JP2002092781A - 交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装身具及び当該信号発信機構装備型車両 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］歩道のない道路の中央部を歩行中の高齢者、視
覚障害者、聴覚障害者等の交通弱者である歩行者の後方
等、周囲から自動車等の車両が接近する場合に、クラク
ションの鳴動あるいはヘッドライトの点滅あるいは該ラ
イトの輝度変化等の警報を与えても、当該歩行者が認識
乏しいことが原因で交通の支障になる場合がある。 ［解決手段］車両から発する不特定または特定の信号を
感知し、該信号を入力信号として一定の出力信号に変換
し、路上を歩行中の交通弱者に対して当該車両の接近を
報知する機能を保有する交通弱者用車両接近報知機能内
蔵型装身具。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】［発明の属する技術分野］本発明は歩道の
ない道路を歩行中の高齢者、視覚障害者、聴覚障害者等
の交通弱者に対して自動車等の車両接近を知らせる報知
機器に関する。

【０００２】［従来の状況］一般的に道路構造自体は中
央部分が平担かつ平滑であり、両側に移行するに従い傾
斜があり、特に前記の如き歩道のない道路においては、
さらに路肩あるいは縁辺部付近は側溝等の凹部や電信柱
が存在するため、交通弱者は恐怖心から歩行するに際し
て中央部分での歩行を志向する。

【０００３】また、前記道路構造自体以外にも該路肩、
該縁辺部付近には各種の廃棄物が散在していることが多
くみられる理由もあり、歩道のない道路においては畢
境、交通弱者は恐怖心から歩行するに際して中央部分で
の歩行を志向する。

【０００４】一方、前記の状況下において該交通弱者で
ある歩行者の後方等、周囲から自動車等の車両が接近す
る場合に、クラクションの鳴動あるいはヘッドライトの
点滅あるいは該ライトの輝度変化等の警報を与えても、
当該歩行者が認識不能であったり、該車両の運転手の周
辺住民への配慮による無警報かつ低速走行が原因で後続
車両が連なり交通渋滞が生じることもある。

【０００５】［発明が解決しようとする課題］前記の状
況下において、該交通弱者である歩行者に対して自動車
等の車両の接近を、該歩行者が視覚聴覚等を自ら鋭敏に
働かすことを要せずとも、本人に的確に報知する機器が
ないことが現状であり、かつ問題点であった。

【０００６】また、当該課題は、車両を利用した「ひっ
たくり被害」の防止にも連動することが明確になってき
ている。

【０００７】［課題解決のための手段］本発明は上記課
題を解決する下記の交通弱者用車両接近報知機能内蔵型
装身具及び当該信号発信機構装備型車両を提供するもの
である。

【０００８】（１） 車両から発する不特定または特定
の信号を感知し、該信号を入力信号として一定の出力信
号に変換し、路上を歩行中の交通弱者に対して当該車両
の接近を報知する機構を具有する交通弱者用車両接近報
知機能内蔵型装身具。

【０００９】（２） 上記不特定信号として車両から発
生するイグニッションノイズを感知して入力信号とする
交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装身具。

【００１０】（３） 上記不特定信号として車両から発
するクラクション音を感知して入力信号とする交通弱者
用車両接近報知機能内蔵型装身具。

【００１１】（４） 上記特定信号として車両から発信
する一定の超音波信号あるいは一定の赤外線信号あるい
は一定の電波信号を感知して入力信号とする交通弱者用
車両接近報知機能内蔵型装身具。

【００１２】（５） 上記に示した各種の入力信号を変
換し、出力信号として一定の機械振動あるいは一定の音
声あるいは一定のブザー音あるいは前記の複合信号とし
て報知する交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装身具。

【００１３】（６） 前記機能を作動するに際し、該装
身具を身体に装着することにより電源が投入され、該装
身具を身体より離脱することにより電源が切断される電
源投入切断機構。

【００１４】（７） ブレーキの作動時にランプ点灯用
等のために使用される電気信号を、一定の超音波信号あ
るいは一定の赤外線信号あるいは一定の電波信号に変換
し、該ブレーキ操作時に上記の特定信号として発信する
当該信号発信機構装備型車両。

【００１５】（８） ハンドルまたは手動操作可能範囲
内に操作ボタンを設け、該ボタンの操作により一定の超
音波信号あるいは一定の赤外線信号あるいは一定の電波
信号を発生せしめ、上記の特定信号として発信する当該
信号発信機構装備型車両。

【００１６】［発明の実施の形態］本発明の実施の形態
を実施例にもとづき図１乃至図７を参照して説明する。

【００１７】図１に示すような歩行者１と後続車両２の
位置関係の場面において、該歩行者が道路中央部分を歩
行中に該後続車両が接近する場合、一般的に当該後続車
両から警報４を与えるべくクラクションを鳴動させる。

【００１８】しかしながら該歩行者が高齢者あるいは視
覚障害者あるいは聴覚障害者等の交通弱者である場合、
前記クラクション音を感知し得ないことがある。当該場
面において該歩行者が前記クラクション音あるいは当該
車両からの別の警報を捉え、該警報を信号変換して報知
し、歩行者本人が十分認識、感知し得る機構を具有する
装身具３を身につける。

【００１９】捉える警報あるいは信号の種類と報知する
手段には多数の組み合わせが得られるが、ここではクラ
クション音を音声信号に変換して当該車両の接近を当該
歩行者に報知する事例をもって説明する。

【００２０】図２は接近する車両２の警報機８から発す
るクラクション音４を、該車両が接近している旨を音声
信号９に変換して当該歩行者本人に報知する機構を具有
するベルト状の交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装身
具３の模式図である。

【００２１】該装身具本体３は付属する装着ベルト１６
により、図１に模式的に示すごとく当該歩行者１に対し
て身につけられ、当該接近車両２からのクラクション音
４は該装身具に内蔵されたマイク５を通じ、さらに音声
合成回路１７により「クルマが近づいてきました。」等
の音声信号に変換され、さらにスピーカー７により当該
歩行者本人に本人が十分に知覚し得る音量の音声９にて
報知される。

【００２２】図３は本発明の交通弱者用車両接近報知機
能内蔵型装身具３の基本ブロック図で、クラクション音
４を感知してスピーカー７により音声９として報知する
までの一連の信号経路を示す。

【００２３】図４は図２における当該装身具のＡ−Ａ’
視の上部断面図で、前記音声合成回路１７及び電源部１
８は回路基板１０に搭載される。

【００２４】図５（Ａ）は図４におけるスピーカー７に
代えて圧電発音体１１により音声９として報知する場合
を示し、同図（Ｂ）は同じくイヤホン１２により音声９
として報知する場合を示す。

【００２５】図６は本発明の交通弱者用車両接近報知機
能内蔵型装身具で、かつ着脱時に当該機能の作動のため
の電源投入及び同切断機構を具有するベルト状の該装身
具の右上部からの概観模式図である。

【００２６】同図において該装身具の装着用ベルト１６
ａ及び１６ｂには、当該機能作動のための電源投入切断
用リード線１５ａ及び１５ｂが内蔵され、さらに該リー
ド線は前記装着用ベルトの先端に装備されたベルト着脱
器具１３ａ及び１３ｂに各付設された挿抜型スイッチ１
４ａ及び１４ｂに配線されている。

【００２７】前記の歩行者が必要に応じて該装身具３を
身につけ、装着用ベルト１６ａ及び１６ｂの先端部の着
脱器具１４ａ及び１４ｂを嵌着することにより電源が投
入され、当該機能が作動する。前記機能の不要時には、
該着脱器具を離脱させ電源を切断する。

【００２８】図７は歩道のない道路における交通弱者と
当該周囲の状況を、参考として示す模式図である。

【００２９】［発明の効果］以上の説明から明らかなよ
うに、本発明によれば、次の効果が得られる。

【００３０】（１） 交通弱者である歩行者の後方等、
周囲から自動車等の車両が接近する場合に、クラクショ
ンの鳴動あるいはヘッドライトの点滅あるいは該ライト
の輝度変化等の警報を与えた際に、当該歩行者の認識能
力が乏しい場合であっても、当該車両の接近をより強く
報知することが可能となる。

【００３１】（２） 前記の状況下において、該交通弱
者である歩行者に対して自動車等の車両の接近を、該歩
行者が視覚聴覚等を自ら鋭敏に働かすことを要せずと
も、本人に的確に報知することが可能となる。

【００３２】（３） また、副次的効果として、車両を
利用した「ひったくり被害」の防止にも有効な手段とな
し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による交通弱者である歩行者と後続車両
の位置関係図である。

【図２】接近する車両と本発明によるベルト状の交通弱
者用車両接近報知機能内蔵型装身具の１例との関係を示
す模式図である。

【図３】本発明の交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装
身具の１例の基本ブロック図である。

【図４】本発明の交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装
身具の１例の上部断面図である。

【図５】（Ａ）は報知機構部を圧電発音体とする場合を
示す図である。（Ｂ）は報知機構部をイヤホンとする場
合を示す図である。

【図６】本発明の交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装
身具の１例を右上部からの概観を示す模式図である。

【図７】歩道のない道路における交通弱者と当該周囲の
状況を、参考として示す図である。

【符号の説明】

１ 歩行中の交通弱者 ２ 接近する車両 ３ 交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装身具 ４ クラクション音 ５ マイク ６ 音声合成回路及び電源部 ７ スピーカー ８ 警報機 ９ 音声等の報知信号 １０ 回路基板 １１ 圧電発音体 １２ イヤホン １３ａ及び１３ｂ ベルト着脱器具 １４ａ及び１４ｂ 挿抜型スイッチ １５ａ及び１５ｂ 電源投入切断用リード線 １６ａ及び１６ｂ 装着用ベルト

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両から発する不特定または特定の信号
   を感知し、該信号を入力信号として一定の出力信号に変
   換する機能を保有し、路上を歩行中の交通弱者に対して
   当該車両の接近を報知する機構及び電源部を具有するこ
   とを特徴とする交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装身
   具。
2. 【請求項２】 上記不特定信号として、車両から発生す
   るイグニッションノイズを感知して入力信号とする機能
   を保有することを特徴とする請求項１記載の交通弱者用
   車両接近報知機能内蔵型装身具。
3. 【請求項３】 上記不特定信号として、車両から発する
   クラクション音を感知して入力信号とする機能を保有す
   ることを特徴とする請求項１記載の交通弱者用車両接近
   報知機能内蔵型装身具。
4. 【請求項４】 上記特定信号として、車両から発信する
   一定の超音波信号あるいは一定の赤外線信号あるいは一
   定の電波信号を感知して入力信号とする機能を保有する
   ことを特徴とする請求項１記載の交通弱者用車両接近報
   知機能内蔵型装身具。
5. 【請求項５】 上記に示した各種の入力信号を変換し、
   一定の機械振動あるいは一定の音声あるいは一定のブザ
   ー音あるいは前記の複合信号として報知する機構を具有
   することを特徴とする請求項１または２または３または
   ４記載の交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装身具。
6. 【請求項６】 前記機能を作動するに際し、該装身具を
   身体に装着することにより電源が投入され、該装身具を
   身体より離脱することにより電源が切断される機構を具
   有せしめたことを特徴とする請求項１または２または３
   または４または５記載の交通弱者用車両接近報知機能内
   蔵型装身具。
7. 【請求項７】 ブレーキの作動時にランプ点灯用等のた
   めに使用される電気信号を、一定の超音波信号あるいは
   一定の赤外線信号あるいは一定の電波信号に変換し、該
   ブレーキ操作時に上記の特定信号として発信する機構を
   具有することを特徴とする請求項１記載の交通弱者車両
   用接近信号発信機構装備型車両。
8. 【請求項８】 ハンドルまたは手動操作可能範囲内に操
   作ボタンを設け、該ボタンの操作により一定の超音波信
   号あるいは一定の赤外線信号あるいは一定の電波信号を
   発生せしめ、上記の特定信号として発信する機構を具有
   することを特徴とする請求項１記載の交通弱者用車両接
   近信号発信機構装型備車両。