階調性(連続性、なめらかさ等)を
3段階で評価した。さらに発色濃度をマクベス反射濃度
計にて測定した。いずれも値が大きいほど良好である。
結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、画像保存性が良好な絵
付セラミックス体を簡易な工程により、低コストで且つ
安定的に製造し得ると共にセラミックス体上に高い発色
濃度を保持しなから、画像均一性、色再現性、階調性等
に優れた画像を形成することができる。
付セラミックス体を簡易な工程により、低コストで且つ
安定的に製造し得ると共にセラミックス体上に高い発色
濃度を保持しなから、画像均一性、色再現性、階調性等
に優れた画像を形成することができる。
【図1】 本発明に係わる絵付セラミックス体の製造方
法の一実施形態を説明するための概略工程図である。
法の一実施形態を説明するための概略工程図である。
【図2】 本発明に係わる絵付セラミックス体の製造方
法の他の実施形態を説明するための概略工程図である。
法の他の実施形態を説明するための概略工程図である。
【図3】 本発明に係わる絵付セラミックス体の製造方
法の更に他の実施形態を説明するための概略工程図であ
る。
法の更に他の実施形態を説明するための概略工程図であ
る。
【図4】 本発明に係わる絵付セラミックス体の製造方
法の更に他の実施形態を説明するための概略工程図であ
る。
法の更に他の実施形態を説明するための概略工程図であ
る。
【図5】 本発明における絵付セラミックス体に画像を
形成するための画像形成装置の概略図である。
形成するための画像形成装置の概略図である。
【図6】 (A)は本発明の転写方法に用いられる無機
顔料を製造するのに好適な分散機を示す概略的構成図、
(B)は(A)のI−I線端面図、(C)は(A)の要
部説明図である。
顔料を製造するのに好適な分散機を示す概略的構成図、
(B)は(A)のI−I線端面図、(C)は(A)の要
部説明図である。
10 転写シート 12 支持体 14 転写層 20、20’ 受像シート 22 支持体 24、24’、24’’ 受像層 26 水溶性ポリマー層 30、30’ 陶板 32、32’、32’’、32’’’ 絵付陶板 i 転写材料からなる画像 40 画像形成装置 42 吐出ヘッド 44 支持ドラム 46 ピンチローラ 48 巻き取りローラ 50 剥離バー 52、54 加熱ヒータ 60 分散機本体 62 昇降機構 64 ジャケット 66 円筒容器 68 密閉蓋 70 モータ 72 出力軸 74A、74B 支持部材 76 垂直部材 78 環状体 80 冷却水供給ライン 82 冷却水排出ライン
Claims (7)
- 【請求項1】 無機顔料を含む転写材料からなる転写層
を有する転写シートの転写層表面と前記転写材料を転写
可能な受像層を有する受像シートの受像層表面とを少な
くとも接触させて、前記転写材料を前記受像層表面に転
写し、前記受像層表面に前記転写材料からなる画像を形
成する転写工程と、 前記転写材料からなる画像を前記受像シートの一部また
は全部とともにセラミックス体の表面に配置する配置工
程と、 前記転写材料からなる画像が配置されたセラミックス体
を加熱し、前記転写材料に含まれる無機顔料をセラミッ
クス体の表面に焼結する焼結工程と、を有し、 前記無機顔料の平均粒径が0.2〜1μmであることを
特徴とする絵付セラミックス体の製造方法。 - 【請求項2】 無機顔料を含む転写材料からなる転写層
を有する転写シートの転写層表面、およびセラミックス
体上に形成された前記転写材料を転写可能な受像層を有
する受像シートの受像層表面とを少なくとも接触させて
前記転写材料を前記受像層表面に転写し、前記受像層表
面に前記転写材料からなる画像を形成する転写・配置工
程と、 前記転写材料からなる画像が配置されたセラミックス体
を加熱し、前記転写材料に含まれる無機顔料をセラミッ
クス体の表面に焼結する焼結工程と、を有し、 前記無機顔料の平均粒径が0.2〜1μmであることを
特徴とする絵付セラミックス体の製造方法。 - 【請求項3】 前記無機顔料の平均粒径が0.3〜0.
8μmであることを特徴とする請求項1または請求項2
に記載の絵付セラミックス体の製造方法。 - 【請求項4】 前記転写シートの転写層表面と前記受像
シートの受像層表面を接触させて熱転写プリンターを介
して前記受像層上に前記転写材料からなる顔料像を形成
することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
に記載の絵付セラミックス体の製造方法。 - 【請求項5】 前記転写層の表面及び前記受像層の表面
の少なくとも一方に前記転写材料の前記受像層表面への
転写促進させ得る転写性促進材料を画像様に付与して潜
像を形成する潜像形成工程を有し、前記転写工程が、該
潜像に対応して前記転写材料を前記受像層表面に転写し
て前記受像層表面に画像を形成する工程からなることを
特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の絵
付セラミックス体の製造方法。 - 【請求項6】 転写工程と配置工程との間に、転写材料
からなる画像を他の受像シートに転写する第2の転写工
程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
ずれかに記載の絵付セラミックス体の製造方法。 - 【請求項7】 受像シートが、支持体上に水溶性ポリマ
ーを含有する層および受像層を順次積層したシートであ
り、前記配置工程において前記水溶性ポリマーを一部水
に溶解させ、支持体を剥離するとともに、剥離面または
その反対側表面をセラミックス体の表面に接着し、受像
層とともに転写材料からなる画像をセラミックス体の表
面に配置することを特徴とする請求項1乃至請求項6の
いずれかに記載の絵付セラミックス体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000291288A JP2002097090A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | 絵付セラミックス体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000291288A JP2002097090A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | 絵付セラミックス体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002097090A true JP2002097090A (ja) | 2002-04-02 |
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ID=18774381
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---|---|---|---|
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- 2000-09-25 JP JP2000291288A patent/JP2002097090A/ja active Pending
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