JP2002088036A - アミノ酸の回収方法 - Google Patents
アミノ酸の回収方法Info
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Abstract
に高濃度の無機塩、高濃度の糖類等の非電解質の中に含
まれる微量のアミノ酸を回収する 【解決手段】無機塩、糖類等の非電解質、および、アミ
ノ酸等からなる混合溶液を、ナトリウム型強酸性イオン
交換樹脂からなる第1樹脂層に供給し、水又は苛性アル
カリ水溶液を溶離液に使用して分離し、アミノ酸を含む
画分を回収し、更に、その画分をカルシウム型又はマグ
ネシウム型強酸性イオン交換樹脂に供給して、水を溶離
液を使用して分離し、また、必要に応じて、そこで得ら
れ画分を、更にマグネシウム型又はカルシウム型強酸性
イオン交換樹脂に供給して、水を溶離液を使用して分離
し、各種アミノ酸を回収する。
Description
成する廃液等の主として無機塩、色素、糖類等の非電解
質、ベタイン、及び、アミノ酸からなる混合溶液から各
種アミノ酸を回収する方法に関するものである。甜菜か
ら蔗糖を製造する工程で、蔗糖以外の不純物は糖蜜に移
行する。この糖蜜には、なお半量程度の蔗糖が含まれて
いることから、更にイオンクロマトグラフィーにより、
糖蜜から蔗糖を回収してきた。そして、回収しきれなか
った蔗糖と微量のアミノ酸等を含む残液は、クロマト廃
液として処理されてきた。また、蔗糖の製造において、
製糖工程中で糖液の清浄に使用されるイオン交換樹脂を
再生する際には、再生液とともにイオン交換樹脂に吸着
されていた微量のアミノ酸が脱着され排出されるが、そ
の排出液も樹脂廃液として処理されてきた。従来、これ
らのクロマト廃液及び樹脂廃液は、活性汚泥処理され廃
棄され、又は、濃縮して有機肥料として利用されるに留
まっていた。本発明は、これらの廃液中に微量に存在す
る各種アミノ酸の回収をも可能にする新規なアミノ酸の
回収方法に関するものである。
溶液から各成分を分離する一つの方法として、クロマト
グラフィーが利用されてきた。しかしながら、それをそ
のまま工業的に微量成分の分離に利用することは、設備
の大規模化、処理液体の多量化をともない、得られた製
品の価格を考慮すると殆ど不可能であり、そのために多
くの工夫がなされてきた。例えば、本出願人は、特公昭
56−39640号公報において、塩型強酸性陽イオン
交換樹脂によって特定蔗糖ラフィノース比の画分を分離
し、その画分を分別結晶することによって、工業的に甜
菜糖蜜からラフィノースを製造することが可能になるを
明らかにした。また、本発明と類似の物質の分離につい
ても、特開平6−276995号公報に、一つの発明が
開示されている。この発明は、クロマト廃液又は樹脂廃
液を、ナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂に通液し、
アミノ酸を吸着させた後、そのイオン交換樹脂の後に水
素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂を連結して、水酸化
ナトリウム溶液で溶出させ、調味料素材を製造する方法
である。
6995号公報に開示された発明は、アミノ酸に富んだ
画分を得るものであって、その画分を調味料素材として
使用することができるものではあるが、アミノ酸以外の
ものも含まれ、アミノ酸だけを回収したものではない。
本発明が解決しようとする課題は、クロマト廃液や樹脂
廃液等のように、高濃度の無機塩や高濃度の糖類等の非
電解質の中に微量のアミノ酸が存在する溶液から、各種
アミノ酸を回収することにある。
題を解決するために、甜菜製糖工程で生成する廃液等の
主として無機塩、色素、糖類等の非電解質、ベタイン、
及び、アミノ酸からなる混合溶液(以下「原料溶液」と
いう)を、ナトリウム型強酸性イオン交換樹脂又はカリ
ウム型強酸性イオン交換樹脂からなる第1樹脂層に供給
し、水又はpH8.5〜11.0の水酸化ナトリウムも
しくは水酸化カリウム水溶液を使用して溶離させ、主と
して色素、酸性アミノ酸、灰分からなる第1画分、主と
して中性アミノ酸、糖類からなる第2画分、及び、主と
してベタインからなる第3画分に分離し、その第2画分
(以下「第1樹脂層第2画分」という)を、アンモニウ
ム型強酸性イオン交換樹脂からなる第2樹脂層に供給
し、主として中性アミノ酸及びチロシンを吸着させ、吸
着したものをアンモニア水溶液で脱離させ、その脱離液
を濃縮してチロシンを結晶化させて分離回収することに
より、チロシン及び中性アミノ酸を、それぞれ回収する
ことを特徴とするアミノ酸の回収方法(以下「第1発
明」という)提案する。
1樹脂層第2画分を、カルシウム型強酸性イオン交換樹
脂からなる第2樹脂層に供給し、水を使用して溶離さ
せ、アラニン、γ−アミノ酪酸、バリン、セリン、ロイ
シン、イソロイシン、及び、チロシンからなる群の中か
ら選ばれた特定の1種のアミノ酸又は特定の2種以上の
アミノ酸の混合物が富化された画分を抜き出し、その画
分から特定のアミノ酸又は特定のアミノ酸混合物を回収
することを特徴とするアミノ酸の回収方法(以下「第2
発明」という)、第1樹脂層第2画分を、カルシウム型
強酸性イオン交換樹脂からなる第2樹脂層に供給し、水
を使用して溶離させ、主として糖類からなる第1画分
と、主として中性アミノ酸及びチロシンからなる第2画
分とに分離し、その第2画分を抜き出して、濃縮しチロ
シンを結晶化させて分離回収することにより、チロシン
及び中性アミノ酸を、それぞれ回収することを特徴とす
るアミノ酸の回収方法(以下「第3発明」という)、並
びに、第1樹脂層第2画分を、カルシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂からなる第2樹脂層に供給し、水を使用して
溶離させ、主として糖類からなる第1画分、主としてγ
−アミノ酪酸、アラニン、バリンからなる第2画分、主
としてセリン、バリンからなる第3画分、及び、主とし
てロイシン、イソロイシン、チロシンからなる第4画分
に分離し、その第2画分から、γ−アミノ酪酸、アラニ
ン、バリン混合物を回収し、その第3画分からセリン、
バリン混合物を回収し、その第4画分を濃縮して、チロ
シンを結晶化し分離して、ロイシン、イソロイシン混合
物とチロシンとを、それぞれ回収することを特徴とする
アミノ酸の回収方法(以下「第4発明」という)を提案
する。
を、マグネシウム型強酸性イオン交換樹脂からなる第2
樹脂層に供給し、水を使用して溶離させ、セリン、アラ
ニン、バリン、チロシン、γ−アミノ酪酸、ロイシン、
及び、イソロイシンからなる群の中から選ばれた特定の
1種のアミノ酸又は特定の2種以上のアミノ酸の混合物
が富化された画分を抜き出し、その画分から特定のアミ
ノ酸又は特定のアミノ酸混合物を回収することを特徴と
するアミノ酸の回収方法(以下「第5発明」という)、
第1樹脂層第2画分を、マグネシウム型強酸性イオン交
換樹脂からなる第2樹脂層に供給し、水を使用して溶離
させ、主として糖類からなる第1画分と、主として中性
アミノ酸及びチロシンからなる第2画分とに分離し、そ
の第2画分を抜き出して、濃縮しチロシンを結晶化させ
て分離回収することにより、チロシン及び中性アミノ酸
を、それぞれ回収することを特徴とするアミノ酸の回収
方法(以下「第6発明」という)、並びに、第1樹脂層
第2画分を、マグネシウム型強酸性イオン交換樹脂から
なる第2樹脂層に供給し、水を使用して溶離させ、主と
して糖類からなる第1画分、主としてセリンからなる第
2画分、主としてアラニン、バリンからなる第3画分、
主として、γ−アミノ酪酸、ロイシン、イソロンシン、
チロシンからなる第4画分に分離し、その第2画分から
セリンを回収し、第3画分からアラニン、バリン混合物
を回収し、第4画分を濃縮して、チロシンを結晶化し分
離して、チロシンと、γ−アミノ酪酸、ロイシン、イソ
ロイシン混合物とを、それぞれ回収することを特徴とす
るアミノ酸の回収方法(以下「第7発明」という)を提
案する。
層から得られた第2画分を、マグネシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂からなる第3樹脂層に供給し、水を使用して
溶離させ、主としてアラニン、バリンからなる第1画分
と、主としてγ−アミノ酪酸からなる第2画分とに分離
し、それぞれの画分から、アラニン、バリン混合物、及
び、γ−アミノ酪酸を、それぞれ回収することを特徴と
するアミノ酸の回収方法(以下「第8発明」という)、
並びに、第4発明の第2樹脂層から得られた第3画分
を、マグネシウム型強酸性イオン交換樹脂からなる第3
樹脂層に供給し、水を使用して溶離させ、主としてセリ
ンからなる第1画分と、主としてバリンからなる第2画
分とに分離し、それぞれの画分から、セリン及びバリン
を、それぞれ回収することを特徴とするアミノ酸の回収
方法(以下「第9発明」という)を提案する。
層から得られた第3画分を、カルシウム型強酸性イオン
交換樹脂からなる第3樹脂層に供給し、水を使用して溶
離させ、主としてアラニンからなる第1画分と、主とし
てバリンからなる第2画分とに分離し、それぞれの画分
から、アラニン及びバリンを、それぞれ回収することを
特徴とするアミノ酸の回収方法(以下「第10発明」と
いう)、並びに、第7発明の第2樹脂層から得られた第
4画分を、カルシウム型強酸性イオン交換樹脂からなる
第3樹脂層に供給し、水を使用して溶離させ、主として
γ−アミノ酪酸からなる第1画分と、主としてチロシ
ン、ロイシン、イソロイシンからなる第2画分に分離
し、その第1画分からγ−アミノ酪酸を回収し、第2画
分を濃縮して、チロシンを結晶化し分離して、チロシン
と、ロイシン、イソロイシン混合物とを、それぞれ回収
することを特徴とするアミノ酸の回収方法(以下「第1
1発明という)を提案する。
される原料溶液には、クロマト廃液や樹脂廃液のみなら
ず、イースト醗酵廃液やアルコール醗酵廃液等のそれら
と類似の組成の混合溶液をあげることができる。これら
の原料溶液は、主として、無機塩、糖類等の非電解質、
及び、アミノ酸からなり、これらのものの他に、色素や
有機酸等の植物由来の有機物質が含まれている。また、
原料溶液は、通常、次のような性状を有している。rB
x(レフブリックス度 Refractometric
Brix Degree 屈折率で測定した固形物百
分率)15〜60、カチオン0.5〜3.0N、アニオ
ン0.4〜2.8Nであって、固形分100g当たり、
糖類0〜60g、総アミノ酸1.0〜2.0g、ベタイ
ン0〜30g、及び、若干の色素等が含まれている。
酸として、アスパラギン酸、グルタミン酸、中性アミノ
酸として、スレオニン、セリン、グリシン、アラニン、
バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、γ−ア
ミノ酪酸、芳香族アミノ酸として、チロシン、フェニル
アラニン、塩基性アミノ酸として、ヒスチジン、リジ
ン、アルギニンが含まれる。そして、本発明はこれらの
中から特定の1種のアミノ酸又は特定の2種以上アミノ
酸の混合物を回収することを目的としている。
ム型又はカリウム型強酸性イオン交換樹脂には、通常、
ジビニルベンゼンで、架橋度3〜10%、好ましくは5
〜8%に、架橋したポリスチレンをスルホン化した強酸
性カチオンイオン交換樹脂が使用される。例えば、アン
バーライトCG6000(オルガノ(株)製)、ダウエ
ックス・モノスフィアー(ダウ・ケミカル日本(株)
製)等が使用される。これらのイオン交換樹脂は、均一
粒径のものが好ましく、また、これらの樹脂層の運転方
式は、固定床方式、擬似移動床方式、又は、それらを組
み合わせた方式等、何れの方式でもよいが、三成分を効
率的に分離できる方式、例えば、オルガノ(株)の新J
O方式、三菱化成(株)の新MCI方式等が好ましい。
水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム水溶液が用い
られるが、これらのアルカリ性溶液は、通常、pH8.
5〜11.0、好ましくは、pH9.5〜10.5 の
範囲のものが使用される。この溶離液によって、通常、
(1)色素、(2)酸性アミノ酸、(3)灰分、(4)
中性アミノ酸と糖類、(5)ベタインの順序で溶出して
くる。その結果、第1画分には、主として色素、酸性ア
ミノ酸、灰分が含まれ、第2画分には、主として中性ア
ミノ酸、糖類が含まれ、第3画分には、主としてベタイ
ンが含まれる。
強酸性イオン交換樹脂では、液中のナトリウムイオン又
はカリウムイオンは樹脂に反撥し、かつ、液中のアニオ
ンは樹脂に吸着しない。従って、ナトリウム塩やカリウ
ム塩等の塩類、及び、酸性物質は最初に流出する。そし
て、酸性物質が流出した結果、溶出液のpHは上昇す
る。また、第2樹脂層又は第3樹脂層のカルシウム型又
はマグネシウム型強酸性イオン交換樹脂では、糖とアミ
ノ酸とが完全に分離し、更にアミノ酸が細分化される
が、その理由は次のように考えられる。すなわち、これ
らの強酸性イオン交換樹脂は、イオン排除能力と分子篩
モードは弱いが、配位子交換モードが強いので、糖とア
ミノ酸は完全に分離することができ、更に、個々の中性
アミノ酸も溶出位置が異なるので分離できるようにな
る。一般に、カルシウム型又はマグネシウム型強酸性イ
オン交換樹脂は、ナトリウム型又はカリウム型強酸性イ
オン交換樹脂と異なり、塩類が多い場合は、イオン排除
能力が低いため、樹脂層内の溶液のpHが不安定にな
り、アミノ酸のチャージ変化が起こり難く、各アミノ酸
が分離し難くなり、また、カルシウム又はマグネシウム
以外のカチオン濃度が高い場合には、樹脂の型が変わっ
たりして分離が不充分になる。しかし、本発明の場合
は、第1樹脂層で、事前に塩類や酸性物質が除去されて
いるので問題が生じないものと考えられる。また、第2
樹脂層及び第3樹脂層におけるカルシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂とマグネシウム型強酸性イオン交換樹脂との
使い分けは、流出液中の成分の順序がそれぞれのイオン
交換樹脂によって異なることを利用して、目的とする成
分の取得の難易によって判断される。
を、アンモニウム型強酸性イオン交換樹脂からなる第2
樹脂層に供給する。この第2樹脂層の強酸性イオン交換
樹脂には、通常、架橋度7〜10%のスルホン基を有す
るジビニルベンゼン架橋ポリスチレンからなる強酸性カ
チオンイオン交換樹脂が使用される。例えば、ダウエッ
クスHCR−W2(ダウ・ケミカル日本(株)製)、ダ
イヤイオンSK1B(三菱化学(株)製)等が使用され
る。また、この第2樹脂層には、通常、固定床方式が採
用される。この第2樹脂層に、脱離液としてアンモニア
水溶液を使用して、樹脂層に吸着されている中性アミノ
酸バリン、ロイシン、イソロイシン、及び、チロシン等
の芳香族アミノ酸を溶離し回収する。得られた溶離液を
濃縮し、pHを調整してチロシンを結晶化させて回収
し、更に、チロシンを濾過分離した濾液を脱色し濃縮
し、結晶化又は粉末化して、バリン、ロイシン、イソロ
イシン等からなる中性アミノ酸を回収する。
いられる強酸性イオン交換樹脂、及び、第8発明以降に
使用される第3樹脂層に用いられる強酸性イオン交換樹
脂には、通常、架橋度7〜10%のスルホン基を有する
ジビニルベンゼン架橋ポリスチレンからなる強酸性カチ
オンイオン交換樹脂が使用される。例えば、ダウエック
スHCR−W2(ダウ・ケミカル日本(株)製)、ダイ
ヤイオンUBK530(三菱化学(株)製)が使用され
る。これらのイオン交換樹脂は、均一粒径のものが好ま
しく、また、これらの樹脂層の運転方式は、固定床方
式、擬似移動床方式、又は、それらを組み合わせた方式
等、何れの方式でもよいが、三成分を効率的に分離でき
る方式、例えば、オルガノ(株)の新JO方式、三菱化
成(株)の新MCI方式等が好ましい。
第1樹脂層第2画分を、カルシウム型強酸性イオン交換
樹脂からなる第2樹脂層に供給して、溶離液に水を使用
している。第2発明は、特定の1種のアミノ酸又は特定
の2種以上のアミノ酸の混合物が富化された画分を抜き
出し、特定のアミノ酸又は特定のアミノ酸混合物を回収
することを特徴としている。この場合、特定のアミノ酸
又はアミノ酸混合物の濃度のピークが、他のアミノ酸の
ピークから離れているほど、他のアミノ酸から分離し易
く、また、得られたアミノ酸又はアミノ酸混合物の純度
を比較的容易に高くすることができる。また、一般に、
画分の幅を狭くすれば、純度が高くなるが収率が低くな
り、画分の幅を広くすれば、収率が高くなるが純度が低
くなる。
ノ酸混合物として、中性アミノ酸及びチロシンからなる
アミノ酸混合物を選び、主としてこのアミノ酸混合物か
らなる第2画分を抜き出して、濃縮してチロシンを結晶
化させて分離し回収することによって、単独のチロシン
と中性アミノ酸混合物とを、それぞれ回収することを特
徴としている。この場合、チロシンは結晶化され分離さ
れるので、その純度を極めて容易に90重量%以上にま
で高めることができる。
ノ酸混合物として、アラニン、γ−アミノ酪酸、及び、
バリンからなる混合物、セリンとバリンとの混合物、ロ
イシン、イソロイシン、及び、チロシンからなる混合物
を選んだものである。なお、チロシンを含むアミノ酸混
合物からはチロシンを結晶化分離する。
第1樹脂層第2画分を、マグネシウム型強酸性イオン交
換樹脂からなる第2樹脂層に供給して、溶離液に水を使
用している。第5発明は、特定の1種のアミノ酸又は特
定の2種以上のアミノ酸の混合物が富化された画分を抜
き出し、特定のアミノ酸又は特定のアミノ酸混合物を回
収することを特徴としている。
ノ酸混合物として、中性アミノ酸及びチロシンからなる
アミノ酸混合物を選び、主としてこのアミノ酸混合物か
らなる第2画分を抜き出して、濃縮してチロシンを結晶
化させて、チロシンと中性アミノ酸混合物とを、それぞ
れ回収することを特徴としている。
ノ酸及び特定のアミノ酸混合物として、単独のセリン、
アラニンとバリンの混合物、チロシン、γ−アミノ酪
酸、ロイシン、及び、イソロイシンからなる混合物を選
んだものである。この第7発明では、セリンは、単独の
ピークを有するので、容易にその純度を60重量%以上
に高めることができる。また、チロシンを含むアミノ酸
混合物からはチロシンを結晶化分離する。
シウム型強酸性イオン交換樹脂からなる第2樹脂層の第
2画分及び第3画分を、それぞれ、マグネシウム型強酸
性イオン交換樹脂からなる第3樹脂層に供給して、水を
使用して溶離している。第2樹脂層の第2画分を使用し
た第8発明は、アラニンとバリンの混合物、及び、単独
のγ−アミノ酪酸を、それぞれ回収することを特徴とし
ている。この第8発明では、γ−アミノ酪酸は、単独の
ピークを有しているので、その純度を80重量%以上に
することができる。
は、単独のセリン、及び、単独のバリンを、それぞれ回
収することを特徴としている。この第9発明では、セリ
ンは単独のピークを有しているので、セリンの純度を8
0重量%以上にし、また、バリンの純度も60重量%程
度にすることができる。
マグネシウム型強酸性イオン交換樹脂からなる第2樹脂
層の第3画分及び第4画分を、それぞれ、カルシウム型
強酸性イオン交換樹脂からなる第3樹脂層に供給して、
水を使用して溶離している。第2樹脂層の第3画分を使
用した第10発明は、単独のアラニン、及び、単独のバ
リンを、それぞれ回収することを特徴としている。この
第10発明では、アラニンもバリンも、それぞれ、単独
のピークを有しており、アラニンの純度も、バリンの純
度も、60重量%以上にすることができる。
明は、単独のγ−アミノ酪酸と、チロシン、ロイシン、
及び、イソロイシンの混合物とを、それぞれ回収し、更
に、この混合物からチロシンを結晶化し分離し、チロシ
ンと、ロイシン、イソロイシン混合物とを回収すること
を特徴としている。この第11発明では、γ−アミノ酪
酸は、独立したピークを有しており、純度を90重量%
以上にすることができるき、また、チロシンの純度も9
0重量%以上にすることができる。
収 〔実施例1〕原料溶液としてクロマト廃液(「CCR」
日本甜菜製糖(株)製)を使用した。その組成は、rB
x25、カチオン濃度1.06N、アニオン濃度0.9
1N、pH10.0であって、固形物100g当たり、
糖類33.6g、ベタイン12.3g、総アミノ酸4.
8gを含有するものであった。この原料溶液を、80℃
で、ナトリウム型アンバーライトCG6000(オルガ
ノ(株)製)300mlからなる第1樹脂層に空間速度
0.6(ml/mlmin)で供給した。その供給量は
樹脂層の見掛けの容積の5.56%であった。その後、
このイオン交換樹脂に、pH10.0に調整し80℃に
加温した水酸化ナトリウム溶液を使用して溶離したとこ
ろ、樹脂層の見掛けの容積の2.67%ごとに採取した
各フラクションに対する各成分の濃度の変化は図1のと
おりであり、各アミノ酸の濃度の変化は図2のとおりで
あった。
は、バリン、ロイシン、及び、イソロイシンの総計を示
し、「他の中性アミノ酸」とは、それ以外の中性アミノ
酸の総計を示す。これらの図から、酸性アミノ酸を除
く、中性アミノ酸、及び、主要な芳香族アミノ酸は、糖
類と一緒に溶出することがわかる。これらの図から、中
性アミノ酸及び芳香族アミノ酸が、7〜11フラクショ
ン(樹脂層の見かけの容積の13.35%の範囲)に集
中して溶離されるので、この範囲を第2画分とすること
が、中性アミノ酸及び芳香族アミノ酸の分離に適してい
ることがわる。
マト廃液を供給したナトリウム型アンバーライトCG6
000について、溶離液として、純水、及び、pH8.
5、pH10.0、pH11.0に、それぞれ調整した
水酸化ナトリウム溶液を使用して、それぞれ、実施例1
と同じ条件で溶離して、各フラクションに対する各成分
の濃度の変化を調べたところ、溶離液のpHが、8.5
〜11、好ましくは、pH9.5〜10.5の範囲で、
中性アミノ酸及び芳香族アミノ酸が、図1、及び、図2
と同じように、7〜11フラクションに集中して溶離さ
れるので、この範囲を第2画分とすることが中性アミノ
酸及び芳香族アミノ酸の分離に適していることが確認さ
れた。
のクロマト廃液を、そのまま、及び、硫酸で、それぞ
れ、pH8.5、7.5に調整したものを、ナトリウム
型ダウエックス・モノスフィアー109(ダウケミカル
日本(株)製)からなる第1樹脂層に、実施例1と同じ
条件で供給し、実施例1と同様に、pH10.0に調整
し、80℃に加温した水酸化ナトリウム溶液を使用して
溶離したところ、この範囲では、pHが低いほど、各ア
ミノ酸がより広いフラクションの範囲に溶離され、各ア
ミノ酸の分離性が向上した。従って、原料溶液のpHを
7.5に調整することによって、特定のアミノ酸ごとに
細分化して回収することも可能になった。
は、固形分100g当たり、総アミノ酸20g、糖類7
2gであった。アンモニウム型ダウエックスHCR−W
2(ダウケミカル日本(株)製)200mlからなる第
2樹脂層に、この第2画分を、室温で、樹脂層の見掛け
の容積の80倍の量を、空間速度10(ml/mlmi
n)で供給し、アミノ酸を吸着させた。この後、第2樹
脂層に、樹脂層の見掛けの容積の4倍の量の1Nアンモ
ニア水溶液を、室温で空間速度10(ml/mlmi
n)で通し、主として中性アミノ酸からなるアミノ酸を
脱着させ回収した。このような吸着・脱着操作によっ
て、アミノ酸の純度は20%から90%に上昇し、アミ
ノ酸の濃度も0.07重量%から1.2重量%まで上昇
した。
を、濃縮器で1/5に濃縮したところ、目的中性アミノ
酸(バリン、ロイシン、及び、イソロイシンの合計)
は、総アミノ酸の40.3重量%となった。更に塩酸で
pHを5.7に調整した後、室温に12時間静置し、芳
香族アミノ酸のチロシンを析出させ、平均孔径0.45
μmのメンブラン・フィルターで濾過したところ、濾液
中の総アミノ酸に占める目的中性アミノ酸の比率は5
3.8重量%に上昇し、更に濃縮して結晶化することが
できた。また、前述のフィルターからは、純度94重量
%のチロシンを回収することができた。
廃液のpHが7.5までの範囲では、pHが低いほど、
各アミノ酸がより広いフラクションの範囲に溶離され、
各アミノ酸の分離性が向上した。従って、原料溶液のp
Hを調整することによって、特定のアミノ酸ごとに細分
化して回収することも可能になった。
ナトリウム型アンバーライトCG6000(オルガノ
(株)製)300mlからなる第1樹脂層に、空間速度
0.6(ml/mlmin)で供給した。その供給量は
樹脂層の見掛けの容積の5.56%であった。その後、
溶離液にとして80℃の純水を使用して、この第1樹脂
層から溶離操作を行った。
に相当する溶液が排出された後に排出される第1〜6フ
ラクション(樹脂層の見かけの容積の16.02%に相
当する溶液)を第1画分とし、第7〜11フラクション
(その後の樹脂層の見かけの容積の13.35%に相当
する溶液)を第2画分とし、第12〜20フラクション
(その後の樹脂層の見かけの容積の24.03%に相当
する溶液)を第3画分として、コック操作により、その
中の第2画分だけを、カルシウム型アンバーライトCG
6000(オルガノ(株)製)300mlからなる第2
樹脂層に、第1樹脂層から排出される溶液と同じ通液温
度、同じ流速、同じ空間速度で供給した。
樹脂層から溶離操作を行った。この第2樹脂層から排出
された溶離液の各フラクションごとの組成は、図3、及
び、図4に示したとおりであった。これらの図で、各フ
ラクションは、8.01ml(樹脂層の見掛けの容積の
2.67%)からなっておる。図3は、採取した第1フ
ラクションから第42フラクションの中、第2フラクシ
ョンから第40フラクションまでの範囲における糖類等
とアミノ酸・灰分等の組成の変化を示しており、その中
から、第15フラクションから第38フラクションまで
をアミノ酸画分として採取したが、図4は、その中の第
17フラクションから第37フラクションまでの範囲の
各アミノ酸の組成の変化を示している。
容量で1/6に濃縮した後、塩酸でpH5.7に調整し
て、それを室温で24時間静置し、結晶化したチロシン
を分離回収した。一方、その分離液を活性炭で脱色し、
濃縮結晶化して、ロイシン、イソロイシンを主成分と
し、バリン、セリン、GABAを副成分とする粉末状の
中性アミノを得た。
08.3mm、樹脂層の高さ1000mmの樹脂塔8本
を準備し、第1樹脂塔から第4樹脂塔を、ナトリウム型
強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ(株)製「アンバー
ライトCG6000」)を充填して、純水を溶離液(以
下「溶離液(1)」という)する第1循環系とし、第5
樹脂塔から第8樹脂塔を、カルシウム型強酸性カチオン
交換樹脂を充填して、純水を溶離液(以下「溶離液
(2)」という)する第2循環系とした。また、分離方
式として、両循環系とも新JO方式を採用して実験を行
い、また、図6に示したように、第1循環系に新JO方
式を採用し、第2循環系に擬似移動床方式を採用して、
液温80℃で第2発明に係わるアミノ酸の回収方法を実
施した。
1を閉じ、コックF1を開いて、第1樹脂塔に、原料液
としてクロマト廃液(「CCR」日本甜菜製糖(株)製
rBx60)1.61lを供給すると同時に、コック
A1からそれと同量の第1樹脂塔内の液体を排出させ
て、第1循環系内に原料液を取り込んだ後、コックF1
を閉じ、コックR1を開いて、循環ポンプP1で、既に
溶離液(1)が充填されている第1〜第4樹脂塔間を循
環させることにより、第1画分(主として灰分からなる
A画分)、第2画分(主として糖類からなるC画分と、
主として中性アミノ酸からなるD画分とからなる混合画
分)、及び、第3画分(主としてベタインからなるB画
分)が、それぞれの分離パターンを形成し、各画分の濃
度ピークが分離された状態を形成させた。
継続しながら、第1画分の濃度ピークが第1樹脂塔に、
第2画分の濃度ピークが第4樹脂塔に、第3画分の濃度
ピークが第3樹脂塔に移行した段階で、コックF1、E
3、A2、S1を開いて、コックF1から1.61lの
原料溶液を第1樹脂塔に供給すると同時に、コックE3
から3.90lの溶離液(1)を第3樹脂塔に供給し、
0.44lの第1画分を第2樹脂塔底部のコックA2か
ら回収すると同時に、5.07lの第2画分を第4樹脂
塔底部から第5樹脂塔に移動させ、それに対応する液量
を第5樹脂塔底部から抜き取り、コックS1を閉じて、
第1循環系と第2循環系を分離した。
がら、コックE4から2.18lの溶離液(1)を供給
し、同時に、コックB1から1.57lの第3画分を回
収し、コックA3から0.61lの第1画分とを回収し
た。第3工程として、E1から2.18lの溶離液
(1)を供給し、同時に、コックB2から1.57lの
第3画分と、コックA4から0.61lの第1画分とを
回収した。第4工程として、コックE2から2.18l
の溶離液(1)を供給し、同時に、コックB3から1.
57lの第3画分と、コックA1から0.61lの第1
画分とを回収した。その結果、第1循環系に、1.61
lの原料溶液と10.44lの溶離液(1)を供給し、
5.07lの第2画分を第2循環系に供給し、2.27
lの第1画分と4.71lの第3画分とを回収した。
第1工程と第4工程を繰り返すことによって、間欠的
に、主として糖分と中性アミノ酸からなる第2画分を、
第1循環系から第2循環系の第5樹脂塔に移動させると
ともに、主として灰分と色素と酸性アミノ酸からなる第
1画分と、主としてベタインからなる第3画分とを、第
1循環系から回収することができた。なお、第1循環系
で、4以上の画分に分け、その中の2以上の画分を第2
循環系に送ることが必要であって、その2以上の画分を
連続して第2循環系に送れない場合のように、必要に応
じて、コックS1と第2循環系との間に、第1循環系か
ら第2循環系に送られた画分の一部を一時保管する1以
上の貯槽を設けてもよい。また、必要に応じて、コック
S1と第2循環系との間で、第2循環系の負荷を軽くす
るため、第2循環系に送る画分を濃縮してもよい。
環ポンプP2で、第5〜8樹脂塔に循環流を形成させる
ことにより、主として糖からなるC画分と主としてアミ
ノ酸からなるD画分について、それぞれの分離パターン
を形成し、第1循環系と同様な第1工程ないし第4工程
をとることにより、D画分を回収し、D画分から、実施
例1と同様な方法により、結晶化した高純度のチロシン
を回収し、ロイシン、イソロイシンを主成分とし、微量
のセリン、γ−アミノ酪酸、バリンを含有する粉末状の
中性アミノ酸を得ることができる。
した場合には、図6に示す装置によって、次ぎのように
分離操作がおこなわれる。その準備工程として、第1循
環系から、2.23lのC画分とD画分からなる第2画
分を、コックS1及びF5を通して、第5樹脂塔に導入
した後、コックS1を閉じ、コックR2を開いて、循環
ポンプP1を稼働させて、既に溶離液(2)が充填され
ている第5〜第8樹脂塔間を循環させ、C画分とD画分
の濃度ピークが分離された状態を形成させる。
脂塔に達し、C画分のピークが第7樹脂塔に達した時、
循環ポンプを運転を継続しながら、コックF5から0.
71lの第1循環系の第2画分を導入し、コックE7か
ら3.49lの溶離液(2)を供給して、コックD1か
ら3.36lのD画分を回収し、コックC3から0.8
4lのC画分を回収した。次いで、第2工程として、コ
ックF6から0.71lの第2画分と、コックE8から
3.49lの溶離液(2)とを導入して、コックD2か
ら3.36lのD画分と、コックC4から0.84lの
C画分とを回収した。次いで、第3工程として、コック
F7から0.71lの第2画分と、コックE5から3.
49lの溶離液(2)とを導入して、コックD3から
3.36lのD画分と、コックC1から0.84lのC
画分とを回収した。次いで、第4工程として、第3工程
として、コックF8から0.71lの第2画分と、コッ
クE6から3.49lの溶離液(2)とを導入して、コ
ックD4から3.36lのD画分と、コックC2から
0.84lのC画分とを回収した。
ナトリウム型アンバーライト(オルガノ(株)製「CG
6000」)300mlからなる第1樹脂層に、空間速
度0.6(ml/mlmin)で供給した。その供給量
は樹脂層の見掛けの容積の5.56%であった。この第
1樹脂層から、pH10.0に調整した水酸化ナトリウ
ム水溶液を使用して溶離し、樹脂層の見掛けの容積の
2.67%ごとに各フラクションを採取した。その各フ
ラクションに対する各成分の濃度の変化は、実施例の図
1と同様であり、各アミノ酸の濃度の変化は、実施例の
図2と同様であった。
ョンないし11フラクションの主として中性アミノ酸と
芳香族アミンからなる画分を、80℃で、マグネシウム
型アンバーライト(三菱化学(株)製UBK530)3
00mlからなる第2樹脂層に、空間速度0.6(ml
/mlmin)で供給した。この第2樹脂層から、煮沸
したイオン交換水で溶離した。得られた各フラクション
に対する各成分の濃度変化は、図7のとおりであり、各
アミノ酸の濃度の変化は、図8のとおりであった。
第17フラクションの第1画分からセリンを回収し、第
18ないし第20フラクションの第2画分からアラニン
とバリンの混合物を回収し、第21ないし第28フラク
ションの第3画分からγ−アミノ酪酸、イソロイシン、
ロイシン、チロシンの混合物を回収した。
ナトリウム型アンバーライトCG6000(オルガノ
(株)製)300mlからなる第1樹脂層に、空間速度
0.6(ml/mlmin)で供給し、この第1樹脂層
から、溶離液にとして80℃の純水を使用して溶離操作
を行った。得られた各フラクションに対する各アミノ酸
の濃度の変化は、図2と同様であった。これらの中で、
第7〜第11フラクションからなる第2画分を、カルシ
ウム型アンバーライト(三菱化学(株)製UBK53
0)300mlからなる第2樹脂層に、第1樹脂層から
排出される溶液と同じ通液温度、同じ流速、同じ空間速
度で供給し、この第2樹脂層から、溶離液として煮沸し
たイオン交換水を使用して溶離操作を行った。得られた
各フラクションに対する各アミノ酸の濃度の変化は、図
9のとおりであった。
第28フラクションからなる第2画分を、マクネシウム
型アンバーライト(三菱化学(株)製UBK530)3
00mlからなる第3樹脂層に供給し、この第3樹脂層
から、溶離液として煮沸したイオン交換水を使用して溶
離操作を行った。得られた各フラクションに対する各ア
ミノ酸の濃度の変化は、図10のとおりであった。この
らのフラクションの中、第14ないし第20フラクショ
ンの第1画分から、アラニン、バリンの混合物を回収
し、第21ないし第29フラクションの第2画分から、
γ−アミノ酪酸を回収した。
ラクションの中、第29ないし第40フラクションから
なる第3画分を、マクネシウム型アンバーライト(三菱
化学(株)製UBK530)300mlからなる第3樹
脂層に供給して、この第3樹脂層から、溶離液として煮
沸したイオン交換水を使用して溶離操作を行った。得ら
れた各フラクションに対する各アミノ酸の濃度の変化
は、図11のとおりであった。このらのフラクションの
中、第14ないし第17フラクションの第1画分からセ
リンを回収し、第18ないし第22フラクションの第2
画分からバリンを回収した。
で、ナトリウム型アンバーライトCG6000(オルガ
ノ(株)製)300mlからなる第1樹脂層に、空間速
度0.6(ml/mlmin)で供給し、この第1樹脂
層から、溶離液にとして80℃の純水を使用して溶離操
作を行った。得られた各フラクションに対する各アミノ
酸の濃度の変化は、図2と同様であった。これらの中、
第7〜第11フラクションからなる第2画分を、マグネ
シウム型アンバーライト(三菱化学(株)製UBK53
0)300mlからなる第2樹脂層に、第1樹脂層から
排出される溶液と同じ通液温度、同じ流速、同じ空間速
度で供給し、この第2樹脂層から、溶離液として煮沸し
たイオン交換水を使用して溶離操作を行った。得られた
各フラクションに対する各アミノ酸の濃度の変化は、図
8のとおりであった。
第20フラクションからなる第3画分を、カルシウム型
アンバーライト(三菱化学(株)製UBK530)30
0mlからなる第3樹脂層に供給し、この第3樹脂層か
ら、溶離液として煮沸したイオン交換水を使用して溶離
操作を行った。得られた各フラクションに対する各アミ
ノ酸の濃度の変化は、図12のとおりであった。これら
のフラクションの中、第18ないし第27フラクション
からなる第1画分からアラニンを回収し、第28ないし
第31フラクションからなる第2画分からバリンを回収
した。
フラクションの中、第21ないし第28フラクションか
らなる第4画分を、カルシウム型アンバーライト(三菱
化学(株)製UBK530)300mlからなる第3樹
脂層に供給して、この第3樹脂層から、溶離液として煮
沸したイオン交換水を使用して溶離操作を行った。得ら
れた各フラクションに対する各アミノ酸の濃度の変化
は、図13のとおりであった。このらのフラクションの
中、第20ないし第29フラクションの第1画分からγ
−アミノ酪酸を回収し、第30ないし第40フラクショ
ンの第2画分からイソロイシン、チロシン、ロイシン混
合物を回収した。
明に使用される三つの循環系を有するアミノ酸の回収装
置の概要を示した。なお、この三つの循環系には、いず
れも新JO方式を採用した。その操作は、実施例7の第
1循環系に準じて行うことができ、第1循環系から送ら
れた第2画分を、第2循環系でC画分、D1画分、及
び、D2画分に分離し、C画分とD1画分とを第2循環
系から回収し、D2画分を第3循環系に送り、第3循環
系で、G画分、H画分、及び、I画分に分離し、目的と
するアミノ酸を回収することができる。なお、第2循環
系で、4以上の画分に分け、その中の2以上の画分を第
3循環系に送ることが必要であって、その2以上の画分
を連続して第3循環系に送れない場合のように、必要に
応じて、コックS2と第2循環系との間に、第2循環系
から第3循環系に送られた画分の一部を一時保管する1
以上の貯槽を設けてもよい。必要に応じて、コックS2
と第3循環系との間で、第3循環系の負荷を軽くするた
め、第3循環系に送る画分を濃縮してもよい。また、一
つの循環系の樹脂塔の数は、4本に限定されず、8ない
し12本に増やことにより、更にアミノ酸画分を各アミ
ノ酸に細分化して回収することが可能になる。
するので、これまで、甜菜製糖工場等において、活性汚
泥処理されて廃棄されるか、濃縮して有機肥料として利
用されるに留まっていたクロマト廃液及び樹脂廃液等の
ように、高濃度の無機塩や高濃度の糖類等の非電解質の
中に微量のアミノ酸が存在する溶液から、極めて市場価
値の高い中性アミノ酸及び芳香族アミノ酸の回収を可能
にするものであり、環境の保全と産業の発展に大きく貢
献するものである。
こに含まれる各成分の濃度との関係を示す図である。
こに含まれるアミノ酸中の各アミノ酸の濃度との関係を
示す図である。
ラクション〜第40フラクションの範囲の各フラクショ
ンと、糖類等及びアミノ酸・灰分等の濃度との関係を示
す図である。
フラクション〜第37フラクションの範囲の各フラクシ
ョンと、そこに含まれるアミノ酸中の各アミノ酸の濃度
との関係を示す図である。
を有する装置の概要を示す説明図である。
の概要を示す説明図である。
フラクション〜第40フラクションの範囲の各フラクシ
ョンと、糖類等及びアミノ酸・灰分等の濃度との関係を
示す図である。
7フラクション〜第31フラクションの範囲の各フラク
ションと、そこに含まれるアミノ酸中の各アミノ酸の濃
度との関係を示す図である。
フラクション〜第40フラクションの範囲の各フラクシ
ョンと、そこに含まれるアミノ酸中の各アミノ酸の濃度
との関係を示す図である。
ウム第3樹脂層から溶離された第13フラクション〜第
31フラクションの範囲の各フラクションと、そこに含
まれるアミノ酸中の各アミノ酸の濃度との関係を示す図
である。
ウム第3樹脂層から溶離された第13フラクション〜第
31フラクションの範囲の各フラクションと、そこに含
まれるアミノ酸中の各アミノ酸の濃度との関係を示す図
である。
ウム第3樹脂層から溶離された第17フラクション〜第
40フラクションの範囲の各フラクションと、そこに含
まれるアミノ酸中の各アミノ酸の濃度との関係を示す図
である。
ウム第3樹脂層から溶離された第17フラクション〜第
40フラクションの範囲の各フラクションと、そこに含
まれるアミノ酸中の各アミノ酸の濃度との関係を示す図
である。
する装置の概要を示す説明図である。
ック S2……第2循環系から第3循環系へ移送するためのコ
ック T……貯槽 A1〜A4……A画分を回収するためのコック B1〜B4……B画分を回収するためのコック C1〜C4……C画分を回収するためのコック D1〜D4……D画分を回収するためのコック G1〜G4……G画分を回収するためのコック H1〜H4……D画分を回収するためのコック I……I画分を回収するためのコック
Claims (11)
- 【請求項1】 甜菜製糖工程で生成する廃液等の主とし
て無機塩、糖類等の非電解質、及び、アミノ酸からなる
混合溶液を、ナトリウム型強酸性イオン交換樹脂又はカ
リウム型強酸性イオン交換樹脂からなる第1樹脂層に供
給し、水又はpH8.5〜11.0の水酸化ナトリウム
もしくは水酸化カリウム水溶液を使用して溶離させ、主
として色素、酸性アミノ酸、灰分からなる第1画分、主
として中性アミノ酸、糖類からなる第2画分、及び、主
としてベタインからなる第3画分に分離し、その第2画
分を、アンモニウム型強酸性イオン交換樹脂からなる第
2樹脂層に供給し、主として中性アミノ酸及びチロシン
を吸着させ、吸着したものをアンモニア水溶液で脱離さ
せ、その脱離液を濃縮してチロシンを結晶化させて分離
回収することにより、チロシン及び中性アミノ酸を、そ
れぞれ回収することを特徴とするアミノ酸の回収方法 - 【請求項2】 請求項1記載の発明において、第1樹脂
層から得られた第2画分を、カルシウム型強酸性イオン
交換樹脂からなる第2樹脂層に供給し、水を使用して溶
離させ、アラニン、γ−アミノ酪酸、バリン、セリン、
ロイシン、イソロイシン、及び、チロシンからなる群の
中から選ばれた特定の1種のアミノ酸又は特定の2種以
上のアミノ酸の混合物が富化された画分を抜き出し、そ
の画分から特定のアミノ酸又は特定のアミノ酸混合物を
回収することを特徴とするアミノ酸の回収方法 - 【請求項3】 請求項1記載の発明において、第1樹脂
層から得られた第2画分を、カルシウム型強酸性イオン
交換樹脂からなる第2樹脂層に供給し、水を使用して溶
離させ、主として糖類からなる第1画分と、主として中
性アミノ酸及びチロシンからなる第2画分とに分離し、
その第2画分を抜き出して、濃縮しチロシンを結晶化さ
せて分離回収することにより、チロシン及び中性アミノ
酸を、それぞれ回収することを特徴とするアミノ酸の回
収方法 - 【請求項4】 請求項1記載の発明において、第1樹脂
層から得られた第2画分を、カルシウム型強酸性イオン
交換樹脂からなる第2樹脂層に供給し、水を使用して溶
離させ、主として糖類からなる第1画分、主としてγ−
アミノ酪酸、アラニン、バリンからなる第2画分、主と
してセリン、バリンからなる第3画分、及び、主として
ロイシン、イソロイシン、チロシンからなる第4画分に
分離し、その第2画分から、γ−アミノ酪酸、アラニ
ン、バリン混合物を回収し、その第3画分からセリン、
バリン混合物を回収し、その第4画分を濃縮して、チロ
シンを結晶化し分離して、ロイシン、イソロイシン混合
物とチロシンとを、それぞれ回収することを特徴とする
アミノ酸の回収方法 - 【請求項5】 請求項1記載の発明において、第1樹脂
層から得られた第2画分を、マグネシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂からなる第2樹脂層に供給し、水を使用して
溶離させ、セリン、アラニン、バリン、チロシン、γ−
アミノ酪酸、ロイシン、及び、イソロイシンからなる群
の中から選ばれた特定の1種のアミノ酸又は特定の2種
以上のアミノ酸の混合物が富化された画分を抜き出し、
その画分から特定のアミノ酸又は特定のアミノ酸混合物
を回収することを特徴とするアミノ酸の回収方法 - 【請求項6】 請求項1記載の発明において、第1樹脂
層から得られた第2画分を、マグネシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂からなる第2樹脂層に供給し、水を使用して
溶離させ、主として糖類からなる第1画分と、主として
中性アミノ酸及びチロシンからなる第2画分とに分離
し、その第2画分を抜き出して、濃縮しチロシンを結晶
化させて分離回収することにより、チロシン及び中性ア
ミノ酸を、それぞれ回収することを特徴とするアミノ酸
の回収方法 - 【請求項7】 請求項1記載の発明において、第1樹脂
層から得られた第2画分を、マグネシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂からなる第2樹脂層に供給し、水を使用して
溶離させ、主として糖類からなる第1画分、主としてセ
リンからなる第2画分、主としてアラニン、バリンから
なる第3画分、主として、γ−アミノ酪酸、ロイシン、
イソロンシン、チロシンからなる第4画分に分離し、そ
の第2画分からセリンを回収し、第3画分からアラニ
ン、バリン混合物を回収し、第4画分を濃縮して、チロ
シンを結晶化し分離して、チロシンと、γ−アミノ酪
酸、ロイシン、イソロイシン混合物とを、それぞれ回収
することを特徴とするアミノ酸の回収方法 - 【請求項8】 請求項4記載の発明において、第2樹脂
層から得られた第2画分を、マグネシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂からなる第3樹脂層に供給し、水を使用して
溶離させ、主としてアラニン、バリンからなる第1画分
と、主としてγ−アミノ酪酸からなる第2画分とに分離
し、それぞれの画分から、アラニン、バリン混合物、及
び、γ−アミノ酪酸を、それぞれ回収することを特徴と
するアミノ酸の回収方法 - 【請求項9】 請求項4記載の発明において、第2樹脂
層から得られた第3画分を、マグネシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂からなる第3樹脂層に供給し、水を使用して
溶離させ、主としてセリンからなる第1画分と、主とし
てバリンからなる第2画分とに分離し、それぞれの画分
から、セリン及びバリンを、それぞれ回収することを特
徴とするアミノ酸の回収方法 - 【請求項10】 請求項7記載の発明において、第2樹
脂層から得られた第3画分を、カルシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂からなる第3樹脂層に供給し、水を使用して
溶離させ、主としてアラニンからなる第1画分と、主と
してバリンからなる第2画分とに分離し、それぞれの画
分から、アラニン及びバリンを、それぞれ回収すること
を特徴とするアミノ酸の回収方法 - 【請求項11】 請求項7記載の発明において、第2樹
脂層から得られた第4画分を、カルシウム型強酸性イオ
ン交換樹脂からなる第3樹脂層に供給し、水を使用して
溶離させ、主としてγ−アミノ酪酸からなる第1画分
と、主としてチロシン、ロイシン、イソロイシンからな
る第2画分に分離し、その第1画分からγ−アミノ酪酸
を回収し、第2画分を濃縮して、チロシンを結晶化し分
離して、チロシンと、ロイシン、イソロイシン混合物と
を、それぞれ回収することを特徴とするアミノ酸の回収
方法
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