JP2002096290A - ロール式切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カッターロールおよびアンビルロールの撓み
を防止して、良好な切れ味を維持できるロール式切断装
置を提供する。 【解決手段】 ハウジング５には、軸受７,８,９,１０
で回動自在にカッターロール３,アンビルロール４を取
り付けている。カッターロール３は、外周面に刃を有し
ている。このカッターロール３に対してアンビルロール
４が径方向から対向している。カッターロール３の両端
部のカッターロールベアラ３ａ,３ａと、アンビルロー
ル４の両端部のアンビルロールベアラ４ａ,４ａとが互
いに押し合っている。そのカッターロールベアラ３ａ,
３ａを、直押しロール２１,２１でアンビルロールベア
ラ４ａ,４ａに向けて直に押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高分子フィ
ルム,ポリエチレンシート,不織布等を切断するために使
用されるロール式切断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ロール式切断装置としては、図４
に示すように、カッターロール１０３,アンビルロール
１０４を軸受１０７,１０８,１０９,１１０でハウジン
グ１０５に回動自在に取り付けて、ハウジング１０５の
上部に設けた油圧シリンダー１０６,１０６で軸受１０
７,１０８を押圧するものがある。この油圧シリンダー
１０６,１０６の押圧により、カッターロール１０３を
アンビルロール１０４に押し付けている。上記カッター
ロール１０３の両端部のカッターロールベアラ１０３
ａ,１０３ａは、アンビルロール１０４の両端部のアン
ビルロールベアラ１０４ａ,１０４ａに摺接している。

【０００３】上記構成のロール式切断装置によれば、被
切断物を切断する時、カッターロール１０３と共にアン
ビルロール１０４を回転させて、カッターロール１０３
とアンビルロール１０４との間の間隙に被切断物を挿入
する。そうすると、上記カッターロール１０３がアンビ
ルロール１０４に押し付けられていることにより、カッ
ターロール１０３の外周面に設けられた刃(図示せず)が
被切断物を貫通して切断する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ロール
式切断装置では、油圧シリンダ１０６,１０６で軸受１
０７,１０８を押圧し、カッターロール１０３をアンビ
ルロールベアラ１０４ａ,１０４ａで支承しているた
め、カッターロール１０３に作用する曲げモーメントが
増大する。また、上記アンビルロールベアラ１０４ａ,
１０４ａで受ける圧力によって、アンビルロール１０４
に作用する曲げモーメントも増大してしまう。

【０００５】このように、上記カッターロール１０３,
アンビルロール１０４の曲げモーメントが増大した結
果、図５に示すように、カッターロール１０３とアンビ
ルロール１０４とが撓み、カッターロール１０３とアン
ビルロール１０４との間の間隙が大きくなって、カッタ
ーロール１０３の刃が被切断物に充分に押し付けられ
ず、切断不良が起こるという問題があった。

【０００６】そこで、本発明の課題は、カッターロール
およびアンビルロールの撓みを防止して、良好な切れ味
を維持できるロール式切断装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明のロール式切断装置は、外周面に刃
が設けられると共に、両端部にカッターロールベアラを
有するカッターロールと、上記カッターロールに対して
径方向から対向すると共に、上記カッターロールベアラ
と押し合うアンビルロールベアラを有するアンビルロー
ルと、上記カッターロールベアラを上記アンビルロール
ベアラに向けて直に押圧する直押しロールとを備えてい
る。

【０００８】上記請求項１のロール式切断装置によれ
ば、上記カッターロールとアンビルロールとの間の間隙
に被切断物を挿入すると、カッターロールの刃が被切断
物を貫通し、被切断物が切断される。このとき、上記カ
ッターロールの刃が被切断物を貫通するように、直押し
ロールがカッターロールベアラをアンビルロールベアラ
に向けて直に押圧している。つまり、上記直押しロール
は、カッターロールベアラの支持点の対向部を直接押圧
している。したがって、上記カッターロールにおいて曲
げモーメントが無くて、カッターロールが撓まず、カッ
ターロールとアンビルロールとの間の間隙が広がらない
ので、被切断物にカッターロールの刃を貫通させて、常
に被切断物を切断できる。その結果、切断不良が起こら
ず、良好な切れ味を維持できる。

【０００９】請求項２のロール式切断装置は、上記直押
しロールの軸方向の長さが上記カッターロールの軸方向
の長さと略同じである。

【００１０】上記請求項２のロール式切断装置によれ
ば、上記直押しロールの軸方向の長さが上記カッターロ
ールの軸方向の長さと略同じであるから、カッターロー
ルを安定して押圧できる。

【００１１】請求項３のロール式切断装置は、請求項１
のロール式切断装置において、上記アンビルロールベア
ラをバックアップするアシストロールを有する。

【００１２】上記請求項３のロール式切断装置によれ
ば、上記アシストロールはアンビルロールベアラをバッ
クアップするので、アンビルロールベアラの荷重点の対
向部をを直接支持することになって、アンビルロールに
おいて曲げモーメントが増大しない。したがって、上記
カッターロールとアンビルロールとの間の間隙が広がる
のを確実に防ぎ、良好な切れ味をより確実に維持でき
る。

【００１３】請求項４のロール式切断装置は、請求項１
のロール式切断装置において、上記アンビルロールの軸
方向の全体をバックアップするアシストロールを有す
る。

【００１４】上記請求項４のロール式切断装置によれ
ば、上記アシストロールはアンビルロールの軸方向の全
体をバックアップするので、アンビルロールに対する支
持力が大きくなって、アンビルロールの撓みをより確実
に防止できる。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施の一形態のロ
ール式切断装置の概略正面図を示している。このロール
式切断装置は、図１に示すように、ハウジング５と、ハ
ウジング５の上部に設けられた油圧シリンダー６,６
と、ハウジング５に軸受７,８,９,１０で回動自在に取
り付けられたカッターロール３,アンビルロール４と、
カッターロール３をアンビルロール４に向けて押圧する
直押し装置１,１と、アンビルロール４をバックアップ
するアシスト装置２,２とを備えている。

【００１６】上記カッターロール３は、アンビルロール
４に対して径方向から対向するように配置されている。
このカッターロール３の外周面には、図示しないが、被
切断物を切断する刃を設けている。また、上記カッター
ロール３の両端部に形成されたカッターロールベアラ３
ａ,３ａは、アンビルロール４の両端部に形成されたア
ンビルロールベアラ４ａ,４ａに摺接して、カッターロ
ールベアラ３ａ,３ａとアンビルロールベアラ４ａ,４ａ
とが互いに押し合っている。また、上記カッターロール
３,アンビルロール４の一端には、互いに歯合するギヤ
１１,１２を夫々取り付けている。

【００１７】上記直押し装置１,１は、カッターロール
ベアラ３ａ,３ａをアンビルロールベアラ４ａ,４ａに向
けて直に押圧する直押しロール２１,２１を有している
一方、アシスト装置２は、アンビルロールベアラ４ａ,
４ａをバックアップするアシストロール２２,２２を有
している。

【００１８】図２は上記ロール型切断装置の概略側面図
を示し、理解容易のために軸受７,９と、ギヤ１１,１２
と、ハウジング５の側部とを省略している。図２に示す
ように、上記直押し装置１,１は、２つの直押しロール
２１,２１を夫々有すると共に、アシスト装置２,２も、
２つのアシストロール２２,２２を夫々有している。

【００１９】上記構成のロール式切断装置を用いて例え
ば不織布を切断する場合、図示しない駆動部の動力を、
ギヤ１１,１２を介してカッターロール３,アンビルロー
ル４に伝達させて、カッターロール３と共にアンビルロ
ール４を回転させると共に、油圧シリンダー６,６から
の圧力を受けた直押し装置１,１がカッターロール３を
アンビルロール４に向けて押圧する。その状態で、上記
カッターロール３とアンビルロール４との間の間隙に例
えば不織布を挿入すると、不織布に食い込んだカッター
ロール３の刃が不織布を貫通して切断する。

【００２０】このとき、上記軸受７,８は押圧されてお
らず、直押しロール２１,２１がカッターロールベアラ
３ａ,３ａをアンビルロールベアラ４ａ,４ａに向けて直
に押圧している。つまり、上記軸受７,８を押圧せず、
かつ、カッターロールベアラ３ａ,３ａの支持点の対向
部のみを直押しロール２１,２１で直接押圧している。
したがって、上記カッターロール３において曲げモーメ
ントが増大せず、カッターロール３とアンビルロール４
との間の間隙が広がらないので、不織布にカッターロー
ル３の刃を貫通させて、常に不織布を切断できる。その
結果、切断不良が起こらず、良好な切れ味を維持でき
る。

【００２１】また、上記アンビルロール４はアンビルロ
ールベアラ４ａ,４ａで荷重を受けているが、アンビル
ロールベアラ４ａ,４ａをアシストロール２２,２２でバ
ックアップしているから、そのアンビルロールベアラ４
ａ,４ａの荷重点の対向部を直接支持することになっ
て、アンビルロール４の曲げモーメントが増大しない。
したがって、上記カッターロール３とアンビルロール４
との間の間隙がより広がりにくく、良好な切れ味をより
確実に維持できる。

【００２２】上記実施の形態では、被切断物が不織布で
あったが、例えば高分子フィルムやポリエチレンシート
等でもよい。

【００２３】また、上記実施の形態では、各直押し装置
１が２つの直押しロール２１,２１を有していたが、１
つまたは３つ以上の直押しロールを有してもよい。つま
り、上記直押し装置が有する直押しロールの数は、本実
施形態の数に限定されない。

【００２４】また、上記アシスト装置が有するアシスト
ロールの数も、本実施形態の数に限定されない。

【００２５】経済性の観点からは、直押しロールとアシ
ストロールの数は夫々２つが好ましい。

【００２６】また、上記実施の形態では、アンビルロー
ルベアラ４ａ,４ａをアシストロール２２,２２でバック
アップしていたが、アンビルロールベアラ４ａ,４ａと
アンビルロール４の中央部とをアシストロール２２でバ
ックアップしてもよい。

【００２７】また、上記実施形態では、直押し装置１,
１とアシスト装置２,２とを備えていたが、図３に示す
ような直押し装置３１とアシスト装置３２とを備えても
よい。上記直押し装置３１は、カッターロール３の軸方
向の長さと略同じ幅を有する直押しロール４１を一つ備
えている。一方、上記アシスト装置３２は、アンビルロ
ール４の軸方向の長さと略同じ幅を有するアシストロー
ル４２を一つ備えて、アンビルロール４の軸方向の略全
体をバックアップしている。この場合、上記アンビルロ
ール４の外周面およびアンビルロールベアラ４ａ,４
ａ、つまりアンビルロール４の軸方向の略全体をアシス
トロール４２でバックアップしているので、アンビルロ
ール４に対する支持力が大きくなって、アンビルロール
４の撓みをより確実に防止できる。

【００２８】また、上記直押しロール４１は、カッター
ロール３の軸方向の長さと略同じであって軸方向に長い
から、ぐらつきにくく、カッターロール３を安定して押
圧できる。

【００２９】上記直押しロール４１は、アンビルロール
４の軸方向の長さと略同じ幅であったが、アンビルロー
ル４の軸方向の長さと同じ幅でもよい。

【００３０】また、上記アシストロール４２はアンビル
ロール４の軸方向の略全体をバックアップしていたが、
アシストロール４２はアンビルロール４の軸方向の全体
をバックアップしてもよい。

【００３１】また、図１,図３に示すロール式切断装置
を、直押し装置１,３１が上側、かつ、アシスト装置２,
３２が下側になるように設置していたが、直押し装置が
下側、かつ、アシスト装置が上側になるように設置して
もよい。また、上記直押し装置が左側、かつ、アシスト
装置が右側になるようにロール式切断装置を設置しても
よい。要するに、上記ロール式切断装置の設置状態は特
に限定されない。

【００３２】

【発明の効果】以上より明らかなように、本発明のロー
ル式切断装置は、直押しロールでカッターロールベアラ
の支持点の対向部を直接押圧しているから、カッターロ
ールが撓まず、また、アシストロールでアンビルロール
の荷重点の対向部を直接支持しているから、アンビルロ
ールが撓まない。したがって、上記カッターロールとア
ンビルロールとの間の間隙が広がるのを確実に防いで、
カッターロールの刃を被切断物に確実に貫通させて、常
に被切断物を良好に切断できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本発明の実施の一形態のロール式切断
装置の概略正面図である。

【図２】 図２は上記ロール式切断装置の概略側面図で
ある。

【図３】 図３は他の実施の形態のロール式切断装置の
概略正面図である。

【図４】 図４は従来のロール式切断装置の概略正面図
である。

【図５】 図５は上記従来のロール式切断装置のカッタ
ーロール,アンビルロールに撓みが発生した状態を示す
図である。

【符号の説明】

３ カッターロール ４ アンビルロール ２１,４１ 直押しロール ２２,４２ アシストロール

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周面に刃が設けられると共に、両端部
   にカッターロールベアラを有するカッターロールと、 上記カッターロールに対して径方向から対向すると共
   に、上記カッターロールベアラと押し合うアンビルロー
   ルベアラを有するアンビルロールと、 上記カッターロールベアラを上記アンビルロールベアラ
   に向けて直に押圧する直押しロールとを備えるロール式
   切断装置。
2. 【請求項２】 上記直押しロールの軸方向の長さが上記
   カッターロールの軸方向の長さと略同じである請求項１
   のロール式切断装置。
3. 【請求項３】 上記アンビルロールベアラをバックアッ
   プするアシストロールを有する請求項１または２のロー
   ル式切断装置。
4. 【請求項４】 上記アンビルロールの軸方向の全体をバ
   ックアップするアシストロールを有する請求項１または
   ２のロール式切断装置。