JP2002095563A - 鏡及び鏡への画像形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 画像が不用意に消えるようなことなくしかも
画像を明瞭に表示することの出来る鏡および鏡への画像
成形方法を提供する。 【解決手段】 透明板２の裏面に反射層３を設けた鏡１
において、反射層の裏面に着色層４を形成すると共に、
レーザ光ＬＢを透明板を通して反射層に照射することに
より、反射層に所定の画像が表示された透孔部６を形成
して、前記着色層の一部が前記透孔部を介して透明板側
に露呈するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、文字、数字、記号
あるいは図形等の各種の画像を鏡面に表示した鏡および
鏡への画像成形方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に鏡は、透明なガラス等から形成さ
れた透明板の裏面に、銀等の反射層を蒸着により設けて
成る。

【０００３】ところで、鏡の表面に、例えば会社名や商
標あるいは宣伝用の図形などを表示するのに従来では、
透明板の表面に所望の画像をエッチング、彫刻、刻印あ
るいは印刷等により形成する方法が採用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
鏡にあっては、透明板の表面に画像が刻設若しくは印刷
されるので、鏡全体の質感が劣るし、また印刷による画
像の形成方法では、長年の使用に伴って、画像が不用意
に消えたり傷付くなどの不具合がある。

【０００５】以上の不具合に対しては、例えば特開平５
−２８６７３１号公報に示されるように、レーザ光によ
り反射層の表面を荒らすことで、反射層の表面に所定の
画像を形成した鏡が提案されている。

【０００６】しかしながら、前述の公報に示されている
鏡では、反射層の表面をレーザ光により部分的に荒らす
だけであるので、画像が明瞭に表示されず、外部からの
光の入射方向によっては、画像が見え難い問題がある。

【０００７】本発明は以上の実情に鑑みて開発されたも
のであり、目的とするところは、画像が不用意に消える
ようなことなくしかも画像を明瞭に表示することの出来
る鏡および鏡への画像成形方法を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項１に記載の発明は、透明板の裏面に反射層
を設けた鏡において、反射層の裏面に着色層を形成する
と共に、反射層に所定の画像が表示された透孔部を形成
して、前記着色層の一部が前記透孔部を介して透明板側
に露呈するようにしたのである。

【０００９】請求項２記載の発明は、請求項１に記載の
透孔部を、レーザ光を透明板を通して反射層に照射する
ことにより形成するようにしたのである。

【００１０】また請求項３に記載の鏡への画像形成方法
は、透明板の裏面に反射層を形成すると共に、反射層の
裏面に着色層を形成した後、レーザ光を前記透明板を通
して前記反射層に照射して、反射層に所定の画像を表示
する透孔部を形成するようにしたのである。

【００１１】更に請求項４に記載の鏡への画像成形方法
は、透明板の裏面に反射層を形成すると共に、レーザ光
を前記透明板を通して前記反射層に照射して、反射層に
所定の画像を表示する透孔部を形成した後、反射層の裏
面に着色層を形成するようにしたのである。

【００１２】

【実施の形態】まず、本発明に係る鏡の一実施形態を説
明する。

【００１３】本実施形態に示す鏡１は、化粧などに際し
て用いる携帯用のコンパクトに組み込まれるものであっ
て、平板状の透明ガラスから構成された正面視略正方形
の透明板２を備え、この透明板２の裏面には、銀材（Ａ
ｇ）からなる反射層３を蒸着により形成している。

【００１４】そして、この反射層３の裏面に着色層４を
形成すると共に、図に示す実施形態では、更に着色層４
の裏面に保護層５を形成している。

【００１５】着色層４は、所望の色彩のインク、即ち、
実施形態では赤色のエポキシ系インクを用いて、反射層
３の裏面全面にオフセット印刷により形成している。

【００１６】保護層５は、反射層３及び着色層４が傷つ
いたりあるいは透明板２から離脱するのを防止するため
のものであって、この保護層５は、例えばビニル系、ア
クリル系、あるいはウレタン系の塗料を着色層４の裏面
全面に塗布することにより形成している。

【００１７】また以上の構成からなる鏡において、反射
層３には、文字、記号、図形等の所定の画像が表示され
た透孔部６を形成して、着色層４の一部が透孔部６を介
して透明板２側に露呈するように構成している。

【００１８】次に以上の構造の鏡を製造する方法の一例
を説明する。

【００１９】まず透明板２の裏面に反射層３を蒸着によ
り形成すると共に、この反射層３の裏面に着色層４をオ
フセット印刷により形成する。

【００２０】続いて着色層４の裏面に塗料を塗布して、
保護層６を形成する。

【００２１】しかる後、ＹＡＧレーザ光を透明板２の表
面側からこの透明板２を通して反射層３に照射して、こ
のＹＡＧレーザ光ＬＢにより、反射層３の所望の位置に
文字、記号、図形等の所望の画像７に見合った透孔部６
を形成するのである。

【００２２】尚、以上の実施形態では、ＹＡＧレーザ光
を照射する装置として、波長が１．０６４μｍ程度のＹ
ＡＧレーザ光ＬＢを発生させるＹＡＧレーザ光発生装置
と、予め作成された画像データ等に基づいてＹＡＧレー
ザ光ＬＢをコントローラを介して制御するスキャニング
機構とを備えた既存のＹＡＧレーザマーカ装置を用いて
いる。

【００２３】斯くして以上のごとく作成された鏡１は、
反射層２に形成された透孔部６を介して着色層４が透明
板２側に露呈することとなり、従って、透明板２の表面
側には着色層４の色合い、即ち図に示す実施形態では赤
色で表現された所望の画像７が明瞭に現われるのであ
る、しかも以上のごとく赤色で表現された画像７は透明
板２と保護層５で覆われるので、長期間使用しても不用
意にその画像７が消えるような虞がない。

【００２４】また以上の実施形態では、鏡１自体を作成
した後、ＹＡＧレーザ光ＬＢにより透明板２を通して反
射層３に透孔部６を形成することで、画像７を形成して
いるので、例えば画像Ｄとしての氏名や会社名などを表
示した鏡を簡単に作成することが出来、贈答品として最
適である。

【００２５】以上の実施形態では、反射層３の裏面に着
色層４を形成した後、ＹＡＧレーザ光ＬＢを透明板２の
表面側からこの透明板２を通して反射層３に照射して、
このＹＡＧレーザ光ＬＢにより、反射層３の所望の位置
に文字、記号、図形等の所望の画像７に見合った透孔部
６を形成するようにしたが、これに限定されるものでは
なく、例えば透明板２の裏面に反射層３を形成すると共
に、レーザ光ＬＢを透明板２を通して反射層３に照射し
て、反射層３に所定の画像７を表す透孔部６を形成した
後、反射層３の裏面に着色層４を形成するようにしても
よく、この場合は、着色層４がレーザ光ＬＢの影響を受
けることがない。

【００２６】また以上の実施形態では、エポキシ系イン
クを用いて、反射層３の裏面全面に着色層４をオフセッ
ト印刷により形成したが、これに限定されるものではな
く、例えば油性インクを用いて、反射層３の裏面に着色
層４をスクリーン印刷により形成するようにしてもよ
い。

【００２７】また以上の実施形態では、赤色の着色層５
を形成したが、これに限定されるものではなく、いずれ
の色彩でもよく、また反射層３の裏面に複数の色が混在
する着色層５を形成してもよい。

【００２８】また以上の実施形態では、透明板２の素材
として透明ガラスを用いたが、これに限定されるもので
はなく、例えば透明の合成樹脂材を用いてもよい。

【００２９】また以上の実施形態では、着色層４の裏面
に保護層５を設けたが、この保護層５は必ずしも必要で
はない。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に記載の
発明によれば、反射層の裏面に着色層を形成すると共
に、反射層に所定の画像が表示された透孔部を形成し
て、前記着色層の一部が前記透孔部を介して透明板側に
露呈するようにしたことにより、透孔部を介して着色層
が透明板の表面側に露呈して、透明板の表面側に、着色
層の色合いで表現される所望の画像を明瞭に現わすこと
が出来るし、しかもその画像は透明板と保護層で覆われ
るので、長期間使用しても不用意にその画像が消えるこ
ともないのである。

【００３１】請求項２記載の発明によれば、請求項１に
記載の透孔部を、レーザ光を透明板を通して反射層に照
射することにより形成するようにしたことにより、請求
項１に記載の発明の効果に加え、鏡自体を作成した後、
レーザ光により透明板を通して反射層に透孔部を形成す
ることが出来、例えば会社名などの画像を表示した鏡を
簡単に作成することが可能である。

【００３２】また請求項３に記載の鏡への画像形成方法
によれば、透明板の裏面に反射層を形成すると共に、反
射層の裏面に着色層を形成した後、レーザ光を前記透明
板を通して前記反射層に照射して、反射層に所定の画像
を表示する透孔部を形成するようにしたことにより、鏡
自体の作成後に透孔部を形成することが出来て、明瞭な
画像を鏡に表示することが出来る。

【００３３】更に請求項４に記載の鏡への画像成形方法
によれば、透明板の裏面に反射層を形成すると共に、レ
ーザ光を前記透明板を通して前記反射層に照射して、反
射層に所定の画像を表示する透孔部を形成した後、反射
層の裏面に着色層を形成するようにしたことにより、着
色層がレーザ光の影響を受けることがないので、着色層
の色彩が不安定になることがなく、より一層明瞭な画像
を表示することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】透孔部を形成する前の本発明にかかる鏡の要部
の断面図。

【図２】透孔部を形成した後の本発明にかかる鏡の要部
の断面図。

【図３】本発明にかかる鏡の概略正面図。

【符号の説明】

１ 鏡 ２ 透明板 ３ 反射層 ４ 着色層 ５ 保護層 ６ 透孔部 ７ 画像 ＬＢ レーザ光

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透明板の裏面に反射層を設けた鏡におい
   て、 反射層の裏面に着色層を形成すると共に、反射層に所定
   の画像が表示された透孔部を形成して、前記着色層の一
   部が前記透孔部を介して透明板側に露呈するようにして
   いることを特徴とする鏡。
2. 【請求項２】透孔部が、レーザ光を透明板を通して反射
   層に照射することにより形成されている請求項１に記載
   の鏡。
3. 【請求項３】透明板の裏面に反射層を形成すると共に、
   反射層の裏面に着色層を形成した後、レーザ光を前記透
   明板を通して前記反射層に照射して、反射層に所定の画
   像を表示する透孔部を形成するようにしたことを特徴と
   する鏡への画像形成方法。
4. 【請求項４】透明板の裏面に反射層を形成すると共に、
   レーザ光を前記透明板を通して前記反射層に照射して、
   反射層に所定の画像を表示する透孔部を形成した後、反
   射層の裏面に着色層を形成するようにしたことを特徴と
   する鏡への画像形成方法。