JP2002085555A - 血液処理装置 - Google Patents

血液処理装置

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JP2002085555A
JP2002085555A JP2000276851A JP2000276851A JP2002085555A JP 2002085555 A JP2002085555 A JP 2002085555A JP 2000276851 A JP2000276851 A JP 2000276851A JP 2000276851 A JP2000276851 A JP 2000276851A JP 2002085555 A JP2002085555 A JP 2002085555A
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blood
processing
processor
blood processing
amount
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JP2000276851A
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Keiichi Yoshida
恵一 吉田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】体外循環血液量を増やすことなく高い治療効果
を発揮する血液処理装置を提供する。特に、複数個の処
理器を使用して血液処理を行う場合の簡便かつ安全な血
液処理方法を提供する。 【解決手段】 血液中から有害物資又は不要物質を選択
的に除去する処理器を複数個使用する血液処理装置にお
いて、先に処理を実行する前段処理器Aが所定量の血液
処理を終了したならば、血液流量を例えば1/2以下の
低流量とする。処理器切換指令により、流路を切り換え
て処理前の後段処理器B内のプライミング液を処理を終
了した前段処理器A内へ供給し、前段処理器A内の血液
を押し出す。このときの流量も所定の低流量とする。前
段処理器Aの返血が終わったならば流路を切り換え、後
段処理器Bでの血液処理を続行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液に対し有害物
質又は不要物質を選択的に除去する等の所定の処理を施
す血液処理装置に関し、詳細には、血液処理を行う処理
器を少なくとも2個以上使用し、前段の処理器での血液
処理量が所定量に達した後、後段の処理器で血液処理を
行えるよう構成された血液処理装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の血液処理装置として、体外の液回
路に導いた血液中から、吸着処理器により不要な低分子
コレステロールを選択的に吸着除去するものが知られて
いる。吸着処理器を一個だけ用いて有害物又は不要物の
除去処理を行う方法は、一般的に知られている血液浄化
療法等に比べて装置構成及び機器動作が共に簡便である
から、ここでは詳細な説明を省略する。
【0003】一個の処理器を用いた血液処理において、
目標とする治療効果を達成できない可能性のある場合に
は、処理器を二個直列に接続して使用するか、又は、吸
着除去処理能力を高めるため容量を大きくした処理器を
使用して治療を行うことが考えられる。しかるに、処理
器を二個直列に接続した場合、あるいは容量を大きくし
て処理能力を高めた処理器を使用した場合、体外循環血
液量が増加し、患者によっては血圧低下を引き起こすお
それがある。
【0004】そこで、治療中の血圧低下を回避するため
の手段として、図11に示す如く、二個の処理器A,B
を血液処理装置の液回路に並列に設け、この処理器A,
Bを順に使用して血液処理を行う方法が従来提案されて
いる。同図の装置は、液回路に二個の処理器A,Bのほ
か、血液を循環流動させる血液ポンプ、血液凝固を防止
する抗凝固剤の注入手段、ドリップチャンバーD1〜D
5、圧力検知器P1〜P5・液切れ検知器・レベル検知
器・気泡検出器等の各種センサー、返血する血液を適温
に温める加温器、流路切換用のバルブV1〜V11、先
に用いた処理器内から血液を押し出すための生理食塩液
を同処理器内へ導入する置換ポンプ、所定のドリップチ
ャンバーD2,D5を大気開放するための開放バルブU
1,U2などが備えられて成り、一個の処理器で血液処
理を実行するのに必要な機能を有すると共に、一方の処
理器からもう一方の処理器へ血液導入経路を切り換える
ことができるよう構成されている。
【0005】前記血液処理装置による二個の処理器A,
Bを用いた血液処理方法について簡単に説明する。処理
開始後、まず前段の処理器Aで血液処理を行う。この
間、後段の処理器Bへの血液流路は閉ざしておき、後段
処理器Bでの血液処理は行わない。前段処理器Aにおい
て所定量の血液処理が終了したならば、後段処理器Bで
血液処理を行うべく流路を切り換える。流路切換工程
は、最初、前段処理器Aの流入側を置換ポンプと接続し
て前段処理器A内へ生理食塩液を導入すると共に、後段
処理器Bの流入側を血液回路と接続して後段処理器B内
へ血液を導入する。前段の処理器Aについては、導入さ
れた生理食塩液により内部の血液を押し出して、返血回
路部を経由して患者へ返血する。他方、後段処理器Bに
ついては、治療開始前にあらかじめ充填されているプラ
イミング液を、導入される血液により押し出し、排液ラ
インを通じて排出する。上記二つの処理は同時並行的に
実行される。上記二つの処理、すなわち前段処理器A内
からの血液の押し出し及び後段処理器B内からのプライ
ミング液の排出が完了したならば、再度流路を切り換え
て後段処理器Bの流出側を返血回路に接続し、後段処理
器Bによる血液処理を続行する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したとおり、処理
器を一個だけ使用する従来の血液処理装置では、目標と
する治療効果を達成出来ない場合がある。そこで、二個
の処理器を直列接続するか、又は、プライミング容量を
大きくして吸着除去処理能力を高めた処理器を使用して
治療を行うことが考えられるが、この場合は、体外循環
血液量が増加するため、患者によっては血圧低下を引き
起こす、という問題を生じさせるおそれがある。
【0007】これに対し、二個の処理器を順に用いる血
液処理方法によれば、体外循環血液量の増大を防いで、
治療時の血圧低下等を回避することができる。しかる
に、図11に示すような従来の血液処理装置では、二個
の処理器を並列に設け、治療の途中で流路の切換処理を
行う機構が必要であるため、装置の構成や機器動作が複
雑にならざるを得ず、装置故障やオペレーターによるセ
ッテイングミスなど、トラブル発生を招き易いという問
題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、血液処理時の
血圧低下の問題や、装置構成及び動作の複雑化によるト
ラブルの発生を防ぐため、従来よりも簡便に血液処理を
実行できるよう、複数の処理器を順次使用する血液処理
装置に改良を加えたものである。本発明の特徴とすると
ころは、血液に対して所定の処理を施す処理器を少なく
とも二個以上使用し、先に処理を実行する前段の処理器
で所定量の血液処理を行い、次に後段の処理器で血液処
理を実行するように設定された血液処理装置において、
前段処理器での血液処理量が所定量に達した後、後段処
理器内に満たされているプライミング液を前段処理器内
に導入して前段処理器内の血液を返血する返血工程を実
行し、返血量が所定値に達した後、後段処理器で血液処
理を続行することができるよう構成したことにある。か
かる構成により、本発明に係る血液処理装置は、例えば
返血処理を行うための余分なポンプや生理食塩液を必要
とせず、また最小限のバルブ装備で前段の処理器内の血
液の返血を行うことができる。
【0009】前記血液処理装置において、前段処理器に
おける血液処理量が所定量に達した時点で、血液流量を
自動的に所定の低流量とするように設定してもよい。か
かる構成により、前段処理器における血液処理量が所定
量に達したのち、処理器の切換工程を指令するまで、血
液が凝固しない程度の最低の流量を確保し、且つ、余分
の血液処理がなるべく行われないようにすることができ
る。
【0010】また前記血液処理装置において、前段処理
器における血液処理量が所定量に達した時点で、前段処
理器の血液処理量が所定量に達したことを報知する機能
を備えることができる。これにより、医師又はオペレー
ター等が、前段処理器での血液処理終了を容易に確認す
ることができる。
【0011】さらに前段処理器における血液処理量が所
定量に達した後、処理器切換指令に基づいて、前段の処
理器内の返血工程を開始するように設定してもよい。こ
のように、前段処理器の血液処理量が所定量に達した時
に、自動的に後段処理器に切り換わるのではなく、処理
器切換指令を発するまでは前段処理器の返血工程が開始
されないよう設定することにより、処理器の切換が適切
であるかどうかを切換前に検討・判断する機会を得るこ
とができる。
【0012】なお前記血液処理装置において、前段処理
器における血液処理量が所定量に達した時点で、目標血
液処理量の設定値を変更することにより、前段処理器に
よる血液処理が継続して行われるように設定することが
できる。すなわち、前段処理器の血液処理量が所定量に
達した時点で、例えば、操作誤りなどのため前段処理器
での処理実行量が所望の処理量より少なかった場合に
は、目標血液処理量を設定し直すことにより、前段処理
器での血液処理を継続することができる。
【0013】あるいは、前段処理器における血液処理量
が所定量に達する前に、目標血液処理量の設定値を変更
することにより、前段処理器による血液処理を終了状態
とする機能を備えるようにしてもよい。これは、前段処
理器での処理量が所定値に達する前に、例えば患者の血
液特性等のため処理器が詰まりぎみになるなど、血液処
理状態が芳しくない場合には、医師等が状況を判断した
上で、処理量の設定値を小さな値に設定し直すことによ
り、後段処理器での血液処理に切り換えることができる
ようにするためである。
【0014】ところで前記血液処理装置において、前段
処理器内から血液を押し出す返血工程実行中の血液流量
を、自動的に所定の低流量とする機能を備えることが望
ましい。これは、返血工程中、処理器が直列に接続した
流路が一時的に形成されるので、処理器の流入側の圧力
が高くなって液回路の接続部などから漏液が発生するこ
とや、不必要な圧力警報発生による治療の遅延を防ぐた
めである。
【0015】さらに後段処理器のプライミング容量を、
前段処理器のプライミング容量と等しいか、又は、前段
の処理器のプライミング容量より大きく設定してもよ
い。これにより、患者への過剰な生理食塩液注入を最小
限にとどめながら、且つ、処理器内の残血量も最小限に
抑えることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕図1に、本発
明に係る血液処理装置(以下、本発明装置と言う)の一
実施形態の概略構成を示す。この本発明装置は、図示の
如く配管された液回路の適所に、血液中の有害物又は不
要物を吸着除去する二個の処理器A,B、液回路内に血
液凝固を抑制する抗凝固剤を導入するための抗凝固剤ポ
ンプM及び抗凝固剤注入器N、液回路の洗浄又はプライ
ミング用の生理食塩液の供給手段、血液を循環流動させ
る血液ポンプ、ドリップチャンバーD1〜D4、圧力検
知器P1〜P4・液切れ検知器・レベル検知器・気泡検
出器等の各種センサー、返血する血液を適温に温める加
温器、流路切換のためのバルブV1〜V7、及び、所定
のドリップチャンバーD2,D4を大気開放するための
開放バルブU1,U2等が設けられて成るものである。
上記のポンプ・バルブ・センサー・加温器等は、機器パ
ネルに予め組み込んで一体化しておき、これに液回路を
構成する血液チューブ,処理器,ドリップチャンバー,
生理食塩液や抗凝固剤の供給バッグ等を取り付けて、本
発明装置を構成するとよい。なおバルブV1〜V7に
は、クランプバルブ等が用いられる。また、前記処理器
A,Bとしては、一例として血液中から低分子コレステ
ロール等の有害物又は不要物を選択的に吸着除去するも
のを使用するが、他の血液処理を行う処理器を用いるこ
とも妨げない。
【0017】図2に、本発明装置の制御系のブロック図
の一例を示す。本発明装置は、タッチパネル付き液晶表
示画面からなる操作パネルを備えており、この操作パネ
ル上でほぼ全ての動作指令及びデータ表示を行うことが
できるよう構成されている。同図に示すように、本発明
装置の動作、すなわちポンプ、バルブなどのアクチェー
ターの制御、警報ブザー・警報灯の動作の制御、及び、
本発明装置の状態データの操作パネルへの出力等は、各
検知器から出力される状態信号と、操作パネルから送信
される動作指令信号とに基づき、CPU基板に搭載され
たマイクロプロセッサによって制御されるようなされて
いる。
【0018】図3は、本発明装置の動作順序の一例を示
すフローチャートである。同図に示す如く、本発明装置
は、機器への電源投入後、まず治療時の機器故障を未然
に防ぐべく機器の動作確認をする自己診断を行う。自己
診断は、ポンプやバルブ等のアクチェーターについては
実際に動作させて行う。例えば、ポンプの場合にはポン
プに取り付けたエンコーダーからの回転信号、バルブの
場合にはそのバルブに取り付けた開閉検知器の信号によ
り故障のないことを確認する。気泡検知器の場合は、こ
の時点では液の満たされた液回路が機器に装着されてい
ないため、出力信号が「気泡有り状態」であることを確
認する。なお、後の洗浄又はプライミング工程で、装着
された液回路に生理食塩液などを流通させたときに「気
泡なし状態」の確認を行うことができる。圧力検知器に
ついては、圧力検知のための受圧口が大気開放となって
いるため、ゼロ点のチェックとゼロ点補正が同時に行わ
れる。
【0019】装置の自己診断後の回路装着工程では、オ
ペレーターが、血液チューブよりなる液回路、二個の処
理器、生理食塩液バッグ,抗凝固剤バッグ,ドリップチ
ャンバー等を機器パネルに装着する。次の洗浄工程で
は、生理食塩液を用いて液回路及び処理器の洗浄を行っ
たのち、プライミング工程で、液回路及び処理器に先に
満たされている生理食塩液を、抗凝固剤を添加した生理
食塩液又はリンゲル液で置換する。治療(血液処理工
程)終了後の回収工程では、液回路及び処理器に導入さ
れた血液を返血する。最後に回路取り外し工程で、液回
路や処理器等を機器パネルから取り外したのち廃棄し、
一連の操作を終了する。
【0020】続いて、本発明装置による血液処理工程
を、図4乃至図7を用いて説明する。なお図面におい
て、開状態のバルブV1〜V7を白抜きの円で、閉状態
のものを横棒を引いた円で示す。まず図4に示すよう
に、液回路の採血回路部において採決した血液を、血液
ポンプで吸着回路部の前段処理器Aへ供給し、ここで血
液中の有害物又は不要物の吸着除去を行う。吸着除去処
理が行われた血液は、返血回路の加温器により体温程度
に温められてから、患者へ返血される。なお、治療開始
直後は血液を処理器に馴染ませるため、血液流量をゼロ
から徐々に増加させ、血液流量が設定値に到達した時点
で一定流量となるよう、血液ポンプをマイクロプロセッ
サにより制御する。抗凝固剤Mの供給流量は、血液流量
に対する比率が0〜20%の範囲となるように操作パネ
ル上で設定できるようになされており、通常、血液流量
の5〜10%程度とされる。また、血液流量を徐々に増
加させる場合には、抗凝固剤Mの供給流量が、血液流量
に対する設定比率を保って徐々に増加するように抗凝固
剤ポンプが制御される。
【0021】前段処理器Aにおける処理量は、あらかじ
め設定された血液処理量に到達するまで行われる。処理
量の計測は、血液ポンプの回転数をマイクロプロセッサ
が積算することで行われ、これに係数を乗じて得られる
処理量積算値に基づき、本発明装置の動作シーケンスを
管理する。本発明装置では、前段処理器Aで所定量の血
液処理が終了したとき、直ちに処理器を切り換えるので
はなく、一旦、血液流量が所定の低流量となるように自
動的に血液ポンプを制御する待機状態へ移行する。例え
ば、前段処理器Aによる血液処理時の血液流量を100
ml/分に設定していた場合、その1/2の流量である5
0ml/分と前もって設定した40ml/分とを比較し、小
さいほうの流量40ml/分を採用する。前段処理器Aで
の血液処理を60ml/分の流量で行っていた場合には、
その1/2である30ml/分と上記40ml/分とを比較
し、前者の流量30ml/分となるように血液ポンプを制
御する。但し、血液流量の下限値は20ml/分に制限し
てある。前記の如く血液流量を制御することにより、前
段処理器Aから後段処理器Bへの切換指令が与えられる
までの待機期間中は、血液が凝固しない程度の最低流量
を確保し、且つ、なるべく余分な血液処理が行われない
ようにすることができる。この待機期間中に医師又はオ
ペレーター等が、例えば切換キーを押すなどして、処理
器切換指令を与えることにより、処理器の切換工程へ移
行する。
【0022】図5に、処理器の切換工程を示す。処理器
切換指令に基づき、本発明装置は図示するように、血液
回路を後段処理器Bの流入側に接続すると共に、後段処
理器Bの流出側と前段処理器Aの流入側とを接続した流
路を構成する。そして、血液ポンプにより採血した血液
を後段処理器Bに導入すると、後段処理器Bに満たされ
ているプライミング液が、導入される血液により押し出
され、前段処理器Aへ移送される。これにより、前段処
理器Aに満たされている血液が押し出され、返血回路部
を通じて患者に返血されることになる。なお、前段処理
器Aと後段処理器Bにプライミング容積の等しいものを
用いた場合、切換工程時の前段処理器A内への液導入量
は、通常、上記プライミング容積に設定される。ところ
で本例では、上記切換工程中の血液流量を、血液処理工
程中における流量の1/2となるように設定した。上記
切換工程中は二個の処理器A,Bが直列に接続された状
態となるので、一個の処理器で血液処理をしている状態
と比べて処理器の入口圧力が高くなりすぎるおそれがあ
り、流量によっては回路接続部などから漏れが発生する
ことがある。そこで、切換工程中の血液流量を上記の如
く所定の低流量とすることにより、この問題を防ぐこと
ができる。
【0023】切換工程の終了後、図6に示すように流路
を切り換えて、後段処理器Bの流出側を返血回路部に接
続し、後段処理器Bによる血液処理を行う。後段処理器
Bでの血液処理は、前段処理器Aの血液処理と流路が異
なるだけであるから、ここでの説明は省略する。また、
以上述べた本発明装置の動作順序をフローチャートで示
すと、図7の如くとなる。
【0024】〔第2の実施形態〕図8に、本発明の異な
る実施形態を示す。前述したように、本発明装置は、図
4に示す前段処理器Aによる血液処理の処理量があらか
じめ設定された目標血液処理量に達したならば、前段処
理器Aによる血液処理を終了させて、処理器切換指令を
待つ動作シーケンスに入るよう設定されている。そし
て、第1の実施形態と同様に、この待機期間中にオペレ
ーターが処理器切換指令を与える(例えば切換えキーを
押す)ことで、本発明装置は処理器切換工程へ移行す
る。しかるに本実施形態では、前段処理器Aで所定量の
血液処理が終了したのち、後段処理器Bへの切換指令の
待機中に、目標血液処理量をその時点での血液処理量以
上に設定し直すことにより、血液流量が血液処理時の流
量となるよう血液ポンプを制御して、前段処理器Aによ
る血液処理を再開できるようにした。例えば、オペレー
ターの操作ミスなどにより、前段処理器Aによる処理中
に、あらかじめ設定してあった目標血液処理量を、誤っ
てその時点での血液処理量以下に設定し直してしまった
場合、前段処理器Aの処理能力を十分に活用する前に、
前段処理器Aによる血液処理が終了してしまう。また、
治療の状況によっては、前段処理器Aでの血液処理を当
初設定した目標血液処理量以上に行うことを、医師等が
判断することも考えられる。そこで本例の如く構成して
おけば、上記のような場合に、目標血液処理量を再設定
することにより、前段処理器Aでの血液処理を再開する
ことができる。
【0025】〔第3の実施形態〕本実施形態は、前段処
理器Aによる血液処理の処理量があらかじめ設定された
目標血液処理量に達する前であっても、目標血液処理量
の設定値を現時点での血液処理量以下の値に設定し直す
ことにより、本発明装置が直ちに、前段処理器Aによる
血液処理を終了させて待機状態となる動作シーケンスへ
移行できるよう構成したものである。そして、医師又は
オペレーター等が処理器切換指令を与える(例えば切換
えキーを押す)ことで、処理器切換工程が開始される。
本実施形態によれば、前段処理器Aでの処理量が所定値
に達する前に、医師が早く血液処理を終了させた方が好
ましいと判断した場合、例えば患者の血液特性等のため
処理器が詰まりぎみになる等、血液処理状態が芳しくな
い場合などには、前段処理器Aにおける目標血液処理量
の設定値を小さな値に設定し直すことにより、後段処理
器Bでの血液処理に切り換えることができる。
【0026】〔第4の実施形態〕本実施形態は、図9に
示す如く、後段処理器Bに前段処理器Aよりもプライミ
ング容量が大きいものを用い、切換工程時に前段処理器
A内へ導入する液量を、後段処理器Bのプライミング容
量に設定したものである。切換工程時において、生理食
塩液などで前段処理器A内の血液を押し出す場合、血球
成分の方が血漿成分よりも先に返血される。このため、
前述の実施形態のように前段処理器Aと後段処理器Bの
プライミング容積を等しくし、前段処理器A内へ導入す
る液量を上記プライミング容量とした場合、血漿成分が
完全に排出されず前段処理器A内に残ってしまうおそれ
がある。そこで本例の如く、後段処理器Bのプライミン
グ容量を前段処理器Aよりも大きくしておくことによ
り、上記問題を解決することが可能である。また、前段
処理器Aと後段処理器Bのプライミング容量を等しくし
た場合でも、例えば図10に示すように、回路の途中に
適当容量の液溜め部を設けることによって、同様の効果
を得ることができる。但し本例は、血漿成分を完全に返
血できる一方で、患者に余分なプライミング液が注入さ
れることになるため、本例を採用するかどうかは原則と
して医師等の判断に基づく必要がある。
【0027】ところで前記実施形態は、処理器が2個の
場合について述べたものであるが、本発明は、処理器が
3個以上の場合でも適用し得るものである。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る血液処理装置によれば、前
段処理器内の血液を後段処理器内のプライミング液で押
し出すようにしたので、二個の処理器を用いた血液処理
の実行中に体外循環血液量を増加させることがなく、血
圧低下を招くおそれがない。しかも液回路の構成及び装
置の動作を簡単にすることができる。
【0029】前段処理器で所定量の血液処理が終了する
と自動的に血液流量が所定の低流量となるように設定し
た場合、血液凝固を回避できると同時に、余分な血液処
理がなるべく行われないようにすることができる。一般
に、治療時間の短縮のためには血液流量を低下させない
ことが望ましい。しかしながら、前段処理器での血液処
理終了時に折よくオペレーター等が居合わせるとは限ら
ず、オペレーター等が次の切換指令を行うまでに多少な
りとも時間を要することがある。このような場合に、血
液流量を血液処理工程中の設定値に維持したならば、医
師が意図しない余分な血液処理が行われるおそれがあ
る。しかるに血液ポンプを停止させてしまうのは、血液
凝固の可能性が発生するので好ましくない。本発明装置
は、血液凝固が発生しない程度の血液流量に制御して、
処理器の切換指令を待機するから、上記の問題を解決す
ることができる。
【0030】なお本発明装置において、前段処理器にお
ける血液処理量が所定量に達した時点で、これを報知す
る機能を備えた場合は、医師やオペレーター等が前段処
理器での血液処理終了を即座に知ることができる。
【0031】さらに本発明装置は、前段処理器の処理量
が所定量に達した後、自動的に処理器が切り換わるので
はなく、処理器切換指令が与えられてはじめて前段処理
器の返血工程が開始されるように設定した場合は、処理
器の切換が適切であるかどうかを切換前に検討・判断す
る機会を得ることができる。そして、前段処理器の処理
量が所定量に達した時点で、目標血液処理量の設定値を
変更することにより、前段処理器での血液処理を継続し
て行えるよう構成すれば、前段処理器の能力を無駄なく
十分に活用することが可能となる。あるいは、前段処理
器における血液処理量が所定値に達する前に、目標血液
処理量の設定値を変更すると前段処理器の血液処理が終
了状態となる機能を備えるようにした場合は、血液処理
状態が芳しくないなど医師が必要と認めたときに、血液
処理を即座に後段処理器へ切り換えることが可能とな
る。このように本発明装置は、実際の治療において患者
の状態を見ながら、当初の目標値より多くの血液処理を
行ったり、逆に早く血液処理を終了させたりすることが
でき、操作ミスによる不具合発生の可能性を低減しつつ
治療の自由度を広げているから、患者の状態に合わせた
適切な治療を行うことが可能である。
【0032】なお本発明装置は、前段処理器内から血液
を押し出す返血工程実行中の血液流量を自動的に所定の
低流量とする機能を持たせることにより、処理器の流入
側の圧力が高くなって、液回路の接続部などから漏液が
発生したり、不必要な圧力警報の発生による治療の遅延
を防ぐことができる。
【0033】さらに、後段処理器のプライミング容量を
前段処理器のプライミング容量以上とすると共に、処理
器切換工程時における前段処理器への導入液量を後段処
理器のプライミング容量とすることにより、前段処理器
内の血液、特に血球成分を確実に押し出すことができる
ので、血液、特に血球成分の残留量を低減化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る血液処理装置の第1の実施形態に
関するものであって、全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る血液処理装置の第1の実施形態に
関するものであって、制御系のブロック図である。
【図3】本発明に係る血液処理装置の第1の実施形態に
関するものであって、動作順序を説明するフローチャー
トである。
【図4】本発明に係る血液処理装置の第1の実施形態に
関するものであって、前段処理器による処理工程を示す
図である。
【図5】本発明に係る血液処理装置の第1の実施形態に
関するものであって、処理器の切換工程を示す図であ
る。
【図6】本発明に係る血液処理装置の第1の実施形態に
関するものであって、後段処理器による処理工程を示す
図である。
【図7】本発明に係る血液処理装置の第1の実施形態に
関するものであって、動作シーケンスフローを示す図で
ある。
【図8】本発明に係る血液処理装置の第2の実施形態に
関するものであって、動作シーケンスフローを示す図で
ある。
【図9】本発明に係る血液処理装置の第3の実施形態に
関するものであって、全体構成を示す概略図である。
【図10】本発明に係る血液処理装置の第3の実施形態
の別態様に関するものであって、全体構成を示す概略図
である。
【図11】従来の血液処理装置の一例を示す全体構成図
である。
【符号の説明】
A,B:処理器 V1〜V11:クランプバルブ D1〜D5:ドリップチャンバ P1〜P5:圧力検出器 M:抗凝固剤バッグ N:抗凝固剤注入器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液に対して所定の処理を施す処理器を
    少なくとも二個以上使用し、先に処理を実行する前段の
    処理器で所定量の血液処理を行い、次に後段の処理器で
    血液処理を実行するように設定された血液処理装置にお
    いて、前段処理器での血液処理量が所定量に達した後、
    後段処理器内に満たされているプライミング液を前段処
    理器内に導入して前段処理器内の血液を返血する返血工
    程を実行し、返血量が所定値に達した後、後段処理器で
    血液処理を続行することができるように構成されている
    ことを特徴とする血液処理装置。
  2. 【請求項2】 前段処理器における血液処理量が所定量
    に達した時点で、血液流量を自動的に所定の低流量とす
    るように設定されている請求項1に記載の血液処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前段処理器の血液処理量が所定量に達し
    たことを報知する機能が備えられている請求項1又は2
    に記載の血液処理装置。
  4. 【請求項4】 前段処理器における血液処理量が所定量
    に達した後、処理器切換指令に基づいて、前段処理器の
    返血工程を開始するように設定されている請求項1乃至
    3のいずれかに記載の血液処理装置。
  5. 【請求項5】 前段処理器における血液処理量が所定量
    に達した時点で、目標血液処理量の設定値を変更するこ
    とにより、前段処理器による血液処理が継続して行われ
    るように設定されている請求項1乃至4のいずれかに記
    載の血液処理装置。
  6. 【請求項6】 前段処理器における血液処理量が所定量
    に達する前に、目標血液処理量の設定値を変更すること
    により、前段処理器による血液処理を終了状態とする機
    能を備えた請求項1乃至5のいずれかに記載の血液処理
    装置。
  7. 【請求項7】 前段処理器内から血液を押し出す返血工
    程実行中の血液流量を、自動的に所定の低流量とする機
    能を備えた請求項1乃至6のいずれかに記載の血液処理
    装置。
  8. 【請求項8】 後段処理器のプライミング容量を、前段
    処理器のプライミング容量と等しいか、又は、前段処理
    器のプライミング容量より大きく設定した請求項1乃至
    7のいずれかに記載の血液処理装置。
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