JP2002086542A - 二軸押出機による押出成形方法 - Google Patents
二軸押出機による押出成形方法Info
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Abstract
散性が良く、安定した押出量が得られることから多くの
材料の押出機として、広く利用されている。しかし、見
掛け比重が小さい微粉体樹脂、または微粉体を多量に含
むプラスチック材料等を押出成形する際に、押出機供給
部における材料の食い込み量が押出量を限定する場合が
多い。 【解決手段】そこで本願発明では、空気抜き口を材料供
給口より上流のバレルに2箇所以上、ベント口を材料供
給口より下流のバレルに設置し、かつ、該バレルとスク
リュ−の間のチップクリアランスについて(A)材料吐
出部、(B)材料溶融部及び(C)材料供給部のうち、
(A)が最も小さく、(B)と(C)は同一若しくは
(B)が(C)より大である同方向回転二軸押出機を用
いて、材料中に含有の空気を除去し樹脂組成物を押出成
形する方法である。
Description
押出機を用いる押出成形において、二軸押出機の材料供
給口よりバレル内に供給される微粉体を含む材料中に包
含される空気を抜きながら押出成形する方法に関するも
のである。
材料の混合、分散性が良く、安定した押出量が得られる
ことから多くの材料の押出機として、広く利用されてい
る。しかし、見掛け比重が小さい微粉体樹脂、または微
粉体を多量に含むプラスチック材料等を押出成形する際
に、押出機供給部における材料の食い込み量が押出量を
限定する場合が多い。これを解決する手段として、例え
ば強制供給装置(コンパクタ)を使用して、押出材料を
押出機に供給する方法が採用されている。しかし、コン
パクタを使用しても、非常に細かい粒子で見掛け比重が
小さな粉末状材料を押出成形する場合には、その効果が
十分ではなく、所望の押出量を安定して得ることは難し
く、限られた範囲の押出条件において運転する必要があ
る。
給部に於ける食い込みを妨げている最大の要因は、微粉
体の見掛け比重が小さい故に、それに包含されている多
量の空気であり、この空気を含んだ含んだ材料が押出機
内で圧縮、溶融されて空気を分離し、分離された空気が
材料供給口側、即ちバレル内における材料の移動方向と
逆に流れる結果、バレル内で微粉体を含む材料の固体輸
送が阻害され、さらに材料供給口近傍のバレル内で該材
料が流動化するためである。そのため、材料の固体輸送
能力及びスクリュ−への食込み量が制限され、スクリュ
−が本来有する輸送能力が十分に発揮されなくなるので
ある。この場合にも、スクリュ−による剪断力及びバレ
ルからの加熱によって材料の熔融は進行するため押出作
用は失われないが、スクリュ−が有する固体輸送能力が
十分に発揮されないため、押出機が有する本来の押出量
に比べてはるかに低い能力しか発揮できない。
開昭58−29644号公報には、材料供給口より下流
のバレルに押出材料に包含される空気を排出するための
開口部を設けた完全噛合型同方向二軸押出機を用いる微
粉体材料の空気抜き方法が提案されている。しかし、該
方法は、押出材料が半熔融状態にある域に開口部を設け
た場合にのみ押出材料に包含される空気のみを分離して
排出することができる方法である。即ち、押出材料が未
熔融状態(粉末状態)にある域に開口部を設けた場合に
は、空気と共に微粉体が排出され、又、押出材料が完全
熔融状態にある域に開口部を設けた場合には、空気は系
外に排出されず供給口に逆流する。このため、押出材料
の種類に応じて、材料に包含される空気を開口部から排
出し易くするようにスクリュ−セグメントの組み合わせ
を考慮する等してスクリュ−デザインを変更し、かつ、
押出温度、押出速度等の運転条件をも変更し、押出材料
に合致した成形条件を設定する必要があり、同一の押出
機を用いて多種類の押出材料を押出成形する方法として
は好ましい方法ではない。
上記特開昭58−29644号公報の欠点を解消する手
段として、材料供給口より上流部分のバレルに押出材料
に包含される空気を排出するための開口部を設けて、微
粉体材料中の空気を除去する方法が提案されている。し
かし、該方法では、その記載図面からも理解される通り
押出機スクリュ−の混合部分に汎用タイプを使用してい
る。この結果、特開昭58−29644号公報の欠点と
しても記載の通り、押出材料が未熔融状態(粉末状態)
にある域に開口部を設けた場合には、空気と共に微粉体
が排出される欠点がある。尚、これら従来から使用の押
出機は、一般に特開平6−64021号にも記載の通
り、押出機のバレル全域にわたってのフライト外径が一
定のスクリュ−を使用している。
同方向回転二軸押出機を用いて、見掛け比重が小さい微
粉体樹脂、又は微粉体を多量に含むプラスチック材料等
を押出成形する際に、押出量の増大を図り、しかも安定
して押出成形できる二軸押出成形方法を検討したのであ
る。
に空気抜き口、材料供給口及びベント口を設けてなる同
方向回転二軸押出機を用いて微粉体を含む材料を押出成
形する方法において、空気抜き口を材料供給口より上流
のバレルに2箇所以上、ベント口を材料供給口より下流
のバレルに設置し、かつ、該バレルとスクリュ−の間の
チップクリアランスについて(A)材料吐出部、(B)
材料溶融部及び(C)材料供給部のうち、(A)が最も
小さく、(B)と(C)は同一若しくは(B)が(C)
より大である同方向回転二軸押出機を用いて、材料中に
含有の空気を除去し樹脂組成物を押出成形する方法であ
る。尚、(A)、(B)及び(C)は、二軸押出機の材
料供給口からスクリュ−の機能として、(C)は樹脂材
料を供給する処、(B)は熔融混練する処、(A)熔融
混練した樹脂材料を吐出するための順に設けられてい
る。即ち、原料供給口から投入された微粉体を含む材料
は、スクリュ−の材料供給部→材料溶融部→材料吐出部
の工程を経て押出され成形品が得られる。
流側の粉切りネジ上或いはそれより上流のバレル位置に
設置しており、このため押出材料が存在せず樹脂が溶融
する位置とも無関係な位置に定められている。従って、
押出材料を多種のものに変更しても材料に包含される空
気を開口部から容易に排出し易くスクリュ−デザインを
変更する必要がない。また本発明では、空気抜き口を2
箇所以上設けることで、押出機内に残留する空気の排除
が従来法の空気抜け口が1本に比較して著しく容易とな
っている。この効果は、各々のスクリュ−に接触するバ
レルに2本づつ計4本設けた場合には、二軸押出機内で
の空気除去が更に効果的となっている。従来より、2軸
押出機ではバレルとスクリュ−の間のチップクリアラン
スは、一般に2〜0.3mm程度に調整されている。そこで
本発明では、該チップクリアランスについて上記の範囲
で、(A)材料吐出部、(B)材料溶融部及び(C)材
料供給部のうち、(A)を最も小さく、(B)と(C)
は同一若しくは(B)を(C)より大きくすると、押出
量が大いに向上したものである。その効果は、(B)が
(C)より大きい場合に最も発揮されるものである。
リアランスの効果を組合わせる事で押出量が著しく向上
するものである。請求項2は、請求項1記載の空気抜き
口2個以上のうち、少なくとも1個の空気抜き口が負圧
である同方向回転二軸押出機を用い、樹脂組成物を押出
成形する方法である。上記空気抜き口に負圧(減圧)を
施す方法としては、汎用の各種装置を用いれば良く、負
圧は大気圧より僅かに小さく、例えば700mmHg程度
あれば十分である。請求項3は、請求項1記載のチップ
クリアランスが、スクリュ−のフライト外径を調整した
ものである同方向回転二軸押出機を用い、樹脂組成物を
押出成形する方法である。即ち、本発明は、バレル内径
を一定にしてスクリュ−のフライト外径を変化すること
でチップクリアランスの大小を調整することで、(A)
材料吐出部、(B)材料溶融部及び(C)材料供給部の
チップクリアランスを調整するものである。
が、(C)材料供給部スクリュ−のネジ位置より上流粉
切ネジ位置上のバレル位置に設けられてある同方向回転
二軸押出機を用いて、樹脂組成物を押出成形する方法で
ある。本発明は、スクリュ−ネジが樹脂供給混合部のネ
ジ山より密である、所謂粉切ネジのバレルに空気抜け口
が設けられているもので、これに依って樹脂粉末や微細
配合物が空気抜け口に流入する心配がない。尚、該粉切
ネジは、微粉体の通過を防止するためネジ山間のピッチ
を(A)材料供給部より狭くしたものである。請求項5
は、請求項1記載の空気抜き口が、スクリュ−の粉切ネ
ジ位置より上流バレルに空気抜き口が設けられた同方向
回転二軸押出機を用いて、樹脂組成物を押出成形する方
法である。これに依って請求項4では極微細配合物が空
気抜け口に流入する心配も全く解消するものである。
別すると微粉体を含む材料が熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、それらの混合物またはその他の有機物、微粉体
がタルク、炭酸カルシウム、カ−ボンブラック、二酸化
チタン等無機物であり、これらを熱可塑性樹脂や熱硬化
性樹脂に混合したもの等が挙げられる。上記の微粉体の
粒度に制限はないが、例えば、平均粒度が1〜50μm程
度の細かい粒子が多量で有っても容易に押出可能であ
る。使用する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレ−
ト、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカ−ビネ−ト等が
挙げられる。
ると、
−6が互いに噛合、互いに同方向回転している。そし
て、4は原料供給口(ホッパ−)、5は原料供給口の下
流に設けたベント口であり、又、空気抜き口2及び3は
粉切りネジ7の上流に設けてある。また、
ュ−5のフライト外径を(A)材料吐出部<(C)材料
供給部<(B)材料溶融部の順に大きくすることで、こ
れに依ってチップクリアランスを(C)<(A)<
(B)の順に大きくしたものである。空気抜き口2及び
3のうち、空気抜き口2は700mmHgに減圧(負圧)
して空気を除去する装置であり、空気抜き口の大きさは
材料に含合される空気が排出される程度の口径であれば
特に制限されるものでないが直径20〜100mm程度で十
分である。
リュ−の粉切りネジ上バレルでも、該バレル上流に設け
ても良い。
M30、バレル径30mm、L/D=42)であり、空気抜き口が
口径5mmのものが
記号2の空気抜き口は、大気圧より圧が100mmHg低
くなるように調整されている。該押出機を用いて、平均
粒径0.4μmの酸化チタン50重量部、及び密度0.9の低密
度ポリエチレン樹脂50重量部を200℃、スクリュ−回転
数300rpmで押出成形した。押出成形中は、成形材料
に含まれる空気は容易に排除され、押出量30Kg/hr
となり安定した押出成形が可能であった。尚、バレルと
スクリュ−の間のチップクリアランスは、(A)材料吐
出部が0.5mm、(B)材料溶融部3mm及び(C)材料
供給部が1.2mmである。
X−65、バレル径69mm、L/D=49.5)であり、空気抜き
口が
口径15mmのものが
2の空気抜き口は大気圧より圧が50mmHg低くなるよ
うに調整され負圧となっている。該押出機を用いて、平
均粒径3μmタルク20重量部、密度0.9のポリプロピレン
樹脂ペレット70重量部、及び熱可塑性エラストマ−10重
量部の混合物を190℃、スクリュ−回転数700rpmで押
出成形した。押出成形中は、成形材料に含まれる空気は
容易に排除され、押出量1100Kg/hrとなり安定した
押出成形が可能であった。尚、バレルとスクリュ−の間
のチップクリアランスは、(A)材料吐出部が0.5m
m、(B)材料溶融部及び(C)材料供給部が1.5mm
である。
X−65、バレル径69mm、L/D=49.5)であり、空気抜き
口が
口径15mmのものが
2の空気抜き口は大気圧より圧が100mmHg低くなる
ように調整され負圧となっている。該押出機を用いて、
平均粒径0.5μmタルク50重量部、及び密度0.9のポリプ
ロピレン樹脂ペレット50重量部の混合物を190℃、スク
リュ−回転数450rpmで押出成形した。押出成形中
は、成形材料に含まれる空気は容易に排除され、押出量
350Kg/hrとなり安定した押出成形が可能であった。
尚、バレルとスクリュ−の間のチップクリアランスは、
(A)材料吐出部が0.5mm、(B)材料溶融部が3m
m、(C)材料供給部が1.2mmである。
M30、バレル径30mm、L/D=42)であり、空気抜き口が
径5mmのものが
2の空気抜き口は、大気圧より圧が100mmHg低くな
るように調整され負圧となっている。該押出機を用い
て、平均粒径200μm、密度0.9のポリプロピレン樹脂を
200℃、スクリュ−回転数300rpmで押出成形した。押
出成形中は、成形材料に含まれる空気は容易に排除さ
れ、押出量40Kg/hrとなり安定した押出成形が可能
であった。尚、バレルとスクリュ−の間のチップクリア
ランスは、(A)材料吐出部が0.5mm、(B)材料溶
融部3mm及び(C)材料供給部が1.2mmである。
以外は、全て実施例1と同じ条件で押出成形を行った。
最大押出量は、15Kg/hrであった。 比較例2 実施例1に於いて、粉切ネジ上流のバレルの位置に口径
8mmの空気抜け口として記号2のみを1個設け負圧で
なく大気圧状態とする以外は、全て実施例1と同じ条件
で押出成形を行った。最大押出量は、550Kg/hrであ
った。 比較例3 実施例2に於いて、2軸押出機に空気抜け口を設けない
以外は、全て実施例2と同じ条件で押出成形を行った。
最大押出量は、650Kg/hrであった。
以外は、全て実施例3と同じ条件で押出成形を行った。
最大押出量は、200Kg/hrであった。 比較例5 実施例4に於いて、2軸押出機に空気抜け口を設けない
以外は、全て実施例4と同じ条件で押出成形を行った。
最大押出量は、20Kg/hrであった。 比較例6 実施例4に於いて、粉切ネジ上のバレル位置に口径5m
mの空気抜け口として記号2のみを1個設け負圧でなく
大気圧状態とする以外は、全て実施例4と同じ条件で押
出成形を行った。最大押出量は、20Kg/hrであった。
れる空気を排除しながら押出成形することができ、押出
量の増大に大いに貢献したのである。この効果は、粉切
りネジ上若しくはこれより上流に空気抜き口が設けられ
ることで、材料排出の心配が全くなく容易に空気の排除
が可能となったのである。
を示す模式図の一例であり、空気抜き口が粉切ネジより
上流バレルにある。
口が2、2’、3及び3’の位置に存在する一実施例で
ある。
を示す模式図の一例であり、空気抜き口が粉切ネジ上の
バレルにある。
口が2、2’、3及び3’の位置に存在する一実施例で
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 バレルに空気抜き口、材料供給口及びベ
ント口を設けてなる同方向回転二軸押出機を用いて微粉
体を含む材料を押出成形する方法において、空気抜き口
を材料供給口より上流のバレルに2箇所以上、ベント口
を材料供給口より下流のバレルに設置し、かつ、該バレ
ルとスクリュ−の間のチップクリアランスについて
(A)材料吐出部、(B)材料溶融部及び(C)材料供
給部のうち、(A)が最も小さく、(B)と(C)は同
一若しくは(B)が(C)より大である同方向回転二軸
押出機を用いて、材料中に含有の空気を除去し樹脂組成
物を押出成形する方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の空気抜き口2個以上のう
ち、少なくとも1個の空気抜き口が負圧である同方向回
転二軸押出機を用い、樹脂組成物を押出成形する方法。 - 【請求項3】 請求項1記載のチップクリアランスが、
スクリュ−のフライト外径を調整したものである同方向
回転二軸押出機を用い、樹脂組成物を押出成形する方
法。 - 【請求項4】 請求項1記載の空気抜き口が、(C)材
料供給部のスクリュ−のネジ位置より上流粉切ネジ位置
上のバレル位置に設けられてある同方向回転二軸押出機
を用いて、樹脂組成物を押出成形する方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の空気抜き口が、スクリュ
−の粉切ネジ位置より上流バレルに空気抜き口が設けら
れた同方向回転二軸押出機を用いて、樹脂組成物を押出
成形する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000277523A JP4633240B2 (ja) | 2000-09-13 | 2000-09-13 | 二軸押出機による押出成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002086542A true JP2002086542A (ja) | 2002-03-26 |
JP4633240B2 JP4633240B2 (ja) | 2011-02-16 |
Family
ID=18762839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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Cited By (1)
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2000
- 2000-09-13 JP JP2000277523A patent/JP4633240B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US8672662B2 (en) | 2009-02-03 | 2014-03-18 | Starlinger & Co Gesellschaft M.B.H. | Plastic extruder |
Also Published As
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JP4633240B2 (ja) | 2011-02-16 |
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