JP2002090699A - コンタクトレンズ用液剤 - Google Patents

コンタクトレンズ用液剤

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JP2002090699A
JP2002090699A JP2000283175A JP2000283175A JP2002090699A JP 2002090699 A JP2002090699 A JP 2002090699A JP 2000283175 A JP2000283175 A JP 2000283175A JP 2000283175 A JP2000283175 A JP 2000283175A JP 2002090699 A JP2002090699 A JP 2002090699A
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Manabu Ando
学 安藤
Masaru Imai
大 今井
Atsushi Sakaguchi
篤志 阪口
Fumio Saito
文郎 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物由来のセリンプロテアーゼ群の中から
変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセリンプロテアー
ゼと未変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセリンプロ
テアーゼをそれぞれ1種類以上含有するコンタクトレン
ズ用液剤を提供する。 【解決手段】 微生物由来のセリンプロテアーゼ群の中
から変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセリンプロテ
アーゼと未変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセリン
プロテアーゼをそれぞれ1種類以上含有するコンタクト
レンズ用液剤を用いることで、通常の洗浄操作では除去
しきれずにレンズに蓄積する傾向の高い蛋白質汚れをも
効果的に洗浄できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、微生物由来のセ
リンプロテアーゼ群の中から変性蛋白質に対する洗浄効
果を有するセリンプロテアーゼと未変性蛋白質に対する
洗浄効果を有するセリンプロテアーゼをそれぞれ1種類
以上含有するコンタクトレンズ用液剤に関する。さらに
は、本発明のコンタクトレンズ用液剤でコンタクトレン
ズの洗浄を行うコンタクトレンズのケア方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 コンタクトレンズを眼に装着した場
合、涙液成分に由来する蛋白質や、眼脂等に由来する脂
質等がコンタクトレンズに付着するため、装着後はそれ
らの汚れを除去し、レンズを再装着した際の良好な視野
を獲得する必要がある。そこで従来から、脂質汚れに対
しては界面活性剤を用いての洗浄処理が、蛋白質汚れに
対しては蛋白質分解酵素を用いての洗浄処理が行われて
いる。例えば、液体型酵素を用いたコンタクトレンズの
洗浄液が、特公平5−77047号公報および特開平4
−93919号公報に開示されている。前者は、水に混
和性の有機液体と水との配合比が50:50〜75:2
5の溶液と蛋白質分解酵素を含有することを特徴とし、
後者は20重量%以上の多価アルコールとバシルス ス
ブチリス液体培養物由来の蛋白質分解酵素とを含有する
ことを特徴とするコンタクトレンズ用洗浄液に関するも
のである。
【0003】 当社の研究の結果、蛋白質汚れには変性
した蛋白質の汚れと未変性の蛋白質汚れの2種類が存在
し、通常の洗浄操作では未変性の蛋白質汚れに対する洗
浄効果が充分ではないことが明らかになった。また、コ
ンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズとハードコ
ンタクトレンズに分類されるが、その中でも含水性のソ
フトコンタクトレンズはレンズ材質の関係で、より汚れ
が付着しやすいと言われている。さらに、洗浄処理後の
レンズには、通常の洗浄処理では除去しきれていない未
変性の蛋白質汚れが残っており、日々のレンズ装着によ
り、徐々にレンズに蓄積していることもわかった。しか
しながら、蛋白質の変性状態・未変性状態のそれぞれに
効果的な洗浄効果を有するコンタクトレンズ用処理液は
開示されていない。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】 本発明は、微生物由来のセリンプロテア
ーゼ群の中から変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセ
リンプロテアーゼと未変性蛋白質に対する洗浄効果を有
するセリンプロテアーゼをそれぞれ1種類以上含有する
ことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤に関する。さ
らには、本発明のコンタクトレンズ用液剤でコンタクト
レンズの洗浄を行うコンタクトレンズのケア方法に関す
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、本発
明の上記目的および利点は、以下により達成される。 (1)微生物由来のセリンプロテアーゼ群の中から変性
蛋白質に対する洗浄効果を有するセリンプロテアーゼと
未変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセリンプロテア
ーゼをそれぞれ1種類以上含有することを特徴とするコ
ンタクトレンズ用液剤 (2)還元剤をさらに含有することを特徴とする前記
(1)記載のコンタクトレンズ用液剤 (3)非還元性多価アルコールをさらに含有することを
特徴とする前記(1)または(2)記載のコンタクトレ
ンズ用液剤 (4)界面活性剤をさらに含有することを特徴とする前
記(1)〜(3)のいずれかに記載のコンタクトレンズ
用液剤 (5)ホウ酸および/またはそのアルカリ金属塩をさら
に含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいず
れかに記載のコンタクトレンズ用液剤 (6)微生物由来のセリンプロテアーゼが、バチルス属
由来のセリンプロテアーゼであることを特徴とする前記
(1)〜(5)のいずれかに記載のコンタクトレンズ用
液剤 (7)還元剤が亜硫酸、亜硫酸水素、二亜硫酸、チオ硫
酸、アスコルビン酸およびそれらのアルカリ金属塩なら
びにN−アセチル−システインよりなる群から選ばれる
ことを特徴とする前記(2)〜(6)のいずれかに記載
のコンタクトレンズ用液剤 (8)非還元性多価アルコールがグリセリン、エチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、マ
ンニトールおよびポリビニルアルコールよりなる群から
選ばれる前記(3)〜(7)のいずれかに記載のコンタ
クトレンズ用液剤 (9)界面活性剤が非イオン性界面活性剤であることを
特徴とする前記(4)〜(8)のいずれかに記載のコン
タクトレンズ用液剤 (10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の液剤に
てコンタクトレンズの洗浄を行うことを特徴とするコン
タクトレンズのケア方法
【発明の実施の形態】
【0006】 本発明で用いられる微生物由来のセリン
プロテアーゼは、バチルス属由来のセリンプロテアーゼ
であることが好ましい。また、遺伝子操作や高分子の付
加による酵素の修飾等により、さらに安定性や機能性を
高めたセリンプロテアーゼを使用してもよい。バチルス
属の微生物としては、例えばバチルス スブチリス、バ
チルス レンタス、バチルス リケニフォルミス、バチ
ルス サーモプロテオリティカス、バチルス アミロリ
キフアシエンスおよびバチルス ノボ等が挙げられる。
本発明では、前述した微生物に由来するセリンプロテア
ーゼ群の中から変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセ
リンプロテアーゼと未変性蛋白質に対する洗浄効果を有
するセリンプロテアーゼをそれぞれ1種類以上組合せて
使用するが、その中でも、変性蛋白質に対する洗浄効果
を有するバチルス サブチリスと未変性蛋白質に対する
洗浄効果を有するバチルス レンタス由来のセリンプロ
テアーゼを組合せて使用するのが好ましい。本発明で
は、変性蛋白質に対する洗浄効果があるセリンプロテア
ーゼと未変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセリンプ
ロテアーゼとを組合せて使用することで、眼に見えない
レンズに固執した蛋白質汚れをも有効に洗浄することが
できる。また、本発明では、レンズを繰返し装用した際
に、未変性蛋白質がレンズへ蓄積することを防ぐことも
できる。セリンプロテアーゼは、Folin法で測定し
た場合の酵素力価で、製剤中にそれぞれ0.00001
〜3000PU/mLの範囲で配合されるように適宜決
定され、それぞれ0.001〜2000PU/mLの範
囲で配合されるのがより好ましい。
【0007】 還元剤は、未変性蛋白質に対する効果を
増強させるために配合する。還元剤としては、例えば、
亜硫酸、亜硫酸水素、二亜硫酸、チオ硫酸、アスコルビ
ン酸およびそれらのアルカリ金属塩ならびにN−アセチ
ル−システイン等が挙げられ、それらの群の中から1種
以上を用いる。アルカリ金属塩としては、例えばナトリ
ウム塩、カリウム塩およびマグネシウム塩が好ましく用
いられる。還元剤は、製剤中に0.0001〜50(w
/v)%の範囲で配合され、0.001〜10(w/
v)%の範囲で配合されるのがより好ましい。
【0008】 非還元性多価アルコールは、プロテアー
ゼの安定化および/または溶液の等張化を目的として配
合する。非還元性多価アルコールとしては、例えば、グ
リセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ソルビトール、マンニトールおよびポリビニルアル
コール等が挙げられ、それらの群から適宜1種類以上を
配合する。非還元性多価アルコールは、製剤中に0.1
〜80(w/v)%の範囲で配合され、1〜55(w/
v)%の範囲で配合されるのがより好ましい。その他の
等張化剤として、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム等
の塩類を配合することも可能であるが、製品中に配合さ
れるプロテアーゼの濃度によっては、未変性蛋白質に対
する効果が妨げられることもあるので、塩類を使用する
際にはその都度、未変性蛋白質に対する効果を確認する
必要がある。
【0009】 界面活性剤は、脂肪汚れに対する洗浄効
果を与えるために配合する。カチオン性界面活性剤、両
性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびアニオン性
界面活性剤のいずれを使用してもよい。カチオン性界面
活性剤の例としては、塩化トリ(ポリオキシエチレン)
ステアリルアンモニウム(5E.O.)、塩化オレイル
ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、ラ
ノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニム
エトサルフェートおよびN−ココイル−L−アルギニン
エチルエステル−DL−ピロリドンカルボン酸塩等が挙
げられる。両性界面活性剤の例としては、ラウリルジア
ミノエチルグリシンナトリウム、2−アルキル−N−カ
ルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウ
ムベタインおよびアルキルジメチルアミンオキシド等が
挙げられる。
【0010】 非イオン性界面活性剤の例としては、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重
合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリ
コール脂肪酸エステル、脂肪酸ショ糖エステルおよびポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンエチレンジア
ミン縮合物等が挙げられる。
【0011】 アニオン系界面活性剤の例としては、α
−オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン鎖を
有するカルボキシ化エーテル塩、アルキルリン酸塩、ポ
リオキシエチレン鎖を有するアルキルエーテルリン酸塩
/硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エーテル、ア
ルキルサルコシン塩、アルキロイルメチルタウリン、ア
ルキロイルベンザルコシン等が挙げられる。
【0012】 界面活性剤は単独でも、また上記に挙げ
たうちの1種以上の界面活性剤と一緒に製剤中に配合す
ることもできる。含水性ソフトコンタクトレンズの煮沸
消毒用液剤の配合成分として使用する場合は、非イオン
性の界面活性剤を使用するのが好ましい。また、含水性
ソフトコンタクトレンズの化学消毒用液剤の配合成分と
してアニオン系界面活性剤を使用する場合は、殺菌剤お
よび消毒剤と併用した際の効果を予め確認して組合せを
選定する。界面活性剤の製剤中の濃度は、0.1ppm
〜5(w/v)%の範囲で使用するのが好ましい。上記
配合目的のほかに、さらにカチオン系および両性界面活
性剤の種類によっては殺菌効果の増強に寄与するものも
ある。
【0013】 ホウ酸および/またはそのアルカリ金属
塩は、緩衝化剤として配合するが、酵素の安定化および
微生物の静菌効果にも寄与する。その他、トリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン、リン酸系緩衝剤、酢酸系
緩衝剤、クエン酸系緩衝剤等を使用することも可能であ
る。ホウ酸および/またはそのアルカリ金属塩は、製剤
中にそれぞれ0.001〜10(w/v)%の範囲で適
宜配合され、それぞれ0.01〜5.0(w/v)%の
範囲で適宜配合されるのがより好ましい。
【0014】 本発明のコンタクトレンズ用液剤とし
て、さらに金属キレート化剤を配合することもできる。
キレート化剤の配合目的は、レンズ表面に付着している
涙液中のカルシウム塩等の無機塩類と蛋白質との複合体
を除去することであるが、プロテアーゼの種類によって
は安定性を低下させることもあるので、金属キレート化
剤を配合する際には、プロテアーゼの安定性を予め確認
する必要がある。本発明で未変性蛋白質汚れに対して好
適としたバチルス レンタス由来のセリンプロテアーゼ
は、金属キレート化剤により安定性が損なわれないこと
が確認されている。金属キレート化剤としては、例え
ば、ポリカルボン酸および/またはその塩、ならびにポ
リリン酸および/またはその塩が挙げられる。具体的に
は、前者はエチレンジアミン四酢酸、クエン酸、グルコ
ン酸、酒石酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸および
それらのナトリウム塩あるいはカリウム塩であり、後者
はピロリン酸、トリリン酸、テトラリン酸、トリメタリ
ン酸、テトラメタリン酸およびそれらのナトリウム塩あ
るいはカリウム塩であるが、それらの中でも特にエチレ
ンジアミン四酢酸二ナトリウムが特に好ましい。製剤中
に金属キレート化剤が配合される際の濃度は、通常、
0.001〜10(w/v)%が好適である。
【0015】 その他、グリシン、リジンおよびグルタ
ミン酸等の群から選ばれる少なくとも1種のアミノ酸
類、セルロースおよび/またはその誘導体、キトサンお
よび/またはその誘導体、ポリビニルピロリドンならび
にポリビニルアルコール等の群から選ばれる少なくとも
1種の増粘剤を含有することも可能である。その他、尿
素および/またはその誘導体のようなものも適宜配合可
能である。化学消毒用のコンタクトレンズ用液剤として
使用する際には、消毒剤として、ポリヘキサメチレンビ
グアニド、ポリ第四級アンモニウム塩、クロロヘキシジ
ン、ポビドンヨードまたはポリビニルアルコールヨード
等のヨウ素系消毒剤、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコール類、ならびにアルキル基がオクチル
やドデシルであるN−アルキル−2−ピロリドン類、過
酸化物等を適宜配合することもできるが、ヨウ素系消毒
剤や過酸化物の場合には、消毒剤の中和が必要となる。
またさらに、失明にまで至る眼障害の原因の1種である
といわれるアカントアメーバーのシストに効果のあるポ
リリジンを殺菌剤として配合することも可能である。
【0016】 本発明のコンタクトレンズ用液剤のpH
は5.5〜8.5であるのが好ましく、6.0〜8.0
であるのがより好ましい。浸透圧は150〜10,00
0mOsm.の範囲で適宜決定されるが、含水性ソフト
コンタクトレンズ用として使用する場合には、コンタク
トレンズに接触させる際の浸透圧が150〜460mO
sm.となるようにするのが好ましく、さらに好ましく
は180〜400mOsm.である。
【0017】 本発明のコンタクトレンズ用液剤は、水
溶液であるのが好ましく、成分を順次水に溶解させ、水
にて容量を調整し、最後に酸またはアルカリにてpHを
調整することにより、工業的に有利に製造することがで
きる。本発明品は、含水性ソフトコンタクトレンズの煮
沸消毒用液剤、含水性ソフトコンタクトレンズの化学消
毒用液剤、ハードコンタクトレンズおよび/または非含
水性ソフトコンタクトレンズ用液剤として使用すること
ができる。液剤は、1液型および2液型のどちらでもよ
く、さらには液剤と固形剤、顆粒剤、カプセル等を組合
せて使用してもよいが、コンタクトレンズと接触させる
際には、必ず液剤である必要がある。また、該液剤には
洗浄効果のほか、消毒効果、保存効果、濯ぎ効果等を持
たせてもよい。
【0018】 次に、本発明の液剤を用いた洗浄方法に
ついて説明する。含水性ソフトコンタクトレンズの煮沸
消毒用液剤の場合には、該液剤に対象となるソフトコン
タクトレンズを浸漬したあと、煮沸消毒器により消毒処
理を行うと同時に洗浄処理も行う。その際の液剤は、1
液型でも2液型でもよいが、2液型の場合には、2種類
以上のセリンプロテアーゼを含む酵素液と、酵素液の希
釈およびレンズの濯ぎができる希釈・濯ぎ液とに成分を
分けて使用することが望ましい。該液剤を含水性ソフト
コンタクトレンズの洗浄効果も有する化学消毒剤として
使用する場合には、対象となるコンタクトレンズを該液
剤に必要時間浸漬することで殺菌を行うと同時に洗浄処
理も行う。浸漬の操作は、睡眠中に行うと非常に便利で
ある。化学消毒剤として中和操作の必要な、例えばヨウ
素系消毒剤や過酸化物が配合されている場合には、別
途、消毒後に例えば含硫黄性還元剤等を用いた中和の操
作が必要となる。消毒完了後にはレンズを眼に装着する
が、どの消毒方法においても、必要に応じて該液剤、生
理的食塩水または濯ぎ液にてコンタクトレンズを濯いだ
後に眼に装着してもよい。また、液剤は1液型、2液型
のどちらでもよいが、2液型の場合には、2種類以上の
セリンプロテアーゼを含む酵素液と、消毒成分を含む液
に分けて使用するのが望ましい。ハードコンタクトレン
ズおよび/または非含水性ソフトコンタクトレンズ用の
液剤として使用する場合には、基本的には消毒の操作が
要らないので洗浄の効果を重視したケアを行う。液剤
は、1液型でも2液型でもどちらでもよいが、2液型の
場合には、2種類のセリンプロテアーゼを含む酵素液
と、酵素液の希釈液とに成分を分けて使用することが望
ましい。1液型の場合にはそのまま、2液型の場合には
各液を混合させた後、対象となるコンタクトレンズを該
液に一定時間浸漬させる。
【0019】
【実施例】 以下、本発明を実施例および比較例により
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0020】 実施例1 コンタクトレンズ用液剤Aおよび比較例をそれぞれ以下
の如く調整した。液剤Aおよび比較例は、共に含水性ソ
フトコンタクトレンズの煮沸消毒用の酵素液と希釈・濯
ぎ液とからなる2液型の液剤とした。液剤Aの酵素液
は、配合成分であるバチルス サブチリス由来のセリン
プロテアーゼであるナガセ生化学工業社製「ビオプラー
ゼコンク」(変性蛋白質汚れに対する選択的洗浄効果あ
り)を1000PU/mL、バチルス レンタス由来の
セリンプロテアーゼであるノボ ノルディスク社製「エ
スペラーゼ」(未変性蛋白質汚れに対する選択的洗浄効
果あり)を100PU/mL、亜硫酸ナトリウム2.0
g、グリセリン40g、ホウ酸0.5gおよびホウ砂
4.0gを順次精製水に溶解させ、全体量を100mL
とした。液剤Aの希釈・濯ぎ液は、配合成分であるホウ
酸0.6g、ホウ砂0.2g、非イオン性界面活性剤と
してポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンエチレ
ンジアミン縮合物0.015g、EDTA・2Naを
0.2gおよびグリセリン1.5gを順次精製水に溶解
させ、全体量を100mLとした。比較例の酵素液は、
液剤Aの酵素液から配合成分であるバチルス レンタス
由来のセリンプロテアーゼであるノボ ノルディスク社
の「エスペラーゼ」および亜硫酸ナトリウムを除いた以
外は同様にして調製した。比較例の希釈・濯ぎ液は、リ
ン酸水素ナトリウム0.35g、リン酸2水素ナトリウ
ム0.06g、非イオン性界面活性剤としてポリオキシ
エチレン−ポリオキシプロピレンエチレンジアミン縮合
物0.015g、EDTA・2Na0.2gおよび塩化
ナトリウム0.6gを順次精製水に溶解させ、全体量を
100mLとした。共に、酵素液はpH7.0、浸透圧
750mOsm.(10倍希釈時)、希釈・濯ぎ液はp
H7.8、浸透圧250mOsm.とした。
【0021】 未変性蛋白質汚れの指標として、蛋白質
汚れの主成分であるリゾチームを用い、未変性のリゾチ
ーム汚れを付着させた人工汚れレンズを以下の如く調製
した。レンズは、リゾチーム汚れ付着量の多いFDAIV
群に相当するチバビジョン社の「フォーカス」を用い、
0.4%卵白リゾチームを含有する「ISO1034
4」で規定されたリン酸緩衝生理食塩水2mLに該レン
ズを浸漬し、35℃で2時間振とうすることにより人工
の未変性リゾチーム汚れ付着レンズを調製した。
【0022】 人工の未変性リゾチーム汚れ付着レンズ
を用いて、未変性リゾチーム汚れに対する洗浄効果を調
べた。即ち、液剤Aおよび比較例をそれぞれ、酵素液
0.2mLと希釈・濯ぎ液2.0mLとを混合させた液
剤を調製し、各混合液剤に調製した人工汚れレンズを浸
漬させ、オフテクス社の煮沸消毒器「ヒートユニット
ネオ」を用いて、煮沸消毒を行い、処理前後のレンズの
280nmにおける吸光度(蛋白質量を反映する)の変
化量より汚れ残存率を算出した。結果、液剤Aは、比較
液に対して2倍弱もの洗浄効果を示した。
【0023】 実施例2 変性蛋白質汚れの指標として、蛋白質汚れの主成分であ
るリゾチームを用い、変性リゾチーム汚れを付着させた
人工汚れレンズを以下の如く調製した。レンズは、FD
AI群レンズに相当するオフテクス社の「ビューノ」を
用い、0.1%卵白リゾチームを含有する「ISO10
344」で規定されたリン酸緩衝生理食塩水に該レンズ
を浸漬し、82±2℃で1時間加熱することにより、人
工の変性リゾチーム汚れ付着レンズを調製した。
【0024】 人工の変性リゾチーム汚れ付着レンズを
用いて、変性リゾチーム汚れに対する洗浄効果を調べ
た。即ち、液剤Aおよび比較例をそれぞれ、酵素液0.
2mLと希釈・濯ぎ液2.0mLとを混合させた液剤を
調製し、各混合液剤に調製した人工汚れレンズを浸漬さ
せ、オフテクス社の煮沸消毒器「ヒートユニット ネ
オ」を用いて、煮沸消毒を行い、処理前後のレンズの4
50nmにおける吸光度(レンズの白濁度を反映する)
の変化量より汚れ残存率を算出した。結果、液剤Aと比
較液は同等の洗浄効果を示した。以上より、変性リゾチ
ーム汚れには、比較液のコンタクトレンズ用液剤でも充
分であるが、未変性リゾチームへの効果は、本発明品で
ないと達成されないことがわかった。
【0025】 実施例3 繰返し使用における未変性蛋白質のレンズへ蓄積量につ
いて、蛋白質汚れの主成分であるリゾチームを指標とし
て調べた。即ち、実施例1と同様にして、コンタクトレ
ンズに人工の未変性リゾチーム汚れを付着されたのち、
該レンズを液剤Aまたは比較液にて煮沸消毒処理を行う
処理を1サイクルとした。その処理を13サイクル繰り
返したのち、処理前後のレンズの280nmにおける吸
光度の変化量より汚れ残存率を算出した。結果、液剤A
は、未変性リゾチーム汚れの蓄積が殆ど見られなかった
一方で、比較液では、液剤Aの4倍に相当する汚れの蓄
積が見られた。
【0026】 実施例4 液剤Aの酵素液および希釈・濯ぎ液について安定性を、
酵素液については酵素力価、pHおよび浸透圧につい
て、希釈・濯ぎ液についてはpHおよび浸透圧につい
て、40℃、相対湿度75%の条件下で1ヶ月間の変化
を調べた。その結果、いずれも試験の開始前後で殆ど変
化は無く、製剤的に安定であることがわかった。
【発明の効果】
【0027】 本発明は、コンタクトレンズ用液剤の配
合成分として微生物由来の特定のセリンプロテアーゼを
組合せて使用することで、装着後のコンタクトレンズに
付着した変性蛋白質汚れだけではなく、通常のプロテア
ーゼでは分解されにくい未変性蛋白質汚れについても有
効に洗浄することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 文郎 兵庫県豊岡市神美台156−5 株式会社オ フテクス研究所内 Fターム(参考) 2H006 DA08 DA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物由来のセリンプロテアーゼ群の中
    から変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセリンプロテ
    アーゼと未変性蛋白質に対する洗浄効果を有するセリン
    プロテアーゼをそれぞれ1種類以上含有することを特徴
    とするコンタクトレンズ用液剤。
  2. 【請求項2】 還元剤をさらに含有することを特徴とす
    る請求項1記載のコンタクトレンズ用液剤。
  3. 【請求項3】 非還元性多価アルコールをさらに含有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載のコンタクト
    レンズ用液剤。
  4. 【請求項4】 界面活性剤をさらに含有することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンタクトレン
    ズ用液剤。
  5. 【請求項5】 ホウ酸および/またはそのアルカリ金属
    塩をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のコンタクトレンズ用液剤。
  6. 【請求項6】 微生物由来のセリンプロテアーゼが、バ
    チルス属由来のセリンプロテアーゼであることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載のコンタクトレンズ
    用液剤。
  7. 【請求項7】 還元剤が亜硫酸、亜硫酸水素、二亜硫
    酸、チオ硫酸、アスコルビン酸およびそれらのアルカリ
    金属塩ならびにN−アセチル−システインよりなる群か
    ら選ばれることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに
    記載のコンタクトレンズ用液剤。
  8. 【請求項8】 非還元性多価アルコールが、グリセリ
    ン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
    ロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソル
    ビトール、マンニトールおよびポリビニルアルコールよ
    りなる群から選ばれる請求項3〜7のいずれかに記載の
    コンタクトレンズ用液剤。
  9. 【請求項9】 界面活性剤が非イオン性界面活性剤であ
    ることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のコ
    ンタクトレンズ用液剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の液剤
    にてコンタクトレンズの洗浄を行うことを特徴とするコ
    ンタクトレンズのケア方法。
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