JP2002093596A - 回転陽極型x線管のステータコイル駆動装置 - Google Patents

回転陽極型x線管のステータコイル駆動装置

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JP2002093596A
JP2002093596A JP2000280483A JP2000280483A JP2002093596A JP 2002093596 A JP2002093596 A JP 2002093596A JP 2000280483 A JP2000280483 A JP 2000280483A JP 2000280483 A JP2000280483 A JP 2000280483A JP 2002093596 A JP2002093596 A JP 2002093596A
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ray tube
stator coil
inverter circuit
driving device
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Fumio Ishiyama
文雄 石山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転陽極型X線管のロータ始動時には、その
回転立ち上がり時間が短縮され、ロータ制動時には、X
線管の不要な発熱を抑えその寿命を延長可能なステータ
コイル駆動装置を提供する。 【解決手段】 本発明に係るステータコイル駆動装置
は、スイッチング素子たるIGBT11a〜11f、こ
れらを駆動する駆動回路12a〜12f、そして駆動回
路12a〜12fに動作タイミング信号を送り前記IG
BT11a〜11fのスイッチングを制御する制御回路
13等を備えたインバータ回路110を備えている。回
転陽極に係合されたロータ9は、このインバータ回路1
10の出力により直接に制御される。したがって、ロー
タ回転駆動制御は、その回転速度・トルク特性に応じた
適切なものとなり得、結果その立ち上がり時間を短縮で
きる。またロータ9の制動時には、その回転エネルギが
変換された電気エネルギを回生電力蓄積コンデンサ14
に蓄えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、診断用X線装置等
に係り、特に当該装置の構成要素となる回転陽極型X線
管のステータコイル駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線発生装置におけるX線の発生は、例
えば、加熱されたフィラメントから放出される熱電子
を、高電圧を印加したカソード及びアノード間で加速さ
せ、これを前記アノードに衝突させることで実現されて
いる(制動X線の発生)。そして従来、前記アノードに
ついては、固定陽極型と回転陽極型と呼ばれる二類型が
提案されていた。
【0003】「固定陽極型」とは、前記アノードが固定
されたものであり、当該アノードに対する熱電子の衝突
が所定箇所に限局されたものとなるX線発生装置であ
る。したがって、これによれば大きなX線出力を得るこ
とが困難である。しかしながら、大出力を必要としない
場合等には実用上十分であるから、例えば歯科医が利用
する口腔付近撮影用の小型の装置等に搭載されている。
その代表的なものとしては、「Coolidge管」と
呼称されるもの等が知られている。
【0004】一方、「回転陽極型」とは、前記アノード
のある決められた箇所(衝撃点)に熱電子を衝突させる
とともに、当該アノードを所定の回転数により回転させ
ることで、電子衝撃面の移動を行い、その許容負荷を増
大させたX線発生装置である。したがって、これによれ
ば大きなX線出力を得ることができる。このようなX線
発生装置は、各種存在するX線を発生させる手段とし
て、いまや主流になっているといって過言でない。
【0005】ところで、上記回転陽極型においては、上
記アノード(回転陽極)の回転を実現するため、よく知
られたブラシレスモータの構成と同様に、ステータコイ
ルとロータ等からなる回転手段が採用される。すなわ
ち、ステータコイルの駆動位相等を制御することにより
ロータを回転させ、当該ロータに係合ないし接続された
前記アノードを回転させるのである。より詳しく、この
ような、いわゆる「回転陽極型X線管のステータコイル
駆動装置」としては、従来、例えば図8に示すような構
成を有するものが提案されている。
【0006】図8において、商用電源等の交流電源1か
ら入力された交流電圧は、整流平滑回路2で直流電圧に
変換される。整流平滑回路2から出力された直流電圧
は、インバータ回路3で再び交流電圧に変換される。こ
のとき、交流電圧の周波数は、後述のロータ9を「通常
回転」させるときは60Hz、「高速回転」させるとき
は180Hzに設定される。
【0007】インバータ回路3から出力される交流電圧
は、制御回路4の作用に基づいて、ステータコイルを駆
動する基本周波数よりも十分に高い10kHzないし2
0kHzの周波数でパルス幅変調がかけられ、出力の交
流電圧を擬似正弦波にするとともに、進相コンデンサ5
a及び5b及び進相コンデンサ切り替えリレー6を介し
て補助コイル8に印加される。補助コイル8に流れる電
流は、進相コンデンサ5a及び5bによって90度進み
位相となり、これによりロータ9が回転する。
【0008】ちなみに、上記のような進相コンデンサ5
a及び5bによる駆動(ないしは、補助コイル8に進み
位相の電流を流す制御)では、X線管の種類や回転速度
によって当該進相コンデンサ5a及び5bの容量を切り
替える必要がある。そして、この場合、複数の進相コン
デンサ5a及び5bは、上記進相コンデンサ切り替えリ
レー6等によって切り替えられて使用されることとな
る。
【0009】一方で、ロータ9の制動時には、インバー
タ回路3が直流電圧を出力し、ステータの主コイル7に
直流電圧を印加することで、ロータ9の回転エネルギは
熱として消費される。なお、このようにロータ9を制動
する理由は、高速回転と通常回転との間に存在する機械
的振動点(共振点)を短時間で通過するためである。こ
のような制動を実施しない場合には、X線管を破損する
虞がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなステータコイル駆動装置においては、次のような
二つの問題があった。すなわち第一に、ロータ9の立ち
上がり時間が長いという点である。これは、上記進相コ
ンデンサ5a及び5bの容量が、定常回転(通常回転又
は高速回転)時の特性に合わせて決められているため、
ロータ9の始動時においては、正確に90度位相差の電
流を流すことができないことに大きな原因がある。この
ようなロータ9の回転立ち上がり時間の遅延は、X線写
真撮影時、不必要なタイムラグを生むこととなる。ま
た、このタイムラグが極端に長いと、写真撮影のタイミ
ングを逃す等の不具合が生じる可能性もあった。
【0011】また第二に、ロータ9を高速回転させた
後、これを上述したように制動する場合には、上記駆動
装置では、ステータコイルに直流電流を流しているた
め、ロータ9の回転エネルギはロータ9で消費され、X
線管が発熱するという問題点があった。このようなX線
管の発熱は、ロータ9の回転機構に悪影響を及ぼし、ま
た、X線管の寿命を縮める原因にもなる。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、回転陽極型X線管の
ロータの回転立ち上がり時間を短縮するとともに、ロー
タ制動時の発熱を抑えることで、X線管の不要な発熱を
抑えその寿命を延長することが可能なステータコイル駆
動装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために以下の手段をとった。
【0014】すなわち、請求項1記載の回転陽極型X線
管ステータコイル装置は、直流電源に接続された三相の
インバータ回路と、該インバータ回路のスイッチング素
子を駆動する駆動回路と、前記インバータ回路のスイッ
チングタイミングを制御する制御回路と、X線管の回転
陽極に係合され前記インバータ回路の負荷たるステータ
コイルにより駆動されるロータとを備えた回転陽極型X
線管ステータコイル駆動装置であって、前記ロータの始
動時には、前記インバータ回路の動作周波数より得られ
る同期速度を、当該ロータの回転速度よりも高く設定す
ることを特徴とするものである。
【0015】また、請求項2記載の回転陽極型X線管ス
テータコイル装置は、請求項1記載の同装置と同様な構
成を備え、前記ロータの制御時には、前記インバータ回
路の動作周波数より得られる同期速度を、当該ロータの
回転速度よりも低く設定することを特徴とするものであ
る。
【0016】さらに、請求項3記載の回転陽極型X線管
ステータコイル装置は、請求項2記載の同装置におい
て、前記ロータの制動時、当該ロータの回転エネルギを
前記直流電源に回生することを特徴とする。
【0017】加えて、請求項4記載の回転陽極型X線管
ステータコイル装置は、請求項1乃至3のいずれかに記
載の同装置において、前記ロータが二以上備えられると
ともに、そのうちの一のロータについては主コイル及び
補助コイルが、他の一のロータについては三相巻線コイ
ルが、前記ステータコイルとして各々付設され、これら
の別に応じた位相差を有する出力電圧を得るため前記イ
ンバータ回路の出力態様を切り替える切替手段を備えた
ことを特徴とするものである。
【0018】最後に、請求項5記載の回転陽極型X線管
ステータコイル装置は、請求項1乃至4のいずれかに記
載の同装置において、前記直流電源として、交流電源を
有するX線高電圧装置のAC/DC変換回路により変換
された主インバータ用直流電源を利用することを特徴と
するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の第一の実施の
形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本第一
実施形態に係る回転陽極型X線管ステータコイル駆動装
置(以下、単に「ステータコイル駆動装置」と略す)S
Dの構成例を示す概要図である。なお、図1を初め、以
下の説明で参照する図面においては、図8に示した対象
と同一の対象を指し示す場合、図8におけるのと同一の
符合を使用することとする。
【0020】図1において、ステータコイル駆動装置S
Dは、ステータコイルを構成する主コイル7及び補助コ
イル8、そして、これら主・補助コイル7及び8の作用
により回転するロータ9を備えている。このロータ9に
は、すぐ後に述べる回転陽極100Aが係合される。こ
れらの構成及び該構成に基づく当該回路の作用は、図8
を参照して説明したのと略同様である。なお、図1にお
いては、直流電源Dが備えられているが、これは図8に
おける整流平滑回路2以降得られる直流電力と同視して
差し支えない。
【0021】上記回転陽極を含む回転陽極型X線管の構
成例は、例えば図2に示すようなものである。この図に
おいて、X線管100には、傘型の形状とされた回転陽
極100A及びカソード100Cが備えられている。こ
れら回転陽極100A及びカソード100C間には高電
圧の印加が可能となっている。また、これらのうち回転
陽極100Aは、図2に示すように、ベアリング101
に回転自在に支持された前記ロータ9に係合されてい
る。一方、本X線管100には、回転陽極100A及び
カソード100C間の空間に導入される熱電子を発生さ
せるため、図示しないフィラメントが備えられている。
【0022】このようなX線管100において、X線は
次のように発生する。すなわち、上記フィラメントから
放出された熱電子が、カソード100C及び回転陽極1
00A間に印加された高電圧により加速され、回転陽極
100Aの衝撃点Pに打ち込まれることにより、X線は
発生する(制動X線)。この際、上記回転陽極100A
は、図中矢印に示すように、傘の「柄」に該当するシャ
フト部102を軸として高速で回転し、上記衝撃点Pを
当該傘形状の「周囲」辺縁部において時々刻々移動さ
せ、また、熱の拡散を促す。これにより、大出力X線の
発生を達成することが可能となる。
【0023】なお、回転陽極100Aの回転は、上述し
たように、当該陽極100Aが、主コイル7及び補助コ
イル8の作用によって回転するロータ9とともに回転す
ることにより実現する。また、本第一実施形態において
は、回転陽極100Aを、「通常回転」及び「高速回
転」の二種の「定常状態」で動作(回転)させることを
想定する。
【0024】ちなみに、これら通常回転又は高速回転の
別が設けられるのは、X線発生装置の発展に伴う歴史的
な所産であり、本発明において本質的な意味を有さな
い。つまり、本発明においては上記の他、多段階の回転
速度変更が行い得るような構成としてもよいし、逆に、
回転速度の変更を行わない構成としてもよい。
【0025】さて本題に戻り、本第一実施形態に係る図
1が、従来例と異なるのは、図8との対比から明らかな
ように、当該図8の構成では、直流電圧を単に、上記し
た通常又は高速の二種の回転速度に応じた周波数(60
Hz又は180Hz)の交流電圧に変換させるためのイ
ンバータ回路3と進相コンデンサ5a及び5bを備えて
いたのに代えて、図1の構成では、スイッチング素子た
る絶縁ゲートバイポーラモードトランジスタ(以下、
「IGBT(Insulated Gate Bipo
lar mode Transistor)」と略す)11
a〜11fにより構成された三相ブリッジ回路となるイ
ンバータ回路110が備えられている点にある。ここ
に、「IGBT」とは、よく知られているように、パワ
ーMOS−FETとバイポーラトランジスタの構造を併
せ持つスイッチング素子である。なお、本発明において
は、上記IGBTの他、単なるMOS−FET等その他
種々のスイッチング素子を採用してよい。
【0026】上記インバータ回路110は、図1に示す
ように、上記直流電源Dに接続されている。また、IG
BT11a〜11fにはIGBTドライブ回路(駆動回
路)12a〜12fが接続され、また、これらIGBT
ドライブ回路12a〜12fには制御回路13が接続さ
れている。インバータ回路110中のIGBT11a〜
11fは、制御回路13が発する動作タイミング信号を
受けたIGBTドライブ回路12a〜12fにより、そ
れぞれ駆動(スイッチングタイミングが制御)される。
この際、制御回路13により、インバータ回路110全
体としての出力電圧と位相とが制御される。
【0027】すなわち図1においては、ステータの補助
コイル8に、主コイル7に対して90度位相の進んだ交
流電圧を印加するにあたり、これを従来のようにインバ
ータ回路3後段に備えられた進相コンデンサ5a及び5
bの作用によるのではなく、上記IGBT11a〜11
f等からなるインバータ回路110の制御された出力に
よって、直接に、進み位相の交流電圧を印加することに
なる。
【0028】なお、インバータ回路110の出力周波数
は、通常回転の定常時のとき60Hz、高速回転の定常
時とのき180Hzとされるが、IGBT11a〜11
fは、これらの周波数よりも十分高い周波数、例えば1
0kHzないし20kHzでスイッチング動作を行い、
パルス幅を変えることで(PWM(Pulse Width Modula
tion))、出力電圧を変化させる。
【0029】また、本第一実施形態に係る図1は、上記
IGBT11a〜11fの他、図8との対比から分かる
ように、回生電力蓄積コンデンサ14を備えている点で
異なる。この回生電力蓄積コンデンサ14は、回転陽極
10Aないしロータ9の制動時、当該ロータ9と上記主
コイル7及び補助コイル8との間で発生する起電力に基
づく電力を蓄えるために設けられている。この起電力の
発生は、通常のモータにあってもよく知られているよう
に、ロータの回転エネルギが電気エネルギに変換される
ことによるものである。
【0030】上記構成例となる本第一実施形態のステー
タコイル駆動装置SDの作用効果は、以下のようにな
る。
【0031】すなわちまず、ロータ9を回転させるため
には、上述したように、インバータ回路110の出力を
制御して、補助コイル8に対し、主コイル7から90度
位相の進んだ交流電圧を直接に印加する。ただ、本第一
実施形態においては、補助コイル8に対する電圧印加に
ついて、ロータ9に対する同期速度を徐々に上げていく
ような制御を実施する。
【0032】図3は、始動時におけるロータ9の回転速
度Nと同期速度Nsとの関係を表したものである。この
図に示すように、本第一実施形態においては、ロータの
回転速度Nよりも早い同期速度Nsでインバータ回路1
10を運転し、ロータ9の回転を引き上げるようにす
る。このようにすることで、ロータ9の回転トルクを大
きくとることができ、その回転立ち上がり時間を短縮す
ることができる。
【0033】このことをより詳細に、図4に示すロータ
9の回転速度とトルクとの一般的な関係を示すグラフを
用いて説明する。この図によれば、ロータ9の回転速度
NとトルクTとの関係ないし両者の特性は、一般に、最
大回転速度付近に極大点Kを有する曲線Zのようなもの
となる。したがって、同期速度Nsを、例えば図4に示
す原点Oから順次上昇させていくような制御を実施する
と、図4に併せて示すような回転速度・トルク特性曲線
Z1、Z2、…、Zが時々刻々実現されつつ、ロータ9
は次第にその回転を高めていくことになる。
【0034】つまり、同期速度Nsを、ロータ9のトル
クTが上記各特性曲線Z1、Z2、…、Zにおける極大
点K1、K2、…、Kに一致ないしは一致する直前又は
直後に上昇させていくような調整・制御を実施すれば、
ロータ9は、その都度都度の最大トルクで回転力が加え
られていくことになるから、回転速度を効率よく高めて
いくことが可能となる。図3に示した同期速度Nsとロ
ータ9の回転速度Nの関係は、いま述べたような背景を
有するものであり、また、ロータ9の立ち上がり時間が
短縮されるのは、このような事情に基づく。
【0035】一方、ロータ9の制動を実施する場合は、
ロータ9の回転速度Nと同期速度Nsとが、図5に示す
ような関係になるような制御を実施する。すなわち、同
期速度Nsを、回転速度Nよりも低くすることで、ロー
タ9の回転エネルギを電気エネルギとして直流電源に回
生する。この発生した電力は、図1に示した回生電力蓄
積コンデンサ14に蓄えられることになる。なお、ロー
タ9の回転が定常回転付近まで低下したならば、インバ
ータ回路110の動作を停止させロータ9を空転させ
る。
【0036】このように本第一実施形態によれば、補助
コイル8に流れる電流の位相差を、従来のように進相コ
ンデンサによらず、インバータ回路110で直接発生さ
せるため、ロータ9の回転が定常値に達する途上におい
ても、確実な位相差の電流を供給することが可能とな
り、トルク低下が起こらず始動特性を改善できる。
【0037】また、ロータ9の制動時には、その回転エ
ネルギが電気エネルギに変換されて回生電力蓄積コンデ
ンサ14に蓄えられることにより、省エネルギ効果が得
られるとともに、従来のように、X線管100の発熱に
より損傷させるおそれがない。
【0038】以下では、本発明の第二の実施形態につい
て説明する。図6は、本第二実施形態に係る構成例を示
す概要図である。この図において、上記第一実施形態と
異なるのは、三相交流電源15、整流回路16、平滑コ
ンデンサ17a〜17n、主インバータ18等を備えた
X線高電圧装置が示されている点にある。なお、これら
三相交流電源15、整流回路16及び平滑コンデンサ1
7a〜17nは、図8における交流電源1及び整流平滑
回路2とその作用を同様とするものである。また、これ
ら三者は、本発明にいう「AC/DC変換回路」に該当
する。
【0039】すなわち、図6は、図1に示したステータ
コイル駆動装置SDにおける直流電源Dとして、X線高
電圧装置の主インバータ18用直流電源を使用する具体
例を示したものである。
【0040】ここでは、図6に示される主インバータ1
8以降の構成について若干説明しておく。主インバータ
回路18は、電力制御回路181のa信号により動作を
開始し、整流回路16及び平滑コンデンサ17a〜17
nを経て入力された直流電圧を、交流電圧に変換する。
この交流電圧は、高電圧トランス182の一次巻線に入
力される。高電圧トランス182で昇圧された交流電圧
は、二次巻線から出力され、高圧整流回路183a及び
183bにより整流されて高圧の直流電圧となる。この
とき、高圧整流回路183a側にはプラスの高圧が、ま
た、高圧整流回路183b側にはマイナスの高圧が得ら
れる。そして、この直流電圧は、高圧ケーブルの浮遊容
量184a及び184bにより平滑化され、上記したX
線管100の回転陽極100Aとカソード100Cに印
加される。
【0041】一方、電力制御回路181のb信号により
フィラメント加熱回路185が作動すると、該回路18
5は交流電圧を発生し、フィラメントトランス186の
一次巻線を励磁する。フィラメントトランス186に電
流が流れると、フィラメントから熱電子が放出される。
以下は、上述したように、この熱電子がX線管100に
おける回転陽極100Aとカソード100C間で加速さ
れ、該回転陽極100Aに衝突することで、制動X線が
発生する。
【0042】このような構成によれば、次のような効果
が得られる。すなわち、ロータ9の制動時は、上記第一
実施形態で述べたように、その回転エネルギを直流電源
に回生するため、上記回生電力蓄積コンデンサ14の容
量が少ないと、当該コンデンサ14の端子電圧が回生電
流により上昇し、許容電圧を超えてしまうおそれがあ
る。これを回避するには、別途、放電回路等を設けなけ
ればならない。
【0043】この点、本第二実施形態のように、直流電
源として、非常に大きな容量を有する平滑コンデンサ1
7a〜17nを備えたX線高電圧装置の主インバータ1
8用直流電源を、ステータコイルの駆動装置SDの直流
電源として兼ねることで、上記放電回路等を設けなくて
も、回生した電力を吸収することができる。つまり、平
滑コンデンサ17a〜17nが、図1における回生電力
蓄積コンデンサ14に相当する作用を発揮することにな
る。さらに、直流電源回路を主インバータ18回路と兼
用することで、回路が簡素化されるとともに、回生した
エネルギをX線発生エネルギとして再利用することも可
能になる。
【0044】以下では、本発明の第三の実施形態につい
て説明する。本第三実施形態は、図7に示すように、動
作モード切り替えスイッチ21をステータコイル駆動装
置SDに接続し、出力動作モードを切り替えられるよう
にしたものである。
【0045】動作モード切り替えスイッチ21がOFF
の場合には、90度位相差の交流電圧を発生するモード
で動作する。この場合は、補助コイル8に印加する電圧
を、主コイル7に対して位相を90度進める。
【0046】また、動作モード切り替えスイッチ21を
ONにすると、三相巻線ステータコイル24、25及び
26を備えたX線管のロータ9を回転させることができ
る。三相巻線コイル24、25及び26を駆動する場合
には、U、V、W相の順に120度ずつ位相のずれた交
流電圧を発生させる。なお、三相巻線コイル24、25
及び26の結線は、図のようなデルタ配線でも、また、
スター配線でもよい。
【0047】このような構成例となるステータコイル駆
動装置SDを利用すれば、特に、多機能X線装置につい
て効果的である。ここに、多機能X線装置とは、例えば
一つのシステムで、血管造影を行う循環器診断と、骨折
部位等の撮影を行う一般診断との両機能が実現できるX
線装置等を想定している。そして、このような場合にお
いては、高出力用X線管又は低出力用X線管、というよ
うにX線管が二つ以上設けられる場合があり、また、前
者の高出力用X線管に対しては、大電力の供給が容易で
ある等の理由から、そのロータ9を回転させるための機
構としては三相装置によるのが好ましい。
【0048】ここまで述べたことから明らかなように、
本第三実施形態におけるステータコイル駆動装置によれ
ば、上記高出力用X線管に対しては、スイッチ21をO
Nにし、低出力用X線管に対してはスイッチ21をOF
Fとするような構成ないし制御を実現すれば、より適切
な制御となることが明らかである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のステータ
コイル駆動装置によれば、ステータコイルをスイッチン
グ素子から構成されたインバータ回路により直接に駆動
・制御することにより、ロータの立ち上がり時間を短縮
できるとともに、ロータ制動時の発熱を抑えることがで
き、結果、X線管の寿命を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態に係るステータコイ
ル駆動装置の構成例を示す概要図である。
【図2】 回転陽極型X線管の構成例を示す概要図であ
る。
【図3】 始動時におけるロータの回転速度Nと同期速
度Nsとの関係を示すグラフである。
【図4】 ロータの回転速度とそのトルクとの一般的な
関係を示すグラフである。
【図5】 制動時におけるロータの回転速度Nと同期速
度Nsとの関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の第二実施形態に係るステータコイル
駆動装置の構成例を示す概要図である。
【図7】 本発明の第三実施形態に係るステータコイル
駆動装置の構成例を示す概要図である。
【図8】 従来のステータコイル駆動装置の構成例を示
す概要図である。
【符号の説明】
1 交流電源 2 整流平滑回路 3 インバータ回路 4 制御回路 5a及び5b 進相コンデンサ 6 進相コンデンサ切り替えリレー 7 主コイル 8 補助コイル 9 ロータ SD 回転陽極型X線管ステータコイル駆動装置 D 直流電源 110 インバータ回路 11a〜11f 絶縁ゲートバイポーラモードトランジ
スタ(IGBT) 12a〜12f IGBTドライブ回路(駆動回路) 13 制御回路 14 回生電力蓄積コンデンサ 15 三相交流電源 16 整流回路 17a〜17n 平滑コンデンサ 18 主インバータ 21 動作モード切り替えスイッチ 24、25及び26 三相巻線ステータコイル 100 X線管 100A 回転陽極 100C カソード 101 ベアリング 102 シャフト部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源に接続された三相のインバータ
    回路と、該インバータ回路のスイッチング素子を駆動す
    る駆動回路と、前記インバータ回路のスイッチングタイ
    ミングを制御する制御回路と、X線管の回転陽極に係合
    され前記インバータ回路の負荷たるステータコイルによ
    り駆動されるロータとを備えた回転陽極型X線管ステー
    タコイル駆動装置であって、 前記ロータの始動時には、前記インバータ回路の動作周
    波数より得られる同期速度を、当該ロータの回転速度よ
    りも高く設定することを特徴とする回転陽極型X線管ス
    テータコイル駆動装置。
  2. 【請求項2】 直流電源に接続された三相のインバータ
    回路と、該インバータ回路のスイッチング素子を駆動す
    る駆動回路と、前記インバータ回路のスイッチングタイ
    ミングを制御する制御回路と、X線管の回転陽極に係合
    され前記インバータ回路の負荷たるステータコイルによ
    り駆動されるロータとを備えた回転陽極型X線管ステー
    タコイル駆動装置であって、 前記ロータの制御時には、前記インバータ回路の動作周
    波数より得られる同期速度を、当該ロータの回転速度よ
    りも低く設定することを特徴とする回転陽極型X線管の
    ステータコイル駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記ロータの制動時、当該ロータの回転
    エネルギを前記直流電源に回生することを特徴とする請
    求項2記載の回転陽極型X線管のステータコイル駆動装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ロータが二以上備えられるととも
    に、そのうちの一のロータについては主コイル及び補助
    コイルが、他の一のロータについては三相巻線コイル
    が、前記ステータコイルとして各々付設され、 これらの別に応じた位相差を有する出力電圧を得るため
    前記インバータ回路の出力態様を切り替える切替手段を
    備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の回転陽極型X線管のステータコイル駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記直流電源として、交流電源を有する
    X線高電圧装置のAC/DC変換回路により変換された
    主インバータ用直流電源を利用することを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載の回転陽極型X線管のス
    テータコイル駆動装置。
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