JP2002096431A - 多層シートおよびそれからなるカード - Google Patents

多層シートおよびそれからなるカード

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JP2002096431A
JP2002096431A JP2001216510A JP2001216510A JP2002096431A JP 2002096431 A JP2002096431 A JP 2002096431A JP 2001216510 A JP2001216510 A JP 2001216510A JP 2001216510 A JP2001216510 A JP 2001216510A JP 2002096431 A JP2002096431 A JP 2002096431A
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Japan
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multilayer sheet
filler
sheet
weight
thermoplastic resin
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JP2001216510A
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Sadayuki Kobayashi
定之 小林
Hiroo Karasawa
啓夫 唐澤
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンボス加工性に優れると共に、刻印文字や
表面外観に優れ、磁気カードなどのカードに用いられる
多層シートおよびそれからなるカードの提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂および無機板状充填材から
なるシートを少なくとも2枚以上含む3枚以上のシート
を積層してなる多層シートであって、無機板状充填材の
厚み方向の濃度分布が特定の関係式を満たし、かつ多層
シート全体の平均無機充填材濃度が3重量%以上となる
ような積層形態をとる多層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンボス文字特性
に優れる磁気カード、接触型ICカードおよび非接触型
ICカードなどのカード用の多層シートおよびそれから
なるカードに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンボス加工により記号、文字を
立体的に刻印した磁気カードやICカードなどのカード
が広く用いられている。これらのカードは、一般に印刷
などを施したシートを3枚以上積層し多層シートとした
後に、カード形状に切り出す方法で作製されている。シ
ート材料としては、硬質ポリ塩化ビニル樹脂が主に用い
られている。しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は耐熱性や耐
久性などに劣るため、ポリ塩化ビニル樹脂を代替するエ
ンボス加工可能なカード材料が要望されていた。
【0003】特開平11−227136号公報には、エ
ンボス加工性に優れる多層シートを得ることを目的に、
無機板状充填材の厚み方向の濃度分布が外層の方が内層
よりも高くなるように積層した多層シートが示されてい
る。しかるに、この多層シートからなるカードは、エン
ボス加工時のソリ抑制には効果的であるものの、外層に
無機板状充填材が偏在するため、外層での靱性が不足
し、刻印後、文字が割れるという問題が生じ、また金型
との剥離時に無機板状充填材と樹脂との間に微少な空孔
を生じるため、表面外観が悪化するという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気カー
ド、接触型ICカードおよび非接触型ICカードなどの
カード用の多層シートを提供するにあたり、エンボス加
工性に優れ、かつ刻印時の文字割れを抑制し、表面外観
が良好な多層シートおよびそれを用いたカードを提供す
ることをその課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エンボス
加工性に優れる磁気カード、接触型ICカードおよび非
接触型ICカードなどのカード用の多層シートおよびそ
れからなるカードを提供すべく鋭意検討した結果、熱可
塑性樹脂に無機板状充填材を配合し、無機板状充填材の
厚み方向の濃度分布を内層の方が外層よりも高くし、か
つその添加量を制御することで、エンボス加工性に優
れ、かつ刻印時の文字割れを抑制し、表面外観も良好で
ある多層シートおよびそれからなるカードが得られるこ
とを見出し本発明を完成させるにいたった。また、特に
特定粒径のタルクを用いることで、エンボス加工性が効
果的に改良されることを見出した。加えて、表面層に用
いられるシートを構成する熱可塑性樹脂組成物に対し
て、さらに離型剤を添加することにより、シミ状の表面
欠陥のない表面外観の良好な多層シートおよびそれから
なるカードが得られることを見出し本発明を完成させる
にいたった。
【0006】すなわち本発明は、(1)熱可塑性樹脂お
よび無機板状充填材からなる熱可塑性樹脂組成物からな
るシートを少なくとも2枚以上含む3枚以上のシートを
積層してなる多層シートにおいて、多層シートの厚みを
2Lとし、多層シートの厚み方向をx軸とし、x軸の原
点を多層シートの中心とし、xにおける無機板状充填材
の濃度をc(x)(重量%)としたとき、無機板状充填
材の厚み方向の濃度の分布が、
【0007】
【数2】 なる関係式を満たし、かつ多層シート全体の平均タルク
濃度が3重量%以上となるような積層形態をとることを
特徴とする多層シート、(2)上記無機板状充填材が、
平均粒径0.5〜20μmのタルクおよびカオリンから
選ばれた1種以上であることを特徴とする上記(1)記
載の多層シート、(3)上記無機板状充填材が、平均粒
径0.5〜20μmのタルクであることを特徴とする上
記(1)記載の多層シート、(4)上記熱可塑性樹脂
が、ガラス転移温度70〜170℃の熱可塑性樹脂であ
ることを特徴とする上記(1)〜(3)いずれかに記載
の多層シート、(5)上記多層シートが、芳香族ポリカ
ーボネートを含有するシートを1枚以上含む3枚以上の
シートを積層してなる多層シートであることを特徴とす
る上記(1)〜(4)いずれかに記載の多層シート、
(6)上記芳香族ポリカーボネートを含有するシート
が、さらに非晶性ポリエステルより選ばれる1種または
2種以上の熱可塑性樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂組
成物からなるシートであることを特徴とする上記(5)
記載の多層シート、(7)上記芳香族ポリカーボネート
を含有するシートが、さらにABS樹脂、AS樹脂、A
ES樹脂およびASA樹脂から選ばれる1種または2種
以上の熱可塑性樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂組成物
からなるシートであることを特徴とする上記(5)記載
の多層シート、(8)上記多層シートの表面層に用いら
れるシートの少なくとも一方が、熱可塑性樹脂成分の合
計量100重量部に対し、さらに離型剤を0.01〜5
重量部添加してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを
特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の多層
シート、(9)上記多層シートの表面層に用いられるシ
ートのいずれもが、熱可塑性樹脂成分の合計量100重
量部に対し、さらに離型剤を0.01〜5重量部添加し
てなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする上
記(1)〜(7)のいずれかに記載の多層シート、(1
0)上記多層シートの表面層に用いられるシートが、熱
可塑性樹脂成分の合計量100重量部に対し、さらに無
機非板状充填材を0.1〜10重量部添加してなる熱可
塑性樹脂組成物からなることを特徴とする(8)または
(9)記載の多層シート、(11)上記(1)〜(1
0)のいずれかに記載の多層シートからなるカードを提
供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、用いられる熱可
塑性樹脂としては、押出機によって成形加工できる熱可
塑性樹脂であれば特に制限は無く、具体的には、ポリス
チレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン/ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、
ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリスルホ
ンおよび環状ポリオレフィンなどが挙げられる。なかで
も熱可塑性樹脂のガラス転移温度が70〜170℃の範
囲より好ましくは70〜155℃の範囲であることが、
カード製造時の熱融着温度とカード材料の耐熱性のバラ
ンスの面で望ましい。さらに、これらの熱可塑性樹脂を
混合物として用いる場合は、混合前の熱可塑性樹脂のガ
ラス転移温度が、それぞれ70〜170℃の範囲である
こと、より好ましくは70〜155℃の範囲であること
が望ましく、さらには混合後のガラス転移温度のそれぞ
れが70〜170℃の範囲であること、より好ましくは
70〜155℃の範囲であることがより望ましい。
【0009】本発明で使用する熱可塑性樹脂の好ましい
例としては、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル
共重合体、ポリエステル、ポリカーボネートおよびこれ
らの混合物などが挙げられ、なかでも芳香族ポリカーボ
ネートを含有していることが好ましい。
【0010】上記芳香族ポリカーボネートとしては、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルアルカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル
から選ばれた一種以上を主原料とするものが好ましく挙
げられ、なかでもビスフェノールAを主原料として製造
されるものが好ましい。具体的には、上記ビスフェノー
ルAをジヒドロキシ成分として用い、エステル交換法あ
るいはホスゲン法により得られたポリカーボネートが好
ましい。さらに、ビスフェノールAの一部、好ましくは
10モル%以下を、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
アルカンあるいは4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルな
どで置換したものも好ましい。
【0011】また、芳香族ポリカーボネートに、非晶性
ポリエステルから選ばれる1種または2種以上の熱可塑
性樹脂を配合することは、より優れたエンボス加工性を
得る点で好ましい。
【0012】上記非晶性ポリエステルとしては、示差走
査型熱量計で溶融状態から10℃/分の速度で降温した
ときの結晶化熱量が5cal/g以下であるポリエステ
ルが好ましく、具体的には1,4−シクロヘキサンジメ
タノール誘導体共重合ポリエステル、非晶性ポリエチレ
ンテレフタレート、非晶性ポリエチレンナフタレートお
よびポリエチレンテレフタレート共重合体などが挙げら
れる。なかでも、テレフタル酸単位を主とするジカルボ
ン酸単位とエチレングリコール単位(I)および1,4
−シクロヘキサンジメタノール単位(II)を主とするグ
リコール単位からなるポリエステルがより好ましく、さ
らにエチレングリコール単位(I)および1,4−シク
ロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比(I)/
(II)が1以上、より好ましくは90/10〜60/4
0の範囲であるポリエステルが好ましい。この場合の非
晶ポリエステル成分と芳香族ポリカーボネート成分の配
合比は特に限定はないが、重量比で95/5〜5/95
の範囲が好ましく、さらに好ましくは80/20〜20
/80の範囲である。
【0013】さらに、テレフタル酸単位を主とするジカ
ルボン酸単位とエチレングリコール単位(I)および
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)を主と
するグリコール単位からなるポリエステルであって、か
つエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキ
サンジメタノール単位(II)のモル比(I)/(II)が
1以上、より好ましくは90/10〜60/40の範囲
であるポリエステル(A)、テレフタル酸単位を主とす
るジカルボン酸単位とエチレングリコール単位(I)お
よび1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)を
主とするグリコール単位からなるポリエステルであっ
て、かつエチレングリコール単位(I)と1,4−シク
ロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比(I)/
(II)が1より小さい、より好ましくは2/3以下であ
るポリエステル(B)、および芳香族ポリカーボネート
からなる3成分系の場合は、耐熱性と易加工性が一層向
上するため好ましい。
【0014】この場合の各成分の配合量としては特に限
定はないが、(A)成分と(B)成分からなるポリエス
テル成分と芳香族ポリカーボネート成分の配合比は、重
量比で95/5〜5/95の範囲が好ましく、さらに好
ましくは80/20〜20/80の範囲である。(A)
成分と(B)成分の配合比は、重量比で90/10〜3
0/70の範囲が好ましく、さらに好ましくは80/2
0〜50/50の範囲である。
【0015】また、芳香族ポリカーボネートに、ABS
樹脂、AS樹脂、AES樹脂およびASA樹脂から選ば
れる1種または2種以上の熱可塑性樹脂を配合すること
は、より優れたエンボス加工性を得る点で好ましく、特
にABS樹脂およびAS樹脂がより好ましく用いられ
る。
【0016】ABS樹脂とは、ジエン系ゴム成分にシア
ン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト重合
した熱可塑性グラフト共重合体、または該熱可塑性グラ
フト共重合体と、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル
化合物の共重合体との混合物である。ABS樹脂は一般
に射出成形用途などで使用されているもの、すなわちA
BS樹脂中のジエン系ゴム成分の量が5〜30重量%程
度の範囲のものが好ましく用いられる。ジエン系ゴム成
分としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレンお
よびスチレン−ブタジエン共重合体などのガラス転移点
が10℃以下のジエン系ゴムが好ましく用いられる。ジ
エン系ゴム成分にグラフトされるシアン化ビニル化合物
としては、例えばアクリロニトリルおよびメタアクリロ
ニトリルなどを挙げることができ、またジエン系ゴム成
分にグラフトされる芳香族ビニル化合物としては、例え
ばスチレンおよびα−メチルスチレンを挙げることがで
きる。ここで好ましいABS樹脂としては、ポリブタジ
エンからなるゴム成分にアクリロニトリルおよびスチレ
ンをグラフトしたものに、アクリロニトリルとスチレン
からなる共重合体を混合したものを挙げることができ
る。かかるシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化
合物の含有割合は、かかるシアン化ビニル化合物および
芳香族ビニル化合物の合計量100重量%に対して、シ
アン化ビニル化合物が5〜50重量%、芳香族ビニル化
合物が95〜50重量%の範囲である。また、本発明の
効果を損なわない程度に、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチルアクリレート、無水マレイン酸およびN置換
マレイミドなどのモノマーを混合して共重合することが
できる。
【0017】AS樹脂とは、シアン化ビニル化合物と芳
香族ビニル化合物との共重合体であり、かかるシアン化
ビニル化合物および芳香族ビニル化合物の合計量100
重量%に対してシアン化ビニル化合物が5〜50重量
%、芳香族ビニル化合物が95〜50重量%の範囲のも
のを指し、特にシアン化ビニル化合物が15〜35重量
%、芳香族ビニル化合物が85〜65重量%の範囲のも
のが好ましく用いられる。また、本発明の効果を損なわ
ない程度に、メチル(メタ)アクリレート、エチルアク
リレート、無水マレイン酸およびN置換マレイミドなど
のモノマーを混合して共重合することができる。
【0018】AES樹脂とは、エチレン−プロピレン成
分を含有するゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族
ビニル化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重
合体、または該熱可塑性グラフト共重合体と、シアン化
ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合の混合物で
ある。上記エチレン−プロピレン成分を含有するゴム成
分の具体例としては、エチレン−プロピレンゴム、エチ
レン−プロピレン−ブタジエンゴムおよびエチレン−プ
ロピレン−イソプレンゴムなどが挙げられる。
【0019】ASA樹脂とは、アクリルゴム成分にシア
ン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト重合
した熱可塑性グラフト共重合体、または該熱可塑性グラ
フト共重合体と、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル
化合物の共重合体との混合物を指す。ここでアクリルゴ
ムとは、炭素数が2〜10のアルキルアクリレート単位
を含有するものであり、さらに必要に応じてその他の共
重合可能な成分としてスチレン、メチルメタクリレート
およびブタジエンなどを含有していてもよい。炭素数が
2〜10のアルキルアクリレートとしては、好ましくは
2−エチルヘキシルアクリレートおよびn−ブチルアク
リレートが挙げられ、かかるアルキルアクリレートはア
クリレートゴム100重量%中50重量%以上含まれる
のが好ましい。さらに、かかるアクリレートゴムは少な
くとも部分的に架橋されており、かかる架橋剤として
は、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、アリルメタクリレートおよびポリプロピレング
リコールジアクリレートなどを挙げることができ、かか
る架橋剤はアクリレートゴムに対して0.01〜3重量
%使用されることが好ましい。また、シアン化ビニル化
合物および芳香族ビニル化合物の割合は、かかる合計量
100重量%に対して、シアン化ビニル化合物が5〜5
0重量%、芳香族ビニル化合物が95〜50重量%の範
囲が好ましく用いられ、さらにはシアン化ビニル化合物
が15〜35重量%、芳香族ビニル化合物が85〜65
重量%の範囲のものがより好ましく用いられる。
【0020】本発明の多層シートの素材として用いられ
る無機板状充填材としては、いわゆる板状の無機充填材
であり、粒子形状が立体的に非等方性で2軸配向性をも
つ充填材が好ましい。具体的には、タルク、カオリン、
マイカ、クレー、ベントナイト、セリサイト、塩基性炭
酸マグネシウム、水酸化アルミニウムおよびガラスフレ
ークなどが挙げられる。これら充填材は2種類以上併用
しても良い。これらのなかではタルクおよびカオリンが
好ましく、なかでもタルクが最も好ましい。
【0021】無機板状充填材の平均粒径は、配合後の段
階で0.5〜20μmの範囲が好ましく、なかでも1〜
10μmの範囲がより好ましい。この範囲であると多層
シート、カードへの成形性が良好で、エンボス加工性の
改善効果が高く、また透明性にも優れる。
【0022】かかる無機板状充填材の平均粒径は、アン
ドレアゼンピペット法による積算率50%時の粒子径を
遠心沈降式粒度分布測定装置で測定し求めることができ
る。
【0023】また、無機板状充填材の平均粒径は、配合
後の段階でも上記の範囲内となることが好ましく、本発
明の多層シートないしカードを有機溶剤で処理あるいは
電気炉などで燃焼させ無機板状充填材成分のみを分離し
た後、電子顕微鏡による拡大写真でサンプル数100個
の平均粒子径を測定し求めることができる。
【0024】また、これらの無機板状充填材は、イソシ
アネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネー
ト系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物
などのカップリング剤で表面処理されていてもよい。
【0025】本発明の多層シートは、多層シートの厚み
を2Lとし、多層シートの厚み方向をx軸とし、x軸の
原点を多層シートの中心とし、xにおける無機板状充填
材の濃度をc(x)としたとき、無機板状充填材の厚み
方向の濃度分布が、
【0026】
【数3】 なる関係式を満たし、かつ多層シート全体の平均無機板
状充填材濃度が3重量%以上となるような積層形態をと
ることが必要である。つまり、無機板状充填材の厚み方
向のその濃度分布を内層の方が外層よりもより高くなる
ように積層し、かつ特定量以上を添加することで、シー
ト内に均一に無機板状充填材を分散させた場合に比べエ
ンボス加工性に優れ、かつ刻印時の文字割れを抑制し、
表面外観も良好な多層シートが得られる。また、上記無
機板状充填材濃度分布をもつ場合には、シート内に均一
に無機板状充填材を分散させた場合に比べ外層の無機板
状充填材濃度が減少し、外層表面の荒れ(凹凸)が低く
なり、印刷時のドット抜け防止などに有効であり、印刷
性が向上する効果が現れる。ここで、無機板状充填材濃
度は外層から内層に向かって必ずしも単調に増加する必
要はなく、上記条件式を満たすような濃度分布であれば
よい。また、上記多層シート全体の平均無機板状充填材
濃度は、より優れたエンボス加工性改良効果を得るため
に、5重量%以上とすることが好ましく、さらには7重
量%以上とすることがより好ましい。
【0027】この際、無機板状充填材は単一シート内で
シート厚み方向に濃度分布を持っていてもよいが、単一
シート内では均一の濃度分布をとるシートが製造の容易
さの点で好ましく、無機板状充填材濃度の異なる数種の
シートを内層の無機板状充填材濃度の方が外層のそれよ
りもより高くなるように積層してなる多層シートがより
好ましい。なお、上記条件式を満たす限り、外層部に無
機板状充填材を含まないシートを配置することも可能で
ある。
【0028】なお、多層シートの無機板状充填材濃度分
布は厚み方向の中心から見て対称的な積層形態をとって
も、非対称的な積層形態をとってもいずれでもよいが、
対称的な積層形態をとることが好ましい。
【0029】また、本発明の多層シートは、熱可塑性樹
脂および無機板状充填材からなるシートを少なくとも2
枚以上含む3枚以上のシートを積層してなる多層シート
であって、無機板状充填材の濃度分布が上記条件式を満
たす限り、各層のシートの組成の選択に特に制限はな
く、用いる熱可塑性樹脂においても、組成物が同じもの
を2枚以上選択しても、組成物が異なるものを2枚以上
選択してもよい。さらには、熱可塑性樹脂および無機板
状充填材からなるシートに、さらに無機板状充填材を含
まない熱可塑性樹脂からなるシートを1枚以上組み合わ
せて積層することも可能である。無機板状充填材を含ま
ない熱可塑性樹脂からなるシートを構成しうる熱可塑性
樹脂は上述したものと同様であり、また、その好ましい
組成も無機板状充填材を含有せしめない点以外は上述し
たものと同様である。
【0030】本発明において、多層シートを形成する単
層シートへの無機板状充填材の添加量は、上記条件式を
満たす限り、特に制限はないが、通常、熱可塑性樹脂の
合計100重量部に対して、2〜25重量部の範囲が好
ましく、なかでも4〜15重量部の範囲がより好ましく
用いられる。
【0031】本発明においては、積層時の金型接触面の
表面外観をより優れたものとするために、表面層に用い
られるシートの少なくとも一方がさらに離型剤を添加し
てなる熱可塑性樹脂組成物からなることが好ましく、ま
た表面層に用いられるシートのいずれもがさらに離型剤
を添加してなる熱可塑性樹脂組成物からなることがより
好ましい。
【0032】かかる離型剤の添加量は、表面層に用いら
れるシートを構成する熱可塑性樹脂組成物における熱可
塑性樹脂の合計量100重量部に対し、0.01〜5重
量部の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.
1〜2重量部の範囲である。添加量が少ないとカード製
造時に樹脂組成物が金属板や金型などに付着し表面外観
が悪化し、多すぎると樹脂組成物の熱安定性が悪くなる
ため好ましくない。
【0033】かかる離型剤としては、リン酸または亜リ
ン酸エステル類、高級脂肪酸モノエステル類、高級脂肪
酸もしくはその金属塩、エチレンビスアミド化合物およ
び低分子量ポリオレフィンなどが挙げられ、これらから
選ばれた少なくとも1種以上含むことが好ましい。離型
剤の中でもリン酸または亜リン酸エステル類、高級脂肪
酸モノエステル類、高級脂肪酸もしくはその金属塩およ
び低分子量ポリオレフィンなどが好ましく、特にリン酸
または亜リン酸エステル類が好ましい。
【0034】リン酸または亜リン酸エステル類として
は、リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジイソプロピル、
リン酸ジブチル、亜リン酸ジブチル、リン酸ジオクチ
ル、亜リン酸ジオクチル、リン酸ジ(メタ)アクリロイ
ルオキシエチル、亜リン酸ジ(メタ)アクリロイルオキ
シエチル、リン酸モノイソプロピル、亜リン酸モノイソ
プロピル、リン酸モノブチル、亜リン酸モノブチル、リ
ン酸モノオクチル、亜リン酸モノオクチル、リン酸モノ
(メタ)アクリロイルオキシエチルおよび亜リン酸モノ
(メタ)アクリロイルオキシエチルなどを挙げることが
でき、これらを混合して用いることも可能である。
【0035】また、本発明においては、金型接触面の表
面外観に優れ、かつシート製膜時の滑り性を付与し巻き
取り性を改良するため、表面層を構成する熱可塑性樹脂
組成物において、熱可塑性樹脂の合計量100重量部に
対して、さらに無機非板状充填材の少なくとも1種を添
加することが有効である。なお、シートとして透明性を
必要とする場合においては、表面層を構成する熱可塑性
樹脂の合計量100重量部に対して、無機非板状充填材
の少なくとも1種を0.2〜5重量部の範囲とすること
が好ましく、またより好ましくは0.5〜3重量部の範
囲である。
【0036】無機非板状充填材としては、粒状無機粒子
および繊維状無機粒子など粒子形状のものが挙げられる
が、中でも配合前の段階での平均粒子径が0.5〜50
μmの範囲の粒状無機粒子および平均繊維径が0.5〜
50μmの範囲の繊維状無機粒子が、表面外観に優れる
ことから好ましく用いられる。
【0037】かかる粒状無機粒子の平均粒子径は、アン
ドレアゼンピペット法による積重率50%時の粒子径を
遠心沈降式粒度分布測定装置で測定し求めることがで
き、繊維状無機粒子の平均繊維径は、電子顕微鏡による
拡大写真でサンプル数100個の平均粒子径を測定する
ことで求めることができる。
【0038】かかる粒状無機充填材の平均粒径および繊
維状無機充填材の平均繊維径は、配合後の段階で上記範
囲内となることが好ましく、かかる平均粒径および平均
繊維径は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を有機溶剤で処
理あるいは電気炉などで燃焼させて無機非板状充填材の
みを分離した後、得られる粒状無機充填材および繊維状
無機充填材について、電子顕微鏡による拡大写真でサン
プル数100個の粒子径または繊維径を測定し、それを
数平均することにより求めることができる。
【0039】上記粒状無機粒子の具体例としては、シリ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
塩基性炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリ
ウムおよびガラスビーズなどが挙げられ、これら無機粒
子は2種類以上併用してもよい。これらの中で特にシリ
カが好ましく、また表面層として透明性が要求される場
合には、シリカの中でも透明性の低下が比較的小さいこ
とから、結晶性のシリカがより好ましく用いられる。
【0040】また、上記繊維状無機粒子の具体例として
は、ワラステナイト、ベントナイト、アスベスト繊維、
石綿、セピオライト、チタン酸カリウムウィスカー、ホ
ウ酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、
ガラス繊維およびPAN系やピッチ系の炭素繊維などが
挙げられ、これら無機粒子は2種類以上併用してもよ
い。これらのなかで表面層として透明性を要求される場
合には、透明性の低下が比較的小さいことから、ワラス
テナイトが特に好ましく用いられる。
【0041】また、これらの無機非板状充填材は、イソ
シアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネ
ート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合
物などのカップリング剤で表面処理されていてもよい。
【0042】本発明において、多層シートを構成する単
層シートの製造方法は特に限定はなく、周知の方法で行
うことができる。その具体的な製造方法としては、単軸
あるいは二軸押出機を用いて各成分を均一に溶融混練
し、Tダイから吐出しシート形状に加工する方法、およ
び単軸あるいは二軸押出機を用いて各成分を均一に溶融
混練し、ペレタイズした後にプレス成形法などでシート
形状に加工する方法などが挙げられる。また、溶融混練
の際、あらかじめ特定成分のみ予備混練した後残りの成
分と混練するマスターバッチ化の方法を用いても良い。
【0043】本発明における多層シートの厚みは特に限
定されないが、全体で150μm〜5000μm、好ま
しくは全体で300μm〜1000μm、より好ましく
は600μm〜900μmの範囲の厚みが好んで用いら
れる。多層シートを形成する各単層シートの厚みは積層
する枚数と全体の厚み、装飾上の理由などによって適宜
決定されるが、表面層約50μm〜100μm、表面層
以外の層約100μm〜700μmの範囲のシートが好
んで用いられる。
【0044】単層シートから多層シートへ加工する方法
としては特に制限はなく、共押出法、加熱積層法および
ホットメルト法などの任意の周知の方法が用いられる
が、加熱積層法を用いる場合は、110〜170℃程度
の実用的な範囲で熱融着できるため好ましい。
【0045】また、単層シートの各層間には、必要に応
じて接着剤層やアンテナ回路などの層を設けても良い。
さらに、各層には印刷を施しても良く、また、磁性体を
塗布しても良い。かかる磁性層は、シート全面であって
もストライプ状などシートの一部分であっても良い。さ
らに該多層シートを得た後、表面に印刷やコートなどの
装飾を施すことももちろん可能である。
【0046】なお、本発明の多層シートの各層には、本
発明の目的を損なわない範囲でさらに他の各種の添加剤
を含有せしめることもできる。これら他の添加剤として
は、例えば、酸化防止剤(リン系、硫黄系など)、紫外
線吸収剤、熱安定剤(ヒンダードフェノール系など)、
滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、染料および顔
料を含む着色剤、難燃剤(ハロゲン系、リン系など)、
難燃助剤(三酸化アンチモンに代表されるアンチモン化
合物、酸化ジルコニウム、酸化モリブデンなど)、発泡
剤、架橋剤(例えば、多価のエポキシ化合物、イソシア
ネート化合物、酸無水物など)、および抗菌剤などが挙
げられる。また、他の合成樹脂(例えば、ポリアミド樹
脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹
脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体、フェノキシ樹脂、
エポキシ樹脂、およびシリコーン樹脂など)を含有せし
めることもできる。
【0047】上記多層シートは、例えば酸化チタンなど
の白色顔料を配合することにより不透明とすることがで
き、磁気カードやICカードなどの情報を記録し得るカ
ードに使用される場合は、通常多層シートの各成分の合
計100重量部に対し、酸化チタン2〜25重量部を加
えることにより、不透明にして使用に供することができ
る。
【0048】本発明におけるカードとは、本発明の多層
シートから切り出した長辺が10mm〜300mm、短
辺が10mm〜200mmの範囲の広がりを持つ長方形
形状(ここで長辺と短辺は同じ長さ、すなわち正方形で
あってもよい)の板状の成形品をいう。カードのより好
ましいものは、長辺が50mm〜100mm、短辺が2
5mm〜80mmの範囲の広がりを持つ長方形形状のも
のであり、なかでも長辺が約85mm、短辺が約54m
mの範囲の長方形形状で、厚みが600〜900μmの
範囲のものがより好ましい。
【0049】本発明におけるカードは、一般に情報を記
録し得るカードであり、特に電気的、光学的または磁気
的に読み出すことが可能および/または書き込むことが
可能な情報を記録できる機能を有するおよび/またはエ
ンボス加工により情報を記録し得るカードに好適であ
る。具体的には、接触型ICカード(スマートカー
ド)、ICチップおよびアンテナ回路がカード内に埋め
込まれた非接触型ICカード、磁気ストライプカードな
どの磁気カードおよび光カードなどが好ましい。用途と
しては、プリペイドカード、クレジットカード、バンキ
ングカードおよび各種証明用カードなどが挙げられる。
【0050】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに
説明する。 [実施例1〜17、比較例1〜10] 1)単層シートの作製 表1に記載の組成からなる原料を単軸スクリュー押出機
に供給し、Tダイから吐出し、厚み100μmおよび3
00μmのシートを得た。なお、無機板状充填材を用い
る際にはあらかじめ2軸押出機でポリエステルあるいは
ポリカーボネートと予備混練しマスターバッチ化したも
のを使用した。なお、材料は下記に示す材料を使用し
た。 A−1 :芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニア
リングプラスチックス(株)製“ユーピロン”S300
0)。PERKIN−ELMER社製DSC−7で20
℃/minの昇温下で測定したガラス転移温度は152
℃であった。 A−2−1:テレフタル酸単位と、エチレングリコール
単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位か
らなるポリエステルであって、かつエチレングリコール
単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位
(II)とのモル比(I)/(II)が、約70/30であ
るポリエステル(イーストマン・ケミカル社製“イース
ター”GN071)。PERKIN−ELMER社製D
SC−7で20℃/minの昇温下で測定したガラス転
移温度は73℃であった。 A−2−2:テレフタル酸単位と、エチレングリコール
単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位か
らなるポリエステルであって、かつエチレングリコール
単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位
(II)とのモル比(I)/(II)が、約35/65であ
るポリエステル(イーストマン・ケミカル社製“イース
ター”DN003)。PERKIN−ELMER社製D
SC−7で20℃/minの昇温下で測定したガラス転
移温度は78℃であった。 A−3−1:ABS樹脂。スチレン−アクリロニトリル
共重合体(共重合重量比=73/27)60重量%、お
よびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
(共重合重量比=13/50/37)40重量%の混合
物。PERKIN−ELMER社製DSC−7で20℃
/minの昇温下で測定してガラス転移温度は83℃で
あった。 B :タルク(平均粒径1.4μmのタルク、富
士タルク工業(株)製LMS−300) C :リン酸エステル類離型剤(AXEL製、
“モールドウィズ”INT−33UDK) D :ワラステナイト(NYCO製、“NYAD
G”平均繊維径40μmの繊維状無機粒子)
【0051】
【表1】 2)多層シートの作製 さらに、上記100μmおよび300μmの各シート
を、それぞれ表2に記載の構成で100/300/30
0/100μm(“/”は積層を表す)の順に重ねてプ
レス成形機に供し、温度130℃、圧力1MPa、保持
時間10分間の条件で熱融着させた後、温度23℃、圧
力1MPa、保持時間5分間の条件で冷却することによ
り、多層シートを得た。さらに同多層シートからカード
打ち抜き用金型を用いてプレス成形することにより、J
IS X6301準拠のカードを作製した。
【0052】また、配合後のタルクの平均粒子径、およ
びワラステナイトの平均繊維径は、上記シートを電気炉
で600℃、5時間燃焼させてタルクおよびワラステナ
イトのみを分離した後、電子顕微鏡による拡大写真でサ
ンプル数100個のタルクの平均粒子径(長径及び短径
の平均径を数平均したもの)およびワラステナイトの平
均繊維径を測定した。その結果、配合前後でのタルクの
平均粒子径およびワラステナイトの平均繊維径には実質
的な変化はみられなかった。 3)評価 そして、上記多層シートおよびカードについて、エンボ
ス加工性、刻印文字の観察および表面外観を評価した。
【0053】エンボス加工性の指標としては、上記カー
ドに手動式エンボッサー(日本字研社製NE−160
0)を用いてエンボス文字を3行にわたって刻印し、そ
の場合のカード反り量を、JIS X6301にしたが
って測定した。表2〜4中には無機充填材の入っていな
いカードの反り量を1としたときのカードの相対的な反
り量を示した。
【0054】刻印文字の評価は、エンボス加工時の刻印
文字部を実体顕微鏡で20倍に拡大し、文字部に亀裂の
みられないものを○、文字部に亀裂がみられるものを×
とした。
【0055】また、表面外観の評価は、上記多層シート
を熱融着させた後の表面を目視にて観察し、均一な表面
が得られるものを○、シミ状の欠点が見える場合を×と
し、さらに多層シートを10枚製作する際に、表面にシ
ミ状の欠点がみられた多層シートの枚数を測定した。
【0056】これらの評価結果を表2〜4に併記する。
【0057】また、表2〜4中、本特許請求項1に記載
された無機板状充填材濃度の条件式を満たす多層シート
は○、満たさないものは×で示した。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】 表2〜4の結果からは、本発明の多層シートおよびそれ
からなるカードは、エンボス加工性に優れると共に、刻
印文字や表面外観も良好であることがわかる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多層シー
トおよびそれからなるカードは、エンボス加工性に優れ
ると共に、刻印文字や表面外観も良好であることから、
磁気カードやICカードなどとして好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA06 HB01 HB04 HB09 MA12 MB01 MB02 MB08 4F100 AA00A AA00B AA00H AC10A AC10B AC10H AK01A AK01B AK12A AK12B AK12J AK27A AK27B AK27J AK41A AK41B AK45A AK45B AK74A AK74B AL02A AL02B BA02 BA10A BA10B BA11 BA16 BA43A BA43B CA30 GB71 JA05A JA05B JB16A JB16B JL01 YY00A YY00B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂および無機板状充填材から
    なる熱可塑性樹脂組成物からなるシートを少なくとも2
    枚以上含む3枚以上のシートを積層してなる多層シート
    において、多層シートの厚みを2Lとし、多層シートの
    厚み方向をx軸とし、x軸の原点を多層シートの中心と
    し、xにおける無機板状充填材の濃度をc(x)(重量
    %)としたとき、無機板状充填材の厚み方向の濃度の分
    布が、 【数1】 なる関係式を満たし、かつ多層シート全体の平均無機板
    状充填材濃度が3重量%以上となるような積層形態をと
    ることを特徴とする多層シート。
  2. 【請求項2】 前記無機板状充填材が、平均粒径0.5
    〜20μmのタルクおよびカオリンから選ばれた1種以
    上であることを特徴とする請求項1記載の多層シート。
  3. 【請求項3】 前記無機板状充填材が、平均粒径0.5
    〜20μmのタルクであることを特徴とする請求項1記
    載の多層シート。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度7
    0〜170℃の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項記載の多層シート。
  5. 【請求項5】 前記多層シートが、芳香族ポリカーボネ
    ートを含有するシートを1枚以上含む3枚以上のシート
    を積層してなる多層シートであることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項記載の多層シート。
  6. 【請求項6】 前記芳香族ポリカーボネートを含有する
    シートが、さらに非晶性ポリエステルより選ばれる1種
    または2種以上の熱可塑性樹脂を含有してなる熱可塑性
    樹脂組成物からなるシートであることを特徴とする請求
    項5記載の多層シート。
  7. 【請求項7】 前記芳香族ポリカーボネートを含有する
    シートが、さらにABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂お
    よびASA樹脂から選ばれる1種または2種以上の熱可
    塑性樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂組成物からなるシ
    ートであることを特徴とする請求項5記載の多層シー
    ト。
  8. 【請求項8】 前記多層シートの表面層に用いられるシ
    ートの少なくとも一方が、熱可塑性樹脂成分の合計量1
    00重量部に対し、さらに離型剤を0.01〜5重量部
    添加してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項記載の多層シート。
  9. 【請求項9】 前記多層シートの表面層に用いられるシ
    ートのいずれもが、熱可塑性樹脂成分の合計量100重
    量部に対し、さらに離型剤を0.01〜5重量部添加し
    てなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする請
    求項1〜7のいずれか1項記載の多層シート。
  10. 【請求項10】 前記多層シートの表面層に用いられる
    シートが、熱可塑性樹脂成分の合計量100重量部に対
    し、さらに無機非板状充填材を0.1〜10重量部添加
    してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする
    請求項8または9記載の多層シート。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    多層シートからなるカード。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194108A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd 加圧下で加熱積層されるabs系樹脂シートおよびその積層シートと製造方法。
WO2003095198A1 (en) * 2002-05-10 2003-11-20 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. A packaging laminate, a creasing roller, as well as a layer for use for a packaging laminate

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