JP2002093355A - X線管ターゲットおよびその製造方法 - Google Patents
X線管ターゲットおよびその製造方法Info
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Abstract
向上させる。 【解決手段】 金属材料からなる基台10とターゲット
層12の間に熱拡散層11を形成して、電子の衝突によ
りターゲット層に発生した熱をこの熱拡散層11で拡散
して伝導する。微少面積(焦点)の電子の照射によって
ターゲット層12の局所に発生した熱も熱拡散層11で
拡散されることにより基台10の一部に滞留することが
なくなり、迅速な冷却が可能となる。熱拡散層11は、
少なくとも基台を形成する金属材料よりも熱伝導率の高
い超硬材料か、または少なくとも基台を形成する金属材
料よりも熱伝導率の高い粒状または粉状の超硬材料を含
む熱拡散材料で構成することが好ましい。
Description
された電子の衝突に応じてX線を発生するX線管ターゲ
ットとその製造方法に関する。
する各種X線利用装置のX線源に用いられるX線管は、
電子銃に対向してX線管ターゲット(対陰極)を配置
し、電子銃から発射された電子をX線管ターゲットの表
面に衝突させることにより、該X線管ターゲットの表面
からX線を発生させる構造となっている。
図である。同図に示すX線管ターゲットは、基台40が
軸Oを中心に高速回転する回転ターゲットと称する構造
のものであり、基台40の表面に電子の衝突に応じてX
線を発生するターゲット層41が形成されている。
同層41は発熱する。電子銃の出力を上げればターゲッ
ト層41から発生するX線量も増大して高い強度のX線
を得られるが、それに伴いターゲット層41の発熱量も
上昇する。そして、ターゲット層41の温度が同層41
を形成する金属材料の融点を超えた場合には、同層41
が溶融してX線管ターゲットの損壊につながる。したが
って、高い強度のX線を発生させるためには、ターゲッ
ト層41を効率的に冷却することが必要となる。
合金や銀合金等の熱伝導率の良好な金属材料で形成する
とともに、基台40の裏面側に配管42,43を介して
冷却水を循環させることにより、電子の衝突時に発生す
る熱を吸収してターゲット層41を冷却するようにして
いた。
出力で高密度の電子をターゲット層に集中して照射する
ために、その焦点は微小面積に設定されている。例え
ば、X線回折装置のX線源に用いられるX線管では、
0.5mm×10mmまたは0.1mm×1mmといっ
た微小焦点の電子銃が一般に用いられている。そのた
め、ターゲット層41は局所的に電子が衝突して高熱を
発生する。このように局所的に発生した熱は、基台40
の内部に滞留し易く、冷却された基台40の裏面側まで
迅速に伝わっていかないという問題があった。本発明は
このような事情に鑑みてなされたもので、ターゲット層
で発生した熱の冷却効率を向上させることにより、いっ
そう高強度のX線を取り出し可能とすることを目的とす
る。
に、本発明は、金属材料からなる基台にターゲット層を
設けたX線管ターゲットにおいて、電子の衝突によりタ
ーゲット層に発生した熱を拡散する熱拡散層を形成した
ことを特徴とする(請求項1)。
ーゲット層の局所に発生した熱も熱拡散層により拡散さ
れて基台の一部に滞留することがなくなり、迅速な冷却
が可能となる。
属材料よりも熱伝導率の高い超硬材料か、または少なく
とも基台を形成する金属材料よりも熱伝導率の高い粒状
または粉状の超硬材料を含む熱拡散材料で構成すること
が好ましい(請求項2,4)。
金等の熱伝導率の高い金属材料が用いられるが、超硬材
料の中にはこれらの金属材料よりもさらに熱伝導率の高
いものが存在する。例えば、ダイヤモンド、ダイヤモン
ドライクカーボン(DLC)、キュービックボロンナイ
トライド(CBN)は極めて熱伝導率が高く、本発明の
熱拡散層を形成する材料として好適である(請求項3,
5)。
は、化学的気相成長法(CVD)等の薄膜形成法をもっ
て成膜することができる。また、キュービックボロンナ
イトライドは、粒状または紛状の形態で提供される。な
お、上述した超硬材料と同等の熱伝導率および硬度を有
する超硬材料であれば、本発明の熱拡散層に適用するこ
とができることは勿論である。
の第1乃至第4の方法により製造することができる。す
なわち、第1の方法は、ターゲット層を形成する金属材
料の表面に、超硬材料の薄膜を気相合成して熱拡散層を
形成する工程と、熱拡散層の裏面を基台に接合する工程
と、を含む製造方法である(請求項6)。
属材料の裏面に熱拡散材料を配置し、これら各材料を加
熱圧縮することにより一体化するとともに熱拡散材料を
固める工程と、この工程により一体化した材料を、ター
ゲット層を外側にして基台へ接合する工程と、を含む製
造方法である(請求項7)。
外側に熱拡散材料を配置し、これら各材料を加熱圧縮す
ることにより一体化するとともに熱拡散材料を固める工
程と、この工程により一体化した材料の外側にターゲッ
ト層を形成する金属材料を配置し、それら各材料を加熱
圧縮することにより一体化する工程と、を含む製造方法
である(請求項8)。
外側に熱拡散材料を配置し、かつ熱拡散材料の外側にタ
ーゲット層を形成する金属材料を配置し、それら各材料
を加熱圧縮することにより一体化するとともに熱拡散材
料を固める工程を含む製造方法である(請求項9)。
いて図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実
施形態に係るX線管ターゲットの構成例を示す部分断面
図である。X線管ターゲットは、いわゆる回転ターゲッ
トまたは固定ターゲットの形態に構成され、基台10の
一部に熱拡散層11を介してターゲット層12が接合さ
れている。基台10は、熱伝導率の高い金属材料、例え
ば、銅合金や銀合金で形成してある。ターゲット層12
は、電子の衝突によりX線を発生させるモリブデン、ク
ロム、タングステン、金、銀、銅、鉄等の金属材料で形
成してある。
に接しており、電子が衝突したときターゲット層12に
発生する熱を拡散する機能を有している。図1(a)
(b)に示す構成では、ダイヤモンド等の熱伝導率の高
い超硬材料からなる薄膜によって熱拡散層11を形成し
てある。一方、図1(c)(d)に示す構成では、ダイ
ヤモンド等の熱伝導率の高い超硬材料の粒体または粉体
を含む層によって熱拡散層11を形成してある。また、
図1(a)(c)に示す構成は、熱拡散層11を基台1
0とターゲット層12の間に挟み込んであり、図1
(b)(d)に示す構成では、ターゲット層12の裏面
に熱拡散層11を形成するとともに、熱拡散層11の周
縁部を基台10に接合してある。
ゲットの第1の製造方法を示す工程図である。同図に示
す製造方法では、ターゲット層12を形成する板状の金
属材料12aの表面に、超硬材料の薄膜を気相合成して
熱拡散層11を形成し(同図(a))、この熱拡散層1
1の裏面を基台10に接合している(同図(b))。
は、各種の化学的気相成長法(CVD)が適用できる。
この種の気相合成により得られる超硬材料の薄膜として
は、例えばダイヤモンド薄膜やダイヤモンドライクカー
ボン(DLC)がある。これらの超硬材料からなる薄膜
は、熱伝導率が極めて高く、優れた熱拡散性能を示す。
なお、ダイヤモンドの気相合成は、30〜200Tor
rの高ガス圧で温度800〜900°Cの雰囲気下で行
われる。したがって、高ガス圧下でのプラズマ発生制御
や不純物の混入抑制、基板材料となるターゲット層12
を形成する金属材料12aの耐熱性等に考慮が必要であ
る。
トの形態をした基台10に、加熱圧縮やろう付け等の手
法をもってターゲット層12を接合している。なお、加
熱圧縮をもって基台10へ接合する場合には、接合され
る熱拡散層11の裏面に接合剤としてのチタンをメッキ
または蒸着を施しておくことが好ましい。
ゲットの第2の製造方法を示す工程図である。同図に示
す製造方法は、ターゲット層12を形成する金属材料1
2aの裏面に熱拡散材料11aを配置して加熱圧縮する
工程(同図(a))と、この加熱圧縮工程によって得ら
れた塊からターゲット層12と熱拡散層11の積層体1
3を切り出す工程(同図(b))と、切り出した積層体
13を基台10へ接合する工程(同図(c))とから構
成されている。
加圧に耐えうる鉄製の容器20の底部にターゲット層1
2を形成する板状の金属材料12aを配置し、その上に
熱拡散材料11aを充填する。熱拡散材料11aとして
は、ダイヤモンド粉を接合剤となる金属粉等と混合した
粉末材料が用いられる。接合剤となる金属粉としては、
チタン、銅、銀等があり、適宜の配合量でタイヤモンド
粉と混合する。
%)、Cu+Ag(50%)+Ti(1〜2%)、Ag
+Ti(2〜5%)の割合にそれぞれ混合した金属粉へ
直径5μm以下のダイヤモンド粉を、金属粉:ダイヤモ
ンド粉の割合を10:1、10:2の割合にそれぞれ混
合して各種の熱拡散材料11aを製作した。これらの熱
拡散材料11aを用いて後述する加熱圧縮を実施したと
ころ、いずれも好ましい冷却特性を有するX線管ターゲ
ットを製造することができた。
aと熱拡散材料11aを充填した後、容器20の開口部
を鉄製の蓋体21によって閉塞するとともに、蓋体21
と容器20を溶接して一体化する。蓋体21には、容器
20内部の空気を排気するための吸引口22が設けてあ
り、この吸引口22を図示しない真空ポンプに連通さ
せ、容器20の内部を真空びきする。これにより容器2
0の内部に存在していた空気を放出し、後に作用させる
圧力が容器20内部の金属材料12aおよび熱拡散材料
11aへ均一に伝わるようにする。
閉塞して真空ポンプから切り離し、容器20を加圧装置
の加圧室内に挿入配置する。加圧装置としては、内部に
加熱手段を有するホットプレス装置を用いる。一般にH
IP(熱間均等加圧装置)と称されているホットプレス装
置を利用すれば、容器20の周囲から充分な圧力を作用
させることができる。
図である。加圧室30内には、ヒータ31が設置してあ
り、コンピュータ制御によって加圧室30内を所望の一
定温度に保持することができる。加圧室30内の不純ガ
スは、排気管32を介して吸引除去することができ、一
方、N2ガス等の不活性ガスをガス供給管33を介して
加圧室30内に充填することができるようになってい
る。
の周囲から均等に圧力を加えるとともに、所定の温度に
加熱する。この加熱圧縮を適宜の時間継続することによ
り、熱拡散材料が焼結するとともに、熱拡散材料11a
とターゲット層12を形成する金属材料12aとが接合
して一体化する。
用によって金属材料12aおよび熱拡散材料11aと接
合してしまい一個の塊となる。そこで、この塊を機械加
工等によって切断または研削することにより、ターゲッ
ト層12と熱拡散層11の積層体13を切り出す(図3
(b))。熱拡散層11は、熱拡散材料11aが焼結し
て形成されたものである。
12と熱拡散層11の積層体13を、固定ターゲットの
形態をした基台10にろう付けする。このときターゲッ
ト層12を外側に配置し、熱拡散層11の裏面を基台1
0に接合する。以上の工程をもって、図3(c)に示す
ようなX線管ターゲットが完成する。
ゲットの第3の製造方法を示す工程図である。同図に示
す製造方法は、基台10を形成する金属材料10aの外
側に熱拡散材料11aを配置し、これら各材料10a,
11aを加熱圧縮することにより一体化するとともに熱
拡散材料11aを固める第1加熱圧縮工程(同図
(a))と、この第1加熱圧縮工程によって得られた塊
から熱拡散層11が形成された基台10を切り出す工程
(同図(b))と、該基台10における熱拡散層11の
外側にターゲット層12を形成する金属材料12aを配
置し加熱圧縮する第2加熱圧縮工程(同図(c))と、
この第2加熱圧縮工程によって得られた塊からターゲッ
ト層12および熱拡散層11が形成された基台10を切
り出す工程(同図(d))とから構成されている。
ず加圧に耐えうる鉄製の容器20の内部に基台10を形
成する円柱状の金属材料10aを配置し、この金属材料
と容器20の内周との間に、粉末状の熱拡散材料11a
を充填する。熱拡散材料11aは、図3に示した製造方
法で用いたものと同様である。
散材料11aとを容器20内に配置した後、容器20の
開口部を鉄製の蓋体21によって閉塞するとともに、蓋
体21と容器20を溶接して一体化する。蓋体21に
は、図3に示した製造方法と同じく容器20内部の空気
を排気するための吸引口22が設けてあり、この吸引口
22を図示しない真空ポンプに連通させ、容器20の内
部を真空びきする。
閉塞して真空ポンプから切り離し、容器20を加圧装置
の加圧室内に挿入配置する。加圧装置としては、図4に
示したようなHIPを用い、加圧室30内に容器20を
挿入配置した後、その周囲から均等に圧力を加えるとと
もに、所定の温度に加熱する。この加熱圧縮を適宜の時
間継続することにより、熱拡散材料11aが焼結すると
ともに、熱拡散材料11aと基台10を形成する金属材
料10aとが接合して一体化する。
用によって金属材料10aおよび熱拡散材料11aと接
合してしまい一個の塊となる。そこで、この塊を機械加
工等によって切断または研削することにより、熱拡散層
11が外周に形成された基台10を円柱形状に切り出す
(図5(b))。熱拡散層11は、熱拡散材料11aが
焼結して形成されたものである。
実施する。この工程では、熱拡散層11が形成された基
台10の外周に、ターゲット層12を形成する管状の金
属材料12aを配置するとともに、さらにこの金属材料
12aの外周に鉄製の環状部材14を外嵌する。ここ
で、ターゲット層12を形成する金属材料12aの内周
面には、接合剤としてのチタンを0.2μm程度の厚さ
でメッキまたは蒸着しておく。また、基台10と環状部
材14の間は、溶接して一体化しておく。
基台10、ターゲット層12を形成する管状の金属材料
12a、および鉄製の環状部材14を組み合わせた処理
対象を、加圧装置の加圧室内に挿入配置する。加圧装置
としては、第1加熱圧縮工程と同様、図4に示したよう
なHIPを用い、加圧室30内に処理対象を挿入配置し
た後、その周囲から均等に圧力を加えるとともに、所定
の温度に加熱する。この加熱圧縮を適宜の時間継続する
ことにより、接着剤としてのチタンが液相拡散して基台
10とターゲット層12を形成する管状の金属材料12
aとが接合される。
用によって基台10およびターゲット層12を形成する
管状の金属材料12aと接合してしまい一個の塊とな
る。そこで、この塊を機械加工等によって切断または研
削することにより、ターゲット層12および熱拡散層1
1が形成された基台10を切り出すとともに、その基台
10を回転ターゲットの形態に加工する(図5
(d))。このようにしてターゲット層12の裏面側に
熱拡散層11が形成されたX線管ターゲットが完成す
る。
ゲットの第4の製造方法を示す工程図である。上述した
第3の製造方法では、2回の加熱圧縮工程が必要となり
作業工数が多い。第4の製造方法ではこの点を改善し、
1回の加熱圧縮工程によりX線管ターゲットを製造でき
るようにしてある。
る金属材料10aの外側に一定の隙間をあけてターゲッ
ト層12を形成する環状の金属材料12aを配置すると
ともに、基台10を形成する金属材料10aとターゲッ
ト層12を形成する環状の金属材料12aとの隙間に、
熱拡散層11を形成する熱拡散材料11aを充填し、こ
れら各材料10a,11a,12aを加熱圧縮すること
により一体化するとともに熱拡散材料11aを固める加
熱圧縮工程(図6(a))と、この加熱圧縮工程によっ
て得られた塊からターゲット層12および熱拡散層11
が形成された基台10を切り出す工程(図6(b))と
から構成されている。
に耐えうる鉄製の容器20の内部に基台10を形成する
円柱状の金属材料10aを配置するとともに、その外周
に一定の隙間をあけてターゲット層12を形成する管状
の金属材料12aを配置する。そして、各金属材料12
aの隙間に、粉末状の熱拡散材料11aを充填する。熱
拡散材料11aは、図3に示した製造方法で用いたもの
と同様である。
1によって閉塞するとともに、蓋体21と容器20を溶
接して一体化する。蓋体21には、図3に示した製造方
法と同じく容器20内部の空気を排気するための吸引口
22が設けてあり、この吸引口22を図示しない真空ポ
ンプに連通させ、容器20の内部を真空びきする。
閉塞して真空ポンプから切り離し、容器20を加圧装置
の加圧室30内に挿入配置する。加圧装置としては、図
4に示したようなHIPを用い、加圧室30内に容器2
0を挿入配置した後、その周囲から均等に圧力を加える
とともに、所定の温度に加熱する。この加熱圧縮を適宜
の時間継続することにより、熱拡散材料11aが焼結す
るとともに、ターゲット層12を形成する金属材料12
aと熱拡散材料11a、および熱拡散材料11aと基台
10を形成する金属材料10aとが互いに接合して一体
化する。
用によって各金属材料10a,12aと接合してしまい
一個の塊となる。そこで、この塊を機械加工等によって
切断または研削することにより、ターゲット層12およ
び熱拡散層11が形成された基台10を切り出すととも
に、その基台10を回転ターゲットの形態に加工する
(図6(b))。熱拡散層11は、熱拡散材料11aが
焼結して形成されたものである。このようにしてターゲ
ット層12の裏面側に熱拡散層11が形成されたX線管
ターゲットが完成する。
ゲットの第5の製造方法を示す工程図である。この第5
の製造方法は、基台10を形成する円柱状をした金属材
料10aの外周面に、超硬材料の薄膜を気相合成して熱
拡散層11を形成する工程(同図(a))と、この熱拡
散層11が形成された基台10の外周にターゲット層1
2を形成する金属材料12aを加熱圧縮することにより
一体化する加熱圧縮工程(同図(b))と、この加熱圧
縮工程によって得られた塊からターゲット層12および
熱拡散層11が形成された基台10を切り出す工程(同
図(c))とから構成されている。
は、第1の製造方法と同様、各種の化学的気相成長法
(CVD)が適用でき、基台10を形成する金属材料1
0aを回転しながらその周面に熱拡散材料11aの薄膜
を均一に気相合成していく(図7(a))。
は、さらに接合剤としてのチタンをメッキまたは蒸着し
ておく。
内部に、熱拡散材料11aの薄膜を形成した基台10を
配置するとともに、その外周にターゲット層12を形成
する管状の金属材料12aを配置する。その後、容器2
0の開口部を鉄製の蓋体21によって閉塞するととも
に、蓋体21と容器20を溶接して一体化する。蓋体2
1には、図3に示した製造方法と同じく容器20内部の
空気を排気するための吸引口22が設けてあり、この吸
引口22を図示しない真空ポンプに連通させ、容器20
の内部を真空びきする。
閉塞して真空ポンプから切り離し、容器20を加圧装置
の加圧室内に挿入配置する。加圧装置としては、図4に
示したようなHIPを用い、加圧室30内に容器20を
挿入配置した後、その周囲から均等に圧力を加えるとと
もに、所定の温度に加熱する。この加熱圧縮を適宜の時
間継続することにより、ターゲット層12を形成する金
属材料12aが熱拡散材料11aの薄膜を形成した基台
10の外周面に接合して一体化する。
用によって接合してしまい一個の塊となる。そこで、こ
の塊を機械加工等によって切断または研削することによ
り、ターゲット層12および熱拡散層11が形成された
基台10を切り出すとともに、その基台10を回転ター
ゲットの形態に加工する(図7(c))。このようにし
てターゲット層12の裏面側に熱拡散層11が形成され
たX線管ターゲットが完成する。
れるものではなく、例えば、X線管ターゲットは任意の
形状に形成でき、製造方法についても適宜工程を組み替
えて実施することが可能である。
拡散層を形成したことにより、微少面積(焦点)の電子
の照射によってターゲット層の局所に発生した熱も熱拡
散層により拡散されて基台の一部に滞留することがなく
なる結果、冷却効率が向上していっそう高強度のX線が
取り出し可能となる。
成例を示す部分断面図である。
1の製造方法を示す工程図である。
2の製造方法を示す工程図である。
3の製造方法を示す工程図である。
4の製造方法を示す工程図である。
5の製造方法を示す工程図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 金属材料からなる基台にターゲット層が
設けられたX線管ターゲットにおいて、 電子の衝突により前記ターゲット層に発生した熱を拡散
する熱拡散層を形成したことを特徴とするX線管ターゲ
ット。 - 【請求項2】 請求項1記載のX線管ターゲットにおい
て、 前記熱拡散層は、少なくとも基台を形成する金属材料よ
りも熱伝導率の高い超硬材料からなることを特徴とする
X線管ターゲット。 - 【請求項3】 請求項2記載のX線管ターゲットにおい
て、 前記超硬材料は、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカ
ーボン、またはこれらの材料と同等の熱伝導率および硬
度を有する材料であることを特徴とするX線管ターゲッ
ト。 - 【請求項4】 請求項1記載のX線管ターゲットにおい
て、 前記熱拡散層は、少なくとも基台を形成する金属材料よ
りも熱伝導率の高い粒状または粉状の超硬材料を含む熱
拡散材料からなることを特徴とするX線管ターゲット。 - 【請求項5】 請求項4記載のX線管ターゲットにおい
て、 前記超硬材料は、ダイヤモンド、キュービックボロンナ
イトライド、またはこれらの材料と同等の熱伝導率およ
び硬度を有する材料であることを特徴とするX線管ター
ゲット。 - 【請求項6】 請求項2記載のX線管ターゲットの製造
方法であって、 ターゲット層を形成する金属材料の表面に、前記超硬材
料の薄膜を気相合成して熱拡散層を形成する工程と、 前記熱拡散層の裏面を基台に接合する工程と、 を含むX線管ターゲットの製造方法。 - 【請求項7】 請求項4記載のX線管ターゲットの製造
方法であって、 ターゲット層を形成する金属材料の裏面に前記熱拡散材
料を配置し、これら各材料を加熱圧縮することにより一
体化するとともに前記熱拡散材料を固める工程と、 前記工程により一体化した材料を、前記ターゲット層を
外側にして基台へ接合する工程と、 を含むX線管ターゲットの製造方法。 - 【請求項8】 請求項4記載のX線管ターゲットの製造
方法であって、 基台を形成する金属材料の外側に前記熱拡散材料を配置
し、これら各材料を加熱圧縮することにより一体化する
とともに前記熱拡散材料を固める工程と、 前記工程により一体化した材料の外側にターゲット層を
形成する金属材料を配置し、それら各材料を加熱圧縮す
ることにより一体化する工程と、 を含むX線管ターゲットの製造方法。 - 【請求項9】 請求項4記載のX線管ターゲットの製造
方法であって、 基台を形成する金属材料の外側に前記熱拡散材料を配置
し、かつ熱拡散材料の外側にターゲット層を形成する金
属材料を配置し、それら各材料を加熱圧縮することによ
り一体化するとともに前記熱拡散材料を固める工程を含
むX線管ターゲットの製造方法。
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