JP2002091058A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2002091058A
JP2002091058A JP2000275581A JP2000275581A JP2002091058A JP 2002091058 A JP2002091058 A JP 2002091058A JP 2000275581 A JP2000275581 A JP 2000275581A JP 2000275581 A JP2000275581 A JP 2000275581A JP 2002091058 A JP2002091058 A JP 2002091058A
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toner
colorant
polyester resin
resin
dispersion
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Withdrawn
Application number
JP2000275581A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Takayanagi
均 高柳
Takayuki Ito
孝之 伊東
Kenichi Hirabayashi
憲一 平林
Shinji Ametani
信二 雨谷
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートローラー定着方式として、オフセット
防止液を使用しないで定着を可能とする、いわゆるオイ
ルレス方式を可能にし、しかも優れた品質の現像画像が
得られる球形〜略球形の、ポリエステル樹脂からなる静
電荷像現像用トナーの提供が望まれている。 【解決手段】 酸性基含有ポリエステル樹脂(I)を結
着樹脂とし、該結着樹脂、着色剤及び有機溶剤を少なく
とも含有してなる混合物を、塩基の存在下で水性媒体と
混合して乳化することにより、少なくとも着色剤を結着
樹脂に内包した樹脂粒子を形成する製造方法によって得
られる静電荷像現像用トナーである。混合物中に含有さ
れる着色剤の形態が、分散剤の存在下で着色剤が有機溶
剤中に微分散せしめられて得られる着色剤の分散液であ

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンター、ファックス等に好適に用いられ、さ
らにはトナージェット式方式のプリンター等にも用いら
れる、静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真式の複写機、プリンタ
ー、ファックスなどにおいては、印刷画像品質のさらな
る向上、あるいはマシンのコストダウン、小型化、省電
力化、省資源化などのために、トナーに対して次のよう
なニーズが高まっている。 (1)印刷画像の解像性や階調性の向上、トナー層の薄
層化、廃トナー量の削減、ページ当たりトナー消費量の
低減などのための、トナーの小粒径化や球形化 (2)消費電力低減のための定着温度の低温度化 (3)マシンの簡素化などのためのオイルレス定着化 (4)フルカラー画像における色相・透明性・光沢の向
上 (5)人間の健康に悪影響を与える懸念のある定着時の
VOC(揮発性有機化合物)低減 等である。
【0003】古くから行われている粉砕法による粉体ト
ナーにおいても、基本的には小粒径化は可能であるが、
小粒径化に伴い、トナー粒子表面に露出する着色剤や
ワックス等の離型剤の比率が増大するために帯電制御が
難しくなる、トナー粒子が不定形のために粉体流動性
が悪化する、製造に要するエネルギーコストが高騰す
る、などの問題が生じ、粉砕法による不定形トナーでは
上記のようなニーズを十分に満足することは、実際上困
難である。
【0004】このような背景から、従来では重合法や乳
化分散法による球形トナーの開発が活発に行われてい
る。重合法によるトナーに関しては、各種方法が知られ
ている、それらの中でも、モノマー、重合開始剤、着色
剤および帯電制御剤等を均一に溶解、分散し、これを分
散安定剤を含有する水性媒体中に攪拌しながら加えて、
油滴を形成した後、昇温して重合反応を行ってトナー粒
子を得る、懸濁重合法が広く行われている。重合法によ
れば、トナー粒子の小粒径化や球形化には問題ないもの
の、結着樹脂の主成分がラジカル重合可能なビニル重合
体に限られていることから、カラートナーなどに好適な
ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂によるトナー粒子を、
懸濁重合法によって製造することはできない。また、重
合法では、VOC(未反応モノマーなどからなる揮発性
有機化合物)低減が難しいという問題もあり、その改善
が望まれている。
【0005】一方、乳化分散法によるトナーの製法は、
特開平5−66600号公報や特開平8−211655
号公報などに開示されているように、結着樹脂と着色剤
等の混合物を水性媒体と混合して乳化させてトナー粒子
を得るという方法であって、重合法と同様に、トナーの
小粒径化や球形化に容易に対応できることに加え、重合
法に比べ、結着樹脂の種類の選択幅が広くなる、V
OC低減が容易である、着色剤等の濃度を低濃度から
高濃度まで任意に変化させることができる、などの利点
を有している。
【0006】定着温度が比較的低く、また定着時に鋭敏
に溶融して画像表面が平滑になりやすいトナー用結着樹
脂としては、スチレン−アクリル樹脂よりもポリエステ
ル樹脂が好ましく、特にカラートナーについては、可撓
性に優れるポリエステル樹脂の方が好ましいのは周知で
ある。しかして、前述したように重合法では、ポリエス
テル樹脂を結着樹脂の主成分とするトナー粒子を製造す
ることはできない。そこで、近年では、乳化分散法によ
ってポリエステル樹脂を結着樹脂とする、球形〜略球形
の小粒径トナーを製造することが注目されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の乳化
分散法によるポリエステル樹脂トナーでは、比較的低分
子量の直鎖状樹脂を結着樹脂としていることからオフセ
ット現象が生じ易く、したがってこれを防止するため、
シリコーンオイル等のオフセット防止液を定着用ヒート
ロールに塗布する必要があった。しかしながら、定着用
ヒートロールにオフセット防止液を塗布することは、メ
ンテナンスが煩雑になるなどの問題に加えて、印刷紙や
OHPシートにシリコーンオイル等が移行する結果、印
刷後の書き込みに支障が生じたり、オイルのベトつきが
生じるなどといった問題がある。
【0008】また、特に黒色のトナーの場合では、黒色
顔料(着色剤)であるカーボンブラックが導電性を有す
ることにより、これがトナー表面に露出すると、トナー
自体の帯電性が悪化することにより、カブリ等の画像品
質の低下を招いてしまうといった問題があり、カラーの
トナーの場合では、着色剤自体は導電性が低く、上記の
カブリ等の問題はないものの、OHP透過性が悪い、各
色によって帯電性が異なるといった問題がある。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、ヒートローラー定着方式
として、オフセット防止液を使用しないで定着を可能と
する、いわゆるオイルレス方式を可能にし、しかも優れ
た品質の現像画像が得られる球形〜略球形の、ポリエス
テル樹脂からなる静電荷像現像用トナーを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、結着樹脂に
内包する着色剤について鋭意検討を重ねた結果、これの
凝集を防止してその分散性を高めることにより、画像品
質が良好になるとともにカラーの場合にその色相やOH
P透過性も良好になることを見出し、本発明を完成し
た。
【0011】すなわち、本発明の静電荷像現像用トナー
では、酸性基含有ポリエステル樹脂(I)を結着樹脂と
し、該結着樹脂、着色剤及び有機溶剤を少なくとも含有
してなる混合物を、塩基の存在下で水性媒体と混合して
乳化することにより、少なくとも着色剤を該結着樹脂に
内包した樹脂粒子を形成する製造方法によって得られる
静電荷像現像用トナーにおいて、上記混合物中に含有さ
れる着色剤の形態が、分散剤の存在下で着色剤が有機溶
剤中に微分散せしめられて得られる着色剤の分散液であ
ることを上記課題の解決手段とした。
【0012】上記分散剤が、ポリエステル樹脂(II)で
あるのが好ましく、さらにこのポリエステル樹脂(II)
が、結着樹脂となる酸性基含有ポリエステル樹脂(I)
と同一種であるのが好ましい。
【0013】また、このような静電荷像現像用トナーと
しては、離型剤を含有するものであるのが好ましい。
【0014】また、下記式で定義される平均円形度が、
0.97以上の球形〜略球形であるのが好ましい。平均
円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周長)/(粒
子投影像の周長)
【0015】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
静電荷像現像用トナーの結着樹脂として用いられる酸性
基含有ポリエステル樹脂は、本発明において第1のポリ
エステル樹脂、すなわち本明細書中においてポリエステ
ル樹脂(I)として記され、後述する分散剤として好適
に用いられる第2のポリエステル樹脂(II)と区別され
るものである。この酸性基含有ポリエステル樹脂(I)
は、例えば多塩基酸と多価アルコールとが脱水縮合され
ることによって合成される。
【0016】多塩基酸としては、例えば、テレフタル
酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット
酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき
芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コ
ハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂
肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの
脂環式カルボン酸類などが挙げられる。これらの多塩基
酸は、単独で用いることもでき、2種類以上を併用して
用いることもできる。これらの多塩基酸の中でも、芳香
族カルボン酸を使用するのが好ましい。
【0017】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの
ごとき脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シ
クロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAのご
とき脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサ
イド付加物のごとき芳香族ジオール類などが挙げられ
る。これらの多価アルコールは、単独で用いることもで
き、2種以上を併用して用いることもできる。これらの
多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジ
オール類が好ましく、芳香族ジオール類がより好まし
い。
【0018】ここで、得られるポリエステル樹脂(I)
が酸性基としてカルボキシル基を含有するようにするた
めには、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合反
応を、カルボキシル基が残存するようにして行わせれば
よい。また、ポリエステル樹脂にカルボキシル基を導入
して酸性基を含有させる方法としては、水酸基を有する
線状又は分岐ポリエステル樹脂に、無水マレイン酸、無
水フタル酸、無水トリメリット酸のごとき酸無水基含有
化合物を付加する方法が挙げられる。また、水酸基を有
するポリエステル樹脂、好ましくは線状ポリエステル樹
脂に、無水ピリメリット酸のごときテトラカルボン酸二
無水物を反応させ、カルボキシル基を導入すると同時に
鎖伸長させる方法も採用可能である。さらに、ポリエス
テル樹脂に、カルボキシル基を含有した重合性単量体類
をグラウト重合する方法によっても、カルボキシル基を
導入することが可能である。
【0019】なお、本発明における酸性基含有ポリエス
テル樹脂(I)において、その酸性基としては、上記カ
ルボキシル基以外にリン酸基やスルホン酸基としてもよ
い。このような酸性基を有することによってポリエステ
ル樹脂(I)は、中和することによって親水性を増し、
乳化剤または分散安定剤を用いなくても水性媒体(水ま
たは水を主成分とする液媒体)中に分散する、いわゆる
自己水分散性樹脂となる。
【0020】また、このようにして得られたポリエステ
ル樹脂(I)に、さらにモノカルボン酸、及び/又はモ
ノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、及
び/又はカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル
樹脂(I)の酸価を調整することもできる。このような
目的で用いるモノカルボン酸としては、例えば、酢酸、
無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸、無水プロピオン酸などが挙げられる。また、モノア
ルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノー
ル、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、
ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどが挙
げられる。
【0021】ポリエステル樹脂(I)は、上記した多価
アルコールと多価カルボン酸とを常法に従って縮合反応
させることにより、製造することができる。例えば、上
記多価アルコールと多価カルボン酸とを、温度計、攪拌
器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、窒素
等の不活性ガスの存在下で150〜250℃で加熱し、
副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所
定の物性値に達した時点で反応を停止させ、冷却するこ
とにより、目的とする反応物を得ることができる。
【0022】このようなポリエステル樹脂(I)の合成
は、触媒を添加して行うこともできる。使用するエステ
ル化触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、
ジブチル錫オキサイドのごとき有機金属や、テトラブチ
ルチタネートのごとき金属アルコキシドなどが挙げられ
る。また、使用するカルボン酸成分が低級アルキルエス
テルである場合には、エステル交換触媒を使用すること
ができる。エステル交換触媒としては、例えば、酢酸亜
鉛、酢酸鉛、酢酸マグネシウムのごとき金属酢酸塩;酸
化亜鉛、酸化アンチモンのごとき金属酸化物;テトラブ
チルチタネートのごとき金属アルコキシド、などが挙げ
られる。触媒の添加量については、原材料の総量に対し
て、0.01〜1重量%の範囲とするのが好ましい。
【0023】なお、このような縮重合反応において、特
に架橋ポリエステル樹脂を製造するためには、1分子中
に3個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸またはそ
の無水物、及び/又は、1分子中に3個以上の水酸基を
有する多価アルコールを必須の合成原料として用いれば
よい。
【0024】また、このようにして得られるポリエステ
ル樹脂(I)としては、もちろん1種類のポリエステル
樹脂によって構成してもよいが、以下に示すような条件
による、直鎖状ポリエステル樹脂(A)と架橋ポリエス
テル樹脂(B)との混合物とするのがより好ましい。す
なわち、直鎖状ポリエステル樹脂(A)として、定荷重
押し出し形細管式レオメーターによるT1/2 温度が80
℃以上、120℃以下であり、ガラス転移温度Tgが4
0℃以上、75℃以下のもの、また架橋ポリエステル樹
脂(B)として、定荷重押し出し形細管式レオメーター
によるT1/2 温度が120℃を越え、210℃以下であ
り、ガラス転移温度Tgが40℃以上、75℃以下のも
の、さらに、これら直鎖状ポリエステル樹脂(A)と架
橋ポリエステル樹脂(B)との重量比率が、(A)/
(B)=20/80〜80/20であり、また、T1/2
温度をそれぞれT1/2 (A)、T1/2 (B)としたと
き、 20℃<T1/2 (B)−T1/2 (A)≦120℃ の関係にあるものが用いられる。
【0025】ここで、定荷重押し出し形細管式レオメー
ターによるT1/2 温度は、本発明では島津製作所製フロ
ーテスタCFT−500を用いて求められている。この
フローテスタは、図1(a)に示すようにノズル径Dが
1.0mmΦでノズル長さ(深さ)Lが1.0mmのノ
ズル1を有するシリンダー2に、樹脂3を充填し、ノズ
ル1と反対の側から単位面積(1cm2 )当たり10k
gの荷重をかけ、その状態で毎分6℃の昇温速度で加熱
したときの、荷重面4のストロークS(荷重面4の沈み
値)を測定することによって得られる。すなわち、昇温
した温度とストロークSとの関係を図1(b)に示すよ
うにして求め、ノズル1からの樹脂3の流出が始まって
急激にストロークSが大きくなり、カーブが立ち上がっ
たときの温度をTfbとし、また、ノズル1からの樹脂3
の流出がほぼ終了してカーブがねたときの温度をTend
とする。そして、TfbのときのストロークSfbとTend
のときのストロークSend との中間値となるS1/2 のと
きの温度を、T1/2 温度としている。また、ガラス転移
温度Tgは、本発明においては島津製作所製示差走査熱
量計DSC−50を用いて、セカンドラン法で毎分10
℃の昇温速度で測定し、得られる値である。
【0026】直鎖状ポリエステル樹脂(A)、架橋ポリ
エステル樹脂(B)として、いずれもそのガラス転移温
度Tgが40℃以上、75℃以下であるのが好ましいの
は、ガラス転移温度Tgが40℃未満であると、得られ
るトナーが貯蔵中または現像機中でブロッキング(トナ
ーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすくなる
傾向にあり、一方、ガラス転移温度が75℃を越える
と、トナーの定着温度が高くなる傾向にあるからであ
る。なお、直鎖状ポリエステル樹脂(A)は架橋剤成分
を含まないテトラヒドロフランに可溶な樹脂を示し、架
橋ポリエステル樹脂(B)はテトラヒドロフランに不溶
な成分を有する樹脂を示す。
【0027】このように、結着樹脂となるポリエステル
樹脂として、上記の関係にある直鎖状ポリエステル樹脂
(A)および架橋ポリエステル樹脂(B)を用いること
により、得られるトナーはより良好な定着性を有するよ
うになり、好ましい。また、一般的に低分子量で低粘性
となる直鎖状ポリエステル樹脂(A)と、高分子量で高
粘性となる架橋型のポリエステル樹脂(架橋ポリエステ
ル樹脂)(B)とをブレンドして用いることが、樹脂の
製造上も実際的であり好ましい。
【0028】本発明の静電荷像現像用トナーにおいて
は、離型剤を含有しているのが好ましく、その場合に用
いられる離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポ
リエチレンワックス、フィーシャートロプシュワックス
等の炭化水素系ワックス類、合成エステルワックス類、
カルナウバワックス、ライスワックス等の天然エステル
系ワックス類の群の中から選ばれたワックスが好適に用
いられる。
【0029】用いるワックスの融点については、特に限
定されないものの、耐オフセット性の観点から150℃
以下であるのが好ましく、また、低温定着性や保存性の
観点から、50〜120℃の範囲にあるのがより好まし
い。このようなワックスは、固形のものをそのまま用い
てもよく、エマルジョン化した状態で用いてもよい。ま
た、ワックスは、トナー粒子中に分散しているのが好ま
しく、平均3μm以下、好ましくは平均1μm以下程度
の粒径で分散しているのが好ましい。ワックスの含有量
は、トナーに対して1〜40重量%の範囲が好ましい。
1重量%未満であると離型性が不十分となりやすく、4
0重量%を越えるとワックスがトナー粒子表面に露出し
やすくなり、帯電性や保存安定性が低下しやすくなるか
らである。
【0030】本発明の静電荷像現像用トナーに用いられ
る着色剤としては、特に制限されることなく公知慣用の
ものが用いられるが、各種の顔料がより好適に用いられ
る。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、シ
アニンブラック、アニリンブラック、フェライト、マグ
ネタイト等が挙げられる。また、下記の有彩色顔料を黒
色となるように配合したものを使用することもできる。
【0031】黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛
黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、チタン
黄、ナフトールイエローS、ハンザイエロー10G、ハ
ンザイエロー5G、ハンザイエローG、ハンザイエロー
GR、ハンザイエローA、ハンザイエローRN、ハンザ
イエローR、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロ
ー、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、
パーマネントイエローNCG、バルカンファーストイエ
ロー5G、バルカンファーストイエローR、キノリンイ
エローレーキ、アンスラゲンイエロー6GL、パーマネ
ントイエローFGL、パーマネントイエローH10G、
パーマネントイエローHR、アンスラピリミジンイエロ
ー、その他イソインドリノンイエロー、クロモフタルイ
エロー、ノボパームイエローH2G、縮合アゾイエロ
ー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー等が
挙げられる。
【0032】赤色顔料としては、例えば、赤色黄鉛、モ
リブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラ
ゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリ
リアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレ
ンジGK、ベンジジンオレンジG、パーマネントレッド
4R、パーマネントレッドBL、パーマネントレッドF
5RK、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチ
ングレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリ
アントカーミン6B、ブリリアントカーミン3B、ロー
ダミンレーキB、アリザリンレーキ、パーマネントカー
ミンFBB、ベリノンオレンジ、イソインドリノンオレ
ンジ、アンスアンスロンオレンジ、ピランスロンオレン
ジ、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナ
クリドンスカーレット、ペリレンレッド等が挙げられ
る。
【0033】青色顔料としては、例えば、コバルトブル
ー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコ
ックブルーレーキ、ファナトーンブルー6G、ビクトリ
アブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、銅フタ
ロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダス
レンブルーRS、インダスレンブルーBC、インジコ等
が挙げられる。
【0034】これら着色剤の使用量は、結着樹脂100
重量部当たり1〜50重量部の範囲が好ましく、3〜1
5重量部の範囲が特に好ましい。
【0035】ところで、トナーを小粒径化するととも
に、その摩擦帯電性能を良好に保持するためには、着色
剤がトナー粒子表面に露出しないようにすること、すな
わち着色剤がトナー粒子に内包された構造とするのが有
効である。トナーの小粒径化に伴う帯電性の悪化は、黒
色トナーの場合、含有する着色剤(カーボンブラッ
ク)がトナー粒子表面に露出すること、粒子内で着色
剤が凝集し、ストラクチュアーを形成すること、が大き
な原因となっている。たとえば、着色剤の含有率(重量
%)が同じであっても、小粒径化によりトナー粒子の表
面積が増大し、トナー粒子表面に露出する着色剤の比率
が増大し、その結果トナー粒子表面の組成が大きく変化
してしまい、トナー粒子の摩擦帯電性能が大きく変わる
ことにより、適性な帯電性が得られにくくなるのであ
る。
【0036】本発明のトナーは、少なくとも着色剤が結
着樹脂に内包されているものであり、かつ分散剤の存在
下に、微分散された着色剤を使用することから、このよ
うに内包され、かつ粒子内で均一に分散された構造とな
ることにより、良好な印刷画像が得られる。トナー粒子
表面に着色剤が露出していないこと及び着色剤の凝集状
態は、例えば、粒子の断面をTEM(透過型電子顕微
鏡)で観察することにより容易に判定できる。より具体
的には、トナー粒子を樹脂包埋してミクロトームで切断
した断面を、必要ならば酸化ルテニウム等で染色し、T
EMで観察すると、着色剤等が粒子内に内包されてほぼ
均一に分散していることが確認できる。
【0037】本発明の静電荷像現像用トナーは、カルボ
キシル基等の酸性基を含有するポリエステル樹脂からな
る結着樹脂と、着色剤と、有機溶剤とを少なくとも含有
する混合物(通常は離型剤をも含む)を、塩基の存在下
で水性媒体と混合して乳化することにより、少なくとも
着色剤(好ましくは離型剤も)を結着樹脂に内包した樹
脂粒子を形成し、次いで、該樹脂粒子を液媒体から分離
し乾燥する製造方法により、製造されて得られる。ま
た、この製造方法において、上記混合物中に含有される
着色剤の形態は、分散剤の存在下で着色剤が有機溶剤中
に微分散せしめられて得られる着色剤の分散液とされ
る。
【0038】すなわち、本発明のトナーは、例えば、特
開平8−211655号公報や特開平10−31963
9号公報に開示されているような、塩基性中和剤を用い
て含有酸基を中和し結着樹脂を自己水分散性樹脂に変化
させることにより、乳化剤や分散安定剤などを使用しな
いで造粒する方法、あるいは特開平1−158042号
公報に開示されているような、乳化剤や分散安定剤を使
用して造粒する方法により、製造される。
【0039】カルボキシル基等の酸性基を含有するポリ
エステル樹脂は、酸性基を中和することにより自己水分
散性となる。自己水分散性を有する樹脂は、酸性基がア
ニオン型となることにより親水性を増し、乳化剤または
分散安定剤を用いることなく、水性媒体(水または水を
主成分とする液媒体)中に分散する。
【0040】酸性基(カルボキシル基)を中和するため
に用いる塩基としては、特に制限はなく、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのごとき無機
塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロ
ピルアミンのごとき有機塩基が用いられる。
【0041】結着樹脂および着色剤、さらにはワックス
(離型剤)を溶解あるいは分散させるための有機溶剤と
しては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、石油エーテ
ルのごとき炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、四塩化炭素のごときハロゲン
化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンのごときケトン類;酢酸エチル、酢酸
ブチルのごときエステル類、などが用いられる。これら
の溶剤は、単独で用いることも、2種以上を混合して用
いることもできる。また、有機溶剤は、結着樹脂を溶
解、または分散するものであり、毒性が比較的低く、か
つ後工程で脱溶剤し易い低沸点のものが好ましく、その
ような溶剤としては、メチルエチルケトンが最も好まし
い。
【0042】ここで、結着樹脂および着色剤、さらにワ
ックス(離型剤)を前記有機溶剤に溶解あるいは分散さ
せて混合物を形成するに先立ち、この混合物中に含有さ
れる着色剤の形態を、以下のようにして調製する。分散
剤の存在下で着色剤を有機溶剤中に微分散せしめること
により、着色剤の凝集が防止された着色剤の分散液を得
る。このように着色剤を微分散せしめるにあたっては、
例えばメディアによる粉砕及び/又は分散を行うのが、
微分散により得られる着色剤をより小径にするととも
に、その凝集をより確実に防止することができ、好まし
い。
【0043】ここで、用いられる分散剤としては、前述
した第2のポリエステル樹脂(II)が好適に用いられ
る。このポリエステル樹脂(II)としては、前記ポリエ
ステル樹脂(I)に使用可能なものとして挙げたものが
そのまま使用可能であり、特に、酸性基含有直鎖状ポリ
エステル樹脂であるか、あるいはこれを含有するもので
あるのが好ましい。また、このポリエステル樹脂(II)
としては、結着樹脂として用いたポリエステル樹脂
(I)と異なるものでもよいものの、これと同一種のも
の、すなわち同一組成のものを用いるのが、結着樹脂と
の相溶性が良いなど、品質管理上や生産管理上の点で望
ましい。なお、分散剤としては、上記ポリエステル樹脂
(II)に代えて、乳化剤や高分子分散剤等を用いること
も可能である。
【0044】また、この分散剤としては、用いる種類に
よっても異なるものの、着色剤/分散剤の重量比率は1
0/90〜80/20とするのが好ましい。20重量%
未満であると、前述した着色剤の凝集防止効果が十分に
得られなくなるおそれがあり、一方、90重量%を越え
ても、後述するように着色剤表面に付着する分散剤の量
はほとんど増えず、したがって前述した着色剤の凝集防
止効果の向上があまり期待できないからである。
【0045】分散剤の存在下で着色剤を微分散させるた
めの有機溶剤としては、前記の、結着樹脂および着色
剤、さらにワックス(離型剤)を溶解あるいは分散させ
るための有機溶剤として挙げたものが、そのまま使用可
能である。この有機溶剤の量については、特に限定され
ることはないものの、着色剤と分散剤の固形分含有量が
10重量%〜60重量%程度とされる。溶剤の量が40
重量%未満であると均一な分散液が得られず、一方、9
0重量%を越えると着色剤の分散密度が低下し、前述し
たように結着樹脂や離型剤とともにこの分散液を有機溶
剤に添加した際、溶剤量が過多となって生産性が低下し
てしまうからである。なお、この有機溶剤としても、結
着樹脂等を溶解あるいは分散させるための有機溶剤と異
なるものでもよいものの、これと同一のものを用いるの
が、品質管理上や生産管理上の点で好ましい。
【0046】分散剤の存在下で着色剤を微分散せしめる
方法としては、前述したようにメディアにより粉砕及び
/又は分散を行う方法が好適に採用されるが、これ以外
にも、攪拌機により攪拌する方法などが採用可能であ
る。着色剤および分散剤を粉砕及び/又は分散せしめる
ための、メディアを用いる方法として具体的には、アイ
ガーモーターミル、SCミル、ボールミル、サンドミ
ル、アトライター、コボールミル、DCミル、ファイン
ミルなどの、いわゆる媒体ミルや媒体攪拌ミルによる方
法が挙げられる。
【0047】微分散によって着色剤粒子をより小さく、
またより均一な粒子にするためには、例えばメディアに
よって着色剤および分散剤を粉砕及び/又は分散せしめ
る場合、粉砕及び/又は分散領域での分散温度を50℃
以下とするのが好ましく、30〜40℃とするのがより
好ましい。分散液温度が50℃を越えると、微粒子化し
た着色剤が再凝集しやすくなり、分散剤を付着した着色
剤が所望の微粒子になりにくくなるからである。このよ
うな温度に調整するためには、粉砕及び/又は分散領域
において、分散処理による発熱を効果的に冷却する必要
がある。したがって、粉砕及び/又は分散を行うにあた
っては、分散液を効果的に冷却できる機構をもつ装置、
例えばアイガーモーターミル、SCミル、サンドミル、
アトライター、コボールミル、DCPミル、ファインミ
ルなどを用いるのが好ましい。
【0048】また、このような分散液の作製に用いられ
るメディアの形状としては、円柱状や球状などを採用す
ることができるものの、粉砕および分散の効率、分散装
置への適応を考慮すると、球状が好ましい。球状メディ
アのサイズとしては、分散装置により最適値が異なる
が、例えば、ボールミルでは、直径を1〜50mmとす
るのが好ましいものの、分散剤を付着する離型剤の形状
を効果的に均一に微粒子化するためには、直径を1〜1
0mmとするのが好ましい。
【0049】このようにして分散液を調製すると、分散
剤の存在下で着色剤を有機溶剤中に微分散処理すること
により、分散液中の着色剤は0.01〜0.5μm程度
の十分に小粒径の微粒子となる。また、この分散液にお
いては、着色剤表面に分散剤の微粒子が付着してこれら
が一体化したものとなる。そして、付着した分散剤の一
部が有機溶剤に溶解するとともに、この付着した分散剤
の立体障害効果により、着色剤は分散液中にて凝集する
ことなく均一に分散した状態となる。
【0050】このようにして調製された着色剤の分散液
を、結着樹脂と離型剤とに混合し、さらにこれらを有機
溶剤に仕込んで溶解あるいは分散させて混合物を作製し
たら、塩基の存在下で水性媒体と混合して乳化し、少な
くとも着色剤(さらには離型剤も)を結着樹脂(ポリエ
ステル樹脂(I))に内包した樹脂粒子を形成する。
【0051】ポリエステル樹脂(I)の酸性基を塩基で
中和する方法としては、(1)中和された酸性基を有す
る結着樹脂、着色剤、離型剤および有機溶剤を含有する
混合物を調製する方法、あるいは(2)酸性基を有する
結着樹脂、着色剤、離型剤および有機溶剤を含有する混
合物を調製した後、塩基で中和する方法、が挙げられ
る。
【0052】ポリエステル樹脂(I)の酸性基を塩基で
中和した後、乳化する方法としては、(3)該混合物を
水性媒体中に加えて乳化する方法、あるいは(4)該混
合物中に水性媒体を添加する方法、が挙げられる。上記
(2)と(4)との組み合わせによれば、粒度分布が良
好となるので好ましい。
【0053】その他、水性媒体中に塩基性中和剤を混合
しておく方法もあるが、粒度分布の面から、上記組み合
わせによる中和、乳化方法が好ましい。乳化の際に、必
要であれば、本発明の効果を損なわない限りにおいて、
乳化剤及び/又は分散安定剤を併用することもできる。
【0054】分散安定剤としては、無機の分散安定剤、
有機の分散安定剤が使用可能であり、例えば、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリデン、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースのごとき水
溶性高分子が用いられる。乳化剤としては、例えば、ポ
リオキエチレンアルキルフェノールエーテルのごときノ
ニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウムのごときアニオン系界面活性剤;カチオン系界面
活性剤、などが用いられる。
【0055】これら分散安定剤または乳化剤を使用する
場合、単独で用いることも、2種以上を併用して用いる
こともできる。また、乳化剤と分散安定剤とを併用して
もよいが、分散安定剤を主体にして乳化剤を併用するの
が一般的である。分散安定剤や乳化剤を用いる場合、そ
の水性媒体中における濃度は、0.5〜3.0重量%の
範囲が好ましい。
【0056】結着樹脂に着色剤や離型剤等が分散した混
練物の有機溶媒溶液の製法としては、(1)有機溶媒に
結着樹脂を溶解し、それに着色剤や離型剤を加え、デス
パ(分散攪拌機)、ボールミル、ビーズミル、サンドミ
ル、連続式ビーズミル等の一般的な混合機・分散機を使
用して分散させる方法。あるいは、(2)別途着色剤や
離型剤を、上記の一般的な混合機・分散機を使用して分
散させた後、結着樹脂の有機溶剤溶液と混合する方法、
などが挙げられる。このような湿式による分散によれ
ば、高分子成分(ゲル分を含む)の切断を抑えることが
でき、好ましい。
【0057】上記混合物の有機溶媒溶液と水性媒体とを
混合し、乳化分散させる装置としては、例えば、ホモミ
クサー(特殊機化工業株式会社)、特開平9−1141
35号公報に開示されている攪拌装置、スラッシャー
(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロ
テック)、マイクロフルイダイザー(みづほ工業株式会
社)、マントン・ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン
社)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社)、スタテ
イックミキサーのごとき乳化分散機などが挙げられる。
しかしながら、例えば、アンカー翼、タービン翼、ファ
ウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼、半月
翼等を使用して、該攪拌翼の周速が0.2〜5m/sの
低シェアーで攪拌しながら水を滴下する方法が好まし
い。このような低シェア下における乳化分散を行うこと
により、微粉の発生を抑えることができ、より好ましい
均一な粒度分布を実現することができる。またポリエス
テル樹脂の低分子量成分が微粉に集中して、微粉以外の
部分の分子量分布のバランスを崩すことが無く、トナー
の低温定着性を悪化させることがない。
【0058】乳化により得られた球形〜略球形の着色樹
脂粒子の分散液については、蒸留等の手段により、ま
ず、有機溶媒を除去することが好ましい。次いで、水性
分散液を濾過等の手段で固液分離し、粒子を乾燥させる
ことにより、トナー粒子を得ることができる。乳化剤や
分散安定剤を用いて得た着色樹脂粒子は、より十分に洗
浄することが好ましい。
【0059】また、このような乳化により得られた球形
〜略球形の着色樹脂粒子の分散液については、有機溶剤
を除去した後に、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、
シュウ酸などの酸で、該粒子表面の中和された酸性基親
水性基を元の官能基に戻す逆中和処理を行い、該粒子そ
のものの親水性をより低下させてから、水を除去して濾
別乾燥するのが好ましい。
【0060】乾燥方法としては、公知慣用の方法がいず
れも採用可能であるが、例えば、トナー粒子が熱融着や
凝集しない温度で、常圧下または減圧下で乾燥させる方
法、凍結乾燥させる方法、などが挙げられる。また、ス
プレードライヤー等を用いて、水性媒体からのトナー粒
子の分離と乾燥とを同時に行う方法も挙げられる。特
に、トナー粒子が熱融着や凝集しない温度で加熱しなが
ら、減圧下で、粉体を攪拌して乾燥させる方法や、加熱
乾燥空気流を用いて瞬時に乾燥させるというフラッシュ
ジェットドライヤー(セイシン企業株式会社)などを使
用する方法が、効率的であり好ましい。
【0061】形成されたトナー粒子の粒度分布を整える
ため、粗大粒子や微細粒子を除去するための分級が必要
な場合には、乾燥終了後に、トナー用等に市販されてい
る一般的な気流式分級機を用いて公知慣用の方法で行う
ことができる。また、トナー粒子が溶媒中に分散してい
る段階で、粒径による沈降性の違いを利用して、トナー
粒子の水スラリーを遠心分離機を用いて分級する方法で
行ってもよい。また、粗大粒子の除去については、トナ
ー粒子の水スラリーを、フィルターや湿式振動篩いなど
で濾過することにより、行うことができる。なお、本発
明のトナーの粒度分布については、コールターマルチサ
イザーによる測定で、50%体積粒径/50%個数粒径
が1.35以下、より好ましくは1.25以下が良好な
画像を得られやすく好ましい。
【0062】このようにして得られる本発明の静電荷像
現像用トナーとしては、下記式、平均円形度=(粒子投
影面積と同じ面積の円の周長)/(粒子投影像の周長)
で定義される平均円形度が、0.97以上であるのが好
ましく、0.98以上であるのがより好ましい。このよ
うな球形〜略球形を有することによって本発明の静電荷
像現像用トナーは、小粒径化しても良好な粉体流動性を
確保することができ、また良好な転写効率を確保するこ
ともでき、これにより優れた画像品質を形成し得るもの
となる。なお、この平均円形度は、トナー粒子のSEM
(走査型電子顕微鏡)写真を撮影し、それを測定し計算
することなどによっても求められるが、東亜医用電子
(株)製フロー式粒子像分析装置FPIP−1000を
使用すると容易に得られるため、本発明ではこの装置で
測定した。
【0063】また、この静電荷像現像用トナーとして
は、その体積平均粒径として、得られる画像品質などの
点から1〜13μmの範囲にあるものが好ましく、3〜
10μm程度が現行のマシンとのマッチングが得やすい
ことなどもあってより好ましい。カラートナーにあって
は、体積平均粒径が3〜8μm程度が好適である。体積
平均粒径が小さくなると解像性や階調性が向上するだけ
でなく、印刷画像を形成するトナー層の厚みが薄くな
り、ページあたりのトナー消費量が減少するという効果
も発現され好ましい。
【0064】乾燥させた粉体トナー粒子は、そのままで
も現像剤として使用可能であるが、トナー用外添剤とし
て公知慣用の無機酸化物微粒子や有機ポリマー微粒子な
どの外添剤をトナー粒子表面に添加し、流動性や帯電性
等の特性を改良するのが好ましい。このような外添剤の
例としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、
ビニル系(共)重合体などが挙げられる。これらの外添
剤を用いる場合の添加量は、トナー粒子に対して0.0
5〜5重量%の範囲が好ましい。
【0065】本発明の静電荷像現像用トナーは、電子写
真法による静電潜像の現像用として、一成分現像剤ある
いはキャリアーと混合した二成分現像剤として使用でき
る。キャリアーの種類に特に制限はなく、公知慣用の鉄
粉、フェライト、マグネタイト等やそれらに樹脂コート
したキャリアーが用いられる。
【0066】また、本発明の静電荷像現像用トナーは、
現像剤担持ロールと層規制部材とを有する非磁性一成分
現像装置等を用いて摩擦帯電された粉体トナーを、トナ
ー通過量等を調節する機能の電極を周囲に有するフレキ
シブルプリント基板上の穴を通して、背面電極上の紙に
直接吹き付けて画像を形成する方法である、いわゆるト
ナージェット方式のプリンター等にも好適に使用でき
る。本発明のトナーは、定着性やカラー特性に優れるこ
とに加え、球形であることから、不定形トナーに比べ
て、トナージェット方式におけるトナー飛翔の制御が容
易になる。
【0067】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
本実施例・比較例では、特に表示がない限り部は重量
部、水は脱イオン水の意である。
【0068】(ポリエステル樹脂合成例)多価カルボン
酸として無水トリメリット酸(TMA)、2価カルボン
酸としてテレフタル酸(TPA)、イソフタル酸(IP
A)、芳香族ジオールとしてポリオキシプロピレン
(2,4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(BPA−PO)、ポリオキシエチレン(2,
4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(BPA−EO)、脂肪族ジオールとしてエチレング
リコール(EG)を、表1に示す各モル組成比で用い、
重合触媒としてテトラブチルチタネートを全モノマー量
に対し0.3重量%でセパラブルフレスコに仕込み、該
フラスコ上部に温度計、攪拌棒、コンデンサー及び窒素
導入管を取り付け電熱マントルヒーター中で、常圧窒素
気流下にて220℃で15時間反応させた後、順次減圧
し、10mmHgで反応を続行した。反応は、ASTM
・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が所定
の温度となったところで真空を停止して反応を終了し
た。合成した樹脂の組成および物性値(特性値)を、表
1に示す。なお、表1中のゲル分とは、テトラヒドロフ
ラン(THF)不溶分を示している。また、表1中のR
1、R2は直鎖状のポリエステル樹脂、R3は架橋ポリ
エステル樹脂である。
【0069】
【表1】
【0070】表1において「T1/2 温度」は、前述した
ように島津製作所製フローテスタCFT−500を用い
て、ノズル径1.0mmΦ×1.0mm、単位面積(c
2)当たりの荷重10kg、毎分6℃の昇温速度で測
定した値である。また、ガラス転移温度である「Tg」
は、島津製作所製示差走査熱量計DSC−50を用い、
セカンドラン法により毎分10℃の昇温速度で測定した
値である。
【0071】(離型剤及び離型剤分散体の調製例)カル
ナバワックス:「カルナバワックス 1号」)((株)
加藤洋行輸入品)と樹脂R1(表1参照)を70/30
の重量比でフラスコに仕込み、窒素気流下にて180℃
に昇温し、同温度で1時間攪拌を行った。離型剤と樹脂
R1とが均一に溶解、もしくは分散することを確認した
後、冷却し、離型剤と樹脂の溶融ブレンド混合物を得
た。得られた混合物をロートプレックスで粗粉砕した
後、該混合物150部とメチルエチルケトン280部を
ボールミルに仕込み、18時間攪拌した後取り出して、
固形分含有量を20重量%に調整し、離型剤の微分散体
(W1)を得た。
【0072】(着色剤分散液の調製例)着色剤、本発明
において分散剤となるポリエステル樹脂(II)(表1中
のR1〜R3)、およびメチルエチルケトンをボールミ
ルに仕込み、18〜72時間攪拌することによって微分
散処理した。攪拌後、ボールミルから取り出し、着色剤
分散液(P1〜P6)を得た。また、比較のため、分散
剤(ポリエステル樹脂(II))を用いない以外は、上記
着色剤分散液(P1〜P6)と同様にして着色剤分散液
(P7〜P11)を得た。得られた着色剤分散液(P1
〜P6、P7〜P11)を、上記樹脂R1(表1参照)
の40%メチルエチルケトン溶液に少量添加し、超音波
で5分間分散した後、分散状態を光学顕微鏡で目視する
ことによって評価した。評価は、微分散しているものを
○、凝集物、粗分が認められるものを△、凝集物、粗分
が多く見られるものを×とした。各着色剤分散液(P1
〜P6、P7〜P11)の評価結果を、その性状等とと
もに表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】表2に示したように、分散剤を加えて、す
なわち分散剤の存在下で着色剤を微分散せしめて得られ
た着色剤分散液(P1〜P6)は、十分に微分散してい
るのが確認された。一方、分散剤を加えない着色剤分散
液(P7〜P11)は、凝集物、粗分が認められ、ある
いはこれらが多く見られた。なお、表2に示した着色剤
は以下の通りである。 カーボン:「ELFTEX−8」(キャボット社製) シアン:ファーストゲンブルー TGR(大日本インキ
化学工業社製) イエロー1:シムラーファーストイエロー 8GR(大
日本インキ化学工業社製) イエロー2:トナーイエローHG VP2155(クラ
リアントジャパン製) マゼンタ:ファーストゲンスーパーマゼンタ R(大日
本インキ化学工業社製)
【0075】(ミルベースの調製)上記着色剤分散液、
ポリエステル樹脂(I)(表1中のR1〜R3)、およ
びメチルエチルケトンを、固形分含有量が50%となる
ようにメチルエチルケトンの量を調整してデスパーで混
合し、その後、得られた混合物をその固形分含有量が5
5%になるように調整して、ミルベース(MB1〜MB
11)を作製した。作製したミルベースの配合を表3に
示す。
【0076】
【表3】
【0077】(実施例1)表3に示したMB1を54
5.5部、上記離型剤の微分散体W1を115部、メチ
ルエチルケトンを57.5部、イソプロピルアルコール
を29.0部、1規定のアンモニア水溶液を25.8
部、円筒型容器に仕込み、よく攪拌した。続いて、水2
30部を加え、液温を30℃として、攪拌下に水を44
部滴下し、転相乳化を行った。30分間攪拌を続けた
後、回転を落とし、水の400部を添加した。
【0078】次いで、減圧蒸留で溶剤を除去し、濾過水
洗を行った。続いて、得られたウエットケーキを水に再
分散させ、分散液のPHが約4になるまで1規定塩酸水
溶液を加えた後、濾過水洗を繰り返した。このようにし
て得られたウエットケーキを凍結乾燥した後、気流式分
級機を用いて分級し、体積平均粒径が7.4μm、平均
円形度が0.981のトナー粒子を得た。
【0079】得られたトナー粒子を樹脂包埋し、ミクロ
トームで切断し、さらにルテニウム酸四酸化物で染色し
た断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察したとこ
ろ、顔料(着色剤)とワックス(離型剤)が結着樹脂に
内包され、かつ、粒子内にほぼ均一に分散しているのが
観察された。その後、ヘンシェルミキサーを用いて、得
られたトナー粒子100部に疎水性シリカ1.5部と酸
化チタン0.5部とを外添し、粉体トナー(静電荷像現
像用トナー)を得た。
【0080】(実施例2)表3に示したMB1を54
5.5部、上記離型剤の微分散体W1を115部、メチ
ルエチルケトンを57.5部、イソプロピルアルコール
を28.0部、1規定のアンモニア水溶液を26.5
部、円筒型容器に仕込み、よく攪拌した。続いて、水2
30部を加え、液温を30℃として、攪拌下に水を44
部滴下し、転相乳化を行った。30分間攪拌を続けた
後、回転を落とし、水の400部を添加した。
【0081】次いで、減圧蒸留で溶剤を除去し、濾過水
洗を行った。続いて、得られたウエットケーキを水に再
分散させ、分散液のPHが約4になるまで1規定塩酸水
溶液を加えた後、濾過水洗を繰り返した。このようにし
て得られたウエットケーキを凍結乾燥した後、気流式分
級機を用いて分級し、体積平均粒径が5.2μm、平均
円形度が0.984のトナー粒子を得た。その後、ヘン
シェルミキサーを用いて、得られたトナー粒子100部
に疎水性シリカ2部と酸化チタン1部とを外添し、粉体
トナー(静電荷像現像用トナー)を得た。
【0082】(比較例1)表3に示したMB7を54
5.5部、上記離型剤の微分散体W1を115部、メチ
ルエチルケトンを57.5部、イソプロピルアルコール
を29.0部、1規定のアンモニア水溶液を25.8
部、円筒型容器に仕込み、よく攪拌した。続いて、水2
30部を加え、液温を30℃として、攪拌下に水を44
部滴下し、転相乳化を行った。30分間攪拌を続けた
後、回転を落とし、水の400部を添加した。ここで、
粒子の水スラリーを光学顕微鏡で観察したところ、着色
剤の凝集物が多く観察された。
【0083】次いで、減圧蒸留で溶剤を除去し、濾過水
洗を行った。続いて、得られたウエットケーキを水に再
分散させ、分散液のPHが約4になるまで1規定塩酸水
溶液を加えた後、濾過水洗を繰り返した。このようにし
て得られたウエットケーキを凍結乾燥した後、気流式分
級機を用いて分級し、体積平均粒径が7.4μm、平均
円形度が0.981のトナー粒子を得た。得られたトナ
ー粒子を樹脂包埋し、ミクロトームで切断し、さらにル
テニウム酸四酸化物で染色した断面をTEM(透過型電
子顕微鏡)で観察したところ、離型剤は結着樹脂に内包
されているものの、着色剤は凝集しているものが見ら
れ、一部表面に露出していた。その後、ヘンシェルミキ
サーを用いて、得られたトナー粒子100部に疎水性シ
リカ1.5部と酸化チタン0.5部とを外添し、粉体ト
ナー(静電荷像現像用トナー)を得た。
【0084】表3に示したMB7を545.5部、上記
離型剤の微分散体W1を115部、メチルエチルケトン
を57.5部、イソプロピルアルコールを28.0部、
1規定のアンモニア水溶液を26.5部、円筒型容器に
仕込み、よく攪拌した。続いて、水230部を加え、液
温を30℃として、攪拌下に水を44部滴下し、転相乳
化を行った。30分間攪拌を続けた後、回転を落とし、
水の400部を添加した。
【0085】次いで、減圧蒸留で溶剤を除去し、濾過水
洗を行った。続いて、得られたウエットケーキを水に再
分散させ、分散液のPHが約4になるまで1規定塩酸水
溶液を加えた後、濾過水洗を繰り返した。このようにし
て得られたウエットケーキを凍結乾燥した後、気流式分
級機を用いて分級し、体積平均粒径が5.2μm、平均
円形度が0.984のトナー粒子を得た。得られたトナ
ー粒子を樹脂包埋し、ミクロトームで切断し、さらにル
テニウム酸四酸化物で染色した断面をTEM(透過型電
子顕微鏡)で観察したところ、離型剤は結着樹脂に内包
されているものの、着色剤は凝集しているものが見ら
れ、一部表面に露出していた。その後、ヘンシェルミキ
サーを用いて、得られたトナー粒子100部に疎水性シ
リカ2部と酸化チタン1部とを外添し、粉体トナー(静
電荷像現像用トナー)を得た。
【0086】(その他の実施例および比較例)その他の
実施例、比較例については、基本的に実施例1と同様の
方法で製造するものとし、添加する溶剤量、塩基量を適
宜調整することにより、各粉体トナーを得た。各実施
例、比較例の粉体トナーの使用MB(ミルベース)、お
よびDv、平均円形度、定着幅(定着温度幅)について
の測定値を表4に示す。また、着色剤分散性、カブリ、
OHP透過性についてそれぞれ評価を行い、その結果も
表4に示す。
【0087】
【表4】
【0088】なお、定着幅(定着温度幅)については、
以下に示す定着性試験によって定着温度を求め、その上
限値と下限値との範囲によって示した。 (定着性試験)実施例および比較例の各粉体トナーを用
い、市販の非磁性一成分現像方式プリンターを用いて画
出しを行った。画出しした印刷紙を、それぞれ90mm
/秒のスピードでリコーイマジオDA−250のヒート
ロール(オイルレス型)に通し、定着を行った。定着後
の画像にセロテープ(登録商標)を貼り、剥離後のID
(画像濃度)が元のIDの90%以上であって、かつオ
フセットの発生が見られないときのヒートロールの表面
温度を「定着温度」とした。
【0089】また、着色剤分散性、カブリ、OHP透過
性の評価は、それぞれ以下のようにして行った。 (着色剤分散性)着色剤分散性については、TEMで粒
子断面を観察し、着色剤の凝集がほとんどなく、粒子内
に均一に分散しているものを○、やや凝集が見られるも
のを△、凝集、分散の不均一性が高いものを×、とし
た。
【0090】(カブリ)市販の非磁性一成分現像方式プ
リンターを用いて画出しを行い、マクベス濃度計RD−
918で測定することによってカブリの評価を行った。
カブリの評価は、印刷後の白地部濃度からプリント前白
紙濃度を差し引き、その差が0.01未満を○、0.0
1〜0.03を△、0.03以上を×、とした。
【0091】(OHP透過性)OHP透過性について
は、以下に示すOHP鮮明度の評価方法によって評価し
た。OHPシート上にカラートナーによる未定着画像を
形成し、別に用意した定着試験器により未定着画像の定
着を行った。ヒートロール温度160℃、90mm/秒
のスピードで、リコーイマジオDA−250のヒートロ
ール(オイルレス型)に通して定着を行った。上記手順
で作成したOHPシート上に、クロで印刷されたOHP
シートを置き、オーバーヘッドプロジェクターにてスク
リーンに投影し、文字の鮮明度を目視で評価した。評価
結果は、鮮明に文字が見えるものを○、文字がぼやける
ものを×、として。
【0092】表4に示した結果より、本発明の実施例の
ものは、着色剤分散性、カブリのいずれにも優れている
ことが確認された。また、OHP透過性についても、評
価を行ったいずれの実施例も、鮮明に文字が見えること
が確認された。また、定着開始温度、耐ホットオフセッ
ト温度ともに良好であり、定着温度幅が広いことも確認
された。
【0093】なお、各実施例の粉体トナーについて、シ
リコンコートフェライトキャリアー(粒径80μm)と
トナー濃度が3重量%になるように混合し、二成分現像
方式複写機で画出し試験を行ったところ、いずれも良好
な画像が得られた。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように本発明の静電荷像用
現像用トナーは、混合物中に含有される着色剤の形態
を、分散剤の存在下で着色剤が有機溶剤中に微分散せし
められて得られる着色剤の分散液としたものであるか
ら、分散剤の存在によって分散液中での着色剤の分散が
促進されるとともに再凝集が防止されていることによ
り、この分散液が混合物中に添加されても着色剤が凝集
を起こさず容易に分散し、これにより該着色剤が形成さ
れるトナー粒子内に均一に分散するようになる。したが
って、このようにして得られた静電荷像用現像用トナー
は、粗大粒子の発生が防止されたものとなり、これによ
り良好な定着開始温度と耐ホットオフセット温度を有す
るものとなる。
【0095】また、着色剤が、形成されるトナー粒子内
に均一に分散した状態に内包されることから、黒色のト
ナーの場合の、カーボンブラックがトナー表面に露出す
ることによってトナー自体の帯電性が悪化し、カブリ等
の画像品質が低下するといった問題が起こるのを防止す
ることができ、さらに、カラーのトナーの場合の、OH
P透過性が悪いといった問題が起こるのも防止すること
ができる。また、球形かつ小粒径化がなされることによ
り、粉体流動性、転写効率、解像性、階調性に優れたも
のとなり、したがって、優れた品質の現像画像を提供し
得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フローテスタ値の求め方を説明するための図
であり、(a)は測定装置の概要を示す側断面図、
(b)は測定値から各フローテスタ値を求める方法を説
明するためのグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA11 AB07 CA08 CA14 EA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性基含有ポリエステル樹脂(I)を結
    着樹脂とし、該結着樹脂、着色剤及び有機溶剤を少なく
    とも含有してなる混合物を、塩基の存在下で水性媒体と
    混合して乳化することにより、少なくとも着色剤を該結
    着樹脂に内包した樹脂粒子を形成する製造方法によって
    得られる静電荷像現像用トナーにおいて、上記混合物中
    に含有される着色剤の形態が、分散剤の存在下で着色剤
    が有機溶剤中に微分散せしめられて得られる着色剤の分
    散液であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 分散剤が、ポリエステル樹脂(II)であ
    ることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂(II)が、結着樹脂と
    なる酸性基含有ポリエステル樹脂(I)と同一種である
    ことを特徴とする請求項2記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  4. 【請求項4】 離型剤を含有することを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 下記式、 平均円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周長)/
    (粒子投影像の周長) で定義される平均円形度が0.97以上であることを特
    徴とする請求項1、2、3又は4記載の静電荷像現像用
    トナー。
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