JP2002085965A - 硫黄酸化物吸収剤および排ガス脱硫方法 - Google Patents
硫黄酸化物吸収剤および排ガス脱硫方法Info
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- JP2002085965A JP2002085965A JP2001207476A JP2001207476A JP2002085965A JP 2002085965 A JP2002085965 A JP 2002085965A JP 2001207476 A JP2001207476 A JP 2001207476A JP 2001207476 A JP2001207476 A JP 2001207476A JP 2002085965 A JP2002085965 A JP 2002085965A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 排ガス中の硫黄酸化物をより効率よく除去す
る。 【解決手段】 湿式排ガス脱硫法により排気ガス中から
硫黄酸化物を除去する際の硫黄酸化物吸収剤が、マグネ
シウム含有鉱石粉砕物と炭酸マグネシウム以外のアルカ
リ性化合物成分とからなる。かつマグネシウム含有鉱石
粉砕物は、Ig.lossが20重量%以上かつ酸化マ
グネシウム換算含有率が40重量%以上である。
る。 【解決手段】 湿式排ガス脱硫法により排気ガス中から
硫黄酸化物を除去する際の硫黄酸化物吸収剤が、マグネ
シウム含有鉱石粉砕物と炭酸マグネシウム以外のアルカ
リ性化合物成分とからなる。かつマグネシウム含有鉱石
粉砕物は、Ig.lossが20重量%以上かつ酸化マ
グネシウム換算含有率が40重量%以上である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中から硫黄
酸化物を湿式排ガス脱硫法によって除去する方法および
そのための硫黄酸化物吸収剤に関する。
酸化物を湿式排ガス脱硫法によって除去する方法および
そのための硫黄酸化物吸収剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラーから排出されたガス中の二酸化
硫黄などの硫黄酸化物は有害であるため、大気に放出す
る前に排ガス中から分離除去する必要がある。この硫黄
酸化物は湿式排煙脱硫法による吸収によって排ガスから
の分離除去されている。この湿式排ガス脱硫法において
は吸収剤としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、水酸化マグネシウムが商業規模でこれまでよく用い
られている。
硫黄などの硫黄酸化物は有害であるため、大気に放出す
る前に排ガス中から分離除去する必要がある。この硫黄
酸化物は湿式排煙脱硫法による吸収によって排ガスから
の分離除去されている。この湿式排ガス脱硫法において
は吸収剤としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、水酸化マグネシウムが商業規模でこれまでよく用い
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、炭酸カルシウムまたは水酸化カルシウムを吸収剤と
して用いた場合、硫黄酸化物の吸収によって副生するカ
ルシウム化合物が水に微溶または難溶であるため、固体
となって析出し、装置内を循環する吸収液がスラリー化
し、析出する成分がスケールとなり易くなる。このスケ
ールは吸収塔内及び吸収液の循環配管部において閉塞の
トラブルの生じる原因となる。また、スラリー化した吸
収液をそのまま排水することはできず、副生物を分離・
回収する機構および装置が必要となる。従って、吸収塔
内及び吸収液の循環配管部のスケール防止対策による装
置の複雑化、副生物の分離・回収装置の設置になるた
め、脱硫装置全体の設備的なコストの負荷が大きくなる
という課題があった。
ば、炭酸カルシウムまたは水酸化カルシウムを吸収剤と
して用いた場合、硫黄酸化物の吸収によって副生するカ
ルシウム化合物が水に微溶または難溶であるため、固体
となって析出し、装置内を循環する吸収液がスラリー化
し、析出する成分がスケールとなり易くなる。このスケ
ールは吸収塔内及び吸収液の循環配管部において閉塞の
トラブルの生じる原因となる。また、スラリー化した吸
収液をそのまま排水することはできず、副生物を分離・
回収する機構および装置が必要となる。従って、吸収塔
内及び吸収液の循環配管部のスケール防止対策による装
置の複雑化、副生物の分離・回収装置の設置になるた
め、脱硫装置全体の設備的なコストの負荷が大きくなる
という課題があった。
【0004】また、水酸化マグネシウムを吸収剤として
用いる場合には、適切な空気吹込みによる酸化により、
吸収で副生するマグネシウム化合物のほとんどを水に可
溶することにより、装置内でスケールを生じることはな
い。しかし、この水酸化マグネシウムは海水と石灰から
合成されたものを用いるのが通常であるが、その製造工
程の複雑さのために高価である。また、近年、比較的安
価な酸化マグネシウムを消和・調整し、水酸化マグネシ
ウム吸収剤として用いている。しかしながら、この方法
においても、炭酸マグネシウム鉱石を焼成し酸化マグネ
シウムを合成する工程、その酸化マグネシウムから水酸
化マグネシウムを製造する工程・装置が必要となり、吸
収剤の製造コストの増加が生じる課題があった。
用いる場合には、適切な空気吹込みによる酸化により、
吸収で副生するマグネシウム化合物のほとんどを水に可
溶することにより、装置内でスケールを生じることはな
い。しかし、この水酸化マグネシウムは海水と石灰から
合成されたものを用いるのが通常であるが、その製造工
程の複雑さのために高価である。また、近年、比較的安
価な酸化マグネシウムを消和・調整し、水酸化マグネシ
ウム吸収剤として用いている。しかしながら、この方法
においても、炭酸マグネシウム鉱石を焼成し酸化マグネ
シウムを合成する工程、その酸化マグネシウムから水酸
化マグネシウムを製造する工程・装置が必要となり、吸
収剤の製造コストの増加が生じる課題があった。
【0005】また、酸化マグネシウムを直接吸収剤とし
て使用することも可能であるが、この場合、酸化マグネ
シウムの水中での凝集性が高いために吸収塔内および配
管等の脱硫装置内でコンクリート化したスケールが生じ
易い。又焼成した酸化マグネシウムを消和・調整した水
酸化マグネシウム吸収剤あるいは直接吸収剤として全吸
収に使用する場合は、焼成しているが為に炭酸マグネシ
ウム鉱石中に含まれる微量なカルシウム成分が分解し、
反応し易い酸化カルシウムとなり、カルシウム塩類を生
成し、スケールが生じ易いという問題があった。また、
炭酸マグネシウム鉱石の粉砕物を直接用いることも可能
であるが、炭酸マグネシウムの脱硫装置内に流入する硫
酸成分や脱硫工程中に生成する硫酸成分に対する中和速
度が著しく遅いために、吸収剤として使用することは困
難であった。
て使用することも可能であるが、この場合、酸化マグネ
シウムの水中での凝集性が高いために吸収塔内および配
管等の脱硫装置内でコンクリート化したスケールが生じ
易い。又焼成した酸化マグネシウムを消和・調整した水
酸化マグネシウム吸収剤あるいは直接吸収剤として全吸
収に使用する場合は、焼成しているが為に炭酸マグネシ
ウム鉱石中に含まれる微量なカルシウム成分が分解し、
反応し易い酸化カルシウムとなり、カルシウム塩類を生
成し、スケールが生じ易いという問題があった。また、
炭酸マグネシウム鉱石の粉砕物を直接用いることも可能
であるが、炭酸マグネシウムの脱硫装置内に流入する硫
酸成分や脱硫工程中に生成する硫酸成分に対する中和速
度が著しく遅いために、吸収剤として使用することは困
難であった。
【0006】本発明は従来の湿式排ガス脱硫法による排
ガス中の硫黄酸化物の除去における上記のような課題を
克服し、排ガス中の硫黄酸化物をより生産性良く除去す
る方法を提供することを目的とする。
ガス中の硫黄酸化物の除去における上記のような課題を
克服し、排ガス中の硫黄酸化物をより生産性良く除去す
る方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の硫黄酸化物吸収
剤は、湿式排ガス脱硫法により排気ガス中から硫黄酸化
物を除去するための硫黄酸化物吸収剤である。そしてこ
の吸収剤は、マグネシウム含有鉱石粉砕物と炭酸マグネ
シウム以外のアルカリ性化合物成分とからなり、マグネ
シウム含有鉱石粉砕物はIg. lossが20重量%
以上かつ酸化マグネシウム換算含有率が40重量%以上
であることを特徴とする。
剤は、湿式排ガス脱硫法により排気ガス中から硫黄酸化
物を除去するための硫黄酸化物吸収剤である。そしてこ
の吸収剤は、マグネシウム含有鉱石粉砕物と炭酸マグネ
シウム以外のアルカリ性化合物成分とからなり、マグネ
シウム含有鉱石粉砕物はIg. lossが20重量%
以上かつ酸化マグネシウム換算含有率が40重量%以上
であることを特徴とする。
【0008】ここでIg. lossおよび酸化マグネ
シウム換算の重量%は、JIS M8851 に記載さ
れたドロマイトの分析方法で測定した値として定義され
る。そしてIg. lossの値がこの範囲より小さい
場合、酸化マグネシウムの含有率が高くなるため、酸化
マグネシウムを直接吸収剤に用いた場合特有の課題が生
じ、好ましくない。また、酸化マグネシウムの重量%が
この範囲より小さい場合、鉱石中のカルシウム化合物及
び不純物の含有量が大きくなり、脱硫装置内でのカルシ
ウム塩の析出量等が顕著になり、装置内でスケールの問
題、懸濁物質の増大が生じるので好ましくない。
シウム換算の重量%は、JIS M8851 に記載さ
れたドロマイトの分析方法で測定した値として定義され
る。そしてIg. lossの値がこの範囲より小さい
場合、酸化マグネシウムの含有率が高くなるため、酸化
マグネシウムを直接吸収剤に用いた場合特有の課題が生
じ、好ましくない。また、酸化マグネシウムの重量%が
この範囲より小さい場合、鉱石中のカルシウム化合物及
び不純物の含有量が大きくなり、脱硫装置内でのカルシ
ウム塩の析出量等が顕著になり、装置内でスケールの問
題、懸濁物質の増大が生じるので好ましくない。
【0009】炭酸マグネシウム以外のアルカリ性化合物
は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム
およびバリウムよりなる群の中から選ばれた元素の水酸
化物、炭酸塩または酸化物を、少なくとも1種類含むも
のであることが、効率良く硫化物との中和反応させる点
から好ましい。特に同類系のマグネシウムの水酸化物ま
たは酸化物が、排液性状の統一化の点でより好ましい。
は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム
およびバリウムよりなる群の中から選ばれた元素の水酸
化物、炭酸塩または酸化物を、少なくとも1種類含むも
のであることが、効率良く硫化物との中和反応させる点
から好ましい。特に同類系のマグネシウムの水酸化物ま
たは酸化物が、排液性状の統一化の点でより好ましい。
【0010】炭酸マグネシウム以外のアルカリ性化合物
の含有率は、吸収剤中で1〜50重量%が好ましい。含
有率がこの範囲未満の場合、吸収液の硫酸成分の中和速
度が遅くなり吸収液のpHが下がり、規定pH値を維持
できず装置上好ましくない。また含有率がこの範囲を超
える場合には、炭酸マグネシウム以外のアルカリ性化合
物の含有量を増す効果が見られ難く、好ましくない。
の含有率は、吸収剤中で1〜50重量%が好ましい。含
有率がこの範囲未満の場合、吸収液の硫酸成分の中和速
度が遅くなり吸収液のpHが下がり、規定pH値を維持
できず装置上好ましくない。また含有率がこの範囲を超
える場合には、炭酸マグネシウム以外のアルカリ性化合
物の含有量を増す効果が見られ難く、好ましくない。
【0011】マグネシウム含有鉱石粉砕物は、その質量
中位径が1〜100μmであることが好ましい。この範
囲より大きい場合には、硫黄酸化物を吸収速度が遅くな
り十分な硫黄酸化物の吸収処理量が得られないので好ま
しくない。一方、それより小さい場合には、粉体として
の取り扱いが困難になるため好ましくない。
中位径が1〜100μmであることが好ましい。この範
囲より大きい場合には、硫黄酸化物を吸収速度が遅くな
り十分な硫黄酸化物の吸収処理量が得られないので好ま
しくない。一方、それより小さい場合には、粉体として
の取り扱いが困難になるため好ましくない。
【0012】こうした硫黄酸化物吸収剤を用いること
で、湿式排ガス脱硫法により排気ガス中から硫黄酸化物
を生産性良く除去することができる。なおその際に、吸
収剤は、水または温水中に混合して懸濁液状態にして用
いることが、生産性良く硫黄酸化物を吸収させるために
は好ましい。この吸収剤含有スラリー溶液(原吸収剤懸
濁液)の吸収剤濃度は、5〜40重量%が好ましく、さ
らに好ましくは10〜20重量%に調整する。それ未満
では、装置の水バランスが崩れる恐れもあり好ましくな
いし、それを超えると、スラリー溶液としての取り扱い
が困難になるため好ましくない。
で、湿式排ガス脱硫法により排気ガス中から硫黄酸化物
を生産性良く除去することができる。なおその際に、吸
収剤は、水または温水中に混合して懸濁液状態にして用
いることが、生産性良く硫黄酸化物を吸収させるために
は好ましい。この吸収剤含有スラリー溶液(原吸収剤懸
濁液)の吸収剤濃度は、5〜40重量%が好ましく、さ
らに好ましくは10〜20重量%に調整する。それ未満
では、装置の水バランスが崩れる恐れもあり好ましくな
いし、それを超えると、スラリー溶液としての取り扱い
が困難になるため好ましくない。
【0013】吸収塔内の吸収液のpHは、硫黄酸化物の
吸収量が増えるにつれ低下する。この混合液のpHは、
通常、吸収塔に供給する原吸収剤懸濁液の流量でコント
ロールさせる。本発明における混合液のpHは4〜7が
好ましい。それより小さい場合、装置や配管を腐食性が
高くなり、又脱硫効率が低下するので好ましくないし、
それを超えると、硫黄酸化物の吸収によって副生する二
酸化炭素の吸収液中から放散が阻害され、その結果とし
て、硫黄酸化物の吸収速度が低下するため好ましくな
い。
吸収量が増えるにつれ低下する。この混合液のpHは、
通常、吸収塔に供給する原吸収剤懸濁液の流量でコント
ロールさせる。本発明における混合液のpHは4〜7が
好ましい。それより小さい場合、装置や配管を腐食性が
高くなり、又脱硫効率が低下するので好ましくないし、
それを超えると、硫黄酸化物の吸収によって副生する二
酸化炭素の吸収液中から放散が阻害され、その結果とし
て、硫黄酸化物の吸収速度が低下するため好ましくな
い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の湿式排ガス脱硫法による
排ガスからの硫黄酸化物の分離プロセスの一例を図1に
示す。尚、図は本願発明の一実施態様を示すに過ぎず、
他の形式のものも本願発明の範囲に含まれ得ることは言
うまでもない。
排ガスからの硫黄酸化物の分離プロセスの一例を図1に
示す。尚、図は本願発明の一実施態様を示すに過ぎず、
他の形式のものも本願発明の範囲に含まれ得ることは言
うまでもない。
【0015】該プロセスは主に、吸収剤懸濁液調整槽
1、吸収塔2とからなる。吸収剤懸濁液調整槽1におい
て、粉末状の吸収剤Aと水Bを混合し、吸収剤含有スラ
リー溶液(以下原吸収剤懸濁液Cと言う)を調整する。
原吸収剤懸濁液Cは懸濁液供給ポンプ3により吸収塔内
の吸収液溜め部又は吸収液循環ライン2aへ送られる。
原吸収剤懸濁液は、硫黄酸化物を吸収除去する過程にお
いて副生する生成物との混合液となる。吸収塔内ではこ
の混合液が硫黄酸化物の吸収液として働くので、以下に
おいてこの混合液を吸収液と呼ぶ。この吸収液は吸収液
循環ポンプ4により、吸収塔下部の液溜め部2aから吸
収塔の上部へ導かれ、吸収塔上部のスプレーノズル2b
から噴霧され、吸収塔に導入された硫黄酸化物を吸収除
去する。硫黄酸化物を吸収した吸収液は、吸収塔下部か
ら抜き出され、その一部は再度吸収塔上部へ送り込まれ
吸収塔内を循環し、また、その残りの吸収液は、吸収液
を酸化させるため酸化工程Xへ送られる。
1、吸収塔2とからなる。吸収剤懸濁液調整槽1におい
て、粉末状の吸収剤Aと水Bを混合し、吸収剤含有スラ
リー溶液(以下原吸収剤懸濁液Cと言う)を調整する。
原吸収剤懸濁液Cは懸濁液供給ポンプ3により吸収塔内
の吸収液溜め部又は吸収液循環ライン2aへ送られる。
原吸収剤懸濁液は、硫黄酸化物を吸収除去する過程にお
いて副生する生成物との混合液となる。吸収塔内ではこ
の混合液が硫黄酸化物の吸収液として働くので、以下に
おいてこの混合液を吸収液と呼ぶ。この吸収液は吸収液
循環ポンプ4により、吸収塔下部の液溜め部2aから吸
収塔の上部へ導かれ、吸収塔上部のスプレーノズル2b
から噴霧され、吸収塔に導入された硫黄酸化物を吸収除
去する。硫黄酸化物を吸収した吸収液は、吸収塔下部か
ら抜き出され、その一部は再度吸収塔上部へ送り込まれ
吸収塔内を循環し、また、その残りの吸収液は、吸収液
を酸化させるため酸化工程Xへ送られる。
【0016】ボイラー等から排出される硫黄酸化物を含
む吸収塔入り側排ガスDは吸収塔2の下部から吸収塔内
に導入される。そして、上記の吸収液と接触させること
により、硫黄酸化物は吸収液に吸収され、排ガス中から
除去される。硫黄酸化物が除去された吸収塔出側排ガス
Eは、吸収塔塔頂部から排出される。
む吸収塔入り側排ガスDは吸収塔2の下部から吸収塔内
に導入される。そして、上記の吸収液と接触させること
により、硫黄酸化物は吸収液に吸収され、排ガス中から
除去される。硫黄酸化物が除去された吸収塔出側排ガス
Eは、吸収塔塔頂部から排出される。
【0017】また、吸収塔の下部の吸収液溜め部には空
気Fがバブリングされ、吸収塔内に導入される。この空
気は、混合液の撹拌および混合液が硫黄酸化物を吸収す
る際に副生する亜硫酸塩、重亜硫酸塩を酸化させ、硫酸
塩に変換するのを促進させる。
気Fがバブリングされ、吸収塔内に導入される。この空
気は、混合液の撹拌および混合液が硫黄酸化物を吸収す
る際に副生する亜硫酸塩、重亜硫酸塩を酸化させ、硫酸
塩に変換するのを促進させる。
【0018】
【実施例および比較例】次に示す原材料、測定法、およ
び装置を用いて、実施例と比較例としての評価を行っ
た。
び装置を用いて、実施例と比較例としての評価を行っ
た。
【0019】<マグネシウム含有鉱石粉砕物>マグネシ
ウム含有鉱石粉砕物には、自然に産出された炭酸マグネ
シウム鉱石を粉砕し、さらにふるいで分級したものを使
用した。
ウム含有鉱石粉砕物には、自然に産出された炭酸マグネ
シウム鉱石を粉砕し、さらにふるいで分級したものを使
用した。
【0020】<炭酸マグネシウム以外のアルカリ化合物
>炭酸マグネシウム以外のアルカリ化合物には、上記炭
酸マグネシウムを850〜900℃で加熱して焼成した
酸化マグネシウムを使用した。
>炭酸マグネシウム以外のアルカリ化合物には、上記炭
酸マグネシウムを850〜900℃で加熱して焼成した
酸化マグネシウムを使用した。
【0021】<Ig. lossおよび酸化マグネシウ
ム換算重量%の測定>JIS M 8851 「ドロマ
イトの分析方法」に従い測定した。
ム換算重量%の測定>JIS M 8851 「ドロマ
イトの分析方法」に従い測定した。
【0022】<炭酸マグネシウム鉱石の粒径分布の測定
>コールター・カウンター方式により測定した。
>コールター・カウンター方式により測定した。
【0023】<排ガス中の二酸化硫黄の濃度の測定>赤
外線吸収法連続分析計により測定した。
外線吸収法連続分析計により測定した。
【0024】[実施例1]マグネシウム含有鉱石粉砕物
としては、Ig. lossが50.2重量%、酸化マ
グネシウム換算含有率が47.1重量%、そして質量中
位径が7μmの物を用いた。このマグネシウム含有鉱石
粉砕物930gと酸化マグネシウム70gとを混合した
物を、硫黄酸化物吸収剤Aとした。
としては、Ig. lossが50.2重量%、酸化マ
グネシウム換算含有率が47.1重量%、そして質量中
位径が7μmの物を用いた。このマグネシウム含有鉱石
粉砕物930gと酸化マグネシウム70gとを混合した
物を、硫黄酸化物吸収剤Aとした。
【0025】吸収剤懸濁液調整槽1において、この吸収
剤Aと水Bを混合させ、室温で60分間攪拌しながら調
整した。こうして、吸収剤Aの濃度が10重量%からな
る原吸収剤懸濁液C用意した。そして、この原吸収剤懸
濁液Cを懸濁液循環ポンプ4で吸収塔2に流量0.04
L/minの割合で供給した。吸収塔内を循環する吸収
塔循環吸収液Gの循環流量は30L/minとした。
剤Aと水Bを混合させ、室温で60分間攪拌しながら調
整した。こうして、吸収剤Aの濃度が10重量%からな
る原吸収剤懸濁液C用意した。そして、この原吸収剤懸
濁液Cを懸濁液循環ポンプ4で吸収塔2に流量0.04
L/minの割合で供給した。吸収塔内を循環する吸収
塔循環吸収液Gの循環流量は30L/minとした。
【0026】一方、脱硫処理される排ガスDとしては、
温度170℃のボイラーから排出された、二酸化硫黄の
濃度1100ppmの物を用意した。そしてこの排ガス
Dを、吸収塔入り側から2m3/minの割合で吸収塔
2に導入した。
温度170℃のボイラーから排出された、二酸化硫黄の
濃度1100ppmの物を用意した。そしてこの排ガス
Dを、吸収塔入り側から2m3/minの割合で吸収塔
2に導入した。
【0027】こうした条件で、排ガスからの二酸化硫黄
の吸収除去を行い、定常状態になった後、吸収塔塔頂か
ら排出された吸収塔出側排ガスEの成分を分析した結
果、二酸化硫黄の濃度は20ppmであった。また、吸
収塔、吸収液循環配管にはスケールは発生しなかった。
の吸収除去を行い、定常状態になった後、吸収塔塔頂か
ら排出された吸収塔出側排ガスEの成分を分析した結
果、二酸化硫黄の濃度は20ppmであった。また、吸
収塔、吸収液循環配管にはスケールは発生しなかった。
【0028】[実施例2]マグネシウム含有鉱石粉砕物
としては、Ig. lossが30.8重量%、酸化マ
グネシウム換算含有率が63.6重量%、そして質量中
位径が15μmの物を用いた。このマグネシウム含有鉱
石粉砕物660gと酸化マグネシウム70gとを混合し
た物を硫黄酸化物吸収剤Aとした。また原吸収剤懸濁液
C中での吸収剤Aの濃度は、7.8重量%となるように
調整した。これ以外の条件は、実施例1と同じにした。
としては、Ig. lossが30.8重量%、酸化マ
グネシウム換算含有率が63.6重量%、そして質量中
位径が15μmの物を用いた。このマグネシウム含有鉱
石粉砕物660gと酸化マグネシウム70gとを混合し
た物を硫黄酸化物吸収剤Aとした。また原吸収剤懸濁液
C中での吸収剤Aの濃度は、7.8重量%となるように
調整した。これ以外の条件は、実施例1と同じにした。
【0029】こうした条件で、排ガスからの二酸化硫黄
の吸収除去を行い、定常状態になった後、吸収塔塔頂か
ら排出された吸収塔出側排ガスEの成分を分析した結
果、二酸化硫黄の濃度は15ppmであった。また、吸
収塔、吸収液循環配管にはスケールは発生しなかった。
の吸収除去を行い、定常状態になった後、吸収塔塔頂か
ら排出された吸収塔出側排ガスEの成分を分析した結
果、二酸化硫黄の濃度は15ppmであった。また、吸
収塔、吸収液循環配管にはスケールは発生しなかった。
【0030】[比較例1]マグネシウム含有鉱石粉砕物
としては、Ig. lossが3.8重量%、酸化マグ
ネシウム換算含有率が92.4重量%、そして質量中位
径が7μmの物を用いた。このマグネシウム含有鉱石粉
砕物660gと酸化マグネシウム70gとを十分混合し
た物を硫黄酸化物吸収剤Aとした。また原吸収剤懸濁液
C中での吸収剤Aの濃度は、5.6重量%となるように
調整した。これ以外の条件は、実施例1と同じにした。
としては、Ig. lossが3.8重量%、酸化マグ
ネシウム換算含有率が92.4重量%、そして質量中位
径が7μmの物を用いた。このマグネシウム含有鉱石粉
砕物660gと酸化マグネシウム70gとを十分混合し
た物を硫黄酸化物吸収剤Aとした。また原吸収剤懸濁液
C中での吸収剤Aの濃度は、5.6重量%となるように
調整した。これ以外の条件は、実施例1と同じにした。
【0031】こうした条件で、排ガスからの二酸化硫黄
の吸収除去を行い、定常状態になった後、吸収塔塔頂か
ら排出された吸収塔出側排ガスEの成分を分析した結
果、二酸化硫黄の濃度は20ppmであったが、吸収塔
内、吸収液の循環配管にスケールが付着し、それが、吸
収装置の運転時のトラブルの原因となった。
の吸収除去を行い、定常状態になった後、吸収塔塔頂か
ら排出された吸収塔出側排ガスEの成分を分析した結
果、二酸化硫黄の濃度は20ppmであったが、吸収塔
内、吸収液の循環配管にスケールが付着し、それが、吸
収装置の運転時のトラブルの原因となった。
【0032】[比較例2]硫黄酸化物吸収剤Aとして
は、質量中位径が125μmの炭酸マグネシウム粉末の
みを用いた。これ以外の条件は、実施例1と同じにし
た。こうした条件で、排ガスからの二酸化硫黄の吸収除
去を行い、定常状態になった後、吸収塔塔頂から排出さ
れた吸収塔出側排ガスEの成分を分析した結果、二酸化
硫黄の濃度は550ppmであった。また、二酸化硫黄
の吸収に使用されなかった炭酸マグネシウムなどのスケ
ールが吸収塔内、吸収液の循環配管に付着し、それが、
吸収装置の運転時のトラブルの原因となった。
は、質量中位径が125μmの炭酸マグネシウム粉末の
みを用いた。これ以外の条件は、実施例1と同じにし
た。こうした条件で、排ガスからの二酸化硫黄の吸収除
去を行い、定常状態になった後、吸収塔塔頂から排出さ
れた吸収塔出側排ガスEの成分を分析した結果、二酸化
硫黄の濃度は550ppmであった。また、二酸化硫黄
の吸収に使用されなかった炭酸マグネシウムなどのスケ
ールが吸収塔内、吸収液の循環配管に付着し、それが、
吸収装置の運転時のトラブルの原因となった。
【0033】
【発明の効果】本発明により、従来の水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム吸収剤を用い
た湿式排煙脱硫に比べ装置及び吸収剤費用が安価で、か
つ、装置機器、配管などへのスケールの付着を低減する
ことができ、トラブルの少ないプロセスで排ガス中の硫
黄酸化物の除去が可能となる。
ム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム吸収剤を用い
た湿式排煙脱硫に比べ装置及び吸収剤費用が安価で、か
つ、装置機器、配管などへのスケールの付着を低減する
ことができ、トラブルの少ないプロセスで排ガス中の硫
黄酸化物の除去が可能となる。
【0034】また、本発明の方法は容易に排ガス中の硫
黄酸化物の除去を行うだけではなく、吸収剤を他の化合
物から製造するプロセスを有しないため、工業的に有用
な排ガス中の硫黄酸化物の除去方法である。
黄酸化物の除去を行うだけではなく、吸収剤を他の化合
物から製造するプロセスを有しないため、工業的に有用
な排ガス中の硫黄酸化物の除去方法である。
【図1】排ガス中からの硫黄酸化物の吸収プロセス。
1 吸収剤懸濁液調整槽 2 吸収塔 2a 吸収液溜め部 2b スプレーノズル 3 懸濁液供給ポンプ 4 吸収液循環ポンプ A 吸収剤 B 水 C 原吸収剤懸濁液 D 吸収塔入り側排気ガス E 吸収塔出側排気ガス F 空気 G 吸収塔循環吸収液 X 酸化工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 隆央 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4D002 AA02 AC01 BA02 CA01 DA02 DA03 DA04 DA05 DA06 DA11 DA12 DA16 EA12 GA01 GB08 GB12 GB20 HA05 4G066 AA13B AA16B AA17B AA43B AE02B BA42 CA23 DA02
Claims (7)
- 【請求項1】 湿式排ガス脱硫法により排気ガス中から
硫黄酸化物を除去するための硫黄酸化物吸収剤におい
て、吸収剤はマグネシウム含有鉱石粉砕物と炭酸マグネ
シウム以外のアルカリ性化合物成分とからなり、マグネ
シウム含有鉱石粉砕物はIg. lossが20重量%
以上かつ酸化マグネシウム換算含有率が40重量%以上
であることを特徴とする硫黄酸化物吸収剤。 - 【請求項2】 炭酸マグネシウム以外のアルカリ性化合
物は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ムおよびバリウムよりなる群の中から選ばれた元素の水
酸化物、炭酸塩または酸化物を、少なくとも1種類含む
ものであることを特徴とする請求項1記載の硫黄酸化物
吸収剤。 - 【請求項3】 吸収剤中での炭酸マグネシウム以外のア
ルカリ性化合物の含有率は、1〜50重量%であること
を特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の硫黄酸化
物吸収剤。 - 【請求項4】 マグネシウム含有鉱石粉砕物は、質量中
位径が1〜100μmであることを特徴とする請求項1
〜3のいずれかに記載の硫黄酸化物吸収剤。 - 【請求項5】 湿式排ガス脱硫法により排気ガス中から
硫黄酸化物を除去する際に、硫黄酸化物吸収剤としては
請求項1〜4のいずれかに記載のものを用いることを特
徴とする排ガス脱硫方法。 - 【請求項6】 吸収剤は、水または温水中に混合して懸
濁液状態にして用いることを特徴とする請求項5記載の
排ガス脱硫方法。 - 【請求項7】 懸濁液中での吸収剤の濃度は、5〜40
重量%であることを特徴とする請求項6記載の排ガス脱
硫方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001207476A JP2002085965A (ja) | 2000-07-13 | 2001-07-09 | 硫黄酸化物吸収剤および排ガス脱硫方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-212598 | 2000-07-13 | ||
JP2000212598 | 2000-07-13 | ||
JP2001207476A JP2002085965A (ja) | 2000-07-13 | 2001-07-09 | 硫黄酸化物吸収剤および排ガス脱硫方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002085965A true JP2002085965A (ja) | 2002-03-26 |
Family
ID=26595950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001207476A Pending JP2002085965A (ja) | 2000-07-13 | 2001-07-09 | 硫黄酸化物吸収剤および排ガス脱硫方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002085965A (ja) |
-
2001
- 2001-07-09 JP JP2001207476A patent/JP2002085965A/ja active Pending
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