JP2002088448A - ブラウン管用展張型シャドウマスク - Google Patents

ブラウン管用展張型シャドウマスク

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JP2002088448A
JP2002088448A JP2000281587A JP2000281587A JP2002088448A JP 2002088448 A JP2002088448 A JP 2002088448A JP 2000281587 A JP2000281587 A JP 2000281587A JP 2000281587 A JP2000281587 A JP 2000281587A JP 2002088448 A JP2002088448 A JP 2002088448A
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slit
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thin plate
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JP2000281587A
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Tsutomu Hatano
勉 羽田野
Takahito Aoki
孝仁 青木
Nobuaki Kanayama
信明 金山
Kazutaka Iizuka
和孝 飯塚
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気シールド性に優れ且つクリープ伸びの少
ない展張型シャドウマスクを提供する。 【解決手段】 C:0.020〜0.100%(質量
%。以下同じ。)、Mn:0.10〜0.40%、S
i:0.01〜0.03%、P:0.001〜0.02
0%、S:0.001〜0.020%、N:0.001
〜0.008%、およびその他不可避的元素を含有する
鉄基薄板から形成されてなる展張型ブラウン管用シャド
ウマスクによって、上記課題を解決する。この鉄基薄板
は、歪み取り焼鈍後または黒化処理後の引張強さの低下
が20%以下であり、その熱処理後の引張強さが600
N/mm2 以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーブラウン管
に好適に使用される展張型シャドウマスクに関し、更に
詳しくは、磁気シールド性に優れ且つクリープ伸びの少
ないブラウン管用展張型シャドウマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管用展張型シャドウマスク(以
下「展張型シャドウマスク」という。)は、エッチング
により形成されたすだれ状のスリット形状またはスロッ
ト形状を全面に有している。そして、そのスリットやス
ロットは、ブラウン管内側の蛍光面上の所定の位置に電
子ビームをランディングさせるために、所定の幅で形成
されている。こうした展張型シャドウマスクは、そのス
リットの幅やスロットの幅に乱れが生じないように、内
側方向に加圧した状態の鋼枠に溶接等によって固定さ
れ、その後その加圧を解除することによってスリットま
たはスロットの長手方向が展張される。
【0003】展張型シャドウマスクと鋼枠とが一体とな
った展張型シャドウマスク構造体(以下「構造体」とい
う。)は、その後、歪みを除去するための歪み取り焼鈍
や、二次電子の発生、熱輻射、さびの発生等を防止する
ための黒化処理が施される。なお、そうした歪み取り焼
鈍や黒化処理は、通常、450〜520℃程度の所定の
温度で数十分間の熱処理によって行われる。また、構造
体の種類によっては、鋼枠と一体化する以前に歪み取り
焼鈍や黒化処理を施す場合もある。
【0004】こうして製造された構造体は、カラーテレ
ビやコンピューター等のカラーブラウン管内に装着さ
れ、優れた磁気シールド効果と、乱れのないスリット幅
またはスロット幅とを有する展張型シャドウマスクの作
用によって、カラーブラウン管上の表示画像の高精細度
化に寄与している。
【0005】従来、一般的なプレス型シャドウマスク用
の素材としては、アルミキルド鋼と呼ばれる極低炭素鋼
が使用されていた。しかしながら、この極低炭素鋼は、
シャドウマスクに要求される磁気シールド特性には優れ
ているが、永久歪みとなるクリープ伸びが比較的大きい
という欠点を有している。そのため、その極低炭素鋼を
上述の態様で使用される展張型シャドウマスクに使用す
ると、そのクリープ伸びによって、予め展張されたスリ
ット部またはスロット部にたるみが発生し、スリット幅
またはスロット幅に乱れが生ずるという問題が起こる。
【0006】この問題に対し、特開昭62−24933
9号公報には、黒化処理等の熱処理が施された後であっ
ても、スリット幅の安定した展張型シャドウマスクを提
供することができる改良極低炭素鋼板が記載されてい
る。この改良極低炭素鋼においては、所定量の窒素を含
有させることによってクリープ伸びを抑制させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た改良極低炭素鋼板においては、クリープ伸びは抑制で
きるものの、シャドウマスクの本質的な効果である磁気
シールド効果においては、上述の極低炭素鋼よりも劣る
という問題があった。
【0008】本発明は、こうした問題を解決すべくなさ
れたものであって、特にアパーチャーグリル方式のカラ
ーブラウン管に好適に使用でき、黒化処理等の熱処理に
よってもクリープ伸びが少なく且つ磁気シールド特性に
優れたブラウン管用展張型シャドウマスクを提供するも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のブラウン管用
展張型シャドウマスクは、C:0.020〜0.100
%(質量%。以下同じ。)、Mn:0.10〜0.40
%、Si:0.01〜0.03%、P:0.001〜
0.020%、S:0.001〜0.020%、N:
0.001〜0.008%、およびその他不可避的元素
を含有する鉄基薄板から形成されてなることに特徴を有
する。
【0010】この発明によれば、鉄基薄板が含有する
C:0.020〜0.100%の作用によって、展張型
シャドウマスクに優れた磁気シールド特性と優れたクリ
ープ特性を付与することができる。こうして得られた展
張型シャドウマスクは、クリープ伸びによるスリット部
またはスロット部のたるみが発生しにくくスリット幅ま
たはスロット幅の乱れを起こしにくい。その結果、本発
明においては、カラーブラウン管上の表示画像の高精細
度化に寄与することができる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載の展張
型シャドウマスクにおいて、前記鉄基薄板は、歪み取り
焼鈍後または黒化処理後の引張強さの低下度合いが20
%以内であって600N/mm2 以上の引張強さを有す
ることに特徴を有する。
【0012】この発明によれば、鉄基薄板は、歪み取り
焼鈍または黒化処理等の熱処理後の引張強さの低下度合
いが20%以内であって600N/mm2 以上の引張強
さを有するので、そうした熱処理時の内部応力の開放に
よるスリットまたはスロットのたるみが発生せず、且つ
磁気シールド特性に優れたブラウン管用展張型シャドウ
マスクを提供できる。このときの金属組織は、熱処理の
際に生成した析出硬化型の炭化物を含んでいる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のブラウン管用展張
型シャドウマスクについて説明する。
【0014】図1は、カラーブラウン管11に用いられ
た本発明の展張型シャドウマスク1の実施態様の一例を
示す斜視図である。図2は、鋼枠12に固定され展張さ
れた本発明の展張型シャドウマスク1の一例を示す正面
図(a)とその断面図(b)である。
【0015】本発明の展張型シャドウマスク1は、C:
0.020〜0.100%(質量%。以下同じ。)、M
n:0.10〜0.40%、Si:0.01〜0.03
%、P:0.001〜0.020%、S:0.001〜
0.020%、N:0.001〜0.008%、および
その他不可避的元素を含有する鉄基薄板から形成され
る。
【0016】鉄基薄板の成分組成を上述の範囲に限定し
た理由について説明する。
【0017】C(炭素)は、鉄基薄板のエッチング性、
磁気シールド特性、強度、クリープ伸びのそれぞれの特
性に影響する元素である。本発明においては、0.02
0〜0.100%のCを含有させることによって、展張
型シャドウマスク用の鉄基薄板として好ましい特性を付
与している。この範囲内においてC含有量が少なくなる
と、より磁気特性が向上して優れた磁気シールド効果を
奏する傾向になり、また、よりエッチング性に優れてス
リットまたはスロットの直線形状とスリットまたはスロ
ットの幅寸法とのバラツキがより一層小さくなる傾向に
なる。また、この範囲内においてC含有量が多くなる
と、より強度が向上して伸びが生じにくい傾向になる。
このときの伸びは、後述するN(窒素)含有量との関係
も考慮される。また、ここで要求される強度は、展張型
シャドウマスク製造時の展張・固定作業に耐え得る十分
な強度であると共に、ブラウン管内に装着された展張型
シャドウマスクに若干の熱膨張(例えば、電子ビーム照
射等に基づくものを含む。以下同じ。)が起こったとし
てもスリットまたはスロットにたるみが生じない程度の
高張力で行われる展張・固定作業に耐え得る十分な強度
である。
【0018】C含有量が0.020%未満の場合は、伸
びが生じやすくなり、特に、400〜520℃程度の温
度で処理されることのある歪み取り焼鈍や黒化処理等の
熱処理が加わった後の強度の低下度合いが大きく、伸び
が生じてスリット幅またはスロット幅が乱れることがあ
る。また、強度の点でもやや低下するので、展張型シャ
ドウマスクに若干の熱膨張が起こったとしてもスリット
またはスロットにたるみが生じない程度の高張力で行わ
れる展張・固定作業に耐えられないことがある。また、
C含有量が0.100%を超えると、金属組織中の炭化
物系介在物が増加する傾向にあるので、エッチング性が
低下し、スリットまたはスロットを実際にエッチングし
た後におけるスリットまたはスロットの直線形状やスリ
ットまたはスロットの幅寸法にバラツキが生じることが
ある。また、磁気特性が低下して磁気シールド作用が不
十分になることがある。
【0019】なお、より好ましいC含有量の範囲は、
0.04〜0.06%である。この範囲のC含有量を有
する鉄基薄板は、優れた磁気特性に基づく磁気シールド
特性と、歪み取り焼鈍や黒化処理等の熱処理が加わった
後においても十分に抑制されたクリープ伸びとを有して
いる。
【0020】上述した範囲のC含有量を有する鉄基薄板
は、歪み除去焼鈍や黒化処理等の熱処理時に析出硬化現
象が起こる。特に、400〜520℃の熱処理時に炭化
物の二次析出による硬化現象が生じるので、引張強さの
低下が顕著に生じないという利点がある。その引張強さ
の低下の程度は、熱処理前の強度と比較しておよそ20
%以下である。
【0021】Mn(マンガン)は、鉄基薄板の製鋼・圧
延工程における脱酸作用と熱間加工性の向上を目的とし
て、0.10〜0.40%含有させることが好ましい。
Mn含有量が0.40%を超える場合には、熱割れを起
こすことがある。Mn含有量の下限は特に限定されない
が、上述の目的を達成するために最低限必要な量であれ
ばよく、例えば0.10%含有させておくことが好まし
い。
【0022】Si(ケイ素)は、金属組織中にMnO−
SiO2 、MnO−FeO−SiO 2 等のケイ酸塩系介
在物として存在し、エッチング性を阻害する要因となる
ので、0.03%以下の含有量とすることが好ましい。
Si含有量が0.03%を超えるとエッチング性が阻害
されることがある。Si含有量の下限は特に限定されな
いが、例えば0.01%程度となる。
【0023】P(リン)は、その含有量が0.020%
を超えると、鉄基薄板が硬化し、圧延性が悪くなること
がある。そのため、P含有量の上限を0.020%とし
た。P含有量の下限は、特に限定されないが、例えば
0.001%程度となる。
【0024】S(硫黄)は、硫化物系介在物として金属
組織中に存在し、エッチング性を阻害する要因となるの
で、0.020%以下の含有量とすることが好ましい。
S含有量が0.020%を超えるとエッチング性が阻害
されることがある。S含有量の下限は特に限定されない
が、例えば0.001%程度となる。
【0025】N(窒素)は、この鉄基薄板において、主
にクリープ特性と磁気シールド特性に影響する元素であ
る。本発明においては、0.001〜0.008%の含
有量とすることによって、クリープ特性と磁気シールド
特性を向上させている。この範囲内においてN含有量が
少なくなると、より磁気特性が向上して優れた磁気シー
ルド効果を奏する傾向になる。また、この範囲内におい
てN含有量が多くなると、クリープ伸びがより抑制され
る傾向にあり、黒化処理等の熱処理時におけるクリープ
現象の発生をより一層抑制することができる。
【0026】N含有量が0.001%未満の場合は、ク
リープ伸びが発生し易くなり、特に、歪み取り焼鈍や黒
化処理等の熱処理時におけるクリープ現象の発生を抑制
しにくい。その結果、クリープ伸びが生じてスリットま
たはスロットの幅が乱れることがある。また、N含有量
が0.008%を超えると、磁気特性が低下して磁気シ
ールド作用が不十分になることがある。
【0027】なお、より好ましいN含有量の範囲は、
0.003〜0.005%である。この範囲のN含有量
を有する鉄基薄板は、優れた磁気特性に基づく磁気シー
ルド特性と、歪み取り焼鈍や黒化処理等の熱処理が加わ
った後においても十分に抑制されたクリープ伸びとを有
している。
【0028】クリープ伸びは、上述したC含有量とN含
有量との関係も考慮される。すなわち、クリープ伸びを
抑制するためには、磁気特性が必要以上に低下しない範
囲内でできるだけ多くのNを含有させることと、エッチ
ング性と磁気特性が必要以上に低下しない範囲内ででき
るだけ多くのCを含有させることが好ましい。しかし、
CとNの両者を両方とも多く含有させると、磁気特性が
やや低下する傾向になるので、本発明で規定した範囲内
で最も適当な特性になるように最適化することがより好
ましい。こうした点を考慮したとき、両者の含有量の関
係を反比例とすることがより好ましい。
【0029】以上説明した鉄基薄板において、上述した
含有元素と不可避的元素以外の残部は鉄である。不可避
的元素は、鉄基薄板の製造工程中に混入するAl等の不
可避的な不純物である。さらに、本発明の目的を達成す
ることができる範囲内であれば、製造時の脱酸作用や鍛
造性その他の素材性能を発揮させる目的で添加されるそ
の他の元素を含有していてもよい。
【0030】こうした成分を所定量含有する鉄基薄板
は、エッチング性に優れると共に、黒化処理等の熱処理
によってもクリープ伸びが少なく且つ磁気シールド特性
に優れた展張型シャドウマスクの製造に極めて好ましく
使用することができる。
【0031】さらに、得られた展張型シャドウマスク
は、その鉄基薄板の加工処理条件によって若干異なる場
合もあるが、600N/mm2 (MPaに同じ。)以
上、例えば600〜700N/mm2 の引張強さとな
る。こうした範囲の引張強さは、高張力で展張させて固
定することができると共に、たとえ展張型シャドウマス
クに若干の熱膨張が起こったとしてもスリットまたはス
ロットにたるみが生じない程度の高張力で展張・固定作
業を行うことを可能にさせる。こうした点においても、
本発明の展張型シャドウマスクは、ブラウン管内でスリ
ットまたはスロットの乱れを防ぎ、ブラウン管内の蛍光
面に到達させる電子ビームの位置ずれを起こさない。
【0032】次に、本発明の展張型シャドウマスクの製
造方法について説明する。
【0033】上述した範囲の成分組成となるように金属
材料を配合し、溶解して鋼塊を作製する。その鋼塊を熱
間鍛造や熱間圧延によって所定の厚さに圧延し、その
後、冷間圧延や焼鈍等の工程を経て、0.02〜0.3
0mm程度の範囲内における所定の厚さの鉄基薄板を作
製する。得られた鉄基薄板は、エッチングされて展張型
シャドウマスクに加工される。このエッチングは、得ら
れた鉄基薄板にレジストを塗布し乾燥させた後、所定の
スリットまたはスロットのパターンを有するパターン形
成用のマスクを用いて露光し、その後、エッチング処理
剤によって、所定のスリットまたはスロットのパターン
を有する展張型シャドウマスクに溶解形成する方法であ
る。
【0034】図2(a)に示すように、得られた展張型
シャドウマスク2(仮想破線で表している。)は、その
展張方向Yとは逆方向Fに鋼枠12を加圧した状態で、
その上下が鋼枠12に溶接される。次いで、その加圧が
解除され、鋼枠12の復元力によって展張型シャドウマ
スク2に高張力が与えられる。このとき、展張型シャド
ウマスク2に加わる張力は、製造された展張型シャドウ
マスク構造体が実際にブラウン管内で使用された際に、
その展張型シャドウマスク構造体に若干の熱膨張が起こ
ったとしてもスリットまたはスロットにたるみが生じな
い程度の張力となるように設定される。その後、大気中
等の酸化性雰囲気中で、450〜600℃、5〜30分
間の熱処理によって黒化処理され、展張型シャドウマス
ク構造体1が製造される。この黒化処理は、その後に、
二次電子の発生、熱輻射、錆の発生等を防止するために
行われ、特に耐食性を向上させるのに効果がある。
【0035】
【実施例】以下に実施例と比較例を示し、本発明をさら
に具体的に説明する。
【0036】(実施例1)表1に示した材料Aからなる
厚さ0.10mmの鉄基薄板を作製した。この鉄基薄板
の両面に、水溶性カゼインレジストを塗布し、乾燥さ
せ、レジスト膜を形成した。その後、所定のスリットパ
ターンを有する一対のパターン形成用マスクであるガラ
ス乾板を用いて、上記の両面のレジスト膜を露光してパ
ターニングを行った。さらに、硬質処理とベーキング処
理を行った後、パターニングされた両面のレジスト膜
に、液温60℃、比重48°Be(重ボーメ)の塩化第
二鉄溶液をエッチング液としてノズルから噴射し、所定
のスリットパターンにエッチングした。水洗後、残った
レジスト膜をアルカリ水溶液によって剥離し、洗浄、乾
燥して展張型シャドウマスクを製造した。
【0037】得られた展張型シャドウマスクについて、
エッチング性、引張強さ(熱処理前および熱処理後)、
クリープ伸び、磁気特性を測定し評価した。その結果を
表2に示した。
【0038】(実施例2、3および比較例1〜比較例
3)表1に示した材料B、C、D、E、Fからなる厚さ
0.10mmの鉄基薄板をそれぞれ作製した。各鉄基薄
板を、実施例1と同じ方法でエッチングして、展張型シ
ャドウマスクをそれぞれ製造した。得られた各展張型シ
ャドウマスクの特性も実施例1と同じ下記の方法で測定
し評価した。その結果を表2に示した。
【0039】(評価方法と評価結果)エッチング性は、
得られた展張型シャドウマスクのスリット部の開孔形状
と直線性によって評価した。具体的な評価基準として
は、隣接したスリット間の寸法バラツキにより判断し、
隣接スリットを25本測定し、そのバラツキが1μm以
下の場合を○、1μmを超える場合を×とした。
【0040】引張強さは、得られた展張型シャドウマス
クから切り出した試料を、JISZ2201に基づく5
号試験片に加工し、JIS Z2241に規定される金
属材料試験に基づいて測定した。なお、熱処理後の引張
強さは、歪み取り焼鈍や黒化処理として一般的に行われ
る条件に相当する460℃・60分間の熱処理を施した
後の試料について測定した。具体的な評価基準として
は、600MPa以上を○、550MPa以上600M
Pa未満を△、550MPa未満を×とした。
【0041】クリープ伸びは、100mm長さの試料
を、負荷応力200MPa(200N/mm2 に同
じ。)、460℃、60分間の条件下で測定した伸び率
(%)によって評価した。具体的な評価基準としては、
0.8%以下を○、0.8%を超え1.2%以下を△、
1.2%を超えた場合を×とした。
【0042】磁気特性は、最大透磁率(μmax)によっ
て評価した。最大透磁率の測定は、460℃・60分間
の熱処理を施した後の試料を、磁場10Oe下で測定し
解析した結果によって評価した。具体的な評価基準とし
ては、1400を超える場合を○、1300を超え14
00以下を△、1300以下を×とした。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の展張型シ
ャドウマスクによれば、鉄基薄板が含有するCとNを所
定の含有量としたので、優れた磁気シールド特性を有す
ると共に、クリープ伸びによるスリットまたはスロット
のたるみが発生しにくくスリット間隔またはスロット間
隔の乱れを起こしにくい。その結果、カラーブラウン管
上の表示画像の高精細度化に寄与することができる。ま
た、歪み取り焼鈍や黒化処理等の熱処理後の強度があま
り低下しないので、そうした熱処理によってもスリット
またはスロットにたるみが発生せず、且つ磁気シールド
特性に優れたブラウン管用展張型シャドウマスクを提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーブラウン管に用いられる本発明の展張型
シャドウマスクの実施態様の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の展張型シャドウマスクを鋼枠に展張・
固定した構造体の一例を示す正面図(a)とその断面図
(b)である。
【符号の説明】
1 展張型シャドウマスク構造体 2 展張型シャドウマスク 3 スリット 11 カラーブラウン管 12 鋼枠 13 電子銃 14 電子ビーム 15 蛍光体 Y 展張方向 F 加圧方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金山 信明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 飯塚 和孝 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5C031 EE05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.020〜0.100%(質量
    %。以下同じ。)、Mn:0.10〜0.40%、S
    i:0.01〜0.03%、P:0.001〜0.02
    0%、S:0.001〜0.020%、N:0.001
    〜0.008%、およびその他不可避的元素を含有する
    鉄基薄板から形成されてなることを特徴とするブラウン
    管用展張型シャドウマスク。
  2. 【請求項2】 前記鉄基薄板は、歪み取り焼鈍後または
    黒化処理後の引張強さの低下度合いが20%以内であっ
    て600N/mm2 以上の引張強さを有するることを特
    徴とする請求項1に記載のブラウン管用展張型シャドウ
    マスク。
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