JP2002086603A - 接着剤層が積層された熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法 - Google Patents

接着剤層が積層された熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法

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JP2002086603A JP2000280196A JP2000280196A JP2002086603A JP 2002086603 A JP2002086603 A JP 2002086603A JP 2000280196 A JP2000280196 A JP 2000280196A JP 2000280196 A JP2000280196 A JP 2000280196A JP 2002086603 A JP2002086603 A JP 2002086603A
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Teru Nakada
輝 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属のような冷えやすい平滑な表面を有する
被着体に対しても優れた接着性を発現し、且つ、製造時
に大がかりな設備を必要とすることがなく、安全面や衛
生面でも優れる、接着剤層が積層された熱可塑性樹脂発
泡体シートの製造方法を提供する。 【解決手段】 発泡性熱可塑性樹脂組成物からなる発泡
性シートの少なくとも片面に、180℃における溶融粘
度が2000〜150000Pa・sの感熱性接着剤か
らなる感熱性接着剤層を形成した後、該発泡性シートを
加熱して発泡させることを特徴とする接着剤層が積層さ
れた熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法、及び、感熱
性接着剤が、スチレン−共役ジエン−スチレンブロック
共重合体またはその水素添加物10〜90重量%及びロ
ジン系樹脂90〜10重量%を含有してなる感熱性接着
剤であることを特徴とする上記接着剤層が積層された熱
可塑性樹脂発泡体シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に感熱性接着
剤層が形成された熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】表面に粘接着剤層が形成された発泡体シ
ートは、優れた断熱性、衝撃吸収性、クッション性等を
有し、作業性良く被着体に接着することができるので、
車両用内装材、建材用断熱材、各種クッション材等の構
成材料として広く用いられている。
【0003】このような発泡体シートとして、例えば、
昭59−91178号公報では、「線状低密度ポリエチ
レンと、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン
−アクリル酸エチル共重合体とが含有されている独立気
泡の合成樹脂架橋発泡体の片面または両面に粘着剤層が
設けられてなる発泡体粘着テープもしくはシート」が開
示されている。
【0004】しかし、上記に開示された発泡体粘着テー
プもしくはシートの場合、粘着剤層形成用の粘着剤とし
て例えばアクリル系等の溶剤型粘着剤を用いているの
で、発泡体表面に粘着剤を塗工した後に溶剤を乾燥させ
るための乾燥装置を設置する必要が生じ、製造ラインが
非常に長くなるという問題点や、溶剤に起因する安全面
や衛生面の問題点がある。
【0005】また、昭63−153118号公報では、
「発泡性熱可塑性樹脂組成物から製せられた発泡性シー
トの片面もしくは両面に、感熱性接着剤層を形成して上
記シートを発泡させ、この発泡シートの感熱性接着剤層
上に表皮材、芯材等の積層材を重ねて加熱接着する車両
用内装材の製造方法」が開示されている。
【0006】しかし、上記に開示された製造方法の場
合、感熱性接着剤層形成用の感熱性接着剤として粘度の
高いエチレン−酢酸ビニル共重合体系感熱性接着剤を用
いているので、塗工時の厚み調整がし難く、通常の塗工
方法では塗工精度が低くなり、例えば金属のような冷え
やすい平滑な表面を有する被着体に対する接着性が乏し
くなるという問題点や、塗工方法として押出しラミネー
ション法や多層共押出し法を採用すると、非常に大がか
りな設備が必要になるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、金属のような冷えやすい平滑な表面を有
する被着体に対しても優れた接着性を発現し、且つ、製
造時に大がかりな設備を必要とすることがなく、安全面
や衛生面でも優れる、接着剤層が積層された熱可塑性樹
脂発泡体シートの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よる接着剤層が積層された熱可塑性樹脂発泡体シート
(以下、単に「発泡体シート」と略記する)の製造方法
は、発泡性熱可塑性樹脂組成物からなる発泡性シートの
少なくとも片面に、180℃における溶融粘度が200
0〜150000Pa・sの感熱性接着剤からなる感熱
性接着剤層を形成した後、該発泡性シートを加熱して発
泡させることを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載の発明による発泡体
シートの製造方法は、上記請求項1に記載の発泡体シー
トの製造方法において、感熱性接着剤が、スチレン−共
役ジエン−スチレンブロック共重合体またはその水素添
加物10〜90重量%及びロジン系樹脂90〜10重量
%を含有してなる感熱性接着剤であることを特徴とす
る。
【0010】本発明の製造方法による発泡体シートを構
成する発泡性シートを作製するために用いられる発泡性
熱可塑性樹脂組成物は、主成分としての熱可塑性樹脂及
び該熱可塑性樹脂を発泡させるための発泡剤が含有され
てなる。
【0011】上記熱可塑性樹脂としては、特に限定され
るものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、プロピレ
ンホモポリマー、プロピレンランダムポリマー、プロピ
レンブロックポリマー、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体等のポリオレフィン系樹脂や、ポリ
塩化ビニル系樹脂等が挙げられるが、なかでもポリオレ
フィン系樹脂が好適に用いられ、なかでも直鎖状低密度
ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合
物が特に好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、
単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても
良い。
【0012】また、上記発泡剤としては、特に限定され
るものではないが、例えば、アゾジカルボンアミド、
N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トル
エンスルホニルヒドラジド、P,P’−オキシビス(ベ
ンゼンスルホニル)ヒドラジド等の分解型発泡剤や、各
種フルオロカーボン(フロンガス)等の揮発型発泡剤等
が挙げられるが、なかでも分解型発泡剤が好適に用いら
れる。これらの発泡剤は、単独で用いられても良いし、
2種類以上が併用されても良い。
【0013】本発明で用いられる発泡性熱可塑性樹脂組
成物には、上記熱可塑性樹脂及び発泡剤以外に、本発明
の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、滑剤、酸
化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤の
1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0014】上記発泡性熱可塑性樹脂組成物からなる発
泡性シートの作製方法は、特に限定されるものではない
が、例えば、Tダイを備えた通常の押出し成形機を用い
て、発泡性熱可塑性樹脂組成物を加熱し均一に溶融混練
した後、シート状に成形することにより、所望の発泡性
シートを得ることができる。尚、上記溶融混練時の加熱
温度は、発泡剤が分解型発泡剤である場合には、該分解
型発泡剤の分解温度未満の温度であることが好ましく、
また、発泡剤が揮発型発泡剤である場合には、該揮発型
発泡剤の沸点未満の温度であることが好ましい。
【0015】こうして得られる発泡性シートには、特に
限定されるものではないが、例えば、電子線照射等の方
法により架橋処理を施しておくことが好ましい。
【0016】本発明の製造方法による発泡体シートを構
成する感熱性接着剤層を形成するために用いられる感熱
性接着剤としては、いわゆるホットメルト型接着剤が好
ましく、特に限定されるものではないが、例えば、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等のスチレ
ン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン
−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ス
チレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重
合体などを主成分とするスチレン−共役ジエン−スチレ
ンブロック共重合体系感熱性接着剤、アタクチックポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体などを主成分とするポリオ
レフィン樹脂系感熱性接着剤、ポリアミド樹脂系感熱性
接着剤、飽和ポリエステル樹脂系感熱性接着剤、ポリア
セタール樹脂系感熱性接着剤等が挙げられるが、なかで
もスチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体系
感熱性接着剤が好適に用いられる。これらの感熱性接着
剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用さ
れても良い。また、上記発泡性シートの両面に感熱性接
着剤層を形成する場合、一方の面に用いられる感熱性接
着剤と他方の面に用いられる感熱性接着剤とは、同一の
ものであっても良いし、異なるものであっても良い。
【0017】本発明で用いられる感熱性接着剤は、18
0℃における溶融粘度が2000〜150000Pa・
sであることが必要であり、5000〜50000Pa
・sであるのが好ましい。
【0018】感熱性接着剤の上記溶融粘度が2000P
a・s未満であると、粘度が低すぎるため、均一な塗工
が困難となって塗工精度が低下し、金属のような冷えや
すい平滑な表面を有する被着体に対する接着性が不十分
となる。逆に、感熱性接着剤の上記溶融粘度が1500
00Pa・sを超えると、粘度が高すぎるため、均一な
塗工が困難となって塗工精度が低下し、金属のような冷
えやすい平滑な表面を有する被着体に対する接着性が不
十分となる。
【0019】本発明で用いられる感熱性接着剤には、上
記主成分として用いられる共重合体や樹脂以外に、本発
明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、接着性
向上剤、カップリング剤、粘度調整剤、充填剤、軟化
剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、
熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃
剤、着色剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添
加されていても良い。
【0020】上記接着性向上剤としては、特に限定され
るものではないが、例えば、ガムロジン、ウッドロジ
ン、トール油ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、ロジ
ンエステル等やこれらの水素添加物等のロジン系樹脂、
テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等やこれら
の水素添加物等のテルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、脂
環族石油樹脂、芳香族石油樹脂等やこれらの水素添加物
等の石油系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられるが、な
かでもロジン系樹脂が好適に用いられる。これらの接着
性向上剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0021】本発明で用いられる感熱性接着剤の特に好
ましい例としては、前記スチレン−共役ジエン−スチレ
ンブロック共重合体またはその水素添加物10〜90重
量%及び上記ロジン系樹脂90〜10重量%を含有して
なる感熱性接着剤が挙げられる。
【0022】このような感熱性接着剤を用いることによ
り、発泡性シートへの塗工が容易で塗工精度に優れる感
熱性接着剤層を形成することが可能となり、金属のよう
な冷えやすい平滑な表面を有する被着体に対しても優れ
た接着性を発現し得る発泡体シートを得ることができ
る。
【0023】上記感熱性接着剤において、スチレン−共
役ジエン−スチレンブロック共重合体またはその水素添
加物の含有量が10重量%未満であるか、または、ロジ
ン系樹脂の含有量が90重量%を超えると、感熱性接着
剤層の造膜性が低下したり、感熱性接着剤層が硬く脆く
なって、得られる発泡体シートの被着体に対する接着力
が不十分となり、逆にスチレン−共役ジエン−スチレン
ブロック共重合体またはその水素添加物の含有量が90
重量%を超えるか、または、ロジン系樹脂の含有量が1
0重量%未満であると、得られる発泡体シートの被着体
に対する接着性が不十分となる。
【0024】本発明で用いられる感熱性接着剤の作製方
法は、特に限定されるものではないが、例えば、加熱装
置を備えた通常の攪拌混練機を用いて、主成分として用
いられる前記共重合体や樹脂の所定量と必要に応じて添
加される各種添加剤の1種もしくは2種以上の各所定量
とを混合し、加熱して、均一に溶融混練することによ
り、所望の感熱性接着剤を得ることができる。
【0025】こうして得られる感熱性接着剤の形状は、
特に限定されるものではなく、例えば、ブロック状、ペ
レット状、短冊状、円形状、球形状、台形状、ロープ状
等のいずれの形状であっても良い。
【0026】次に、本発明の製造方法による発泡体シー
トの製造工程について説明する。
【0027】先ず、発泡性熱可塑性樹脂組成物からなる
発泡性シートを例えば前記作製方法で作製した後、必要
に応じて、例えば電子線照射による架橋処理を施し、架
橋発泡性シートを得る。次に、この(架橋)発泡性シー
トの片面もしくは両面に感熱性接着剤を塗工して感熱性
接着剤層を形成する。
【0028】上記感熱性接着剤を塗工するための塗工装
置としては、特に限定されるものではないが、例えば、
感熱性接着剤を加熱溶融するための加熱装置を内蔵する
溶融タンク、加熱溶融された感熱性接着剤を塗出するた
めの塗出ポンプ及び塗出された感熱性接着剤を所望の塗
工量や塗工形状(塗工パターン)で塗工するための塗工
金型等を備えた塗工装置等が挙げられる。
【0029】また、感熱性接着剤の塗工量は、特に限定
されるものではないが、(架橋)発泡性シートの片面に
つき、3〜15g/m2 であることが好ましい。感熱性
接着剤の上記塗工量が3g/m2 未満であると、得られ
る発泡体シートの被着体に対する接着性が不十分となる
ことがあり、逆に感熱性接着剤の上記塗工量が15g/
2 を超えると、もはや接着性はそれ以上向上しないに
もかかわらず、感熱性接着剤層の凝集力や耐熱性が低下
することがある。
【0030】次いで、片面もしくは両面に感熱性接着剤
層が形成された(架橋)発泡性シートを、(架橋)発泡
性シート中に含有される分解型発泡剤の分解温度以上の
温度、または、(架橋)発泡性シート中に含有される揮
発型発泡剤の沸点以上の温度に加熱して、上記(架橋)
発泡性シートを発泡させることにより、本発明の製造方
法による発泡体シートを得ることができる。
【0031】上記製造工程は、インラインによる連続工
程であっても良いし、アウトラインによる分割工程であ
っても良い。
【0032】本発明の製造方法で得られた発泡体シート
の感熱性接着剤層を加熱再活性させて被着体の接着面に
接着させる時の温度は、特に限定されるものではない
が、80℃以上であることが好ましい。上記加熱再活性
温度が80℃未満であると、感熱性接着剤層が十分に再
活性せず、十分な接着性を得られなくなることがある。
また、80℃未満の温度で再活性するような感熱性接着
剤層であると、感熱性接着剤層が粘着性を帯びるように
なって、発泡体シートが保管中にブロッキングを起こす
ことがある。
【0033】
【作用】本発明の製造方法による発泡体シートは、発泡
性熱可塑性樹脂組成物からなる発泡性シートの少なくと
も片面に感熱性接着剤層を形成した後に、加熱により発
泡性シートを発泡させてなり、且つ、上記感熱性接着剤
層を構成する感熱性接着剤は特定の溶融粘度を有してい
るので、塗工精度の高い均一な塗工厚みの感熱性接着剤
層を形成することが可能であり、金属のような冷えやす
い平滑な表面を有する被着体に対しても優れた接着性を
発現し得る。
【0034】また、上記感熱性接着剤として、スチレン
−共役ジエン−スチレンブロック共重合体またはその水
素添加物とロジン系樹脂との各特定量を含有してなる感
熱性接着剤を用いることにより、上記性能は著しく向上
する。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0036】(実施例1)直鎖状低密度ポリエチレンと
エチレン−酢酸ビニル共重合体との混合物に対し、分解
型発泡剤としてアゾジカルボンアミドを添加し混合し
て、発泡性熱可塑性樹脂組成物を準備した。次に、Tダ
イを備えた押出し成形機を用いて、この熱可塑性樹脂組
成物をシート状に押出し成形した後、このシート状成形
体に電子線を照射して、架橋させ、厚み1mmの架橋発
泡性シートを作製した。次いで、この架橋発泡性シート
の表面に、スチレン−共役ジエン−スチレンブロック共
重合体30重量%及びロジン系樹脂70重量%を含有し
てなる感熱性接着剤(180℃における溶融粘度は約2
500Pa・s)を塗工量が6g/m2 となるように塗
工して感熱性接着剤層を形成した後、加熱により架橋発
泡性シートを発泡させて、発泡体シートを製造した。
【0037】(比較例1)感熱性接着剤層形成用の接着
剤として、スチレン−共役ジエン−スチレンブロック共
重合体30重量%及びロジン系樹脂70重量%を含有し
てなる感熱性接着剤の代わりに、ウレタン樹脂系接着剤
(180℃における溶融粘度は約360Pa・s)50
重量%及びトルエン(溶剤)50重量%を含有してなる
ウレタン樹脂系溶剤型接着剤を用い、この接着剤を乾燥
後の塗工量が6g/m2 となるように塗工したこと以外
は実施例1の場合と同様にして、発泡体シートを製造し
た。
【0038】(比較例2)感熱性接着剤層形成用の感熱
性接着剤として、スチレン−共役ジエン−スチレンブロ
ック共重合体30重量%及びロジン系樹脂70重量%を
含有してなる感熱性接着剤の代わりに、エチレン−酢酸
ビニル共重合体系感熱性接着剤(180℃における溶融
粘度は測定不能、120℃における溶融粘度は約400
0Pa・s)を用いたこと以外は実施例1の場合と同様
にして、発泡体シートを製造した。
【0039】実施例1、及び、比較例1及び比較例2で
得られた発泡体シートの接着性能を以下の方法で評価し
た。その結果は表1に示すとおりであった。
【0040】接着性能の評価方法:発泡体シート表面に
形成された感熱性接着剤層を80℃、90℃及び100
℃の各再活性温度に加熱して再活性させ、鋼板表面に接
着させた。次いで、常温で24時間放置した後に、発泡
体シートを鋼板から剥離して、発泡体シートの材料破壊
率(面積%)を目視で観察し、下記判定基準により接着
性能を評価した。尚、上記評価は、各再活性温度におい
てn=3で行った。 〔判定基準〕 ◎‥‥発泡体シートの材料破壊率が90〜100面積% ○‥‥発泡体シートの材料破壊率が70〜90未満面積
% △‥‥発泡体シートの材料破壊率が40〜70未満面積
% ×‥‥発泡体シートの材料破壊が0〜40未満面積%
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、本発明の製造方
法による実施例1の発泡体シートは、各再活性温度にお
いて鋼板に対する優れた接着性能を発現した。
【0043】これに対し、ウレタン樹脂系溶剤型接着剤
で感熱性接着剤層を形成した比較例1の発泡体シート
は、80℃で再活性した時の鋼板に対する接着性能が劣
っていた。また、上記接着剤は溶剤を含有していたの
で、塗工時に溶剤の乾燥装置が必要であると共に、安全
面や衛生面の対策も必要であった。
【0044】また、エチレン−酢酸ビニル共重合体系感
熱性接着剤で感熱性接着剤層を形成した比較例2の発泡
体シートは、80℃で再活性した時の鋼板に対する接着
性能が極端に悪く、90℃で再活性した時の鋼板に対す
る接着性能はバラツキが大きく、不安定であった。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の製造方法に
よれば、塗工精度が高く均一な塗工厚みを有する感熱性
接着剤層を形成することができるので、80℃程度の比
較的低い再活性温度で、金属のような冷えやすい平滑な
表面を有する被着体に対しても優れた接着性を発現し得
る発泡体シートを簡便に得ることができる。また、本発
明の製造方法は、溶剤型接着剤を用いないので、発泡体
シートの製造時に大がかりな設備を必要とすることがな
く、安全面や衛生面でも優れる。
【0046】また、本発明の製造方法で得られる発泡体
シートは、上記優れた性能を有するので、車両用内装
材、建材用断熱材、各種クッション材等の構成材料とし
て好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29C 67/22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡性熱可塑性樹脂組成物からなる発泡
    性シートの少なくとも片面に、180℃における溶融粘
    度が2000〜150000Pa・sの感熱性接着剤か
    らなる感熱性接着剤層を形成した後、該発泡性シートを
    加熱して発泡させることを特徴とする接着剤層が積層さ
    れた熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 感熱性接着剤が、スチレン−共役ジエン
    −スチレンブロック共重合体またはその水素添加物10
    〜90重量%及びロジン系樹脂90〜10重量%を含有
    してなる感熱性接着剤であることを特徴とする請求項1
    に記載の接着剤層が積層された熱可塑性樹脂発泡体シー
    トの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5042390B2 (ja) * 2009-10-15 2012-10-03 株式会社アシックス レーザー接着用積層体、シューズ、及びシューズの製造方法

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