JP2002086916A - 記録材料およびその製造方法 - Google Patents

記録材料およびその製造方法

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JP2002086916A
JP2002086916A JP2000278055A JP2000278055A JP2002086916A JP 2002086916 A JP2002086916 A JP 2002086916A JP 2000278055 A JP2000278055 A JP 2000278055A JP 2000278055 A JP2000278055 A JP 2000278055A JP 2002086916 A JP2002086916 A JP 2002086916A
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Shinichiro Serizawa
慎一郎 芹澤
Yasuhiro Ogata
安弘 緒方
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢性、生産性および平坦性が良好な高画質
の画像を形成し得る記録材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に熱および/または圧力の供与
によって発色可能な記録層を有する記録材料であって、
前記支持体は、少なくとも前記記録層を有する側に電子
線照射処理を施されたポリオレフィン層を有することを
特徴とする記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録材料に関し、
詳しくは、サーマルヘッド等によって記録可能な記録材
料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッド等によって熱を供与し画
像を記録する感熱記録材料は、その記録装置が簡便であ
り、信頼性が高く、またメンテナンスが不要である等の
利点が多いことから近年めざましく発展している。上記
記録材料は、支持体上に発色成分として、例えば電子供
与性染料前駆体と電子受容性化合物とを、またはジアゾ
ニウム塩化合物とカプラーとを含有する記録層を有し、
上記発色成分の、熱の供与によって進行する発色反応を
利用して画像を記録するものである。感熱方式の記録方
法では、熱の供与によって画像が形成されるため、画像
記録時における記録材料の表面温度は高温になる。ま
た、サーマルヘッド等の接触型の記録手段を用いた場合
は、画像記録の際に記録材料が加圧される。この際、該
記録層に供与された熱や圧力は、記録層の下に位置する
支持体にまで伝わるため、該支持体に変形が生じて形成
された画像に若干の厚みの差を生じさせてしまう場合が
ある。このような画像部に生じる厚みの差は、画像の画
質を低下させる原因となり、該厚みの差は、特に、例え
ば人物画像を記録した場合の人物の髪の毛と背景とが接
する輪郭部等の印字エネルギーの差が大きい部分で顕著
となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の問題を解決する
方法として、支持体表面にラミネート処理によってポリ
オレフィン等からなる被覆層を形成し、支持体表面の平
坦性を向上させて、形成画像の画質を向上させる方法が
ある。しかし、例えばポリエチレンは溶融押し出しラミ
ネート適性が優れているため被覆層として用いるのに適
しているが、サーマルヘッド等によって熱を供与された
場合、貯蔵弾性率が200℃前後で急激に低下してしま
う。また、供与された熱によって記録層中の水蒸気、空
気が膨張し、それらが被覆層にまで移動すると、被覆層
上で膨張して空隙を生じてしまう。これらの要因によっ
て、ポリエチレンからなる被覆層を支持体表面に形成し
ても、被覆層が変形し画像部に厚みむらが生じるため、
いわゆるブリスターが発生してしまう。また、被覆層に
使用する樹脂の種類によっては、支持体表面に被覆層を
形成することによって、画像部の光沢性が低下する場合
もある。さらに、支持体と記録層との間に電子線照射に
よって硬化するEB剤を含有した層を形成する方法も考
えられるが、該層を形成するために記録材料の生産性が
低下してしまう。従って、良好な光沢性及び生産性を維
持しつつ、画像厚みの差に起因する画質の低下を防止で
きる有効な方法がないのが現状である。
【0004】本発明は上記諸問題を解決するため、ブリ
スターの発生を抑制し、光沢性、生産性および平坦性が
良好で、かつ、高画質な画像を形成し得る記録材料を提
供することを目的とする。また、本発明は上記諸問題を
解決するため、ブリスターの発生を抑制し、光沢性、生
産性および平坦性が良好で、かつ、高画質な画像を形成
し得る記録材料の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。 <1> 支持体上に熱および/または圧力の供与によっ
て発色可能な記録層を有する記録材料であって、前記支
持体は、少なくとも前記記録層を有する側に電子線照射
処理を施されたポリオレフィン層を有することを特徴と
する記録材料である。
【0006】<2> 前記ポリオレフィン層は、ポリエ
チレン層であることを特徴とする<1>の記録材料であ
る。
【0007】<3> 前記電子線照射処理の照射条件
は、加速電圧が150kV以上、かつ、吸収線量が1M
rad〜20Mradであることを特徴とする<1>ま
たは<2>の記録材料である。
【0008】<4> 前基記録層のうち少なくとも1つ
の層は、ジアゾ化合物とカプラ−とを有することを特徴
とする<1>〜<3>の記録材料である。
【0009】<5> 前記ジアゾ化合物は、熱応答性ま
たは圧応答性マイクロカプセルに内包されることを特徴
とする<4>の記録材料である。
【0010】<6> 前記記録層のうち少なくとも1つ
の層は、電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物
とを有することを特徴とする<1>〜<5>の記録材料
である。
【0011】<7> 支持体上に熱および/または圧力
の供与によって発色可能な記録層を有する記録材料の製
造方法であって、基材にポリオレフィン層を形成して前
記支持体を形成する支持体形成工程と、前記支持体形成
工程によって形成された前記支持体のポリオレフィン層
に電子線を照射する電子線照射工程と、前記電子線照射
工程によって電子線が照射された前記支持体のポリオレ
フィン層側に前記記録層を形成する記録層形成工程と、
を含むことを特徴とする記録材料の製造方法である。
【0012】<8> 前記支持体形成工程は、ポリエチ
レンを用いて前記ポリオレフィン層を形成することを特
徴とする<7>の記録材料の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】《記録材料》本発明の記録材料
は、支持体上に熱および/または圧力の供与によって発
色可能な記録層を有する記録材料であって、上記支持体
は、少なくとも上記記録層を有する側に電子線照射処理
を施されたポリオレフィン層を有することを特徴とす
る。上記支持体が有するポリオレフィン層は、電子線が
照射されると該ポリオレフィンの架橋が進行し、硬化し
て、高温においても高い貯蔵弾性率を維持することがで
きる。このため、記録の際に印字エネルギーが高くなっ
ても支持体が変形し難く、画像部に生じる厚みの差を軽
減することができる。また、上記ポリオレフィン層にポ
リエチレンを用いると形成画像の光沢性を低下させるこ
ともない。さらに、本発明は、電子線照射処理を施され
たポリオレフィン層をあらかじめ有する支持体を用いる
ため、あらたにEB剤を含有する層等を設ける必要がな
く、生産性の低下を抑えることができる。したがって、
本発明の記録材料は、光沢性、生産性および平坦性が良
好で高画質な画像を形成することができる。
【0014】(支持体)本発明にかかる支持体は、少な
くとも記録層の側に電子線照射処理を施されたポリオレ
フィン層で被覆してなるものを用いる。該支持体は、両
面を上記ポリオレフィン層で被覆されていてもよい。ポ
リオレフィン層を被覆してなる支持体を用いると、支持
体の表面平滑性が向上し、画像濃度に起因して発生する
画像部の厚みの高低差を軽減することができる。上記支
持体としては、原紙、合成紙等の紙やプラスチックフイ
ルム等、種々のもの(以下、これらを総称して「基材」
という場合がある。)にポリオレフィン層を被覆したも
のを挙げることができる。紙基材として使用される原紙
は、針葉樹、広葉樹等から選ばれる天然パルプを主原料
に、必要に応じ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿
素樹脂微粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマ
ー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィン
ワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、でんぷ
ん、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリア
クリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性
ポリマー等の定着剤等を添加したものを用いることがで
きる。また、界面活性剤等の柔軟剤を添加してもよい。
さらに、紙基材として、上記天然パルプに代えて合成パ
ルプを使用した合成紙を使用してもよく、天然パルプと
合成パルプを任意の比率に混合したものを使用してもよ
い。中でも、短繊維でさらに平滑性が高くなる広葉樹パ
ルプを用いるのが好ましい。使用するパルプ材の水度
は、200〜500ml(C.S.F)であるのが好ま
しく、300〜400mlであるのがより好ましい。
【0015】また、上記紙基材は、他の成分を含有して
いてもよい。他の成分としては、サイズ剤、柔軟化剤、
紙力剤、定着剤が挙げられる。上記サイズ剤としては、
ロジン、パラフィンワックス、高級脂肪酸塩、アルケニ
ルコハク酸塩、脂肪酸無水物、スチレン無水マレイン酸
共重合物、アルキルケテンダイマー、エポキシ化脂肪酸
アミド等が挙げられる。上記柔軟化剤としては、無水マ
レイン酸共重合物とポリアルキレンポリアミンとの反応
物、高級脂肪酸の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
上記紙力剤としては、ポリアクリルアミド、スターチ、
ポリビニルアルコール、メラミンホルムアルデヒド縮合
物、ゼラチン等が挙げられる。上記定着剤としては、硫
酸バンド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等
が挙げられる。その他、染料、螢光染料、帯電防止剤等
を必要に応じ添加することができる。
【0016】プラスチックの基材としては、ポリエチレ
ンフィルム(高密度でも低密度でも良い)、ポリプロピ
レンフィルム、アセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフ
ィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリスチレンフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、ナイロンフィルム、ポリプチレンフィルム、ポリ
ウレタンフィルム、アクリル系フィルム等の公知のフィ
ルム等が挙げられる。
【0017】〔ポリオレフィン層〕上記支持体は、電子
線照射によって硬化するポリオレフィンフィルムを、上
記基材にラミネート処理等を施し、電子線を照射するこ
とによって形成することができる。また、仮支持体表面
にポリオレフィン層用塗布液を塗布し、電子線を照射し
てポリオレフィン層を形成した後、該ポリオレフィン層
を基材に転写することによって形成することもできる。
【0018】上記ポリオレフィン層は、電子線が照射さ
れると架橋反応して硬化するため耐熱性が向上する。上
記ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、1−ポリブテン、2−ポリブテン、4−メチルペ
ンテン−1樹脂等が挙げられ、この中でもポリエチレン
が画像部の光沢性等の観点から好ましい。該ポリエチレ
ンとして、例えば、LPDE(低密度ポリエチレン)、
HDPE(高密度ポリエチレン)、L−LDPE(直鎖
状低密度ポリエチレン)等が使用可能である。
【0019】上記ラミネート処理としては、例えば、加
工技術研究会編「新ラミネート加工便覧」に記載された
ような公知の方法から適宜選択して採用することがで
き、いわゆるドライラミネーション、無溶剤型ドライラ
ミネーション、ホットメルトラミネーション等の方法を
採用することができる。例えば、ドライラミネーション
により上記ポリオレフィン層を形成する場合は、例え
ば、ポリオレフィンフィルムの片面に、接着剤を塗布し
て、所望により乾燥し、原紙等基材の表面に熱圧着する
ことにより、形成することができる。上記接着剤として
は、溶剤型のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン樹脂
等が挙げられる。また、原紙等基材の表面および/また
は裏面にコロナ放電処理を施し、ポリオレフィン樹脂層
との密着性を向上させてもよい。また、上記ポリオレフ
ィン層は、ポリオレフィン層用塗布液を基材に塗布、噴
霧、または基材をポリオレフィン層用塗布液に浸漬する
ことによって形成してもよい。さらに、基材にポリオレ
フィンを溶融押し出し塗工して形成してもよい。
【0020】上記ポリオレフィン層の膜厚としては、1
0〜100μmが好ましく、30〜50μmがより好ま
しい。膜厚が10μm未満では、平坦性および光沢性を
確保し、かつブリスターの発生を効果的に抑制すること
が困難であり、100μmを越えると、ポリオレフィン
層を十分に硬化させるために必要な電子線量が増えてし
まう。
【0021】―電子線照射― 上記ポリオレフィン層は、基材にポリオレフィンフィル
ムをラミネート処理などをした後、電子線を照射するこ
とによって形成することができる。該電子線の照射は、
電子線加速器等を利用しておこなうことができる。上記
電子線加速器としては、バンデグラーフ型のスキャニン
グ方法、ダブルスキャニング方式あるいはカーテンビー
ム方式のものを採用できるが、好ましいのは比較的安価
で大出力が得られるカーテンビーム方式である。電子線
照射の照射条件としては、加速電圧が150kV以上
で、かつ吸収線量が1〜20Mradが好ましく、加速
電圧が200kV以上で、かつ吸収線量が2〜10Mr
adがより好ましい。加速電圧が150kV未満の場合
は、エネルギーの透過量が不足して、ポリオレフィン層
を十分に硬化できない場合がある。また、上記加速電圧
の上限としては、吸収線量との関係もあるが、500k
V以下が好ましく、300kV以下がより好ましい。加
速電圧が、500kVを越えると、重合等の硬化反応に
利用されるエネルギー効率が低下し、経済的でない。ま
た、吸収線量が1Mrad未満では、硬化反応が不充分
で望ましい品質が得られない場合があり、20Mrad
を越えると、硬化反応に利用されるエネルギー効率が低
下したり、被照射体が発熱する場合があり好ましくな
い。加速電圧が300kVを越えて、かつ吸収線量が1
0Mradを越えると、ポリオレフィン層を透過して基
材にまで達する電子線量が増加し、紙を基材とする支持
体の場合は該支持体を黄化させてしまう場合がある。
【0022】電子線照射は、上記支持体を、ポリオレフ
ィン層面を外側に向けて鏡面ロールに張りつけた状態で
おこなうと、形成されるポリオレフィン層の表面を平滑
化でき、本発明による効果をさらに強めることができる
ので好ましい。
【0023】(下塗り層)本発明の記録材料は、支持体
と記録層との間に下塗り層を形成してもよい。該下塗り
層には、ゼラチンと、層状の無機化合物を含有させるの
が好ましい。上記下塗り層としては、特開平11−34
495号公報、第11欄〜第22欄に記載の材料および
形成方法が適用できる。
【0024】(記録層)本発明の記録材料は、熱および
/または圧力の供与によって発色し得る記録層を有す
る。多色画像形成用の記録材料とする場合は、熱および
/または圧力の供与によって相互に異なる色相に発色し
得る記録層を2以上有する。特に、多色用の記録材料で
は、各々の記録層に供与するエネルギーに高低の差をも
たせて、所望の色に発色させるため、高エネルギー吸収
の黒発色部等はブリスターが発生しやすいが、本発明で
は、上記支持体が電子線照射されたポリオレフィン層を
有しているため、熱によって変形しにくく、ブリスター
の発生を抑制することができ、多色画像の画質を良好に
維持することができる。
【0025】多色用の記録材料として、例えば、シア
ン、マゼンタ、イエローに各々発色する記録層を形成す
ることによって、フルカラーの画像を形成し得る記録材
料とすることができる。多色用の記録材料については、
特開平11−34495号公報第36欄〜第38欄に記
載の構成例および記録方法を本発明の記録材料に適用す
ることができる。
【0026】上記記録層は、常温・常圧状態では無色
で、熱および/または圧力の供与により発色反応する発
色成分を含有するのが好ましい。上記発色成分として
は、下記(ア)〜(ツ)の組み合わせが挙げられる。 (ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組
合せ。 (イ)ジアゾ化合物とカップリング成分(以下、「カプ
ラー化合物」という場合がある。)との組合せ。 (ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機酸金属塩
と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノ
ン等の還元剤との組合せ。 (エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長
鎖脂肪酸鉄塩と、タンニン酸、没食子酸、サリチル酸ア
ンモニウム等のフェノール類との組合せ。 (オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケ
ル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のような有機酸
重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫
化カリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属硫
化物との組合せ、又は上記有機酸重金属塩と、s−ジフ
ェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレ
ート剤との組合せ。
【0027】(カ)銀、鉛、水銀、ナトリウム等の硫酸
塩等の重金属硫酸塩と、ナトリウムテトラチオネート、
チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合せ。 (キ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,
4−ヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒ
ドロキシ化合物との組合せ。 (ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機酸金属塩と、
ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等
の有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。 (ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪
酸第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセシル
カルバミド誘導体との組合せ。 (コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の
有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿
素等のチオ尿素誘導体との組合せ。
【0028】(サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸
銅等の高級脂肪族重金属塩とジアルキルジチオカルバミ
ン酸亜鉛との組合せ。 (シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのような
オキサジン染料を形成するもの。 (ス)ホルマザン化合物と還元剤および/または金属塩
との組合せ。 (セ)保護された色素(又はロイコ色素)プレカーサと
脱保護剤との組合せ。 (ソ)酸化型発色剤と酸化剤との組合せ。 (タ)フタロニトリル類とジイミノイソインドリン類と
の組合せ。(フタロシアニンが生成する組合せ。) (チ)イソシアナート類とジイミノイソインドリン類と
の組合せ(着色顔料が生成する組合せ)。 (ツ)顔料プレカーサーと酸または塩基との組合せ(顔
料が形成する組合せ)。
【0029】上記発色成分としては、(ア)電子供与性
染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ、および
(イ)ジアゾ化合物とカップリング成分との組合せが好
ましい。
【0030】〔電子供与性染料前駆体〕上記(ア)の組
み合わせに用いられる電子供与性染料前駆体としては、
フタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジ
ン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオー
ラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフ
ェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピ
ラン系化合物、ピリジン系、ピラジン系化合物、フルオ
レン系化合物等の各種化合物を挙げることができる。
【0031】上記フタリド系化合物としては、例えば、
米国再発行特許第23,024号明細書、米国特許第
3,491,111号明細書、同第3,491,112
号明細書、同第3,491,116号明細書および同第
3,509,174号明細書に記載の化合物が挙げら
れ、具体的には、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−
ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド等が挙げられる。
【0032】上記フルオラン系化合物としては、例え
ば、米国特許第3,624,107号明細書、同第3,
627,787号明細書、同第3,641,011号明
細書、同第3,462,828号明細書、同第3,68
1,390号明細書、同第3,920,510号明細
書、同第3959,571号明細書に記載の化合物が挙
げられ、具体的には、2−(ジベンジルアミノ)フルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N
−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−N−メチル−N−シクロヘキシ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−テトラヒド
ロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−ビペリジノアミノフルオラン、2−(o−ク
ロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(3,4−ジクロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフ
ルオラン等が挙げられる。
【0033】上記チアジン系化合物としては、例えば、
ベンゾイルロイコンメチレンブルー、p−ニトロベンジ
ルロイコメチレンブルー等が挙げられる。
【0034】上記ロイコオーラミン系化合物としては、
例えば、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリ
ンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラ
ミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオー
ラミン等が挙げられる。
【0035】上記ローダミンラクタム系化合物として
は、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−
(p−ニトリノ)ラクタム等が挙げられる。
【0036】上記スピロピラン系化合物としては、例え
ば、米国特許第3,971,808号明細書に記載の化
合物が挙げられ、具体的には、3−メチル−スピロ−ジ
ナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、
3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベ
ンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−
(3−メトキシ−ベンゾ)スピロピラン、3−プロピル
−スピロ−ジベンゾピラン等が挙げられる。
【0037】上記ピリジン系、および上記ピラジン系化
合物類としては、例えば、米国特許第3,775,42
4号明細書、同第3,853,869号明細書、同第
4,246,318号明細書に記載の化合物が挙げられ
る。
【0038】上記フルオレン系化合物としては、例え
ば、特願昭61−240989号明細書等に記載の化合
物が挙げられる。
【0039】シアン、マゼンタ、イエローを発色する色
素前駆体としては、米国特許第4,800,149号明
細書等に記載の各色素前駆体を使用することができる。
さらに、イエロー発色色素用電子供与性染料前駆体とし
ては、米国特許第4,800,148号明細書等に記載
の染料前駆体も使用することができ、シアン発色色素用
電子供与性染料前駆体としては、特開平63−5354
2号公報等に記載の染料前駆体も使用することができ
る。
【0040】〔電子受容性化合物〕上記(ア)の組み合
わせに用いられる電子受容性化合物としては、フェノー
ル誘導体、サリチル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属
塩、酸性白土、ペントナイト、ノボラック樹脂、金属処
理ノボラック樹脂、金属錯体等の従来公知の電子受容性
化合物が挙げられる。具体的には、特公昭40−930
9号公報、特公昭45−14039号公報、特開昭52
−140483号公報、特開昭48−51510号公
報、特開昭57−210886号公報、特開昭58−8
7089号公報、特開昭59−11286号公報、特開
昭60−176795号公報、特開昭61−95988
号公報等に記載されている。
【0041】上記のうち、例えば、フェノール誘導体と
しては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェ
ノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、1,1’−ビ
ス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)−2−エチルブタン、4,4’−sec
−イソオクチリデンジフェノール、4,4’−sec−
ブチリデンジフェノール、4−tert−オクチルフェ
ノール、4−p−メチルフェニルフェノール、4,4’
−メチルシクロヘキシリデンフェノール、4,4’−イ
ソペンチリデンフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸ベ
ンジル等を挙げることができる。
【0042】上記サリチル酸誘導体としては、4−ペン
タデシルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、3,5−ジ(tert−オクチル)サ
リチル酸、5−オクタデシルサリチル酸、5−α−(p
−α−メチルベンジルフェニル)エチルサリチル酸、3
−α−メチルベンジル−5−tert−オクチルサリチ
ル酸、5−テトラデシルサリチル酸、4−ヘキシルオキ
シサリチル酸、4−シクロヘキシルオキシサリチル酸、
4−デシルオキシサリチル酸、4−ドデシルオキシサリ
チル酸、4−ペンタデシルオキシサリチル酸、4−オク
タデシルオキシサリチル酸等、及びこれらの亜鉛、アル
ミニウム、カルシウム、銅、鉛塩等を挙げることができ
る。
【0043】発色成分として、電子供与性染料前駆体と
電子受容性化合物との組み合わせを使用する場合、上記
電子供与性染料前駆体は、記録層中に0.1〜5g/m
2含有させることが好ましく、0.1〜1g/m2含有さ
せることがより好ましい。また、上記電子受容性化合物
は、使用する電子供与性無色染料1質量部に対して、
0.5〜20質量部使用することが好ましく、3〜10
質量部使用することがより好ましい。0.5質量部未満
では、十分な発色濃度を得ることができず、20質量部
を超えると、感度が低下したり、塗布適性が劣化するこ
とになり好ましくない。
【0044】〔ジアゾ化合物〕上記(イ)の組み合わせ
に使用可能なジアゾ化合物としては、下記式で表される
化合物を用いるのが好ましい。 Ar−N2 +・Y- 上記式中、Arは芳香族環基を表し、Y-は酸アニオン
を表す。
【0045】上記式において、Arは、置換または無置
換のアリール基を表す。置換基としては、アルキル基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリール
オキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニ
ル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド
基、ハロゲン基、アミノ基、ヘテロ環基、等が挙げら
れ、これら置換基は、更に置換されていてもよい。
【0046】また、上記アリール基としては、炭素原子
数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル
基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2
−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−
(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチ
ルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチル
フェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル
基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメ
チルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフ
ェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェ
ニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキ
シルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル
基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシ
フェニル基、
【0047】3−(ジブチルアミノカルボニルメトキ
シ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチルフ
ェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシフェ
ニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル
基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフ
ェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェ
ニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2
−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオ
ロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチル
アミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フ
ェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−
ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチル
アミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基、
等が挙げられる。また、これらの基は、さらに、アルキ
ルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ
基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により
置換されていてもよい。
【0048】上記発色成分として好適に使用し得るジア
ゾ化合物としては、特開平07−276808号公報の
第44段落欄〜第49段落欄に例示されるジアゾ化合物
が挙げられる。
【0049】上記ジアゾ化合物の最大吸収波長λ
maxは、450nm以下であるのが好ましく、290〜
440nmであるのがより好ましい。また、ジアゾ化合
物は、炭素原子数が12以上で、水に対する溶解度が1
%以下で、かつ酢酸エチルに対する溶解度が5%以上で
あることが望ましい。なお、本発明において、ジアゾ化
合物は、単独で用いてもよいし、さらに色相調整等の目
的に応じて、2種以上を併用することもできる。
【0050】〔カプラー化合物〕上記(イ)の組み合わ
せに用いられるカプラー化合物は、塩基性雰囲気および
/または中性雰囲気で組み合わせて用いられるジアゾ化
合物とカップリングして色素を形成するものであり、色
相調整等種々目的に応じて、複数種を併用することが可
能である。上記カプラー化合物としては、カルボニル基
の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン化合
物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体等のカプラー
を用いるのが好ましい。具体的には、レゾルシン、フロ
ログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3
−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウ
ム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピ
ルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸
ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン
酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン
酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナ
フタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピ
ルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸
−2−エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−
ナフトール、
【0051】1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタ
レン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキ
シ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン
酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジ
メチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シク
ロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシ
フェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェ
ニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサ
ンジオン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェ
ニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジ
シクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ド
デシルバルビツール酸、
【0052】N−n−オクチル−N’−n−オクタデシ
ルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ
−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、N,
N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バ
ルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾ
ロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−
アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリク
ロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、
6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−
エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベ
ンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピ
バロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルア
セトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセト
アニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセ
トアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルフ
ァモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1
−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ
−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリ
ジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3
−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジ
ヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオ
キシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピ
ラゾール等が挙げられる。
【0053】上記カプラー化合物の詳細は、特開平4−
201483号公報、特開平7−223367号公報、
特開平7−223368号公報、特開平7−32366
0号公報、特開平5−278608号公報、特開平5−
297024号公報、特開平6−18669号公報、特
開平6−18670号公報、特開平7−316280号
公報、特開平9−216468号公報、特開平9−21
6469号公報、特開平9−319025号公報、特開
平10−035113号公報、特開平10−19380
1号公報、特開平10−264532号公報等に記載さ
れたものも参照できる。
【0054】上記発色成分としてジアゾ化合物とカプラ
ー化合物との組み合わせを使用する場合、上記ジアゾ化
合物は、記録層中に0.02〜5.0g/m2含有させ
ることが好ましく、0.05〜3.0g/m2含有させ
ることがより好ましい。上記含有量が、0.02g/m
2 未満では、十分な発色濃度を得ることができず、5.
0g/m2 を超えると、塗布液の塗布適性が劣化するた
め好ましくない。また、上記カプラー化合物は、ジアゾ
化合物1質量部に対し、0.5〜20質量部用いること
が好ましく、1〜10質量部用いることがより好まし
い。0.5質量部未満では、十分な発色性を得ることが
できず、20質量部を超えると、塗布適性が劣化するこ
とになり好ましくない。
【0055】上記カプラー化合物(所望により添加され
るその他の成分とともに)は、水溶性高分子を添加し
て、サンドミル等により固体分散して用いることもでき
るが、適当な乳化助剤とともに乳化し、乳化物として用
いることもできる。ここで、固体分散または乳化する方
法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の
方法を利用することができる。これらの方法の詳細につ
いては、特開昭59−190886号公報、特開平2−
141279号公報、特開平7−17145号公報に記
載されている。
【0056】−有機塩基− ジアゾ化合物とカプラーとのカップリング反応を促進す
る目的で、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン
類、アミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン類、グ
アニジン類、モルホリン類等の有機塩基を用いることが
好ましい。これらの有機塩基としては、例えば、N,
N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフ
ェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、
N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2
−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス
(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラ
ジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−
ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフ
トキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペ
ラジン、
【0057】1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラ
ジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼンな
どのピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2
−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス
〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキ
シ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−
ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベンゼンなどのモルホリ
ン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジンなどのピペリ
ジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシル
グアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン、4
−ヒドロキシ安息香酸2−N−メチル−N−ベンジルア
ミノエチルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸2−N,
N−ジ−n−ブチルアミノエチルエステル、4−(3−
N,N−ジブチルアミノプロポキシ)ベンゼンスルホン
アミド、4−(2−N,N−ジブチルアミノエトキシカ
ルボニル)フェノキシ酢酸アミド等が挙げられる。これ
らの有機塩基は、単独で用いてよいし、2種以上併用し
て用いてもよい。
【0058】上述した有機塩基は、特開昭57−123
086号公報、特開昭60−49991号公報、特開昭
60−94381号公報、特願平7−228731号公
報、特願平7−235157号公報、特願平7−235
158号公報等に記載されている。
【0059】上記有機塩基の使用量は、特に限定される
ものではないが、ジアゾ化合物1モルに対して、1〜3
0モルの範囲で使用することが好ましい。
【0060】−発色助剤− さらに、発色反応を促進させる目的で、発色助剤を加え
ることもできる。上記発色助剤としては、フェノール誘
導体、ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、
アルコキシ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合物、カル
ボン酸アミド化合物、スルホンアミド化合物等が挙げら
れる。
【0061】〔バインダー〕上記記録層は、上記発色成
分とともにバインダーを含有していてもよい。上記バイ
ンダーとしては、水溶性のものが一般的であり、ポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、エチレン−無水マレイン酸共
重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、デン
プン誘導体カゼイン、ゼラチン等が挙げられる。また、
これらのバインダーに耐水性を付与する目的で耐水化剤
(ゲル化剤、架橋剤)を加えたり、疎水性ポリマーのエ
マルション、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラ
テツクス、アクリル樹脂エマルション等を加えることも
できる。尚、バインダーは記録層中に乾燥質量で10〜
30質量%で含有させるのが好ましい。
【0062】〔その他〕上記記録層には、更に消泡剤、
螢光染料、着色染料、無機顔料、ワックス類、高級脂肪
酸アミド、金属石ケン、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラ
テックス系バインダー等を必要に応じて添加させること
ができる。また、感熱記録材料、感圧記録材料に使用さ
れている各種添加剤を、記録層あるいはその他の層に含
有させることも有効である。上記各種添加剤について
は、特開昭60−125470号公報、特開昭60−1
25471号公報、特開昭60−125472号公報、
特開昭60−287485号公報、特開昭60−287
486号公報、特開昭60−287487号公報、特開
昭62−146680号公報、特開昭60−28748
8号公報、特開昭62−282885号公報、特開昭6
3−89877号公報、特開昭63−88380号公
報、特開昭63−088381号公報、特開平01−2
39282号公報、特開平04−291685号公報、
特開平04−291684号公報、特開平05−188
687号公報、特開平05−188686号公報、特開
平05−110490号公報、特開平05−11084
37号公報、特開平05−170361号公報、特開昭
63−203372号公報、特開昭63−224989
号公報、特開昭63−267594号公報、特開昭63
−182484号公報、特開昭60−107384号公
報、特開昭60−107383号公報、特開昭61−1
60287号公報、特開昭61−185483号公報、
特開昭61−211079号公報、特開昭63−251
282号公報、特開昭63−051174号公報、特公
昭48−043294号公報、特公昭48−03321
2号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0063】〔マイクロカプセル〕記録層が熱および/
または圧力の供与によって発色するためには、上記発色
成分の発色反応に熱応答性および/または圧力応答性を
付与するのが好ましい。例えば、発色成分の一方を熱応
答性および/または圧応答性のマクロカプセルに内包す
ることによって、発色反応を熱応答性および/または圧
応答性にすることができる。発色成分をマイクロカプセ
ル化する方法としては、従来公知の方法を用いることが
できる。例えば、米国特許第2800457号明細書、
同28000458号明細書に記載の親水性壁形成材料
のコアセルベーションを利用した方法、米国特許第32
87154号明細書、英国特許第990443号明細
書、特公昭38−19574号公報、同42−446号
公報、同42−771号公報等に記載の界面重合法、米
国特許第3418250号明細書、同3660304号
明細書に記載のポリマー析出による方法、米国特許第3
796669号明細書に記載のイソシアネートポリオー
ル壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明
細書に記載のイソシアネート壁材料を用いる方法、米国
特許第4001140号明細書、同4087376号明
細書、同4089802号明細書に記載の尿素−ホルム
アルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール
系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025455
号明細書に記載のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒ
ドロキシブロビルセルロース等の壁形成材料を用いる方
法、特公昭36−9168号公報、特開昭51−907
9号公報に記載のモノマーの重合によるin situ
法、英国特許第952807号明細書、同965074
号明細書に記載の電解分散冷却法、米国特許第3111
407号明細書、英国特許第930422号明細書に記
載のスプレードライング法等が挙げられる。
【0064】上記発色成分をマイクロカプセル化する方
法としては、一方の発色成分(上記(ア)の組み合わせ
では電子供与性染料前駆体、上記(イ)の組み合わせで
はジアゾ化合物)をカプセルの芯となる疎水性の有機溶
媒に溶解または分散させ調製した油相を、水溶性高分子
を溶解した水相と混合し、ホモジナイザー等の手段によ
り乳化分散した後、加温することによってその油滴界面
で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロカプ
セル壁を形成させる界面重合法を採用することが好まし
い。この方法によれば、短時間内に均一な粒径のカプセ
ルを形成することができ、生保存性にすぐれた記録材料
とすることができる。
【0065】高分子を形成するリアクタントは、油滴内
部および/または油滴外部に添加される。高分子物質の
具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン
メタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重
合体等が挙げられる。中でも、ポリウレタン、ポリウレ
ア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートが好
ましく、ポリウレタン、ポリウレアが特に好ましい。上
記の高分子物質は、2種以上併用して用いることもでき
る。
【0066】上記水溶性高分子としては、例えば、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。例えば、ポリウレタンをカプセル壁材と
して用いる場合には、多価イソシアネートおよびそれと
反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリ
オール、ポリアミン)を水溶性高分子水溶液(水相)ま
たはカプセル化すべき油性媒体(油相)中に混合し、こ
れらを乳化分散した後、加温することにより油滴界面で
高分子形成反応が生じ、マイクロカプセル壁を形成する
ことができる。尚、マイクロカプセルの粒径は0.1〜
1.0μmが好ましく、更に好ましくは0.2〜0.7
μmである。
【0067】また、発色反応に熱応答性を付与する他の
方法としては、上記発色成分の一方(例えば、(ア)の
組み合わせでは受容性化合物、(イ)の組み合わせでは
カプラー化合物、以下「顕色剤」という場合がある)
に、低融点の熱可融性物質を混合し、共融物として記録
層中に添加する方法や、低融点化合物が顕色剤粒子の表
面に融着している状態として記録層に添加する方法が挙
げられる。上記低融点化合物として使用される材料とし
ては、ワックス類が挙げられ、ワックス類としては、パ
ラフインワックス、カルナバワックス、マイクロクリス
タリンワックス、ポリエチレンワックスの他高級脂肪酸
アミド例えば、ステアリン酸アミド、エチレンビスステ
アロアミド、高級脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0068】〔形成方法〕上記記録層は、上記発色成
分、および所望により添加されるバインダー等のその他
の成分を溶解および/または分散してなる塗布液を、樹
脂皮膜層上に塗布し、乾燥することによって形成するこ
とができる。上記塗布液の塗布方法としては、ブレード
塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコ
ーテイング塗布法、スプレー塗布法、デイップ塗布法、
バー塗布法、エクストルージョン塗布法等の従来公知の
塗布方法が利用可能である。なお、記録層を形成する塗
布液の塗布量は限定されるものではないが、通常、乾燥
質量で3〜15g/m2が好ましく、4〜10g/m2
より好ましい。
【0069】本発明の記録材料には、所望により、2つ
の記録層間に中間層、記録層上に保護層および紫外線
(光透過率)調整層を設けることもできる。各層に含有
される材料、および各層の配置の例については、特開平
11−34495号公報の第39欄〜第60欄に記載の
材料や配置例が本発明の記録材料にも適用できる。
【0070】《記録材料の製造方法》本発明の記録材料
の製造方法は、基材にポリオレフィン層を形成して前記
支持体を形成する支持体形成工程と、該支持体形成工程
によって形成された支持体のポリオレフィン層に電子線
を照射する電子線照射工程と、該電子線照射工程によっ
て電子線が照射された支持体のポリオレフィン層側に記
録層を形成する記録層形成工程とを含むことを特徴とす
る。
【0071】上記支持体形成工程は、上述した原紙等の
基材にポリオレフィン層を形成する工程であり、ポリオ
レフィン層を形成する方法として上述のラミネート処理
等が挙げられる。上記ポリオレフィン層は、上述と同じ
理由からポリエチレンを用いて形成することが好まし
い。
【0072】上記電子線照射工程は、支持体のポリオレ
フィン層に電子線を照射して該層の耐熱性を向上させ
る。これにより、記録材料画像部におけるブリスターの
発生を抑制することができる。また、ブリスターの発生
を抑制するために、電子線照射によって硬化するEB材
を含んだ層を別途設ける必要がないため生産性の向上を
図ることができる。上記電子照射工程における電子線の
照射条件は上述の通りである。
【0073】上記記録層形成工程は、電子線照射工程に
よって電子線が照射された支持体のポリオレフィン層側
に記録層を形成する。支持体の両面にポリオレフィン層
が形成されている場合は、電子線が照射された側に記録
層を形成し、支持体の片面にポリオレフィン層が形成さ
れている場合は、該層が形成されている側に上記記録層
を形成する。上記記録層の材料および形成方法は上述の
通りである。
【0074】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するが、本発明
は、以下の実施例によって、なんら限定されるものでは
ない。尚、以下の実施例において、「部」は「質量部」
を示し、「%」は質量%を示す。
【0075】[実施例1] 《記録材料の作製》 (支持体の作製)LBSP40部、LBKP60部から
なる木材パルプを、ディスクリファイナーによってカナ
ディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化
ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド
1.0部、硫酸アルミニウム1.0部、ポリアミドポリ
アミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアク
リルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶対乾
質量比で添加し、長網抄紙機によって坪量100g/m
2の原紙を抄造した。その後、キャレンダー処理によっ
て密度を1.0に調整した。
【0076】低密度ポリエチレンにアナターゼ型二酸化
チタンを10質量%含有させて、厚み50μmに調整し
たポリエチレンフィルムを用意した。このポリエチレン
フィルムの片面に、下記組成のポリウレタン二液タイプ
の接着剤を、3g/m2となるように塗布し100℃で
2分間乾燥して、上記の原紙に貼合し、温度40℃・圧
力20kg/cm2で加熱圧着し、ポリエチレン層を形
成した(この面を「オモテ面」と呼ぶ)。 <接着剤組成> ・ポリボンドAY−651A(三洋化成工業(株)製) 100部 ・ポリボンドAY−651C(三洋化成工業(株)製) 15部
【0077】つぎに、原紙の上記ポリエチレンフィルム
を接着した面と反対側の面に、コロナ放電処理をおこな
った。次いで溶融押し出し機を用いて高密度ポリエチレ
ンを樹脂厚が30μmとなるようにコーテイングし、マ
ット面からなるポリエチレン層を形成した(この面を
「ウラ面」と呼ぶ)。ウラ面のポリエチレン層の表面に
コロナ放電処理した後、帯電防止剤として酸化アルミニ
ウム(日産化学工業製アルミナゾル100)/二酸化珪
素(日産化学工業製スノーテックス0)=1/2(質量
比)を水に分散させて乾燥後の質量で0.2g/m2
布した。
【0078】さらに、電子線加速器(TYPE;CB2
50/15/180L、岩崎電気製)を用いて、加速電
圧150kV、吸収線量1Mradの照射条件でオモテ
面のポリエチレン層表面に電子線を照射し、これを支持
体として用いた。
【0079】(下塗り層の形成)酵素分解ゼラチン(平
均分子量:10000、PAGI法粘度:1.5mPa
・s(15mP)、PAGI法ゼリー強度:20g)を
40部に、水60部を加え40℃で攪拌溶解し、ゼラチ
ン溶液を調製した。つぎに、水膨潤性の合成雲母(アス
ペクト比:1000、商品名ソマシフME100、コー
プケミカル社製)8部と水92部とを混合した後、ビス
コミルで湿式分散し、平均粒子径2.0μmの雲母分散
液を得た。この分散液に水を加え均一に混合し雲母濃度
が5%の雲母分散液を得た。
【0080】40℃の上記ゼラチン溶液40%100部
に、水120部およびメタノール556部を加え十分攪
拌混合した後、上記雲母分散液5%を208部加え、十
分攪拌混合し、さらに、エチレンオキサイド系界面活性
剤(1.66質量%)を9.8部添加し、液温度を35
℃から40℃に保った。そこに、下記に示すゼラチン硬
膜剤E−1を7.3部加え、下塗り層用塗布液(5.7
質量%)を得た。
【0081】
【化1】
【0082】上記下塗り用塗布液を、雲母塗布量が0.
2g/m2 となるように調整し、上記支持体のオモテ面
上に塗布し、下塗り層を形成した。
【0083】(記録層等の形成) 〔記録層用塗布液Aの調製〕電子供与性染料前駆体とし
てクリスタルバイオレットラクトン3.0部を酢酸エチ
ル20部に溶解し、さらに高沸点溶媒であるアルキルナ
フタレンを20部添加し、加熱して均一に混合した。カ
プセル壁剤として、キシリレンジイソシアナート/トリ
メチロールプロパン付加物20部をこの溶液にさらに添
加し、均一に攪拌した。別途、ゼラチンの6質量%水溶
液54部を用意し、先の電子供与性染料前駆体溶液を添
加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化
液に水68部を加え均一化した後、攪拌しながら50℃
に昇温し3時間カプセル化反応をおこなわせ、電子供与
性染料前駆体カプセル液を得た。カプセルの平均粒子径
は1.6μmであった。
【0084】電子受容性化合物としてビスフェノールA
30部をゼラチン4質量%水溶液150部中に加えてボ
ールミルにて24時間分散して、電子受容性化合物分散
液を調製した。分散液中の電子受容性化合物の平均粒子
径は1.2μmであった。
【0085】つぎに上記の電子供与性染料前駆体カプセ
ル液、電子受容性化合物分散液を電子供与性染料前駆体
/電子受容性化合物の比率がl/2となるように混合
し、目的の塗布液Aを調製した。
【0086】〔記録層用塗布液Bの調製〕ジアゾニウム
塩化合物として4−(N−(2−(2,4−ジ−ter
t−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノベンゼン
ジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート2.0部を
酢酸エチル20部に溶解し、さらに高佛点溶媒であるア
ルキルナフタレンを20部添加し、加熱して均一に混合
した。カプセル壁剤として、キシリレンジイソシアナー
ト/トリメチロールプロパン付加物15部をこの溶液に
更に添加し、均一に攪拌した。別途、ゼラチンの6質量
%水溶液54部を用意し、先のジアゾニウム塩化合物溶
液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られ
た乳化液に水68部を加え均一化した後、攪拌しながら
40℃に昇温し、3時間カプセル化反応をおこなわせ、
ジアゾニウム塩化合物カプセル液を得た。カプセルの平
均粒径は1.1μmであった。
【0087】カプラーとして1−(2’−オクチルフェ
ニル)−3−メチル−5−ピラゾロンを2部、1,2,
3−トリフェニルグアニジン2部、l,1−(p−ヒド
ロキシフェニル)−2−エチルヘキサン2部、4,4’
−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール
4部、2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエー
ト4部、トリクレジルホスフェート0.3部、マレイン
酸ジエチル0.1部、70%ドデシルベンゼンスルホン
酸カルシウムメタノール溶液1部を酢酸エチル10部中
に溶解し、この溶液を8%ゼラチン水溶液80部に添加
しホモジナイザーで10分間乳化した後、酢酸エチルを
除去して、カプラー乳化液を得た。
【0088】つぎに、上記のジアゾニウム塩化合物カプ
セル液、カプラー乳化液をジアゾニウム塩化合物、カプ
ラーの比率が2/3となるように混合し、目的の塗布液
Bを調製した。
【0089】〔記録層用塗布Cの調製〕ジアゾニウム塩
化合物として2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベン
ゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート3.0
部を酢酸エチル20部に溶解し、さらに高沸点溶媒であ
るアルキルナフタレンを20部添加し、加熱して均一に
混合した。カプセル壁剤として、キシリレンジイソシア
ナート/トリメチロールプロパン付加物15部をこの溶
液に更に添加し、均一に攪拌した。別途、ゼラチンの6
%水溶液54部を用意し、先のジアゾニウム塩化合物溶
液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られ
た乳化液に水68部を加え均一化した後、攪拌しながら
40℃に昇温し、3時間カプセル化反応をおこなわせ、
ジアゾニウム塩化合物カプセル液を得た。カプセルの平
均粒径は1.0μmであった。
【0090】カプラーとして2−クロロ−5−(3−
(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェノキシプロピ
ルアミノ)アセトアセトアニリド2部、1,2,3−ト
リフェニルグアニジン2部、1,l−(p−ヒドロキシ
フェニル)−2−エチルヘキサン2部、4,4’−(p
−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール4部、
2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート4
部、トリクレジルホスフェート0.3部、マレイン酸ジ
エチル0.1部、70%ドテシルベンゼンスルホン酸カ
ルシウムメタノール溶液1部を酢酸エチル10部中に溶
解し、この溶液を8%ゼラチン水溶液80部に添加しホ
モジナイザーで10分間乳化した後、酢酸エチルを除去
して、カプラー乳化液を得た。
【0091】つぎに、上記のジアゾニウム塩化合物カプ
セル液、カプラー乳化液をジアゾニウム塩化合物/カプ
ラーの比率が4/5となるように混合し、目的の塗布液
Cを調製した。
【0092】〔光透過率調整層用塗布液の調製〕酢酸エ
チル30部に、紫外線吸収剤前駆体として〔2−アリル
−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
t−オクチルフェニル〕ベンゼンスルホナート10部、
2,5−ジ−t−オクチル−ハイドロキノン3部、トリ
クレジルフォスフェート2部、α−メチルスチレンダイ
マー4部を溶解した。カプセル壁剤として、キシリレン
ジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加物20
部をこの溶液に更に添加し、均一に攪拌した。別途、イ
タコン酸変性ポリビニルアルコール8%水溶液200部
を用意し、先の紫外線吸収剤前駆体溶液を添加し、ホモ
ジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水12
0部を加え均一化した後、攪拌しながら、40℃に昇温
し、3時間カプセル化反応をおこなわせ、紫外線吸収剤
前駆体カプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は0.
3μmであった。
【0093】上記の紫外線吸収剤前駆体をカプセル液1
00部に、2%〔4−ノニルフェノキシトリオキシエチ
レン〕ブチルスルホン酸ナトリウム水溶液10部を添加
し、光透過率調整層用塗布液を得た。
【0094】〔中間層用塗布液の調製〕10%ゼラチン
水溶液100部に、2%(4−ノニルフェノキシトリオ
キシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム2部を添加
し中間層用塗布液を調製した。
【0095】〔保護層用塗布液の調製〕5.0%エチレ
ン変性ポリビニルアルコール水溶液61部に、20.5
%ステアリン酸亜鉛分散液(ハイドリンF115、中京
油脂社製)を2.0部添加し、2%(4−ノニルフェノ
キシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム
水溶液8.4部、フッ素系離型剤(ME−313、ダイ
キン社製)8.0部、小麦粉澱粉0.5部を添加し均一
に攪拌し、PVA液を調製した。別途、20%カオグロ
ス(白石工業社製)水溶液12.5部、10%ポリビニ
ルアルコール(PVA105:クラレ社の商品名)1.
25部、2%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液0:
39部を混合しダイノミルにて分散し顔料液を調製し
た。PVA液80部に、顔料液4.4部を添加して保護
層用塗布液を得た。
【0096】〔記録層等の形成〕上記電子線が照射され
たポリエチレン層を有する支持体に、オモテ面のポリエ
チレン層表面から順に、記録層用塗布液A、中間層用塗
布液、記録層用塗布液B、中間層用塗布液、記録層用塗
布液C、光透過率調整層用塗布液、および保護層用塗布
液を、60m/minの塗布速度で、7層同時に連続塗
布し、30℃・30%及び40℃・30%の条件でそれ
ぞれ乾燥して多色画像形成用の記録材料を得た。固形分
塗布量は記録層A 6.0g/m2、中間層 3.0g
/m2、記録層B6.0g/m2、中間層 3.0g/m
2、記録層C 5.0g/m2、光透過率調整層 3.0
g/m2、保護層1.5g/m2となるように塗布した。
【0097】[実施例2〜6]実施例1において、ポリ
エチレン層に照射する電子線の照射条件を、以下の表1
に示す加速電圧および吸収線量にそれぞれ変更した以外
は、実施例1と同様にして実施例2〜6にかかる多色画
像形成用の記録材料を得た。
【0098】[比較例1]上記ポリエチレン層に、電子
線を照射しなかった以外は、実施例1と同様にして、多
色画像形成用の記録材料を得た。
【0099】《評価》得られた実施例1〜6および比較
例1の記録材料について、以下の測定および評価をおこ
なった。
【0100】(ブリスターテスト)イエロー、マゼン
タ、シアンを順次同一のサーマルヘッドで出力できるデ
ジタルプリンター(NC301D、富士写真フイルム
(株)社製)を用いて、上記それぞれの記録材料に黒ベ
タ(255階調)を記録した。この際の記録条件は特に
ブリスターが発生しやすい下記表2に示される過酷条件
とした。
【0101】(評価方法)下記表1に示される条件を最
高出力とし、順次出力を下げ、各出力ごとに上記デジタ
ルプリンターを用いて比較サンプル(Thermo−A
utochrome Paper RA5−G100、
富士写真フイルム(株)社製)に黒ベタを記録した。つ
いで、各比較サンプルを切断し、該切断面を目視してブ
リスターの発生状態を測定した。最もブリスターの発生
が多い最高出力で記録された比較サンプルの面状レベル
を1点とし、全くブリスターの発生が認められなかった
比較サンプルの面状レベルを5点とした。全くブリスタ
ーの発生が認められなかった比較サンプルの一番高い出
力と最高出力との中間における出力で記録された比較サ
ンプルの面状レベルを適宜2〜4点とした。3点以上の
評価が実用上問題のない面状レベルである。ついで、上
述のブリスターテストで黒ベタが記録された実施例1〜
6および比較例1の記録材料を切断し、該切断面を目視
してブリスターの発生状態を測定し、上記比較サンプル
と比較して、最もブリスターの発生状態が近い比較サン
プルの面状レベルをそれぞれの評価とした。各記録材料
の評価を表2に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】表2から、支持体のポリエチレン層に加速
電圧が150以上、かつ吸収線量が1〜20Mradの
照射条件で電子線を照射した実施例1〜6については、
ブリスターの発生が抑制されていることがわかった。特
に、加速電圧が150以上では吸収線量が高いほどブリ
スターの発生を抑制できることがわかった。これに対
し、支持体のポリエチレン層に電子線を照射しなかった
場合は、ブリスターの発生を効果的に抑制できなかっ
た。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録材料
によれば、光沢性、生産性および平坦性が良好な画像を
形成し得る記録材料を提供することができる。また、本
発明の記録材料の製造方法によれば、光沢性、生産性お
よび平坦性が良好な画像を形成し得る記録材料の製造方
法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/30 B41M 5/18 102S 5/28 103 112 Fターム(参考) 2H026 AA07 BB01 BB41 EE03 FF05 HH01 2H085 AA07 BB01 BB41 CD00 CD11 EE03 HH01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱および/または圧力の供与
    によって発色可能な記録層を有する記録材料であって、
    前記支持体は、少なくとも前記記録層を有する側に電子
    線照射処理を施されたポリオレフィン層を有することを
    特徴とする記録材料。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン層は、ポリエチレン
    層であることを特徴とする請求項1に記載の記録材料。
  3. 【請求項3】 前記電子線照射処理の照射条件は、加速
    電圧が150kV以上、かつ、吸収線量が1Mrad〜
    20Mradであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の記録材料。
  4. 【請求項4】 前基記録層のうち少なくとも1つの層
    は、ジアゾ化合物とカプラ−とを有することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の記録材料。
  5. 【請求項5】 前記ジアゾ化合物は、熱応答性または圧
    応答性マイクロカプセルに内包されることを特徴とする
    請求項4に記載の記録材料。
  6. 【請求項6】 前記記録層のうち少なくとも1つの層
    は、電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物とを
    有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の記録材料。
  7. 【請求項7】 支持体上に熱および/または圧力の供与
    によって発色可能な記録層を有する記録材料の製造方法
    であって、 基材にポリオレフィン層を形成して前記支持体を形成す
    る支持体形成工程と、前記支持体形成工程によって形成
    された前記支持体のポリオレフィン層に電子線を照射す
    る電子線照射工程と、 前記電子線照射工程によって電子線が照射された前記支
    持体のポリオレフィン層側に前記記録層を形成する記録
    層形成工程と、 を含むことを特徴とする記録材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記支持体形成工程は、ポリエチレンを
    用いて前記ポリオレフィン層を形成することを特徴とす
    る請求項7に記載の記録材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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