JP2002097004A - 酸化物触媒を利用した窒化ホウ素ナノチューブの製造方法 - Google Patents
酸化物触媒を利用した窒化ホウ素ナノチューブの製造方法Info
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Abstract
どに有用な窒化ホウ素ナノチューブと、中間性生物の発
生が抑制され、さらに収率が高められた窒化ホウ素ナノ
チューブの製造方法を提供する。 【解決手段】 酸化物触媒の存在下で、カーボンナノチ
ューブにホウ素酸化物および窒素を1200〜1800
℃の温度範囲で反応させて窒化ホウ素ナノチューブを生
成させる。
Description
素ナノチューブの製造方法に関するものである。さらに
詳しくは、この出願の発明は、半導体材料、耐熱性材
料、高強度材料、触媒などに有用な窒化ホウ素ナノチュ
ーブと、中間性生物の発生が抑制され、さらに収率が高
められた窒化ホウ素ナノチューブの製造方法に関するも
のである。
従来より、アーク放電法や高圧レーザー加熱法、プラズ
マ解離蒸発法等によって合成できることが知られてい
る。しかしながら、これらの方法における窒化ホウ素ナ
ノチューブの生成収率は悪く、極めて少量の窒化ホウ素
ナノチューブしか得ることができなかった。
り、カーボンナノチューブを出発原料として窒化ホウ素
ナノチューブを大量に合成する方法が提案(特許第29
72882号)された。この方法は、窒化ホウ素ナノチ
ューブの収率を飛躍的に高めることができる優れた方法
であるが、窒化ホウ素ナノチューブの他に、出発原料の
カーボンナノチューブや、中間生成物としてのホウ素,
炭素,窒素の3元素からなるB−C−N組成のナノチュ
ーブが存在してしまい、窒化ホウ素ナノチューブ単相を
得ることができないという欠点があった。
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、中間性生物の発生が抑制され、さらに収率が高
められた窒化ホウ素ナノチューブの製造方法と、それに
より得られ、半導体材料、耐熱性材料、高強度材料、触
媒などに有用な窒化ホウ素ナノチューブを提供すること
を課題としている。
は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従
来技術の問題点を解消し、以下の通りの発明を提供す
る。
は、酸化物触媒の存在下で、カーボンナノチューブにホ
ウ素酸化物および窒素を1200〜1800℃の温度範
囲で反応させて窒化ホウ素ナノチューブを生成させるこ
とを特徴とする窒化ホウ素ナノチューブの製造方法を提
供する。
記第1の発明において、酸化物触媒が、酸化モリブデン
または酸化バナジウムであることを特徴とする窒化ホウ
素ナノチューブの製造方法を、第3には、反応温度を1
500℃とすることを特徴とする窒化ホウ素ナノチュー
ブの製造方法を提供する。
第1ないし第3いずれかに記載の方法によって得られる
窒化ホウ素ナノチューブであって、チューブ端が開放さ
れていることを特徴とする窒化ホウ素ナノチューブをも
提供する。
特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態につい
て詳しく説明する。
の製造方法は、酸化物触媒の存在下で、カーボンナノチ
ューブにホウ素酸化物および窒素を1200〜1800
℃の温度範囲で反応させて窒化ホウ素ナノチューブを生
成させることを特徴としている。
℃の高温で分解し、酸素を放出する各種の酸化物を使用
することができる。この出願の発明においては、酸化モ
リブデン(MoO3)、五酸化バナジウム(V2O5)あ
るいは酸化鉛(PbO)等を用いることが好適な例とし
て示される。
ューブの骨格を担うものであり、任意の大きさのものを
使用することができる。そのため、たとえば、目的とす
る窒化ホウ素ナノチューブにあわせて径および長さを調
整したカーボンナノチューブを用いること等もできる。
カーボンナノチューブは、CVD法等で大量に合成する
と簡便かつ安価である。
O3)、酸化ホウ素(B2O3)、または高温下でホウ素
酸化物(B2O3、B2O2等)を発生する物質を用いるこ
とができる。
性のガスを用いることができる。例えば、窒素ガス、ア
ンモニア等を例示することができる。
酸化物触媒の存在下で、カーボンナノチューブにホウ素
酸化物および窒素を1200〜1800℃の温度範囲で
反応させる。反応装置等は各種のものを用いることがで
きるが、図1に、例えば、酸化物触媒として酸化モリブ
デンを、ホウ素酸化物として酸化ホウ素を、窒素には窒
素ガスを用いて、高周波誘導加熱炉を使用してこの出願
の発明の方法を実施する様子を模式的に示した。
る酸化物触媒、ホウ素酸化物およびカーボンナノチュー
ブを入れる。原料の配置は、ホウ素化合物が加熱により
拡散または輸送されて、酸化触媒の存在下でカーボンナ
ノチューブと接触すればどのような配置でもよいあれ
ば。たとえば図示したように、黒鉛るつぼ(9)の底か
ら順に、酸化ホウ素(8)粉末、酸化モリブデン(7)
粉末、カーボンナノチューブ(6)を層状に重ねること
などは、接触効率が高まる点で好ましい。このときの酸
化ホウ素(8)粉末、酸化モリブデン(7)粉末および
カーボンナノチューブ(6)の割合は、モル比で約2:
1:5程度とするとよい。酸化物触媒は、その種類を問
わず、ホウ素化合物に対して1/5程度の割合にすれば
よい。
1)を外筒とする高周波加熱炉の中央に設置する。そし
て窒素ガスを導入口(3)より導入し、窒素ガス気流中
で1200〜1800℃に加熱する。
n.程度でよい。窒化ホウ素ナノチューブの生成には1
200℃以上が必要であるため、加熱温度の下限は12
00℃とする。また窒化ホウ素ナノチューブが板状結晶
となるのを防ぐため、加熱温度の上限は1800℃以
下、より好ましくは1600℃以下とする。さらには、
この出願の発明においては、加熱温度を1500℃とす
ることが望ましい。加熱時間は、使用した原料およびそ
の形状、量等によっても異なるが、およそ30分間程度
とすることができる。
ホウ素酸化物は窒素とともにカーボンナノチューブの表
面に到達し、カーボンナノチューブの炭素により還元を
受けると同時に窒素と反応して窒化ホウ素を生成し、炭
素と置換する。そして、このとき、酸化物触媒は分解し
て酸素を放出するが、放出した酸素とカーボンナノチュ
ーブの炭素とが反応することで、炭素と窒化ホウ素の置
換反応を促進させる。さらに、この酸素は、カーボンナ
ノチューブの先端部分と優先的に反応してチューブの先
端を開放させる作用を示す。これによって、カーボンナ
ノチューブは窒化ホウ素ナノチューブに変換される。
チューブの形態は、原料であるカーボンナノチューブと
ほぼ同じ径および長さを有しているが、その両端は開い
た状態である。また、複数本が束になった束状体、より
合わさったロープ状体として得られる。
ノチューブは、従来の方法では直接得ることはできなか
った。窒化ホウ素ナノチューブのチューブ端が開放され
ていると、その開孔部より金属等の異物質を注入するこ
とができ、窒化ホウ素ナノチューブの新たな特性を発現
させることが期待できる。
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
モリブデン、カーボンナノチューブの順に、モル比で
5:2:1の割合で入れ、高周波加熱炉により1500
℃で30分間加熱し、その後は自然に冷却させた。出発
物質として用いたカーボンナノチューブの直径は、平均
で約10nmであった。
試料は、黒色から灰色に変化していた。この試料の構造
および組成を分析電子顕微鏡で観察した結果、出発物質
と直径が同じ約10nmの、窒化ホウ素ナノチューブで
あることが確認された。図2に、得られた窒化ホウ素ナ
ノチューブの電子顕微鏡写真を示した。この窒化ホウ素
ナノチューブは、全てのチューブ端が開放しており、束
状になって生成していた。
ついて電子エネルギー損失分光法により組成分析を行な
うことで、窒化ホウ素ナノチューブ中の炭素原子の割合
(C/(B+N))を求めた結果を図3(a)に示し
た。図3(a)より、窒化ホウ素ナノチューブ中に炭素
原子が含まれる割合は極めて低く、カーボンナノチュー
ブ中のほぼ全ての炭素原子が窒素およびホウ素に置き換
わっていることが確認された。 (比較例)上記実施例において、酸化モリブデンを使用
せず、あとは同様の条件で窒化ホウ素ナノチューブを作
製した。
原子の割合を測定した結果を図3(b)に示した。図3
(b)より、窒化ホウ素ナノチューブ中に含まれる炭素
原子の割合はやや多く、カーボンナノチューブ中の炭素
原子が窒素およびホウ素に置き換わらずに残留している
ことが示された。
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
って、半導体材料、耐熱性材料、高強度材料、触媒など
に有用な窒化ホウ素ナノチューブと、中間性生物の発生
が抑制され、さらに収率が高められた窒化ホウ素ナノチ
ューブの製造方法が提供される。
化ホウ素ナノチューブを作製する方法を例示した模式図
である。
ブの分析電子顕微鏡像を例示した図である。
化ホウ素ナノチューブに含まれる炭素の原子量比;C/
(B+N)とその数の関係を示した図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 酸化物触媒の存在下で、カーボンナノチ
ューブにホウ素酸化物および窒素を1200〜1800
℃の温度範囲で反応させて窒化ホウ素ナノチューブを生
成させることを特徴とする窒化ホウ素ナノチューブの製
造方法。 - 【請求項2】 酸化物触媒が、酸化モリブデンまたは酸
化バナジウムであることを特徴とする請求項1記載の窒
化ホウ素ナノチューブの製造方法。 - 【請求項3】 反応温度を1500℃とすることを特徴
とする請求項1または2記載の窒化ホウ素ナノチューブ
の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3いずれかに記載の方法
によって得られる窒化ホウ素ナノチューブであって、チ
ューブ端が開放されていることを特徴とする窒化ホウ素
ナノチューブ。
Priority Applications (1)
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-
2000
- 2000-09-21 JP JP2000287681A patent/JP2002097004A/ja active Pending
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